JP2002079260A - 冷却水系の水処理方法 - Google Patents

冷却水系の水処理方法

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JP2002079260A
JP2002079260A JP2000267266A JP2000267266A JP2002079260A JP 2002079260 A JP2002079260 A JP 2002079260A JP 2000267266 A JP2000267266 A JP 2000267266A JP 2000267266 A JP2000267266 A JP 2000267266A JP 2002079260 A JP2002079260 A JP 2002079260A
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acid
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salt
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JP2000267266A
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Hideo Otaka
秀夫 大高
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Kurita Water Industries Ltd
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Kurita Water Industries Ltd
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23FNON-MECHANICAL REMOVAL OF METALLIC MATERIAL FROM SURFACE; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL; MULTI-STEP PROCESSES FOR SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL INVOLVING AT LEAST ONE PROCESS PROVIDED FOR IN CLASS C23 AND AT LEAST ONE PROCESS COVERED BY SUBCLASS C21D OR C22F OR CLASS C25
    • C23F11/00Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent
    • C23F11/08Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent in other liquids
    • C23F11/10Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent in other liquids using organic inhibitors
    • C23F11/14Nitrogen-containing compounds
    • C23F11/149Heterocyclic compounds containing nitrogen as hetero atom

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Abstract

(57)【要約】 【課題】冷却水系の防食のために使用されるホスホン酸
やアゾール化合物が、スライムコントロール剤として水
系に添加される次亜臭素酸塩などにより酸化分解され、
性能が低下することを、効果的に防止することができる
冷却水系の水処理方法を提供する。 【解決手段】防食剤が0.1mg/L以上、次亜臭素酸若
しくはその塩又は臭化物が0.1mg/L以上存在する冷
却水系に、5,5−ジアルキルヒダントイン化合物を、
全残留塩素として測定される酸化剤濃度の1重量倍以上
含有させることを特徴とする冷却水系の水処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷却水系の水処理
方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、冷却水系の
防食のために使用されるホスホン酸やアゾール化合物
が、スライムコントロール剤として水系に添加される次
亜臭素酸塩により酸化分解され性能が低下することを、
効果的に防止することができる冷却水系の水処理方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】冷却水系に、次亜塩素酸又は次亜塩素酸
と臭化物を添加してスライムコントロールすると、水中
に含まれるホスホン酸やアゾール類などの防食剤が酸化
されて分解する。これらの防食剤が酸化剤によって分解
されると、防食効果が低下したり、スケール化しやすく
なる。このために、防食剤の酸化分解を防止し、あるい
は、防食効果を持続するためのさまざまな試みがなされ
ている。例えば、特公昭63−65400号公報には、
スケール防止用ホスホン酸イオン源の塩素による分解を
防止する方法として、水中に存在する塩素1ppmに対し
て0.25ppm以上のスルファミン酸又はその塩を添加す
る方法が提案されている。また、特開平1−13079
5号公報には、臭化物と塩素を殺菌剤として含む冷却水
中に存在するホスホネートの分解を防止する方法とし
て、臭化物1ppm当たり1ppm以上のスルファミン酸を添
加する方法が提案されている。しかし、スルファミン酸
の酸化剤安定化効果は、酸化剤濃度によっては防食効果
を維持するには不十分である。また、米国特許第4,7
44,950号明細書には、水中における銅の腐食防止
方法として、炭素数3〜6のアルキル基置換ベンゾトリ
アゾールを間欠的に添加する方法が提案されている。さ
らに、特開平6−212459号公報には、あらかじめ
金属表面に保護被膜を形成したのち、トリルトリアゾー
ルを間欠的に導入する方法が提案されいる。しかし、ト
リアゾール化合物による保護被膜形成は、冷却水中のト
リアゾール化合物が酸化剤によって分解するために、保
護被膜を補修するために酸化剤濃度が低下するのを待っ
て、その都度トリアゾール化合物を添加する必要があ
る。冷却水の水質や温度、運転条件によっても多少変動
するが、ホスホン酸の防食効果は、全りん酸(T−PO
4)3〜10mg/Lのとき最も優れる。また、アゾール
類は、同様に0.1〜10mg/Lで十分な効果を発揮す
る。酸化剤添加によりこれらの有効濃度が低下すると、
冷却水系の配管や熟交換器では、腐食による減肉や孔食
発生による寿命短縮が生じる。また、ホスホン酸が分解
してオルソりん酸を生じ、りん酸カルシウム系スケール
が熱交換器に付着して熱効率が低下する弊害がある。冷
却水系に添加される酸化剤としては、次亜塩素酸又はそ
の塩や次亜臭素酸又はその塩が用いられるが、次亜臭素
酸又はその塩は、特に防食剤分解作用が著しい。さら
に、臭化物が存在する水系に次亜塩素酸又はその塩を添
加すると、次亜塩素酸又はその塩が臭化物イオンを酸化
して次亜臭素酸又はその塩を生じる。したがって、次亜
臭素酸又はその塩を添加しなくても、臭化物を含む冷却
水系に塩素処理を行うと、防食剤の分解が短期間に進み
防食効果が損なわれる。特公昭56−50638号公報
には、水中の有効塩素の活性持続剤として、ヒダントイ
ン化合物が提案され、特公昭56−37961号公報と
特公昭57−35881号公報には、ハロゲン化ヒダン
トイン化合物と環状アミド化合物を含有する工業用殺菌
剤が提案されているが、水中の防食剤に対するヒダント
イン化合物の影響については調べられていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、冷却水系の
防食のために使用されるホスホン酸やアゾール化合物
が、スライムコントロール剤として水系に添加される次
亜臭素酸塩などにより酸化分解され、性能が低下するこ
とを、効果的に防止することができる冷却水系の水処理
方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、5,5−ジアルキ
ルヒダントイン化合物を、全残量塩素として測定される
酸化剤濃度の1重量倍以上冷却水系に添加することによ
り、次亜臭素酸又はその塩の酸化力を弱めて防食剤の分
解反応を抑制し得ることを見いだし、この知見に基づい
て本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
(1)防食剤が0.1mg/L以上、次亜臭素酸若しくは
その塩又は臭化物が0.1mg/L以上存在する冷却水系
に、5,5−ジアルキルヒダントイン化合物を、全残留
塩素として測定される酸化剤濃度の1重量倍以上含有さ
せることを特徴とする冷却水系の水処理方法、(2)
5,5−ジアルキルヒダントイン化合物が、5,5−ジメ
チルヒダントイン、5−メチル−5−エチルヒダントイ
ン、5−メチル−5−プロピルヒダントイン、5−メチ
ル−5−ブチルヒダントインの1種又は2種以上の混合
物である第1項記載の冷却水系の水処理方法、及び、
(3)防食剤が、ホスホン酸若しくはその塩又はアゾー
ル化合物の1種又は2種以上の混合物である第1項記載
の冷却水系の水処理方法、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の冷却水系の水処理方法に
おいては、防食剤が0.1mg/L以上、臭化物又は次亜
臭素酸若しくはその塩が0.1mg/L以上存在する冷却
水系に、5,5−ジアルキルヒダントイン化合物を、全
残留塩素として測定される酸化剤濃度の1重量倍以上、
好ましくは1.5重量倍以上含有させる。本発明方法
は、防食剤が0.1mg/L以上存在する冷却水系に適用
する。本発明方法に用いる防食剤は、例えば、1−ヒド
ロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロト
リメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレ
ンホスホン酸、2−ホスホノ−1,2,4−ブタントリカ
ルボン酸などのホスホン酸又はその塩、ベンゾトリアゾ
ール、トリルトリアゾール、メルカプトベンゾトリアゾ
ール、メルカプトベンゾチアゾールなどのアゾール類と
いった沈殿型防食剤などを挙げることができる。これら
の防食剤は、1種を単独で用いることができ、あるい
は、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これ
らの中で、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホス
ホン酸、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール及び
メルカプトベンゾトリアゾールを特に好適に用いること
ができる。1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホス
ホン酸などのホスホン酸類は、炭素鋼の腐食抑制に対す
る効果が大きい。冷却水中のホスホン酸類の存在量は、
0.1〜10mg/Lであることが好ましく、3〜8mg/
Lであることがより好ましい。トリルトリアゾールなど
のアゾール類は、銅及び銅合金の腐食抑制に対する効果
が大きい。冷却水中のアゾール類の存在量は、0.1mg
/L以上であることが好ましく、0.5mg/L以上であ
ることがより好ましい。本発明方法においては、その他
のクロム酸塩、りん酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、安息香
酸塩、ケイ皮酸塩、亜硝酸塩、硝酸塩、銅(II)塩、鉄(I
II)塩、モリブデン酸塩などのアノード防食剤、亜鉛、
マグネシウム、マンガン、ニッケル、カルシウムの塩
類、ポリりん酸塩、ヒ素、ビスマス、アンチモン、水銀
の塩類などのカソード防食剤、アミン類、界面活性剤な
どの吸着型防食剤、亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウ
ムなどの気化性防食剤などの併用も可能である。
【0006】本発明方法は、次亜臭素酸若しくはその塩
又は臭化物が0.1mg/L以上存在する冷却水系に適用
する。冷却水中に次亜臭素酸又はその塩を存在させるこ
とにより、あるいは、臭化物を存在させて次亜塩素酸又
はその塩との反応により次亜臭素酸又はその塩を生成さ
せることにより、冷却水中の微生物及び冷却水系の付着
微生物に抗菌作用を及ぼすことができる。次亜臭素酸若
しくはその塩又は臭化物の存在量は、全残留塩素として
測定される酸化剤濃度として0.1mg/L以上であるこ
とが好ましく、0.3mg/L以上であることがより好ま
しい。全残留塩素として測定される酸化剤濃度は、JI
S K 0101 28.2に規定されるジエチル−p−フ
ェニレンジアンモニウム(DPD)比色法などにより測
定することができる。ジエチル−p−フェニレンジアン
モニウム比色法によれば、水中に存在する次亜臭素酸又
はその塩も、全残留塩素として定量される。本発明方法
においては、5,5−ジアルキルヒダントイン化合物
を、冷却水系に全残留塩素として測定される酸化剤濃度
の1重量倍以上含有させる。本発明方法に用いる5,5
−ジアルキルヒダントイン化合物に特に制限はなく、例
えば、5,5−ジメチルヒダントイン、5,5−ジエチル
ヒダントイン、5,5−ジプロピルヒダントイン、5,5
−ジブチルヒダントイン、5−メチル−5−エチルヒダ
ントイン、5−メチル−5−プロピルヒダントイン、5
−メチル−5−ブチルヒダントインなどを挙げることが
できる。これらの5,5−ジアルキルヒダントイン化合
物は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種
以上を組み合わせて用いることもできる。これらの中
で、5,5−ジメチルヒダントイン、5−メチル−5−
エチルヒダントイン、5−メチル−5−プロピルヒダン
トイン、5−メチル−5−ブチルヒダントインを特に好
適に用いることができる。次亜臭素酸又はその塩は、ホ
スホン酸類やアゾール類を酸化分解するが、冷却水系に
5,5−ジアルキルヒダントイン化合物を含有させる
と、5,5−ジアルキルヒダントイン化合物が次亜臭素
酸又はその塩と可逆的に反応し、酸化作用の弱いブロム
化−5,5−ジアルキルヒダントイン化合物となるの
で、ホスホン酸類やアゾール類の酸化分解を抑制するこ
とができる。
【0007】本発明方法において、冷却水系に5,5−
ジアルキルヒダントイン化合物を含有させる方法に特に
制限はなく、例えば、防食剤と次亜臭素酸又はその塩が
存在する冷却水系に、5,5−ジアルキルヒダントイン
化合物を添加することができ、防食剤と臭化物が存在す
る冷却水系に次亜塩素酸又はその塩を添加する際に、
5,5−ジアルキルヒダントイン化合物を添加すること
もでき、防食剤と臭化物が存在する冷却水系に塩素ガス
又は電解塩素を添加する際に、5,5−ジアルキルヒダ
ントイン化合物を添加することもでき、あるいは、防食
剤が存在する冷却水系に臭化物と次亜塩素酸又はその塩
を添加する際に、5,5−ジアルキルヒダントイン化合
物を添加することもできる。望ましくは、5,5−ジア
ルキルヒダントイン化合物を酸化剤の添加前に水系に存
在させておく。添加する5,5−ジアルキルヒダントイ
ン化合物の量は、同時に添加する次亜臭素酸又はその
塩、塩素ガス、電解塩素、臭化物と次亜塩素酸又はその
塩に起因する全残留塩素として測定される酸化剤濃度を
考慮して決定する。本発明方法において、冷却水がカル
シウムイオンを含む場合には、りん酸カルシウムなどの
スケールの発生を防止するために、カルボン酸系高分子
電解質からなるスケール防止剤などを併用することがで
きる。カルボン酸系高分子電解質としては、例えば、ア
クリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸など
の単独重合体や、共重合体などを挙げることができる。
また、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−
3−オンなどのイソチアゾロン系化合物や、2,2−ジ
ブロモ−2−シアノアセトアミド、2,2−ジブロモ−
2−ニトロエタノールなどの有機臭素化合物などの殺菌
剤を併用することもできる。本発明方法によれば、冷却
水系に添加する次亜臭素酸若しくはその塩又は臭化物と
次亜塩素酸若しくはその塩の反応により生じる次亜臭素
酸と、未反応の次亜塩素酸又はその塩の濃度を全残留塩
素濃度として測定し、当量以上の5,5−ジアルキルヒ
ダントイン化合物を添加することにより、冷却水系の次
亜臭素酸の濃度を低く保ち、防食剤の酸化分解による濃
度低下を抑制して、防食効果を維持することができる。
【0008】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1(ホスホン酸分解試験) 脱塩素上水に1モル/L水酸化ナトリウム水溶液を添加
してpH8.8に調整したのち、1−ヒドロキシエチリデ
ン−1,1−ジホスホン酸を全りん酸(T−PO4)濃度
が6.5mg/Lになるよう添加した。この水に、臭化ナ
トリウムを臭化物イオン濃度が7mg/Lとなるように加
え、次いで5,5−ジメチルヒダントインを濃度6mg/
Lになるように添加し、さらに次亜塩素酸ナトリウムを
全残留塩素濃度が3mg/Lとなるように添加して試験水
を調製した。この試験水を30℃の暗所に静置し、15
分後、30分後及び60分後に、試験水のオルソりん酸
濃度を測定し、オルソりん酸濃度から残存する1−ヒド
ロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸濃度(mgPO4
/L)を次式により算出した。残存する1−ヒドロキシ
エチリデン−1,1−ジホスホン酸濃度(mgPO4/L)=
初期1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸
添加濃度(mgPO4/L)−オルソりん酸濃度(mgPO4
L) 15分後、30分後及び60分後の1−ヒドロキシエチ
リデン−1,1−ジホスホン酸濃度は、それぞれ6.4mg
/L、6.4mg/L及び6.4mg/Lであった。5,5−
ジメチルヒダントインの添加量を、4.5mg/L、3mg
/L、1.5mg/Lとして、同じ操作を繰り返した。ま
た、5,5−ジメチルヒダントインを添加しない試験水
と、5,5−ジメチルヒダントインの代わりに全残留塩
素と当量のスルファミン酸を添加した試験水について、
同じ操作を繰り返した。実施例1の結果を、第1表に示
す。
【0009】
【表1】
【0010】第1表に見られるように、5,5−ジメチ
ルヒダントインを全残留塩素濃度3mg/Lの1重量倍以
上添加した試験水では、1−ヒドロキシエチリデン−
1,1−ジホスホン酸はほとんど分解しないことが分か
る。 実施例2(トリルトリアゾール分解試験) 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸の代
わりにトリルトリアゾール3mg/Lを添加し、5,5−
ジメチルヒダントインの添加量を4.5mg/L、3mg/
Lとした試験水及び5,5−ジメチルヒダントインを添
加しない試験水を実施例1と同様にして調製し、30℃
の暗所に静置した。10分後及び70分後に、試験水の
トリルトリアゾール濃度を、高速液体クロマトグラフィ
ーにより測定した。5,5−ジメチルヒダントインを4.
5mg/L添加した試験水は、10分後、70分後ともに
トリルトリアゾール濃度3.0mg/Lであり、トリルト
リアゾールの分解は認められなかった。実施例2の結果
を、第2表に示す。
【0011】
【表2】
【0012】第2表に見られるように、5,5−ジメチ
ルヒダントインを全残留塩素濃度3mg/Lの1重量倍添
加した試験水では、トリルトリアゾールはほとんど分解
しないが、5,5−ジメチルヒダントインを添加しない
試験水では、トリルトリアゾールの分解が急速に進むこ
とが分かる。 実施例3(炭素鋼腐食試験) pH7の脱塩素上水に、1−ヒドロキシエチリデン−1,
1−ジホスホン酸を全りん酸(T−PO4)濃度が3mg
/Lとなるように、塩化亜鉛を亜鉛イオン濃度が3mg/
Lとなるように添加し、次いでアクリル酸系スケール防
止剤を6mg/L、臭化ナトリウムを9mg/L添加し、さ
らに5,5−ジメチルヒダントインを6mg/L添加し
た。この水に、全残留塩素として2mg/Lとなるように
次亜塩素酸ナトリウム水溶液を加えて試験水を調製し
た。トルエン脱脂した炭素鋼(SPCC、30×50×
1mm)試験片を塩化ビニル樹脂製の回転軸に固定し、4
0℃に保った試験水中に浸漬して7日間150rpmで回
転した。試験水は、全りん酸(T−PO4)濃度を一定
に保つために、2日ごとに全量を新たに調製して交換し
た。試験終了後、炭素鋼試験片を酸で脱錆し、試験前後
の重量変化から腐食速度を求めた。腐食速度は、1.4
mdd(mg/dm2/day)であった。5,5−ジメチルヒ
ダントインの添加量を、4.5mg/L、3mg/L及び2m
g/Lとして、同じ試験を行った。5,5−ジメチルヒダ
ントインの添加量4.5mg/Lのとき、腐食速度は1.5
mddであり、5,5−ジメチルヒダントインの添加量
3mg/Lのとき、腐食速度は4.7mddであり、5,5
−ジメチルヒダントインの添加量2mg/Lのとき、腐食
速度は105mddであった。 比較例1(炭素鋼腐食試験) 5,5−ジメチルヒダントインの添加量を1.5mg/Lと
して、実施例3と同じ試験を行った。腐食速度は、19
3mddであった。 比較例2(炭素鋼腐食試験) 5,5−ジメチルヒダントインを添加することなく、実
施例3と同じ試験を行った。腐食速度は、180mdd
であった。 比較例3(炭素鋼腐食試験) 5,5−ジメチルヒダントインの代わりに、スルファミ
ン酸を6mg/L添加して、実施例3と同じ試験を行っ
た。腐食速度は、3.0mddであった。スルファミン
酸の添加量を、4.5mg/L、3mg/L、2mg/L及び
1.5mg/Lとして、同じ試験を行った。スルファミン
酸の添加量4.5mg/Lのとき腐食速度4.7mdd、3
mg/Lのとき腐食速度125mdd、2mg/Lのとき腐
食速度170mdd、1.5mg/Lのとき腐食速度18
0mddであった。実施例3及び比較例1〜3の結果
を、第3表に示す。
【0013】
【表3】
【0014】第3表に見られるように、試験水中の5,
5−ジメチルヒダントイン濃度が全残留塩素の1重量倍
以上であると、炭素鋼の腐食を効果的に抑制することが
できる。 実施例4(銅腐食試験) pH7の脱塩素上水に、トリルトリアゾールを0.5mg/
L、5−メチル−5−エチルヒダントインを6mg/L、
次亜臭素酸ナトリウム水溶液を全残留塩素として2mg/
Lとなるように添加して試験水を調製した。トルエン脱
脂したリン脱酸銅(C1220、30×50×1mm)試
験片を塩化ビニル樹脂製の回転軸に固定し、40℃に保
った試験水中に浸漬して7日間150rpmで回転した。
試験水は、トリルトリアゾール濃度を一定に保つため
に、1日1回全量を新たに調製して交換した。試験終了
後、リン脱酸銅試験片を酸で脱錆し、試験前後の重量変
化から腐食速度を求めたところ、0.5mdd(mg/dm2
/day)であった。5−メチル−5−エチルヒダントイ
ンの添加量を、4.5mg/L、3mg/L及び2mg/Lと
して、同じ試験を行った。5−メチル−5−エチルヒダ
ントインの添加量4.5mg/Lのとき、腐食速度は0.5
mddであり、5−メチル−5−エチルヒダントインの
添加量3mg/Lのとき、腐食速度は0.8mddであ
り、5−メチル−5−エチルヒダントインの添加量2mg
/Lのとき、腐食速度は1.2mddであった。 比較例4(銅腐食試験) 5−メチル−5−エチルヒダントインの添加量を1.5m
g/Lとして、実施例4と同じ試験を行った。腐食速度
は、1.7mddであった。 比較例5(銅腐食試験) 5−メチル−5−エチルヒダントインを添加することな
く、実施例4と同じ試験を行った。腐食速度は、1.7
mddであった。実施例4及び比較例4〜5の結果を、
第4表に示す。
【0015】
【表4】
【0016】第4表に見られるように、試験水中の5−
メチル−5−エチルヒダントイン濃度が全残留塩素の1
重量倍以上であると、リン脱酸銅の腐食を効果的に抑制
することができる。
【0017】
【発明の効果】本発明の冷却水系の水処理方法によれ
ば、次亜臭素酸又はその塩が存在又は生成する冷却水系
において、防食剤の分解を抑制して、防食効果とスケー
ル防止効果を安定化し、薬剤の使用量を節減することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23F 11/167 C23F 11/167

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】防食剤が0.1mg/L以上、次亜臭素酸若
    しくはその塩又は臭化物が0.1mg/L以上存在する冷
    却水系に、5,5−ジアルキルヒダントイン化合物を、
    全残留塩素として測定される酸化剤濃度の1重量倍以上
    含有させることを特徴とする冷却水系の水処理方法。
  2. 【請求項2】5,5−ジアルキルヒダントイン化合物
    が、5,5−ジメチルヒダントイン、5−メチル−5−
    エチルヒダントイン、5−メチル−5−プロピルヒダン
    トイン、5−メチル−5−ブチルヒダントインの1種又
    は2種以上の混合物である請求項1記載の冷却水系の水
    処理方法。
  3. 【請求項3】防食剤が、ホスホン酸若しくはその塩又は
    アゾール化合物の1種又は2種以上の混合物である請求
    項1記載の冷却水系の水処理方法。
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