JP2002085096A - 塩基配列の決定方法 - Google Patents

塩基配列の決定方法

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JP2002085096A JP2000272489A JP2000272489A JP2002085096A JP 2002085096 A JP2002085096 A JP 2002085096A JP 2000272489 A JP2000272489 A JP 2000272489A JP 2000272489 A JP2000272489 A JP 2000272489A JP 2002085096 A JP2002085096 A JP 2002085096A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】同一の反応液中の反応を測定することにより、
一塩基又は複数塩基からなる塩基配列を決定することを
可能にする。 【解決手段】ポリヌクレオチド鎖の伸長反応に伴って伸
長反応系内において連続的に生じる反応生成物を検出す
ることによって、順次伸長するポリヌクレオチドの並び
を決定して、塩基配列を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩基配列の決定方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の遺伝子配列決定技術の向上によ
り、ゲノム解析という新たな研究領域が発展し、ヒトの
全塩基配列がほぼ決定されたことに代表されるように膨
大な塩基配列データが集積されてきている。さらに、こ
の膨大な遺伝子情報を解析するためのソフトウエア−な
どのツールも開発が進み,今後更に医薬品開発や遺伝子
治療、遺伝子診断などの産業化において重要性を増す分
野である。こうした状況のもとで、塩基配列決定技術の
更なる飛躍的な効率化と低価格化が望まれている。
【0003】塩基配列の決定に関して、今日広く使用さ
れている方法は、Sanger,F.,Nickle
n,S.及びCoulson,A.R.[(1977)
Proc.Natl.Acad.Sci.USA 7
4,pp.5463−5467]並びにMaxam
A.M.及びGilbert,W.[(1977)Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA 74,p
p.560−564]により導入された基本的な原理と
方法を用いている。
【0004】Sangerのジデオキシ配列決定は現在
広く使用されており、今日も尚、1本鎖DNA鋳型から
ヌクレオチド配列を決定するための優れた方法である。
【0005】この方法を各ステップごとの反応に分解す
ると以下のようになる。配列を決定したいDNAを鋳型
としたポリメラーゼによる伸長反応中に、アデニン
(A),シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)そ
れぞれ4種のヌクレオチドの酵素的鎖伸長中に、それぞ
れに対応するダイデオキシヌクレオチドをそれらの対応
するデオキシヌクレオチドの位置にランダムに挿入す
る。次に、ここで得られた複合混合物をその後、ポリア
クリルアミドゲル上やゲルを充填したキャピラリーを用
いた電気泳動により分離することにより塩基配列を特定
する。
【0006】このように、この方法では、ダイデオキシ
ヌクレオチドの取り込み後に、分子の分画という作業が
必須であり、このステップが一連の塩基配列決定作業を
複雑化させるとともに、測定設備を大掛かりなものとし
ている。その後、電気泳動の方法や、4種類のデオキシ
リボヌクレオチドやダイデオキシリボヌクレオチドの改
良ならびに、検出における蛍光物質の利用など様々な改
良が加えられた。関連文献を以下のように記す。 G.M.Church及びS.Kieffer−Hig
gins,Science,240,pp.185−1
88(1988) 国際公開第WO93/02212号 Venter,C.J.らT.I.B.S.10,p
p.8−11(1992) Prober,J.M.らScience 238,p
p.336−341(1987) Mathies,R.A.及びHuang,X.C.,
Nature 359,pp.167−169(199
2)
【0007】核酸中の特定位置に存在するヌクレオチド
の同定方法については、国際公開第WO93/0221
2号がジデオキシヌクレオチドの取り込みによるこのよ
うな同定方法を記載しているが、これも電気泳動を必要
とする点では上記の方法と同じである。また、この方法
では点突然変異は検出できるとしても、連続的な配列決
定は不可能である。更に、この方法は該当ヌクレオチド
に隣接してプライマーを配置する必要があり、小さい挿
入又は欠失のような複雑な突然変異を特徴付けることは
できない。
【0008】一方,電気泳動を用いない方法も考案さ
れ,実用化されてきている。ハイブリダイゼーションに
よる配列決定[Strezoska,Z.ら(199
1)Proc.Natl.Acad.Sci.USA
88,pp.10089−10093]やトンネル効果
型顕微鏡[Driscoll,R.J.ら(1990)
Nature 346,pp.294−296]は、ゲ
ル上の電気泳動のステップを必要としない。ハイブリダ
イゼーションを用いた技術開発はDNAチップの技術の
進展も有り、実用化されつつある。しかし、この場合
は、ハイブリダイゼーションに用いるDNAをPCR法
などにより事前に調製する必要がある。また、ハイブリ
ダイゼーション法を用いる限り,目的とする配列以外の
類似配列とのミスマッチハイブリダイゼーションの問題
が常に存在する。更に,点変異を検出することができて
も、複数塩基におよぶ新規の配列決定には向かない。ま
た、特定の標識化したプローブの設計および作製は非常
に高価であり、更に、ジデオキシヌクレオチドは製造及
び使用費用が高価である。
【0009】従って,特定領域の塩基配列決定にして
も、好ましくは連続的な配列をハイブリダイゼーション
法を用いずに直接的に決定できることが望ましく,さら
にそれがより簡便な方法でかつ迅速に行えることが望ま
しい。また、反応に使用される化合物もより安価かつ汎
用性があるものが好ましい。さらに計測機器および反応
をより単純化することにより一連のコストを下げること
が重用である。
【0010】一方,上記の課題を解決するために電気泳
動やハイブリダイゼーションを用いない方法も提案され
てきている。これらは、DNAの伸長反応を段階的に進
行させることにより、そこで取り込まれる塩基を特定し
ようとするものである。しかし、これらは何れもDNA
の伸長反応を1塩基ごとに行い,いったん伸長反応を意
図的に停止させ,反応液の置換または添加を行い、挿入
塩基を検出するというサイクルを反復する必要が有り、
実質的には工程は煩雑化する。
【0011】国際公開第WO91/06678号は、ゲ
ルを使用しないDNA法及びこの方法を実施するための
装置を記載している。反応には3’遮断dTNPが必要
である。さらに、鋳型DNAと反応液との分離を行い、
反応槽内の反応液と伸長中の鋳型DNAとを分離する工
程が必要である。また、挿入塩基の決定は別の反応槽に
分画した反応液を用いて行う必要がある。連続的な配列
の決定はこのサイクルを反復する必要が有り、実際には
煩雑である。
【0012】また、WO94/00346にも同様に、
電気泳動を必要としない塩基配列の決定方法が記載され
ているが、この方法においてもDNA伸長反応を段階的
に進行させることが必須であり,鋳型DNAの固定化等
の方法による反応液と鋳型DNAとの分離工程が必要で
ある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】複数の連続的な配列決
定における理想的な形態は、同一反応液中で連続的に引
き起こされる反応を直接測定し、DNAの配列をリアル
タイムに決定することが出きる方法だと考えられる。し
かし、DNAの配列(並び方)というある意味では位置
情報といえるものを同一反応液中でおこる反応から検出
ことが困難であった。電気泳動による分離も、段階的な
DNA伸長を行わせる方法もいずれも、この困難な問題
を回避するための必須な工程と考えられた。
【0014】本発明は、この課題を解決し、同一の反応
液中の反応を測定することにより、一塩基又は複数塩基
からなる塩基配列を決定することを可能にする方法を提
供する。
【0015】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、以
下の通りである。 (発明1)ポリヌクレオチド鎖の伸長反応に伴って伸長
反応系内において連続的に生じる反応生成物を検出する
ことによって、順次伸長するポリヌクレオチドの並びを
決定することを特徴とする塩基配列の決定方法。 (発明2)DNAポリメラーゼ又はRNAポリメラーゼ
を用いてポリヌクレオチド鎖の伸長反応を行うことを特
徴とする発明1記載の方法。 (発明3)ポリヌクレオチド鎖の伸長反応に伴って生じ
る反応生成物が蛍光物質であることを特徴とする発明1
記載の方法。 (発明4)ポリヌクレオチド鎖の伸長反応の基質となる
ヌクレオチドが蛍光物質との融合物質であり、ポリヌク
レオチド鎖の伸長反応に伴って生じる反応生成物が当該
融合物質から遊離した蛍光物質であることを特徴とする
発明3記載の方法。 (発明5)ポリヌクレオチド鎖の伸長反応に伴なって生
じる反応生成物を当該融合物質から遊離させる反応が、
DNAポリメラーゼ又はRNAポリメラーゼによるもの
でることを特徴とする発明4記載の方法。 (発明6)融合物質がデオキシリボヌクレオチド5‘三
リン酸(dNTP)エステルまたはリボヌクレオチド5’三リ
ン酸(NTP)エステルであることを特徴とする発明4記
載の方法。 (発明7)蛍光物質の励起および発光の特性が伸長反応
の基質となるヌクレオチドごとに異なっていることを特
徴とする発明3記載の方法。 (発明8)発明1から7の塩基配列の決定方法を用いて
決定された塩基配列をもとに複数の生物種や異なる個体
間の遺伝子配列を比較し、その相違点を検出する方法。 (発明9)発明8の方法を用いて生物種や個体の生理的
特性を診断する方法。 (発明10)発明8の方法を用いて生物種や個体差を生
じさせる遺伝子を検出する方法。
【0016】
【発明の実施の形態】ポリヌクレオチド鎖の伸長反応と
は、鋳型となるポリヌクレオチドの塩基配列に依存し
て、その塩基の相補的な塩基を逐次連結して行くことに
より、ポリヌクレオチド鎖を伸長して行くことである。
化学合成の手法および酵素を用いた反応によりポリヌク
レオチドを合成することが可能である。当該反応は、好
ましくは、DNAポリメラーゼ又はRNAポリメラーゼ
を用いて行われる。これら酵素には、3’エステル化ヌ
クレオチドのエステル結合を切断するエステラーゼ活性
が存在する(I Rasolonjatovo and S.R. Sarfati, Nucl
eosides & Nucleotides, 18,1021-1022 (1999))。この
ため、後述するように、ポリヌクレオチド鎖の伸長反応
の基質としてヌクレオチドと蛍光物質とがエステル結合
した融合物質を用いる場合には、ポリヌクレオチド鎖の
伸長反応に伴って、当該エステル結合を切断し、蛍光物
質を遊離させるため、この蛍光物質を順次検出すること
によって順次伸長するポリヌクレオチドの並びを決定で
きるからである。
【0017】ポリヌクレオチド鎖の伸長反応に伴って伸
長反応系内において連続的に生じる反応生成物とは、鋳
型となるポリヌクレオチド配列に依存したポリヌクレオ
チド鎖の伸長において、相補的な塩基を逐次連結させる
際に生じるものであり、検出できるものであれば、化学
的な物質でも物理学的なシグナルでも良い。化学的な物
質においては、有機物でも無機物でもよく。放射性同位
体などを利用することも可能である。伸長反応系内にお
いて連続的に生じるとは、ポリヌクレオチド鎖の伸長反
応と反応生成物の生成が同一反応系中にて連続的に生ず
ることをいい、伸長反応を段階的に行わせ、検出と伸長
反応を分離して交互に行わせることにより一段階ごとに
反応生生物を検出することをいわない。また、ここでい
う反応生成物とは、伸長しているポリヌクレオチド鎖そ
のもの、又はポリヌクレオチドの伸長反応に伴って副次
的に生成してくるもののいずれでもかまわないが、後述
の検出の容易性の観点から、ポリヌクレオチドの伸長反
応に伴なって副次的に生成してくるものを本発明におけ
る反応生成物とすることが好ましい。反応生成物として
さらに好ましいのは、反応生成物が蛍光物質の場合であ
る。励起および発光の特性が異なる蛍光物質が、伸長反
応によって取り込まれる4種のヌクレオチドごとに生じ
るようにすることによって、当該励起および発光の特性
を検出して4種の蛍光物質を検出でき、当該蛍光物質を
検出することによって、伸長反応によって取り込まれる
各ヌクレオチドを検出できるからである。さらに好まし
くは、ポリヌクレオチド鎖の伸長反応の基質となるヌク
レオチドが蛍光物質との融合物質であり、ポリヌクレオ
チド鎖の伸長反応に伴って生じる反応生成物が当該融合
物質から遊離した蛍光物質の場合である。そして具体的
には、融合物質がデオキシリボヌクレオチド5‘三リン
酸(dNTP)エステルまたはリボヌクレオチド5’三リン酸
(NTP)エステルである。上述のとおり、伸長反応に用
いられるDNAポリメラーゼ又はRNAポリメラーゼに
は、3’エステル化ヌクレオチドのエステル結合を切断
するエステラーゼ活性が存在するため、ポリヌクレオチ
ド鎖の伸長反応の基質としてヌクレオチドと蛍光物質と
がエステル結合した融合物質を用いる場合には、ポリヌ
クレオチド鎖の伸長反応に伴って、当該エステル結合が
切断され、蛍光物質を遊離されるため、この蛍光物質を
順次検出することによって順次伸長するポリヌクレオチ
ドの並びを決定できるからである。
【0018】反応生成物を検出するとは、伸長反応系
内、または反応系から部分的に分離した反応系内におい
て反応生成物の存在を所定の検出方法で検出することを
いう。検出方法は反応生成物の種類によって異なる。ま
た、A,T,G,Cにそれぞれ対応して異なる反応生成
物が生じる場合は、それらをそれぞれ検出することによ
りヌクレオチドの種類を決定することが出来る。この
際、反応生成物が反応系内に蓄積する場合も有るが、そ
の場合は新たに生じた反応生成物の量を既に存在したも
のとの差として調べることにより、反応生成物を順次検
出することが可能である。また、反応系内に検出される
反応生成物が蓄積しない方法の方が好ましい。例えば反
応性生物を蛍光物質とする場合には、励起および発光の
特性が異なる蛍光物質を伸長反応の基質となる4種のヌ
クレオチドごと融合させる。そして、当該励起および発
光の特性を蛍光分析計を用いて検出することによって蛍
光物質を検出でき、この蛍光物質を検出することによっ
て、伸長反応によって取り込まれる各ヌクレオチドを検
出できる。
【0019】順次伸長するポリヌクレオチドの並びを決
定するとは、塩基配列を決定したいポリヌクレオチドを
鋳型とし、そのヌクレオチド鎖の配列に依存したポリヌ
クレオチドの伸長反応により生ずる反応生成物を検出す
ることにより、結果的に目的とするポリヌクレオチドの
塩基の並びを決定することをいう。伸長するヌクレオチ
ドの種類によってことなる波長の蛍光を発するような反
応生成物を生じる場合は、このそれぞれの波長の蛍光強
度の時間変化を測定することにより塩基の並びを決定で
きる。この場合、複数分子の鋳型に依存して、反応生成
物が同時に複数分子生成する場合も有る。複数分子の伸
長反応が同時に進行する場合においては、その反応を分
子間で同調することが好ましい。しかし、完全に同調さ
せることが出来なくとも、この場合はしかるべき演算処
理により、目的とする配列を計算することが出来る。演
算処理は反応生成物の検出シグナルを解析することによ
り可能である。具体的には、平均をとったり、目的配列
を想定した帰納的な最適化により算出可能である。
【0020】複数の生物種や異なる個体間の遺伝子配列
を比較し、その相違点を検出するとは、ヒトだけではな
くマウス、ショウジョウバエ、線虫などの高等生物や微
生物などの原核生物などの相同する遺伝子を比較するこ
とにより、その遺伝子の配列上の特徴を明確にしたり、
同一種においても、個体間での特定遺伝子の配列の特徴
を比較することによりその相違点を明確にすることをい
う。
【0021】生物種や個体の生理的特性を診断すると
は、生物種や個体間の生理的な特徴と塩基配列との関係
を明確にし、その生物種や個体の特徴を遺伝子配列から
予測し、診断することを意味する。ヒトでも病気の診断
などに利用することが可能である。具体的には肥満や糖
尿病になりやすいタイプの遺伝子をもっているかどうか
を調べたり、特定の薬剤に対して治療効果があるかどう
かなどを診断したりすることに塩基配列が利用される
(Higuchi et al. Phermacogenetics 8, 87- (199
8))。これらは、主に一塩基多型分析として研究および
開発が進められている。
【0022】生物種や個体差を生じさせる遺伝子を検出
するとは、一塩基多型等をあらたに見出すことを意味
し、この場合も塩基配列の情報が迅速に安価に入手でき
ることは重要である。また、この場合は塩基配列サンプ
ル数が多ければ多いほど有効であるため、配列情報解析
の迅速化と安価化は非常に重要となる。
【0023】本発明の具体的実施形態を段階的に説明す
ると、1デオキシヌクレオチドの3'ヒドロキル基が蛍光
物質とエステル結合で結合している標識化dNTP(L
dNTP)を用い,2DNAポリメラーゼによるDNA
伸長反応を行い、3LdNTPの取り込みとその後のD
NAポリメラーゼ自身のエステラーゼ活性による蛍光物
質の放出とその次のLdNTP塩基の伸長を同一反応液
中で連続的に進行させる。その際,蛍光物質は放出され
た後に初めて蛍光を発するようになることを利用し、
A,G,T,Cそれぞれ異なる蛍光を発する蛍光物質で
標識しておくことにより、4伸長反応に伴なって連続的
に放出される蛍光物質を逐次的に検出し、塩基配列情報
を得ることができる。
【0024】各段階を更に詳細に説明する。まず、Ld
NTPについてはI. Rasolonjatovoand R.S. Sarfatiら
の報告(Nucleosides & Nucleotides, 16,1757-1760 (1
997), およびNucleosides & Nucleotides, 17, 2021-20
25 (1998))に記載されている方法により調製すること
ができる。但し,蛍光物質の種類はここに記載されてい
るものには限らない。さらに、検出可能なものであれば
蛍光物質である必要もない。また、後述するように蛍光
物質の蛍光寿命の長短によって,本発明による塩基配列
決定効率を改善することが可能である。さらに、蛍光物
質はエステル結合で結合されている必要はなく、DNA
ポリメラーゼまたはRNAポリメラーゼにより、鋳型と
の結合依存的に切断され,ヒドロキシル基を再生する様
な結合形式ならば何でも可能である。
【0025】伸長反応に用いるDNAポリメラーゼとR
NAポリメラーゼは市販のもので良い。反応液の基本組
成は配列決定したい領域を含む鋳型DNA、伸長反応を
行うためのプライマー、DNAポリメラーゼ等、LdN
TP、およびDNAポリメラーゼ等の反応を効率的に行
わせるためのMgなどの塩や緩衝剤を適宜含むものであ
る。また、DNAポリメラーゼ等の伸長反応速度を速め
ることにより、本発明における塩基配列決定速度を高め
ることが可能である。また、逆に伸長速度を遅くするこ
とによって、配列決定の感度を高めることが可能であ
る。伸長速度の改変はDNAポリメラーゼ等自身を変異
型に改良する方法または、伸長反応の反応条件を改良す
る方法のいずれでも可能である。DNAポリメラーゼ等
自身を改良する場合は、反応速度だけではなく,反応温
度の至適域を変化させるような改変も有効である。反応
条件を改良する場合は,LdNTP、プラマー、鋳型D
NAやDNAポリメラーゼ等の反応液に添加される物質
の濃度を調節したり,反応の温度やpHを調節したりす
ることにより実現可能である。
【0026】LdNTPは鋳型DNAの配列に依存して
取り込まれる。LdNTP自体は蛍光を発しないが,鋳
型依存的に伸長中のDNAに取り込まれた後,エステル
結合が切断されると蛍光を発する。その際に、A,G,
T,Cそれぞれ異なる蛍光を発するような蛍光物質でそ
れぞれを標識しておくことにより、取り込まれた塩基の
種類を特定することができる。エステル結合の切断によ
り3'位のヒドロキル基が出現すると、次のLdNTPが
鋳型のDNA配列依存的に導入される。
【0027】蛍光の検出に関しては、検出の感度と時間
分解能との関係が問題になる。DNAの伸長反応は条件
によっては極めて速い反応であるが、上記のように反応
速度を調節することは可能であり。例えば原理的にはL
dNTP濃度を低濃度にすれば、それに応じて反応速度
も低下する。塩基配列決定を迅速に行うためには伸長反
応が速い方が好ましいと考えられるが,実際には蛍光を
検出する際の検出器の時間分解能以上に遅くする必要が
ある。とはいっても蛍光分析の時間分解能は高く,通常
でも0.1〜1.0m秒程度であり,上記のようなゲルを用い
たり、段階的に伸長反応を行う方法が一塩基当りに換算
して数秒から数分かかることに比べれば飛躍的に高速で
ある。言い換えれば、蛍光分析器の時間分解能に見合う
速さであれば,LdNTPを用いて逐次的に蛍光を発す
る方法により、塩基配列を決定することが可能である。
蛍光の検出感度は高く,位置分子でも検出可能である。
また、鋳型DNAを増やすことにより発生する蛍光強度
を高めることが可能である。しかしこの際に留意する点
は、鋳型DNA分子が複数存在する場合、ポリメラーゼ
による伸長反応が完全に同調しないため、発生する蛍光
が無秩序に重なって検出される。しかし,この場合でも
ある程度の分子数であれば,データの演算的処理により
本来の配列を特定することは可能である。実際には、検
出感度と反応速度との関連から,最適な伸長DNA分子
数や伸長速度を決定すれば良い。
【0028】本方法において改良すべき点は、DNAポ
リメラーゼ等のエステラーゼ活性により遊離した蛍光物
質が反応系内に蓄積してくるため、後続の伸長反応によ
って遊離してくる蛍光物質と重複して検出されるように
なることである。このため、蛍光の検出は伸長反応の進
行とともにバックグラウンドが高くなる。しかし、この
点は測定値の演算的処理によりバックグラウンドを消去
することは可能である。塩基配列を長く行うためにはこ
のバックグラウンドの処理を効果的に行うことが有効で
ある。さらに、いったん発光した蛍光物質が再励起され
ることがないような工夫を行うことができれば更に良
い。
【0029】
【発明の効果】本発明は、電気泳動による分画操作やス
テップワイズな繰り返し操作を行うことなく、塩基配列
を決定するのことを可能にする。この方法を用いること
により塩基配列にかかる時間と費用を大幅に低減するこ
とが可能であり、遺伝子解析の効率化をもたらす。その
結果、医薬品の開発を効率化したり、遺伝子診断や遺伝
子治療のコストを低減化することが可能になる。
【0030】本方法を用いることにより塩基配列の決定
作業を迅速化および単純化することができる。それによ
り応用面での利便性をより改善し、用途を拡大すること
が可能である。現時点ではヒトの一塩基多型を解析する
技術は開発されつつあるが、全ゲノムレベルの比較は不
可能である。大量のヒトの全遺伝子配列を短期間で決定
できれば、コンピューターの処理速度さえ向上すれば、
全ゲノムレベルでの固体間の比較が可能になる可能性が
有る。また、遺伝子配列決定の作業を単純化することに
より、遺伝子診断をより簡単に行うことが可能になる。
これにより、医療現場での遺伝子診断をより普及させる
ことにもつながる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリヌクレオチド鎖の伸長反応に伴って伸
    長反応系内において連続的に生じる反応生成物を検出す
    ることによって、順次伸長するポリヌクレオチドの並び
    を決定することを特徴とする塩基配列の決定方法。
  2. 【請求項2】DNAポリメラーゼ又はRNAポリメラー
    ゼを用いてポリヌクレオチド鎖の伸長反応を行うことを
    特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】ポリヌクレオチド鎖の伸長反応に伴って生
    じる反応生成物が蛍光物質であることを特徴とする請求
    項1記載の方法。
  4. 【請求項4】ポリヌクレオチド鎖の伸長反応の基質とな
    るヌクレオチドが蛍光物質との融合物質であり、ポリヌ
    クレオチド鎖の伸長反応に伴って生じる反応生成物が当
    該融合物質から遊離した蛍光物質であることを特徴とす
    る請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】ポリヌクレオチド鎖の伸長反応に伴なって
    生じる反応生成物を当該融合物質から遊離させる反応
    が、DNAポリメラーゼ又はRNAポリメラーゼによる
    ものでることを特徴とする請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】融合物質がデオキシリボヌクレオチド5
    ‘三リン酸(dNTP)エステルまたはリボヌクレオチド5’
    三リン酸(NTP)エステルであることを特徴とする請求
    項4記載の方法。
  7. 【請求項7】蛍光物質の励起および発光の特性が伸長反
    応の基質となるヌクレオチドごとに異なっていることを
    特徴とする請求項3記載の方法。
  8. 【請求項8】請求項1から7の塩基配列の決定方法を用
    いて決定された塩基配列をもとに複数の生物種や異なる
    個体間の遺伝子配列を比較し、その相違点を検出する方
    法。
  9. 【請求項9】請求項8の方法を用いて生物種や個体の生
    理的特性を診断する方法。
  10. 【請求項10】請求項8の方法を用いて生物種や個体差
    を生じさせる遺伝子を検出する方法。
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