JP2002078078A - 振動板形スピーカ - Google Patents

振動板形スピーカ

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JP2002078078A JP2000269290A JP2000269290A JP2002078078A JP 2002078078 A JP2002078078 A JP 2002078078A JP 2000269290 A JP2000269290 A JP 2000269290A JP 2000269290 A JP2000269290 A JP 2000269290A JP 2002078078 A JP2002078078 A JP 2002078078A
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Meichu Osada
明柱 長田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 音響特性を向上させると共に簡易に製造でき
る振動板形スピーカを提供する。 【解決手段】 フレーム1と、フレーム1の取付部13
に設けられた駆動装置4と、駆動装置4の可動部4bに
固定されて振動する振動板2とを備えたスピーカAであ
って、振動板2には、その中心部21cから中心部21
cを廻る方向に等分割角度で山21aと谷21bが交互
に連続する状態で外縁部21dに向けて放射状に延びる
多数のリブ22が形成され、振動板2は、中心部21c
近傍の所定範囲を可動部4bに固定され、外縁部21d
側は解放端をなすように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動板形スピーカ
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、振動板形スピーカとしては、エン
クロージャのバッフル板に、例えば低音域用スピーカユ
ニット、中音域用スピーカユニット、高音域用スピーカ
ユニット等を取り付けることで、これらスピーカユニッ
トをエンクロージャ内に収容したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】こうした従来のスピー
カにおいては、前面のバッフル板にスピーカユニットが
取り付けられているため、スピーカユニットのコーン部
や駆動装置の振動が、スピーカユニットのフレーム等を
介してエンクロージャに伝わって、このエンクロージャ
の振動となってしまう。また、スピーカユニットのコー
ン部の振動によりスピーカユニット後部の空気が圧縮さ
れ、この空気圧によりエンクロージャの壁面が押圧され
て振動し、この振動とスピーカユニットのコーン部の振
動とが干渉する。このため、エンクロージャの音響特性
が発音に影響して、これが再生音質を低下させる原因と
なっている。
【0004】このため、例えば特公平4−64240号
公報に記載されているような、取付枠に平板状の振動板
を取り付けてこの振動板を駆動させることで発音させる
スピーカが開発されてきた。しかし、こうした振動板
は、木質材等の硬質の材料から構成されているもので、
一般的なコーンに用いられる紙材料やプラスチック等の
軟質な材料を用いようとする場合には、その剛性が不足
することとなっていた。振動板は、適度な内部損失と剛
性を有していなければ、その基本的性能、すなわち、十
分な音響特性が得られること、再生周波数帯域が広いこ
と、歪みが少ないこと、等といった性能が劣化してしま
うこととなるため、その剛性を高めるための更なる工夫
が必要であった。また、こうしたスピーカは、振動板を
駆動させるための駆動装置、すなわちボイスコイルと磁
石のうち何れか一方を振動板側に、何れか他方を取付枠
側に予め設けておき、両者の位置決め及びを組立を行っ
て製造されるものであるが、製造の最終段階において位
置決め等が難しい駆動装置が構成されるので、その製造
には高度の熟練した技術が必要であった。そのため、工
業的に量産させることができるよう、更なる改善が望ま
れていた。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、音響特性を向上させると共に、簡易に製造でき、製
造コストの低減及び製造時間の短縮を図ることのできる
振動板形スピーカを提供すること、を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
フレームと、該フレームの取付部に設けられた駆動装置
と、該駆動装置の可動部に固定されて振動する振動板と
を備えた振動板形スピーカであって、前記振動板には、
その中心部から該中心部を廻る方向に等分割角度で山と
谷が交互に連続する状態で外縁部に向けて放射状に延び
る多数のリブが形成され、該振動板は、前記中心部近傍
の所定範囲を前記可動部に固定され、前記外縁部側は解
放端をなしていることを特徴とする。
【0007】このように、振動板には、線状の折返し部
が中心部から放射状に延びる多数のリブが形成されてい
るので、紙などの軟質材料を用いても、軽量化を図りつ
つ簡易な構成で振動板の剛性を高めることができ、再生
される音波の音響特性、つまり再生音質が向上される。
また、振動板に形成された多数のリブによって、振動板
の一方あるいは他方の面の音波を有する空気を保持して
確実に送り出すために、音波が振動板の反対側に回り込
むことが防止され、共振が抑制されるために、再生音質
が向上される。更に、振動板の外縁部側が解放端をな
す、つまり可動部に固定される部分以外は開放状態にお
かれているため、振動板の分割振動が抑制されて、再生
音質が向上される。更に、外縁部側は何ら支持・固定さ
れないので、外縁部側に他の部材と連結等するための部
材が必要なく、そのため外縁部の処理を省略又は簡略化
できるとともに、外縁部の寸法あるいは形状等の精度を
緩和させることができる。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の振
動板形スピーカであって、前記山の高さが、該山が前記
中心部に集結する位置で最も高く、該山の稜線が直線的
に前記放射方向へ向けて漸次低くなるように形成されて
いることを特徴とする。
【0009】このような構成としたことで、振動板の成
形をし易くできると共に、振動板の全面に平等に分布す
る負荷、すなわち自重及び空気圧に対して理想的なリブ
を形成することができ、軽量のままで剛性を更に高いも
のとすることができる。また、山が中心部に集結する位
置で山の高さを最も高くしているので、振動板の中心部
近傍の剛性を最も高くでき、この部分が駆動装置により
励振されるので、再生音質を更に向上させることができ
る。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1又は2に
記載の振動板形スピーカであって、前記振動板は外形略
円盤形状をなし、前記山及び前記谷は前記外縁部に至っ
て略消滅して、該外縁部は略同一平面上に位置すること
を特徴とする。
【0011】このような構成としたことで、振動板の外
縁部を略平坦でかつ突出部の無い形状とでき、外部から
の衝撃に強い構造とできるとともに、連結されている駆
動装置から外縁部までの距離を全方向に対してほぼ同一
とでき、全方向に対して振動をほぼ均一に伝播させるこ
とができる。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項1又は請求
項2に記載の振動板形スピーカであって、前記振動板
は、前記中心部から前記外縁部に延びる軸線を境にして
略線対称の形状をなしていることを特徴とする。
【0013】このような構成としたことで、振動板の振
動特性に与える悪影響を抑制して、振動板の形状を多様
に変形させることができ、形状選択の自由度を高めると
ともに、振動板形スピーカの小型・軽量化に寄与するこ
とができる。特に、請求項3に記載の振動板形スピーカ
を構成する、外形略円盤形状の振動板を原形として、そ
の所定部分を切除することにより振動板を形成するよう
にすれば、原形振動板の強度・剛性を維持したままで、
小型・軽量化を図ることができる。
【0014】請求項5記載の発明は、フレームと、該フ
レームの取付部に設けられた駆動装置と、該駆動装置の
可動部に固定されて振動する振動板とを備えた振動板形
スピーカであって、前記振動板の重量の少なくとも一部
を前記フレームに支持させる重量支持手段が設けられて
いることを特徴とする。また、請求項6に記載の発明
は、請求項5に記載の振動板形スピーカであって、前記
重量支持手段は、前記フレームに回転可能に支持された
滑車と、前記振動板に一端側を連結された撓材と、該撓
材の滑車を介した他端側に吊り下げられる錘と、を備え
ていることを特徴とする。
【0015】このように、振動板形スピーカの振動系の
重量、すなわち振動板及び駆動装置の可動部の両者の重
量をフレームに支持させることで、駆動装置にかかる負
荷を軽減でき、振動系の重量支持の役目から開放させる
ことができる。そのため駆動装置を、振動系を振動方向
に動き易くガイドさせて振動させ、その振動を減衰させ
る役目に専念させることができ、入力信号に対する振動
系の応答性を大きく向上させることができる。また、滑
車、撓材及び錘によって重量支持手段を構成するように
すれば、駆動装置にかかる振動系の負荷を、錘の重量と
釣り合う分だけ低減させることができ、簡易な構成で的
確に駆動装置への負荷を軽減させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る振動板形スピ
ーカの実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0017】[第1の実施形態]本発明に係る振動板形
スピーカの第1の実施形態について、図1乃至図9を用
いて説明する。図1乃至図3、図8に示すように、スピ
ーカ(振動板形スピーカ)Aは、その主要部を、フレー
ム1と、振動により音を発する振動板2と、フレーム1
と振動板2との間に介在して振動板2を振動させる駆動
装置4と、により構成されている。なお、駆動装置4
は、フレーム1に連結・固定される固定部4aと、振動
板2を連結・固定し固定部4aに対して振動する可動部
4bと、により構成されている。
【0018】フレーム1は、駆動装置4を支持するとと
もに、駆動装置4を介して振動板2を間接的に支持する
ものであり、脚部11と、この脚部11から屹立し駆動
装置4を支持・固定するスタンド部12と、を備えてい
る。すなわちこのフレーム1は、壁掛け、自立据え置
き、はめ込み取り付け等の各使用方式に適合する部位
と、振動板2の支持に備える部位と、を有するものであ
って、従来のスピーカに用いられたエンクロージャある
いは箱形バッフル(キャビネット)の持つ主要な機能と
は異なる機能を有する。このフレーム1は、金属あるい
は樹脂等の成型品から形成されている。この他に、木質
材から形成されていてもよい。
【0019】脚部11は、スピーカAを卓上や床上に設
置可能とするものである。スタンド部12には、駆動装
置4の固定部4aを連結・固定するための取付部13が
形成されている。また、脚部11には、振動板2の外周
を覆うように、振動板ガード15が設けられている。こ
の振動板ガード15は、外部からの衝撃により振動板2
が破損するのを防止するためのもので、振動板2とは間
隙をおいて、接触しないように設けられている。すなわ
ち、音響的見地からは必須の部材ではなく、そうした意
味では用いられなくても差し支えない。
【0020】取付部13は、磁気回路、すなわち駆動装
置4の固定部4aを連結・固定させるためのもので、後
記する固定部4aのヨーク42が、接着剤によって連結
・固定されている。なお、接着剤を用いずに、圧入ある
いはかしめによる方法で固定してもよい。また、取付部
13とヨーク42とに若干の寸法的余裕を持たせておい
て、ヨーク42を取付部13にねじ止め等により固定す
るものであってもよい。
【0021】またフレーム1には、図示しないアンプ等
の増幅装置と接続されるための電気的配線、すなわち、
コード6、ターミナル5及びムービングコイル用リード
線48が設けられている。コード6は、スタンド部12
に形成されたコード挿通部61からフレーム1の内部に
挿通され、一方の端部をターミナル5に固定され、他方
の端部(図示省略)は増幅装置と接続されるものであ
る。ターミナル5はヨーク42の一部に固定されてお
り、コード6からの信号を受けるものである。このター
ミナル5は、ムービングコイル用リード線48によっ
て、後記するムービングコイル45と接続されている。
こうした電気的配線によって、増幅装置からの信号はム
ービングコイル45に伝達され、駆動装置4は振動す
る。
【0022】振動板2は、軽量で比較的剛性の高い紙あ
るいは低発砲プラスチック、又はプラスチックフィルム
等により構成されている。紙材料を用いる場合は、パル
プ、木及び動植物の繊維のほか、金属ガラスなどの無機
繊維を、音響特性別に選択し混抄したものを用いるよう
にする。この振動板2には、剛性及び耐環境性能を高め
るために、塗装などの表面処理が適宜施されている。
【0023】振動板2には、図1に示すように、中心部
21cを廻る方向に等分割角度で山21aと谷21bが
交互に連続する状態で、外縁部21dに放射状に延びる
多数のリブ22が形成されている。山21aの高さは、
中心部21cに臨む位置で最も高く、山21aの稜線は
直線的に放射方向に延びながら漸次低くなるように形成
されている。そして、振動板2の外縁部21dに至る
と、山21aと谷21bの高低差は殆どなくなって、す
なわち山21a及び谷21bはほぼ消滅して、この外縁
部21dはほぼ同一平面上に位置するようになってい
る。
【0024】ここで、振動板2の製造方法について、2
つの例を挙げて説明する。ここでは、等材質、等材厚の
紙材料20Aから振動板2を製造する。先ず第1の例に
ついて、図3乃至図5を用いて説明する。この製造方法
では、図3(a)に示すように、長さL、高さRの略矩
形状に成形された紙材料20Aの、一方の端部に接合片
21rを設ける。この接合片21rは、後記するように
紙材料20Aを円筒形状としたときに、他端部側と接合
・接着するための糊代に相当する部分であり、紙材料2
0Aと同じ紙材料からなる。次に、図3(b)に示すよ
うに、紙材料20Aに、山21a及び谷21bが交互に
等間隔で連続するように折返し部を形成し、紙材料20
Aを鋸歯状に成形する。ここでは、山21a及び谷21
bが各々24本となるように、すなわち折返しのピッチ
がL/48となるようにしている。なお、この図におい
ては、接合片21rの図示は省略している。次に図4に
示すように、一端側と他端部側とを接合片21rを用い
て接着し、紙材料20Aを円筒形状とする。この状態
で、紙材料20Aの図中下側を中心方向に窄め、上側を
この円筒の外側に拡げて、略円盤形状とする。この状態
が図5である。この図に示すように、24個のリブ22
が連なって形成された、直径が2Rで、外縁部21dの
長さ(外周長さ)がL(図示省略)である振動板2が得
られる。なお図示は省略するが、中心部21cに集結す
る位置における山21aの高さは最も高く、L/48と
なっている。
【0025】次に第2の例について、図6乃至図8を用
いて説明する。この製造方法で製造する振動板2は、上
記第1の例と同じく、直径が2Rで外周長さがL(図示
省略)となっているものである。図6(a)に示すよう
に、長さL/2、高さ2Rの略矩形状に成形された紙材
料20Bの両端部の下半分側に、接合片21rを設け
る。次に、図6(b)に示すように、紙材料20Bに、
山21a及び谷21bが交互に等間隔で連続するように
折返し部を形成し、紙材料20Bを鋸歯状に成形する。
ここでは、山21a及び谷21bが各々12本となるよ
うに、すなわち折返しのピッチがL/48となるように
している。なお、この図及び図7においては、接合片2
1rの図示は省略している。次に図7に示すように、高
さ方向の中間位置(図中破線)を、両端部から略V字状
に屈曲させて、上半分側と下半分側とを互いに近接させ
てこれらを接着する。上側半分と下側半分とは各々高さ
(長さ)Rを有しているので、接着された際には、図8
に示すように、24個のリブが連なって形成された、直
径が2Rで外周長さがL(図示省略)である外形略円盤
形状の振動板2が得られる。なお図示は省略するが、中
心部21cに集結する位置における山21aの高さは最
も高く、L/48となっている。
【0026】上記の振動板2は略円盤形状をなしている
が、例えば図9(a)〜(c)に示すような形状に変形
させてもよい。これらの図に第1乃至第3の変形例とし
て示した振動板2A、2B、2Cは、各々が、振動板2
を原形としてこの振動板2の一部分を切除することによ
り形成されたもので、中心部から外縁部に延びる対称軸
線(軸線)を境にしてほぼ線対称となるような形状をな
している。これらの図において、原形である振動板2の
外縁部であって切除された部分については、二点鎖線で
示している。このように対称の形状としているのは、強
度や剛性のばらつきが部分的に発生するのを抑制し、振
動板の振動特性に及ぼす悪影響を抑制して、ひいては再
生音質に悪影響を及ぼさないようにするためである。
【0027】図9(a)に示す振動板2Aは、対称軸線
l1を境にして図中の左右が対称となった形状をなして
おり、また図9(b)に示す振動板2Bは、対称軸線l
2を境にして左右が対称となった形状をなしている。す
なわち、振動板2A及び2Bは、いわゆる一軸対称の形
状をなしている。更に図9(c)に示す振動板2Cは、
対称軸線l3を境にして左右が対称となるとともに、こ
の対称軸線l3と直交する対称軸線l4を境にして上下
も対称となった、いわゆる二軸対称の形状をなしてい
る。
【0028】なお、これら振動板2A、2B、2Cの形
状や寸法に、フレーム1や振動板ガード15等の形状や
寸法を対応させることで、スピーカAを小型・軽量化さ
せる、あるいは多様なデザイン性をもたせることができ
る。
【0029】なお、上記の製造方法によらず、例えばプ
ラスチック等を一体成形することで、振動板2、2A、
2B、2Cを製造してもよい。また、振動板2A、2
B、2Cはあくまでも変形例であり、これら以外の形状
を採用しても差し支えないことは、言うまでもない。
【0030】駆動装置4は、図2に示すように、固定部
4aと可動部4bから構成されているもので、フレーム
1に対して振動板2を振動させるものである。固定部4
aは、ポール(磁石)41、ポールピース41a及びヨ
ーク42により、ムービングコイル型用の磁気回路を構
成するものである。ここでは内磁型を示しているが、こ
の例の他に、外磁型でもよい。
【0031】ポール41は円柱形をなす永久磁石によ
り、ポールピース41aは透磁性を有する金属により、
各々構成されている。ポール41とポールピース41a
とは一体に連結・固定されており、ポールピース41a
はポール41により磁化されるようになっている。な
お、これらポール41及びポールピース41aを、一体
の永久磁石により構成してもよい。ヨーク42は、環状
をなす軟鋼製の部材であり、導磁片も一体となったもの
で、取付部13に取り付けられている。また、ヨーク4
2には、後記するダンパ46を取り付けるダンパ取付部
43が一体に設けられている。
【0032】可動部4bは、コイルボビン44と、ムー
ビングコイル(コイル)45と、ダンパ46とから構成
されている。コイルボビン44は、ムービングコイル4
5が巻回されている薄肉円筒形の巻芯である。ムービン
グコイル45は、円筒形巻線をなすボイスコイルであ
り、ムービングコイル用リード線48と連結されてい
る。これらコイルボビン44とムービングコイル45と
で、固定部4aの磁気回路に対する駆動コイルを構成す
る。またコイルボビン44の先端部には、振動板取付部
44aが形成されており、振動板2を連結・固定するよ
うになっている。
【0033】このような駆動装置4は、ムービングコイ
ル45と導通しているムービングコイル用リード線48
を介し、駆動コイルに供給する電力を制御する図示しな
いアンプ等の増幅装置によって、ムービングコイル45
を固定部4aに対して振動軸線X方向に進退駆動させ
る、つまり振動させるものである。ダンパ46は、弾性
体からなるもので、その一方側をダンパ取付部43に、
その他方側をコイルボビン44に、各々固定されてい
る。このダンパ46により、固定部4aに対して可動部
4bが移動可能に連結されている。
【0034】上記構成のスピーカAを製造するには、フ
レーム1と駆動装置4とを予め連結・固定して一体に組
み立てておくとともに、ターミナル5やコード6等の電
気的な配線も施しておく。こうしておいて、振動板2の
中心部21c近傍の所定範囲と振動板取付部44aと
を、接着剤等を用いて連結させる。接着剤が固化すれ
ば、振動板2と駆動装置4との連結は完了する。
【0035】接着剤としては、短時間で硬化するもの、
例えば、反応硬化型レジンモルタルが好適であり、光反
応型、熱反応型等の種類が、製造工程の条件等によって
適宜選択される。なお、これら以外の種類であっても差
し支えない。
【0036】このスピーカAは、以下のように動作す
る。先ず、コード6、ターミナル5及びムービングコイ
ル用リード線48を介して、アンプ等の増幅装置からの
出力信号を入力信号として駆動装置4に入力する。する
と、ムービングコイル45が振動し、この振動はコイル
ボビン44を介して振動板2に伝達される。これによ
り、振動板2は振動軸線X方向に移動して振動し、振動
板2からは音波が放射される。
【0037】振動板2には多数のリブ22が形成されて
いるので、振動板2の剛性は高まって分割振動が抑制さ
れ、その結果、再生される音波の音響特性、つまり再生
音質が向上される。また、振動板2の前方側の音波を有
する空気がこのリブ22により保有されて、振動板2の
前方側に押し出される。振動板2の後方側の音波を有す
る空気も同様にリブ22により保有されて、振動板2の
後方側に押し出される。このように、音波が振動板2の
上下左右に四散したり、振動板2の反対側に回り込むこ
とが防止される。そのため、振動板2から前方側に放射
される音波と後方側に放射される音波とが、互いに殆ど
干渉し合わなくなり、何れの側においても非常にクリア
な高音質を得ることができる。
【0038】本実施形態に係るスピーカAにおいては、
振動板2には、中心部21cからこの中心部21cを廻
る方向に等分割角度で山21aと谷21bが交互に連続
する状態で外縁部21dに向けて放射状に延びる多数の
リブ22が形成されるようにしている。そのため、紙な
どの軟質材料を用いて振動板2を構成しても、軽量化を
図りつつ簡易な構成で振動板2の剛性を高めることがで
き、再生される音波の音響特性、すなわち再生音質を向
上させることができる。また、振動板2に形成された多
数のリブ22によって、振動板2の一方あるいは他方の
面の音波を有する空気を保持して確実に送り出すため
に、音波が振動板2の反対側の面に回り込むことが防止
され、部分共振が抑制されるために、再生音質を向上さ
せことができる。
【0039】更に、振動板2の外縁部21d側が解放端
をなす、つまり可動部4bに固定される部分以外は開放
状態におかれているため、振動板2の分割振動が抑制さ
れて、再生音質を向上させることができる。更に、外縁
部21d側は何ら支持・固定されないので、外縁部21
d側に他の部材と連結等するための部材が必要なく、そ
のため外縁部21dの処理を省略又は簡略化できるとと
もに、外縁部21dの寸法あるいは形状等の精度を緩和
させることができ、振動板2の信頼性・耐久性の向上、
製造コストの低減及び製造時間の短縮化が図れる。
【0040】更に、山21aの高さが中心部21cに臨
む位置で最も高く、山21aの稜線が直線的に放射方
向、すなわち外縁部21dに向けて漸次低くなるように
形成されているので、振動板2の成形をし易くできると
共に、振動板2の全面に平等に分布する負荷、すなわち
自重及び空気圧に対して理想的なリブ22を形成するこ
とができ、軽量のままで剛性を更に高いものとすること
ができ、再生音質を更に向上させることができる。
【0041】更に、振動板2は外形略円盤形状をなし、
山21a及び谷21bは外縁部21dに至ってほぼ消滅
して、外縁部21dは略同一平面上に位置するようにし
ているので、振動板2の外縁部21dを略平坦でかつ突
出部の無い形状とでき、外部からの衝撃に強い構造とで
きるとともに、連結されている駆動部4から外縁部21
dまでの距離を全方向に対してほぼ同一とでき、全方向
に対して振動をほぼ均一に伝播させることができ、ほぼ
均一に音波を放射させることができる。
【0042】更に、振動板2を原形として、中心部21
cから外縁部21dに延びる対称軸線l1、l2、l
3、l4を境にしてほぼ線対称の形状をなすように、所
定部分を切除することにより振動板2A、2B、2Cを
形成するようにしている。そのため、振動板2A、2
B、2Cの振動特性に与える悪影響を抑制して、これら
振動板の形状を多様に変形させることができ、形状選択
の自由度を高めるとともに、スピーカAの小型・軽量化
に寄与することができるとともに多様なデザイン性をも
たせることができ、多様なニーズに対応させることがで
きる。そして、振動板2を原形としているので、振動板
2の強度・剛性を維持したままで、小型・軽量化を図る
ことができ、振動板2A、2B、2Cの信頼性・耐久性
を高めることができるとともに、簡易に製造でき、製造
コストの低減及び製造時間の短縮化が図れる。
【0043】[第2の実施形態]本発明に係る振動板形
スピーカの第2の実施形態について、図10を用いて説
明する。なお、本実施形態に係るスピーカ(振動板形ス
ピーカ)Bが、上記第1の実施形態に係るスピーカAと
異なる点は、重量支持手段7を備えている点である。そ
のため、スピーカAと同一の構成要素については、同一
の符号を付して、詳しい説明は省略する。
【0044】重量支持手段7は、滑車71と、撓材72
と、錘73とから構成されている。滑車71は、フレー
ム1Aのスタンド部12上端部側に設けられた滑車支持
部12aに、回転可能に支持されている。なおフレーム
1Aは、滑車支持部12a及び滑車71が備えられてい
る点、及び振動板ガードを省略している点以外は、上記
第1の実施形態において示したフレーム1とほぼ同一の
構成である。
【0045】撓材72は、その一端部側を振動板2に、
他端部側を錘73に各々固定されており、その中間部は
滑車71に掛けられている。この撓材72は、引力に耐
え、曲がることに殆ど抵抗しない撓み性があって引張に
強いことが要求されるため、こうした条件を満たすよう
な紐、糸、鎖等から構成されている。錘73は、撓材7
2によって吊り下げられており、その重量は、振動板2
と可動部4bとを合わせた重量と略同一となっている。
すなわち、スピーカBの振動系を構成する振動板2及び
可動部4bと、錘73とは、重量的に釣り合うようにな
っている。
【0046】本実施形態に係るスピーカBにおいては、
重量支持手段7によって、振動系の重量と錘73の重量
とがほぼ釣り合うようにして、滑車71を介してフレー
ム1で振動系の重量を支持するようにしている。そのた
め、駆動装置4にかかる負荷を軽減でき、駆動装置4を
振動系の重量支持の役目から開放させることができ、こ
れにより駆動装置4を、振動系を振動軸線X方向に動き
易くガイドさせて振動させ、その振動を減衰させる役目
に専念させることができ、入力信号に対する振動系の応
答性を大きく向上させることができる。そして、振動板
2は、駆動装置4に固定されている部分以外は開放状態
となっていることと相俟って、非常にクリアな再生音質
を得ることができる。これにより、スピーカBが大型化
することにより振動板2が大型化・重量化しても、再生
音質を劣化させることなくスピーカBを使用することが
できるとともに、駆動装置4の長寿命化が図れる。ま
た、滑車71、撓材72及び錘73によって重量支持手
段7を構成するようにしているので、駆動装置4にかか
る振動系の負荷を、錘73の重量と釣り合う分だけ低減
させることができ、簡易な構成で的確に駆動装置4への
負荷を軽減させることができる。これにより、重量支持
手段7の信頼性・耐久性を高めることができ、スピーカ
Bの大型化・重量化に容易に対応させることができる。
【0047】なお、本実施形態においては、滑車、撓材
及び錘から重量支持手段を構成するようにしたが、これ
に限定されるものではない。例えば、一端側をフレーム
に、他端側を振動板に各々連結したばねを用いて、振動
系を上方向に引張るようにしてもよい。このとき、ばね
定数を適正値とすれば、振動系の重量をフレームに適正
に支持させることができる。また、振動板の構成を、上
記第1の実施形態における振動板と同様の構成とした
が、これに限定されるものではなく、例えば木製等の振
動板であってもよい。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る振動
板形スピーカは、上記の如き構成としているので、音響
特性を向上させると共に、簡易に製造でき、製造コスト
の低減及び製造時間の短縮を図ることのできる振動板形
スピーカを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る振動板形スピーカの第1の実
施形態を示す正面図である。
【図2】 同側断面図である。
【図3】 振動板の製造方法の第1の例を示す図であ
って、(a)は製造前の紙材料を、(b)は(a)の紙
材料に山及び谷を形成した状態を示す概略斜視図であ
る。
【図4】 図4における紙材料を円筒形状としたとき
の概略斜視図である。
【図5】 完成した振動板を示す平面図である。
【図6】 振動板の製造方法の第2の例を示す図であ
って、(a)は製造前、(b)は製造途中を示す概略斜
視図である。
【図7】 図6における紙材料を屈曲させたときの概
略斜視図である。
【図8】 完成した振動板を示す平面図である。
【図9】 振動板の変形例を示す図であって、(a)
は第1の例、(b)は第2の例、(c)は第3の例を示
す平面図である。
【図10】 本発明に係る振動板形スピーカの第2の
実施形態を示す側面図である。
【符号の説明】
A、B スピーカ(振動板形スピーカ) 1 フレーム 2、2A、2B、2C 振動板 4 駆動装置 4a 固定部 4b 可動部 7 重量支持手段 13 取付部 20A、20B 紙材料 21a 山 21b 谷 21c 中心部 21d 外縁部 22 リブ 41 ポール(磁石) 45 ムービングコイル(コイル) 71 滑車 72 撓材 73 錘 l1、l2、l3、l4 対称軸線(軸線) X 振動軸線

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレームと、 該フレームの取付部に設けられた駆動装置と、 該駆動装置の可動部に固定されて振動する振動板とを備
    えた振動板形スピーカであって、 前記振動板には、その中心部から該中心部を廻る方向に
    等分割角度で山と谷が交互に連続する状態で外縁部に向
    けて放射状に延びる多数のリブが形成され、 該振動板は、前記中心部近傍の所定範囲を前記可動部に
    固定され、前記外縁部側は解放端をなしていることを特
    徴とする振動板形スピーカ。
  2. 【請求項2】 前記山の高さが、該山が前記中心部に
    集結する位置で最も高く、該山の稜線が直線的に前記外
    縁部に向けて漸次低くなるように形成されていることを
    特徴とする請求項1記載の振動板形スピーカ。
  3. 【請求項3】 前記振動板は、外形略円盤形状をな
    し、前記山及び前記谷は前記外縁部に至って略消滅し
    て、該外縁部は略同一平面上に位置することを特徴とす
    る請求項1又は請求項2に記載の振動板形スピーカ。
  4. 【請求項4】 前記振動板は、前記中心部から前記外
    縁部に延びる軸線を境にして略線対称の形状をなしてい
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の振動
    板形スピーカ。
  5. 【請求項5】 フレームと、 該フレームの取付部に設けられた駆動装置と、 該駆動装置の可動部に固定されて振動する振動板とを備
    えた振動板形スピーカであって、 前記振動板の重量の少なくとも一部を前記フレームに支
    持させる重量支持手段が設けられていることを特徴とす
    る振動板形スピーカ。
  6. 【請求項6】 前記重量支持手段は、 前記フレームに回転可能に支持された滑車と、 前記振動板に一端側を連結された撓材と、 該撓材の滑車を介した他端側に吊り下げられる錘と、 を備えていることを特徴とする請求項5に記載の振動板
    形スピーカ。
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