JP2002081760A - 太陽エネルギー利用システム - Google Patents

太陽エネルギー利用システム

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JP2002081760A
JP2002081760A JP2000273372A JP2000273372A JP2002081760A JP 2002081760 A JP2002081760 A JP 2002081760A JP 2000273372 A JP2000273372 A JP 2000273372A JP 2000273372 A JP2000273372 A JP 2000273372A JP 2002081760 A JP2002081760 A JP 2002081760A
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lens
unit
sunlight
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Takashi Kawaguchi
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で効率よく太陽光を採光できるようにす
る。 【解決手段】 採光システム10の集光レンズ18は、
旋回モータ58によって回転台14を旋回させ、回動シ
リンダ28によって回動アーム26を回動することによ
り、太陽を追尾する。集光レンズ18の焦点部に配置し
てある反射板30は、角度調節機構40によって集光レ
ンズ18の上下方向の位置に影響されず、常に支柱22
と回動アーム26とのなす角度の2等分線の方向を向く
ようにしてある。反射板30は、集光レンズ18の焦点
部に配置してあって、集光レンズ18が集光した太陽光
16を拡散抑制レンズ34に向けて反射する。拡散抑制
レンズ34は、入射した光を平行光にして下方に向けて
出射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽光を集光して
利用する太陽エネルギー利用システムに係り、特に住居
などの採光システムや太陽光発電などに適用可能な太陽
エネルギー利用システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ビル内の居住空間や日陰の住居な
どに太陽光を導く採光システムが注目されている。従
来、採光システムには、(1)反射鏡を太陽に追尾さ
せ、太陽光を反射鏡によって鉛直下方に反射させて採光
するもの、(2)プリズムと反射鏡とを太陽に追尾さ
せ、プリズムによって太陽光を分割して一部を鉛直下方
に導くとともに、分割した他の一部の光を反射鏡に入射
して反射鏡によって鉛直下方に反射させるもの、(3)
太陽に追尾させるレンズによって太陽光を集光し、集光
した太陽光を光ファイバケーブルによって所望の場所に
導くものなどがある。
【0003】また、太陽エネルギーの有効利用を図るた
めに、家屋の屋根などに、太陽エネルギーを熱エネルギ
ーに変換するソーラパネルの一種である集熱器を設置し
て温水を得たり、太陽エネルギーを電気エネルギーに変
換するソーラパネルの一種である太陽電池パネルを設置
して発電したりしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記(1)の反射鏡の
みを用いた採光システムは、構造が簡単であって安価で
あるが、太陽光を下方に反射させる必要があるところか
ら、反射光による照射面積(採光面積)が太陽の高度が
高くなると、非常に狭くなる欠点がある。また、上記
(2)のプリズムと反射鏡を用いたものは、太陽の高度
が変化してプリズムへの太陽光の入射角が変化すると、
採光位置が変化したりする。そして、上記(3)の光フ
ァイバケーブルによってレンズの集光した光を所定の位
置に導くものは、所望の部屋などに太陽光を容易に導く
ことができるが、光が長い光ファイバの中を通るため、
減衰量が大きくなって採光効率が大きく低下し、また高
価な光ファイバを使用するために設置コストが高くなる
欠点がある。
【0005】一方、太陽エネルギーを熱エネルギーや電
気エネルギーに変換するソーラパネルは、屋根などに固
定して設置しており、一般に太陽光が最も強くなる日中
の太陽の方位、高度に合せた方向、角度に設置してい
る。このため、朝、夕などの太陽が東や西の方角にあっ
て、高度が低い場合には、ほとんど太陽エネルギーを熱
エネルギーや電気エネルギーに変換することができず、
使用効率、コストパフォーマンスが悪いといった問題が
ある。
【0006】本発明は、上記従来技術の欠点を解消する
ためになされたもので、安価で効率よく太陽光を採光で
きるようにすることを目的としている。また、本発明
は、太陽エネルギーを他のエネルギーに変換するソーラ
パネルなどのエネルギー変換器の使用効率を高めること
などを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る太陽エネルギー利用システムは、太
陽光を集光する集光部と、この集光部を太陽に追従させ
る追尾装置と、前記集光部が集光した太陽光を所定の方
向に反射する反射部と、この反射部が反射した光の拡散
を制御する光拡散抑制部とを有することを特徴としてい
る。
【0008】集光部は、太陽光を点状に集光する集光レ
ンズを用いることができる。この集光レンズは、球面凸
レンズであってもよいが、レンズの曲率部(球面部)だ
けを平面的に並べたフレネルレンズを使用すれば、焦点
距離を短くできて設置スペースを小さくすることができ
るとともに、レンズが薄くなって軽量化を図ることがで
きる。したがって、追尾装置なども小型、軽量化を図る
ことができる。そして、反射部は、磨いた金属板や鏡な
どの反射板によって構成することができる。
【0009】また、集光部は、太陽光を直線状に集光す
る集光レンズの複数を平行に配置して形成することがで
きる。この場合、反射部は、複数の集光レンズに対応し
て反射板を設け、光拡散抑制部は各反射板に対応して拡
散抑制レンズを設けて平行光を出射するように構成する
ことができる。そして、集光レンズと拡散抑制レンズと
は、円柱レンズを用いてもよいが、設置スペースを小さ
くし、小型軽量化を図るためにいわゆるフレネルレンズ
を用いることが望ましい。また、反射板は、集光レンズ
の焦点部に配置するとよい。この場合、反射板は、両面
を反射面とするのが望ましい。
【0010】さらに、本発明に係る太陽エネルギー利用
システムは、太陽光を集光する集光部と、この集光部を
太陽に追尾させる追尾装置と、前記集光部が集光した太
陽光を所定の方向に反射する反射部と、この反射部の反
射した光の光路に配置したエネルギー変換部とを有する
ことを特徴としている。
【0011】エネルギー変換部は、集熱器や太陽電池な
どのソーラーパネルであってよい。そして、集光部は太
陽光線を点状に集光する集光レンズとすることができ
る。この場合にも、小型軽量化が可能なようにフレネル
レンズを用いるとよい。また、集光部は、平行に配置さ
れてそれぞれが太陽光線を直線状に集光する複数の集光
レンズから構成してよい。この場合、反射部には、各集
光レンズに対応して複数の反射板を設ける。そして、反
射板は、両面が反射面となっているものを集光レンズの
焦点部に配置することが望ましい。なお、この発明にお
いて焦点部とは、焦点の位置およびその近傍の位置を言
い、焦点には平行光が点状に集まる位置のみならず、平
行光が直線状に集められる位置(焦線の位置)をも含め
ている。
【0012】
【作用】上記のごとく構成した本発明は、追尾装置によ
って集光部を常に太陽に向けて集光し、集光した光を反
射部によって反射するとともに、光拡散抑制部によって
所定の面積の光が得られるようにしていうるため、朝、
昼、夕方のいずれにおいても太陽エネルギーである太陽
光を効率よく集光することができる。
【0013】集光部として太陽光を点状に集光するフレ
ネルレンズなどの集光レンズを使用すると、構造を簡素
にすることができる。そして、光拡散抑制部には、集光
レンズと同じ光学特性を有するレンズを集光レンズと対
称的に使用すると、平行光が容易に得られる。また、集
光部を、太陽光を直線状に集光する集光レンズの複数を
平行配置して構成すると、大口径のレンズを用いなくと
も採光部の面積を大きくすることが可能で、軽量化とコ
ストの削減とを図ることができる。さらに、反射板を集
光レンズの焦点部に配置すると、反射板に入射する光の
面積が小さくなり、反射板を小さくすることができる。
そして、反射板を集光レンズの焦点部に配置した場合、
太陽高度が高くなると、後述するように集光レンズの出
射する光が反射板の両面に当たるので、両面を反射面と
することにより効率よく採光することができる。
【0014】また、本発明に係る太陽エネルギー利用シ
ステムは、追尾装置によって太陽を追尾する集光部によ
って太陽光を集光し、この集光した光を反射板によって
エネルギー変換部に入射するようにしているため、エネ
ルギー変換部が家屋の屋根などに固定的に設置してある
場合であっても、太陽の方位、高度に関係なく太陽光を
エネルギー変換部に導くことができ、エネルギー変換部
の使用効率(稼動効率)が大幅に高まり、コストパフォ
ーマンスを高めることができ、従来と同じ程度の出力を
得るためのエネルギー変換部の大きさを大幅に小さくす
ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に係る太陽エネルギー利用
システムの好ましい実施の形態を、添付図面に従って詳
細に説明する。図1は、本発明の第1実施の形態に係る
太陽エネルギー利用システムである太陽光採光システム
の斜視図である。図1において、採光システム10は、
屋根などに設置するドーナツ状の固定ベース12を有し
ている。そして、固定ベース12の上には、ドーナツ状
の回転台14が水平面内で回転可能に、かつ固定ベース
12と同心に設けてある。また、回転台14の上には、
太陽光16を点状に集光する集光部となる集光レンズ1
8が配設してある。集光レンズ18は、実施形態の場
合、フレネルレンズが用いられ、焦点距離の短縮を図る
とともに、重量の軽量化を図っている。そして、集光レ
ンズ18は、矢印20のように上下方向回動可能に旋回
台14に取り付けてある。
【0016】すなわち、旋回台14の上面には、直径方
向に一対の支柱22が立設してあって、これらの支柱2
2の間に支持軸24が渡してある。そして、支持軸24
の両端部には、回動アーム26の基端部が枢着してあ
り、これらの回動アーム26の先端に集光レンズ18の
直径方向両側部が固着してある。集光レンズ18は、そ
の面が回動アーム26の長手方向と直交するように取り
付けてある。また、少なくとも一方の回動アーム26と
旋回台14との間には、2点鎖線で示したように、回動
シリンダ28が配設してある。この回動シリンダ28
は、追尾装置を構成しており、図示しない制御装置によ
って作動が制御され、太陽の高度に応じて回動アーム2
6を介して集光レンズ18を矢印20のように上下方向
に回動させる。
【0017】支持軸24は、反射部となる反射板30を
支持している。反射板30は、実施形態の場合、両面鏡
から形成してあって、集光レンズ18の焦点部に配置し
てあり、集光レンズ18が集光した太陽光16を所定の
方向である下方の旋回台14に向けて反射するようにな
っている。旋回台14の採光窓32には、光拡散抑制部
となる拡散抑制レンズ34が設けてあって、反射板30
が反射した光を平行光にし、矢印36のように固定ベー
ス12の下方に向けて出射する。すなわち、拡散抑制レ
ンズ34は、光学特性が集光レンズ18と同じにしてあ
って、反射板28が反射して拡散する光が入射し、これ
を元の太陽光16のように平行光にして出射する。
【0018】反射板30は、支持軸24に支持させてあ
って、その向き(垂線の方向)が常に集光レンズ18の
軸線と、拡散抑制レンズ34の軸線とのなす角度の等分
線の方向と一致するようにしてある。すなわち、支持軸
24には、図2に示したように、円筒軸36が外嵌させ
てある。円筒軸36は、支持軸24に対して相対回転可
能となっていて、この円筒軸36にブラケット38を介
して反射板30の直径方向両縁部が固定してある。そし
て、円筒軸36の両端部周面は、支柱22と回動軸26
との間に設けた角度調節機構40の角度調節軸42の先
端が接続してある。
【0019】角度調節機構40は、図1に示したよう
に、一端が相互に回動可能に連結された一対のリンク4
4、46と角度調節軸42とを主な構成要素としてい
る。一対のリンク44、46は、同じ長さを有してい
る。そして、リンク44の他端は、回動アーム26に枢
着してあり、リンク46の他端は支柱22に枢着してあ
る。また、リンク44の回動アーム26への枢着点48
と支持軸24の軸心Oとの距離と(図2参照)、リンク
46の支柱22への枢着点50と支持軸24の軸心との
距離とが等しくなっているとともに、これらの枢着点間
距離とリンク44、46の長さ(枢着点間距離)とが等
しくなっていて、リンク44、46と支柱22と回動ア
ーム26とによって、長さdの4つの等長リンクによる
平行リンク機構が形成されている。
【0020】さらに、リンク44、46の枢着点52に
は、図1に示したようにL字状のブラケット54が取り
付けてあり、このブラケット54の先端部を角度調節軸
42が摺動自在に貫通している。角度調節軸42は、支
柱22と回動アーム26とのなす角度の2等分線上に配
置してある。すなわち、角度調節軸42は、平行リンク
の対角線上に位置して反射板30の面に立てた垂線の方
向と同方向に延在している。このため、回動シリンダ2
8によって回動アーム26が回動させられ、支柱22と
回動アーム26とのなす角度が変化すると、リンク4
4、46の枢着点52が角度調節軸42に沿って移動す
るとともに、角度調節軸42が図2の矢印58のように
回動して円筒軸36を支持軸24の周囲に回転させ、反
射板30の向きが常に支柱22と回動軸26とのなす角
度の2等分線の方向と同じ方向となるように反射板30
の向きを自動的に調節する。
【0021】回転台14には、集光レンズ18を覆って
アクリル樹脂などの透明体によって形成した透明ドーム
56が着脱可能に取り付けてあって、集光レンズ18な
どが塵埃などによって汚れるのを防止している。また、
回転台14の周面には、図示しない歯車の歯が形成して
ある。そして、この歯には、追尾装置を構成している旋
回モータ58の回転軸60に取り付けた駆動歯車62が
噛み合っており、旋回モータ58を駆動することによ
り、回転台14を図1の矢印64のように、水平面内で
旋回させることができるようになっている。
【0022】上記のごとく構成した第1実施形態の作用
は、次の通りである。回動シリンダ28と旋回モータ5
8とは、図示しない制御装置によって駆動が制御され
る。制御装置は、季節や年月日に対応した太陽の地球か
ら見た軌道が与えられている。そして、制御装置は、太
陽70が昇る日の出のときには、図3の左に示したよう
に、集光レンズ18を東に向けるとともに、集光レンズ
18が鉛直となるように回動シリンダ28を制御し、集
光レンズ18を太陽光70の方向に向ける。このとき、
反射板30は、45度傾斜している。
【0023】平行光線として集光レンズ18に入射した
太陽光16は、一点鎖線72に示したように、集光レン
ズ18によって集光され、反射板30に入射して反射板
30によって下方の拡散抑制レンズ34に向けて反射さ
れる。反射板30によって反射されて光りは、一点鎖線
74のように拡散しつつ拡散抑制レンズ34に入射し、
拡散抑制レンズ34によって平行光にされ、図1の矢印
36のように下方に向けて出射される。
【0024】図示しない制御装置は、太陽70が昇るに
つれて旋回モータ58を駆動し、旋回台14を介して集
光レンズ18を徐々に東から南の方向に旋回させるとと
もに、図3の中央に示したように、回動シリンダ28を
作動して集光レンズ18を上方に回動させ、集光レンズ
18を太陽70に正対させる。このとき、角度調節機構
40は、平行リンク機構を構成しているリンク44、4
6のなす角度が大きくなり、角度調節軸42が2図の矢
印58のように時計方向に回動し、円筒軸36を介して
反射板30を時計方向に回動する。そして、反射板30
は、その垂線の方向が集光レンズ18と拡散抑制レンズ
34の軸線とのなす角度の2等分線と一致するように自
動的に調節される。したがって、集光レンズ18によっ
て一点鎖線76のように集光させた光は、反射板30に
よって反射され、一点鎖線78のように拡散しつつ拡散
制御レンズ34に入射する。拡散抑制レンズ34は、入
射光を平行光にして矢印36のように下方に向けて出射
する。
【0025】さらに、制御装置は、真昼になると、図3
の右に示したように、太陽70の方位、高度の変化に伴
って、追尾装置を介して集光レンズ18を太陽70に追
従させ、集光レンズ18を太陽70に正対させる。その
後、太陽70が南中を過ぎて傾くに従い、集光レンズ1
8は、図3の右から中央、さらに左のように太陽70を
追尾する。
【0026】なお、図に示してあるように、集光レンズ
18によって集光した光は、太陽70が水平位置より高
くなると反射板30の背面(図3の右側面)にも入射す
る。しかし、実施形態の場合、反射板30は両面が反射
面となっているため、背面に入射した光も効率よく拡散
抑制レンズ34側に反射される。
【0027】このように、第1実施形態においては、集
光レンズ18を太陽70に追尾させるとともに、集光レ
ンズ18が集光した光を反射板30によって拡散抑制レ
ンズ34に向けて反射し、拡散抑制レンズ34によって
平行光にしているため、朝、昼、夕方のいずれにおいて
も太陽エネルギーである太陽光を効率よく採光すること
ができる。しかも、採光システム10は、レンズと反射
板(鏡)とによって採光しているため、安価にすること
ができる。また、実施形態においては、反射板30を集
光レンズ18の焦点部に配置したことにより、反射板3
0の受光面積を小さくすることができ、採光システム1
0の小型、軽量化を図ることができ、コストの削減が可
能となる。
【0028】なお、前記実施形態においては、光拡散抑
制部として拡散抑制レンズ34を用いた場合について説
明したが、光拡散抑制部として光ファイバケーブルを使
用し、反射板30が反射した光を光ファイバケーブルに
入射させるようにしてもよい。また、前記実施の形態に
おいては、集光部として集光レンズを用いた場合につい
て説明したが、球面や放物面からなる凹面鏡などを用い
てもよい。
【0029】そして、前記実施形態においては、太陽エ
ネルギーとして太陽光をそのまま利用する場合について
説明したが、拡散抑制レンズ34の代わりに集熱器や太
陽電池などのソーラパネルのようなエネルギー変換器
(エネルギー変換部)を配置してもよい。拡散抑制レン
ズ34の代わりにエネルギー変換器を配置すれば、従
来、ほとんど日中しか有効に集熱や発電をすることがで
きなかったが、集光レンズ18を太陽70に追従させる
ことにより、朝から夕方までエネルギー変換器に太陽光
を照射することができるため、使用効率が向上してコス
トパフォーマンスを高めることができる。また、太陽電
池などを反射板30に近づけて配置すると、より大きな
エネルギーを有する太陽光が太陽電池に入射するため、
太陽電池の面積を小さくしたとしても大きな発電量が得
られ、太陽電池の使用量が削減できてより効率を高める
ことが可能となる。
【0030】図4は、第2実施形態の斜視図である。こ
の実施形態に係る採光システム80は、リング状のベー
ス82の上に回転台84が回転自在に設けてある。回転
台84は、周面に歯車の歯86が形成してあって、この
歯86が追尾装置を構成している旋回モータ58に取り
付けた駆動歯車62と噛み合っている。このため、旋回
モータ58を駆動することにより、回転台84を矢印8
8のように水平面内において旋回させることができる。
【0031】回転台84の上には、矩形状の取付けベー
ス90が設置してある。取付けベース90は、回転台8
4と一体に旋回するようになっていて、中央部に円形の
採光窓95が形成されている。また、取付けベース90
は、一端側の上部に一対のブラケット92が形成され、
ブラケット92に額縁状の取付けフレーム94の一端が
上下方向回動自在に枢着してある。そして、取付けフレ
ーム94の両側部と取付けベース90との間には、追尾
装置を構成している回動シリンダ28が設けてあり、こ
の回動シリンダ28を作動させることにより、取付けフ
レーム94を矢印96のように回動させることができ
る。
【0032】取付けフレーム94の内部には、太陽光1
6を集光する集光部と、集光部が集光した光を反射する
反射部と、反射部が反射した光が入射する光拡散抑制部
とが配設してある。集光部は、平行に配置した複数の集
光レンズ100から構成してある。これらの集光レンズ
100は、それぞれがリニアフレネルレンズからなって
いて、太陽光16を直線状に集光する。また、反射部
は、各集光レンズ100に対応して配置した反射板10
2からなっている(5参照)。反射板102は、集光レ
ンズ100の焦点部(焦線部)に配置してある。そし
て、光拡散抑制部は、反射部の下方に位置していて、各
反射板102に対応した拡散抑制レンズ104を有す
る。各拡散抑制レンズ104は、集光レンズ100と同
様にリニアフレネルレンズからなっていて、集光レンズ
100と同じ光学特性を有するように形成してある。
【0033】拡散抑制レンズ104の両端部のそれぞれ
を取り付けたアーム106は、取付けフレーム94が太
陽70の高度に追従して傾斜した場合であっても、長手
方向が常に取付けベース90の上面に対して直交するよ
うに取付けフレーム94に支持されている。また、拡散
抑制レンズ104は、アーム106の下端に、アーム1
06と直交するように取り付けられ、取付けフレーム9
4の姿勢に影響させずに常に水平に保持される。そし
て、アーム106の上端部には、回動アーム108の基
端部が枢着してある。この回動アーム108の先端に
は、集光レンズ100が回動アーム108と直交するよ
うに固定してある。さらに、各回動アーム108は、連
結杆114に連結されていて、一体に回動させられるよ
うになっている。この連結杆114の一端には、作動ア
ーム116が枢着してあり、この作動アーム116を図
示しないモータやシリンダによって揺動させることによ
り、各集光レンズ100を連結杆114、回動アーム1
08を介して一体に回動させるようにしてある。
【0034】回動アーム108とアーム106とのそれ
ぞれの中間部には、リンク110、112の一端部が枢
着してある。これらのリンク110、112は、アーム
106、回動アーム108とともに第1実施形態におい
て説明した角度調節機構40と同様の角度調節機構を形
成しており、それぞれの他端が相互に回動可能に連結し
てある。また、アーム106、回動アーム108、リン
ク110、112は、各枢着点間の長さが等しい平行リ
ンク機構を構成している。そして、リンク110、11
2を相互に枢着した枢着点と、アーム106と回動アー
ム108との枢着点とを通る平行リンク機構の対角線上
には、角度調節ロッド118が配設してあり、取付けフ
レーム94の傾斜角のいかんにかかわらず、反射板10
2の向き(垂線の方向)をアーム106と回動アーム1
08とのなす角度の2等分線の方向に向けられるように
してある。
【0035】このように構成した第2実施形態において
は、図5の下部に示したように、日の出の時分や日没の
時分においては、取付けフレーム94が45度の傾斜角
度にされ、各集光レンズ100が前方の集光レンズ10
0の影に入らないようにする。このとき、各集光レンズ
100は、鉛直に保持されて太陽70に正対する。そし
て、太陽光16は、集光レンズ100によって集光さ
れ、反射板102によって反射されて拡散抑制レンズ1
04に入射する。拡散抑制レンズ104は、拡散しつつ
入射する反射光を平行光にし、矢印120のように下方
に向けて出射する。また、太陽70の高度が高くなるの
に従って、図5の上部に示したように、取付けフレーム
94の傾斜角度が小さくされ、集光レンズ100が作動
アーム116によって上方に回動されて太陽70と正対
する。
【0036】この第2実施形態においても第1実施形態
と同様の効果を得ることができる。そして、第2実施形
態においては、太陽光を直線状に集光する集光レンズ1
00を用いたことにより、大口径の球面レンズを使用せ
ずに大きな採光面積を得ることができ、採光システム8
0を軽量、安価にすることができる。さらに、実施形態
においては、取付けフレーム94の一端を枢着したこと
により、風の強いときなどに、図4の符号94aのよう
に取付けフレームを畳むことができる。
【0037】なお、前記実施形態においては、取付けベ
ース90に設けた採光窓95などが円形に形成してある
場合について説明したが、採光窓を矩形状に形成しても
よい。また、前記実施形態においては、太陽70が高く
なるのに従って取付けフレーム94の傾斜を小さくした
場合について説明したが、取付けフレーム94の傾斜角
度を45度に保持し、集光レンズ100のみを回動させ
るようにしてもよい。さらに、拡散抑制レンズ104の
代わりにソーラパネルなどのエネルギー変換器を配置し
てもよい。この場合、エネルギー変換器は、採光窓95
の内部に固定は位置すれば、集光レンズ100を太陽7
0に追尾させるエネルギーを低減することができる。
【0038】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、追尾装置によって集光部を常に太陽に向けて集光
し、集光した光を反射部によって反射するとともに、光
拡散抑制部によって所定の面積の光が得られるようにし
たことにより、朝、昼、夕方のいずれにおいても太陽エ
ネルギーである太陽光を効率よく集光することができ
る。
【0039】そして、集光部として太陽光を点状に集光
する集光レンズを使用したことにより、構造を簡素にす
ることができる。また、集光部を、太陽光を直線状に集
光する集光レンズの複数を平行配置して構成すると、大
口径のレンズを用いなくとも採光部の面積を大きくする
ことが可能で、軽量化とコストの削減とを図ることがで
きる。さらに、反射板を集光レンズの焦点部に配置する
と、反射板に入射する光の面積が小さくなり、反射板を
小さくすることができる。そして、反射板を集光レンズ
の焦点部に配置した場合、太陽高度が高くなると、後述
するように集光レンズの出射する光が反射板の両面に当
たるので、両面を反射面とすることにより反射光率を高
めることができる。
【0040】また、本発明に係る太陽エネルギー利用シ
ステムは、追尾装置によって太陽を追尾する集光部と、
この集光部が集光した光を反射板によってエネルギー変
換部に入射するようにしているため、エネルギー変換部
が家屋の屋根などに固定的に設置してある場合であって
も、太陽の方位、高度に関係なく太陽光をエネルギー変
換部に導くことができ、エネルギー変換部の使用効率
(稼動効率)を大幅に高めることができ、従来と同じ程
度の出力を得るためのエネルギー変換部の大きさを大幅
に小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る太陽エネルギー
利用システムの斜視図である。
【図2】第1実施形態における反射板の角度を調節する
機構を説明する模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態の作用を説明する図であ
る。
【図4】本発明の第2実施形態に係る太陽エネルギー利
用システムの斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態の作用を説明する図であ
る。
【符号の説明】
10、80………採光システム、14、84………回転
台、16………太陽光、18、100………集光部(集
光レンズ)、28、58………追尾装置(回動シリン
ダ、旋回モータ)、30、102………反射部(反射
板)、34、104………光拡散抑制部(拡散抑制レン
ズ)、36………円筒軸、40………角度調節機構、4
2………角度調節軸、44、46、110、112……
…リンク、90………取付けベース、94………取付け
フレーム、114………連結杆、16………作動アー
ム、118………角度調節ロッド。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太陽光を集光する集光部と、この集光部
    を太陽に追従させる追尾装置と、前記集光部が集光した
    太陽光を所定の方向に反射する反射部と、この反射部が
    反射した光の拡散を制御する光拡散抑制部とを有するこ
    とを特徴とする太陽エネルギー利用システム。
  2. 【請求項2】 前記集光部は太陽光線を点状に集光する
    集光レンズであり、前記反射部は反射板からなることを
    特徴とする請求項1に記載の太陽エネルギー利用システ
    ム。
  3. 【請求項3】 前記集光部は平行に配置されてそれぞれ
    が太陽光を直線状に集光する複数の集光レンズを有し、
    前記反射部は前記各集光レンズに対応して設けた複数の
    反射板を有し、前記光拡散抑制部は、前記各反射板に対
    応して設けられ、前記反射板の反射した光を帯状の平行
    光にして出射する複数の拡散抑制レンズを有することを
    特徴とする請求項1に記載の太陽エネルギー利用システ
    ム。
  4. 【請求項4】 前記反射板は、前記集光レンズの焦点部
    に配置され、両面が反射面となっていることを特徴とす
    る請求項2または3に記載の太陽エネルギー利用システ
    ム。
  5. 【請求項5】 太陽光を集光する集光部と、この集光部
    を太陽に追尾させる追尾装置と、前記集光部が集光した
    太陽光を所定の方向に反射する反射部と、この反射部の
    反射した光の光路に配置したエネルギー変換部とを有す
    ることを特徴とする太陽エネルギー利用システム。
  6. 【請求項6】 前記エネルギー変換部は、ソーラーパネ
    ルであることを特徴とする請求項5に記載の太陽エネル
    ギー利用システム。
  7. 【請求項7】 前記集光部は太陽光線を点状に集光する
    集光レンズであり、前記反射部は反射板からなることを
    特徴とする請求項5または6に記載の太陽エネルギー利
    用システム。
  8. 【請求項8】 前記集光部は平行に配置されてそれぞれ
    が太陽光を直線状に集光する複数の集光レンズを有し、
    前記反射部は前記各集光レンズに対応して設けた複数の
    反射板を有することを特徴とする請求項5または6に記
    載の太陽エネルギー利用システム。
  9. 【請求項9】 前記反射板は、前記集光レンズの焦点部
    に配置され、両面が反射面となっていることを特徴とす
    る請求項7または8に記載の太陽エネルギー利用システ
    ム。
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