JP2002090290A - 磁区構造観察装置及び磁区構造観察方法 - Google Patents

磁区構造観察装置及び磁区構造観察方法

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JP2002090290A
JP2002090290A JP2000277071A JP2000277071A JP2002090290A JP 2002090290 A JP2002090290 A JP 2002090290A JP 2000277071 A JP2000277071 A JP 2000277071A JP 2000277071 A JP2000277071 A JP 2000277071A JP 2002090290 A JP2002090290 A JP 2002090290A
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Eiji Yanagisawa
栄二 柳沢
Mitsuteru Inoue
光輝 井上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料に入射される光の波長を可変にしなが
ら、磁区構造を観察できる磁区構造観察装置を提供す
る。 【解決手段】 本発明による磁区構造観察装置は、入射
光を試料(22)に入射する光入射部(1〜16)と、
試料(22)から出射する出射光に基づいて、試料(2
2)の磁区構造を検出する検出部(18〜20)とを具
備する。光入射部(1〜16)は、入射光の波長を調整
する波長調整手段(4)を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁区構造観察装置
及び磁区構造観察方法に関する。本発明は、特に、磁気
光学効果を利用して磁区構造を観察する磁区構造観察装
置及び磁区構造観察方法に関する。
【0002】
【従来の技術】試料の局所的な光学的性質を観察するこ
とを目的として、偏光顕微鏡が使用されている。
【0003】図9は、公知の偏光顕微鏡の構成を示す。
公知のその偏光顕微鏡は、鏡101、偏光子102、集
光レンズ103、試料台104、試料105、対物レン
ズ106、検光子107、接眼レンズ108とからな
る。
【0004】公知のその偏光顕微鏡により、試料105
の局所的な光学的性質が観察される過程を説明する。光
109が、鏡101を介して偏光子102に入射され、
直線偏光110が生成される。直線偏光110は集光レ
ンズ103を通して試料105に入射される。直線偏光
110が試料105を透過して、直線偏光110と偏光
面の方向がずれた直線偏光111が出射される。なお、
本明細書における「偏光面」は、光の磁気ベクトルと光
の進行方向とを含む平面であると定義することとする。
試料105から出射された直線偏光111は、対物レン
ズ106を介して検光子107に入射される。
【0005】検光子107は、偏光子102と垂直な方
向の偏光面の光を通過する。直線偏光111のうち、直
線偏光110と垂直な成分が検光子107を通過して観
察光112が生成される。
【0006】観察者は、接眼レンズ108から観察光1
12を観察することにより、試料105の局所的な光学
的性質を知ることができる。即ち、試料105のうち大
きな旋光性を示す部分は、明るい像として観察される。
試料105のうち旋光性が小さい部分は、暗い像として
観察される。このように、像の明暗により試料105の
局所的な光学的性質を知ることができる。
【0007】公知のその偏光顕微鏡は、試料105の磁
区構造を観察することを目的としても使用できる。光が
試料105を透過したとき、その光の偏光面が変化する
角度は、試料105の磁化の大きさに依存する。従っ
て、試料105の内部に磁化が発生している場合には、
観察光112を観察することによって試料105の磁化
に依存した像を得ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、試料
に入射される光の波長を可変にしながら、磁区構造を観
察できる磁区構造観察装置を提供することにある。特
に、試料に入射される光の波長を連続的に調整しながら
磁区構造を観察できる磁区構造観察装置を提供すること
にある。
【0009】本発明の他の目的は、試料の磁区構造を立
体的に解析できる磁区構造観察装置を提供することにあ
る。
【0010】本発明の更に他の目的は、試料に磁化を発
生させた上で磁区構造を観察することができる磁区構造
観察装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】その課題を解決するため
の手段は、下記のように表現される。その表現中に現れ
る技術的事項には、括弧()つきで、番号、記号等が添
記されている。その番号、記号等は、本発明の複数の実
施の形態のうちの、少なくとも1つの実施の形態を構成
する技術的事項、特に、その実施の形態に対応する図面
に表現されている技術的事項に付せられている参照番
号、参照記号等に一致している。このような参照番号、
参照記号は、請求項記載の技術的事項と実施の形態の技
術的事項との対応・橋渡しを明確にしている。このよう
な対応・橋渡しは、請求項記載の技術的事項が実施の形
態の技術的事項に限定されて解釈されることを意味しな
い。
【0012】本発明による磁区構造観察装置は、入射光
(35、39)を試料(22)に入射する光入射部(1
〜16)と、試料(22)から出射する出射光(36、
40)に基づいて、試料(22)の磁区構造を検出する
検出部(18〜20)とを具備する。光入射部(1〜1
6)は、入射光(35、39)の波長を調整する波長調
整手段(4)を含む。当該磁区構造観察装置は、試料
(22)に入射される入射光(35、39)の波長を可
変にすることができる。
【0013】当該磁区構造観察装置において、出射光
(36)は、入射光(35)が前記試料を透過すること
により生成されることがある。この場合、当該磁区構造
観察装置は、試料(22)の磁区構造の透過観察を行う
ことになる。
【0014】また、当該磁区構造観察装置において、出
射光(40)は、入射光(35)が試料(22)によっ
て反射されることにより生成されることがある。この場
合、当該磁区構造観察装置は、試料(22)の磁区構造
の反射観察を行うことになる。
【0015】また、当該磁区構造観察装置において、波
長調整手段(4)は、入射光(35、39)の波長を連
続的に調整し得ることが望ましい。
【0016】とりわけ、当該磁区構造観察装置におい
て、波長調整手段(4)は、モノクロメータ(4)を含
むことが望ましい。
【0017】また、当該磁区構造観察装置において、入
射光(35)の波長は、試料(22)の光の吸収率に基
づいて定められることが望ましい。これにより、試料
(22)の光の吸収率に応じて、磁区構造の観察に適し
た波長を有する入射光(35)を試料(22)に入射す
ることができる。
【0018】また、当該磁区構造観察装置において、試
料(22)に磁界を印加する磁界印加手段(17)を更
に具備することが望ましい。
【0019】本発明による磁区構造観察方法は、(a)
入射光(35、39)を試料(22)に入射するステッ
プと、(b)試料(22)から出射する出射光(36、
40)から試料(22)の磁区構造を検出するステップ
とを具備する。入射光(35、39)の波長は可変であ
る。
【0020】本発明による磁区構造観察方法は、(c)
第1波長(λ)を有する第1入射光(39)を試料に
入射するステップと、(d)第1入射光(39)が反射
されることにより試料(22)から出射される第1出射
光(波長λである40)を検出するステップと、
(c)第1波長(λ)と異なる第2波長(λ)を有
する第2入射光(39)を試料(22)に入射するステ
ップと、(d)第2入射光(39)が反射されることに
より試料(22)から出射される第2出射光(波長λ
である40)を検出するステップと、(e)第1出射光
(波長λである40)と第2出射光(波長λである
40)に基づいて、試料(22)の磁区の立体的構造を
検出するステップとを具備する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、
本発明による磁区構造観察装置を説明する。
【0022】図1は、本発明の一実施の形態の磁区構造
観察装置の構成を示す。当該磁区構造観察装置は、ラン
プ光源1、光ファイバー2、集光レンズ3、モノクロメ
ータ4、コリメータレンズ5、可動ミラー6、ミラー
7、8、偏光子9、リレーレンズ10、コンデンサレン
ズ11、ミラー12、13、偏光子14、ハーフプリズ
ム15、対物レンズ16、コイル17、検光子18、結
像レンズ19、CCDカメラ20、モニタ21からな
る。当該磁区構造観察装置により、試料22の磁区構造
が観察される。
【0023】当該磁区構造観察装置の構成を説明する。
ランプ光源1は、キセノンランプであり、多色光を発生
する。光ファイバー2は、ランプ光源1により発生され
た多色光を導波して、集光レンズ3に入射する。集光レ
ンズ3は、その多色光を集光し、モノクロメータ4に入
射する。モノクロメータ4は、その多色光を単色化し、
所望の波長λを有する単色光を出射する。波長λは、連
続的に調整可能である。コリメータレンズ5は、モノク
ロメータ4が出射した単色光を平行化する。
【0024】可動ミラー6は、コリメータレンズ5によ
り平行化された単色光を、以下に述べられる2つの光路
のいずれかに出射する。その単色光がいずれの光路を通
るかは、可動ミラー6が第1位置6aにあるか第2位置
6bにあるかによって定められる。
【0025】第1の光路23には、ミラー7、8、偏光
子9、リレーレンズ10、コンデンサレンズ11が設け
られている。このとき、偏光子9は、第1の光路23を
通る単色光を直線偏光に変換する。第1の光路23を通
る単色光は、試料22の裏面に入射され、試料22を透
過する。第1の光路23を通る単色光は、磁化を有する
試料22を透過する際に、ファラデー効果により旋光さ
れる。
【0026】第2の光路24には、ミラー12、13、
偏光子14、ハーフプリズム15、対物レンズ16が設
けられている。このとき、偏光子14は、第2の光路を
通る単色光を直線偏光に変換する。第2の光路24を通
る単色光は、試料22の表面に入射される。試料22
は、入射された単色光を反射する。このとき、試料22
は、第2の光路24を通る単色光を磁気カー効果により
旋光する。
【0027】試料22を透過して、又は、試料22によ
り反射されて試料22から出射される単色光は、対物レ
ンズ16、ハーフプリズム15を介して検光子18に入
射される。
【0028】検光子18は、偏光子9及び偏光子14が
出射する直線偏光の偏光面と、概ね垂直な偏光面を有す
る成分の光のみを通過する。検光子18を通過する光の
強度は、試料22の磁化の向き、大きさに依存してい
る。検光子18を通過する光が結像レンズ19を介して
CCD20の撮像面の上で結像し、試料22の磁化の向
き、大きさを示す像、即ち、試料22の磁区構造がモニ
タ21に映し出される。
【0029】ここで、試料22の磁区構造は、コイル1
7により変更され得る。コイル17は、試料22に磁界
を印加して磁化を発生し、又は、試料22の磁区構造を
変更する。
【0030】続いて、試料22の磁区構造が透過観察さ
れる場合、即ち、試料22を透過する光によって観察さ
れる場合に、当該磁区構造観察装置が行う動作を、図2
を参照しながら説明する。
【0031】図2に示されているように、多色光31が
ランプ光源1により発生される。光多色光31は、光フ
ァイバー2により導波され、集光レンズ3に入射され
る。集多色光31は、集光レンズ3により集光され、モ
ノクロメータ4に入射される。
【0032】モノクロメータ4に入射される多色光31
は、その中から所定の波長の成分が抽出され、単色化さ
れる。多色光31が単色化されて単色光32が生成され
る。モノクロメータ4は、単色光32の波長を400
(nm)〜1500(nm)の範囲で連続的に調整する
ことができる。これにより、試料22の光の吸収率に応
じて、磁区構造の観察に適した波長を有する光を試料2
2に入射することができる。
【0033】即ち、試料22の磁区構造が透過観察され
る場合には、試料22に入射される光の波長は、その光
が試料22を透過するように選ばれている必要がある。
試料22によって吸収されるような波長を有する光が試
料22に入射された場合、試料22の磁区構造を観察す
ることができない。モノクロメータ4が、所望の波長の
単色光32を出射することにより、試料22の光の吸収
率に応じて、適切な波長を有する光を試料22に入射す
ることができる。
【0034】モノクロメータ4によって生成された単色
光32は、コリメータレンズ5に入射される。単色光3
2は、コリメータレンズ5によって平行化され、所定の
径を有する平行ビーム33として出射される。
【0035】試料22の磁区構造が透過観察される場
合、平行ビーム33の光路上に、可動ミラー6が置かれ
る。即ち、可動ミラー6は、第1位置6aに置かれる。
平行ビーム33は、可動ミラー6により反射され、透過
観察用ビーム34として出射される。透過観察用ビーム
34は、ミラー7、8により反射され、偏光子9に入射
される。偏光子9は、透過観察用ビーム34のうち所定
の偏光面を有する成分のみを透過して、透過観察用直線
偏光35を発生する。透過観察用直線偏光35は、リレ
ーレンズ10、コンデンサレンズ11を介して試料22
に入射される。
【0036】試料22は透過観察用直線偏光35を透過
し、観察光36として出射する。観察光36は直線偏光
である。透過観察用直線偏光35は、試料22を透過す
るとき、試料22の内部に存在する磁化に起因するファ
ラデー効果によって旋光される。従って、図3(b)、
(c)に示されているように、観察光36の偏光面36
aは、透過観察用直線偏光35の偏光面35aからずれ
ることになる。
【0037】ここで、観察光36の偏光面36aと透過
観察用直線偏光35の偏光面35aとのなす角度θ
は、試料22の内部において透過観察用直線偏光35
が進行する方向に発生している磁化に依存する。このと
き、磁化の方向が反対になれば、角度θの符号も逆転
する。以下では、図3に示されているように、試料22
の内部で、透過観察用直線偏光35が進行する方向の磁
化が発生している場合、θ >0となるように透過観察
用直線偏光35が旋光され(図3(b))、試料22に
透過観察用直線偏光35が進行する方向と逆方向の磁化
が発生している場合、θ<0となるように透過観察用
直線偏光35が旋光されるとする(図3(c))。ここ
で、角度θの正の方向は、反時計回りにとられてい
る。
【0038】このとき、試料22の磁化が空間的に分布
を有する場合には、観察光36の偏光面36aの方向
も、その分布に対応して空間的に分布する。従って、観
察光36の各部の偏光面36aの方向は、試料22の各
部の磁区構造を示すことになる。
【0039】試料22の磁区構造の情報を含んだ観察光
36は、対物レンズ16、ハーフプリズム17を通過
し、検光子18に入射される。検光子18は、図4に示
されているように、偏光子9が出射する透過観察用直線
偏光35の偏光面35aと、θ の角度をなす偏光面1
8aを有する成分の光のみを通過して、結像光37とし
て出射する。
【0040】検光子18から出射される結像光37の強
度は、試料22の内部において透過観察用直線偏光35
が進行する方向に発生している磁化に依存する。なぜな
ら、試料22の内部において磁化が発生していると、透
過観察用直線偏光35がファラデー効果により旋光され
て観察光36として出射されるからである。
【0041】検光子18が出射する結像光37の偏光面
と、偏光子9が出射する透過観察用直線偏光35aの偏
光面とがなす角θは、概ね90°である。しかし、θ
は、90°からは意図的に微小にずらされている。よ
り具体的には、θは概ね89°である。
【0042】結像光37の光強度Iは、θ、θ
ら、 I(θ)=I{1−cos 2・(θ+θ)} …(1) と表される。ここで、θは、試料22に透過観察用直
線偏光35が進行する方向の磁化が発生している場合で
約+1°、試料22に、透過観察用直線偏光35が進行
する方向と反対方向の磁化が発生している場合で約−1
°程度である。
【0043】仮に、図5(b)に示されているようにθ
=90°に設定したとすると、結像光37の光強度
は、θに対して偶関数になる。従って、結像光37
は、試料22に透過観察用直線偏光35が進行する方向
の磁化が発生している場合と、その反対方向の磁化が発
生している場合とで、同じ光強度を有することになる。
従って、θ=90°に設定すると、いずれの方向の磁
化が発生しているかを光強度により特定することができ
ない。
【0044】一方、θが90°から微小にずらされて
おり、θ≒89°とされている場合には、図5(a)
に示されているように、結像光37の光強度Iは、θ
に対して偶関数にならず、θがとり得る範囲内で単調
に増加する。したがって、いずれの方向の磁化が発生し
ているかを光強度により特定することができる。
【0045】検光子18から出射された結像光37は、
結像レンズ19によってCCD20の撮像面上に結像さ
れ、試料22の磁区構造を示す像が得られる。図3
(a)に示されているように、試料22のうち、透過観
察用直線偏光35が進行する方向の磁化が発生している
部分は、明部として観察される。試料22のうち、その
反対の方向の磁化が発生している部分では、暗部として
観察される。
【0046】なお、本形態において、θは、90°よ
りも大きい角度とされることも可能である。より具体的
には、θ≒91°とされることも可能である。この場
合には、試料22の磁区構造として得られる像の明暗が
逆転する。
【0047】続いて、試料22の磁区構造が反射観察さ
れる場合、即ち、試料22により反射される光によって
観察される場合に、当該磁区構造観察装置が行う動作
を、図6を参照しながら説明する。
【0048】ランプ光源1によって発生された多色光3
1は、試料22の磁区構造を透過観察する場合と同様
に、モノクロメータ4によって単色化され、単色光32
として出射される。多色光31から所定の波長の成分を
抽出し、単色光32として出射する。前述されているよ
うに、モノクロメータ4は、出射する単色光32の波長
を400(nm)〜1500(nm)の範囲で連続的に
調整することができる。
【0049】試料22の磁区構造が反射観察される場
合、試料22のうち、磁区構造が観察される領域は、試
料22の表面から、光の侵入深さまでの深さの領域であ
る。観察に使用される入射光の波長は、反射光が試料2
2に侵入する侵入深さに影響する。観察に使用される入
射光の波長は、単色光32の波長と同一であるから、モ
ノクロメータ4が出射する単色光32の波長を調整する
ことにより、磁区構造が観察される領域の深さを所望の
深さにすることができる。
【0050】モノクロメータ4が出射する単色光32
は、更にコリメータレンズ5によって平行化されて、平
行ビーム33が発生される。
【0051】試料22の磁区構造の反射観察が行われる
場合には、平行ビーム33の光路上には、可動ミラー6
は置かれない。即ち、可動ミラー6は、第2位置6bに
置かれる。平行ビーム33は、可動ミラー6によって反
射されず、反射観察用ビーム38となる。反射観察用ビ
ーム38は、ミラー12、13により反射され、ポララ
イザ14に入射される。ポラライザ14は、反射観察用
ビーム38のうち所定の偏光面を有する成分のみを透過
して、反射観察用直線偏光39を発生する。反射観察用
直線偏光39は、ハーフプリズム15、対物レンズ16
を介して試料22に入射される。
【0052】試料22は反射観察用直線偏光39を反射
し、観察光40として出射する。反射観察用直線偏光3
9は、試料22によって反射される際に、試料22の表
面近傍に存在する磁化に起因する磁気カー効果によって
楕円偏光に変換される。観察光40は、図7に示されて
いるように、楕円偏光である。
【0053】観察光40の偏光楕円40aの主軸40b
は、反射観察用直線偏光39の偏光面39aからずれ
る。このとき、主軸40bと偏光面39aのなす角度θ
は、試料18の表面近傍の磁化に依存する。このと
き、磁化の方向が反対になれば、角度θの符号も逆転
する。更に、試料22の磁化が空間的に分布を有する場
合には、観察光40の主軸40bの方向も、その分布に
対応して空間的に分布する。観察光40の各部の主軸4
0bの方向は、試料22の表面近傍の各部の磁区構造を
示すことになる。
【0054】試料22から出射される観察光40は、対
物レンズ16、ハーフプリズム15を透過し、検光子1
8に入射される。検光子19は、偏光子9が出射する透
過観察用直線偏光35の偏光面35aと、θの角度を
なす偏光面18aを有する成分の光のみを通過して、結
像光37として出射する。結像光37は、結像レンズ1
9によってCCD20の撮像面上に結像され、試料22
の磁区構造を示す像が得られる。観察光40から試料2
2の磁区構造を示す像を得る過程は、試料22の磁区構
造を透過観察する場合と同様であり、その説明は行わな
い。
【0055】以上の過程により、試料22の磁区構造の
反射観察が行われる。
【0056】ここで、試料22の磁区構造を反射観察に
より観察される場合には、互いに異なる2以上の波長で
磁区構造を観察することにより、試料22の磁区構造を
立体的に観察することができる。
【0057】まず、図8(a)に示されているように、
波長λを有する光を試料22に入射して、表面から深
さdまでの領域の磁化Mを測定する。続いて、図8
(b)に示されているように、波長λ(>λ)を有
する光を試料22に入射して、表面から深さdまでの
領域全体としての磁化Mを測定する。λ>λであ
るから、d<dである。このとき、表面からの深さ
dが、d≦d≦dである領域の磁化Mは、M
−Mである。
【0058】更に、他の波長を有する光を試料22に入
射することにより、所望の深さにおける磁化を測定する
ことができる。
【0059】以上に説明された本形態の磁区構造観察装
置において、ランプ光源1、光ファイバー2、集光レン
ズ3及びモノクロメータ4は、波長を可変にしながら光
を発生する他の装置に置換されることが可能である。例
えば、ランプ光源1、光ファイバー2、集光レンズ3及
びモノクロメータ4は、波長可変レーザに置換されるこ
とが可能である。
【0060】しかし、本形態のように、ランプ光源1と
モノクロメータ4との組み合わせは、連続的に波長を調
整でき、更に装置構成が簡略化できる点で好適である。
【0061】以上に説明されたように、本形態の磁区構
造観察装置は、試料に入射される光の波長を連続的に調
整することができる。これにより、当該磁区構造観察装
置は、試料の磁区構造の透過観察を行う場合には、試料
の光の吸収率を考慮して、適切な波長の光を使用して試
料の磁区構造を観察できる。更に、試料の磁区構造の反
射観察を行う場合には、磁区構造が観察される領域の表
面からの深さを所望の深さにすることができる。更に、
複数の波長の光を使用して磁区構造の反射観察を行うこ
とにより、試料の磁区構造を立体的に観察することがで
きる。
【0062】更に、当該磁区構造観察装置は、試料に磁
界を印加してすることによって磁化を発生し、又は、そ
の試料の磁区構造を変更することができる。
【0063】
【発明の効果】本発明により、試料に入射される光の波
長を可変にしながら、磁区構造を観察できる磁区構造観
察装置が提供される。特に、試料に入射される光の波長
を連続的に調整しながら磁区構造を観察できる磁区構造
観察装置が提供される。
【0064】また、本発明により、試料の磁区構造を立
体的に解析できる磁区構造観察装置が提供される。
【0065】また、本発明により、試料に磁化を発生さ
せた上で磁区構造を観察することができる磁区構造観察
装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態の磁区構造解析
装置の構成を示す図である。
【図2】図2は、当該磁区構造解析装置により、試料2
2の磁区構造の透過観察が行われる過程を説明する図で
ある。
【図3】図3は、試料22の磁区構造と、観察光36の
偏向角、及び磁区構造として得られる像の明暗の対応と
の関係を示す図である。
【図4】図4は、検光子18が透過する光の偏光面18
aの方向を示す図である。
【図5】図5は、θが、意図的に微小にずらされてい
る理由を説明するための図である。
【図6】図6は、当該磁区構造解析装置により、試料2
2の磁区構造の反射観察が行われる過程を説明する図で
ある。
【図7】図7は、反射観察用直線偏光39の偏光面39
aと、観察光40の偏光とを示す図である。
【図8】図8は、複数の波長を有する光を使用して、試
料22の磁区構造を立体的に観察する方法を説明する図
である。
【図9】図9は、従来の偏光顕微鏡を示す図である。
【符号の説明】
1:ランプ光源 2:光ファイバー 3:集光レンズ 4:モノクロメータ 5:コリメータレンズ 6:可動ミラー 7、8、12、13:ミラー 9、14:偏光子 10:リレーレンズ 11:コンデンサレンズ 15:ハーフプリズム 16:対物レンズ 17:コイル 18:検光子 19:結像レンズ 20:CCD 21:モニタ 22:試料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 光輝 東京都渋谷区恵比寿1−22−23−405 株 式会社オプトウエア内 Fターム(参考) 2G017 AC09 AD12 AD13 CA12 2G059 AA03 AA05 BB08 EE01 EE02 EE05 FF01 GG04 GG10 HH01 HH02 HH06 JJ01 JJ11 JJ12 JJ13 JJ15 JJ17 JJ19 KK04 PP04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射光を試料に入射する光入射部と、 前記試料から出射する出射光に基づいて、前記試料の磁
    区構造を検出する検出部とを具備し、 前記光入射部は、前記入射光の波長を調整する波長調整
    手段を含む磁区構造観察装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の磁区構造観察装置において、 前記出射光は、前記入射光が前記試料を透過することに
    より生成される磁区構造観察装置。
  3. 【請求項3】 請求項1の磁区構造観察装置において、 前記出射光は、前記入射光が前記試料によって反射され
    ることにより生成される磁区構造観察装置。
  4. 【請求項4】 請求項1の磁区構造観察装置において、 前記波長調整手段は、前記波長を連続的に調整し得る磁
    区構造観察装置。
  5. 【請求項5】 請求項4の磁区構造観察装置において、 前記波長調整手段は、モノクロメータを含む磁区構造観
    察装置。
  6. 【請求項6】 請求項1の磁区構造観察装置において、 前記波長は、前記試料の光の吸収率に基づいて定められ
    る磁区構造観察装置。
  7. 【請求項7】 請求項1の磁区構造観察装置において、 前記試料に磁界を印加する磁界印加手段を更に具備する
    磁区構造観察装置。
  8. 【請求項8】 (a)入射光を試料に入射するステップ
    と、 (b)前記試料から出射する出射光から前記試料の磁区
    構造を検出するステップとを具備し、 前記入射光の波長は可変である磁区構造観察方法。
  9. 【請求項9】 請求項8の磁区構造観察方法において、 前記波長は、前記試料の光の吸収率に基づいて定められ
    る磁区構造観察方法。
  10. 【請求項10】 (c)第1波長を有する第1入射光を
    試料に入射するステップと、 (d)前記第1入射光が反射されることにより前記試料
    から出射される第1出射光を検出するステップと、 (c)前記第1波長と異なる第2波長を有する第2入射
    光を前記試料に入射するステップと、 (d)前記第2入射光が反射されることにより前記試料
    から出射される第2出射光を検出するステップと、 (e)前記第1出射光と前記第2出射光に基づいて、前
    記試料の磁区の立体的構造を検出するステップとを具備
    する磁区構造観察方法。
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