JP2002076664A - 放熱装置および放熱装置を有する電子機器 - Google Patents

放熱装置および放熱装置を有する電子機器

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JP2002076664A
JP2002076664A JP2000258144A JP2000258144A JP2002076664A JP 2002076664 A JP2002076664 A JP 2002076664A JP 2000258144 A JP2000258144 A JP 2000258144A JP 2000258144 A JP2000258144 A JP 2000258144A JP 2002076664 A JP2002076664 A JP 2002076664A
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heat
joint
pipe
diffusion member
grease
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Junichi Ogasawara
順一 小笠原
Takashi Kayama
俊 香山
Toshio Hashimoto
寿雄 橋本
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機器の小型化及び薄型化を図ることができる
とともに、安価で放熱効果を格段に高めることができ
る。 【解決手段】 機器10に配置されて、機器10内の熱
発生部70からの熱を機器70の外部に放出するための
放熱装置30であり、一端部が熱発生部70と同位置に
配置されているヒートパイプ50と、ヒートパイプ50
と熱発生部70との間に配置されている熱拡散部材10
0と、ヒートパイプ50と熱拡散部材100との第1接
合部91と、熱拡散部材100と熱発生部70との第2
接合部92の少なくとも一方には、伝熱シート又はグリ
ースが配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器等に用い
られている電子素子等の熱発生部からの熱を、外部に放
出するための放熱装置および放熱装置を有する電子機器
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器として、たとえば携帯型のコン
ピュータや携帯型の情報端末等が登場してきている。こ
の種の電子機器は小型化及び薄型化の要求により、電子
機器の筐体の厚みは薄くなっておりしかも小型になって
いる。このことから筐体の中に収容される回路基板及び
電子素子の収容にはかなり工夫を必要とする。筐体の中
に収容されている電子素子として、たとえばCPU(中
央処理装置)は、動作時にかなりの発熱をするのである
が、電子素子から発生する熱は直接ヒートシンクに伝達
する構造になっている。ヒートシンクに伝達された熱
は、電子素子からかなり離れた位置にあるヒートパイプ
側に伝えられるとともに、ヒートパイプに伝わった熱は
ファンが発生する風により筐体の外部に排出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、電子機器
筐体内の電子素子として、例えば、CPU(中央処理装
置)から発せられた熱は、ヒートパイプから離れた位置
にあるヒートシンクに伝えられるため放熱効果を得にく
い構造となっている。
【0004】また、これに対し、ヒートパイプが伝熱シ
ートを介して直接電子素子に圧着されるような構造が提
案されている。この場合、放熱効果は、最初のケースに
比べかなり改善できる。ただし、電子素子からの発熱
は、素子全域が同じ温度になるように発熱するわけでな
く、局部的にあるポイントが高温になるケースが多い。
その場合、ある容積をもった物体に局所熱を一旦拡散さ
せ、それからヒートパイプで熱を輸送した方が効率が良
い。上記後者のケースでは、伝熱シートがそれに相当す
るが、伝熱シートは電子素子とヒートパイプとの密着性
を良くするために、シリコーンゴムやシリコーンゲル、
シリコーンエラストマーなどの軟質の材料が使われてお
り、電子素子やヒートパイプとの接触面積以上の形状を
得るのは困難であった。そこで本発明は上記課題を解消
し、機器の小型化及び薄型化を図ることができるととも
に、安価で放熱効果を格段に高めることができる放熱装
置及び放熱装置を有する電子機器を提供することを目的
としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、機器
に配置されて、前記機器内の熱発生部からの熱を前記機
器の外部に放出するための放熱装置であり、一端部が前
記熱発生部と同位置に配置されているヒートパイプと、
前記ヒートパイプと前記熱発生部との間に配置されてい
る熱拡散部材と、前記ヒートパイプと前記熱拡散部材と
の第1接合部と、前記熱拡散部材と前記熱発生部との第
2接合部の少なくとも一方には、伝熱シート又はグリー
スが配置されていることを特徴とする放熱装置である。
請求項1では、ヒートパイプの一端部が熱発生部と同位
置に配置されている。熱拡散部材は、ヒートパイプと熱
発生部との間に配置されている。ヒートパイプと熱拡散
部材との第1接合部と、熱拡散部材と熱発生部との第2
接合部の少なくとも一方には、伝熱シートが配置されて
いる。これにより、熱発生部から発生する熱、たとえば
熱発生部の局所的な熱は、一旦熱拡散部材により拡散さ
れた後に、拡散された熱はヒートパイプにより熱伝達さ
れる。そして第1接合部と第2接合部の少なくとも一方
には伝熱シート又はグリースが配置されていることか
ら、第1接合部と第2接合部の少なくとも一方は伝熱シ
ート又はグリースにより密着性を高めて熱伝達を効率よ
く行える。熱拡散部材がヒートパイプと熱発生部の間に
配置されていることから、放熱効果を格段に高めること
ができる。
【0006】請求項2の発明は、請求項1に記載の放熱
装置において、前記ヒートパイプと前記熱拡散部材との
第1接合部と、前記熱拡散部材と前記熱発生部との第2
接合部の両方に、前記伝熱シート又はグリースが配置さ
れている。請求項2では、第1接合部と第2接合部の両
方において、それぞれにおける密着性を高めて、高い熱
伝達効率を得ることができる。
【0007】請求項3の発明は、請求項1に記載の放熱
装置において、前記ヒートパイプと前記熱拡散部材との
第1接合部と、前記熱拡散部材と前記熱発生部との第2
接合部の一方には、前記伝熱シート又はグリースが配置
され、他方には熱伝導性の接着剤が塗布されている。請
求項3では、第1接合部と第2接合部の一方には伝熱シ
ート又はグリースが配置され、他方には熱伝導性の接着
剤が塗布されている。これにより第1接合部と第2接合
部において密着性を高めて高い熱の伝達効率を得ること
ができ、第1接合部又は第2接合部の一方の接着剤によ
り確実に固定できる。
【0008】請求項4の発明は、請求項1に記載の放熱
装置において、前記熱拡散部材の面積は、前記ヒートパ
イプと前記熱発生部との第2接合部の接触面積より大き
く設定されている。請求項4では、熱拡散部材の面積
が、ヒートパイプと熱発生部との第2接合部の接触面積
より大きく設定されていることから、たとえば熱発生部
の局所熱を一旦拡散させてからヒートパイプにより熱を
輸送でき、高い放熱効率を得ることができる。
【0009】請求項5の発明は、電子機器に配置され
て、前記電子機器内の熱発生部からの熱を前記電子機器
の外部に放出するための放熱装置を有する電子機器であ
り、前記放熱装置は、一端部が前記熱発生部と同位置に
配置されているヒートパイプと、前記ヒートパイプと前
記熱発生部との間に配置されている熱拡散部材と、前記
ヒートパイプと前記熱拡散部材との第1接合部と、前記
熱拡散部材と前記熱発生部との第2接合部の少なくとも
一方には、伝熱シート又はグリースが配置されているこ
とを特徴とする放熱装置を有する電子機器である。請求
項5では、ヒートパイプの一端部が熱発生部と同位置に
配置されている。熱拡散部材は、ヒートパイプと熱発生
部との間に配置されている。ヒートパイプと熱拡散部材
との第1接合部と、熱拡散部材と熱発生部との第2接合
部の少なくとも一方には、伝熱シートが配置されてい
る。これにより、熱発生部から発生する熱は、一旦熱拡
散部材により拡散された後に、拡散された熱はヒートパ
イプにより熱伝達される。そして第1接合部と第2接合
部の少なくとも一方には伝熱シート又はグリースが配置
されていることから、第1接合部と第2接合部の少なく
とも一方は伝熱シート又はグリースにより密着性を高め
て熱伝達を効率よく行える。熱拡散部材がヒートパイプ
と熱発生部の間に配置されていることから、放熱効果を
格段に高めることができる。
【0010】請求項6の発明は、請求項5に記載の放熱
装置を有する電子機器において、前記ヒートパイプと前
記熱拡散部材との第1接合部と、前記熱拡散部材と前記
熱発生部との第2接合部の両方に、前記伝熱シート又は
グリースが配置されている。請求項6では、第1接合部
と第2接合部の両方に伝熱シート又はグリースが配置さ
れており、第1接合部と第2接合部の両方において、そ
れぞれにおける密着性を高めて、高い熱伝達効率を得る
ことができる。
【0011】請求項7の発明は、請求項5に記載の放熱
装置を有する電子機器において、前記ヒートパイプと前
記熱拡散部材との第1接合部と、前記熱拡散部材と前記
熱発生部との第2接合部の一方には、前記伝熱シート又
はグリースが配置され、他方には熱伝導性の接着剤が塗
布されている。請求項7では、第1接合部と第2接合部
の一方には伝熱シート又はグリースが配置され、他方に
は熱伝導性の接着剤が塗布されている。これにより第1
接合部と第2接合部において密着性を高めて高い熱の伝
達効率を得ることができ、第1接合部又は第2接合部の
一方の接着剤により確実に固定できる。
【0012】請求項8の発明は、請求項5に記載の放熱
装置を有する電子機器において、前記熱拡散部材の面積
は、前記ヒートパイプと前記熱発生部との第2接合部の
接触面積より大きく設定されている。請求項8では、熱
拡散部材の面積が、ヒートパイプと熱発生部との第2接
合部の接触面積より大きく設定されていることから、た
とえば熱発生部の局所熱を一旦拡散させてからヒートパ
イプにより熱を輸送でき、高い放熱効率を得ることがで
きる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述
べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、
技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明
の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨
の記載がない限り、これらの形態に限られるものではな
い。
【0014】図1は、本発明の放熱装置を有する電子機
器の好ましい実施の形態を示している。この電子機器1
0は、いわゆる携帯型のパーソナルコンピュータであ
る。電子機器10は、本体12と表示部14を有してい
る。表示部14は、たとえば液晶表示装置を使用するこ
とができる。本体12と表示部14は、ヒンジ18によ
り連結されており、表示部14は本体12に対して開閉
することができる。本体12は、キーボードのような入
力装置16と筐体20を有している。入力装置16は複
数のキー19等を有している。
【0015】図1の筐体20の中には、本発明の実施の
形態の放熱装置30やその他回路基板等が内蔵されてい
る。図2は、図1の放熱装置30の好ましい実施の形態
を示す図である。図1と図2において筐体20の一部分
にははき出し口32を有している。このはき出し口32
に対応して、放熱装置30が配置されている。放熱装置
30は、概略的にはヒートシンク40、熱伝達素子の一
種であるヒートパイプ50、空気移動部60等を有して
いる。ヒートシンク40は、図1の筐体20の中に固定
されているたとえば長方形状の金属板である。このヒー
トシンク40は、たとえば銅やアルミニウムにより作る
ことができるが、放熱性の高い材料であれば特にこだわ
らない。ヒートシンク40の一端部の裏面には、回路基
板側の熱発生部としての電子素子の一例であるCPU
(中央処理装置)70が位置している。
【0016】ヒートパイプ50は、ヒートシンク40の
裏面に対して密着しており、ヒートパイプ50の一端部
50AはCPU70と同位置にあり、ヒートパイプ50
は屈曲部及び1/4円周部50B,50C,50D及び
他端部50Eを有している。他端部50Eは、はき出し
口32側に位置している。この他端部50Eには放熱フ
ィンブロック200が熱的に結合している。これにより
ヒートパイプ50の一端部50AはCPU70から直接
受熱できる。ヒートシンク40の中間位置であって、は
き出し口32に近い位置には、穴42を有している。こ
の穴42に対面する位置には、空気移動部60のファン
80が配置されている。このファン80はモータ82に
より連続回転して空気を移動させるようになっている。
【0017】図3は、図2のE−Eにおける断面であ
り、キー19、ヒートシンク40、ヒートパイプ50、
CPU70等の付近を示す。図3において、キー19を
有する入力装置16と、筐体20の裏板20Aの間に
は、ヒートシンク40、ヒートパイプ50、ヒートスプ
レッダ(熱拡散部材に相当する)100、CPU70お
よびメインの回路基板90等が配置されている。ヒート
パイプ50の一端部50Aは、回路基板90のCPU7
0に対応して同位置に位置している。ヒートパイプ50
の一端部50Aと熱発生部であるCPU70の間には、
熱拡散部材であるヒートスプレッダ100が配置されて
いる。
【0018】図3の実施の形態では、ヒートパイプ50
はヒートシンク40の下面40Fに密着して配置されて
いる。ヒートパイプ50の一端部50Aとヒートスプレ
ッダ100との第1接合部91には、介在部材200A
が配置されている。同様にしてヒートスプレッダ100
とCPU70の間の第2接合部92にも、介在部材20
0Bが配置されている。これらの介在部材200A,2
00Bの材質としては、図6に示すような組み合わせを
採用することができる。
【0019】図4は図3のヒートパイプ50の一端部5
0A、ヒートスプレッダ100およびCPU70を示す
平面図である。図5は図4のA−Aにおける断面構造例
である。図3と図5で示すように、ヒートスプレッダ1
00の表面積は、熱拡散作用を大きくするために、CP
U70、介在部材200A,200Bの面積よりもかな
り大きく設定されている。つまり、ヒートスプレッダ1
00の表面積は、第1接合部91と第2接合部92の面
積よりも大きい。図3と図5における第1接合部91の
介在部材200Aと第2接合部92の介在部材200B
の組み合わせは、図6のようなものを選択することがで
きる。
【0020】図6の実施形態(1)では、介在部材20
0Aとしてはグリースまたは伝熱シートを用いることが
できる。介在部材200Bとしてはグリースまたは伝熱
シートを採用することができる。図6の実施形態(2)
では、介在部材200Aは接着剤であり、介在部材20
0Bはグリースまたは伝熱シートを採用している。図6
の実施形態(3)では、介在部材200Aはグリースま
たは伝熱シートを採用しており、介在部材200Bは接
着剤である。このように、第1接合部91の介在部材2
00Aと第2接合部92の介在部材200Bの少なくと
も一方には、伝熱シートまたはグリースが採用されてい
る。そしてグリースまたは伝熱シートを用いない第1接
合部91または第2接合部92では、介在部材として接
着剤を用いている。
【0021】ヒートパイプ50の材質は、たとえば上述
したように銅やアルミニウム等の熱伝導性に優れた材質
を用いることができる。ヒートスプレッダ100の材質
としては、熱伝導性のよいものとして、たとえば銅やア
ルミニウム等の各種金属や、セラミックたとえばアルミ
ナ(Al2 3)と窒化ケイ素(Si3 4 )や、Si
C含有のアルミニウム合金等が採用できる。
【0022】上述した伝熱シートやグリースあるいは接
着剤は、図3の第1接合部91と第2接合部92におけ
る剛体同士の接触面の密着性を良好にするためのもので
ある。ヒートパイプ50の一端部50Aとヒートスプレ
ッダ100の第1接合部91と、ヒートスプレッダ10
0とCPU70の第2接合部92は、互いに剛体同士の
接触であり、ある表面粗度を持つために、界面に空気が
入り込むことがあり、介在部材を用いないと熱の伝達効
率が損なわれる。従って、第1接合部91と第2接合部
92には、密着性をよくするために、高熱伝導性を有す
るグリースを塗布したりあるいは伝熱シートを挟み込む
構造としている。しかも伝熱シートやグリースを配置し
ない場合には、その代わりに高伝導性の接着剤を用い
て、たとえば図6の実施形態(2)ではヒートパイプ5
0とヒートスプレッダ100を接着剤で固定している。
図6の実施形態(3)では、ヒートスプレッダ100と
CPU70を接着剤で固定している。
【0023】伝熱シートについては、熱抵抗を抑えるた
めに、その伝熱シートの厚みは、たとえば0.3mm以
下である。伝熱シートとしては、たとえば住友スリーエ
ム株式会社製の#5507や電気化学工業株式会社製の
FSB−A等が採用できる。グリースは、たとえばその
塗布方法としてエアーを使用したディスペンサーを使用
して、一定量が塗布できるようにし、量的には空気が入
り込まない程度の塗布厚みの範囲でなるべく薄く塗るよ
うにする。またグリースに含まれるオイルの漏れを考慮
して、離油度は、たとえば150℃/24時間の条件下
で、0.01%以下の材料とする。グリースとしては、
たとえば信越化学工業株式会社製のG750(熱伝導率
3.5W/m・K)やG765(熱伝導率2.89W/
m・K)、あるいはG751(熱伝導率4.5W/m・
K)等が挙げられる。
【0024】接着剤は、図6の実施形態(2)に示すよ
うに、図3のヒートパイプ50とヒートスプレッダ10
0を一体に固定したり、あるいは図6の実施形態(3)
に示すように、図3のヒートスプレッダ100とCPU
70を一体的に構成する場合に用いられる。接着剤とし
ては、高熱伝導性の接着剤であり、たとえば住友ベーク
ライト株式会社製のCRM1025PやABLESTI
Kの84−3等を使用することができる。
【0025】図3のCPU70とヒートスプレッダ10
0を接着剤で接着した場合には、ヒートパイプ50とヒ
ートスプレッダ100は接着剤を用いずに、上述したグ
リースや伝熱シートを用いて可動自在な構造を採用して
もよい。図3と図5に示すヒートスプレッダ100は、
CPU70が発生する熱を一旦拡散させる役割がある。
このためにヒートスプレッダ100は、ある程度の容積
が必要となるが、電子機器の薄型化および小型化に伴
い、放熱装置自体も厚み方向Wに制約を受けるために、
厚みは薄くする必要があるので、ヒートスプレッダ10
0の平面での面積は、CPU70とヒートパイプ50の
接触面積よりも大きく設定されており、これによりCP
U70の局所熱を一旦拡散させてヒートパイプに伝え
て、ヒートパイプにより熱を輸送する方が効率が良い。
ヒートスプレッダ100の形状としては平板状もしくは
その他の形状のものも勿論採用することができる。
【0026】図12は、本発明の実施の形態で使用され
ているヒートパイプの動作例を示しており、ヒートパイ
プ50は、容器140を有している。この容器140の
中には作動液160が収容されている。この作動液16
0は、加熱部170において加熱されると蒸気流180
となって冷却部190側に移動する。加熱部170は、
たとえば図5の例ではヒートパイプ50の一端部50A
である。容器140は密封された容器であり、通常は金
属パイプを用いていて、その内部は真空になっている。
作動液としては純水やフロン等の液体である。作動液1
60は加熱部170で加熱され、容器140の他端部が
冷却部190になっていると、容器140の中の作動液
160は、沸騰、蒸気流180の移動、凝縮及び還流の
サイクルを生じて、潜熱のやり取りを通じて熱が移送さ
れる。
【0027】次に、上述した放熱装置30の動作例につ
いて説明する。図1の電子機器10の表示部14が本体
12側から開かれて、電子機器10を動作させると、図
2のモータ82がファン80を回転させる。図3のメイ
ンの回路基板90のCPU70が作動して発熱すると、
CPU70が発生する熱は介在部材200Bを介してヒ
ートスプレッダ100に直接伝達される。ヒートスプレ
ッダ100は、この熱を一旦拡散して、その後介在部材
200Aを介してヒートパイプ50にその熱を伝達す
る。
【0028】ヒートスプレッダ100を図3の矢印Rか
ら見た面積は、CPU70とヒートパイプ50が対面す
る面積よりもかなり大きく設定されているので、ヒート
スプレッダ100は効率よく熱拡散することができる。
しかもヒートスプレッダ100は、厚み方向Wとは直交
する水平方向Hに関して広く設定することができるの
で、厚みWを大きくする必要がなく、電子機器と放熱装
置30のの小型化および薄型化を図ることができる。ヒ
ートパイプ50に伝達された熱は、ヒートパイプ50を
介して図2の放熱フィンブロックに伝達される。ファン
80が回転することにより空気がR2の方向に移動して
いるので、放熱フィンブロック200には空気の流れが
生じ、これによりヒートパイプ50の他端部50Eに伝
わった熱は、筐体20のはき出し口32から外部にR2
の方向に効率よく放出される。
【0029】図7は、本発明の放熱装置の別の実施の形
態を示している。図7の放熱装置30においては、ヒー
トパイプ50がヒートスプレッダ100の凹部101に
収容されている。従ってヒートスプレッダ100は、ほ
ぼU字型の断面形状を有している。ヒートパイプ50と
凹部101との間には介在部材200Aが配置されてい
る。またCPU70とヒートスプレッダ100の間には
介在部材200Bが配置されている。
【0030】図8と図9は本発明のさらに別の実施の形
態を示している。図8の実施の形態では、ヒートスプレ
ッダ100の凹部102の中にヒートパイプ50の一端
部50Aがはめ込まれている。図9の実施の形態では、
ヒートパイプ50はヒートスプレッダ100の凹部10
3にはめ込まれており、ヒートパイプ50の一端部50
Aはヒートスプレッダ100から飛び出している。
【0031】図10は、図8の実施の形態におけるB−
B線における断面図および図9のC−Cにおける断面図
を示している。ヒートスプレッダ100の凹部102ま
たは103と、ヒートパイプ50の間には介在部材20
0Aが配置されている。CPU70とヒートスプレッダ
100の外面の間には介在部材200Bが配置されてい
る。
【0032】図11は、図3の放熱装置30における熱
抵抗実測値の例を示している。熱抵抗値は次のように表
わすことができる。 熱抵抗値:Hr(℃/W) Hr=(T1−T2)/Q ここで、 T1:素子温度 T2:周囲温度(測定環境温度) Q :電子素子より発生した熱量W
【0033】図11(A)は、熱源であるCPUに対し
てヒートパイプが直接配置されている例である。ヒート
スプレッダを有している本発明の実施の形態では、G7
50と呼ばれるシリコーンオイル含油グリースを用いて
いる。このグリースは、図3の第1接合部91の介在部
材200Aと第2接合部92の介在部材200Bの両方
あるいはその一方として用いている。この場合のヒート
スプレッダ100の材質と厚みは、たとえばCu(厚み
が0.6mm)や、Al+SiC(厚みが0.6m
m)、あるいはアルミニウム(厚みが0.6mm)や、
Fe(厚みが0.6mm)である。その時のそれぞれの
熱抵抗値は2.67,2.72,2.81および2.8
8である。
【0034】これに対して、図11(B)および(C)
は、従来例を示している。図11(B)は、図13の従
来例である比較例における熱抵抗実測値を示しており、
図11(C)は、図14の従来例である比較例における
熱抵抗実測値を示している。図13の比較例では、図1
1(B)に示すようにヒートスプレッダは存在せず、ヒ
ートシンク1000と発熱素子1001の間に伝熱シー
ト1002が配置されている。このように伝熱シート1
002を用いる場合には、熱抵抗値は3.26である。
伝熱シートに代えて図13においてグリースを用いる場
合には熱抵抗値は3.01である。
【0035】図11(C)は、図14に示す比較例に対
応しており、ヒートパイプ1010と発熱素子1011
の間には、伝熱シート1020が配置されている。この
場合には熱抵抗値は4.90となってしまう。このよう
に図11で明らかな様に、本発明の実施の形態のように
ヒートスプレッダを用いかつグリースまたは伝熱シート
を用いることで、熱抵抗値の値は、図11(B)および
(C)のような従来例に比べて大幅に下げることができ
る。熱抵抗値が小さくなるということは、熱伝達率を向
上することができるということである。
【0036】本発明では、ヒートパイプの片端部が、熱
源である電子素子と同位置に配置されており且つ、ヒー
トパイプと電子素子の間にヒートスプレッダが介在し、
ヒートスプレッダとヒートパイプの接合面、及び、ヒー
トスプレッダと電子素子の接合面に高熱伝導性のグリー
スが塗布されるか、あるいは伝熱シートがはさまれてい
る。
【0037】ヒートパイプとヒートスプレッダの接合面
に、グリースあるいは伝熱シートの代わりに高熱伝導性
の接着剤が塗布され、両者が固定されている。ヒートス
プレッダと電子素子の接合面に、グリースあるいは伝熱
シートの代わりに高熱伝導性の接着剤が塗布され、両者
が固定されている。本発明では、放熱装置及び電子機器
の小型、安価、薄型を維持しながら放熱効果を格段に高
めることができる。
【0038】ところで本発明は上記実施の形態に限定さ
れるものではない。上述した実施の形態では放熱装置が
装着される電子機器として、携帯型のパーソナルコンピ
ュータの例を示しているが、これに限らず携帯型の情報
端末や、ゲーム機器、電話、ビデオカメラ等を含むもの
である。また発熱する熱発生部である電子素子として
は、CPUに限らず、パワートランジスタやモータのド
ライバーIC等にも適用できる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
機器の小型化及び薄型化を図ることができるとともに、
安価で放熱効果を格段に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放熱装置を有する電子機器の一例を示
す斜視図。
【図2】図1の電子機器の放熱装置の構造を示す平面
図。
【図3】図2の放熱装置の構造の主要部分を示す断面
図。
【図4】図3の放熱装置の平面図。
【図5】図4のA−Aにおける断面図。
【図6】図3における介在部材の材質の組み合わせ例を
示す図。
【図7】本発明の放熱装置の別の実施の形態を示す図。
【図8】本発明のさらに別の実施の形態を示す図。
【図9】本発明の放熱装置のさらに別の実施の形態を示
す図。
【図10】図8のB−Bおよび図9のC−Cにおける断
面図。
【図11】熱抵抗実測値の例を示す図。
【図12】ヒートパイプの構造例を示す図。
【図13】従来の放熱装置を示す図。
【図14】従来の別の放熱装置を示す図。
【符号の説明】
10・・・電子機器、30・・・放熱装置、50・・・
ヒートパイプ(熱伝達素子の一種)、70・・・CPU
(熱発生部)、91・・・第1接合部、92・・・第2
接合部、100・・・ヒートスプレッダ(熱拡散部
材)、200A,200B・・・介在部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 寿雄 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 3L044 AA04 BA03 CA12 DB03 EA03 5E322 AB06 DB10 EA11 FA04 FA06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機器に配置されて、前記機器内の熱発生
    部からの熱を前記機器の外部に放出するための放熱装置
    であり、 一端部が前記熱発生部と同位置に配置されているヒート
    パイプと、 前記ヒートパイプと前記熱発生部との間に配置されてい
    る熱拡散部材と、 前記ヒートパイプと前記熱拡散部材との第1接合部と、
    前記熱拡散部材と前記熱発生部との第2接合部の少なく
    とも一方には、伝熱シート又はグリースが配置されてい
    ることを特徴とする放熱装置。
  2. 【請求項2】 前記ヒートパイプと前記熱拡散部材との
    第1接合部と、前記熱拡散部材と前記熱発生部との第2
    接合部の両方に、前記伝熱シート又はグリースが配置さ
    れている請求項1に記載の放熱装置。
  3. 【請求項3】 前記ヒートパイプと前記熱拡散部材との
    第1接合部と、前記熱拡散部材と前記熱発生部との第2
    接合部の一方には、前記伝熱シート又はグリースが配置
    され、他方には熱伝導性の接着剤が塗布されている請求
    項1に記載の放熱装置。
  4. 【請求項4】 前記熱拡散部材の面積は、前記ヒートパ
    イプと前記熱発生部との第2接合部の接触面積より大き
    く設定されている請求項1に記載の放熱装置。
  5. 【請求項5】 電子機器に配置されて、前記電子機器内
    の熱発生部からの熱を前記電子機器の外部に放出するた
    めの放熱装置を有する電子機器であり、前記放熱装置
    は、 一端部が前記熱発生部と同位置に配置されているヒート
    パイプと、 前記ヒートパイプと前記熱発生部との間に配置されてい
    る熱拡散部材と、 前記ヒートパイプと前記熱拡散部材との第1接合部と、
    前記熱拡散部材と前記熱発生部との第2接合部の少なく
    とも一方には、伝熱シート又はグリースが配置されてい
    ることを特徴とする放熱装置を有する電子機器。
  6. 【請求項6】 前記ヒートパイプと前記熱拡散部材との
    第1接合部と、前記熱拡散部材と前記熱発生部との第2
    接合部の両方に、前記伝熱シート又はグリースが配置さ
    れている請求項5に記載の放熱装置を有する電子機器。
  7. 【請求項7】 前記ヒートパイプと前記熱拡散部材との
    第1接合部と、前記熱拡散部材と前記熱発生部との第2
    接合部の一方には、前記伝熱シート又はグリースが配置
    され、他方には熱伝導性の接着剤が塗布されている請求
    項5に記載の放熱装置を有する電子機器。
  8. 【請求項8】 前記熱拡散部材の面積は、前記ヒートパ
    イプと前記熱発生部との第2接合部の接触面積より大き
    く設定されている請求項5に記載の放熱装置を有する電
    子機器。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010539701A (ja) * 2007-09-17 2010-12-16 アナトリエヴィチ ポミトキン,ワディム ヒートパイプ冷却器及び水冷却器用熱スプレッダ
US7898798B2 (en) 2007-11-29 2011-03-01 Sony Corporation Heat dissipating structure for electronic component and display device
US7924560B2 (en) 2007-05-23 2011-04-12 Sony Corporation Display device
WO2012008398A1 (ja) * 2010-07-16 2012-01-19 シャープ株式会社 電子機器および表示装置

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