JP2002080602A - ポリオール組成物およびこれを利用したポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

ポリオール組成物およびこれを利用したポリウレタンフォームの製造方法

Info

Publication number
JP2002080602A
JP2002080602A JP2000270891A JP2000270891A JP2002080602A JP 2002080602 A JP2002080602 A JP 2002080602A JP 2000270891 A JP2000270891 A JP 2000270891A JP 2000270891 A JP2000270891 A JP 2000270891A JP 2002080602 A JP2002080602 A JP 2002080602A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyol composition
rice bran
polyurethane foam
pitch
polyurethane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000270891A
Other languages
English (en)
Inventor
Takuya Maeda
拓也 前田
Kazumi Yamaguchi
和三 山口
Ikukatsu Maeda
育克 前田
Hisaji Taniguchi
久次 谷口
Masahiro Uchida
昌宏 内田
Nobuo Shiraishi
信夫 白石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Wakayama Prefecture
Original Assignee
Wakayama Prefecture
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Wakayama Prefecture filed Critical Wakayama Prefecture
Priority to JP2000270891A priority Critical patent/JP2002080602A/ja
Publication of JP2002080602A publication Critical patent/JP2002080602A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 米糠ピッチを有効利用できるうえ、生分解性
を有するポリオール組成物およびこれを利用したポリウ
レタンフォームの製造方法を提供すること。 【解決手段】 本発明のポリオール組成物は、米糠の抽
出残渣である米糠ピッチをラジカル化し、米糠ピッチの
ラジカル化物を不飽和ジカルボン酸環状無水物に付加
し、米糠ピッチを付加した不飽和ジカルボン酸環状無水
物のラジカル化物にジオール類を反応させて得られるも
のである。また、本発明製法は、前記のポリオール組成
物と、イソシアネート類を反応させてポリウレタンフォ
ームを得るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリウレタンその
他の製造原料となるポリオール組成物に係り、更に詳細
には、自然環境中で微生物等により容易に分解されるポ
リオール組成物およびこれを利用したポリウレタンフォ
ームの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在において、プラスチックは加工の容
易さ、価格、軽さ、利用のしやすさ等の面から広く利用
されている。しかしながら、プラスチックは天然に存在
する高分子化合物と異なり、自然界において微生物等に
よってはほとんど分解しないため、環境汚染の原因とな
り、大きな社会問題を招いている。
【0003】すなわち、プラスチック製の廃棄物は土壌
細菌の作用によってはほとんど分解されないので、投棄
された所に長く残存し非常に見苦しいものとなる。ま
た、海上に投棄された場合も生分解を受けずそのまま海
面を漂うため、海上汚染の原因となる。さらには、海亀
等が餌のクラゲと間違えて飲み込み死に至る等、生態環
境面での問題も生じている。
【0004】かかるプラスチックのうち、ポリウレタン
はポリオール類(ポリオキシド化合物)とイソシアネー
ト類を反応させて製造されるが、このポリウレタンも他
のプラスチックと同様にほとんど生分解性がない。しか
も、ポリウレタンの発泡体は嵩高いので、環境汚染の更
なる原因となっている。
【0005】従来、このポリウレタンに生分解性を付与
する試みがいくつか為されている。例えば特開昭51−
135229号公報には、微生物が好むデンプン等の粉
末状有機質充填物を親水性ウレタンフォームに添加した
ものが開示されている。特開昭63−284232公報
号には、植物性微細繊維または植物性粉粒体を、エステ
ル基を含有するポリオール類と有機ポリイソシアネート
との反応で得られるウレタン樹脂と結合させた、自然界
で分解するシートや成形品が開示されている。特開平7
−196763号公報には、糖蜜を配合したポリオール
類とイソシアネート類との反応で得られるウレタンフォ
ームが開示されている。
【0006】前二報の発明においては、いずれも天然の
有機質や植物性繊維等といった添加物の存在が必須であ
り、これが生分解性に大きく寄与しているものとされて
いる。すなわち、これらの発明は基本的にはポリウレタ
ン自体の分解によるものでなく、添加物の生分解性によ
るものと考えられる。
【0007】一方、後一報の発明はポリウレタン自体の
分解によるものであるが、イソシアネート類と糖蜜に含
まれる水との反応が優先されるため、糖蜜の脱水が必要
となり製造工程や装置が複雑になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のようにポリウレ
タンには種々の形態のものがあり、前記の有機質や植物
性繊維等を配合することができない場合、あるいは製造
工程や装置が複雑化することにより高価になる場合があ
るため、根源的に生分解性を有し複雑な製造工程や装置
を必要としない安価なポリウレタンを製造する技術開発
が嘱望されてきた。
【0009】他方で、米糠からは、サラダ油、イノシト
ール、フェルラ酸等の有用成分を抽出して残った米糠ピ
ッチ(抽出残渣)が大量に生じている。しかしながら、
現在においては、かかる米糠ピッチの有効な用途が未だ
見出されず、ボイラー等で焼却処分されているのが実情
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の問
題点を解消すべく鋭意研究を重ねた結果、米糠ピッチ
を、不飽和ジカルボン酸環状無水物およびジオール類と
組み合わせて用いることにより、ポリウレタンフォーム
その他の原料となるポリオール組成物として利用できる
ことを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0011】すなわち、本発明は、米糠の抽出残渣であ
る米糠ピッチをラジカル化し、米糠ピッチのラジカル化
物を不飽和ジカルボン酸環状無水物に付加し、米糠ピッ
チを付加した不飽和ジカルボン酸環状無水物のラジカル
化物にジオール類を反応させて得られるポリオール組成
物を提供するものである。
【0012】また、本発明は、前記のポリオール組成物
と、イソシアネート類を反応させてポリウレタンフォー
ムを得るポリウレタンフォームの製造方法を提供するも
のである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のポリオール組成物を構成
する成分のうち、米糠ピッチは米糠から得られるもので
あり、サラダ油、イノシトール、フェルラ酸等の有用成
分を抽出した後の残渣として大量に得られる。従って、
経済性の面からもこの米糠ピッチを用いるのは有用であ
る。かかる米糠ピッチは、分子量が数百ないし2万程度
でヘキサン、クロロホルム等の疎水性溶媒に可溶であ
る。また、米糠ピッチは、水酸基やカルボキシル基とい
った活性プロトンを派生する官能基、あるいは芳香環を
ほとんど持たないから反応性が低く、従ってイソシアネ
ート類等と反応しない。
【0014】また、本発明で利用されるラジカル生成手
段は、米糠ピッチの構成成分から水素を引き抜いてラジ
カル化物を発生させるとともに、不飽和ジカルボン酸環
状無水物を活性化させ米糠ピッチと反応させる活性化剤
としても作用する。かかるラジカル生成手段としては、
例えば電子線照射装置、ガンマ線照射装置、開始剤等が
挙げられる。そのうち、開始剤としては、例えばジクミ
ルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブ
チルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、
過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、アゾビスイソブ
チロニトリル等が例示される。
【0015】そして、本発明に用いられる不飽和ジカル
ボン酸環状無水物は、ラジカル生成手段で活性化された
米糠ピッチと、ジオール類とを混合反応させる架橋剤と
して作用するものである。かかる不飽和ジカルボン酸環
状無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸等が挙げられる。特に、前記の無水マレイン酸は不
飽和ポリエステルの原料として量産されていることか
ら、安価、かつ、入手容易である。因みに、不飽和ジカ
ルボン酸環状無水物を添加することなく得られたポリオ
ール組成物を用いても、ポリウレタンフォームの製造は
可能であるが、その場合は米糠ピッチがフォーム中に留
まらず溶出する。
【0016】更に、本発明に用いられるジオール類は、
米糠ピッチに対しグリコリシス剤として作用し、結果的
に米糠ピッチにアルコキシ付加される。その添加量が多
くなると反応系全体の水酸基価が低下し、イソシアネー
ト類との反応により軟質ポリウレタンを与える傾向とな
る。かかるジオール類としては、例えばエチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール、ポリテトラメチレ
ンオキシド、ポリプロピレングリコール等が挙げられ
る。
【0017】本発明に係るポリオール組成物の調製は、
下記の化学式(I)のように、まずラジカル生成手段(化
学式(I)ではジクミルペルオキシドラジカルの構造式
を例示)により、米糠ピッチ成分からの水素引き抜きに
よるラジカル化物を発生させる。次に、化学式(II)
のように、不飽和ジカルボン酸環状無水物(化学式(I
I)、(III)では無水マレイン酸の構造式を例示)
の活性化を引き起こし、不飽和ジカルボン酸環状無水物
の米糠ピッチ成分への付加を起こさせる。そして、化学
式(III)のように、米糠ピッチ成分のジオール類に
よるグリコリシス、およびそれに伴うジオール類のアル
コキシ付加による変成によって調整が行われる。
【0018】
【化1】
【0019】上記の化学式(I)〜(III)では、ラ
ジカル化物の生成手段の一例として高温開始型の開始剤
(ジクミルペルオキシド)を例示しているが、本発明は
それに限らない。また、不飽和ジカルボン酸環状無水物
の一例として、理解しやすい構造式の無水マレイン酸を
例示しているが、無論、本発明の不飽和ジカルボン酸環
状無水物は無水マレイン酸に限るものでない。
【0020】本発明のポリオール組成物の製造に用いら
れる各成分の配合量は、米糠ピッチが25〜75重量%
(以下、単に%で示す。)、不飽和ジカルボン酸環状無
水物が1〜15%、ジオール類が25〜75%の範囲と
するのが、実用的性能を有するポリオール組成物を得る
うえで好ましい。
【0021】尚、米糠ピッチの活性化に用いる手段とし
て開始剤(DPC等)を用いる場合は、好適な反応速度
と低廉な添加剤コストの観点から、その添加量は米糠ピ
ッチに対し0.05〜5%の範囲であることが臨まし
い。化学式(III)の反応を実用的なものとするため
には、例えば硫酸、塩酸、酢酸等の酸触媒を用いるのが
好ましい。前記の酸触媒を用いる場合、その添加量は米
糠ピッチに対し0.05〜2%の範囲であるのが望まし
い。
【0022】かくして得られた本発明のポリオール組成
物は、従来汎用のポリオール類と同様にして、ポリウレ
タン製造の原料に利用することができ、従来公知のイソ
シアネート類と常法にしたがって反応させ、ポリウレタ
ンフォームを製造することができる。他方、本発明のポ
リオール組成物は、例えばエポキシ樹脂、ポリエステル
エーテル、ポリエステルアミド等の製造原料としても利
用が可能である。
【0023】すなわち、前記のようにして得られたポリ
オール組成物に、イソシアネート類、および必要により
少量の水を添加混合し、10〜150℃の温度、およ
び、常圧下または加圧下で反応させることにより、ポリ
ウレタンフォームが製造される。
【0024】かかるポリウレタンフォームの製造に用い
られるイソシアネート類としては、特に制限がなく、脂
肪族系ポリイソシアネート、脂環族系ポリイソシアネー
ト、または芳香族系ポリイソシアネートの他、それらの
変性体等を例示することができる。これらイソシアネー
ト類の使用割合は、本発明のポリオール組成物の使用量
に対し25〜75%である。また、これらのポリイソシ
アネートと、汎用のポリオール類または本発明のポリオ
ール組成物との反応によって得られる末端イソシアネー
ト基含有のプレポリマーを、本発明のイソシアネート類
として用いることもできる。
【0025】このうち、脂肪族系ポリイソシアネートと
しては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート等が挙
げられ、脂環族系ポリイソシアネートとしては、例えば
イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン
ジイソシアネート等が挙げられる。
【0026】また、芳香族系ポリイソシアネートとして
は、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジ
イソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、
ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、トリ
フェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシア
ネートフェニル)チオホスファネート等が挙げられる。
【0027】更に、ポリイソシアネート変性体として
は、例えばウレタンプレポリマー、ヘキサメチレンジイ
ソシアネートビューレット、ヘキサメチレンジイソシア
ネートトリマー、イソホロンジイソシアネートトリマー
等が挙げられる。以上に列記したそれぞれのイソシアネ
ート類は2種以上を併用することも可能である。
【0028】また、発泡成形に際して添加できる成分と
しては、一般的なポリウレタンフォームを製造する場合
に用いられる各種成分、例えばアミン系触媒やスズ系触
媒、発泡剤としての水またはフレオン、あるいはフォー
ムセルをコントロールするシリコン系の界面活性剤等が
挙げられる。更に必要に応じて、無機充填剤、難燃剤等
を添加することができる。
【0029】ポリウレタンフォームの製造において、ポ
リオール組成物に対する、イソシアネート類および前述
のジオール類を添加量を調整することにより、成形材料
の硬さを調整することが可能である。
【0030】一方、上記のように得たポリオール組成物
と、ポリオール組成物の製造の際に用いられるジオール
類とを更に組み合わせることにより、成形材料の硬さ、
生分解速度を調整することも可能である。
【0031】また、ポリオール組成物、イソシアネート
類、および必要に応じて少量の水を添加混合した混合物
を成形材料として用い、これを所要形状に成形した後
に、ウレタン化反応させることにより、所要形状のポリ
ウレタン複合体発泡成形品を得ることができる。かかる
発泡成形品は、シート状、板体状、柱状、容器状等、種
々の形状に形成することができる。
【0032】上述したように、本発明のポリオール組成
物は、米糠由来の米糠ピッチを主原料として得られ、天
然物たる米糠成分の基本な化学構造を受け継いでいる。
また、本発明のポリオール組成物を利用して製造された
ポリウレタンフォームも、天然物たる米糠成分の基本構
造を受け継いでいる。すなわち、このポリウレタンフォ
ームでは、ポリウレタン中でハードセグメントとして働
く米糠ピッチ成分による剛性が、高分子ポリオールによ
るグリコリシスにより、ポリオールとしての水酸基価を
減らし架橋点間分子量が大きくなるために緩和される。
従って、反応物ポリオールの全体としての水酸基価に応
じて硬質から軟質までの必要な硬さを付与したポリウレ
タンフォームを得ることができる。そして、このポリウ
レタンフォームが一旦廃棄されると、その中に組み込ま
れた米糠由来構造が微生物による分解作用を優先的に受
け、フォーム全体が速やかに分解する。
【0033】
【実施例】次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれらの実施例になんら制約されな
い。
【0034】[実施例1] (1)ポリオール組成物の調製:米糠ピッチ120g、
無水マレイン酸(以下、MAHと略称する)12g、ジ
クミルペルオキシド(以下、DCPと略称する)1.2
gを撹拌しながら170℃で2時間反応させた。次い
で、ポリエチレングリコール400(平均分子量がほぼ
400であり、以下、PEG400と略称する)120
gおよび濃硫酸0.2mlを添加し170℃で1時間反
応させた。反応液をろ過後、ろ液中の揮発分をエバポレ
ータで留去して、ポリオール組成物を得た。前記のよう
に得られたポリオール組成物の分子量を、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー(日本分光株式会社製のG
PC装置、ポンプ(PU−980)、検出器(RI−9
30)、カラム(Shodex K−802.5,K−
8.4)、溶媒(クロロホルム)、標準物質(ポリスチ
レン))により測定した。GPC測定結果によると、数
平均分子量Mnが820、重量平均分子量Mwが430
0、Mw/Mn比が5.24であった。
【0035】(2)ポリウレタンフォームの調製:こ
の実施例の(1)で得たポリオール組成物20gにPE
G400 33g、ヘキサメチレンジイソシアネート
(以下、MDIと略称する)48g、スズ系触媒0.2
g、アミン系触媒0.37g、水0.22g、製泡剤0.
2gを加えてよく攪拌する。発泡が始まった時点で攪拌
を停止し、生成物を一晩放置してポリウレタンフォーム
を調製した。得られたポリウレタンフォームは、密度
0.167g/cm3、ガラス転移温度(以下、Tgと略
称する)81℃、弾性率5.40×107Pa、25%圧
縮強さ2237MPaの物性を示した。
【0036】(3)ポリウレタンフォームの調製:こ
の実施例の(1)で得たポリオール組成物30gにPE
G400 33g、MDI 42g、スズ系触媒0.1
6g、アミン系触媒0.37g、水0.3g、製泡剤0.
2gを加えてよく攪拌する。発泡が始まった時点で攪拌
を停止し、生成物を一晩放置してポリウレタンフォーム
を調製した。得られたポリウレタンフォームは、密度
0.151g/cm3、Tg66℃、弾性率4.53×1
7Pa、25%圧縮強さ807MPaの物性を示し
た。
【0037】[実施例2] (1)ポリオール組成物の調製:米糠ピッチ120g、
MAH6g、DCP1.2gを撹拌しながら170℃で
2時間反応させた。次いで、PEG400 120gお
よび濃硫酸0.2mlを添加し170℃で1時間反応さ
せた。反応液をろ過後、ろ液中の揮発分をエバポレータ
で留去して、ポリオール組成物を得た。このポリオール
組成物のGPC測定結果は、数平均分子量Mnが74
0、重量平均分子量Mwが2100、Mw/Mn比が
2.84であった。
【0038】(2)ポリウレタンフォームの調製:こ
の実施例の(1)で得たポリオール組成物20gにPE
G400 28g、MDI 31g、スズ系触媒0.0
9g、アミン系触媒0.24g、水0.26g、製泡剤
0.2gを加えてよく攪拌する。発泡が始まった時点で
攪拌を停止し、生成物を一晩放置してポリウレタンフォ
ームを調製した。得られたポリウレタンフォームは、密
度0.180g/cm3、Tg50℃、弾性率1.99×
107Pa、25%圧縮強さ61MPaの物性を示し
た。
【0039】(3)ポリウレタンフォームの調製:こ
の実施例の(1)で得たポリオール組成物30gにPE
G400 30g、MDI 32g、スズ系触媒0.1
6g、アミン系触媒0.24g、水0.3g、製泡剤0.
25gを加えてよく攪拌する。発泡が始まった時点で攪
拌を停止し、生成物を一晩放置してポリウレタンフォー
ムを調製した。得られたポリウレタンフォームは、密度
0.141g/cm3、Tg44℃、弾性率1.35×1
7Pa、25%圧縮強さ29MPaの物性を示した。
【0040】[実施例3] (1)ポリオール組成物の調製:米糠ピッチ120g、
MAH24g、DCP0.8gを撹拌しながら170℃
で2時間反応させた。次いで、PEG400120gお
よび濃硫酸0.2mlを添加し170℃で1時間反応さ
せた。反応液をろ過後、ろ液中の揮発分をエバポレータ
で留去して、ポリオール組成物を得た。このポリオール
組成物のGPC測定結果は、数平均分子量Mnが83
0、重量平均分子量Mwが4500、Mw/Mn比が
5.42であった。
【0041】(2)ポリウレタンフォームの調製:こ
の実施例の(1)で得たポリオール組成物20gにPE
G400 20g、MDI 40g、スズ系触媒0.1
4g、アミン系触媒0.27g、水0.28g、製泡剤
0.28gを加えてよく攪拌する。発泡が始まった時点
で攪拌を停止し、生成物を一晩放置してポリウレタンフ
ォームを調製した。得られたポリウレタンフォームは、
密度0.203g/cm3、Tg92℃、弾性率7.14
×107Pa、25%圧縮強さ5162MPaの物性を
示した。
【0042】(3)ポリウレタンフォームの調製:こ
の実施例の(1)で得たポリオール組成物20gにPE
G400 26g、MDI 30g、スズ系触媒0.1
3g、アミン系触媒0.2g、水0.22g、製泡剤0.
2gを加えてよく攪拌する。発泡が始まった時点で攪拌
を停止し、生成物を一晩放置してポリウレタンフォーム
を調製した。得られたポリウレタンフォームは、密度
0.219g/cm3、Tg53℃、弾性率3.74×1
7Pa、25%圧縮強さ180MPaの物性を示し
た。
【0043】[実施例4] (1)ポリオール組成物の調製:米糠ピッチ150g、
MAH7.5g、DCP1.2gを撹拌しながら170℃
で2時間反応させた。次いで、PEG400150gお
よび濃硫酸0.2mlを添加し170℃で1時間反応さ
せた。反応液をろ過後、ろ液中の揮発分をエバポレータ
で留去して、ポリオール組成物を得た。このポリオール
組成物のGPC測定結果は、数平均分子量Mnが74
0、重量平均分子量Mwが2400、Mw/Mn比が
3.24であった。
【0044】(2)ポリウレタンフォームの調製:こ
の実施例の(1)で得たポリオール組成物20gにPE
G400 25g、MDI 30g、スズ系触媒0.1
3g、アミン系触媒0.22g、水0.22g、製泡剤
0.2gを加えてよく攪拌する。発泡が始まった時点で
攪拌を停止し、生成物を一晩放置してポリウレタンフォ
ームを調製した。得られたポリウレタンフォームは、密
度0.241g/cm3、Tg51℃、弾性率5.40×
107Pa、25%圧縮強さ167MPaの物性を示し
た。
【0045】[実施例5] (1)ポリオール組成物の調製:米糠ピッチ150g、
MAH7.5g、DCP1.2gを撹拌しながら170℃
で2時間反応させた。次いで、PEG400150gお
よび濃硫酸0.2mlを添加し170℃で1時間反応さ
せた。反応液をろ過後、ろ液中の揮発分をエバポレータ
で留去して、ポリオール組成物を得た。このポリオール
組成物のGPC測定結果は、数平均分子量Mnが75
0、重量平均分子量Mwが2500、Mw/Mn比が
3.33であった。
【0046】(2)ポリウレタンフォームの調製:こ
の実施例の(1)で得たポリオール組成物30gにPE
G400 33g、MDI 42g、スズ系触媒0.1
3g、アミン系触媒0.2g、水0.22g、製泡剤0.
2gを加えてよく攪拌する。発泡が始まった時点で攪拌
を停止し、生成物を一晩放置してポリウレタンフォーム
を調製した。得られたポリウレタンフォームは、密度
0.187g/cm3、Tg71℃、弾性率6.00×1
7Pa、25%圧縮強さ1384MPaの物性を示し
た。
【0047】[実施例6] (1)ポリオール組成物の調製:米糠ピッチ150g、
MAH7.5g、DCP1.2gを撹拌しながら170℃
で2時間反応させた。次いで、テトラエチレングリコー
ル(以下、TEEGと略称する)120gおよび濃硫酸
0.2mlを添加し170℃で1時間反応させた。反応
液をろ過後、ろ液中の揮発分をエバポレータで留去し
て、ポリオール組成物を得た。このポリオール組成物の
GPC測定結果は、数平均分子量Mnが690、重量平
均分子量Mwが2200、Mw/Mn比が3.19であ
った。
【0048】(2)ポリウレタンフォームの調製:こ
の実施例の(1)で得たポリオール組成物30gにPE
G400 32g、MDI 42g、スズ系触媒0.1
1g、アミン系触媒0.2g、水0.2g、製泡剤0.2
gを加えてよく攪拌する。発泡が始まった時点で攪拌を
停止し、生成物を一晩放置してポリウレタンフォームを
調製した。得られたポリウレタンフォームは、密度0.
204g/cm3、Tg69℃、弾性率6.83×107
Pa、25%圧縮強さ1783MPaの物性を示した。
【0049】(3)ポリウレタンフォームの調製:こ
の実施例の(1)で得たポリオール組成物20gにPE
G400 25g、MDI 30g、スズ系触媒0.1
3g、アミン系触媒0.22g、水0.2g、製泡剤0.
32gを加えてよく攪拌する。発泡が始まった時点で攪
拌を停止し、生成物を一晩放置してポリウレタンフォー
ムを調製した。得られたポリウレタンフォームは、密度
0.204g/cm3、Tg40℃、弾性率1.56×1
7Pa、25%圧縮強さ24MPaの物性を示した。
【0050】[実施例7] (1)ポリオール組成物の調製:米糠ピッチ3g、MA
H0.15gをガラス容器中で撹拌したものを電子線照
射装置(日進ハイボルテージ株式会社製の商品名キュア
トロン)中にセットし、電子線照射線量10Mradに
て電子線を照射した後、80℃で1時間放置した。得ら
れたMAH付加の米糠ピッチにTEEG3.0g、濃硫
酸0.02mlを添加して撹拌し、100℃で1時間放
置することにより、ポリオール組成物を得た。このポリ
オール組成物のGPC測定結果は、数平均分子量Mnが
680、重量平均分子量Mwが2100、Mw/Mn比
が3.09であった。
【0051】[実施例8] (1)ポリオール組成物の調製:MAHの添加量を0.
25gとした以外は、実施例7の(1)と同様に操作し
て、ポリオール組成物を得た。このポリオール組成物の
GPC測定結果は、数平均分子量Mnが690、重量平
均分子量Mwが2200、Mw/Mn比が3.19であ
った。
【0052】[実施例9] (1)ポリオール組成物の調製:MAHの添加量を0.
5gとした以外は、実施例7の(1)と同様に操作し
て、ポリオール組成物を得た。このポリオール組成物の
GPC測定結果は、数平均分子量Mnが770、重量平
均分子量Mwが2900、Mw/Mn比が3.77であ
った。
【0053】[実施例10] (1)ポリオール組成物の調製:TEEG3.0gの添
加に代えて、PEG400を5.0g添加した以外は、
実施例7の(1)と同様に操作して、ポリオール組成物
を得た。このポリオール組成物のGPC測定結果は、数
平均分子量Mnが740、重量平均分子量Mwが250
0、Mw/Mn比が3.38であった。
【0054】尚、既述した実施例1〜実施例10の各
(1)で得たポリオール組成物をいずれも1H−NMR
で分析したところ、テトラメチルシラン(TMS)を基
準としたケミカルシフトの位置がほぼ同じであり、同様
な化学構造のポリオール組成物であることを確認してい
る。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係るポリ
オール組成物は米糠ピッチを原料としたので、米糠ピッ
チの有効利用を図ることができる。また、本発明のポリ
オール組成物は米糠由来の組成物であり天然物たる基本
構造を受け継いでいるので、生分解性も持ち合わせてい
る。
【0056】また、本発明のポリオール組成物を用いて
製造したポリウレタンフォームは、米糠ピッチを配合し
ながらも従来汎用の硬質、軟質ポリウレタンフォームと
同様の物性を有している。また、本発明のポリウレタン
フォームも米糠成分由来の基本構造を受け継いでおり、
自然界で速やかに生分解を受ける。従って、本発明製法
により得たポリウレタンフォームは従来のポリウレタン
フォームと同様に利用できることは言うまでもなく、不
用になった後は自然に戻るものとして、農産、園芸関係
の資材としてはもとより、家庭用、産業用等としても広
く利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 育克 和歌山県和歌山市小倉60番地 和歌山県工 業技術センター内 (72)発明者 谷口 久次 和歌山県和歌山市小倉60番地 和歌山県工 業技術センター内 (72)発明者 内田 昌宏 和歌山県橋本市古佐田3丁目9−4 (72)発明者 白石 信夫 京都府京都市左京区下鴨狗子田町13−3 Fターム(参考) 4J034 BA03 CA03 DA01 DB03 EA04 EA07 HA01 HA06 HA11 HA13 HC01 HC11 HC16 HC22 HC46 HC52 HC54 HC55 HC61 HC63 HC71 JA01 KA01 KC17 KD12 QC01 RA01 RA03 SA02 SB01 SB03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米糠の抽出残渣である米糠ピッチをラジ
    カル化し、米糠ピッチのラジカル化物を不飽和ジカルボ
    ン酸環状無水物に付加し、米糠ピッチを付加した不飽和
    ジカルボン酸環状無水物のラジカル化物にジオール類を
    反応させて得られるポリオール組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のポリオール組成物と、
    イソシアネート類を反応させてポリウレタンフォームを
    得るポリウレタンフォームの製造方法。
JP2000270891A 2000-09-07 2000-09-07 ポリオール組成物およびこれを利用したポリウレタンフォームの製造方法 Pending JP2002080602A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000270891A JP2002080602A (ja) 2000-09-07 2000-09-07 ポリオール組成物およびこれを利用したポリウレタンフォームの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000270891A JP2002080602A (ja) 2000-09-07 2000-09-07 ポリオール組成物およびこれを利用したポリウレタンフォームの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002080602A true JP2002080602A (ja) 2002-03-19

Family

ID=18757256

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000270891A Pending JP2002080602A (ja) 2000-09-07 2000-09-07 ポリオール組成物およびこれを利用したポリウレタンフォームの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002080602A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018520245A (ja) * 2015-07-14 2018-07-26 クラリアント・インターナシヨナル・リミテツド 極性修飾籾殻ワックス
KR102168796B1 (ko) * 2019-07-09 2020-10-23 주식회사 삼양사 고무 변성 에폭시 화합물로 가교된 무수당 알코올-기반 조성물 및 이에 알킬렌 옥사이드를 부가하여 제조되는 폴리올 조성물
KR102184327B1 (ko) * 2019-06-28 2020-12-01 주식회사 삼양사 인을 함유하는 무수당 알코올-기반 조성물 및 이로부터 제조되는 난연성 폴리올 조성물
WO2020246789A1 (ko) * 2019-06-04 2020-12-10 주식회사 삼양사 무수당 알코올 및 무수당 알코올 중합체를 포함하는 폴리올 조성물
KR20220005187A (ko) * 2020-07-06 2022-01-13 주식회사 삼양사 포도당 함유 당류 조성물을 이용한 폴리올 조성물 및 이를 포함하는 폴리우레탄 폼

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018520245A (ja) * 2015-07-14 2018-07-26 クラリアント・インターナシヨナル・リミテツド 極性修飾籾殻ワックス
US20180237639A1 (en) * 2015-07-14 2018-08-23 Clariant Plastics & Coatings Ltd Polar-Modified Rice Husk Wax
US10676618B2 (en) 2015-07-14 2020-06-09 Clariant International Ltd Polar-modified rice husk wax
WO2020246789A1 (ko) * 2019-06-04 2020-12-10 주식회사 삼양사 무수당 알코올 및 무수당 알코올 중합체를 포함하는 폴리올 조성물
KR102184327B1 (ko) * 2019-06-28 2020-12-01 주식회사 삼양사 인을 함유하는 무수당 알코올-기반 조성물 및 이로부터 제조되는 난연성 폴리올 조성물
KR102168796B1 (ko) * 2019-07-09 2020-10-23 주식회사 삼양사 고무 변성 에폭시 화합물로 가교된 무수당 알코올-기반 조성물 및 이에 알킬렌 옥사이드를 부가하여 제조되는 폴리올 조성물
KR20220005187A (ko) * 2020-07-06 2022-01-13 주식회사 삼양사 포도당 함유 당류 조성물을 이용한 폴리올 조성물 및 이를 포함하는 폴리우레탄 폼
KR102364639B1 (ko) 2020-07-06 2022-02-18 주식회사 삼양사 포도당 함유 당류 조성물을 이용한 폴리올 조성물 및 이를 포함하는 폴리우레탄 폼

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU766760B2 (en) Improved cellular or elastomeric plastic material
US11066508B2 (en) Polyester-modified polybutadienols for producing polyurethane elastomers and thermoplastic polyurethanes
US4048104A (en) Polyisocyanate prepolymers from scrap polyester and polyurethane foam products obtained therefrom
JP5345387B2 (ja) 二級アルコール基を含有するポリエステルポリオールおよびポリウレタン、例えば、柔軟性ポリウレタン発泡体の製造におけるそれらの使用
US20100036011A1 (en) New types of compatibilising agents for improving the storage of polyol mixtures
KR101204125B1 (ko) 폴리에스터 폴리올, 폴리우레탄용 조성물, 폴리우레탄 폼용 조성물, 폴리우레탄 수지 및 폴리우레탄 폼
AU725188B2 (en) Microcellular elastomeric polyurethane foams
CA2253903A1 (en) Process for producing elastic polyurethane mouldings with compact surfaces and cellular cores
WO2007095713A1 (en) Composition for preparing a biodegradable polyurethane- based foam and a biodegradable polyurethane foam
JP2002524627A5 (ja)
Simón et al. Sustainable polyurethanes: Chemical recycling to get it
JP2000219723A (ja) ジュレンジイソシアネ―トに基づくポリウレタンキャストエラストマ―
JP2002080602A (ja) ポリオール組成物およびこれを利用したポリウレタンフォームの製造方法
US3525717A (en) Method for preparation of thermoplastic polyurethane ureas
US11939569B2 (en) Biodegradable polyester-based polyurethane foams
JP2883271B2 (ja) 生分解性軟質ポリウレタン用ポリオール組成物およびこれを利用したポリウレタンフォームの製造方法
JP3008669B2 (ja) ポリオール組成物
Menon et al. Polyurethane (PU): Structure, properties, and applications
Saetung Preparation of polyurethane foams from Hydroxytelechelic oligoisoprenes obtained by controlled degradation of natural rubber: study of their physico-mechanical, thermal, and acoustic properties
JPH0859782A (ja) 軟質ポリウレタンフォームおよび製造法
JPS60219209A (ja) 重合体ポリオ−ル組成物およびその使用方法