JP2002084938A - フィシングリール用のブレーキ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 ベイトフィッシングリール用の可調節型ブレ
ーキ装置を提供する。 【解決手段】 少なくとも２つの所定のブレーキ位置を
有する、フィシングリール用にブレーキ装置は、穴を有
する側部カバーと、該穴内に回転可能に受け入れること
のできるブレーキダイヤルであって、キャビティ内に保
持された止めばねを有するブレーキダイヤルと、１つ又
は２つ以上のカムローブを有するスプールカバーとを備
え、ブレーキダイヤルが穴内に配置されたとき、該ばね
ローブが１つ又は２つ以上のカムローブと相互作用し、
ばねローブが相互作用カム面を横断するのを許容するの
に十分止めばねが変形するように十分な回転力がブレー
キダイヤルに加えられる迄、上記ブレーキダイヤルの少
なくとも一方向への回転が阻止されるようにされる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、全体として、フィ
シングリールのブレーキ装置に関する。より具体的に
は、本発明は、非限定的に、ベイトキャスト（Ｂａｉｔ
ｃａｓｔ）フィシングリール用の可調節型ブレーキ装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】ベイトキャストフィシングリールは、当
該技術分野で周知である。ベイトキャスティングリール
は、典型的に、一対の両側部プレートを有する割型フレ
ームと、リールをフィシングロッドに取り付けるべくフ
レームから伸びる脚部と、フィシングラインを引込め且
つ保持すべくフレームの側部プレートの間に回転可能に
配置されたラインスプールと、フレームの側部プレート
を貫通して伸びる端部を有し、その上にスプールが固着
されるスプール軸と、該スプール軸上に設けられたピニ
オン歯車（典型的に、ヘリカル歯車）と、手で回転可能
なクランクハンドルと、該クランクハンドルをスプール
軸のピニオン歯車に機械的に連結する歯車トレーン及び
クラン軸のアセンブリと、フィシングラインがスプール
の長さに沿って適正に巻かれることを保証すべく巻き取
り中、スプールを横断する水平巻き取り機構と、クラン
クハンドルの逆転を防止するクラッチ機構と、キャステ
ィング中、スプールが自由回転するのを許容し得るよう
に、ピニオン歯車をスプール軸から非係合状態にする外
部アクチュエータ（典型的に、親指操作レバー）と、ス
プールの抗力機構又はスプールのブレーキ機構とを備え
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】殆どの場合、右側及び
左側カバーは、リールの色々な操作機構を収容するフレ
ームの側部プレートに取り外し可能に取り付けられる。
右側のベイトキャスティングリール（すなわち、右利き
のユーザ用に設計されたリール）は、典型的に、スプー
ルの抗力機構又はスプールのブレーキ機構が左側カバー
の下方に収容されるような構造とされている。クランク
ハンドルは、右側カバーの外側に回転可能に取り付けら
れている。クランク軸、歯車トレーン、ピニオン歯車、
クラッチ及び逆転防止機構は、右側カバーの下方に収納
されている。当該技術分野の当業者に理解されるよう
に、一般的に任意のベイトキャスティングリールの左利
き用の型式のものは、左側リールが右利き用の型式のリ
ールの鏡像となるように、単に、リールの構成要素の配
置及び構造を逆にすることで製造することができる。

【０００４】スプールの抗力機構又はスプールのブレー
キ装置は、一般に、ラインのバックラッシング（「ライ
ンのネスティング」とも称される）の問題を緩和するた
めベイトキャスティングリール内で使用される。これら
は、キャスティング中に回転する、横断方向に方向決め
されたスプールを利用するため、ベイトキャスティング
リールは、スピニングリール及びスピンキャスティング
リールよりもバックラッシュの問題を生じ易い。かかる
問題点の原因は、主として、キャスティング中、スプー
ルにより保持される回転モーメントである。ベイトキャ
スティングリールにて使用されるの最も一般的な型式の
抗力機構／ブレーキ機構は、磁気抗力ブレーキ及び遠心
型（摩擦力）ブレーキ装置である。

【０００５】多くの環境上の因子及び個人的な好みが所
定のキャストに適したブレーキ力の程度に影響を与え
る。このため、ベイトキャスティングリール用の可調節
型ブレーキ装置が開発されるに至っている。例えば、米
国特許第５，１０８，０４２号には、スプールの端部に
磁気抗力を作用させる可調節型の磁気抗力機構が開示さ
れている。磁力は、キャスティング中、スプールの回転
を遅くする。米国特許第５，１０８，０４２号の機構
は、複数の磁石が取り付けられた磁石キャリアと、磁石
キャリアが固着される、軸方向に可動のカムディスク
と、左側カバーのリセスを通って突き出す調節ダイヤル
とを備えている。このダイヤルは、スプールに付与され
る磁気抗力の程度を調節するためスプールの端部に向け
て且つ該端部から離れるように、キャリアリングを選択
的に動かすべくカムディスクと作用可能に関係したカム
を備えている。

【０００６】米国特許第６，００３，７９８号には、装
置により加えられるブレーキ力が選択的に調節可能であ
る遠心型ブレーキ装置が開示されている。米国特許第
５，１０８，０４２号の磁気装置と同様に、米国特許第
６，００３，７９８号の遠心型ブレーキ装置は、ブレー
キダイヤルの回転動作を軸方向への動きに変換する為に
設けられた複数のカム傾斜路を有する、外部から調節可
能なブレーキダイヤルを採用する。遠心型装置におい
て、ブレーキリングの軸方向への動きは、ブレーキリン
グに接触可能なブレーキ部片の数を選択的に調節する。
米国特許第５，１０８，０４２号の磁気装置と相違し
て、米国特許第６，００３，７９８号のブレーキダイヤ
ルは、リールの側部カバーと共に、個別的特徴を生じさ
せ、本発明のブレーキ装置を特定の予め選んだ位置に一
時的に保持する。

【０００７】個別的特徴は、例えば、釣人が所定のブレ
ーキ力に容易に戻って遠心型ブレーキ要素がブレーキリ
ング等と適正に整合するのを保証することを許容すると
いった、多数の理由のため望ましい。残念なことに、個
別的特徴のための側部カバー内のスペースは、特定のリ
ールの設計、特に、現在の液滴形状のベイトキャストフ
ィシングリールの場合、常に利用可能とは限らない。こ
のため、個別的特徴の構造要素をリールの側部カバーと
ブレーキダイヤルとの間の境界面から離れた位置に配置
する一方にて、調節機構を個別に配置することを可能に
するブレーキダイヤルが必要とされている。

【０００８】このため、本発明の１つの目的は、大部分
の作動環境に対応し得るように適当な数の個別のブレー
キ位置を提供し、個別的機構がダイヤルの周縁の周りに
配置されないようにした、個別的調節機構を含む、ベイ
トフィシングリール用の可調節型ブレーキ装置を提供す
ることである。

【０００９】本発明の更なる目的は、ある範囲のブレー
キ位置に亙って滑らかな流体の動きを可能にすることで
ある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題
を充足し且つ問題点を緩和するフィシングリールのブレ
ーキ装置を提供するものである。本発明の装置は、側部
カバーと、ブレーキダイヤルが外部から操作可能であり
且つ側部カバーの外部から操作可能であるように、側部
カバー内に回転可能に取り付けられたブレーキダイヤル
であって、複数の所定の位置を有する前記ブレーキダイ
ヤルと、ブレーキダイヤル又はスプールカバーの何れか
に設けられた少なくとも１つのカムローブと、カムロー
ブと相互作用可能であるようにブレーキダイヤル又はス
プールカバーの他方に一体に形成されたエラストマー的
ばねとを備え、該エラストマー的ばねがカムローブに接
触するとき、エラストマー的ばねが瞬間的に変形して、
カムを縦断し、これにより、調節機構内で個別的な「止
め」位置を提供しなければならないように、カムローブ
と相互作用可能であるようにする。本発明のブレーキダ
イヤルは、ダイヤルの回転を所望の程度に制限する機能
部分を更に有している。

【００１１】本発明の更なる目的、特徴及び有利な点
は、添付図面を検討し且つ好ましい実施の形態の以下の
説明を読むことにより、当該技術分野の当業者に明らか
になるであろう。

【００１２】

【実施の形態の説明】本発明を詳細に説明する前に、本
発明は図示した構造及び本明細書に記載したステップの
詳細にのみその適用が限定されるものではないことを理
解することが重要である。本発明は、その他の実施の形
態が可能であり且つ多岐に亙る方法にて具体化し又は実
施することが可能である。本明細書で採用した記述及び
技術用語は、説明の目的のためのものであり、限定する
ことを意図するものではないことを理解すべきである。

【００１３】本発明の個別的ブレーキダイヤルの好まし
い実施の形態を以下に示し且つ遠心型ブレーキを備える
現在のベイトキャストフィシングリール内に内蔵される
ものとして説明するが、本発明はこのように限定される
ものではない。本発明のブレーキダイヤルは、例えば、
従来の丸形ベイトキャストフィシングリールのような任
意の型式のベイトキャストフィシングリールにて使用す
るのに同様に適しており、また、遠心型又は磁気ブレー
キ装置の何れに対して使用するのにも適していること当
該技術分野の当業者に明らかであろう。

【００１４】次に、幾つかの図面の全体を通じて同一の
部品を同一の参照番号で表示する図面を参照すると、本
発明の１つの好ましい実施の形態にて、個別的ブレーキ
ダイヤルアセンブリ２２（図４）を内蔵する現在のベイ
トキャスティングリール２４が図１に図示されている。
ベイトキャスティングリール２４は、左側プレート２８
及び右側プレート３０を有するフレーム２６と、側部プ
レート２８、３０の間でフレーム２６内に回転可能に取
り付けられたラインスプール３２と、スプール３２を貫
通して伸びるスプール軸３４（図４）と、側部プレート
２８の上に固着された右側カバー３６と、フレーム２６
に固着されたフード２０及び正面側カバー２１と、スプ
ール３２を回転させ得るように右側カバー３６から作用
可能に伸びるクランクハンドル３８と、リール２４をフ
ィシングロッドに取り付け得るようにフレーム２６の底
部に設けられたリール脚部４０と、左側プレート３０の
上で固着された左側カバー４２と、キャスティング中、
スプール３２をクランクハンドル３８から一時的に非係
合状態にする親指操作アクチュエータ５０とを備えてい
る。リール２４を組み立てたとき、本発明の個別的ブレ
ーキダイヤルアセンブリ２２のブレーキダイヤル４６
は、左側カバー４２に形成された円形の穴４８（図６）
を通って突き出している。

【００１５】便宜のため、本発明の装置は、右利き用の
ベイトキャスティングリールに具体化されたものとして
図示し且つ説明するが、本発明の装置は、左利き用のリ
ールにも等しく適用可能である。当該技術分野の当業者
に理解されるように、全体として、任意のベイトキャス
ティングリールの左利き用の型式は、左利き用リールが
右利き用型リールの鏡像となるようにリールの構成要素
の配置及び構造を単に逆にするだけで製造することがで
きる。

【００１６】図４に最も良く図示するように、ブレーキ
装置５２は、本発明のブレーキダイヤル４６と、ブレー
キ要素アセンブリ５４と、ブレーキリングアセンブリ５
６と、スプールカバー５８とを備えることが好ましい。

【００１７】好ましくは、ブレーキ要素アセンブリ５２
は、その内容を参考として引用し本明細書に含めた米国
特許第６，００３，７９８号に記載された型式であるよ
うにする。ブレーキ要素アセンブリ５２は、相応するＴ
字形のブレーキ要素を摺動可能に保持する複数のＴ字形
の半径方向スロットを有するブレーキ要素ハウジング
（図示せず）を備えている。これらのスロットは、以下
に説明するように、広範囲の特定のブレーキ設定状態を
許容することが望ましい異なる軸方向位置にてハウジン
グの周りに均一に隔てられることが好ましい。

【００１８】本明細書で使用するように、「左側」「左
向き」という語は、互いに対面し且つ／又はラインスプ
ール３２の端部６６から離れた位置に設けられた機能部
分を意味する。他方、「右側」「右向き」という語は、
端部６６を向き且つ／又は端部６６に向けて配置された
機能部分を意味する。

【００１９】ブレーキ要素アセンブリ５４は、該アセン
ブリ５４がスプール３２と共に回転し、ブレーキ要素ア
センブリ５４の回転軸線６８がスプール３２の回転軸線
と共直線状であるようにスプール３２に固着されてい
る。ブレーキ要素アセンブリ５４がスプール３２と共に
回転するとき、形成される遠心力は、Ｔ字形の要素を付
勢して軸線６８から離れて、相応するＴ字形スロット内
で半径方向外方に摺動するようにする。ブレーキ要素
は、少なくとも要素がその最外側半径方向位置まで摺動
するとき、これらブレーキ要素がその相応するスロット
から突き出すような寸法とされる。

【００２０】図５及び図６に最も良く図示するように、
ブレーキリングアセンブリ５６は、円筒状ブレーキ内面
７２を有するブレーキリング７０と、ブレーキリング７
０を保持し且つ担持するカラー７４とを備えている。当
該技術分野の当業者により理解され得るように、ブレー
キリングアセンブリ５６は、単一体の構造体と置換して
もよく、この場合、例えば、円筒状のブレーキ面がカラ
ー７４に一体に形成される。

【００２１】カラー７４は、実質的に円筒状の右側部分
７８と、内方にテーパーを付けた円筒状左端部分８０
と、右側部分７８内に形成され、ブレーキリング７０が
圧力嵌めされ又はその他の方法で保持される円筒穴８２
と、内方に伸びる平坦な左端部壁８６と、端部壁８６を
貫通して伸び且つ該端部壁の周りで均一に隔てられた複
数（好ましくは３つ）の円筒穴８８と、端部壁８６を貫
通して伸びる大きい中央穴９２と、複数（好ましくは３
つ）の相互作用構造体９４とを備えている。

【００２２】相互作用構造体９４は、半径方向内方に中
央穴９２まで突き出し且つ該中央穴９２の周りで均一に
隔てられている。相互作用構造体９４の各々は、左端部
壁８６から中央穴９２内に伸びる横方向アーム９６と、
横方向アーム９６の末端部分から突き出す左向きの丸み
を付けたボス９８とを備えることが好ましい。

【００２３】ベイトキャスティングリールの場合に一般
的であるように、リール２４は、内部スプールカバー５
８を備えており、該スプールカバーは、スプール軸のベ
アリング又はブッシュ１０４を保持する円筒状の内部キ
ャビティ１０２と、半径方向に突き出す複数（好ましく
は２つ）の耳状突起１０６と、半径方向耳状突起１０６
に形成された穴１０８と、その外端に形成された半円形
の切欠き１１２を有する半径方向に突き出す部分的な耳
状構造体１１０とを備えている。穴１０８及び切欠き１
１２は、側部カバー４２の内部に設けられた雌ねじ付き
のボス１１４を受け入れ得る寸法及び配置とされてお
り、このため、スプールカバー５８をボルト又はねじ１
１６により側部カバー４２に固着することができる。ベ
アリング１０４は、ばねクリップ１３０によりスラスト
プレート１３２に対しキャビティ１０２内に保持されて
いる。

【００２４】本発明の装置において、スプールカバー５
８は、スプールカバー５８の左側面１３４に設けられた
円筒状キャビティ１００と、円筒状キャビティ１００内
に設けられた実質的に円筒状の内壁１１８と、円筒状キ
ャビティ１００の内端に設けられた半径方向壁１２０
と、円筒状キャビティ１００の軸線に沿って突き出す円
筒状の案内ポスト１２２と、内端壁１２０に設けられ且
つキャビティ１００の円筒状壁１１８内まで長手方向に
伸びる複数のスロット１２６とを備えることが好まし
い。スプールカバー５８に設けられた長手方向スロット
１２６の数は、ブレーキカラー７４の左端部に設けられ
た相互作用構造体９４の数に相応する。相互作用構造体
９４がスロット１２６内に受け入れられ、スプールカバ
ー５８に対して左方向及び右方向に往復運動可能である
ような長手方向スロット１２６の寸法及び分離程度とす
る。図７に最も良く図示するように、円筒壁１１８はロ
ーブ２００、２０２、２０４が形成され、また、該ロー
ブの間に性質上、谷部分２０６、２０８を形成する。以
下に更に詳細に説明するように、カムローブ２００、２
０２、２０４及び谷部分２０６、２０８は、本発明のブ
レーキダイヤル４６と相互作用し、個別的なブレーキ位
置を画定する。

【００２５】図７を更に参照すると、スプールカバー５
８は、右向きの雌ねじ付きの複数の穴１２８も備えてお
り、これら複数の穴は、ブレーキカラー７４の前側穴８
８を受け入れる寸法及び形状とされており、このためカ
ラー７４はボス１２８に沿って長手方向に摺動可能であ
る。ボス１２８が穴８８内に受け入れられたとき、ばね
１２４は、ボス１２８の周りに配置され且つボルト又は
ねじ１３６により所定の位置に保持される。ばね１２４
は、ブレーキカラー７４の前端壁８６に対して連続的な
偏倚力を作用させ、これにより、カラー７４をスプール
カバー５８内で左方向に連続的に付勢させる働きをす
る。

【００２６】ブレーキダイヤル４６の色々な機能部分が
図２、図３、図５、図６及び図７に図示されている。ま
ず、図６を参照すると、ブレーキダイヤル４６は、円形
のダイヤルプレート１４０を備えることが好ましく、ま
た、把持構造体１４２がダイヤル４６の左向き面から突
き出している。把持構造体１４２は、円筒状外壁１４４
と、把持構造体１４２の中央を横断して横方向に伸びる
左向きリッジ１４６と、把持構造体１４２の左側面に形
成され且つリッジ１４６により分離された一対の指キャ
ビティ１４８とを備えている。把持構造体１４２の円筒
状外壁１４４から円形のダイヤルプレート１４０までの
遷移部分は、ブレーキダイヤル４６の周りを伸びる半径
方向肩部１５０を形成する。

【００２７】次に、図５を参照すると、複数（好ましく
は３つ）のカム１５４、ストッパ１５６、円筒状ポスト
１３８がブレーキダイヤル４６の右側面１５２から突き
出している。

【００２８】次に、図３を参照すると、カム１５４は円
筒状ポスト１３８の周りで円形のパターンに配置され且
つ円筒状内壁１１８に近接して回転動作し得るようスプ
ールカバー５８（図６）の左側円筒状キャビティ１００
内に受け入れ可能である。カム１５４は、相互作用構造
体９４と相互作用し、これにより、ブレーキリングアセ
ンブリ５６を一連のブレーキ位置を通じて選択的に動か
す。かかる相互作用のため、図３に最も良く図示するよ
うに、カム１４０の各々は、カムの基部／前端に設けら
れた第一の平坦部１５８と、第一の傾斜部分１６０と、
第二の平坦部１６２と、第二の傾斜部分１６４と、第三
の平坦部１６６と、第三の傾斜部分１６８と、第四の平
坦部１７０とを備えている。傾斜勾配路部分１６０、１
６４、１６８の各々は、実質的に一定の傾斜程度である
ことが最も好ましい。

【００２９】円筒状ポスト１３８は、スプールカバー５
８（図６）の案内ポスト１２２を受け入れ得る寸法とさ
れた第一の円筒状キャビティ１７２を有している。半径
方向壁１７４にて、第一のキャビティ１７２は、内壁１
７８を有する第二のキャビティ１７６まで遷移する。止
めばね１８０は、第二のキャビティ１７６内に受け入れ
られ、ローブ１８２は壁１７８の切欠き１８４を通って
突き出し、ばね１８０の端部１８６が壁１７８の切欠き
１８８内に位置している。

【００３０】図５及び図６を再度参照すると、リール２
４を組み立てたとき、ブレーキダイヤル４６は、（ａ）
円形の穴４８の周りで側部カバー４２に形成された半径
方向内側肩部１９０と、（ｂ）スプールカバー５８の左
側面１３４との間にて回転可能に保持されている。薄い
摩擦減少リング１９２、座金又はその他の同様の要素が
ブレーキダイヤル４６の半径方向肩部１５０と、側部カ
バー４２の半径方向内側肩部１９０との間に配置される
ことが好ましい。ダイヤルプレート１４０の右側面１５
２はスプールカバー５８の左側面１３４と摺動可能に当
接する。

【００３１】図７を参照すると、止めばね１８０は、キ
ャビティ１７６内に回転不能に受け入れられ、ダイヤル
４６の回転動作の結果、ばね１８０が相応する動きをす
るようにする。ばね１８０は、カムローブ２００、２０
２、２０４及び谷部２０６、２０８と相互作用し、個別
的なブレーキ位置を提供する。例えば、ばねローブ１８
２が谷部２０６内に位置するようにブレーキダイヤル４
６を配置したとき、カムローブ２００又はカムロール２
０４の何れかを縦断するのに十分にばね１８０を変形さ
せるのに十分な力がダイヤルに加えられる迄、ダイヤル
の動きは阻止される。同様に、ばねローブ１８２が谷部
２０８内に位置するようにダイヤル４６が配置されるな
らば、カムローブ２０２又はカムローブ２０４の何れか
を横断するのに十分にばね１８０を変形させ得るように
十分な回転力がダイヤル４６に加えられる迄、ダイヤル
４６の動きは阻止される。ユーザがカムローブ２００の
直ぐ時計回り方向の谷部２０６又はカムローブ２０４の
直ぐ反時計回り方向の谷部２０８以外の位置にダイヤル
４６を配置しようとするならば、ばねローブ１８２は、
適当なカムと相互作用して、ばねローブ１８２、従って
ダイヤル４６を付勢して最も近い個別的位置にする。

【００３２】ストッパ１５６がカムローブ２００に対し
て接触することにより反時計回り方向へ及び相互作用構
造体９４の各々と隣接するカム１５４の垂直上昇部２１
０と接触することにより時計回り方向へのそれぞれのダ
イヤル４６の回転が制限される。

【００３３】本発明の装置を組み立てるとき、ばね１２
４はカラー７４を左方向に付勢し、カラー７４の相互作
用構造体９４がダイヤルカム１５４と作用可能な接触状
態に保たれるようにする。相互作用構造体９４の丸味を
付けたボス９６が第一のカム平坦部１５８上に配置され
ると、ブレーキリングアセンブリ５６は、完全な前方の
非ブレーキ位置に保持され、この位置にてブレーキ要素
の何れもブレーキリング７０に接触しないようにするこ
とが好ましい。ユーザがブレーキダイヤル４６を反時計
回り方向に回すと、カム７０の第一の傾斜部分１６０
は、相互作用構造体９６に対して作用し、相互作用構造
体９６及びブレーキリングアセンブリ５６を後方に押
す。相互作用構造体がダイヤルカム１５４の第一の傾斜
部分１６０を横断すると、止めばね１８０は同時に、第
一のカムローブ２００を横断する。相互作用構造体９６
がダイヤルカム１５４の第二の平坦部１６２に合わさる
と、止めばね１８０は谷部２０６内に配置され、これに
より、ダイヤル４６及びブレーキリングアセンブリ７０
を最初のブレーキ位置に保持する。ユーザがダイヤル４
６を反時計回り方向に回し続けると、カム１５４の第二
の傾斜部分１６４は相互作用構造体９４を更に後方に押
して、丸味を付けたボス９６が次に、カム平坦部１６６
上に配置され、止めばね１８０が谷部２０８内に配置さ
れ、これにより、ダイヤル４６及びブレーキリングアセ
ンブリ５６を中間のブレーキ位置に保持する。最後に、
ユーザがダイヤル４６を反時計回り方向に回し続ける
と、カム１５４の第三の傾斜部分１６８は相互作用構造
体９６を更に後方に押して、丸味を付けたボス９６が次
に、カム平坦部１７０上に配置され、止めばね１８０は
カムローブ２０４の直ぐ反時計回り方向位置に配置さ
れ、これにより、ダイヤル４６及びブレーキリングアセ
ンブリ５６を完全なブレーキ位置に保持する。

【００３４】このように、好ましい実施の形態におい
て、個別的なブレーキダイヤルは、可能なブレーキ位置
の各々に対する個別的位置を提供することが分る。ブレ
ーキ要素がブレーキリングの端縁を摩擦するような位置
にユーザが誤ってダイヤルを配置することはない。

【００３５】ダイヤル２４を操作するとき、ユーザがブ
レーキダイヤル４６を止め位置、すなわち止めばね１８
０のローブ１８２がカムローブ２００の直ぐ時計回り方
向又はカムローブ２０４の直ぐ反時計回り方向の位置に
ある谷部２０６又は２０８の何れかに正確に配置しない
ならば、ばねローブ１８２は、止めばねローブ１８２が
最も近い止め位置に位置する迄、カムローブ２００、２
０２又は２０４の湾曲した外端縁に対して作用し、ダイ
ヤル４６を回転させる。

【００３６】上記の説明は、遠心型ブレーキが採用され
る好ましい実施の形態に関するものであるが、当該技術
分野の当業者には、本発明の装置は磁気ブレーキを備え
るベイトキャストフィシングリールにも同様に適用可能
であることが明らかであろう。

【００３７】当該技術分野の当業者に理解されるよう
に、本発明の装置の好ましい実施の形態は、３つのカム
と、相応する３つの相互作用構造体とを利用するが、本
発明の装置は、選択的に、１つ又は２つ、３つ又はより
多数のカムを利用してもよい。更に、好ましい実施の形
態のカムは、止めばねとカムとの間の相互作用により提
供される個別的ブレーキ位置に相応する平坦な領域を提
供するが、一定の傾斜勾配のカム又は相違する傾斜勾配
のカムを使用してもよい。更に、好ましい実施の形態は
４つの特定のブレーキ設定値を提供するが、全体とし
て、任意の数の設定値を使用することができる。本発明
の装置は、少なくとも２つのブレーキ位置を提供するこ
とが好ましい。

【００３８】このように、本発明は、上述し及びその性
質上の目的及び有利な点を達成し得るように十分に適応
させることができる。現在の好ましい実施の形態をこの
明細書の目的の為に説明したが、当該技術分野の当業者
には多数の変更及び改変例が明らかであろう。かかる変
更及び改変例は特許請求の範囲により規定された本発明
の精神に包含されるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の個別的ブレーキアセンブリが内蔵され
たベイトキャストフィシングリールの斜視図である。

【図２】本発明のブレーキダイヤルが内部に挿入された
ベイトキャストフィシングリール用の左側カバー内部の
図である。

【図３】本発明のブレーキダイヤルのカム傾斜路と接触
した相互作用構造体を有するブレーキリングアセンブリ
の斜視図である。

【図４】本発明の個別的ブレーキアセンブリが内蔵され
たベイトキャストフィシングリールの切欠き平面図であ
る。

【図５】本発明の個別的ブレーキアセンブリの右側部か
ら見た分解図である。

【図６】本発明の個別的ブレーキアセンブリの左側部か
ら見た分解図である。

【図７】本発明の個別的ブレーキアセンブリが取り付け
られた左側部カバーの切欠き図である。

【符号の説明】

２０ フード ２１ 正面側カバ
ー ２２ 個別的ブレーキダイヤルアセンブリ ２４ ベイトキャスティングリール ２６ フレーム ２８ 左側プレート ３０ 右側プレー
ト ３２ ラインスプール ３４ スプール軸 ３６ 右側カバー ３８ クランクハ
ンドル ４０ リール脚部 ４２ 左側カバー ４６ブレーキダイヤル ４８ 穴 ５０ 親指操作アクチュエータ ５２ ブレーキ装
置 ５４ ブレーキ要素アセンブリ ５６ ブレーキリ
ングアセンブリ ５８ スプールカバー ６６ 端部 ６８ 回転軸線 ７０ ブレーキリ
ング ７２ 円筒状ブレーキ内面 ７４ カラー ７８ 円筒状の右側部分 ８０ 円筒状左端
部 ８２ 円筒穴 ８６ 左端部壁 ８８ 円筒穴 ９２ 中央穴 ９４ 相互作用構造体 ９６ 横方向アーム／ボス／相互作用構造体 ９８ ボス １００ 円筒状キ
ャビティ １０２ 内部キャビティ １０４ ベアリン
グ又はブッシュ １０６ 耳状突起 １０８ 穴 １１０ 耳状構造体 １１２ 半円形の
切欠き １１４ 雌ねじ付きボス １１６ ボルト又
はねじ １１８ 内壁／円筒状内壁 １２０ 半径方向
壁／内端壁 １２２ 案内ポスト １２４ ばね １２６ 長手方向スロット １２８ ボス １３６ ボルト又はねじ １４０ 円形のダ
イヤルプレート １４２ 把持構造体 １４４ 円筒状外
壁 １４６ 左向きリッジ １４８ 指キャビ
ティ １５０ 半径方向肩部 １５２ 右側面 １５４ カム １５６ ストップ １５８ 第一の平坦部 １６０ 第一の傾
斜部分 １６２ 第二の平坦部 １６４ 第二の傾
斜部分 １６６ 第三の平坦部 １６８ 第三の傾
斜部分 １７０ 第四の平坦部 １７２ 第一のキ
ャビティ １７４ 半径方向壁 １７６ 第二のキ
ャビティ １７８ 内壁 １８０ 止めばね
／突き出しばね １８２ ばねローブ １８４ 切欠き １８６ 突き出しばねの端部 １８８ 切欠き １９０ 半径方向肩部 １９２ 摩擦減少
リング ２００、２０２、２０４ カムローブ ２０６、２０８ 谷部 ２１０ 垂直上昇
部

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも２つの個別的位置を有するフ
   ィシングリール用のブレーキ装置において、 穴が形成された側部カバーと、 キャビティが形成され、前記穴内に回転可能に受け入れ
   ることのできるブレーキダイヤルと、 ばねローブを有し、前記キャビティ内に受け入れ可能な
   止めばねと、 少なくとも１つのカムローブを有するスプールカバーと
   を備え、前記ブレーキダイヤルが前記穴内に配置される
   とき、前記ばねローブが前記少なくとも１つのカムロー
   ブと相互作用し、前記ばねローブが前記少なくとも１つ
   のカムローブを横断するのを許容するのに十分、前記止
   めばねを変形させるのに十分な回転力が前記ブレーキダ
   イヤルに加えられる迄、少なくとも一方向への前記ブレ
   ーキダイヤルの回転が阻止されるようにした、ブレーキ
   装置。
2. 【請求項２】 請求項１のブレーキ装置において、遠心
   型の可調節ブレーキアセンブリを更に備え、前記ブレー
   キダイヤルが、前記遠心型ブレーキアセンブリを調節す
   べく作動可能である、ブレーキ装置。
3. 【請求項３】 請求項２のブレーキ装置において、前記
   遠心型ブレーキアセンブリが、前記ブレーキダイヤルと
   作用可能に連通する可動のブレーキリングを備える、ブ
   レーキ装置。
4. 【請求項４】 請求項１のブレーキ装置において、前記
   ブレーキダイヤルが、該ブレーキダイヤルの前記所定の
   位置に相応する複数の平坦部を有する少なくとも１つの
   カム傾斜路を更に備える、ブレーキ装置。
5. 【請求項５】 請求項１のブレーキ装置において、前記
   スプールが、前記ばねローブと相互作用し、これによ
   り、４つの所定のブレーキ位置を提供する３つのカムロ
   ーブを備える、ブレーキ装置。
6. 【請求項６】 所定の複数のブレーキ位置を有するフィ
   シングリール用のブレーキ装置において、 側部カバーと、 前記ブレーキダイヤルが外部から操作可能で且つ前記側
   部カバーの外部から操作可能であるように前記側部カバ
   ー内に回転可能に配置され、キャビティが形成されたブ
   レーキダイヤルと、 前記キャビティ内に受け入れ可能であって、ばねローブ
   を有する止めばねと、 複数のカムローブを有するスプールカバーとを備え、前
   記ばねローブが前記複数のカムローブと相互作用し、所
   定のブレーキ位置に相応する前記ブレーキダイヤルの複
   数の個別的位置を画定するようにした、ブレーキ装置。
7. 【請求項７】 請求項６のブレーキ装置において、 前記ブレーキダイヤルと作用可能に連通する可動のブレ
   ーキリングを有する遠心型ブレーキアセンブリを更に備
   える、ブレーキ装置。
8. 【請求項８】 請求項６のブレーキ装置において、前記
   ブレーキダイヤルが該ブレーキダイヤルの前記所定の位
   置に相応する複数の平坦部を有する少なくとも１つのカ
   ム傾斜路を備える、ブレーキ装置。
9. 【請求項９】 請求項８のブレーキ装置において、前記
   少なくとも１つのカム傾斜路と接触する少なくとも１つ
   の相互作用構造体を更に備え、該少なくとも１つの相互
   作用構造体が前記ブレーキダイヤルに対して回転不能に
   固着され、前記ブレーキダイヤルの回転により、前記少
   なくとも１つの相互作用構造体が線形動作するようにし
   た、ブレーキ装置。