JP2002083306A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JP2002083306A
JP2002083306A JP2000273204A JP2000273204A JP2002083306A JP 2002083306 A JP2002083306 A JP 2002083306A JP 2000273204 A JP2000273204 A JP 2000273204A JP 2000273204 A JP2000273204 A JP 2000273204A JP 2002083306 A JP2002083306 A JP 2002083306A
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Japan
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area
contour
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JP2000273204A
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English (en)
Inventor
Koshi Sakurada
孔司 桜田
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 輪郭線追跡の信頼性を高める。 【解決手段】 時系列に入力される入力画像系列中の各
入力画像の中から、対象輪郭線を持つ対象画像を検出す
る画像処理装置において、入力画像特徴検出手段と、輪
郭線包含領域生成手段と、輪郭線検出手段と、対象画像
検出手段と、処理ブロック要素識別手段と、参照画像特
徴量再計算部とを備え、前記輪郭線包含領域生成手段
は、目的類似性領域検出部と、輪郭線包含領域追跡部と
を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像処理装置に関
し、例えば、画像を編集・加工したり、対象画像(画像
オブジェクト)単位に伝送するために、入力画像中から
特定の画像オブジェクトを画素単位に検出する場合など
に適用し得るものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の画像処理装置に相当する
ものとしては、次の文献1に記載した方法がある。
【0003】文献1:特開平6−292063号公報 この文献1の動領域検出方法では、フィールド間あるい
はフレーム間の輝度信号差から時間的な輝度変化を画素
単位に求め、輝度変化が存在する領域を画像オブジェク
ト(動領域)として検出する。
【0004】当該動領域検出方法では、上記輝度変化の
存在を判定するために、画像の全画面または部分画面に
おける輝度信号差の平均値に応じた閾値を設定し、輝度
信号差が該閾値よりも大きい画像領域を画像オブジェク
トと判定する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では、画像を撮影するカメラが振動する場合や、画
像中の背景の一部に位置変動が見られる場合、その振動
や位置変動がわずかなものであっても、背景領域での時
間的輝度変化が大きくなるために背景領域を誤って画像
オブジェクトと判定してしまう可能性が高かった。
【0006】換言するなら、上記の方法では、輪郭線追
跡の信頼性が低いために、画像オブジェクトの検出を高
精度かつ安定的に行うことができなかった。
【0007】一方、画素単位ではなく複数の画素から構
成されたブロック単位で処理を行い、輪郭線を含むブロ
ックによって構成された輪郭線包含領域を用いて画像オ
ブジェクトの検出を行うことも考えられる。これによれ
ば、前記カメラの振動や前記背景の一部に位置変動が見
られる場合でも、その振動や位置変動が一定範囲内のも
のであれば輪郭線包含領域内に吸収することができるた
め、より安定的で、信頼性の高い画像オブジェクトの検
出を実行することが可能である。
【0008】しかしながらこの方法でも、輪郭線包含領
域の生成方法によっては、画像オブジェクトやその背景
の移動、色彩変化などに適切に対応することができない
可能性がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明では、時系列に入力される入力画像系列中
の各入力画像の中から、対象輪郭線を持つ対象画像を検
出する画像処理装置において、(1)前記入力画像を所
定の処理ブロックに分割し、当該入力画像中における画
像特徴量を求め、当該画像特徴量の分布状態を検出する
入力画像特徴検出手段と、(2)初期状態には、所定の
手順により、前記対象輪郭線を含む輪郭線包含処理ブロ
ックを検出して、当該輪郭線包含処理ブロックを構成単
位として輪郭線包含領域を生成する輪郭線包含領域生成
手段と、(3)当該輪郭線包含領域内における輪郭特徴
量の細密な分布状態を検査することで、前記対象輪郭線
を検出する輪郭線検出手段と、(4)検出した当該対象
輪郭線をもとに前記対象画像を検出する対象画像検出手
段と、(5)検出した当該対象画像の入力画像上の位置
に基づいて、前記処理ブロックの構成単位である処理ブ
ロック要素を、当該対象画像に属するか否か識別する処
理ブロック要素識別手段と、(6)当該識別によって、
当該対象画像に属するものとされた処理ブロック要素お
よび/または当該対象画像に属さないものとされた処理
ブロック要素をもとに前記画像特徴量を再計算して再計
算結果を出力する参照画像特徴量再計算部とを備え、
(7)前記輪郭線包含領域生成手段は、前記初期状態以
降の通常状態において、前記入力画像系列中の入力時刻
が早い先入力画像に関して前記参照画像特徴量再計算部
が求めた再計算結果と、入力時刻が遅い後入力画像に関
して前記入力画像特徴検出手段が求めた画像特徴量とを
比較し、当該後入力画像上の処理ブロックごとに画像特
徴類似判定処理を行って、類似度が所定範囲にある目的
類似性領域に属する処理ブロックを検出する目的類似性
領域検出部と、(8)前記通常状態において、当該目的類
似性領域の外周部または内周部に前記輪郭線包含領域を
生成する輪郭線包含領域追跡部とを具備することを特徴
とする。
【0010】
【発明の実施の形態】(A)実施形態 以下、本発明にかかる画像処理装置の実施形態について
説明する。
【0011】本実施形態は、画像フレーム内で移動する
画像オブジェクトを含む入力画像フレームを処理するも
のである。
【0012】(A−1)実施形態の構成 本実施形態の画像処理装置を図14に示す。
【0013】図14において、この画像処理装置は、入
力画像特徴計算部100と、輪郭候補検出部101と、
矩形変換部102と、輪郭特徴計算部103と、輪郭検
出部104と、オブジェクト検出部105と、参照画像
特徴計算部106とを備えている。
【0014】入力画像特徴計算部100は入力画像デー
タS100を入力して入力画像特徴データS101を出
力する部分で、輪郭候補検出部101は入力画像特徴デ
ータS101と参照画像特徴データS108を入力して
輪郭候補領域データS102およびS109を出力する
部分で、矩形変換部102は輪郭候補領域データS10
2を入力して矩形データS103を出力する部分で、輪
郭特徴計算部103は矩形データS103を入力して輪
郭特徴データS104を出力する部分で、輪郭検出部1
04は輪郭特徴データS104を入力して輪郭データS
105を出力する部分で、オブジェクト検出部105は
輪郭データS105を入力して画像オブジェクトデータ
S106およびS107を出力する部分で、参照画像特
徴計算部106は画像オブジェクトデータS107と輪
郭候補領域データS109を入力して参照画像特徴デー
タS108を出力する部分である。
【0015】各データS100〜S109のうち、輪郭
候補領域データS102とS109はともに同じ内容の
データであり、単にデータの供給先が異なるだけであ
る。
【0016】同様に、画像オブジェクトデータS106
とS107は基本的に同一仕様、同一内容のデータであ
り、単にデータの供給先が相違するだけである。
【0017】また、前記入力画像特徴計算部100は、
本実施形態では、AD(アナログ−ディジタル)変換さ
れたカラー画像データである入力画像データS100を
入力するものとし、入力画像特徴計算部100が受け取
るこの入力画像データS100には、例えば、図2
(A)に示すように固定背景だけでなく画像フレーム内
で移動する画像オブジェクト201を含む混合画像フレ
ームであるものとする。
【0018】この入力画像データS100の入力を受け
る入力画像特徴計算部100は、図11に示す内部構成
を備えている。
【0019】 (A−1−1)入力画像特徴計算部の内部構成 図11において、入力画像特徴計算部100は、ブロッ
ク分割部30と、画像特徴計算部31とを備えている。
【0020】このうちブロック分割部30は、入力画像
データS100が表示する入力画像をブロックに分割す
る機能を持つ部分である。当該ブロックは、例えば、1
6×16画素程度の大きさのブロックであるものとす
る。
【0021】当該ブロック分割部30は、図2(A)に
示す前記混合画像フレームからなる入力画像データS1
00を入力すると、それをブロックに分割して、分割結
果である分割データDSを画像特徴計算部31に供給す
る。
【0022】画像特徴計算部31は、当該分割データD
Sをもとに所定の画像特徴を計算して、当該計算結果と
しての入力画像特徴データS101を輪郭候補検出部1
01に出力する部分である。
【0023】当該画像特徴としては、例えば、平均色デ
ータを用いるものとする。平均色データとは、例えばR
GB、YMC等の色の3原色の階調値を示す画素単位の
画像特徴である色データの、ブロック中の全画素に関す
る平均値である。
【0024】画像特徴計算部31から、当該入力画像特
徴データS101を受け取る輪郭候補検出部101の内
部構成は、図1に示す通りである。
【0025】(A−1−2)輪郭候補検出部の内部構成 図1において、輪郭候補検出部101は、処理モード対
応部50と、領域判定部51と、フレームメモリ52
と、探索範囲設定部53と、高類似性ブロック抽出部5
4と、参照画像特徴メモリ55と、外周領域生成部56
とを備えている。
【0026】このうち処理モード対応部50は、処理モ
ードに応じて、受け取った入力画像特徴データS101
の供給先を、領域判定部51とフレームメモリ52のあ
いだで切替える部分である。この処理モードには、初期
処理モードと後続処理モードの2通りがある。
【0027】処理モード対応部50が処理モードを識別
する方法についてはさまざまな方法が考えられるが、例
えば、入力画像特徴データS101のなかに混入される
信号によって識別したり、入力画像特徴データS101
のシーン切替を検出することで識別したり、外部から供
給するモード切替信号MSに応じて識別するようにして
もよい。
【0028】時系列に入力される一連の入力画像フレー
ム系列(FR1,FR2,FR3,…,FRM−1,F
RM,FRM+1,…,FRN(当該Nは自然数で、N
が大きいほど時間的に後に入力された新しいフレームで
あることを示す))のなかで、例えば入力画像フレーム
FR1〜FRMが1つのまとまった意味を持つ部分であ
るものとすると、最初の1または複数フレームだけは前
記初期処理モードで処理し、後続の全フレームは後続処
理フレームで処理することになる。
【0029】本実施形態では、まとまった意味を持つフ
レームのうち最初の1フレームである先頭フレームFR
1だけは領域判定部51において初期処理モードで処理
し、後続のM−1フレームである後続フレームFR2〜
FRMについてはフレームメモリ52等を用いた後続処
理モードで処理するものとする。
【0030】初期処理モードの処理内容についてもさま
ざまなものが考えられるが、本実施形態では、利用者の
手作業によって設定するものとする。
【0031】このために、前記領域判定部51は、先頭
フレームFR1を格納しておくためのメモリを備え、フ
レームFR1の内容をディスプレイ装置に画面表示する
ための表示信号DIを出力するとともに、画面表示され
た先頭フレームFR1の画像内容に対して利用者が指定
した輪郭候補領域(その内部に、画素レベルの精度を持
つ細密な輪郭線が存在し得る領域)を示すポインティン
グ信号PTを入力する機能を装備している。
【0032】利用者は、画面表示された先頭フレームF
R1の画面内容を目視しながら所定のポインティングデ
バイスを操作することによって、前記ブロックと同じ幅
の帯状の入力軌跡を上書きすることで、領域判定部51
に対して輪郭候補領域を指定することができる。
【0033】一例として、図2(A)に示す先頭フレー
ムFR1が画面表示されたものとした場合、利用者は、
図2(B)の領域203のような輪郭候補領域を指定す
ることになる。
【0034】なお、利用者が目視する画面内容は、各ブ
ロックを平均色データで表示した図2(B)に示すよう
な画像であってもよく、図2(A)のような入力画像そ
のものであってもよい。
【0035】前記後続処理モードにおいて、処理モード
対応部50から後続フレーム(例えばFR2〜FRM)
の入力画像特徴データS101を受け取るフレームメモ
リ52は、後続フレームを1フレームずつ格納するメモ
リで、当該フレームメモリ52に格納されているフレー
ムが、高類似性ブロック抽出部54による処理を受ける
ことになる。
【0036】高類似性ブロック抽出部54は、参照画像
特徴メモリ55に格納されている参照画像特徴データS
108とフレームメモリ52に格納されている入力画像
特徴データS101とを比較して後述する類似性検査を
実行する部分で、類似性検査の結果として得られた類似
性の高いブロック(オブジェクト領域に属するオブジェ
クト領域ブロック)を抽出し、当該ブロックを指定する
高類似性ブロック信号ABを外周領域生成部56に供給
する。
【0037】当該類似性検査は、フレームメモリ54に
格納されている新たな入力フレーム(例えばFRX。こ
こで、Xは、1<X<Mの範囲内にある任意の自然数)
上でオブジェクト領域を特定するために行う検査である
が、新たな入力フレーム上の全領域について同時に検査
するわけではなく、探索範囲設定部53が指定する探索
範囲ごとに、逐次、検査する。
【0038】探索範囲設定部53は、参照画像特徴メモ
リ55に格納されている1つ前に入力され処理されたフ
レーム(例えば、FRX−1)の参照画像特徴データS
108の内容に応じて、当該探索範囲を指定する探索領
域指定信号QEを出力する部分である。
【0039】高類似性ブロック抽出部54から高類似性
ブロック信号ABを受け取る外周領域生成部56は、高
類似性ブロック信号ABによって供給された高類似性ブ
ロックを連結することによって生成することのできるオ
ブジェクト領域の外周に、画一的に1ブロック幅の輪郭
候補領域を生成して、当該輪郭候補領域を示す前記輪郭
候補領域データS102、S109を出力する部分であ
る。
【0040】次に、当該輪郭候補検出部101から前記
輪郭候補領域データS102を受け取る矩形変換部10
2は、輪郭候補領域データS102として受け取った輪
郭候補領域に矩形変換処理を施して、前記矩形データS
103を生成する部分で、図9に示す内部構成を有して
いる。
【0041】(A−1−3)矩形変換部の内部構成 図9において、当該矩形変換部102は、切断位置検出
部10と、非線形変換部11と、画像検査部12と、補
完処理部13とを備えている。
【0042】矩形変換部102が行う矩形変換処理で
は、(図3(A)の)輪郭候補領域203を適当な位置
で切断し、その切断線CPを対向する2辺として図3
(B)の矩形データを生成する。すなわち、図3(A)
の輪郭候補領域データ203を図3(B)の矩形データ
に変換する。
【0043】切断線CPの位置は、前記切断位置検出部
10が検出し、検出結果としての切断位置情報CIは、
輪郭候補領域データ203を含む輪郭候補領域データS
102とともに、前記非線形変換部11に供給する。
【0044】切断を実行する切断線CPの位置を検出す
る方法としてはさまざまな方法が考えられるが、輪郭候
補領域データS102によって指定される図2(B)の
ような輪郭候補検出結果を、例えば、適当な間隔で水平
方向に走査して、走査線と輪郭候補領域203が最初に
交差したとき、左側の交点を、当該切断線CPの位置と
するようにしてもよい。
【0045】切断位置検出部10と同様に、前記輪郭候
補検出部101から輪郭候補領域データS102を受け
取る画素検査部12は、輪郭候補領域データS102が
指定する画像内容を検査して、例えば、図4(A)に示
すように、輪郭候補領域203Aが画像のフレーム枠F
1によって切取られ、画像フレーム内で幾何学的に閉じ
ていないこと(すなわち、内部に穴を持つ連結図形(リ
ング型のトポロジを有するドーナツ状領域)となってい
ないこと)を検出した場合、出力するフレーム交差信号
FCを能動状態にする部分である。
【0046】能動状態のフレーム交差信号FCを受け取
った場合、前記補完処理部13は、画像フレーム内に存
在しない補完領域(仮の輪郭候補領域)401を生成し
て、当該補完領域401を示す補完領域信号VEを、非
線形変換部11に供給する。反対に、非能動状態のフレ
ーム交差信号FCを受け取った場合には、当該補完処理
部13は、当該補完領域信号VEを出力しない。
【0047】補完領域401内の各画素の画素値は、画
像フレームF1で切り取られた両端の画素の画素値(す
なわち、部分領域aの画像フレームF1に接触している
画素の画素値と部分領域hの画像フレームF1に接触し
ている画素の画素値)を円滑かつ緩やかに接続できるよ
うに、線形的な分布を示すように選定する。
【0048】少なくとも、前記輪郭候補領域データS1
02と切断位置情報CIを受け取る非線形変換部11
は、前記矩形変換処理を実行して、処理結果としての矩
形データS103を出力する部分である。
【0049】非線形変換部11が実行する矩形変換処理
では、例えば、図3(A)の幾何学的に閉じた領域であ
る輪郭候補領域を構成している各部分領域(a、b、
c、d、…、n)を、図3(B)に示すように、(x軸
方向の)底辺の長さが一定で(y軸方向の)高さが異な
る矩形領域に変換し、隣接する矩形領域を相互に連結す
る。
【0050】すなわちこの矩形変換処理では、幾何学的
に閉じた図形である図3(A)の輪郭候補領域203
を、当該切断線CPで切断して展開し、図3(B)に示
す図形に変形する。
【0051】図3(A)では、前記部分領域aと部分領
域nの境界線が前記切断線CPに相当する。
【0052】図3(B)において、切断線CPに沿った
方向にx軸を、当該x軸に直交して矩形領域aから矩形
領域nに向かう方向にy軸を設ける。当該y軸は、図3
(A)の矩形変換前の入力画像上では輪郭候補領域20
3に沿った点線として示した中心線(閉曲線)CLに相
当し、当該y軸の方向は中心線CL上の時計回り方向に
相当するものとみることができる。
【0053】矩形変換前の図3(A)で1本の線分であ
った切断線CPは、矩形変換後には、図3(B)の最上
部と最下部に配置された2本の線分(対向する2辺)と
なっている。
【0054】部分領域には、部分領域aのように2ブロ
ック分の面積を持つ長方形の領域、部分領域bのように
1ブロックの半分程度の面積を持つ三角形の領域、部分
領域cのように1ブロック分の面積を持つ平行四辺形の
領域、部分領域eのように1ブロック分の面積を持つ三
角形の領域、…、部分領域hのように3ブロック分の面
積を持つ長方形の領域などがある。当該矩形変換処理で
はこれらの各部分領域を底辺の長さが一定の矩形領域に
変換するために、非線形な幾何学的変換が行われること
になる。
【0055】したがって、矩形変換後の底辺の長さが同
一の各矩形領域では、その高さが、矩形変換前の各部分
領域の面積にほぼ比例した形状となる。
【0056】一方、前記補完処理部13が、例えば前記
補完領域401を指定する補完領域信号VEを出力した
場合、当該非線形変換部11は、輪郭候補領域データS
102などによって指定される図4(A)の画像フレー
ム内に存在する輪郭候補領域203Aに対し、当該補完
領域401を付加することで、図4(B)に示す矩形デ
ータを完成させることができる。
【0057】この補完領域(例えば401)は、演算量
を低減するために、画像フレーム内に存在するブロック
(図示の例では、部分領域aと部分領域hの一部)を接
続する最短距離に沿った直線的な領域として生成する。
【0058】当該非線形変換部11から矩形データS1
03を受け取る前記輪郭特徴計算部103は、所定の輪
郭特徴データS104を計算する部分である。
【0059】本実施形態では、輪郭特徴データS104
として、次の式(1)〜(3)で記述される3種類のデ
ータg0、g1、g2を用いる。
【0060】 g0(x,y)=|p(x,y)*f0| …(1) g1(x,y)=|p(x,y)*f1| …(2) g2(x,y)=|p(x,y)*f2| …(3) ここで、p(x,y)は矩形上の座標(x,y)の画素
の持つ画素値、f0、f1、f2は3×3のフィルタ係
数、*は畳み込み演算を示す。
【0061】図5は、輪郭特徴計算部103における輪
郭特徴データS104の計算方法を説明する図で、同図
(A)は左斜め45度方向エッジ検出フィルタf0を示
し、同図(B)は縦方向エッジ検出フィルタフィルタf
1を示し、同図(C)は右斜め45度方向エッジ検出フ
ィルタフィルタf2を示している。
【0062】図5(A)に示した左斜め45度方向エッ
ジ検出フィルタf0において、3×3マトリクスの対角
線上、左斜め45度方向には「+2」の画素値を持つ3
つの画素を配列し、その他の6画素の画素値は、「−
1」である。
【0063】同様に、図5(B)に示した縦方向エッジ
検出フィルタf1において、3×3マトリクスの対角線
上、縦方向には「+2」の画素値を持つ3つの画素を配
列し、その他の6画素の画素値は、「−1」であり、図
5(C)に示した右斜め45度方向エッジ検出フィルタ
f2において、3×3マトリクスの対角線上、右斜め4
5度方向には「+2」の画素値を持つ3つの画素を配列
し、その他の6画素の画素値は、「−1」である。
【0064】それぞれのエッジ検出フィルタf0〜f2
の指定する方向に沿ったエッジ(すなわち輪郭)が存在
する場合、該当する輪郭特徴データは大きな値をとる。
例えば、前記輪郭特徴量データg0が大きな値をとる場
合には、図5(A)に「+2」として示した画素列の方
向(左斜め45度)に輪郭線が存在する可能性が高いこ
とを意味する。
【0065】縦方向と左右の斜め45度の中間のいずれ
かの方向に輪郭線が存在した場合、g0〜g2のうち当
該方向に最も近い方向のフィルタf0〜f2に対応した
輪郭特徴量データg0〜g2が最大値を取る傾向が高
い。このため、後述するように、輪郭線を構成する画素
を3近傍から探索することによって(例えば、前記入力
画像が被写体を撮影して得た自然画像である場合などに
は、当該被写体の)実際の輪郭線の方向に対応した連結
成分を輪郭線として取り出すことができる。
【0066】このようにわずか3種類のエッジ検出フィ
ルタf0〜f2を用いて輪郭線が存在する可能性の高い
方向を示すことは、輪郭検出部104の処理を簡略化す
るために有効である。
【0067】当該輪郭特徴データS104を受け取る輪
郭検出部104は、細密な輪郭線追跡を実行する部分
で、図10に示す内部構成を備えている。
【0068】(A−1−4)輪郭検出部の内部構成 図10において、当該輪郭検出部104は、矩形メモリ
20と、演算実行部21と、開始点・終了点設定部22
と、対象画素設定部23と、終了検査部24,25と、
評価値バッファVと、経路バッファRとを備えている。
【0069】このうち矩形メモリ20は、例えば、図3
(B)に示すような矩形内の全画素につき、輪郭特徴デ
ータを格納しているメモリである。したがって、矩形中
の各画素には、3つの輪郭特徴データg0〜g2が対応
付けられて記憶されている。
【0070】なお、必要になるたびに、必要とする部分
の輪郭特徴データを、輪郭検出部104が輪郭特徴計算
部103から受け取るようにしてもよい。この場合、当
該矩形メモリ20は省略することができる。
【0071】前記演算実行部21は、後述する所定の手
順(図8参照)にしたがって輪郭検出(輪郭線追跡)処
理を実行する部分である。
【0072】開始点・終了点設定部22は、当該手順中
において、経路開始点Sと経路終了点Eの設定、変更を
行う部分である。
【0073】当該開始点・終了点設定部22に接続され
ている終了検査部24は、必要なすべての画素に対し
て、経路開始点Sと経路終了点Eの設定を終え、処理が
終了したかどうかを検査する部分である。
【0074】対象画素設定部23は、当該手順中にい
て、対象画素の設定、変更を行う部分である。
【0075】当該対象画素設定部23に接続されている
終了検査部25は、必要なすべての画素を対象画素とし
て、処理が終了したかどうかを検査する部分である。
【0076】また、前記評価値バッファVに対しては、
演算実行部21によって、後述する評価値の読み書きが
行われる。同様に、経路バッファRに対しては、当該演
算実行部21によって、後述する経路値の読み書きが行
われる。
【0077】当該輪郭検出部104の処理では、当該手
順にしたがい、画素列を矩形のほぼy軸方向に沿って3
近傍から連結することによって経路(細密な輪郭線の候
補(連結成分))を得て、当該経路のなかの最適経路と
して、最終的な輪郭線(輪郭データS105)を決定す
る。
【0078】当該輪郭線データS105の入力を受ける
前記オブジェクト検出部105は、前記矩形変換部10
2が実行した矩形変換の逆変換を実行することで矩形上
の輪郭線を入力画像上の輪郭線に変換し、当該輪郭線に
よって囲まれた領域を画像オブジェクトと判定し、当該
判定結果に対応する画像オブジェクトデータS106お
よびS107を出力する部分である。
【0079】画像オブジェクトデータS107を受け取
る参照画像特徴計算部106は、前記輪郭候補検出部1
01から受け取った輪郭候補領域データS102に対
し、当該画像オブジェクトデータS107を用いた処理
を実行する部分で、図12に示す内部構成を有してい
る。
【0080】 (A−1−5)参照画像特徴計算部の内部構成 図12において、当該参照画像特徴計算部106は、輪
郭候補領域格納部40と、画像データ抽出部41と、再
計算処理部42とを備えている。
【0081】このうち輪郭候補領域格納部40は、輪郭
候補検出部101内の領域判定部51または外周領域生
成部56が出力した輪郭候補領域データS109が表示
する輪郭候補領域の内容を格納するメモリである。
【0082】また、画素データ抽出部41は、画像オブ
ジェクトデータS107に応じて輪郭候補領域に属する
ブロックデータBS中の各画素のなかから、画像オブジ
ェクトに属する画素だけを抽出して、その画素の画素値
データSSを再計算処理部42に供給する部分である。
【0083】当該画素値データSSを受け取る再計算処
理部42は、当該画素値データSSに基づいて平均色デ
ータを再計算し、計算結果を、参照画像特徴データS1
08として前記輪郭候補検出部101内の参照画像特徴
メモリ55に供給する部分である。
【0084】当該参照画像特徴データS108は、ブロ
ック中の画像オブジェクトに属する画素の画素値だけを
用いて計算したものであるため、前記画像特徴計算部3
1で算出された輪郭候補領域ブロックの平均色データよ
りも、いっそう画像オブジェクトの輪郭付近の色に忠実
な値を取ることになる。
【0085】ここで、前記画素データ抽出部41に供給
される画像オブジェクトデータS107に関連する入力
画像フレームと、画素データ抽出部41に供給されるブ
ロックデータBSに関連する入力画像フレームとは、同
じものであることを要する。
【0086】例えば、前記画素データ抽出部41に供給
される画像オブジェクトデータS106が現フレームF
RM−1に対応するものであるとき、画素データ抽出部
41に供給されるブロックデータBSも、当該現フレー
ムFRM−1に対応したものである。
【0087】以下、上記のような構成を有する本実施形
態の動作について説明する。
【0088】(A−2)実施形態の動作 最初に、前記入力画像特徴計算部100が、上述したよ
うに先頭フレームFR1の入力を受け、ひきつづいて逐
次、後続フレームFR1,FR2,FR3,…,FRM
−1,FRMの入力を受けるものとする。
【0089】前記輪郭候補検出部101以外の各構成要
素100、102〜106は、常に同一の動作を繰り返
せばよいが、当該輪郭候補検出部101だけは、上述し
た通り、先頭フレームFR1を処理する初期処理モード
と、後続フレームFR2〜FRMを処理する後続処理モ
ードの2通りの動作状態を取る。
【0090】いま、入力画像データS100として図2
(A)に示す先頭フレームFR1が入力画像特徴計算部
100に入力されたものとする。
【0091】当該先頭フレームFR1の入力画像特徴デ
ータS101が輪郭候補検出部101に供給されると、
前述の初期処理モードの処理で、利用者が領域判定部5
1を介してポインティングデバイスで輪郭候補領域を指
定し、領域判定部51から、図2(B)に示す当該輪郭
候補領域に対応した輪郭候補領域データS102が矩形
変換部102へ供給され、輪郭候補領域データS109
が参照画像特徴計算部106に供給される。
【0092】次に、当該先頭フレームFR1に対応する
輪郭候補領域データS102を入力することで、例えば
図2(B)の輪郭候補領域203を得た矩形変換部10
2内では、画像検査部12、切断位置検出部10および
非線形変換部11が動作し、必要に応じて補完処理部1
3が機能して、前記矩形変換処理を実行する。
【0093】図3(A)と同図(B)において、対応す
る符号を付した領域はそれぞれに対応している。すなわ
ち、図3(A)の部分領域aは図3(B)の矩形領域a
に対応し、図3(A)の部分領域bは図3(B)の矩形
領域bに対応し、図3(A)の部分領域cは図3(B)
の矩形領域cに対応し、…、図3(A)の部分領域nは
図3(B)の矩形領域nに対応している。
【0094】すなわち、当該矩形変換処理では、各部分
領域が対応関係にある各矩形領域に変換され、各矩形領
域がy軸方向に連結されて矩形データS103が生成さ
れる。
【0095】当該矩形データS103を受け取った輪郭
特徴計算部103は、前記式(1)〜(3)で記述され
る演算処理を実行して輪郭特徴データS104(すなわ
ちg0〜g2)を算出し、輪郭検出部104に供給す
る。
【0096】輪郭検出部104では、図8のフローチャ
ートに示す手順にしたがって、細密な輪郭線の検出を行
う。図8のフローチャートは、P10〜P16の各ステ
ップから構成されている。
【0097】図8において、ステップP1では、評価値
バッファV(s,x,y)と経路バッファR(s,x,
y)を初期化する。
【0098】ここで、評価値バッファV(s,x,y)
の記述は、(x,y)の部分が図6(A)のxy平面上
における各画素の位置を示し、(s)の部分は、経路開始
点Sのx座標を示している。したがって、矩形上の座標
が同じ画素であっても、経路開始点Sが相違すれば評価
値バッファVに格納される評価値は相違し得る。この
点、経路バッファR(s,x,y)についても同様であ
る。
【0099】つづくステップP12では、開始点・終了
点設定部22が図6(A)に示す矩形の下端に経路開始
点Sを設定し、矩形の上端に経路終了点Eを設定する。
図6(A)の矩形は、前述した図3(B)の矩形に対応
している。
【0100】ここで、経路とは、上述した細密な輪郭線
の候補に相当する概念である。
【0101】また、当該経路開始点Sと経路終了点E
は、図3(A)に示す矩形変換前の入力画像上で、前記
切断線CP(あるいはx軸)を挟んで縦方向または斜め
方向に隣接した画素であったことから、これらのx座標
は同一で、ともにsとする。
【0102】次に、ステップP12では、前記対象画素
設定部23が対象画素(x,y)を設定し、ステップP1
3では、前記演算実行部21が、図6(B)に示すよう
に、当該対象画素(x,y)に対して左下、真下、右下
の3画素(3近傍)を用いて次の式(4)〜(6)で記述
される演算を実行し、当該演算の結果が最大値となるe
につき、当該eの値(すなわち評価値)を前記評価値バ
ッファVに格納するとともに、そのiの値(すなわち経
路値)を前記経路バッファRに格納して経路選択処理を
実行する。
【0103】 e(i=0)=V(s,x−1,y−1)+g2(x−1,y−1)…(4 ) e(i=1)=V(s,x,y−1)+g1(x,y−1)…(5) e(i=2)=V(s,x+1、y−1)+g0(x+1,y−1)…(6 ) 例えば、図6(A)において、画素PX(2,6)を当
該対象画素としているときには3つの画素PX(1,
5)、PX(2,5)、PX(3,5)が、前記3近傍
にあたり、輪郭線は右下の画素PX(3,5)から当該
画素PX(2,6)につづいているため、左斜め45度
方向エッジ検出フィルタf0に対応するg0を含んだ式
(6)の演算結果が最大となる傾向が高まる。
【0104】そして、実際にこのとき、式(4)〜
(6)のなかで、式(6)の値が最大であるものとする
と、その値(評価値)が評価値バッファVに格納される
とともに、経路値2(=i)が経路バッファRに格納さ
れる。
【0105】なお、PX(x,y)形式の表記は、図6
のxy平面上の指定した位置の1画素を指すもので、例
えば、画素PX(2,6)の場合、x座標が2、y座標
が6の1画素を指す。
【0106】ステップP13につづくステップP14で
は、終了検査部25が1ライン(1つのy座標上に存在
する全画素)上のすべての画素を対象画素としてステッ
プP13を実行したかどうか、および全ラインについて
ステップP13の処理を実行したかどうかを検査する。
【0107】全ラインについてステップP13の処理を
終了した場合には、ステップP14は、Yes側に分岐
するが、終了していない場合にはNo側に分岐する。
【0108】ステップP14がNo側に分岐した場合、
処理はステップP12にもどる。
【0109】ステップP12では、前回、前記対象画素
PX(2,6)に対してステップP13の処理を行った
場合には、次は画素PX(3,6)を対象画素に設定し
てステップP13の処理を行う。
【0110】このように、ステップP12〜P14のル
ープが繰り返されると、対象画素設定部23によって対
象画素はPX(2,6)、PX(3,6)、PX(4,
6)、PX(5,6)、PX(6,6)、PX(1,
7)、…と順次に変更され、各ラインの処理が終了する
とその上のラインについて処理されて行く。
【0111】一方、前記3近傍の側からみると、矩形メ
モリ20内において3近傍画素PX(1,5)、PX
(2,5)、PX(3,5)のそれぞれには、前記式
(1)〜(3)によって算出した3つの輪郭特徴データ
g0〜g2が対応付けられているが、矩形メモリ20
は、例えば、当該画素PX(3,5)については、対象
画素が画素PX(2,6)であるときには輪郭特徴デー
タg0を演算実行部21に供給し、対象画素が画素PX
(3,6)であるときには輪郭特徴データg1を演算実
行部21に供給し、対象画素が画素PX(4,6)であ
るときには輪郭特徴データg2を演算実行部21に供給
することになる。
【0112】なお、前記ステップP12の処理で最初に
対象画素とされる画素は、画素PX(1,1)などが属
する最下端のy=1のライン内からではなく、その上
の、画素PX(2,2)などが属するy=2のライン内
から選択される。
【0113】また、最後のy=13とy=12の両ライ
ンについて処理するときには、ステップP13の内容は
それまでとは異なり、図6(B)や式(4)〜(6)に
示すような経路選択処理を行うことなく、予め設定して
ある経路終了点Eに対し、強制的に結合する。
【0114】例えば、図6(A)では、画素PX(3,
12)が画素PX(3,13)に相当する経路終了点E
に接続されているが、これは、経路選択処理を行うこと
なく強制的に接続したものである。
【0115】もしも、最後の両ラインについても、それ
以前に処理した各2ラインと同様な経路選択処理を行う
ものとすると、例えば、輪郭線が入力画像上でx軸と斜
めに交差する場合には、経路開始点Sと本来の経路終了
点Eとが斜め方向に接続されることとなるため、経路選
択処理の結果が、ステップP11で予め設定した経路終
了点Eと相違することも起こり得る。
【0116】例えば、図6(A)の輪郭線602が入力
画像上でx軸と斜めに交差する場合には、経路終了点E
と経路開始点Sが斜め方向に接続されることとなるた
め、経路選択処理の結果として、画素PX(3,12)
に対しy=13のライン上で接続される画素は、経路終
了点Eとx座標が1ずつ相違する画素PX(2,13)
または画素PX(4,13)になってしまう。
【0117】換言すれば、強制的に経路終了点Eに接続
する本実施形態では、x軸との交差部分で、輪郭線の形
状に1画素程度の誤差が混入することを許容しているこ
とになる。
【0118】しかしながらこの誤差は、x軸との交差部
分でのみ局所的に発生するものであり、その大きさも、
たかだか1画素程度であるので、実用上問題となること
はほとんどあり得ないと考えられる。
【0119】その一方で、この強制的な接続によって、
経路選択処理の実行回数を低減できる等、切断線CP部
分で必要とされる境界部の処理を簡略化することができ
る。
【0120】ところで、ステップP12〜P14の処理
においては、矩形内に、図6(A)中の画素PX(1,
1)、PX(2,1)、PX(4,1)、PX(5,
1)、PX(6,1)、PX(1,2)、PX(5,
2)、PX(6,2)、PX(6,3)、PX(6,1
1)、PX(1,12)、PX(5,12)、PX
(6,12)、…などのように、経路計算に必要のない
無効領域601が生じ得る。
【0121】この無効領域601は、輪郭線の候補とな
り得ない画素によって構成され、x軸に沿って広がる傾
向を有する。ただしこの無効領域601は、原理的に必
ず発生するものではなく、前記エッジ検出フィルタf0
〜f2を3種類に限定したことによって発生したもので
ある。
【0122】エッジ検出フィルタf0〜f2を3種類に
限定したことによって、各対象画素に対して輪郭線が連
結し得る方向が図6(B)に示す3方向(3近傍)の画
素に限定されるからである。
【0123】この限定は、x軸に平行な輪郭線や、y軸
の負方向に伸びる部分を有する輪郭線の検出を困難に
し、8近傍(対象画素の周辺の8方向(8画素))から
輪郭線を探索する場合などに比べて、連続する数画素程
度の小さな領域内で細かく入り組んだ複雑な輪郭線を正
確に検出することを難しくするが、その一方で、輪郭特
徴計算部103や輪郭検出部104における演算量が、
8近傍から探索する場合などに比べて大幅に低減し、処
理速度を高速化できるという大きな利点をもたらす。
【0124】図6(A)の無効領域601を除く、必要
なすべての画素についてステップP13の処理が終了す
ると、ステップP14はYes側に分岐し、すべての経
路開始点について処理が終了したかどうかが、終了検査
部24によって検査される(P15)。
【0125】すべての経路開始点について処理が終了し
た場合には、ステップP15はYes側に分岐し、終了
していない場合にはNo側に分岐する。
【0126】No側に分岐した場合には、当該ステップ
P15につづいて、再びステップP11が実行される。
【0127】図6(A)に図示した状態は、経路開始点
Sを画素PX(3,1)に設定し、経路終了点を画素P
X(3,13)に設定しているが、次に実行されるステ
ップP11では、経路開始点Sを、例えば画素PX
(4,1)に移して(この場合、経路終了点Eは画素P
X(4,13)となる)、ステップP11〜P15のル
ープが繰り返され、各繰り返しごとに、入れ子になって
いるステップP12〜P14のループが必要回数だけ実
行される。
【0128】そして、最下端のラインに属するすべての
画素PX(1,1)〜PX(6,1)を経路開始点とし
てステップP10〜P14の処理が終了したときに、ス
テップP15はYes側に分岐することになる。
【0129】このとき、前記ステップP12、P13の
処理内容および式(4)〜(6)の内容から明らかなよ
うに、経路終了点Eとなり得る最上ライン(y=13の
ライン)上のすべての画素PX(1,13)〜PX
(6,13)のそれぞれに対応する評価値バッファV内
の評価値V(s,E点)は、各輪郭線の候補に対応した
経路上の輪郭特徴データの総和となっている。
【0130】ここで、評価値V(s,E点)の(E点)
は、各経路終了点Eの座標(x,y)を示している。
【0131】ステップP15のYes側につづいて実行
されるステップP16の最適経路の特定処理では、ま
ず、当該評価値V(s,E点)が最大値をとる場合のs
を求め、次に、経路開始点Sのx座標が当該sである場
合について、経路バッファR(s,x,y)に書き込ま
れている経路値系列を読み出して、経路終了点Eから経
路開始点Sに向かう最適経路(すなわち輪郭線)を求
め、これを輪郭データS105とする。
【0132】輪郭特徴データの総和を求める際には、図
6(B)に示すように、各経路の方向に合わせて3種類
の輪郭特徴データから値が選択され、画像のエッジ方向
(輪郭線の方向)が経路の向きに一致した場合に総和値
が大きくなるように作用するから、当該最大値を示す評
価値V(s,E点)が真正な輪郭線の終了点に対応して
いた場合、当該最大値を示す評価値V(s,E点)とそ
れ以外の評価値V(s,E点)との値の差は、通常、か
なり大きくなるものと考えられる。
【0133】なお、輪郭データS105には、通常、経
路終了点E(または経路開始点S)の座標と、当該経路
開始点Sにつづく前記経路値の情報が含まれていれば十
分である。
【0134】図6(A)に示した輪郭線602は、例え
ば、経路終了点Eの座標(3,13)と、当該経路終了
点Eから経路開始点S(3,1)に向かう経路値系列
1,2,0,0,0,1,2,2,2,1,0,1によ
って記述することができる。
【0135】以上の説明から明らかなように、経路バッ
ファRは、ステップP11〜P15の処理が繰り返され
ているときには、すでに判明しているすべての経路値R
(s,x,y)を記憶している必要があり、ステップP
16の処理が開始されたときには、すべての経路値R
(s,x,y)を記憶している必要があるため、前記無
効領域601の存在を考慮しなければ、基本的に432
(=6×6×(13−1)=s×x×(y−1))程度
のアドレス空間(同時に記憶しておく必要のある経路値
データの数)を備えている必要がある。
【0136】これに対し評価値バッファVは、ステップ
P11〜P15の処理が繰り返されているとき、すでに
判明している評価値V(s,E点)のほかには、矩形上
をy軸方向に累進する連続2ライン分の評価値を記憶し
ていれば十分であり、すでに処理を終えたラインの評価
値を保存しておく必要はない。
【0137】例えば、前記画素PX(2,6)などのy
=6のライン中の画素を対象画素としてステップP13
を処理しているときには、y=6のラインの画素とy=
5のラインの画素について、評価値を保存している必要
があるが、それより下のy=4〜y=1のラインに属す
る画素の評価値は保存しておく必要はない。
【0138】そして、y=6のライン中の画素を対象画
素とするステップP13の処理が終了し、y=7のライ
ンから対象画素が選ばれるようになると、y=5のライ
ン中の画素に関する評価値は不要となり、y=7とy=
6の連続2ラインについて評価値を保存すればよくな
る。
【0139】評価値バッファVはまた、ステップP16
の処理が開始されたときのために評価値V(s,E点)
を記憶しておく必要があるが、前記連続2ライン分とこ
の評価値V(s,E点)の分を合わせても、通常、その
アドレス空間(同時に記憶しておく必要のある評価値デ
ータの数)は、前記経路バッファR(s,x,y)のア
ドレス空間よりもはるかに小さく(少なく)、例えば、
48(=6×2+6×6=x×2+s×x)程度であっ
てよい。
【0140】もちろん、アドレス空間を節約する必要が
ない場合には、評価値バッファVのアドレス空間とし
て、前記経路バッファRと同じ432(=6×6×(1
3−1)=s×x×(y−1))の空間を用意するよう
にしてもよい。
【0141】輪郭検出部104から前記輪郭データS1
05を受け取ったオブジェクト検出部105は、矩形変
換部102で実行した矩形変換の逆変換を実施すること
により、矩形上の輪郭データを入力画像上の輪郭データ
に変換する。
【0142】さらに、オブジェクト検出部105は、当
該輪郭データで指定される輪郭線に囲まれた領域を画像
オブジェクトと判定し、この領域情報を画像オブジェク
トデータS106として後段へ出力する。
【0143】図7は、オブジェクト検出部105の動作
を説明する図である。
【0144】ここでは、図2(B)に示す輪郭候補領域
203に対応する図7(A)の輪郭候補領域702内に
画素レベルの精度を持った細密な輪郭線704が得ら
れ、当該輪郭線704を輪郭とする図7(B)のオブジ
ェクト705を示す画像オブジェクトデータS106が
出力されることになる。
【0145】当該オブジェクト検出部105が出力する
画像オブジェクトデータS106は、画像オブジェクト
の領域を示す2値データでもよいし、画像オブジェクト
の画素データ(すなわち画像オブジェクト中の各画素の
色を示す画素値)そのものでもよい。これらは、オブジ
ェクト検出部106の後段に接続される装置の要求に応
じて決定されるものである。
【0146】オブジェクト検出部105から出力される
画像オブジェクトデータS107は、上述したように、
基本的にこのS106と同じデータであってよいが、そ
の仕様は、参照画像特徴計算部106などの当該画像処
理装置内部の仕様に応じて決定されるべきものである。
【0147】したがって、画像オブジェクトデータS1
06が例えば2値データである場合でも、本実施形態の
参照画像特徴計算部106はカラー画像を要求するの
で、当該画像オブジェクトデータS107としてはカラ
ー画像に対応した画素データを供給することになる。こ
の画像オブジェクトデータS106と画素データは、参
照画像特徴計算部106内の画素データ抽出部41、再
計算処理部42に供給されることになる。
【0148】前記先頭フレームFR1に対応した画像オ
ブジェクトデータS106とS107が参照画像特徴計
算部106に受け取られ、処理されると、当該先頭フレ
ームFR1に対する一連の処理が終了して、次に入力画
像データS100として入力される後続フレームFR2
の処理が開始される。
【0149】当該後続フレームFR2に対して本実施形
態の画像処理装置の構成要素100、102〜106が
行う処理は、前述したように先頭フレームFR1に対す
る処理と同じなので、ここでは、輪郭候補検出部101
の後続処理モードの処理と、当該輪郭候補検出部101
の後続処理モードの処理と関連の強い参照画像特徴計算
部106の処理を中心に、後続フレームFR2の処理に
ついて説明する。
【0150】先頭フレームFR1に対する参照画像特徴
計算部106の処理では、まず画素データ抽出部41
が、先頭フレームFR1の画像オブジェクトデータS1
07を用いて、先頭フレームFR1の輪郭候補領域に属
するブロックデータBS中の各画素のなかから、画像オ
ブジェクトに属する画素だけを抽出し、その画素の画素
値データSSを再計算処理部42に供給する。
【0151】次に、再計算処理部42は当該画素値デー
タSSに基づいて平均色データを再計算するが、この再
計算の結果として得られる参照画像特徴データS108
は、輪郭候補領域ブロック中の画像オブジェクトに属す
る画素の画素値だけを用いて計算したものであるため、
前記画像特徴計算部31で算出された輪郭候補領域ブロ
ックの平均色データS101よりも、いっそう画像オブ
ジェクトの輪郭付近の色に忠実な値を取ることになる。
【0152】換言するなら、前記画像特徴計算部31の
処理では、画像オブジェクトも背景画像も均等に取り扱
って各ブロックの平均色データを算出しているため、画
像オブジェクトの輪郭付近の色に関するデータを損失ま
たは劣化させてしまっているということができる。
【0153】翻って、この再計算処理部42における処
理は、画像オブジェクトの輪郭付近の色に関するデータ
を回復または品質向上する処理であるととらえることが
できる。
【0154】画像オブジェクト内部のブロック、例えば
図13(B)のブロックB1−21内の各画素の色データ
について構成要素102〜105内でどのように取り扱
うかに関しては、以上の説明では詳しく触れていない
が、このデータは少なくとも、画像オブジェクト内部の
データに限定されているので、画像特徴計算部31の処
理によって失われることもなく劣化することもない。
【0155】再計算処理部42はまた、輪郭候補領域ブ
ロックのうち例えば、図13(C)のブロック805のよ
うに画像オブジェクトに属する画素数の割合が少ない輪
郭候補領域ブロックと、ブロック802などの背景領域
ブロックについては、前記参照画像特徴データS108
を無効な値として出力する。画像オブジェクトに属する
画素数の割合が少ない輪郭候補領域ブロックを無効とす
るのは、これらのブロックについては、再計算しても安
定的に高い精度の画像特徴を得ることが困難であるため
である。
【0156】したがって、参照画像特徴データS108
の有効なデータは、画像オブジェクト内部のオブジェク
ト領域ブロックと、画像オブジェクトに属する画素数の
割合が少なくない輪郭候補領域ブロックである。
【0157】このうち画像オブジェクト内部のオブジェ
クト領域ブロックに関しては、例えば、前記画像オブジ
ェクトデータS106として画素データを出力する場合
なら、入力画像フレームの画素データを図示しない伝送
経路によってオブジェクト検出部105へ伝送すること
になるので、その画素データを画像オブジェクトデータ
S107内に含めるようにしてもよい。
【0158】しかしながら、高類似性ブロック抽出部5
4の行う類似性検査は、画素単位ではなくブロック単位
で行うので、S107に含めて画素データを受け取った
場合、再計算処理部42は当該画素データからブロック
単位の平均色データを算出して、算出結果を前記参照画
像特徴データS108の一部とすることになる。
【0159】このような平均色データの算出処理を省略
したければ、前記画像特徴計算部31から出力される入
力画像特徴データS101に含まれている平均色データ
をそのまま蓄積しておいて再利用するのが効率的であ
る。
【0160】次に、先頭フレームFR1に対応する当該
参照画像特徴データS108を参照画像特徴メモリ55
で受け取った輪郭候補検出部101では、初めて、前記
後続処理モードの処理が実行される。
【0161】後続処理モードでは、処理モード対応部5
0は入力画像特徴データS101をフレームメモリ52
に供給するようになり、以降は、新たな先頭フレーム
(例えば、前記先頭フレームFRM+1)が入力画像デ
ータS100として供給されるまで、当該後続処理モー
ドが維持される。
【0162】後続処理モードで後続フレームFR2を処
理するとき、前記フレームメモリ52内には、当該後続
フレームFR2に対応する入力画像特徴データS101
が格納されており、参照画像特徴メモリ55には、前記
先頭フレームFR1に対応する参照画像特徴データS1
08が格納されている。
【0163】このとき、探索範囲設定部53は、先頭フ
レームFR1で検出された輪郭候補領域およびその近傍
領域に属するブロックを対象として前記類似性検査を実
行するように、探索領域指定信号QEを出力する。
【0164】ここで、探索範囲設定部53は、輪郭候補
領域およびその内部のオブジェクト領域に対応する図1
3(E)の中核領域807については、参照画像特徴メモ
リ55に格納されている参照画像特徴データS108か
ら直接的に認識することができる。
【0165】また、近傍領域808は、図13(E)に
示すように、当該中核領域807の外周部に1ブロック
幅で生成するものとする。近傍領域808の生成は、先
頭フレームFR1と最初の後続フレームFR2のあいだ
に画像オブジェクト801(これは画像オブジェクト8
06と同一)が移動または変形したとしても、当該近傍
領域808の内部に捕らえることができることを期待し
て行うものである。
【0166】中核領域807と近傍領域808を合わせ
た領域が、探索範囲設定部53が設定し得る探索範囲Q
EEとなり、前記探索領域指定信号QEは、当該探索範
囲QEEに応じて出力される。
【0167】なお、必要に応じて、当該近傍領域808
は2ブロック幅以上の広い領域としてもよい。フレーム
間の時間間隔に比べて画像オブジェクトの移動速度が速
い場合などにも確実に輪郭線追跡を行うためには近傍領
域808を広く確保したほうがよいが、近傍領域808
を広く取りすぎると、類似性検査の演算量が増加する点
で不利である。
【0168】高類似性ブロック抽出部54が行う類似性
検査では、後続フレームFR2上に設定された前記探索
範囲QEE内の各ブロックを、3×3個の近傍ブロック
の範囲内で、先頭フレームFR1に対応する参照画像特
徴データS108上の各ブロックと比較して、平均色デ
ータの類似性が調べられる。この近傍ブロックの範囲の
広さについても、前記近傍領域808の広さと同様のこ
とが成り立つ。
【0169】前記再計算処理部42が行う再計算によっ
て、当該参照画像データS108中の各輪郭候補領域ブ
ロックの平均色データは、画像オブジェクトの輪郭付近
の色に忠実な値を取るようになっているため、先頭フレ
ームFR1と後続フレームFR1の間に画像オブジェク
トがどのように動いたとしても、背景画像の色や模様の
変化(背景画像が場所に応じて異なる色を持っている場
合など)の影響を排除して、画像オブジェクトの動きに
精度良く対応することが可能である。
【0170】図2(A)に対応する図13(A)の画像
オブジェクトが、先頭フレームFR1と後続フレームF
R2のあいだにフレーム上で左上に移動したものとする
と、高類似性ブロック抽出部54から受け取った高類似
性ブロック信号ABによって供給された高類似性ブロッ
クを連結することにより、外周領域生成部56は、例え
ば、図13(F)に示すオブジェクト領域810を得る
ことができる。
【0171】このあと、当該外周領域生成部56は、オ
ブジェクト領域810の外周に1ブロック幅の輪郭候補
領域809を生成して、当該輪郭候補領域809を示す
輪郭候補領域データS102とS109を、それぞれ矩
形変換部102と参照画像特徴計算部106に供給す
る。
【0172】後続フレームFR3の処理においては、以
上の処理における先頭フレームFR1に後続フレームF
R2が置き換わり、以上の処理における後続フレームF
R2に当該FR3が置き換わって、同様な処理が行われ
る。FR3以降の後続フレームについても同様である。
【0173】また、新たな先頭フレーム(例えばFRM
+1)が入力画像データS100として入力された場合
には、当該先頭フレームFRM+1が前記先頭フレーム
FR1と同様に扱われ、以上と同様な処理が繰り返され
る。
【0174】なお、再計算処理部42の行う再計算によ
って前記参照画像特徴データS108は画像オブジェク
トの輪郭付近の色に忠実な値を取るため、例えば、背景
画像と画像オブジェクトの画像特徴(例えば、色)が似
ている場合でも、高類似性ブロック抽出部54は、画像
オブジェクトと背景画像を識別して、精度良く高類似性
ブロックを抽出することが可能になる。
【0175】(A−3)実施形態の効果 以上のように本実施形態によれば、入力画像をブロック
に分割し、輪郭候補領域の検出にあたっては従来のよう
に画素単位ではなくブロック単位に画像特徴(平均色デ
ータ)を求め、当該画像特徴を利用して輪郭候補領域を
検出するため、画像を撮影するカメラが振動する場合
や、画像中の背景の一部に位置変動が見られる場合でも
安定した画像特徴が得られ、輪郭候補領域を正しく検出
することができるので、信頼性が高い。
【0176】また、本実施形態では、輪郭線の検出にあ
たっては、輪郭特徴分布に基づいて輪郭候補領域中の任
意の経路から最適な経路を選択するため、画素精度の細
密な輪郭線を検出することができ、画像オブジェクトの
検出精度も高い。
【0177】さらに本実施形態では、輪郭候補領域をい
ったん矩形領域に変換してから、輪郭線を検出するよう
にしたので、最適経路の計算にかかる処理量を抑えるこ
とができ、ソフトウエアを含む種々の形態で実施するこ
とが可能である。
【0178】また、本実施形態では、最適経路の計算に
際して、輪郭特徴分布を輪郭の方向別に算出された輪郭
らしさの特徴分布とし、経路方向に応じた輪郭特徴分布
に基づいて最適経路を求めるようにしたので、画像のエ
ッジ方向と輪郭線の方向が合致した場合の経路が選択さ
れるよう動作するため、画像オブジェクトを高精度に検
出することができる。
【0179】加えて、本実施形態では、前に入力され処
理されたフレーム(例えばFRM−1)において検出さ
れた画素精度の細密な輪郭線に基づいて画像オブジェク
ト内部の画像特徴を計算し直し、その結果に基づいて類
似性検査を実行するので、入力画像フレーム中の背景画
像と画像オブジェクトの画像特徴が類似している場合
や、入力画像フレーム中に雑音が混入した場合でも、輪
郭候補領域の検出精度を高く維持することが可能にな
る。
【0180】また、本実施形態では、高精度にオブジェ
クト領域を検出することができ、そのオブジェクト領域
の外周部に輪郭候補領域を生成するので、例えば、直
接、輪郭候補領域自体を検出しようとする場合などに比
べると、より輪郭候補領域検出の信頼性を向上すること
が可能である。
【0181】なぜならば、一般的に、背景領域ブロック
の画像特徴(例えば、平均色データ)と比較した場合、
画像オブジェクトの画像特徴だけに対応するオブジェク
ト領域ブロックの画像特徴は、画像オブジェクトと背景
画像の双方が混入した画像特徴に対応する輪郭候補領域
ブロックの画像特徴よりも、顕著な相違を示す傾向を持
つからである。
【0182】(B)他の実施形態 なお、上記実施形態では、図6(A)の矩形は6×13
画素の領域であったが、矩形の画素数はこれより多くて
もよく、少なくてもよい。通常は、これよりはるかに大
きな画素数になるのがふつうである。
【0183】また、上記実施形態では、ブロックサイズ
を16×16画素としたが、ブロックサイズはこれより
小さくてもよく、大きくてもよい。
【0184】ただし、ブロックサイズを大きくすると、
画像を撮影するカメラが振動する場合や、画像中の背景
の一部に位置変動が見られる場合などの安定度は向上す
るが、輪郭候補領域(や矩形)に含まれる画素数が増加
して演算量が増大する傾向が高まる。このため、ブロッ
クサイズは、要求される安定度や演算量の条件を考慮し
て設定する必要がある。
【0185】なお、ブロックの形状も、上記実施形態の
ように、必ずしも縦横の長さが同じの正方形である必要
はない。
【0186】さらに、上記実施形態では、画像フレーム
に対して処理を実行したが、本発明は、画像フィールド
に対する処理を行うことも可能である。
【0187】また、入力画像(S100)全体の画素数
は、一例として、ディジタルテレビのように、720×
480画素などであってよい。
【0188】さらに、上記実施形態では、輪郭候補検出
部101がブロック毎の平均色を用いて輪郭候補領域を
検出する場合につき説明したが、ブロック毎の平均色の
代わりに、従来公知の他の画像特徴を用いることもでき
る。例えば、対象画像が細かい色パタンで構成される場
合には、ブロック毎の色相データのヒストグラムに特徴
的なパタンが現れやすいので、平均色の代わりに色相デ
ータのヒストグラムを用いることができる。
【0189】また、上記実施形態では、輪郭検出部10
4において、矩形上の任意の画素(対象画素)への経路
を3方向(3近傍)から選択するようにしたが、より多
くの方向から選択するようにしてもよい。この場合に
は、経路方向の追加に合わせて、輪郭特徴計算部103
における特徴データの計算方法を変更することができ
る。選択の方向を増やすことによって、演算量は増大す
るものの、上記実施形態では正確に検出することが困難
であったx軸に平行な輪郭線(経路パタン)、y軸の負
方向に伸びる部分を有する輪郭線、複雑に入り組んだ輪
郭線の形状も正確に検出することが可能になる。
【0190】なお、上記実施形態では、入力画像データ
S100をカラー画像として説明したが、2値画像やモ
ノクロ画像でもよい。モノクロ画像の場合には、輪郭候
補検出部101で用いる画像特徴として平均輝度や輝度
ヒストグラムなどを用いることにより、上記実施形態と
同等の効果が得られる。
【0191】また、上記実施形態では、初期処理モード
の処理内容として、先頭フレームに限り、輪郭候補検出
部101(領域判定部51)を用いて手動で輪郭候補領
域を指定するようにしたが、初期処理モードの処理内容
はこれに限らない。
【0192】例えば、画像処理装置の動作開始時に、背
景領域のみからなるフレーム(フレームFR0)を入力
し、次いで、背景が固定した状態で、画像オブジェクト
が現れるような一連の動画像(フレームFR1〜FR
M)を入力するものとし、輪郭候補検出部101内の高
類似性ブロック抽出部54は、フレームFR1〜FRM
の各フレームに対しては、フレームFR0との画像特徴
(例えば、平均色データ)の差を計算し、差が大きさに
応じて、輪郭候補領域を検出することが可能である。
【0193】この場合、差が大きい領域をオブジェクト
領域、差が小さい領域を背景領域、差の大きさがこれら
の中間の領域を輪郭候補領域、とみなすことができる。
【0194】そしてこの場合、フレームFRM+1以降
のフレームについては背景を変化させても差し支えな
い。
【0195】また、上記実施形態では、目的類似性領域
をオブジェクト領域とした場合についてのみ説明した
が、本発明は、目的類似性領域を背景領域とした場合に
も適用可能である。
【0196】この場合には、検出された目的類似性領域
の内周部に、前記輪郭線包含領域を生成することにな
る。
【0197】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、対象輪郭線を含む輪郭線包含領域は対象輪郭線そ
のものよりも入力画像中で大きな領域を占めるので、対
象輪郭線や入力画像中のその他の領域に位置変動などが
発生したとしても、その位置変動などは輪郭線包含領域
中に吸収することができる。
【0198】これにより、本発明では、従来に比べて、
より安定的かつ高精度に、対象輪郭線を検出することが
可能になり、画像処理装置の信頼性が向上する。
【0199】加えて、本発明では、いったん目的類似性
領域を検出してから、その外周部または内周部に輪郭線
包含領域を生成するため、直接、輪郭線包含領域を検出
しようとする場合に比べて信頼性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る画像処理装置の輪郭候補検出部
の概略構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態における輪郭候補検出部の動作説明図
である。
【図3】実施形態における矩形変換部の動作説明図であ
る。
【図4】実施形態における矩形変換部の動作説明図であ
る。
【図5】実施形態で使用するエッジ検出フィルタの構成
例を示す概略図である。
【図6】実施形態における輪郭検出部の動作説明図であ
る。
【図7】実施形態におけるオブジェクト検出部の動作説
明図である。
【図8】実施形態における輪郭検出部の動作説明図であ
る。
【図9】実施形態における矩形変換部の概略構成を示す
ブロック図である。
【図10】実施形態における輪郭検出部の概略構成を示
すブロック図である。
【図11】実施形態における入力画像特徴計算部の概略
構成を示すブロック図である。
【図12】実施形態における参照画像特徴計算部の概略
構成を示すブロック図である。
【図13】実施形態の動作説明図である。
【図14】実施形態に係る画像処理装置の概略構成を示
すブロック図である。
【符号の説明】
10…切断位置検出部、11…非線形変換部、12…画
像検査部、13…補完処理部、20…矩形メモリ、21
…演算実行部、22…開始点・終了点設定部、23…対
象画素設定部、24,25…終了検査部、30…ブロッ
ク分割部、31…画像特徴計算部、40…輪郭候補領域
格納部、41…画素データ抽出部、42…再計算処理
部、50…処理モード対応部、51…領域判定部、52
…フレームメモリ、53…探索範囲設定部、54…高類
似性ブロック抽出部、55…参照画像特徴メモリ、56
…外周領域生成部、100…入力画像特徴計算部、10
1…輪郭候補検出部、102…矩形変換部、103…輪
郭特徴計算部、104…輪郭検出部、105…オブジェ
クト検出部、106…参照画像特徴計算部、201…画
像オブジェクト、202、701…背景領域、203、
702…輪郭候補領域、204…画像オブジェクト領
域、601…無効領域、704…輪郭線、a〜n…部分
領域(および矩形領域)、PX(2,2)〜PX(1,
7)…画素、S…経路開始点、E…経路終了点、f0…
左斜め45度方向エッジ検出フィルタ、f1…縦方向エ
ッジ検出フィルタ、f2…右斜め45度方向エッジ検出
フィルタ、V…評価値バッファ、R…経路バッファ、P
10〜P16…処理ステップ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時系列に入力される入力画像系列中の各
    入力画像の中から、対象輪郭線を持つ対象画像を検出す
    る画像処理装置において、 前記入力画像を所定の処理ブロックに分割し、当該入力
    画像中における画像特徴量を求め、当該画像特徴量の分
    布状態を検出する入力画像特徴検出手段と、 初期状態には、所定の手順により、前記対象輪郭線を含
    む輪郭線包含処理ブロックを検出して、当該輪郭線包含
    処理ブロックを構成単位として輪郭線包含領域を生成す
    る輪郭線包含領域生成手段と、 当該輪郭線包含領域内における輪郭特徴量の細密な分布
    状態を検査することで、前記対象輪郭線を検出する輪郭
    線検出手段と、 検出した当該対象輪郭線をもとに前記対象画像を検出す
    る対象画像検出手段と、 検出した当該対象画像の入力画像上の位置に基づいて、
    前記処理ブロックの構成単位である処理ブロック要素
    を、当該対象画像に属するか否か識別する処理ブロック
    要素識別手段と、 当該識別によって、当該対象画像に属するものとされた
    処理ブロック要素および/または当該対象画像に属さな
    いものとされた処理ブロック要素をもとに前記画像特徴
    量を再計算して再計算結果を出力する参照画像特徴量再
    計算部とを備え、 前記輪郭線包含領域生成手段は、 前記初期状態以降の通常状態において、前記入力画像系
    列中の入力時刻が早い先入力画像に関して前記参照画像
    特徴量再計算部が求めた再計算結果と、入力時刻が遅い
    後入力画像に関して前記入力画像特徴検出手段が求めた
    画像特徴量とを比較し、当該後入力画像上の処理ブロッ
    クごとに画像特徴類似判定処理を行って、類似度が所定
    範囲にある目的類似性領域に属する処理ブロックを検出
    する目的類似性領域検出部と、 前記通常状態において、当該目的類似性領域の外周部ま
    たは内周部に前記輪郭線包含領域を生成する輪郭線包含
    領域追跡部とを具備することを特徴とする画像処理装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1の画像処理装置において、 前記目的類似性領域検出部は、 前記先入力画像上で対象画像が存在する領域およびその
    周辺の領域に相当する前記後入力画像上の位置に、当該
    後入力画像上における前記目的類似性領域の探索範囲を
    規定する所定近傍領域を検出する近傍領域検出部を備
    え、 前記画像特徴類似判定処理は、すでに検出されている前
    記先入力画像上の目的類似性領域と当該所定近傍領域の
    あいだで実行することを特徴とする画像処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1の画像処理装置において、 前記所定の手順では、前記入力画像特徴検出手段が検出
    した画像特徴量の分布状態をもとに各処理ブロックを識
    別することにより、前記対象輪郭線を含む輪郭線包含処
    理ブロックを検出することを特徴とする画像処理装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011511984A (ja) * 2008-01-30 2011-04-14 クゥアルコム・インコーポレイテッド カーネル融合を使用するデジタル信号パターンの検出および分類
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