JP2002086440A - 水硬性組成物部材の集合体及びその集合体を用いた成形体並びにその成形体の製造方法 - Google Patents

水硬性組成物部材の集合体及びその集合体を用いた成形体並びにその成形体の製造方法

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JP2002086440A
JP2002086440A JP2000279969A JP2000279969A JP2002086440A JP 2002086440 A JP2002086440 A JP 2002086440A JP 2000279969 A JP2000279969 A JP 2000279969A JP 2000279969 A JP2000279969 A JP 2000279969A JP 2002086440 A JP2002086440 A JP 2002086440A
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JP2000279969A
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Yutaka Miyamoto
豊 宮本
Toshiyuki Asaha
俊之 浅葉
Takao Minagawa
孝雄 皆川
Noriyuki Kosakai
規行 小堺
Takamasa Kaneyoshi
孝征 兼吉
Koji Mikami
光司 三上
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Kikuchi Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Kikuchi Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特開2000−7179号及び特開2000
−7411号の水硬性組成物を用いて、プレス加工や射
出成形等で用いる成形型等の大体積品を製造できる水硬
性組成物部材の集合体及びその集合体を用いた成形体並
びにその成形体の製造方法を提供すること。 【解決手段】 押し出し成形装置で押し出し品として成
形された複数の水硬性組成物部材50を補強材51を間
に介入させて積層し、この積層体を圧縮して水硬性組成
物部材50の圧着による集合体60を形成する。次い
で、少なくとも1個の水硬性組成物部材50に切削等の
成形加工を行った後、集合体60をオートクレーブ容器
内で養生硬化させ、プレス用の成形型の一部とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水硬性組成物部材
の集合体、及びその集合体を用いた成形体、並びにその
成形体の製造方法に係り、例えば、プレス加工や射出成
形等に用いる成形型、定盤、プレス機械のボルスタやス
ライド、工作機械のテーブル等を製造するために利用で
きるものである。
【0002】
【背景技術】従来一般的に、プレス加工や射出成形等に
用いる成形型、定盤、プレス機械のボルスタやスライ
ド、工作機械のテーブルは、鋳造によって得た鋳物品又
は金属ブロックを加工機械で切削、研削することにより
製造されていた。
【0003】また、特開平8−1249号及び特開平8
−1251号には、コンクリート製のプレス型が示され
ている。
【0004】また、特開2000−7179号及び特開
2000−7411号には、印刷機やファクシミリ、複
写機で用いる紙送りローラ等の機械部品を水硬性組成物
で形成する技術が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】プレス加工や射出成形
等に用いる成形型、定盤、プレス機械のボルスタやスラ
イド、工作機械のテーブルを得るために、鋳物品又は金
属ブロックを加工機械で切削、研磨する従来技術による
と、硬質材料である金属を加工しなければならないた
め、その加工作業に手間と時間がかかり、作業性の点で
問題があった。また、鋳物品から得る場合には、その原
型としての合成樹脂製マスターモデルや石膏型が必要と
なり、それだけ作業工程数が増すという問題もあり、さ
らには、原料金属を溶解して鋳型に注入する湯を作らな
ければならないため、多くの熱エネルギーが必要になる
という問題もあった。
【0006】また、プレス加工や射出成形等のための成
形型等を、特開平8−1249号及び特開平8−125
1号と同じく、コンクリートで製造しようとした場合に
は、このコンクリート製型の製造時に多量に水を使用す
ることから、コンクリートの硬化時に大きな収縮量が生
じ、このため、高精度の型を製造することはできないと
いう問題がある。
【0007】一方、特開2000−7179号及び特開
2000−7411号で示された水硬性組成物は、高温
による養生硬化前であれば大きな硬度となっておらず、
したがって、簡単に切削等の成形加工を行えて所定形状
に容易に成形できるとともに、多量の水を使用しないた
め、養生硬化による収縮量は極めて小さく、高精度品を
得られるという利点がある。
【0008】しかし、特開2000−7179号及び特
開2000−7411号で示された技術は、紙送りロー
ラ等の小さな機械部品を製造する場合であり、型に充填
した水硬性組成物を圧縮することにより、その機械部品
を製造するものであった。これに対し、上記したプレス
加工や射出成形等で用いる成形型、定盤、プレス機械の
ボルスタやスライド、工作機械のテーブルは、大きな体
積を有するものであり、特開2000−7179号及び
特開2000−7411号で示された技術をそのまま使
用してこれらを製造することは困難であり、大体積品を
製造するためには、そのための工夫が必要である。
【0009】本発明の目的は、特開2000−7179
号及び特開2000−7411号で示された水硬性組成
物を用いて、プレス加工や射出成形等で用いる成形型等
の大体積品を有効に製造できるようになる水硬性組成物
部材の集合体及びその集合体を用いた成形体並びにその
成形体の製造方法を提供するところにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る水硬性組成
物部材の集合体は、水硬性粉体50〜90重量%とこの
水硬性粉体の平均粒子径の1/10以下の平均粒子径を
有する非水硬性粉体10〜50重量%とからなる混合粉
体と、この混合粉体100重量部に対して2〜18重量
部の割合で配合された加工性改良剤とを含む水硬性組成
物から形成された複数個の水硬性組成物部材を有し、こ
れらの水硬性組成物部材が相互に圧着されて形成された
ことを特徴とするものである。
【0011】この水硬性組成物部材の集合体では、特開
2000−7179号及び特開2000−7411号で
示された水硬性組成物を原料とする水硬性組成物部材が
複数個製造されることになり、これらの水硬性組成物部
材が相互に圧着されているため、水硬性組成物部材の個
数に応じた大きさの成形体を製造できるようになり、大
体積品の製造も可能になる。
【0012】また、この水硬性組成物部材の集合体で
は、予め複数個の水硬性組成物部材が製造され、これら
の水硬性組成物部材が相互に圧着されることにより、大
体積品が製造されるため、最初から大体積品を製造する
場合と比べ、大型の設備が不要になり、技術的にもコス
ト的にも有利となる。
【0013】水硬性組成物部材の間には何も介入しなく
てもよいが、互いに隣接する少なくとも2個の水硬性組
成物部材の間に補強材を介入させることがより好まし
い。
【0014】補強材を介入させると、補強材が介入され
た水硬性組成物部材同士の物理的付着力を得られること
ができるとともに、水硬性組成物部材の集合体を養生硬
化させることにより得る成形体の靭性、耐久性を大きく
できる。
【0015】本発明に係る成形体は、水硬性組成物部材
の集合体における少なくとも1個の水硬性組成物部材が
切削等によって成形加工され、この成形加工の後に前記
集合体を養生硬化させることによって得られたことを特
徴とするものである。
【0016】成形加工は養生硬化前に行われ、このとき
の水硬性組成物部材の硬度は小さいため、切削等によっ
て少なくとも1個の水硬性組成物部材を所定形状に成形
するための成形加工を容易に行える。また、養生硬化後
の硬度は大きくなり、必要な硬度となった成形体を得ら
れるとともに、養生硬化時の収縮量は極めて小さいた
め、高精度の成形体を得られる。
【0017】本発明に係る成形体の製造方法は、水硬性
粉体50〜90重量%とこの水硬性粉体の平均粒子径の
1/10以下の平均粒子径を有する非水硬性粉体10〜
50重量%とからなる混合粉体と、この混合粉体100
重量部に対して2〜18重量部の割合で配合された加工
性改良剤とを含む水硬性組成物で形成した水硬性組成物
部材を複数個生産し、これらの水硬性組成物部材を相互
に圧着して水硬性組成物部材の集合体を形成した後、前
記複数個の水硬性組成物部材のうちの少なくとも1個を
成形加工し、この後、前記集合体を養生硬化させること
により成形体を製造することを特徴とするものである。
【0018】この成形体の製造方法において、少なくと
も互いに隣接する2個の水硬性組成物部材の間に補強材
を介入させた集合体を得る場合には、複数の水硬性組成
物部材を相互に圧着する前に、互いに隣接する少なくと
も2個の水硬性組成物部材の間に補強材を介入し、この
補強材を介在させて複数の水硬性組成物部材を圧着す
る。
【0019】このように、互いに隣接する少なくとも2
個の水硬性組成物部材の間に補強材を介入させる場合に
おいて、この補強材を金属等の熱伝導性良好材料からな
るものとし、高温下で行われる養生硬化時に、この補強
材によって水硬性組成物部材の集合体の内部まで高温を
伝達させるようにしてもよい。
【0020】これによると、複数個の水硬性組成物部材
を圧着させて得られる集合体を養生硬化させて成形体を
製造し、この成形体が水硬性組成物部材の個数に応じた
大体積品となっていても、養生硬化に必要な高温を補強
材によって成形体の内部まで確実に伝達できるようにな
る。
【0021】以上の本発明において、それぞれの水硬性
組成物部材は押し出し成形によって生産したものでもよ
く、圧縮成形によって生産したものでもよい。
【0022】また、水硬性組成物部材の形状は厚板状で
もよく、薄板状でもよく、ブロック状でもよく、柱状で
もよく、任意である。
【0023】さらに、水硬性組成物部材同士を圧着させ
るために水硬性組成物部材を並べる方向は上下方向等の
一方向でもよく、上下方向と左右方向等のように複数方
向でもよい。
【0024】本発明は大体積品を製造するために適して
おり、その大体積品は、例えば、プレス加工や射出成形
等に用いる成形型、定盤、プレス機械のボルスタやスラ
イド、工作機械のテーブルである。また、成形型は、圧
縮成形、押し出し成形、引き抜き成形、ブロー成形する
ためのものでもよい。
【0025】これらのうち、プレス加工のための成形型
は、金属板や合成樹脂板等の板材を折り曲げ加工、打ち
抜き加工、絞り加工、トリミング加工等の任意な加工を
行うためのものでよい。
【0026】また、本発明は大体積品だけではなく、小
体積品の製造のためにも適用できる。
【0027】
【発明の実施の形態】これから説明する実施形態は、板
金製ブランクをプレス加工するための成形型を製造する
場合である。図1及び図2にはプレス機械に装着される
成形型である上型10と下型20とが示されている。図
1及び図2により、初めにこれらの上型10と下型20
を説明する。
【0028】図1は、ブランク1がプレス加工される前
を示し、図2は、プレス加工された後を示す。上型10
はプレス機械の上下するスライド2に取り付けられ、下
型20はプレス機械のボルスタ3上のダイセットプレー
ト4にセットされる。また、下型20は、中央のパンチ
21と、端部のブランクホルダー22とからなり、ブラ
ンクホルダー22は、ボルスター3内に設置されている
エアシリンダによる上向きの弾発力を常時受けているピ
ン5で支持されている。図1に示すように、スライド2
が上昇しているときに上型10と下型20との間にブラ
ンク1が供給され、図2に示すように、スライド2が下
降することにより、ブランク1は、このブランク1の端
部がエアシリンダの弾発力に抗して下降するブランクホ
ルダー22と上型10とで挟圧されながら、パンチ21
と上型10とでプレス加工される。そして下死点に達し
た上型10が上昇すると、所定形状に成形加工されたブ
ランク1は、エアシリンダの弾発力で上昇するブランク
ホルダー22でパンチ21から分離上昇し、この後、ブ
ランク1は図示外の取出装置でプレス機械から取り出さ
れる。
【0029】上型10は、上側の基部10Aと、ブラン
ク1を成形加工するための下側の成形部10Bとからな
る。パンチ21は、下側の基部21Aと、ブランク1を
上型10と共に成形加工するための上側の成形部21B
とからなり、ブランクホルダー22は、下側の基部22
Aと、ブランク1を上型10と共に挟圧するための上側
の挟圧部22Bとからなる。これらのうち、基部10
A,21A,22Aは高強度コンクリートからなり、成
形部10B,21B及び挟圧部22Bは、この実施形態
に係る水硬性組成物部材の集合体を養生硬化させて製造
した成形体で形成されている。
【0030】また、上型10が上下動したときに互いに
摺動する上型10の成形部10Bとブランクホルダー2
2の成形部22Bの各個所には、摺動部材31,32が
取り付けられている。パンチ21の成形部21Bとブラ
ンクホルダー22の成形部22Bの各摺動個所にも、摺
動部材33,34が取り付けられ、ブランクホルダー2
2の上下動を案内するためにダイセットプレート4に設
けられているガイド部材6と摺動するブランクホルダー
22の基部22Aにも、摺動部材35が取り付けられて
いる。これらの摺動部材31,32,33,34,35
は金属製である。
【0031】図3には押し出し装置40が示され、この
装置40は、パンチ21の成形部21B及びブランクホ
ルダー22の挟圧部22Bの材料となる水硬性組成物部
材(押し出し品)を押し出し成形で製造するためのもの
である。この押し出し成形装置40にはホッパー40A
から水硬性組成物部材の原料の混合物が投入される。こ
の原料は、水硬性粉体と、非水硬性粉体と、加工性改良
剤と、その他の添加物とからなる。
【0032】以下に、これらの水硬性粉体、非水硬性粉
体、加工性改良剤、その他の添加物について説明する。
【0033】(1)水硬性粉体 水硬性粉体は、水により硬化する粉体を指し、例えば、
珪酸カルシウム化合物粉体、カルシウムアルミネート化
合物粉体、カルシウムフルオロアルミネート化合物粉
体、カルシウムサルフォアルミネート化合物粉体、カル
シウムアルミノフェライト化合物粉体、リン酸カルシウ
ム化合物粉体、半水又は無水石膏粉体、自硬性を有する
生石灰粉体、及びこれらの粉体の2種類以上の混合粉体
である。その代表例としてポルトランドセメントのよう
な粉体を挙げることができる。
【0034】水硬性粉体の粒度分布については、押し出
し品を養生硬化させて製造される成形体の強度に関する
水硬性能の確保上、ブレーン比表面積が2500cm2
/g以上であることが好ましい。また、水硬性粉体の配
合量は、水硬性粉体と非水硬性粉体の総量100重量%
に対して50〜90重量%とするが、65〜75重量%
とすることが好ましい。配合量が50重量%未満の場合
には、成形体の強度及び充填率が低くなり、また90重
量%を越える場合には成形体を得る場合の充填率が低く
なり、いずれの場合においても荷重に対する大きな耐久
性を得られないという問題があり、好ましくない。
【0035】(2)非水硬性粉体 非水硬性粉体は、単体では水と接触しても硬化すること
のない粉体を指し、アルカリ性若しくは酸性状態、ある
いは高圧蒸気雰囲気においてその成分が溶出し、他の既
溶出成分と反応して生成物を形成する粉体も含む。非水
硬性粉体は、例えば、水酸化カルシウム粉末、二水石膏
粉末、炭酸化カルシウム粉末、スラグ粉末、フライアッ
シュ粉末、珪石粉末、粘土粉末、シリカフューム粉末等
を挙げることができる。また、これらの非水硬性粉体の
平均粒径は、水硬性粉体の平均粒径の1/10以下、好
ましくは1/100以下が良い。細かさの下限は、本発
明の効果を害することがなければ特に設ける必要はな
い。
【0036】非水硬性粉体の配合量は、水硬性粉体と非
水硬性粉体とからなる混合粉体の組成比率で10〜50
重量%とするが、25〜35重量%とすることが好まし
い。配合量が10重量%未満の場合には、充填率が低く
なり、また50重量%を越える場合には、強度及び充填
率が低くなり、いずれの場合においても押し出し品の養
生硬化で得る成形体の諸物性、例えば、荷重に対する耐
久性、寸法安定性に悪影響を及ぼすため、好ましくな
い。荷重に対する耐久性等を考慮すると、充填率が低く
なりすぎないように非水硬性粉体の配合量を調節するこ
とが好ましい。非水硬性粉体を添加することにより、充
填率を高め、押し出し品及びこれから得られる成形体の
空隙率を減少させることが可能となる。これにより成形
体の寸法安定性が向上する。
【0037】(3)加工性改良剤 加工性改良剤とは、押し出し品の押し出し成形性、成形
後の保形性、切削・研削性、研削精度の向上、特に切削
・研削性、研削精度の向上に寄与する性質を有する材料
を指す。すなわち、加工性改良剤を添加することによっ
て、加工性改良剤が押し出し成形時における成形助剤と
しての役割を果たし、その成形性が向上する。また、加
工性改良剤によりセメント系硬化体のもろさが改良され
るとともに、加工性改良剤は水硬性粉体と非水硬性粉体
とのバインダーになり、所定形状に押し出し成形された
成形品をその形状に維持させる。
【0038】概して脆性材料である水硬性組成物で形成
された物品は、衝撃荷重等を受けると亀裂が生じ、割れ
あるいは欠け(微視的な現象も含む)の問題が生ずる
が、押し出し品に加工性改良剤が添加されていると靭性
が生じ、割れ、欠けの問題をなくすことができ、また、
この押し出し品について精密な切削、研削等の機械加工
を行えるようになり、NC(数値制御)加工機械により
金属材料と同じ精度レベルで高精度加工できるようにな
る。
【0039】加工性改良剤の配合量は、水硬性粉体と非
水硬性粉体とからなる混合粉体100重量部に対して乾
ベースで2〜18重量部とするが、5〜15重量部とす
ることが好ましい。配合量が2重量部未満の場合には、
押し出し品の成形性が悪くなり、好ましくない。18重
量部を越える場合には、良好な押し出し成形性を得られ
るが、研削精度と研削後の寸法安定性が低下する。ま
た、粒度は、分散した単一粒子径で1μm以下のものが
一般的である。加工性改良剤は、高温による養生硬化後
には消失する。
【0040】加工性改良剤としては、メチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチル
セルロース等の増粘剤、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルア
クリル共重合樹脂、酢酸ビニルベオバ共重合樹脂、酢酸
ビニルマレート共重合樹脂、酢酸ビニルエチレン共重合
樹脂、酢酸ビニルエチレン塩化ビニル共重合樹脂、アク
リル共重合樹脂、アクリルスチレン共重合樹脂、アクリ
ルシリコーン共重合樹脂、酢酸ビニルベオバ3元共重合
樹脂及びエポキシ樹脂から選ばれた少なくとも1種類以
上の樹脂からなる粉体若しくはエマルジョンを例示でき
る。
【0041】(4)その他の添加物 その他の添加物としては、水硬性粉体と非水硬性粉体と
からなる混合粉体100重量部に対して0.1〜20重
量部の補強繊維、好ましくは0.2〜10重量部の補強
繊維を加える。0.1重量部未満の場合には、押し出し
品を養生硬化させて得る成形体の曲げ強度、せん断強度
を大きくできず、この成形体からプレス加工用の成形型
を形成した場合には、プレス加工時に発生する応力によ
って型割れや型変形が生ずるおそれがある。また、20
重量部を越える場合には、曲げ強度、せん断強度は大き
くなるが、押し出し品の押し出し成形が困難になる。補
強繊維は、例えば、ガラス繊維、スチール繊維、カーボ
ン繊維、アラミド繊維(ケブラー繊維)である。
【0042】また、その他の添加物としては、水硬性粉
体と非水硬性粉体とからなる混合粉体100重量部に対
して、増量材として珪砂等の骨材を10〜50重量部、
好ましくは20〜30重量部の割合で加えてもよい。ま
た、押し出し成形性をさらに改善するために、上記混合
粉体100重量部に対して公知のセラミック成形助剤を
1〜10重量部、好ましくは3〜6重量部の割合で加え
てもよい。さらに、以上説明した原料の硬化時の収縮等
による寸法変化を抑えるため、シリコーンオイル等の水
の吸収を小さくする撥水剤を上記混合粉体100重量部
に対して0.5〜5重量部、好ましくは1〜2重量部の
割合で加えてもよい。
【0043】図3で示す押し出し成形装置40のホッパ
ー40Aに投入されるときの以上説明した原料には、水
硬性粉体と非水硬性粉体とからなる混合粉体100重量
部に対して30重量部以下の水、好ましくは25重量部
以下の水を含有させ、これらを混合させている。含有す
る水が上記混合粉体100重量部に対して30重量部を
越える場合には、押し出し品を養生硬化させて得る成形
体の乾燥収縮量が大きくなり、寸法精度が低下する。こ
のため、含有させる水の割合は少なくすることが好まし
い。
【0044】原料を混合させる方法及びその機械は任意
であるが、好ましくは、強力なせん断力を混合物に加え
ることができる方法若しくは混合機械を用いる。非水硬
性粉体は水硬性粉体の1/10以下の平均粒径を有する
ため、均一な混合物を得るためには、混合物にせん断力
を与えことができる方法若しくは混合機械でなければ、
混合に要する時間が非常に長くなってしまうからであ
る。
【0045】原料の混合物がホッパー40Aから投入さ
れる図3の押し出し成形装置40の内部にはスクリュー
式の攪拌、混練手段が収納されているため、原料の混合
物は攪拌、混練されながら次第に圧縮され、そして、押
し出し口を有する先端部40Bから押し出し品である水
硬性組成物部材50となって押し出される。厚板状とな
っているこの水硬性組成物部材50は、含有する水の割
合に応じた状態、例えば、油粘土状となっている。先端
部40Bには、押し出される水硬性組成物部材50の厚
さ寸法及び幅寸法を調節できる調節手段が設けられてい
るため、水硬性組成物部材50の厚さ及び幅の各寸法を
任意に設定できる。また、先端部40Bにはカッター手
段も設けられており、このカッター手段は、先端部40
Bから水硬性組成物部材50が任意な長さだけ押し出さ
れたときに作動させることができるため、押し出し成形
装置40で成形される水硬性組成物部材50の長さを任
意に定めることができる。
【0046】押し出し成形装置40から順次押し出され
る水硬性組成物部材50は、コンベアによる引き取り装
置41に引き取られ、そして、これらの水硬性組成物部
材50は台42の上に作業者によって順次積層される。
この積層作業時に、それぞれの水硬性組成物部材50の
重ね合わせ面には、水硬性組成物部材50同士の付着力
を増すためのバインダーが塗布され、また、図4に示す
ように、水硬性組成物部材50同士の間には、互いに隣
接する水硬性組成物部材50同士を物理的に付着させる
とともに、水硬性組成物部材50の養生硬化によって得
る成形体の靭性、耐久性を向上させるための補強材51
を介入する。
【0047】バインダーは、例えば、セメントペース
ト、アクリル樹脂等のポリマーエマルジョン混入のセメ
ントペースト、各種ポリマーエマルジョン水溶液、各種
樹脂系接着剤である。
【0048】また、補強材51は、例えば、ラス金網、
ワイヤーメッシュ、鉄筋、不織布、各種長い繊維であ
り、これらのうちの複数種類の補強材を組み合わせても
よい。また、補強材51は、水硬性組成物部材50につ
いて後に行う切削等の加工箇所から外れた箇所に配置す
る。
【0049】この後、複数の水硬性組成物部材50から
なる積層体を、図5に示すように、圧着装置43の型4
3A内に収納し、シリンダで作動する加圧部材44Bで
加圧する。これにより、それぞれの水硬性組成物部材5
0は圧着されることになり、複数の水硬性組成物部材5
0からなる集合体60が形成される。この圧着作業は、
水硬性組成物部材50を押し出し成形した後、短時間の
間に行う。
【0050】このような水硬性組成物部材50の集合体
60を、図1及び図2で示した上型10の成形部10B
と、下型20のパンチ21の成形部21Bと、ブランク
ホルダー22の挟圧部22Bごとに製造する。図6に
は、パンチ21の成形部21Bを形成するための集合体
60Aと、ブランクホルダー22の挟圧部22Bを形成
するための集合体60Bとが示されている。これらの成
形部21Bと挟圧部22Bが大体積品であっても、集合
体60A、60Bは複数の水硬性組成物部材50を積
層、圧着させて形成しているため、積層、圧着する水硬
性組成物部材50の個数に応じた大きさの集合体60
A、60Bを得ることができる。
【0051】これから、パンチ21の成形部21Bとブ
ランクホルダー22の挟圧部22Bを集合体60A,6
0Bから製造する方法を説明するが、この製造方法と基
本的に同じ方法によって上型10の成形部10Bも製造
できるため、この成形部10Bの製造方法の説明は省略
する。
【0052】集合体60A,60Bを室温下もしくは蒸
気により養生し、これらの集合体60A、60Bの水硬
性組成物部材50が養生によって半硬化状態になった
後、図6に示すように、集合体60Aと60Bとをプラ
スチックフィルム等の薄膜シートを介して密着させ、こ
のように密着させた集合体60A,60Bに対してNC
加工機械により切削、研削等の成形加工を行い、集合体
60A,60Bの形状を、図7で示すように、パンチ2
1の成形部21Bの形状及びブランクホルダー22の挟
圧部22Bの形状に仕上げる。この成形加工は集合体6
0A,60同士を薄膜シートを介して密着させた状態で
行うため、集合体60Aと60Bに跨った成形加工面で
あっても、連続性のある成形加工面を高精度で形成でき
る。
【0053】この実施形態では、それぞれの集合体60
A,60Bにおける最上段の水硬性組成物部材50が図
1及び図2で示したブランク1と接触する部分となって
おり、これらの最上段の水硬性組成物部材50が成形加
工される。
【0054】成形加工は、集合体60A,60Bの水硬
性組成物部材50が半硬化したときに行われ、このとき
の水硬性組成物部材50は小さな加工力で簡単に加工で
きるため、金属の成形加工と比べて加工作業を容易に行
え、しかも成形加工後の形状は正確に維持されるため、
成形精度を高精度とすることができる。
【0055】この後、図8で示すように、集合体60
A,60Bに図1及び図2で示した摺動部材32,3
3,34の取り付け用凹部61,62,63をNC加工
機械で形成するために、集合体60Aと60Bを分離す
る。集合体60Aと60Bは薄膜シートを介して密着し
ていたため、この分離は容易かつ確実に行え、分離後の
集合体60A,60Bの形状を分離前になされた成形加
工による形状と同じに維持できる。この後、集合体60
A,60Bに凹部61,62,63を形成する加工をN
C加工機械で行う。
【0056】次いで、図9で示すとおり、図1及び図2
で示した上型10の基部10A、下型20のパンチ21
の基部21A、ブランクホルダー22の基部22Aとな
るコンクリート製、具体的には、高強度コンクリート製
のブロック64,65の上に集合体60A,60Bを載
せる。このときのブロック64,65は基部10A,2
1A,22Aの形状に形成されて硬化し、脱型されてい
るが、脱型前の半硬化状態のときにアンカー部材66が
長さの半分程度押し込まれている。このようなアンカー
部材66が上面に配置されたブロック64,65の上に
半硬化状態の集合体60A、60Bを載せ、ブロック6
4,65の上面から突出しているアンカー部材66の残
りの部分を集合体60A,60Bに挿入することによ
り、ブロック64、65と集合体60A,60Bの両方
に挿入されたアンカー部材66によってブロック64、
65と集合体60A,60Bとの大きな結合強度を確保
する。
【0057】なお、アンカー部材66は専用に製作した
オリジナル品でもよく、一般品でもよい。一般品は、例
えば、短寸の鉄筋棒でもよく、ボルトでもよく、ボルト
とナットとの組み合わせ品でもよい。アンカー部材66
をボルトとナットとの組み合わせ品とする場合には、半
硬化状態のときのブロック64,65に押し込んでおい
たナットにボルトを螺入し、ナットから突出したボルト
の先端を、ブロック64,65に載せた半硬化状態の集
合体60A,60Bに挿入する。
【0058】集合体60A,60Bの凹部61,62,
63に摺動部材32,33,34をボルト67で取り付
け、ブロック65にも図1及び図2で示した摺動部材3
5をボルト67で取り付ける。これらの摺動部材32,
33,34,35のうち、摺動部材32,33,34の
ボルト67による集合体60A,60Bへの取り付け
は、集合体60A,60Bに予め形成した下穴にボルト
67をねじ込むことによりこの下穴に雌ねじを形成しな
がら行い、集合体60A,60Bは半硬化状態になって
いるため、ボルト67は大きな力で締め付けず、緩く締
めたままとする。また、摺動部材35のボルト67によ
るブロック65への取り付けは、ブロック65に専用工
具で形成した雌ねじ穴にボルト67を螺入することによ
り行う。
【0059】この後、図10で示すように、ブロック6
4、65及び集合体60A,60Bをオートクレーブ容
器70内に入れ、水蒸気雰囲気中において140〜20
0℃の高温及びこの高温と対応する高圧のもとで、集合
体60A,60Bを形成している水硬性組成物部材50
を養生硬化させ、硬化しているブロック64,65も養
生させる。これにより集合体60A、60Bは硬化した
成形体となり、ブロック64と集合体60Aの成形体と
によって図1及び図2で示すパンチ21となる製造品7
1が製造され、ブロック65と集合体60Bの成形体と
によってブランクホルダー22となる製造品72が製造
される。
【0060】集合体60A,60Bの水硬性組成物部材
50は、含有する水の割合が少ないため、この養生硬化
における収縮量は極めて小さい。このため、養生硬化で
得られる集合体60A,60Bの成形体の寸法、形状
は、集合体60A,60BをNC加工機械で成形加工し
たときと殆ど変化せず、したがって、NC加工機械によ
る集合体60A,60Bの加工を、養生硬化時の収縮を
殆ど考慮することなく容易に行える。
【0061】また、養生硬化時において、水硬性組成物
部材50同士の間に介在されている図4の補強材51
が、ラス金網やワイヤーメッシュ、鉄筋のように金属製
であって、熱伝導性が良好な材料で形成されていると、
集合体60A,60Bが複数の水硬性組成物部材50か
らなり、このため集合体60A,60Bが大体積品とな
っていても、養生硬化のために必要な高温を集合体60
A,60Bの内部まで伝達でき、集合体60A,60B
全体を均一に加熱できる。
【0062】製造品71,72をオートクレーブ容器7
0から取り出した後、集合体60A,60Bからなる成
形体に摺動部材32,33,34を取り付けているボル
ト67を大きな力で締め付ける。このときの成形体の硬
度は大きいため、ボルト67を強く締め付けることがで
きる。
【0063】以上により、図1及び図2で示す下型20
のパンチ21及びブランクホルダー22として用いるこ
とができる製造品71,72が出来上がる。これらの製
造品71,72の全体が水硬性組成物を材料として形成
されていないため、パンチ21及びブランクホルダー2
2の材料コストを安価に抑えることができる。
【0064】なお、オートクレーブ容器70から取り出
された後の製造品71,72に、研削機械、研磨機械等
の仕上げ機械により仕上げ加工を行ってもよい。
【0065】また、製造品71,72が下型10のパン
チ21、ブランクホルダー22として使用されてブラン
クをプレス加工したときの摩耗、欠け等の発生を防止す
るため、上型10と下型20でプレス成形される物品で
あるブランクと接触する製造品71,72の少なくとも
表面に表面保護層を形成し、この表面保護層で製造品7
1,72の表面の耐久性、耐熱性、良好な摺動性等を確
保してもよい。この表面保護層は、例えば、プラズマ溶
射法によりテフロン(登録商標)、アルミナ等のコーテ
ィング層を形成すること、ハードクロムメッキによるコ
ーティング層を形成すること、樹脂の含浸による樹脂含
浸層を形成すること、クロームドッペ処理によりクロー
ム皮膜を形成することのいずれかで行ってもよい。
【0066】さらに、図1及び図2で示された摺動部材
32,33,34,35のボルトによる取り付け作業
を、オートクレーブ容器70から取り出された後の製造
品71,72に対して行ってもよい。これによると、摺
動部材32,33,34のボルトによる取り付け作業を
半硬化状態の集合体60A,60Bに対して行う必要が
なくなるため、所定形状に精密に成形加工された後の集
合体60A,60Bの形状が、摺動部材32,33,3
4をボルトで取り付けることによって微妙に変化するの
をなくことができる。
【0067】このようにした場合には、集合体60A,
60Bの養生硬化で得られた成形体にボルトをねじ込む
ための雌ねじ穴は、集合体60A、60Bの養生硬化前
に形成してよく、養生硬化後に形成してもよい。
【0068】また、下型20のパンチ21及びブランク
ホルダー22の全体を、水硬性組成物部材の集合体を養
生硬化させた成形体で製造してもよい。これによると、
水硬性組成物部材を養生硬化させたときの収縮量は、コ
ンクリートより極めて小さいため、養生硬化を経て得る
下型20のパンチ21及びブランクホルダー22の全体
の寸法変化を、養生硬化前と比べて極めて小さくでき
る。
【0069】図11は、集合体を形成する水硬性組成物
部材の積層の仕方が異なる実施形態を示す。この実施形
態では、複数の水硬性組成物部材150A,150Bで
複数の層からなる集合体160を形成し、厚さ寸法が同
じで長さ寸法の異なる水硬性組成物部材150A,15
0Bを同じ層に配置するときには、水硬性組成物部材1
50Aと150Bとの接続位置を、これらの水硬性組成
物部材150A,150Bが配置された層と隣接する層
における水硬性組成物部材150A同士の接続位置から
ずらせる。これによると、同じ層における水硬性組成物
部材同士が、この層と隣接する層における1個の水硬性
組成物部材で接続されることになり、集合体160全体
の結合力を大きくできる。
【0070】図12は、図6で示された集合体60Aう
ちの最上段の水硬性組成物部材50を図7の形状に成形
加工する場合において、NC加工機械の加工ストローク
等の関係で図6の形状から図7の形状へ直接加工できな
いときに適用できる実施形態を示す。このように最上段
の水硬性組成物部材50を図7の形状へ直接加工できな
いときは、初めに、最上段の水硬性組成物部材50を作
業者が手工具で図12にように階段状に切削加工し、次
いでNC加工機械によって図7と同じ形状に成形加工す
る。
【0071】このように作業者が手作業で最上段の水硬
性組成物部材50を切削加工できるのは、このときの水
硬性組成物部材50は半硬化状態であって、小さな力で
切削できるからである。半硬化状態の水硬性組成物部材
50は、このような加工を行える特性を有している。
【0072】
【実施例】水硬性粉体であるポルトランドセメント50
重量%と非水硬性粉体であるシリカフューム20重量%
と骨材である珪石8号30重量%とからなる混合物に、
この混合物100重量部に対して加工性改良剤である
1.2重量部のメチルセルロースを加えて混合し、さら
に、上記混合物100重量部に対して加工性改良剤であ
る5重量部の酢酸ビニルアクリル共重合樹脂及び15重
量部の水を加えて混合した。これらの混合原料を押し出
し成形装置で厚さ寸法20mm、幅寸法500mm、長
さ寸法500mmの厚板状に押し出し成形し、5個の水
硬性組成物部材を得た。
【0073】これらの水硬性組成物部材の重ね合わせ面
に、ポルトランドセメントと、このポルトランドセメン
ト100重量部に対して5重量部の水及び15重量部の
アクリル樹脂とからなるペーストをバインダーとして塗
布し、また、それぞれの水硬性組成物部材の間に補強材
として、線径0.5mm、編み目ピッチ10mmのラス
金網を介入し、これらの水硬性組成物部材を積層した。
そして、この積層体を9806.65kN/m2の加圧
力で圧着して水硬性組成物部材の集合体を製造した。
【0074】この集合体をプレス加工に用いる成形型の
形状に切削加工した後、水蒸気雰囲気中で180℃及び
この温度に応じた高圧力のもとで養生硬化させた。これ
によって得られた成形体はプレス加工に供することがで
きるものであった。
【0075】
【発明の効果】本発明によると、特開2000−717
9号及び特開2000−7411号の水硬性組成物を用
いて、プレス加工や射出成形等で用いる成形型等の大体
積品を製造できるという効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る水硬性組成物部材の
集合体から製造されるプレス加工用の成形型の縦断面図
で、ブランクをプレスする前の図である。
【図2】図1のブランクのプレス後におけるプレス加工
用の成形型を示す縦断面図である。
【図3】押し出し成形装置で水硬性組成物部材を成形
し、複数の水硬性組成物部材を積層する作業を示す作業
工程図である。
【図4】水硬性組成物部材同士の間に補強材が介入され
ていることを示す水硬性組成物部材の分離斜視図であ
る。
【図5】積層された水硬性組成物部材を圧着する作業を
示す縦断面図である。
【図6】図5の圧着で製造される水硬性組成物部材の集
合体を示す図で、図1及び図2で示された下型のパンチ
とブランクホルダーの一部形成のための集合体を示す正
面図である。
【図7】切削等の成形加工が行われた後の集合体の形状
を示す正面図である。
【図8】図7からさらに切削加工が行われた後の集合体
を示す正面図である。
【図9】集合体を高強度コンクリート製のブロックに載
せることにより、この集合体が養生硬化される前のパン
チ、ブランクホルダーの素材を製造した状態を示す縦断
面図である。
【図10】オートクレーブ容器で養生硬化させるときを
示す図である。
【図11】水硬性組成物部材の積層についての別実施形
態を示す集合体の正面図である。
【図12】水硬性組成物部材の集合体をNC加工機械で
成形加工する前に、手作業で切削加工する実施形態を示
す集合体の正面図である。
【符号の説明】
10 プレス加工用の上型 20 プレス加工用の下型 21 下型のパンチ 21B パンチの成形部 22 下型のブランクホルダー 22B ブランクホルダーの挟圧部 40 押し出し成形装置 50,150A,150B 押し出し品である水硬性組
成物部材 51 補強材 60,60A,60B,160 水硬性組成物部材の集
合体 64,65 高強度コンクリート製のブロック 66 アンカー部材 70 オートクレーブ容器 71 下型のパンチ用製造品 72 下型のブランクホルダー用製造品
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 32/02 C04B 32/02 B 4G058 C 40/02 40/02 B21D 37/20 Z // B21D 37/20 (C04B 28/00 B23Q 1/01 18:14 Z (C04B 28/00 24:26 C 18:14 F 24:26 24:38) D B28B 11/00 Z 24:38) B23Q 1/02 A (72)発明者 浅葉 俊之 東京都昭島市松原町2丁目14番8号 菊池 プレス工業株式会社内 (72)発明者 皆川 孝雄 東京都昭島市松原町2丁目14番8号 菊池 プレス工業株式会社内 (72)発明者 小堺 規行 東京都千代田区神田美土代町1番地 住友 大阪セメント株式会社内 (72)発明者 兼吉 孝征 東京都千代田区神田美土代町1番地 住友 大阪セメント株式会社内 (72)発明者 三上 光司 東京都千代田区神田美土代町1番地 住友 大阪セメント株式会社内 Fターム(参考) 3C048 BB10 BB12 EE00 4E050 JA06 JB01 JC02 JD03 JD06 4G012 PA03 PA04 PA17 PA19 PA20 PB29 PB31 PB40 PC01 PE06 RA03 RA05 4G054 AA01 AA14 AB01 BA02 BD02 4G055 AA01 AB03 AC01 AC09 BA22 4G058 GA01 GB01 GC01 GC07 GD02 GD03 GD13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水硬性粉体50〜90重量%とこの水硬
    性粉体の平均粒子径の1/10以下の平均粒子径を有す
    る非水硬性粉体10〜50重量%とからなる混合粉体
    と、この混合粉体100重量部に対して2〜18重量部
    の割合で配合された加工性改良剤とを含む水硬性組成物
    から形成された複数個の水硬性組成物部材を有し、これ
    らの水硬性組成物部材が相互に圧着されて形成されたこ
    とを特徴とする水硬性組成物部材の集合体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の水硬性組成物部材の集
    合体において、前記複数個の水硬性組成物部材のうち、
    互いに隣接する少なくとも2個の水硬性組成物部材の間
    には補強材が介入されていることを特徴とする水硬性組
    成物部材の集合体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の水硬性組成物部
    材の集合体における少なくとも1個の前記水硬性組成物
    部材は成形加工され、この成形加工の後に前記集合体を
    養生硬化させることによって得られたことを特徴とする
    成形体。
  4. 【請求項4】 水硬性粉体50〜90重量%とこの水硬
    性粉体の平均粒子径の1/10以下の平均粒子径を有す
    る非水硬性粉体10〜50重量%とからなる混合粉体
    と、この混合粉体100重量部に対して2〜18重量部
    の割合で配合された加工性改良剤とを含む水硬性組成物
    で形成した水硬性組成物部材を複数個生産し、これらの
    水硬性組成物部材を相互に圧着して水硬性組成物部材の
    集合体を形成した後、前記複数個の水硬性組成物部材の
    うちの少なくとも1個を成形加工し、この後、前記集合
    体を養生硬化させることにより成形体を製造することを
    特徴とする成形体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の成形体の製造方法にお
    いて、前記複数個の水硬性組成物部材を相互に圧着する
    前に、互いに隣接する少なくとも2個の水硬性組成物部
    材の間に補強材を介入し、この補強材を介在させて前記
    複数の水硬性組成物部材を相互に圧着することを特徴と
    する成形体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の成形体の製造方法にお
    いて、前記補強材は熱伝導性良好材料からなり、高温下
    での前記養生硬化時にこの補強材により前記集合体の内
    部まで高温を伝達させることを特徴とする成形体の製造
    方法。
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