JP2002077986A - 無線基地システムおよびパス多重判定方法 - Google Patents

無線基地システムおよびパス多重判定方法

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JP2002077986A
JP2002077986A JP2000260384A JP2000260384A JP2002077986A JP 2002077986 A JP2002077986 A JP 2002077986A JP 2000260384 A JP2000260384 A JP 2000260384A JP 2000260384 A JP2000260384 A JP 2000260384A JP 2002077986 A JP2002077986 A JP 2002077986A
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敏生 谷田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接続を要求しているユーザの移動端末装置の
パス多重接続の可否を正確に判定することができる無線
基地システムおよびパス多重判定方法を提供する。 【解決手段】 CSに接続を要求しているPSのSCC
H信号の1回目の受信に基づいて推定された周波数オフ
セット値を記憶し、当該PSからのSCCH信号の2回
目の受信時に、先に記憶されている周波数オフセット値
を利用して補正された周波数オフセット値を算出する。
このように接続を要求しているPSの周波数オフセット
値の推定精度を向上させた後、受信応答ベクトルを計算
する。このように精度が向上した当該PSの受信応答ベ
クトルと、既に接続しているPSの受信応答ベクトルと
の相関値の計算により、当該PSの接続の可否について
高精度に判定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は無線基地システム
およびパス多重判定方法に関し、特に、複数のユーザが
同一周波数および同一タイムスロットのチャネルを使用
してデータを送受信することができるPDMA(Path D
ivision Multiple Access)方式の通信システムにおい
て、パス多重接続を要求するユーザに対しそのパス多重
接続の可否を判定する無線基地システムおよびパス多重
判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、急速に発達しつつある携帯型電話
機のような移動通信システムにおいて、周波数の有効利
用を図るべく種々の伝送チャネル割当制御方法が提案さ
れており、その一部のものは実用化されている。
【0003】特に、最近では、携帯型電話機の普及によ
り、電波の周波数利用効率を高めるために、PDMA方
式が提案されている。このPDMA方式は、同じ周波数
における1つのタイムスロットを空間的に分割して複数
のユーザのデータを伝送するものである。
【0004】より特定的に、このPDMA方式では、ア
ダプティブアレイなどの相互干渉除去装置を用いて1つ
のタイムスロットを空間的に複数のチャネルに分割し
て、互いに干渉の小さい複数のユーザの当該タイムスロ
ットへのパス多重接続を許容している。
【0005】そこで、PDMA方式では、同一タイムス
ロットのチャネルに既に接続された既知のユーザの端末
装置からの信号電波の受信応答ベクトルと、当該タイム
スロットへのパス多重接続を要求している新規ユーザの
端末装置からの信号電波の受信応答ベクトルとの相関値
を算出し、相関値が低い場合には、パス多重可能と判断
して新規のユーザにチャネル割当を認め、相関値が高い
場合にはパス多重不可と判断して新規のユーザにチャネ
ル割当を認めない。これにより、電波の到来方向が接近
したユーザ同士が同一タイムスロットにパス多重接続す
ることによってユーザ間に干渉が生じることによる通信
品質の劣化を防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のPDMA方式で
は、上述のように、受信応答ベクトルの相関値を算出す
る場合、既に当該タイムスロットに接続を確立している
既知のユーザの受信応答ベクトルは、連続するフレーム
の受信信号中の通信チャネル信号に基づいて算出される
ため、十分な精度を有している。
【0007】これに対し、パス多重接続を要求している
新規ユーザの端末装置からの信号の場合、基地局は通信
チャネルを起動するための制御チャネルの信号をまず受
信するので、この最初の1フレームにおける制御チャネ
ル信号からとりあえず当該新規ユーザの受信応答ベクト
ルを算出せざるを得ない。
【0008】しかしながら、周波数オフセットの存在に
より1フレームの制御チャネル信号のみから抽出した受
信応答ベクトルは十分な精度を有していない。このた
め、既に接続している既知の端末装置の受信応答ベクト
ルとの相互相関値の算出精度も低くなり、したがってパ
ス多重接続を要求している新規ユーザの接続の可否を正
確に判定することができないという問題があった。
【0009】それゆえに、この発明の目的は、パス多重
接続を要求している新規ユーザの受信応答ベクトルを高
精度に求め、ひいてはパス多重接続の可否を高精度に判
定することができる無線基地システムおよびパス多重判
定方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、複数
の移動端末装置がパス多重接続することができる無線基
地システムは、オフセット算出手段と、記憶手段と、受
信応答ベクトル算出手段と、相関値算出手段と、判定手
段とを備える。オフセット算出手段は、無線基地システ
ムへのパス多重接続を要求している移動端末装置から受
信した1フレームの受信信号中における周波数オフセッ
トを算出する。記憶手段は、オフセット算出手段によっ
て算出された周波数オフセットを記憶する。オフセット
算出手段は、さらに、記憶手段に記憶されている周波数
オフセットに基づいて、移動端末装置から受信した後続
の1フレームの受信信号中における周波数オフセットを
補正する。受信応答ベクトル算出手段は、オフセット算
出手段によって補正された後続の1フレームの受信信号
中における周波数オフセットに基づいて、無線基地シス
テムへのパス多重接続を要求している移動端末装置から
受信した信号の受信応答ベクトルを算出する。相関値算
出手段は、パス多重接続を要求している移動端末装置の
算出された受信応答ベクトルと、無線基地システムに既
に接続している他の移動端末装置の受信応答ベクトルと
の相関値を算出する。判定手段は、算出された相関値に
基づいて無線基地システムへのパス多重接続を要求して
いる移動端末装置のパス多重接続の可否を判定する。
【0011】このように構成したことにより、パス多重
接続を要求している新規ユーザからの1フレーム目の受
信信号に基づいては接続の可否を判断することなく、そ
の周波数オフセットのみを算出して記憶し、後続のフレ
ームにおいて前記記憶された周波数オフセットを用いた
補正により、より精度の高い周波数オフセットを求めて
受信応答ベクトルを算出するようにしているので、周波
数オフセットの影響を軽減しつつ新規ユーザの接続の可
否について高精度の判断を行なうことができる。
【0012】好ましくは、オフセット算出手段は、受信
信号中における周波数オフセットを推定する手段と、受
信信号を推定された周波数オフセットで補正する手段
と、補正された受信信号をアダプティブアレイ処理して
所望信号を抽出する手段と、所定の参照信号と抽出され
た所望信号との誤差信号を算出する手段と、参照信号と
誤差信号とに基づいて推定された周波数オフセットを更
新する手段と、受信信号が後続の1フレームの受信信号
のときに、推定された周波数オフセットを記憶手段に記
憶されている周波数オフセットで置換える手段とを含
む。
【0013】このように構成したことにより、先行する
フレームで算出され記憶されている周波数オフセットを
用いて、後続のフレームにおける周波数オフセットを更
新することにより、周波数オフセットの影響が軽減され
た受信応答ベクトルの算出が可能となる。
【0014】より好ましくは、オフセット算出手段は、
受信信号中における周波数オフセットを推定する手段
と、受信信号を推定された周波数オフセットで補正する
手段と、補正された受信信号をアダプティブアレイ処理
して所望信号を抽出する手段と、所定の参照信号と抽出
された所望信号との誤差信号を算出する手段と、参照信
号と誤差信号とに基づいて推定された周波数オフセット
を更新する手段と、受信信号が後続の1フレームの受信
信号のときに、更新された周波数オフセットと記憶手段
に記憶されている周波数オフセットとの平均をとる手段
とを含む。
【0015】このように構成したことにより、先行する
フレームで算出され記憶されている周波数オフセット
と、後続のフレームにおける更新された周波数オフセッ
トとの平均をとることにより、周波数オフセットの影響
が軽減された受信応答ベクトルの算出が可能となる。
【0016】より好ましくは、記憶手段は、複数の移動
端末装置のそれぞれに対応して算出された周波数オフセ
ットを記憶するテーブルを含む。
【0017】このように構成したことにより、接続を要
求している移動端末装置に対応する算出された周波数オ
フセットを容易に検索することができる。
【0018】より好ましくは、オフセット算出手段は、
受信した1フレームの受信信号中の制御チャネル信号の
周波数オフセットを算出する。
【0019】このように構成したことにより、新規にパ
ス多重接続を要求しているユーザの通信チャネルが確立
されていなくても、通信チャネルを起動するための制御
チャネル信号に基づいて接続の可否を判断することがで
きる。
【0020】この発明の他の局面によれば、複数の移動
端末装置がパス多重接続することができる無線基地シス
テムは、受信応答ベクトル算出手段と、記憶手段と、平
均化手段と、相関値算出手段と、判定手段とを備える。
受信応答ベクトル算出手段は、無線基地システムへのパ
ス多重接続を要求している移動端末装置から受信した1
フレームの受信信号中における受信応答ベクトルを算出
する。記憶手段は、受信応答ベクトル算出手段によって
算出された受信応答ベクトルを記憶する。平均化手段
は、記憶手段に記憶されている受信応答ベクトルと、移
動端末装置から受信した後続の1フレームの受信信号中
における受信応答ベクトルとの平均をとる。相関値算出
手段は、パス多重接続を要求している移動端末装置の平
均化された受信応答ベクトルと、無線基地システムに既
に接続している他の移動端末装置の受信応答ベクトルと
の相関値を算出する。判定手段は、算出された相関値に
基づいて無線基地システムへのパス多重接続を要求して
いる移動端末装置のパス多重接続の可否を判定する。
【0021】このように構成したことにより、パス多重
接続を要求している新規ユーザからの1フレーム目の受
信信号に基づいては接続の可否を判断することなく、そ
の受信応答ベクトルのみを算出して記憶し、後続のフレ
ームにおいて算出された受信応答ベクトルと前記記憶さ
れた受信応答ベクトルとを平均化することにより、より
精度の高い受信応答ベクトルを算出するようにしている
ので、新規ユーザの接続の可否について高精度の判断を
行なうことができる。
【0022】より好ましくは、記憶手段は、複数の移動
端末装置のそれぞれに対応して算出された受信応答ベク
トルを記憶するテーブルを含む。
【0023】このように構成したことにより、接続を要
求している移動端末装置に対応する算出された受信応答
ベクトルを容易に検索することができる。
【0024】より好ましくは、受信応答ベクトル算出手
段は、受信した1フレームの受信信号中の制御チャネル
信号の受信応答ベクトルを算出する。
【0025】このように構成したことにより、新規にパ
ス多重接続を要求しているユーザの通信チャネルが確立
されていなくても、通信チャネルを起動するための制御
チャネル信号に基づいて接続の可否を判断することがで
きる。
【0026】この発明のさらに他の局面によれば、複数
の移動端末装置がパス多重接続することができる無線基
地システムにおけるパス多重判定方法は、無線基地シス
テムへのパス多重接続を要求している移動端末装置から
受信した1フレームの受信信号中における周波数オフセ
ットを算出するステップと、算出された周波数オフセッ
トを記憶するステップと、記憶されている周波数オフセ
ットに基づいて、移動端末装置から受信した後続の1フ
レームの受信信号中における周波数オフセットを補正す
るステップと、補正された後続の1フレームの受信信号
中における周波数オフセットに基づいて、無線基地シス
テムへのパス多重接続を要求している移動端末装置から
受信した信号の受信応答ベクトルを算出するステップ
と、パス多重接続を要求している移動端末装置の算出さ
れた受信応答ベクトルと、無線基地システムに既に接続
している他の移動端末装置の受信応答ベクトルとの相関
値を算出するステップと、算出された相関値に基づいて
無線基地システムへのパス多重接続を要求している移動
端末装置のパス多重接続の可否を判定するステップとを
備える。
【0027】このように構成したことにより、パス多重
接続を要求している新規ユーザからの1フレーム目の受
信信号に基づいては接続の可否を判断することなくその
周波数オフセットのみを算出して記憶し、後続のフレー
ムにおいて、前記記憶された周波数オフセット値を用い
た補正により、より精度の高い周波数オフセットを求め
て受信応答ベクトルを算出するようにしているので、周
波数オフセットの影響を軽減しつつ新規ユーザの接続の
可否について高精度の判断を行なうことができる。
【0028】好ましくは、周波数オフセットを算出する
ステップは、受信信号中における周波数オフセットを推
定するステップと、受信信号を推定された周波数オフセ
ットで補正するステップと、補正された受信信号をアダ
プティブアレイ処理して所望信号を抽出するステップ
と、所定の参照信号と抽出された参照信号との誤差信号
を算出するステップと、参照信号と誤差信号とに基づい
て推定された周波数オフセットを更新するステップと、
受信信号が後続の1フレームの受信信号のときに、推定
された周波数オフセットを記憶されている周波数オフセ
ットで置換えるステップとを含む。
【0029】このように構成したことにより、先行する
フレームで算出され記憶されている周波数オフセットを
用いて後続のフレームにおける周波数オフセットを更新
することにより、周波数オフセットの影響が軽減された
受信応答ベクトルの算出が可能となる。
【0030】より好ましくは、周波数オフセットを算出
するステップは、受信信号中における周波数オフセット
を推定するステップと、受信信号を推定された周波数オ
フセットで補正するステップと、補正された受信信号を
アダプティブアレイ処理して所望信号を抽出するステッ
プと、所定の参照信号と抽出された参照信号との誤差信
号を算出するステップと、参照信号と誤差信号とに基づ
いて推定された周波数オフセットを更新するステップ
と、受信信号が後続の1フレームの受信信号のときに、
更新された周波数オフセットと記憶されている周波数オ
フセットとの平均をとるステップとを含む。
【0031】このように構成したことにより、先行する
フレームで算出され記憶されている周波数オフセットと
後続のフレームにおいて更新された周波数オフセットと
の平均をとることにより、周波数オフセットの影響が軽
減された受信応答ベクトルの算出が可能となる。
【0032】より好ましくは、周波数オフセットを記憶
するステップは、複数の移動端末装置のそれぞれに対応
して算出された周波数オフセットをテーブルに記憶する
ステップを含む。
【0033】このように構成したことにより、接続を要
求している移動端末装置に対応する算出された周波数オ
フセットを容易に検索することができる。
【0034】より好ましくは、周波数オフセットを算出
するステップは、受信した1フレームの受信信号中の制
御チャネル信号の周波数オフセットを算出する。
【0035】このように構成したことにより、新規にパ
ス多重接続を要求しているユーザの通信チャネルが確立
されていなくても、通信チャネルを起動するための制御
チャネル信号に基づいて接続の可否を判断することがで
きる。
【0036】この発明のさらに他の局面によれば、複数
の移動端末装置がパス多重接続することができる無線基
地システムにおけるパス多重判定方法は、無線基地シス
テムへのパス多重接続を要求している移動端末装置から
受信した1フレームの受信信号中における受信応答ベク
トルを算出するステップと、算出された受信応答ベクト
ルを記憶するステップと、記憶されている受信応答ベク
トルと、移動端末装置から受信した後続の1フレームの
受信信号中における受信応答ベクトルとの平均をとるス
テップと、パス多重接続を要求している移動端末装置の
平均化された受信応答ベクトルと、無線基地システムに
既に接続している他の移動端末装置の受信応答ベクトル
との相関値を算出するステップと、算出された相関値に
基づいて無線基地システムへのパス多重接続を要求して
いる移動端末装置のパス多重接続の可否を判定するステ
ップとを備える。
【0037】このように構成したことにより、パス多重
接続を要求している新規ユーザからの1フレーム目の受
信信号に基づいては接続の可否を判断することなく、そ
の受信応答ベクトルのみを算出して記憶し、後続のフレ
ームにおいて算出された受信応答ベクトルと前記記憶さ
れた受信応答ベクトルとを平均化することにより、より
精度の高い受信応答ベクトルを算出するようにしている
ので、新規ユーザの接続の可否について高精度の判断を
行なうことができる。
【0038】より好ましくは、受信応答ベクトルを記憶
するステップは、複数の移動端末装置のそれぞれに対応
して算出された受信応答ベクトルをテーブルに記憶する
ステップを含む。
【0039】このように構成したことにより、接続を要
求している移動端末装置に対応する算出された受信応答
ベクトルを容易に検索することができる。
【0040】より好ましくは、受信応答ベクトルを算出
するステップは、受信した1フレームの受信信号中の制
御チャネル信号の受信応答ベクトルを算出する。
【0041】このように構成したことにより、新規にパ
ス多重接続を要求しているユーザの通信チャネルが確立
されていなくても、通信チャネルを起動するための制御
チャネル信号に基づいて接続の可否を判断することがで
きる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相
当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0043】図1および図2は、この発明の背景となる
PDMA方式の通信システムの基本原理を模式的に説明
する図である。
【0044】まず、図1は、各基地局ごとに複数の移動
端末装置がパス多重接続している形態を模式的に示す図
である。図1において、基地局(Cell Station:以下、
CS)10の電波が届く範囲を円11で示している。そ
して円11内に、第1および第4のユーザの移動端末装
置(Personal Station:以下、PS)1および4が位置
しており、CS10の周波数f1の1つのタイムスロッ
トに空間的にパス多重接続されている。
【0045】一方、円11内に、第2および第5のユー
ザのPS2および5が位置しており、CS10の周波数
f2の1つのタイムスロットに空間的にパス多重接続さ
れている。
【0046】さらに、円11内に、第3および第6のユ
ーザのPS3および6が位置しており、CS10の周波
数f3の1つのタイムスロットに空間的にパス多重接続
されている。
【0047】なお、隣接する他のCS20の電波が届く
範囲を円21で示し、円21内に位置する他のユーザの
PS7および8がCS20の同一周波数の1つのタイム
スロットに空間的にパス多重接続されている。
【0048】次に、図2は、PDMA方式の通信システ
ムにおける上り(PS→CS)回線および下り(CS→
PS)回線の送信スロットの構成を模式的に示す図であ
る。
【0049】図2において、上り回線および下り回線は
それぞれ時系列的に交互に4スロット単位でデータを送
信しており、上り回線および下り回線のいずれも同じフ
ォーマットを有している。すなわち、先頭のスロット1
には、制御チャネル(Control Channel:以下、CC
H)信号が割当てられている。次の周波数f1のスロッ
ト2には、図1に関連して説明したようにユーザ1およ
びユーザ4がパス多重接続されており、周波数f2のス
ロット3にはユーザ2および5がパス多重接続されてお
り、最後の周波数f3のスロット4にはユーザ3および
6がパス多重接続されている。
【0050】図2のCSの各タイムスロットに接続され
る各ユーザのPSと、当該CSとの間で伝送されるユー
ザごとの信号のフォーマットは、たとえばPHS(Pers
onalHandyphone System)の規格では、図3に示すとお
りである。
【0051】すなわち、CSと、そこに接続される各P
Sとの間の通信チャネルが、上り/下りの各回線とも、
図3(A)に示す物理スロット構成を有する共通双方向
制御チャネル(Signaling Control Channel:以下、S
CCH)と、図3(B)に示す物理スロット構成を有す
る情報チャネル(Traffic Channel:以下、TCH)と
から構成される。
【0052】より特定的に、SCCHは、4ビットのR
(過渡応答用ランプタイム)と、2ビットのSS(スタ
ートシンボル)と、62ビットのPR(プリアンブル)
と、32ビットのUW(同期ワード)と、4ビットのC
I(チャネル種別)と、42ビットのCSID(CS識
別符号)と、28ビットのPSID(PS識別符号)
と、34ビットのI(データ)と、16ビットのCRC
(冗長巡回検査)と、16ビットのG(ガードビット)
とから構成される。
【0053】一方、TCHは、4ビットのRと、2ビッ
トのSSと、6ビットのPRと、16ビットのUWと、
4ビットのCIと、16ビットのSAと、160ビット
のIと、16ビットのCRCと、16ビットのGとから
構成される。
【0054】図3(A)に示すSCCHは、図3(B)
に示すTCHを起動して情報チャネルを確立するために
用いられる。
【0055】次に、図4は、この発明の実施の形態によ
るPDMA方式のCSの構成を示す機能ブロック図であ
る。
【0056】図3に関連して説明したように、CSとP
Sとの間で送受信される信号電波は、呼接続に必要な情
報を伝送する制御チャネルSCCHと、通信に使用する
情報チャネルTCHとから構成される。
【0057】図4を参照して、アレイアンテナ31で受
信されたPSからの信号電波は、無線モジュール32に
おいて、増幅、周波数変換などの所定の処理が施された
後、A/DおよびD/Aコンバータ33によってデジタ
ル信号に変換される。以後の処理は、図示しないデジタ
ルシグナルプロセッサ(DSP)によってソフトウェア
的に実行されるものであり、図4は、DSPによってソ
フトウェア的に実行される処理を機能ブロック図で示し
たものである。
【0058】デジタル信号に変換された受信信号は、オ
フセット値修正処理部34に与えられる。オフセット値
修正処理部34は、後述するように周波数オフセット推
定部36で推定された周波数オフセットに基づいて周波
数オフセット値を修正し、アダプティブアレイ処理部3
5に与える。
【0059】アダプティブアレイ処理部35は、PSか
ら受信した制御チャネルSCCHの信号から、チャネル
割当装置41で指定されたユーザの信号を、内蔵するウ
エイトベクトル計算機(図示せず)で計算されたウエイ
トベクトル計算基準に基づいて抽出し、変復調器38お
よび受信応答ベクトル計算機39に与える。
【0060】変復調器38は、制御チャネルSCCHの
信号を復調して制御情報をチャネル割当装置41に与
え、受信応答ベクトル計算機39は、周波数オフセット
推定部36で推定された周波数オフセット値に応じて、
それぞれのPSから受信した制御チャネルSCCHの信
号の受信応答ベクトルを計算し、その結果をメモリ40
に記憶させる。
【0061】一方、アダプティブアレイ35は、PSか
ら受信した情報チャネルTCHの信号から、チャネル割
当装置41で指定されたユーザの信号を、内蔵するウエ
イトベクトル計算機(図示せず)で計算されたウエイト
ベクトル計算基準に基づいて抽出し、受信応答ベクトル
計算機45および変復調器46に与える。
【0062】受信応答ベクトル計算機45は、周波数オ
フセット推定部36で推定された周波数オフセット値に
応じて、それぞれのPSから受信した情報チャネルTC
Hの信号の受信応答ベクトルを計算し、その結果をメモ
リ44に記憶させる。また、変復調器46は、アダプテ
ィブアレイ処理部36で抽出された信号を復調してユー
ザデータを出力する。
【0063】相関値計算機42は、メモリ40および4
4に記憶されているそれぞれのPSの受信応答ベクトル
に基づいて、チャネル割当(チャネルへの接続)を要求
しているPSと、既に各チャネルに割当てられている
(接続されている)PSとの間の受信応答ベクトルの相
関値を計算し、チャネル割当装置41に与える。
【0064】チャネル割当装置41は後述するように、
相関値計算機42からの相関値に基づいて、ユーザに対
するチャネルの割当制御、すなわち接続を要求している
新規ユーザの接続の可否を判断する。
【0065】アダプティブアレイ処理部35で抽出され
た信号は周波数オフセット推定部36に与えられ、周波
数オフセット推定部36はアダプティブアレイ処理部3
5から与えられた受信信号の周波数オフセットを推定し
て、前述のようにオフセット値修正処理部34と、受信
応答ベクトル計算機39,45とに与える。
【0066】これらのオフセット値修正処理部34と、
アダプティブアレイ処理部35と、周波数オフセット推
定部36とは、この発明の特徴的構成部分であるので、
その機能については後で説明する。
【0067】一方、送信時には、ユーザデータは変復調
器46で変調され、アダプティブアレイ処理部35に与
えられる。アダプティブアレイ処理部35は、受信時に
おけるウエイトベクトル計算基準をコピーして当該ユー
ザの送信信号のアンテナ指向性を制御する。アダプティ
ブアレイ処理原理については、当該技術分野において周
知であるので、ここでは説明を省略する。
【0068】アダプティブアレイ35で送信指向性が制
御された情報チャネルTCHの信号は、A/DおよびD
/Aコンバータ13でアナログ信号に変換される。
【0069】チャネル割当装置41からは各ユーザの制
御チャネル情報が出力され、変復調器38に与えられて
変調される。変復調器38の出力は、アダプティブアレ
イ処理部35に与えられ、アダプティブアレイ処理部3
5は、受信時におけるウエイトベクトル計算基準をコピ
ーして当該ユーザの送信信号のアンテナ指向性を制御す
る。
【0070】アダプティブアレイ処理部35で送信指向
性が制御された制御チャネルSCCHの信号は、A/D
およびD/Aコンバータ33でアナログ信号に変換され
る。
【0071】アナログ信号に変換された情報チャネルT
CHの信号および制御チャネルSCCHの信号は、無線
モジュール32およびアレイアンテナ31を介して対応
するユーザのPSに送信される。
【0072】なお、上述の変復調器38と、受信応答ベ
クトル計算機39と、チャネル割当装置41とは、制御
チャネル処理系システム37を構成し、メモリ44と、
受信応答ベクトル計算機45と、変復調器46とは、通
信用チャネル処理系システム43を構成する。
【0073】次に、この発明の実施の形態によるパス多
重判定制御について説明する前に、CSのPSに対する
従来のパス多重判定制御について説明する。
【0074】図5は、このような従来のCSのPSに対
するパス多重判定制御動作を示すフロー図である。この
フロー図に示すパス多重判定制御動作は、図4に示す機
能ブロックの処理をDSPでソフトウェア的に実現する
ものである。
【0075】図5のフロー図を参照すると、当該CSへ
の接続を希望しているユーザのPSからの伝送チャネル
割当要求(上りSCCH信号の1回目の受信)があれ
ば、チャネル割当イベントが発生し(ステップS1)、
周波数オフセットの計算処理(ステップS2)および受
信応答ベクトルの計算処理(ステップS3)を実行す
る。これらのステップS2およびS3については後で詳
細に説明する。
【0076】その後、当該CSのチャネル割当装置41
(図4)は、自局における未使用の空きタイムスロット
の有無を判定する(ステップS4)。
【0077】その結果、自局に未使用の空きタイムスロ
ットが存在することが判明すれば、当該CSのチャネル
割当装置41は、従来どおり接続を要求しているPSに
対しその空きタイムスロット内の伝送チャネルを選択す
る(ステップS5)。通常は、空きのタイムスロットに
は他のユーザのPSが接続していないため、基本的には
電波の干渉がなく、伝送チャネルが有効に選択され(ス
テップS6)、伝送チャネルのPSへの割当が確立する
(ステップS9)。
【0078】ところが、未使用のタイムスロットであっ
ても、他のCSやPSからの強力な電波の干渉により実
質的にタイムスロットが使用不能状態となり、空いてい
る伝送チャネルであってもPSに対し割当てることがで
きないという事態が起こり得る。
【0079】そのような事態のため伝送チャネルの選択
に失敗した場合(ステップS6)、またはそもそも自局
に空きタイムスロットが存在しないことが判明した場合
(ステップS4)、接続を要求されているCSのチャネ
ル割当装置41は、自局のあるタイムスロットの空き伝
送チャネルを当該PSに割当てる動作に入る(ステップ
S7)。
【0080】すなわち、あるタイムスロットの空き伝送
チャネルに当該PSを割当てようとする場合、既に同じ
タイムスロットの別の伝送チャネルに割当てられている
他のユーザのPSからの電波との間で干渉が生じないこ
と、すなわち2つのPSからの電波の到来方向が大きく
異なることを確認しなければならない。
【0081】このため、図4の受信信号ベクトルの相関
値計算機42により、接続を要求しているPSから受信
した信号と、既に同一タイムスロットに接続されている
他のユーザのPSから受信した信号との相関値が計算さ
れる(ステップS7)。そして、相関値が所定の値以下
であれば、チャネル割当装置41は、2つのPSの間の
干渉による影響は小さいと判定して空き伝送チャネルが
有効に選択され(ステップS8)、自局の伝送チャネル
へのPSの割当が確立する(ステップS9)。
【0082】一方、相関値が所定の値を超えれば、チャ
ネル割当装置は2つのPSの間の干渉による影響は大き
いと判定して空き伝送チャネルが有効に選択されず(ス
テップS8)、自局の伝送チャネルへのPSの割当が拒
否される(ステップS10)。
【0083】なお、ステップS9で自局の伝送チャネル
へのPSの割当が認められれば、またはステップS10
で自局の伝送チャネルへのPSの割当てが認められなけ
れば、プログラムはステップS1に戻り、次のPSによ
るチャネル割当イベントの発生を待つ。
【0084】以上が、従来のCSによるパス多重判定の
手順であるが、従来技術の説明において述べたように、
新規に接続を要求しているユーザについては、情報チャ
ネルTCHが起動する前に制御チャネルSCCHの1回
の受信のみに基づいて接続の可否を判断しており、1回
のSCCH信号の受信に基づく周波数オフセットの計算
(ステップS2)は精度が低く、この周波数オフセット
に基づく受信応答ベクトルの計算(ステップS3)の精
度も低くなる。
【0085】この結果、相互相関によるパス多重許可の
判断(ステップS7およびS8)の精度も低くなり、正
確なチャネル割当ができくなる。
【0086】このように1回のSCCHの受信では周波
数オフセット、ひいては受信応答ベクトルの計算精度が
低くなる理由について、以下に詳細に説明する。
【0087】まず、図6および図7は、図5の周波数オ
フセット計算処理(ステップS2)を詳細に示すフロー
図である。この図6および図7の周波数オフセット計算
処理は、図4のDSPの機能ブロック図では、オフセッ
ト値修正処理部34、アダプティブアレイ処理部35お
よび周波数オフセット推定部36によって実行される。
【0088】なお、以下に示す処理は、図3に示す信号
フォーマットを有するPHSを例にとったものであり、
このシステムでは、後述する受信信号の周波数オフセッ
ト値による修正処理、アダプティブアレイ処理、周波数
オフセット値の更新処理は、各シンボルごとに逐次実行
される(逐次学習法)。
【0089】図4のA/DおよびD/Aコンバータ33
でデジタル信号に変換された受信信号X(t)に対し、
図5のステップS2において周波数オフセット計算(更
新)処理が実行される。
【0090】まず、図6のフロー図のステップS11に
おいて、シンボルiをi=1にセットし、シンボルi=
1における周波数オフセット値θ(i)をθ(i)=0
にセットする。
【0091】そして、ステップS12において、シンボ
ルiが既知のシンボル区間(各ユーザ共通の参照信号の
区間)である1〜48シンボルの間にあるか否かが判定
される。
【0092】より具体的には、図3(A)のSCCH信
号のSS〜UWの合計96ビット=48シンボルの区間
が参照信号区間として取り扱われる。なお、図3(A)
の先頭の4ビットのRは、信号が定義されていない区間
であるため、参照信号区間からは除外される。
【0093】そして、参照信号区間内にあると判定され
れば、ステップS16においてシンボルiを1ずつイン
クリメントしながら、図6のステップS13〜S15の
処理が繰返し実行され、ステップS12において、1〜
48シンボルの間にない、すなわち参照信号のない区間
であると判定されると、図7のフロー図の処理が実行さ
れる。
【0094】まず、ステップS12において、シンボル
iが参照信号区間内(1〜48シンボル)にあると判断
されると、ステップS13に進み、次式のように、受信
信号X(i)は、周波数オフセット値θ(i)と複素乗
算されることにより、X′((i)に補正される。
【0095】 X′(i)=X(i)×(cos(i×θ(i))+jsin(i×θ(i) ))* … (1) 次に、ステップS14に進み、当該CS内のメモリに保
持されている各ユーザ共通の参照信号d(i)と、ステ
ップS13において補正された受信信号X′(i)とに
基づいて、周知のアダプティブアレイ処理が行なわれ、
所望ユーザの出力信号を抽出するためのアンテナごとの
ウエイトW(i)が計算される。
【0096】アダプティブアレイ処理では、参照信号d
(i)と、抽出された出力信号y(i)との誤差e
(i)=d(i)−y(i)を求め、この誤差が最小と
なるようにアダプティブアレイ学習を実行して各シンボ
ルごとにウエイトW(i)を更新する。
【0097】次に、ステップS15に進み、周波数オフ
セット値θ(i)の更新処理が実行される。すなわち、
周波数オフセット値θ(i)は、アダプティブアレイ処
理によって抽出された信号y(t)と参照信号d(t)
とに基づいて抽出された、IQ平面上でのキャリア周波
数成分の円周方向の誤差である。
【0098】より具体的には、ステップS15に示すよ
うに、メモリに保持されている参照信号d(i)と、上
述のように求められた誤差e(i)とに基づいて、周波
数オフセット値θ(i)の更新を行なう。
【0099】周波数オフセット値θ(i)に対するオフ
セット修正値Δθは次式で求められる。
【0100】 Δθ=Im[(d(i)−e(i))×d*(i)] … (2) そして、ステップ係数をμとして、更新された周波数オ
フセット値θ(i+1)は次式で表わされる。
【0101】 θ(i+1)=θ(i)+μ×Δθ … (3) なお、このステップ係数μは、適用環境下で予め実験的
に決定されるものとする。
【0102】次に、ステップS16においてシンボルi
をインクリメントしながら、シンボルiが48を超えて
参照区間外となるまでステップS14におけるウエイト
W(i)の更新と、ステップS15における周波数オフ
セット値θ(i)の更新とを行なう。
【0103】ステップS12において、シンボルiが参
照信号区間内(1〜48シンボル)にないことが判断さ
れると、図7のステップS17に進み、受信信号X
(i)は周波数オフセット値θ(i)によりX′(i)
に補正される。ステップS17の処理は、前述の図6の
ステップS13の処理と同じなので、ここでは説明を繰
返さない。
【0104】次に、ステップS18に進み、アダプティ
ブアレイ処理が行なわれるが、このステップS18のア
ダプティブアレイ処理は、以下の点で、前述の図6のス
テップS14のアダプティブアレイ処理とは異なってい
る。
【0105】すなわち、当該シンボルiは参照信号なし
の区間にあるため、アダプティブアレイ処理による出力
信号y(i)をπ/4・QPSKの基準位相点に強制位
相同期した信号を参照信号のレプリカ信号d′(i)と
し、このレプリカ信号d′(i)と、ステップS17に
おいて補正された受信信号X′(i)とに基づいて、ア
ダプティブアレイ学習が実行され、アンテナごとのウエ
イトW(i)が計算(更新)される。
【0106】参照信号d(i)に代えてレプリカ信号
d′(i)を用いる点を除いて、ステップS18の処理
は、前述の図6のステップS14の処理と同じなので、
ここでは説明を繰返さない。
【0107】次に、ステップS19に進み、周波数オフ
セット値θ(i)の更新処理が行なわれるが、このステ
ップS19の処理も、参照信号d(i)に代えてレプリ
カ信号d′(i)を用い、さらにこのレプリカ信号d′
(i)と出力信号y(i)との誤差e′(i)を用いる
点を除いて、前述の図6のステップS19と同じなの
で、ここでは説明を繰返さない。
【0108】次に、ステップS21においてシンボルi
をインクリメントしながらステップS20において全シ
ンボルについてウエイトW(i)および周波数オフセッ
ト値θ(i)の更新が終了したことが判断されると、ス
テップS22に進み、最終の周波数オフセット値θ
(i)を、受信応答ベクトル計算用のメモリに保持し、
1フレームの受信信号に対する処理を終了する。
【0109】次に、図5のステップS3における受信応
答ベクトルの計算手法について詳細に説明する。なお、
説明を簡略化するために、以下にアンテナ素子数を2本
とした場合の処理について説明する。
【0110】この場合、受信信号ベクトルX(t)は次
式で表わされる。
【0111】
【数1】
【0112】ここで、Xi(t)はi番目のアンテナの
受信信号を表わし、hiは伝搬路による振幅および位相
の変動量を表わし、ωは送信側において発生する位相差
である周波数オフセットを表わし、ω′は受信側におい
て推定された位相差である周波数オフセットを表わし、
S(t)はユーザからの送信信号を示し、ni(t)は
i番目のアンテナのノイズ成分を表わし、[・]Tは行
列[・]の転置を表わしている。
【0113】ここで、アダプティブアレイ処理が良好に
行なわれているものとすると、ユーザ信号が分離されて
取出されるため、ユーザ信号S(t)は既知となる。そ
こで、受信信号X(t)を既知となったユーザ信号S
(t)で除算し、その結果のアンサンブル平均(時間平
均)を計算する。たとえばi番目のアンテナの受信信号
に関しては、アンサンブル平均は次式で計算される。
【0114】
【数2】
【0115】この(7)式は、さらに次式のように表わ
される。
【0116】
【数3】
【0117】ここで、平均時間を十分長くとると、ノイ
ズ成分のランダム性により、上記(8)式の右辺の第2
項は0となる。したがって次式が得られる。
【0118】
【数4】
【0119】ここで、受信側で推定した周波数オフセッ
ト値ω′が、送信側で発生した周波数オフセット値ωと
等しければ、上述の(9)式は次式で表わされることに
なる。
【0120】
【数5】
【0121】この(10)式により、1番目のアンテナ
で受信された信号の受信応答ベクトル値を求めることが
できる。
【0122】以下アンテナを変えていくと、同様に2番
目のアンテナについて次式が得られる。
【0123】
【数6】
【0124】したがって上述の(10)式および(1
1)式より、ユーザの受信応答ベクトルR(t)は次式
のように表わすことができる。
【0125】
【数7】
【0126】以上の受信応答ベクトルの計算過程から、
受信側で推定した周波数オフセット値ω′が送信側で生
じた周波数オフセット値ωと等しくなることが、受信応
答ベクトルの計算において重要な要素となっていること
が理解される。すなわち、周波数オフセット値を精度よ
く求めることが、受信応答ベクトルの算出において非常
に重要である。
【0127】しかしながら、前述のように図5の従来の
パス多重判定方法の手順では、制御チャネル信号SCC
Hの1回だけの受信に基づいて周波数オフセット値を推
定しているため、図5のステップS2の周波数オフセッ
ト値計算過程、すなわち図6および図7のフロー図の処
理により最終的に算出され保持される周波数オフセット
値(受信側で推定される周波数オフセット値)は精度が
低く、このような周波数オフセット値に基づいて上述の
計算過程で求められる受信応答ベクトルの精度も低くな
っていた。
【0128】この発明は、1回目に受信した制御チャネ
ル信号SCCHに基づいて算出した周波数オフセット値
を記憶し、この記憶した周波数オフセット値を用いて2
回目に受信した制御チャネル信号SCCHの周波数オフ
セット値を求めることにより、算出される周波数オフセ
ット値の精度を向上させた上で、受信応答ベクトルを算
出するように構成したものである。
【0129】図8は、この発明の実施の形態によるCS
のパス多重判定制御動作を示すフロー図である。このフ
ロー図に示すパス多重判定制御動作は、図4に示す機能
ブロックの処理をDSPを用いてソフトウェア的に実行
するものである。
【0130】図8のフロー図を参照すると、当該CSへ
の接続を希望しているユーザPSからの伝送チャネル割
当要求(上りSCCHの1回目の受信)があれば、チャ
ネル割当イベントが発生し(ステップS1)、周波数オ
フセット値の計算処理を実行し(ステップS30)、そ
の結果を該当するPSの識別符号PSIDと対応付けて
CSのメモリに一時的に保持する(ステップS31)。
【0131】次に、ステップS3において、上述のステ
ップS30で算出された周波数オフセット値に基づいて
受信応答ベクトルが計算される。その後、当該CSのチ
ャネル割当装置41(図4)は、自局における未使用の
空きタイムスロットの有無を判定する(ステップS
4)。
【0132】その結果、自局に未使用の空きタイムスロ
ットが存在することが判明すれば、当該CSのチャネル
割当装置41は、従来どおり接続を要求しているPSに
対しその空きタイムスロット内の伝送チャネルを選択す
る(ステップS5)。通常は、空きのタイムスロットに
は他のユーザのPSが接続していないため、基本的には
電波の干渉がなく、伝送チャネルが有効に選択され(ス
テップS6)、伝送チャネルのPSへの割当が確立する
(ステップS9)。
【0133】ところが、未使用のタイムスロットであっ
ても、他のCSやPSからの強力な電波の干渉により実
質的にタイムスロットが使用不能状態となり、空いてい
る伝送チャネルであってもPSに対し割当てることがで
きないという事態が起こり得る。
【0134】そのような事態のため伝送チャネルの選択
に失敗した場合(ステップS6)、またはそもそも自局
に空きタイムスロットが存在しないことが判明した場合
(ステップS4)において、当該割当要求が、既知のP
S、すなわち後述するステップS33において初めてテ
ーブルにPSIDが登録されるPSではなく、既に当該
テーブルにPSIDが登録されていたPSからの伝送チ
ャネルの割当要求であることが判定されれば(ステップ
S32)、当該CSのチャネル割当装置41は、自局の
あるタイムスロットの空き伝送チャネルを当該PSに割
当てる動作に入る(ステップS7)。
【0135】すなわち、あるタイムスロットの空き伝送
チャネルに当該PSを割当てようとする場合、既に同じ
タイムスロットの別の伝送チャネルに割当てられている
他のユーザのPSからの電波との間で干渉が生じないこ
と、すなわち2つのPSからの電波の到来方向が大きく
異なることを確認しなければならない。
【0136】このため、図4の受信信号ベクトルの相関
値計算機42により、接続を要求しているPSから受信
した信号の受信応答ベクトルと、既に同一タイムスロッ
トに接続されている他のユーザのPSから受信した信号
の受信応答ベクトルとの相関値が計算される(ステップ
S7)。そして、相関値が所定の値以下であれば、チャ
ネル割当装置41は、2つのPSの間の干渉による影響
は小さいと判定して空き伝送チャネルが有効に選択され
(ステップS8)、自局の伝送チャネルへのPSの割当
が確立する(ステップS9)。
【0137】一方、相関値が所定の値を超えれば、チャ
ネル割当装置は2つのPSの間の干渉による影響は大き
いと判定して空き伝送チャネルが有効に選択されず(ス
テップS8)、自局の伝送チャネルへのPSの割当が拒
否される(ステップS10)。
【0138】ステップS9で自局の伝送チャネルへのP
Sの割当が認められれば、またはステップS10で自局
の伝送チャネルへのPSの割当が認められなければ、プ
ログラムはステップS1に戻り、次のPSによるチャネ
ル割当イベントの発生を待つ。
【0139】一方、ステップS32において、既知のP
Sからの伝送チャネルの割当要求でないと判断される
と、ステップS31で一時的に保持された当該PSの識
別符号PSIDと推定された周波数オフセット値とが、
図9に示すような構成のメモリテーブルに、PSIDに
周波数オフセット値が対応付けられた形で保持される
(ステップS33)。その後、プログラムはステップS
1に戻り、PSによる次のチャネル割当イベントの発生
を待つ。
【0140】次に、当該CSへの接続を希望している同
じPSからの上りSCCH信号の2回目の受信があれ
ば、チャネル割当イベントが発生し(ステップS1)、
ステップS30においてこの発明の特徴的な処理である
周波数オフセット値の計算を行なう。
【0141】すなわち、後で詳細に説明するが、先のP
Sからのチャネル割当イベント発生時において算出さ
れ、メモリテーブルに保持されていた当該PSに対応す
る周波数オフセット値がメモリテーブルから読出され、
ステップS30における周波数オフセット値の計算に用
いられる。
【0142】この結果、ステップS30において周波数
オフセット値が高精度に計算され、したがって、ステッ
プS3において受信応答ベクトルも高精度に計算され
る。
【0143】ステップS4〜S6の処理については説明
を省略し、ステップS32において当該接続を要求して
いるPSが既にテーブルに登録されている既知のPSで
あることが判断されるので、ステップS7に進み、受信
応答ベクトルの相互相関値に基づくチャネル割当の判定
がなされる。ステップS7〜S10の処理については既
に説明したのでここでは繰返さない。
【0144】以上のように、図8に示した実施の形態の
処理手順によれば、接続を要求しているPSから1回目
に受けたSCCH信号に基づいて求められた周波数オフ
セット値をテーブルに保持し、次のチャネル割当イベン
ト発生時に同一PSから割当て要求があった場合に、メ
モリテーブルに保持されている周波数オフセット値を用
いて2回目の受信時の周波数オフセット値を高精度に算
出しているので、受信応答ベクトル自体も高精度に算出
することができ、ひいては相互相関値に基づくパス多重
の可否についてもより正確に判断することが可能とな
る。
【0145】次に、図10および図11は、図8の実施
の形態による周波数オフセット計算処理(ステップS3
0)を詳細に示すフロー図である。図10および図11
に示すフロー図は、以下の点において、図6および図7
に示した従来例の周波数オフセット計算処理(ステップ
S2)と異なっている。
【0146】すなわち、図10のステップS12におい
て、シンボルiが参照信号区間内(1〜48シンボル)
にないことが判断されると、図11のステップS40に
進み、シンボルiが86シンボル目であるか否かが判定
される。
【0147】図3(A)のPHSの信号フォーマットか
ら、i=85シンボル(170ビット)目で、PSID
区間を終了するので(先頭のRは除外)、86シンボル
目で処理中のユーザ信号のPS識別符号PSIDが判明
する。i=86シンボルの場合にはその場合にはステッ
プS41に進み、当該PSが、図8のステップS33に
おいて周波数オフセット値がメモリテーブルに保持され
ている既知のPSであるか否かが判断される。
【0148】そしてステップS41において、当該PS
が既知のPSであることが判定されると、当該シンボル
iにおける算出された周波数オフセット値θ(i)を、
図9に示すメモリテーブルから読出した当該PSに対応
する、SCCH信号の1回目の受信時に算出された周波
数オフセット値θ(i)で置換える。
【0149】図11の以後のステップS17〜S19の
処理は、このステップS42によって置換えられたメモ
リテーブルから読出された周波数オフセット値θ(i)
に基づいて実行される。各ステップの処理内容について
は、先に図6および図7を参照して説明したとおりなの
で、ここではその説明を省略する。
【0150】一般にPHSでは、周波数オフセットは基
準周波数をもとに規格で決められた範囲内のものである
が、SCCH信号の1回の受信だけではどれだけ周波数
がずれているのか正確に求めることは困難であるが、上
述の実施の形態のように1回目に推定された周波数オフ
セット値をもとに2回目のSCCH信号の受信による周
波数オフセット値を推定することにより、より精度の高
い周波数オフセット値の推定が可能となる。したがって
このような精度が上げられた周波数オフセット値に基づ
いて受信応答ベクトルの計算をすることにより、より良
好な相関値の判定、すなわち当該PSのパス多重接続の
可否を判定することが可能となる。
【0151】次に、図12は、図8の実施の形態におけ
る周波数オフセット計算処理(ステップS30)の他の
計算手順の一例を示すフロー図である。
【0152】図12に示したフロー図は、以下の点を除
いて、図6および図7に示した従来例の周波数オフセッ
ト計算処理のフロー図と同じである。
【0153】すなわち、図12において、ステップS2
0において全シンボルについてウエイトW(i)および
周波数オフセット値θ(i)の更新が終了したことが判
定された後、ステップS50において、当該PSが既知
のPSであるか否かの判定がなされ、既知のPSである
と判定されると、ステップS51に進み、今回の処理で
求めた周波数オフセット値θと、メモリテーブルから読
出した当該PSに対応する周波数オフセット値θとの平
均とを算出する。そしてこの周波数オフセット値の平均
値を、ステップS22において、最終的な周波数オフセ
ット値とし、受信応答ベクトルの計算用に当該CSのメ
モリに保存する。
【0154】以上のように、この図12に示した周波数
オフセット値計算処理の変形例では、1回目のSCCH
信号の受信時に算出された周波数オフセットと、2回目
のSCCH信号受信時に算出された周波数オフセット値
との平均化を図ることにより、周波数オフセット値の算
出精度の向上を図るものである。
【0155】図13は、この発明の他の実施の形態によ
るCSのパス多重判定制御動作を示すフロー図である。
【0156】図13のフロー図を参照すると、当該CS
への接続を希望しているユーザPSからの伝送チャネル
割当要求(上りSCCHの1回目の受信)があれば、チ
ャネル割当イベントが発生し(ステップS1)、受信応
答ベクトルの計算処理を実行し(ステップS60)、そ
の結果を該当するPSの識別符号PSIDと対応付けて
CSのメモリに一時的に保持する(ステップS61)。
【0157】次に、当該CSのチャネル割当装置41
(図4)は、自局における未使用の空きタイムスロット
の有無を判定する(ステップS4)。
【0158】その結果、自局に未使用の空きタイムスロ
ットが存在することが判明すれば、当該CSのチャネル
割当装置41は、従来どおり接続を要求しているPSに
対しその空きタイムスロット内の伝送チャネルを選択す
る(ステップS5)。通常は、空きのタイムスロットに
は他のユーザのPSが接続していないため、基本的には
電波の干渉がなく、伝送チャネルが有効に選択され(ス
テップS6)、伝送チャネルのPSへの割当が確立する
(ステップS9)。
【0159】ところが、未使用のタイムスロットであっ
ても、他のCSやPSからの強力な電波の干渉により実
質的にタイムスロットが使用不能状態となり、空いてい
る伝送チャネルであってもPSに対し割当てることがで
きないという事態が起こり得る。
【0160】そのような事態のため伝送チャネルの選択
に失敗した場合(ステップS6)、またはそもそも自局
に空きタイムスロットが存在しないことが判明した場合
(ステップS4)において、当該割当要求が、既知のP
S、すなわち後述するステップS62において初めてテ
ーブルにPSIDが登録されるPSではなく、既に当該
テーブルにPSIDが登録されていたPSからの伝送チ
ャネルの割当要求であることが判定されれば(ステップ
S32)、当該CSのチャネル割当装置41は、自局の
あるタイムスロットの空き伝送チャネルを当該PSに割
当てる動作に入る。
【0161】まず、今回算出された受信応答ベクトル
と、後述するステップS62においてテーブルに保持さ
れている受信応答ベクトルとの平均値が算出される(ス
テップS63)。
【0162】ここで、あるタイムスロットの空き伝送チ
ャネルに当該PSを割当てようとする場合、既に同じタ
イムスロットの別の伝送チャネルに割当てられている他
のユーザのPSからの電波との間で干渉が生じないこ
と、すなわち2つのPSからの電波の到来方向が大きく
異なることを確認しなければならない。
【0163】このため、図4の受信信号ベクトルの相関
値計算機42により、接続を要求しているPSから受信
した信号のステップS63で平均化された受信応答ベク
トルと、既に同一タイムスロットに接続されている他の
ユーザのPSから受信した信号の受信応答ベクトルとの
相関値が計算される(ステップS7)。そして、相関値
が所定の値以下であれば、チャネル割当装置41は、2
つのPSの間の干渉による影響は小さいと判定して空き
伝送チャネルが有効に選択され(ステップS8)、自局
の伝送チャネルへのPSの割当が確立する(ステップS
9)。
【0164】一方、相関値が所定の値を超えれば、チャ
ネル割当装置は2つのPSの間の干渉による影響は大き
いと判定して空き伝送チャネルが有効に選択されず(ス
テップS8)、自局の伝送チャネルへのPSの割当が拒
否される(ステップS10)。
【0165】ステップS9で自局の伝送チャネルへのP
Sの割当が認められれば、またはステップS10で自局
の伝送チャネルへのPSの割当が認められなければ、プ
ログラムはステップS1に戻り、次のPSによるチャネ
ル割当イベントの発生を待つ。
【0166】一方、ステップS32において、既知のP
Sからの伝送チャネルの割当要求でないと判断される
と、ステップS61で一時的に保持された当該PSの識
別符号PSIDと算出された受信応答ベクトルとが、図
14に示すような構成のメモリテーブルに、PSIDに
受信応答ベクトルが対応付けられた形で保持される(ス
テップS62)。その後、プログラムはステップS1に
戻り、PSによる次のチャネル割当イベントの発生を待
つ。
【0167】次に、当該CSへの接続を希望している同
じPSからの上りSCCH信号の2回目の受信があれ
ば、チャネル割当イベントが発生し(ステップS1)、
ステップS60において受信応答ベクトルの計算を行な
い、ステップS61において一時的にメモリに保持す
る。
【0168】ステップS4〜S6の処理については説明
を省略し、ステップS32において当該接続を要求して
いるPSが既にテーブルに登録されている既知のPSで
あることが判断されるので、ステップS63に進み、受
信応答ベクトルの平均値が求められる。さらに、ステッ
プS7〜S10において受信応答ベクトルの相互相関値
に基づくチャネル割当の判定がなされる。
【0169】以上のように、図13に示した実施の形態
の処理手順によれば、接続を要求しているPSから1回
目に受けたSCCH信号に基づいて求められた受信応答
ベクトルをテーブルに保持し、次のチャネル割当イベン
ト発生時に同一PSから割当て要求があった場合に、算
出された受信応答ベクトルと、メモリテーブルに保持さ
れている受信応答ベクトルとを平均化しているので、受
信応答ベクトル自体を高精度に算出することができ、ひ
いては相互相関値に基づくパス多重の可否についてもよ
り正確に判断することが可能となる。
【0170】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0171】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、パス
多重接続を要求している新規ユーザからの1フレーム目
の受信信号に基づいてはその周波数オフセット値を算出
して記憶し、後続のフレームにおいて前記記憶された周
波数オフセット値を用いた補正により、精度の高い周波
数オフセット値を求めて受信応答ベクトルを算出するよ
うにしているので、周波数オフセットの影響を排除しつ
つ新規ユーザの接続の可否について高精度の判断を行な
うことが可能となる。
【0172】さらに、この発明によれば、パス多重接続
を要求している新規ユーザからの1フレーム目の受信信
号に基づいてはその受信応答ベクトルを算出して記憶
し、後続のフレームにおいて算出された受信応答ベクト
ルと、前記記憶された受信応答ベクトルとを平均化する
ことにより、精度の高い受信応答ベクトルを算出するよ
うにしているので、新規ユーザの接続の可否について高
精度の判断を行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 PDMA方式によるパス多重接続の態様を模
式的に説明する図である。
【図2】 PDMA方式における送信スロットの構成を
模式的に示す図である。
【図3】 PHSの信号フォーマットを模式的に示す図
である。
【図4】 PDMA方式の基地局の全体構成を示す機能
ブロック図である。
【図5】 従来のパス多重判定方法を示すフロー図であ
る。
【図6】 従来の周波数オフセット更新方法の前半の処
理を示すフロー図である。
【図7】 従来の周波数オフセット更新方法の後半の処
理を示すフロー図である。
【図8】 この発明の実施の形態によるパス多重判定方
法を示すフロー図である。
【図9】 この発明の実施の形態においてPSIDと周
波数オフセットを記憶するテーブルの形式を模式的に示
す図である。
【図10】 この発明の実施の形態による周波数オフセ
ット更新方法の前半の処理を示すフロー図である。
【図11】 この発明の実施の形態による周波数オフセ
ット更新方法の後半の処理を示すフロー図である。
【図12】 この発明の他の実施の形態による周波数オ
フセット更新方法を示すフロー図である。
【図13】 この発明の他の実施の形態によるパス多重
判定方法を示すフロー図である。
【図14】 この発明の実施の形態においてPSIDと
受信応答ベクトルを記憶するテーブルの形式を模式的に
示す図である。
【符号の説明】
1,2,3,4,5,6,7,8 PS、10,20
CS、11,21 通信可能範囲、31 アンテナ素
子、32 無線モジュール、33 A/DおよびD/A
コンバータ、34 オフセット値修正処理部、35 ア
ダプティブアレイ処理部、36 周波数オフセット推定
部、37 制御チャネル処理系システム、38 変復調
器、39 受信応答ベクトル計算機、40 メモリ、4
1 チャネル割当装置、42 相関値計算機、43 通
信チャネル処理系システム、44メモリ、45 受信応
答ベクトル計算機、46 変復調器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5K022 FF00 5K042 AA06 CA02 CA13 DA23 EA01 EA14 FA01 FA15 GA12 JA01 5K067 BB04 CC01 CC04 EE02 EE10 FF02 HH23 KK15

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の移動端末装置がパス多重接続する
    ことができる無線基地システムであって、 前記無線基地システムへのパス多重接続を要求している
    移動端末装置から受信した1フレームの受信信号中にお
    ける周波数オフセットを算出するオフセット算出手段
    と、 前記オフセット算出手段によって算出された周波数オフ
    セットを記憶する記憶手段とを備え、 前記オフセット算出手段は、前記記憶手段に記憶されて
    いる前記周波数オフセットに基づいて、前記移動端末装
    置から受信した後続の1フレームの受信信号中における
    周波数オフセットを補正し、 前記オフセット算出手段によって補正された後続の1フ
    レームの受信信号中における周波数オフセットに基づい
    て、前記無線基地システムへのパス多重接続を要求して
    いる移動端末装置から受信した信号の受信応答ベクトル
    を算出する受信応答ベクトル算出手段と、 前記パス多重接続を要求している移動端末装置の算出さ
    れた受信応答ベクトルと、前記無線基地システムに既に
    接続している他の移動端末装置の受信応答ベクトルとの
    相関値を算出する相関値算出手段と、 前記算出された相関値に基づいて前記無線基地システム
    へのパス多重接続を要求している移動端末装置のパス多
    重接続の可否を判定する判定手段とをさらに備えた、無
    線基地システム。
  2. 【請求項2】 前記オフセット算出手段は、 前記受信信号中における周波数オフセットを推定する手
    段と、 前記受信信号を前記推定された周波数オフセットで補正
    する手段と、 前記補正された受信信号をアダプティブアレイ処理して
    所望信号を抽出する手段と、 所定の参照信号と前記抽出された所望信号との誤差信号
    を算出する手段と、 前記参照信号と前記誤差信号とに基づいて前記推定され
    た周波数オフセットを更新する手段と、 前記受信信号が後続の1フレームの受信信号のときに、
    前記推定された周波数オフセットを前記記憶手段に記憶
    されている周波数オフセットで置換える手段とを含む、
    請求項1に記載の無線基地システム。
  3. 【請求項3】 前記オフセット算出手段は、 前記受信信号中における周波数オフセットを推定する手
    段と、 前記受信信号を前記推定された周波数オフセットで補正
    する手段と、 前記補正された受信信号をアダプティブアレイ処理して
    所望信号を抽出する手段と、 所定の参照信号と前記抽出された所望信号との誤差信号
    を算出する手段と、 前記参照信号と前記誤差信号とに基づいて前記推定され
    た周波数オフセットを更新する手段と、 前記受信信号が後続の1フレームの受信信号のときに、
    前記更新された周波数オフセットと前記記憶手段に記憶
    されている周波数オフセットとの平均をとる手段とを含
    む、請求項1に記載の無線基地システム。
  4. 【請求項4】 前記記憶手段は、前記複数の移動端末装
    置のそれぞれに対応して算出された周波数オフセットを
    記憶するテーブルを含む、請求項1から3のいずれかに
    記載の無線基地システム。
  5. 【請求項5】 前記オフセット算出手段は、前記受信し
    た1フレームの受信信号中の制御チャネル信号の周波数
    オフセットを算出する、請求項1から4のいずれかに記
    載の無線基地システム。
  6. 【請求項6】 複数の移動端末装置がパス多重接続する
    ことができる無線基地システムであって、 前記無線基地システムへのパス多重接続を要求している
    移動端末装置から受信した1フレームの受信信号中にお
    ける受信応答ベクトルを算出する受信応答ベクトル算出
    手段と、 前記受信応答ベクトル算出手段によって算出された受信
    応答ベクトルを記憶する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶されている前記受信応答ベクトル
    と、前記移動端末装置から受信した後続の1フレームの
    受信信号中における受信応答ベクトルとの平均をとる平
    均化手段と、 前記パス多重接続を要求している移動端末装置の平均化
    された受信応答ベクトルと、前記無線基地システムに既
    に接続している他の移動端末装置の受信応答ベクトルと
    の相関値を算出する相関値算出手段と、 前記算出された相関値に基づいて前記無線基地システム
    へのパス多重接続を要求している移動端末装置のパス多
    重接続の可否を判定する判定手段とを備えた、無線基地
    システム。
  7. 【請求項7】 前記記憶手段は、前記複数の移動端末装
    置のそれぞれに対応して算出された受信応答ベクトルを
    記憶するテーブルを含む、請求項6に記載の無線基地シ
    ステム。
  8. 【請求項8】 前記受信応答ベクトル算出手段は、前記
    受信した1フレームの受信信号中の制御チャネル信号の
    受信応答ベクトルを算出する、請求項6または7に記載
    の無線基地システム。
  9. 【請求項9】 複数の移動端末装置がパス多重接続する
    ことができる無線基地システムにおけるパス多重判定方
    法であって、 前記無線基地システムへのパス多重接続を要求している
    移動端末装置から受信した1フレームの受信信号中にお
    ける周波数オフセットを算出するステップと、 前記算出された周波数オフセットを記憶するステップ
    と、 前記記憶されている前記周波数オフセットに基づいて、
    前記移動端末装置から受信した後続の1フレームの受信
    信号中における周波数オフセットを補正するステップ
    と、 前記補正された後続の1フレームの受信信号中における
    周波数オフセットに基づいて、前記無線基地システムへ
    のパス多重接続を要求している移動端末装置から受信し
    た信号の受信応答ベクトルを算出するステップと、 前記パス多重接続を要求している移動端末装置の算出さ
    れた受信応答ベクトルと、前記無線基地システムに既に
    接続している他の移動端末装置の受信応答ベクトルとの
    相関値を算出するステップと、 前記算出された相関値に基づいて前記無線基地システム
    へのパス多重接続を要求している移動端末装置のパス多
    重接続の可否を判定するステップとを備えた、パス多重
    判定方法。
  10. 【請求項10】 前記周波数オフセットを算出するステ
    ップは、 前記受信信号中における周波数オフセットを推定するス
    テップと、 前記受信信号を前記推定された周波数オフセットで補正
    するステップと、 前記補正された受信信号をアダプティブアレイ処理して
    所望信号を抽出するステップと、 所定の参照信号と前記抽出された参照信号との誤差信号
    を算出するステップと、 前記参照信号と前記誤差信号とに基づいて前記推定され
    た周波数オフセットを更新するステップと、 前記受信信号が後続の1フレームの受信信号のときに、
    前記推定された周波数オフセットを前記記憶されている
    周波数オフセットで置換えるステップとを含む、請求項
    9に記載のパス多重判定方法。
  11. 【請求項11】 前記周波数オフセットを算出するステ
    ップは、 前記受信信号中における周波数オフセットを推定するス
    テップと、 前記受信信号を前記推定された周波数オフセットで補正
    するステップと、 前記補正された受信信号をアダプティブアレイ処理して
    所望信号を抽出するステップと、 所定の参照信号と前記抽出された参照信号との誤差信号
    を算出するステップと、 前記参照信号と前記誤差信号とに基づいて前記推定され
    た周波数オフセットを更新するステップと、 前記受信信号が後続の1フレームの受信信号のときに、
    前記更新された周波数オフセットと前記記憶されている
    周波数オフセットとの平均をとるステップとを含む、請
    求項9に記載のパス多重判定方法。
  12. 【請求項12】 前記周波数オフセットを記憶するステ
    ップは、前記複数の移動端末装置のそれぞれに対応して
    算出された周波数オフセットをテーブルに記憶するステ
    ップを含む、請求項9から11のいずれかに記載のパス
    多重判定方法。
  13. 【請求項13】 前記周波数オフセットを算出するステ
    ップは、前記受信した1フレームの受信信号中の制御チ
    ャネル信号の周波数オフセットを算出する、請求項9か
    ら12のいずれかに記載のパス多重判定方法。
  14. 【請求項14】 複数の移動端末装置がパス多重接続す
    ることができる無線基地システムにおけるパス多重判定
    方法であって、 前記無線基地システムへのパス多重接続を要求している
    移動端末装置から受信した1フレームの受信信号中にお
    ける受信応答ベクトルを算出するステップと、 前記算出された受信応答ベクトルを記憶するステップ
    と、 前記記憶されている前記受信応答ベクトルと、前記移動
    端末装置から受信した後続の1フレームの受信信号中に
    おける受信応答ベクトルとの平均をとるステップと、 前記パス多重接続を要求している移動端末装置の平均化
    された受信応答ベクトルと、前記無線基地システムに既
    に接続している他の移動端末装置の受信応答ベクトルと
    の相関値を算出するステップと、 前記算出された相関値に基づいて前記無線基地システム
    へのパス多重接続を要求している移動端末装置のパス多
    重接続の可否を判定するステップとを備えた、パス多重
    判定方法。
  15. 【請求項15】 前記受信応答ベクトルを記憶するステ
    ップは、前記複数の移動端末装置のそれぞれに対応して
    算出された受信応答ベクトルをテーブルに記憶するステ
    ップを含む、請求項14に記載のパス多重判定方法。
  16. 【請求項16】 前記受信応答ベクトルを算出するステ
    ップは、前記受信した1フレームの受信信号中の制御チ
    ャネル信号の受信応答ベクトルを算出する、請求項14
    または15に記載のパス多重判定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004073226A1 (ja) * 2003-02-12 2004-08-26 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 送信装置及び無線通信方法
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