JP2002082234A - 光ファイバ心線とその製造方法 - Google Patents

光ファイバ心線とその製造方法

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JP2002082234A
JP2002082234A JP2000269595A JP2000269595A JP2002082234A JP 2002082234 A JP2002082234 A JP 2002082234A JP 2000269595 A JP2000269595 A JP 2000269595A JP 2000269595 A JP2000269595 A JP 2000269595A JP 2002082234 A JP2002082234 A JP 2002082234A
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optical fiber
coating layer
clad
grating
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JP2000269595A
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Kazuo Imamura
一雄 今村
Katsuaki Kondo
克昭 近藤
Takeshi Genchi
武士 源地
Shinji Takai
真二 鷹居
Toshiyuki Baba
俊之 馬場
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被覆上からの紫外線照射によりファイバグレ
ーティングが形成される光ファイバ心線について、その
被覆材料の強度及び湿熱特性を高め、またコアにドープ
するGeの量を増大させることなくファイバグレーティ
ングを高精度に形成し、さらに伝送効率の向上を図る。 【解決手段】 光ファイバ心線10の被覆層14を、ク
ラッド13の屈折率と比較して同等またはそれよりも小
さい屈折率を有する単一層の耐熱性紫外線透過樹脂から
なるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被覆層の外側から
の紫外線照射によりコアにファイバグレーティングが形
成される光ファイバ心線及びその製造方法に関する技術
分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、光ファイバのコアに屈折率が
光軸に沿って周期的に変化した領域(ファイバグレーテ
ィング)を形成する方法として、光ファイバ心線の被覆
層を一旦除去した後、その被覆層除去部分に紫外線を照
射してファイバグレーティングを形成し、その後に再び
被覆層を形成するようにした光ファイバ心線の製造方法
は知られている。しかし、この方法では、ファイバグレ
ーティングの形成時に光ファイバ表面がむき出しとなっ
て空気に接触し、空気中の水分と反応してファイバが劣
化するという問題があった。
【0003】そこで、例えば特開平10−293222
号公報に示されるように、光ファイバ心線の合成樹脂か
らなる被覆上からそれを除去することなくコアへ紫外線
を照射してファイバグレーティングを形成することが知
られている。そして、この種の光ファイバ心線の被覆材
料としては、通常、紫外線領域の透過特性が大きく設定
されたエポキシ系あるいはウレタン系樹脂が用いられ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の如
く、光ファイバ心線の被覆上から紫外線照射によりコア
の屈折率の変化量をさらに大きくして、ファイバグレー
ティングを高精度に形成するためには、コアにドープす
るゲルマニウム(Ge)の量をさらに増加させることが
有効である。
【0005】しかし、ゲルマニウムのドープ量を通常の
光ファイバにおけるドープ量よりもさらに高めるように
すると、通常のファイバとの接続性が悪化するという問
題がある。
【0006】一方、ファイバグレーティングを有する光
ファイバ心線には、グレーティング形成部において光が
コアからクラッドへ漏洩し、さらにクラッドから被覆層
の外部へ漏洩して伝送効率が低くなる問題がある。
【0007】さらに、上記従来のエポキシ系あるいはウ
レタン系樹脂からなる被覆層を有する光ファイバ心線
は、耐熱性及び耐湿性が低く、例えば80℃以上の温度
条件下では実使用が困難となるという問題もある。
【0008】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、被覆上からの紫外線
照射によりファイバグレーティングが形成される光ファ
イバ心線について、その被覆材料の強度及び湿熱特性を
高め、またコアにドープするゲルマニウムの量を増大さ
せることなくファイバグレーティングを高精度に形成
し、さらに伝送効率の向上を図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明では、光ファイバ心線として、ファイバ
グレーティングを有するコアと、上記コアの外周に設け
られたクラッドと、上記クラッドの外周に設けられ、ク
ラッドの屈折率と比較して同等またはそれよりも小さい
屈折率を有する単一層の耐熱性紫外線透過樹脂からなる
被覆層とを備え、上記ファイバグレーティングは、上記
被覆層の外側から紫外線を照射されることにより形成さ
れたものであることを特徴とする。
【0010】上記の構成により、被覆層が紫外線透過性
及び耐熱性をを有するので、光ファイバ心線の被覆層を
除去することなくファイバグレーティングの形成が可能
となるとともに、耐熱特性の高いものとすることができ
る。また、単一層からなるので、構成が簡単であり、多
層からなるものに対してコストを低減することができ
る。
【0011】さらに、被覆層の屈折率がクラッドの屈折
率と同等またはそれよりも小さいので、グレーティング
形成部においてコアからクラッドに光が漏洩したときで
も、被覆層にて反射されることとなり、光はクラッドか
ら外部へ漏洩することなく光ファイバ内に閉じこめるこ
とができる。
【0012】斯かる現象により、例えば、ファイバグレ
ーティングが1本の光ファイバ中に複数隣接させて設け
られるような場合に、ある1つのグレーティング形成部
においてコアからクラッドへ漏洩した光を被覆層により
反射させて、この光を隣接する他のグレーティング形成
部においてクラッドからコアへ再度入射させることがで
きる。
【0013】このため、光の伝送効率を向上させること
ができ、さらには、隣接するグレーティング構造部を有
機的に連繋させて利用するような光ファイバ型デバイス
に対して有効に適用することができる。
【0014】請求項2の発明では、請求項1の光ファイ
バ心線において、クラッドは紫外線に対する透過性を有
することを特徴とする。このことにより、通常の光ファ
イバとの接続性を良好に維持しつつコアへの紫外線照射
効率を向上させることができ、ファイバグレーティング
を被覆上から高精度に形成することができる。
【0015】請求項3の発明では、請求項1又は2の光
ファイバ心線において、被覆層はシリコン樹脂からなる
ことを特徴とする。このことにより、強度及び湿熱特性
の向上を図りつつ被覆上からファイバグレーティングを
形成するために好適な光ファイバ心線を得ることができ
る。
【0016】請求項4の発明では、請求項1〜3のいず
れか1つの光ファイバ心線において、被覆層のヤング率
は0.9MPa以上にした。このことにより、取り扱い
性、作業性及び強度特性の良好な光ファイバ心線とする
ことができる。
【0017】請求項5の発明では、請求項1〜4のいず
れか1つの光ファイバ心線において、被覆層の厚さは2
5μm以上にした。このことにより、光ファイバ心線と
して望ましい被覆層の厚さとすることができる。
【0018】請求項6の発明では、光ファイバ心線の製
造方法として、紫外線に対して感光性を有するコアの外
周にクラッドを設ける工程と、上記クラッドの外周に、
クラッドの屈折率と比較して同等またはそれよりも小さ
い屈折率を有する単一層の耐熱性紫外線透過樹脂からな
る被覆層を被覆する工程と、上記被覆層の外側から紫外
線を照射することにより、上記コアにファイバグレーテ
ィングを形成する工程とを備えたことを特徴とする。こ
のことにより、本発明の光ファイバ心線の製造方法を容
易に具体化することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は、本実施形態にかかる光ファ
イバ心線10について、長さ方向と垂直な断面を模式的
に示しており、図2は、この光ファイバ心線10の光フ
ァイバ素線部分を模式的に示している。
【0020】図1及び2に示すように、光ファイバ心線
10は、ファイバグレーティング11が書き込まれたコ
ア12と、このコア12の外周に設けられたクラッド1
3と、このクラッドの外周に設けられた被覆層14とか
ら構成されている。
【0021】光ファイバ心線10のコア12に書き込ま
れた(形成された)グレーティング11は、軸方向に沿
ってコア12の屈折率が周期Λ(例えば0.3〜0.6
μm)で変化した短周期の屈折率変調構造を有してい
る。この周期Λとコア12の平均屈折率とによって規定
されるブラッグ(Bragg)波長を持つ光がグレーティン
グ11によって選択的に反射されることになる。
【0022】次に、図1〜3を参照しながら、光ファイ
バ心線10の構成とグレーティング11の作製方法とを
詳細に説明する。本実施形態で用いるコア12には、通
常仕様の光ファイバのコアに含まれているGeと同程度
の濃度を有するGeがドープされて、紫外線に対して感
光性を有するようしている。ここで、通常仕様の光ファ
イバとは、例えば、通信用途で光ファイバケーブル内に
収容される一般的な光通信用光ファイバ心線のことであ
る。このような光ファイバ心線のコアには、通常、比屈
折率差が0.9%程度になる量のGeがドープされてい
る。
【0023】図示されている光ファイバ心線10のコア
12には、光誘起屈折率変化を定常的に高めるために、
Geに加えて、Sn、Sn 及びAl 、または、Sn,
Al及びBのドーパントをコア12にドープしておくこ
とが好ましい。例えば、上記の通常仕様の光ファイバの
コアと同量(比屈折率差が0.9%となる程度の量)の
Geに加え、濃度10000ppm以上、好ましくは濃
度10000〜15000ppmのSn、或いは、この
ような濃度のSn及び濃度1000ppm以下のAl等
を共ドープすればよい。このようなドープは、種々の公
知方法によって行えばよく、例えば液浸により行う場合
には、上記GeやSnの化合物(Snの場合、例えばS
nCl2・2H2O)をメチルアルコールと混合し、その
溶液の中に浸漬すればよい。
【0024】また、本実施形態では、クラッドを純粋な
石英ガラスにより構成しており、高い紫外線透過性を有
するので、コアの感光性の低下を防止することができ
る。尚、クラッドの屈折率を調整するために、このクラ
ッドに添加剤のドープが必要な場合には、紫外線透過性
の低下を抑制する添加剤であるフッ素をドープするとよ
い。そして、グレーティングの書き込みを高精度に行う
ためにファイバ全体に水素が充填されている場合には、
紫外線照射によるファイバの紫外線透過率低下を抑制す
ることができる。
【0025】本実施形態では、被覆層14の材料とし
て、クラッドの屈折率と比較して同等またはそれよりも
小さい屈折率を有する耐熱性紫外線透過樹脂であるシリ
コン樹脂を用いるようにし、さらに被覆層14をこのシ
リコン樹脂の単一層により形成する。
【0026】そして、被覆層14は、コア12及びクラ
ッド13からなる光ファイバ素線の線引き工程に引き続
いてシングルコート法によって、厚さ25μm以上、好
ましくは、25〜75μm程度の膜厚になるように形成
されており、光ファイバ心線として望ましい被覆層厚さ
となるようにしている。また、25〜75μmとする理
由は、被覆層14の厚さが25μmよりも小さい場合に
は光ファイバ心線としての強度を保持することが不可能
となる一方、75μmよりも大きい場合には外部から受
ける力を緩衝して心線内部のクラッド及びコアを保護す
ることができないためである。
【0027】さらに、このとき被覆層14のヤング率は
0.9MPa以上、好ましくは、0.9〜10MPaと
しており、取り扱い性、作業性及び強度特性が良好とな
るようにしている。また、0.9〜10MPaとする理
由は、上述の被覆層厚さの数値限定に対する理由と同様
であり、被覆層14のヤング率が0.9MPaよりも小
さい場合には光ファイバ心線としての強度を保持するこ
とが不可能となる一方、10MPaよりも大きい場合に
は外部から受ける力を緩衝して心線内部のクラッド及び
コアを保護することができないためである。
【0028】このシリコン樹脂は、グレーティング11
の書き込みのためにコアに照射する特定波長帯の紫外線
を透過させる特性を有し、被覆厚さが例えば62.5μ
mのものでは、250nm付近の波長を有する紫外線を
90%以上透過させる。このような特性を満足する被覆
材料として、具体的には、例えばGE東芝シリコーン製
TSE3032が好適である。
【0029】そして、このようなシリコン樹脂で光ファ
イバの外周面を被覆した後、この被覆層14によって被
覆された状態の光ファイバ心線10に対して紫外線を照
射する前に、コア12に対して水素充填を行うことが光
誘起屈折率変化を高める上で好ましい。従って、本実施
形態では、この高圧水素充填を行う。具体的には、光フ
ァイバ心線10を水素が充填された密閉容器内に入れ、
室温状態でほぼ20MPaの圧力下で約2週間放置すれ
ばよい。
【0030】次に、光ファイバ心線10の外側、つまり
被覆層14の外側から紫外線を照射することによりコア
12に対しグレーティング11の書き込みを行う。本実
施形態では、図3に示すように、グレーティング11の
書き込みを位相マスク法により行う。
【0031】このようにして、上記紫外レーザ光が位相
マスク15及び被覆層14を透過し、コア12に対し位
相マスク15の格子ピッチに対応したグレーティングピ
ッチの部分の屈折率が増大されてブラッググレーティン
グ11が書き込まれることになる。
【0032】そのとき、被覆層14が紫外線透過性及び
耐熱性をを有するので、光ファイバ心線10の被覆層1
4を除去することなくファイバグレーティング11の形
成が可能となるとともに、耐熱特性の高いものとするこ
とができる。
【0033】ところで、通常の被覆層は、比較的ヤング
率の小さい内側層及び大きい外側層の2層からなるが、
本実施形態に係る被覆層14は単一層からなるので、構
成が簡単であり、多層からなるものに対してコストを低
減することができる。
【0034】さらに、被覆層14の屈折率がクラッド1
3の屈折率と同等またはそれよりも小さいので、グレー
ティング形成部においてコア12からクラッド13に光
が漏洩したときでも、被覆層14にて反射されることと
なり、光はクラッド13から外部へ漏洩することなく光
ファイバ内に閉じこめることができる。
【0035】斯かる現象により、例えば、ファイバグレ
ーティング11が1本の光ファイバ中に複数隣接させて
設けられるような場合に、ある1つのグレーティング形
成部においてコア12からクラッド13へ漏洩した光を
被覆層14により反射させて、この光を隣接する他のグ
レーティング形成部においてクラッド13からコア12
へ再度入射させることができる。
【0036】このため、光の伝送効率を向上させること
ができ、さらには、隣接するグレーティング構造部を有
機的に連繋させて利用するような光ファイバ型デバイス
に対して有効に適用することができる。
【0037】そして、クラッド13を紫外線に対する透
過性を有するようにしたことにより、通常の光ファイバ
との接続性を良好に維持しつつコア12の感光性の低下
を防止することができ、ファイバグレーティング11を
被覆上から高精度に形成することができる。
【0038】また、被覆層14のヤング率を0.9MP
a以上とすることにより、取り扱い性、作業性及び強度
特性の良好な被覆層とすることができ、さらに、被覆層
14の厚さを25μm以上とすることにより、光ファイ
バ心線として望ましい被覆層の厚さとすることができ
る。
【0039】尚、本実施形態では、クラッドを紫外線に
対する感光性を有するようにしたが、本発明はこれに限
らず、クラッドを通常の通信用光ファイバ心線における
クラッドのように感光性を有しない石英ガラスからなる
ようにしてもよい。
【0040】また、本実施形態では、被覆層のヤング率
を0.9MPa以上とし、かつ被覆層の厚さを25μm
以上としたが、これに限るものではない。そして、被覆
層の材料としてシリコン樹脂を用いたが、耐熱性紫外線
透過樹脂として他の樹脂等により被覆層を構成してもよ
い。
【0041】
【実施例】(実施例1)次に、具体的に実施した実施例
について説明する。本実施例で用いる光ファイバ心線1
0の光ファイバ素線部分のパラメータを下記表1に示
す。
【0042】
【表1】
【0043】この光ファイバ素線部分の外周に上述のG
E東芝シリコーン製TSE3032を被覆して作製した
光ファイバ心線10に対して、外側から紫外線を照射し
てグレーティングを形成した。
【0044】このとき、光ファイバ心線10の側方直前
に格子状の位相マスク15を配設し、さらに紫外線を照
射するレーザ源として、出射エネルギーが例えば10m
WであるNd−YAGレーザを位相マスク15から所定
の間隔を置いて配設する。そして、このレーザ源の4倍
波長(4ω)である266nmのコヒーレント紫外レー
ザ光を、シリンドリカルレンズ系16により集光した状
態で、パルス幅を10ns、また繰り返し周波数10H
zとして、このレーザ源から位相マスク15を介して光
ファイバ心線10へ照射するようにした。尚、この光フ
ァイバ心線に対して水素処理も施し、屈折率の変化量を
さらに大きくするようにした。
【0045】このようにして作製したグレーティング
(試料1)と、被覆層のない上記光ファイバ素線部分に
対して同様の方法で作製したグレーティング(試料2)
とを比較すると、両試料のグレーティング長は各々25
mmであり、また中心波長はそれぞれ1540nmであ
った。そして、試料1の反射率は10%であり、試料2
の反射率は70%となった。
【0046】このことから、両試料の中心波長が一致し
ており、本実施例のGE東芝シリコーン製TSE303
2を被覆して作製した光ファイバ心線10に対して、グ
レーティングを有効に書き込むことができることがわか
った。
【0047】(実施例2)次に、上記実施例1で用いた
GE東芝シリコーン製TSE3032の紫外線透過率
を、他の比較例とともに測定した実施例について説明す
る。
【0048】本実施例では、GE東芝シリコーン製シ
リコン樹脂TSE3032、JSR製紫外線硬化樹脂
KF3774及び信越化学工業製シリコン樹脂OF−
113のそれぞれを試料とした。そして、これらの試料
をそれぞれ厚さ1mmの石英板上にコーティングし、ま
た硬化させて測定用シートとした。
【0049】具体的には、TSE3032について
は、100℃で1時間加熱し、フィルム厚が、10,5
0,60,100,120及び140μmのものを作製
した。また、KF3774については、100μmの
膜厚のものに500mJ/cm2の紫外線をN2雰囲気
中で照射することにより硬化させたものを、フィルム厚
が45,60及び80μmとなるようにシートに加工し
た。OF−113については、150℃で30分加熱
することにより、フィルム厚が50,90及び250μ
mのものを作製した。
【0050】これらのシートに波長の異なる紫外線を照
射して、日立製作所製自記分光光度計U−3500によ
ってその紫外線透過率を測定した。また、測定に際して
は、リファレンスに石英板を用い、一部測定用シートに
対してはリファレンスなしで測定した。この測定条件を
下記表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】図4〜6にそれぞれTSE3032、
KF3774及びOF−113の透過スペクトルを示
す。また、図7にこれら〜の透過スペクトルを比較
したグラフを示す。尚、図中の縦軸は紫外線の透過率T
を、また横軸は紫外線の波長を表している。
【0053】図4に示すように、TSE3032は、
230nm以上の紫外線波長帯において高透過率(85
%以上の透過率)を有しており、紫外線透過型樹脂とし
て要求される特性(266nmにおいて50%以上の透
過率)を満足することがわかる。
【0054】尚、230nm前後の紫外線波長帯におい
ては、フィルム厚さの増大に伴って透過率は略低下する
傾向があり、さらにフィルム厚さ266nmにおいて
は、リファレンス有りのものについては、フィルム厚さ
に拘わらず同程度の高い透過率を有することがわかる。
【0055】一方、図5に示すように、KF3774
は、上述の紫外線透過型樹脂としての要求特性を満たす
ことができない。尚、このKF3774の紫外線透過率
はフィルム厚の増大に伴って低下し、またその透過率は
フィルム厚に大きく依存していることから、フィルム厚
をさらに薄くすることによって上記要求特性を満たすと
考えられる。しかし、被覆層を薄くすると光ファイバの
保護性が悪化するため、グレーティングの書き込み後に
被覆層の外側に他の樹脂等でさらにコーティングする必
要があり、コストや生産性等に問題が生じると考えられ
る。
【0056】また、図6に示すように、OF−113
は、波長が266nmである紫外線の透過率が50%に
満たないので、上記要求特性を満足しない。しかし、波
長が290〜300nm程度である紫外線を発する光源
があれば、上記要求特性を満たすと考えられる。
【0057】(実施例3)次に、上記実施例1で用いた
GE東芝シリコーン製TSE3032の屈折率を測定し
た実施例について説明する。
【0058】測定用シートは、ガラス板上にフィルム厚
さを230μmとしてコーティングし、100℃で1時
間加熱して硬化させ、硬化後ガラス板からはがして作製
した。
【0059】このように作製したシートに対して、JI
S K−0062に準じて、アタゴ製アッベ屈折計1T
を用いて測定を行った結果、GE東芝シリコーン製TS
E3032の屈折率は、1.410であり、クラッドの
屈折率(例えば1.4584)よりも小さいことがわか
った。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、光ファイバ心線として、ファイバグレーティン
グを有するコアと、コアの外周に設けられたクラッド
と、クラッドの外周に設けられ、クラッドの屈折率と比
較して同等またはそれよりも小さい屈折率を有する単一
層の耐熱性紫外線透過樹脂からなる被覆層とを備え、フ
ァイバグレーティングは、被覆層の外側から紫外線を照
射して形成するようにすることにより、光ファイバ心線
の被覆層を除去することなくファイバグレーティングの
形成が可能となるとともに、耐熱特性の高いものとする
ことができ、さらに光をクラッドから外部へ漏洩するこ
となく光ファイバ内に閉じこめることができる。そし
て、ある1つのグレーティング形成部においてコアから
クラッドへ漏洩した光を被覆層により反射させて、この
光を隣接する他のグレーティング形成部においてクラッ
ドからコアへ再度入射させることができ、光の伝送効率
を向上させることができる。
【0061】請求項2の発明によると、クラッドが紫外
線に対する透過性を有するようにすることにより、通常
の光ファイバとの接続性を良好に維持しつつコアへの紫
外線照射効率を向上させることができ、ファイバグレー
ティングを被覆上から高精度に形成することができる。
【0062】請求項3の発明によると、被覆層がシリコ
ン樹脂からなるようにすることにより、強度及び湿熱特
性の向上を図りつつ被覆上からファイバグレーティング
を形成するために好適な光ファイバ心線を得ることがで
きる。
【0063】請求項4の発明によると、被覆層のヤング
率が0.9MPa以上であるようにすることにより、取
り扱い性、作業性及び強度特性の良好な光ファイバ心線
とすることができる。
【0064】請求項5の発明によると、被覆層の厚さが
25μm以上であるようにすることにより、光ファイバ
心線として望ましい被覆層の厚さとすることができる。
【0065】請求項6の発明では、光ファイバ心線の製
造方法として、紫外線に対して感光性を有するコアの外
周にクラッドを設ける工程と、クラッドの外周に、クラ
ッドの屈折率と比較して同等またはそれよりも小さい屈
折率を有する単一層の耐熱性紫外線透過樹脂からなる被
覆層を被覆する工程と、被覆層の外側から紫外線を照射
することによりコアにファイバグレーティングを形成す
る工程とを備えるようにすることにより、本発明の光フ
ァイバ心線の製造方法を容易に具体化することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る光ファイバ心線を模式的に示
す断面図である。
【図2】ファイバグレーティングが形成された光ファイ
バ心線を模式的に示す図である。
【図3】光ファイバ心線の作成方法を説明するための図
である。
【図4】実施例1に係る試料の紫外線波長に対する透
過率を示すグラフ図である。
【図5】実施例1に係る試料の紫外線波長に対する透
過率を示すグラフ図である。
【図6】実施例1に係る試料の紫外線波長に対する透
過率を示すグラフ図である。
【図7】実施例1に係る試料〜の紫外線透過率を比
較して示すグラフ図である。
【符号の説明】 10 光ファイバ心線 11 ファイバグレーティング 12 コア 13 クラッド 14 被覆層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 源地 武士 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 鷹居 真二 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 馬場 俊之 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 Fターム(参考) 2H049 AA06 AA33 AA45 AA51 AA59 AA62 2H050 AB05X AB07X AB09X AB18X AB20X AC03 AC82 AC84 AD00 BB04Q

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ファイバグレーティングを有するコア
    と、 上記コアの外周に設けられたクラッドと、 上記クラッドの外周に設けられ、クラッドの屈折率と比
    較して同等またはそれよりも小さい屈折率を有する単一
    層の耐熱性紫外線透過樹脂からなる被覆層とを備え、 上記ファイバグレーティングは、上記被覆層の外側から
    紫外線を照射されることにより形成されたものであるこ
    とを特徴とする光ファイバ心線。
  2. 【請求項2】 請求項1の光ファイバ心線において、 クラッドは紫外線に対する透過性を有することを特徴と
    する光ファイバ心線。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の光ファイバ心線におい
    て、 被覆層はシリコン樹脂からなることを特徴とする光ファ
    イバ心線。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つの光ファイ
    バ心線において、 被覆層のヤング率は0.9MPa以上であることを特徴
    とする光ファイバ心線。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1つの光ファイ
    バ心線において、 被覆層の厚さは25μm以上であることを特徴とする光
    ファイバ心線。
  6. 【請求項6】 紫外線に対して感光性を有するコアの外
    周にクラッドを設ける工程と、 上記クラッドの外周に、クラッドの屈折率と比較して同
    等またはそれよりも小さい屈折率を有する単一層の耐熱
    性紫外線透過樹脂からなる被覆層を被覆する工程と、 上記被覆層の外側から紫外線を照射することにより、上
    記コアにファイバグレーティングを形成する工程とを備
    えることを特徴とする光ファイバ心線の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022515599A (ja) * 2018-12-06 2022-02-21 オーエフエス ファイテル,エルエルシー 高温ライトスルーコーティングを有する光ファイバ

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