JP2002074625A - 低抵抗タンタル薄膜の製造方法及び薄膜磁気ヘッド並びに磁気記録再生装置 - Google Patents
低抵抗タンタル薄膜の製造方法及び薄膜磁気ヘッド並びに磁気記録再生装置Info
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Landscapes
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- Hall/Mr Elements (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Electrodes Of Semiconductors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 絶縁基板上にシード層とタンタル膜とを順次
積層して形成するための、スパッタリングの成膜レート
が早く、しかも比抵抗分布の良い低抵抗タンタル薄膜を
得ることが可能な、低抵抗タンタル薄膜の製造方法を提
供する。 【解決手段】 イオンビームスパッタ法を用いてシード
層であるクロム薄膜2と、副キャリア層であるタンタル
薄膜3を形成し、マグネトロンスパッタ法を用いて主キ
ャリア層であるタンタル薄膜4を形成する。
積層して形成するための、スパッタリングの成膜レート
が早く、しかも比抵抗分布の良い低抵抗タンタル薄膜を
得ることが可能な、低抵抗タンタル薄膜の製造方法を提
供する。 【解決手段】 イオンビームスパッタ法を用いてシード
層であるクロム薄膜2と、副キャリア層であるタンタル
薄膜3を形成し、マグネトロンスパッタ法を用いて主キ
ャリア層であるタンタル薄膜4を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁基板上にシー
ド層とタンタル膜とを順次スパッタリングにより積層し
て形成する低抵抗タンタル薄膜の製造方法に関する。特
に、磁気抵抗効果形薄膜磁気ヘッドに用いられる低抵抗
の電極リード層に適した低抵抗タンタル薄膜の製造方法
に関する。
ド層とタンタル膜とを順次スパッタリングにより積層し
て形成する低抵抗タンタル薄膜の製造方法に関する。特
に、磁気抵抗効果形薄膜磁気ヘッドに用いられる低抵抗
の電極リード層に適した低抵抗タンタル薄膜の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】タンタル膜の結晶にはα相とβ相があ
る。α相のタンタルは体心立方の相のタンタルであっ
て、12〜20μΩ・cmの比抵抗値を有する。一方、β相の
タンタルは、正方相のタンタルであって、その比抵抗値
は約200μΩ・cmであり、α−タンタルに比べて一桁高
くなる。したがって、タンタルを配線やリード端子の構
成材料に使用する場合には、そのタンタル結晶をβ相に
するよりもα相とすることが望ましい。
る。α相のタンタルは体心立方の相のタンタルであっ
て、12〜20μΩ・cmの比抵抗値を有する。一方、β相の
タンタルは、正方相のタンタルであって、その比抵抗値
は約200μΩ・cmであり、α−タンタルに比べて一桁高
くなる。したがって、タンタルを配線やリード端子の構
成材料に使用する場合には、そのタンタル結晶をβ相に
するよりもα相とすることが望ましい。
【0003】従来、低抵抗のα−タンタルを形成する方
法として、例えば、特開平5-258247号公報及び特開平5-
289091号公報に開示されているように、クロム、タング
ステン等の立方晶系の構造を持つシード層、あるいは窒
素濃度が7〜13atm%または33atm%以上の窒化タンタル
のシード層を用いて電極を形成する方法が考案されてい
る。
法として、例えば、特開平5-258247号公報及び特開平5-
289091号公報に開示されているように、クロム、タング
ステン等の立方晶系の構造を持つシード層、あるいは窒
素濃度が7〜13atm%または33atm%以上の窒化タンタル
のシード層を用いて電極を形成する方法が考案されてい
る。
【0004】また、低抵抗のタンタル配線あるいは電極
を得る方法として、窒化タンタルの膜質を結晶質とし、
その構造が六方格子で、且つ、その窒素濃度と結晶配向
が、x=1で(110)、x=0.8で(100)、およびx=0.43で
(111)である状態から選んだ少なくとも1つを含むよ
うにすることが、特開平8-325721号公報に開示されてい
る。それにより、窒化タンタル薄膜の膜厚が300オング
ストローム(30nm)で、約20μΩ・cmの比抵抗値になる
ことがデータとして記載されている。
を得る方法として、窒化タンタルの膜質を結晶質とし、
その構造が六方格子で、且つ、その窒素濃度と結晶配向
が、x=1で(110)、x=0.8で(100)、およびx=0.43で
(111)である状態から選んだ少なくとも1つを含むよ
うにすることが、特開平8-325721号公報に開示されてい
る。それにより、窒化タンタル薄膜の膜厚が300オング
ストローム(30nm)で、約20μΩ・cmの比抵抗値になる
ことがデータとして記載されている。
【0005】また、特開平5-48097号公報には、窒化タ
ンタル薄膜の膜厚を数10オングストローム〜数100オン
グストロームとした場合に、タンタル薄膜の比抵抗値は
約20μΩ・cmとなることが記載されている。
ンタル薄膜の膜厚を数10オングストローム〜数100オン
グストロームとした場合に、タンタル薄膜の比抵抗値は
約20μΩ・cmとなることが記載されている。
【0006】ここで、窒化タンタル薄膜上のタンタル薄
膜の比抵抗値が下がる理由としては、前述の特開平5-48
097号公報には、上層のタンタル薄膜が、エピタキシャ
ル成長により下層の窒化タンタル薄膜と同じα相である
体心立方格子構造になり、且つ、不純物を含まないため
であることが記載されている。
膜の比抵抗値が下がる理由としては、前述の特開平5-48
097号公報には、上層のタンタル薄膜が、エピタキシャ
ル成長により下層の窒化タンタル薄膜と同じα相である
体心立方格子構造になり、且つ、不純物を含まないため
であることが記載されている。
【0007】また、特開平11-120525号公報には、シー
ド層として、bcc結晶構造からなるモリブデン、タング
ステン、クロム、バナジウム、ニオブ、ハフニウムから
なる元素グループから選ばれた少なくとも一種の元素が
好ましいことが記載されている。
ド層として、bcc結晶構造からなるモリブデン、タング
ステン、クロム、バナジウム、ニオブ、ハフニウムから
なる元素グループから選ばれた少なくとも一種の元素が
好ましいことが記載されている。
【0008】ここで、α相のタンタル膜の比抵抗が変化
する要因として、前述の特開平11-120525号公報では、
平均結晶粒径を挙げており、タンタル膜の平均結晶粒径
を12nm以上にすることにより、その比抵抗値を40μΩ・c
m以下にできることが記載されている。
する要因として、前述の特開平11-120525号公報では、
平均結晶粒径を挙げており、タンタル膜の平均結晶粒径
を12nm以上にすることにより、その比抵抗値を40μΩ・c
m以下にできることが記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】特開平5-258247号公報
に記載の方法で導電性リード層を形成する場合、シード
層形成後、基板を大気に曝すことなしに、真空中で連続
してタンタル膜を成膜する必要がある。なぜなら、シー
ド層表面に残留ガスなどの不純物が付着すると、その不
純物によりエピタキシャル成長が妨げられ、比抵抗値の
高いβ−タンタルが成長するためである。
に記載の方法で導電性リード層を形成する場合、シード
層形成後、基板を大気に曝すことなしに、真空中で連続
してタンタル膜を成膜する必要がある。なぜなら、シー
ド層表面に残留ガスなどの不純物が付着すると、その不
純物によりエピタキシャル成長が妨げられ、比抵抗値の
高いβ−タンタルが成長するためである。
【0010】従って、α−タンタルを成長させるために
は、シード層とタンタル膜を真空中で連続成膜できる、
イオンビームスパッタ装置またはマグネトロンスパッタ
装置を用いて成膜を行う必要がある。
は、シード層とタンタル膜を真空中で連続成膜できる、
イオンビームスパッタ装置またはマグネトロンスパッタ
装置を用いて成膜を行う必要がある。
【0011】しかしながら、イオンビームスパッタ装置
では各膜の成膜レートが遅いため、生産性の面で問題が
ある。
では各膜の成膜レートが遅いため、生産性の面で問題が
ある。
【0012】また、マグネトロンスパッタ装置によれ
ば、イオンビームスパッタ装置の10倍程度の成膜レー
トが得られるが、基板内での比抵抗分布が悪いことか
ら、歩留まりの安定性が低く量産性に向かない。
ば、イオンビームスパッタ装置の10倍程度の成膜レー
トが得られるが、基板内での比抵抗分布が悪いことか
ら、歩留まりの安定性が低く量産性に向かない。
【0013】従って、本発明の目的は、上記問題点を解
消し、絶縁基板上にシード層とタンタル膜とを順次積層
して形成するための、スパッタリングの成膜レートが早
く、しかも比抵抗分布の良い低抵抗タンタル薄膜を得る
ことが可能な、低抵抗タンタル薄膜の製造方法を提供す
ることである。
消し、絶縁基板上にシード層とタンタル膜とを順次積層
して形成するための、スパッタリングの成膜レートが早
く、しかも比抵抗分布の良い低抵抗タンタル薄膜を得る
ことが可能な、低抵抗タンタル薄膜の製造方法を提供す
ることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の低抵抗タンタル
薄膜の製造方法は、絶縁基板上にシード層とタンタル膜
とを順次スパッタリングにより積層して形成する方法を
前提とし、以下の工程により真空中で連続成膜を行う。
薄膜の製造方法は、絶縁基板上にシード層とタンタル膜
とを順次スパッタリングにより積層して形成する方法を
前提とし、以下の工程により真空中で連続成膜を行う。
【0015】まずシード層であるクロム膜をイオンビー
ムスパッタ法によって形成し、更にクロム膜上に、副キ
ャリア層であるタンタル膜をイオンビームスパッタ法に
よって形成する。次に、副キャリア層であるタンタル膜
上に主キャリア層であるタンタル膜をマグネトロンスパ
ッタ法よって形成する。
ムスパッタ法によって形成し、更にクロム膜上に、副キ
ャリア層であるタンタル膜をイオンビームスパッタ法に
よって形成する。次に、副キャリア層であるタンタル膜
上に主キャリア層であるタンタル膜をマグネトロンスパ
ッタ法よって形成する。
【0016】この方法によれば、副キャリア層としての
タンタル膜を含むシード層をイオンビームスパッタ装置
を用いて形成することにより、比抵抗分布が良く、配向
性の高いシード層を得ることができる。また、シード層
上に、マグネトロンスパッタ装置を用いてタンタルを成
長させることにより、早い成膜レートでα相のタンタル
を形成することができる。α相のタンタル層は低抵抗で
あり、その下のシード層は比抵抗分布、膜厚分布が良い
ことから、積層したときの分布も向上する。
タンタル膜を含むシード層をイオンビームスパッタ装置
を用いて形成することにより、比抵抗分布が良く、配向
性の高いシード層を得ることができる。また、シード層
上に、マグネトロンスパッタ装置を用いてタンタルを成
長させることにより、早い成膜レートでα相のタンタル
を形成することができる。α相のタンタル層は低抵抗で
あり、その下のシード層は比抵抗分布、膜厚分布が良い
ことから、積層したときの分布も向上する。
【0017】これらの三層構造の薄膜は低抵抗であっ
て、しかも分布の良いことから歩留まりが向上し、量産
性に適している。
て、しかも分布の良いことから歩留まりが向上し、量産
性に適している。
【0018】上記の方法において好ましくは、クロム膜
上に、α相の副キャリア層であるタンタル膜を、イオン
ビームスパッタ法によって5〜10nmの厚さに形成する。
上に、α相の副キャリア層であるタンタル膜を、イオン
ビームスパッタ法によって5〜10nmの厚さに形成する。
【0019】また好ましくは、イオンビームスパッタ法
によって形成された副キャリア層であるタンタル膜上
に、主キャリア層であるタンタル膜を、マグネトロンス
パッタ法によってα相のタンタル膜に形成する。
によって形成された副キャリア層であるタンタル膜上
に、主キャリア層であるタンタル膜を、マグネトロンス
パッタ法によってα相のタンタル膜に形成する。
【0020】上記の構成において、シード層として、ク
ロム膜に代えて、窒化タンタル膜、モリブデン膜、及び
タングステン膜から選ばれた1種を用いることができ
る。
ロム膜に代えて、窒化タンタル膜、モリブデン膜、及び
タングステン膜から選ばれた1種を用いることができ
る。
【0021】上記構成の製造方法により作製された低抵
抗タンタル薄膜を、電極リード層として備えた薄膜磁気
ヘッドを構成することができる。
抗タンタル薄膜を、電極リード層として備えた薄膜磁気
ヘッドを構成することができる。
【0022】また、その薄膜磁気ヘッドを備えた磁気記
録再生装置を構成することができる。
録再生装置を構成することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本発明の実施の
形態1における低抵抗タンタル薄膜の製造方法を、図面
を参照して説明する。本実施の形態では、配線、リード
端子などを構成する導電膜として低抵抗タンタル薄膜を
使用するために、シード層としてクロム、タンタルの二
層膜を使用している。
形態1における低抵抗タンタル薄膜の製造方法を、図面
を参照して説明する。本実施の形態では、配線、リード
端子などを構成する導電膜として低抵抗タンタル薄膜を
使用するために、シード層としてクロム、タンタルの二
層膜を使用している。
【0024】本実施形態の方法により製造される積層膜
を図1に示す。1はSiOxからなる絶縁基板であり、その
上に、クロム薄膜2及びα−タンタル薄膜3からなるシ
ード層5が形成されている。α−タンタル薄膜3は、同
時に副キャリア層を構成する。α−タンタル薄膜3上に
は、主キャリア層を構成するα−タンタル薄膜4が形成
されている。α−タンタル薄膜3とα−タンタル薄膜4
により、キャリア層6が構成される。
を図1に示す。1はSiOxからなる絶縁基板であり、その
上に、クロム薄膜2及びα−タンタル薄膜3からなるシ
ード層5が形成されている。α−タンタル薄膜3は、同
時に副キャリア層を構成する。α−タンタル薄膜3上に
は、主キャリア層を構成するα−タンタル薄膜4が形成
されている。α−タンタル薄膜3とα−タンタル薄膜4
により、キャリア層6が構成される。
【0025】シード層5を構成するクロム膜2、及びα
−タンタル膜3は、イオンビームスパッタリング(以
下、IBDと言う)により形成される。主キャリア層であ
るα−タンタル薄膜4は、マグネトロンスパッタリング
(以下、PVDと言う)により形成される。
−タンタル膜3は、イオンビームスパッタリング(以
下、IBDと言う)により形成される。主キャリア層であ
るα−タンタル薄膜4は、マグネトロンスパッタリング
(以下、PVDと言う)により形成される。
【0026】本実施の形態では、図1の積層膜を、異な
るスパッタ法を用いて真空中で連続成膜するために、図
2に示すようなスパッタリング装置を用いる。図2のス
パッタリング装置は、ゲートバルブ11で区切られた、
ロードロックチャンバー7とIBDチャンバー9と、PVDチ
ャンバー10の2つのプロセスチャンバーから構成され
る。各チャンバーは、それぞれ真空ポンプ12によって
排気されている。
るスパッタ法を用いて真空中で連続成膜するために、図
2に示すようなスパッタリング装置を用いる。図2のス
パッタリング装置は、ゲートバルブ11で区切られた、
ロードロックチャンバー7とIBDチャンバー9と、PVDチ
ャンバー10の2つのプロセスチャンバーから構成され
る。各チャンバーは、それぞれ真空ポンプ12によって
排気されている。
【0027】また、各プロセスチャンバーの真空度は、
ガス導入前では9×10-6pa以下になっている。またIBDチ
ャンバー9には、クロムターゲット及びタンタルターゲ
ットが設置され、PVDチャンバー10には、タンタルタ
ーゲットが設置されている。
ガス導入前では9×10-6pa以下になっている。またIBDチ
ャンバー9には、クロムターゲット及びタンタルターゲ
ットが設置され、PVDチャンバー10には、タンタルタ
ーゲットが設置されている。
【0028】まず絶縁基板1を、ロードロックチャンバ
ー7からトランスファーチャンバー8を経由させ、IBD
チャンバー9に搬送する。次にイオンガンに所定の電圧
を印加し、不活性ガス(例えばキセノンガス)を導入し
て放電させ、シード層であるクロム薄膜2を50オングス
トローム(5nm)成膜する。
ー7からトランスファーチャンバー8を経由させ、IBD
チャンバー9に搬送する。次にイオンガンに所定の電圧
を印加し、不活性ガス(例えばキセノンガス)を導入し
て放電させ、シード層であるクロム薄膜2を50オングス
トローム(5nm)成膜する。
【0029】そして、同IBDチャンバー9にて、クロム
薄膜の場合と同様にイオンガンに所定の電圧を印加し、
不活性ガス(例えばキセノンガス)を導入して放電さ
せ、副キャリア層であるα−タンタル薄膜3を100オン
グストローム(10nm)成膜する。
薄膜の場合と同様にイオンガンに所定の電圧を印加し、
不活性ガス(例えばキセノンガス)を導入して放電さ
せ、副キャリア層であるα−タンタル薄膜3を100オン
グストローム(10nm)成膜する。
【0030】次に、上述のようにシード層5を形成した
絶縁基板1を、IBDチャンバー9からトランスファーチ
ャンバー8を経由させ、PVDチャンバー10に搬送す
る。次に、PVDチャンバー10に不活性ガス(例えばア
ルゴンガス)を導入した後、直流電源によりタンタルタ
ーゲットに所定の電圧を印加し、アルゴンガスを放電さ
せる。これによって主キャリア層であるα−タンタル薄
膜4を900オングストローム(90nm)成膜する。
絶縁基板1を、IBDチャンバー9からトランスファーチ
ャンバー8を経由させ、PVDチャンバー10に搬送す
る。次に、PVDチャンバー10に不活性ガス(例えばア
ルゴンガス)を導入した後、直流電源によりタンタルタ
ーゲットに所定の電圧を印加し、アルゴンガスを放電さ
せる。これによって主キャリア層であるα−タンタル薄
膜4を900オングストローム(90nm)成膜する。
【0031】図3に、副キャリア層の形成方法を変え
て、その上に主キャリア層であるα−タンタル薄膜4を
スパッタリングして、パターンの無い状態(いわゆるベ
タ膜)で測定した比抵抗と比抵抗分布を示す。
て、その上に主キャリア層であるα−タンタル薄膜4を
スパッタリングして、パターンの無い状態(いわゆるベ
タ膜)で測定した比抵抗と比抵抗分布を示す。
【0032】図3に示した中央の例では、シード層とし
て、イオンビームスパッタ法によってクロム薄膜だけを
50オングストローム(5nm)形成し、その上にマグネト
ロンスパッタ法で主キャリア層であるタンタル薄膜を10
00オングストローム(100nm)形成した。この例では、
比抵抗は43.1μΩ・cmであり、比抵抗分布は14.9%であ
った。
て、イオンビームスパッタ法によってクロム薄膜だけを
50オングストローム(5nm)形成し、その上にマグネト
ロンスパッタ法で主キャリア層であるタンタル薄膜を10
00オングストローム(100nm)形成した。この例では、
比抵抗は43.1μΩ・cmであり、比抵抗分布は14.9%であ
った。
【0033】また、右側の例では、シード層と副キャリ
ア層を、イオンビームスパッタ法によって形成した。こ
のときの膜厚は、クロム薄膜を50オングストローム(5n
m)、タンタル薄膜を100オングストローム(10nm)とし
た。その上にマグネトロンスパッタ法で主キャリア層で
あるタンタル薄膜を900オングストローム(90nm)形成
した。この例では、比抵抗は24.9μΩ・cmであり比抵抗
分布は3.99%であった。
ア層を、イオンビームスパッタ法によって形成した。こ
のときの膜厚は、クロム薄膜を50オングストローム(5n
m)、タンタル薄膜を100オングストローム(10nm)とし
た。その上にマグネトロンスパッタ法で主キャリア層で
あるタンタル薄膜を900オングストローム(90nm)形成
した。この例では、比抵抗は24.9μΩ・cmであり比抵抗
分布は3.99%であった。
【0034】また、左側の参考例は、従来の形成法であ
るIBDのみを用いたクロム、タンタル二層膜である。こ
の場合は、比抵抗は26.6μΩ・cmであり、比抵抗分布は
2.36%であった。
るIBDのみを用いたクロム、タンタル二層膜である。こ
の場合は、比抵抗は26.6μΩ・cmであり、比抵抗分布は
2.36%であった。
【0035】この結果から、図3の中央の例では、クロ
ムとタンタルで二層膜を形成する時、IBDチャンバー9
からPVDチャンバー10へ搬送される途中で、クロム薄
膜上に残留ガスなどの不純物が付着し、そのため、クロ
ム薄膜上に形成したタンタル薄膜が、α−タンタルにエ
ピタキシャル成長できなかったものと思われる。
ムとタンタルで二層膜を形成する時、IBDチャンバー9
からPVDチャンバー10へ搬送される途中で、クロム薄
膜上に残留ガスなどの不純物が付着し、そのため、クロ
ム薄膜上に形成したタンタル薄膜が、α−タンタルにエ
ピタキシャル成長できなかったものと思われる。
【0036】これに対して右側の例の、クロムとタンタ
ルで3層膜を形成した場合は、α−タンタルが成長した
ものと思われる測定結果を示している。この場合も中央
の例と同様に、搬送途中で付着する残留ガスなどの不純
物の影響でα−タンタルは成長しないものと思われた
が、結果はそれに反していた。この理由は、あらかじめ
IBDチャンバー9でα−タンタルを成長させていること
により、多少の不純物には影響されずα−タンタルが成
長しためであると思われる。
ルで3層膜を形成した場合は、α−タンタルが成長した
ものと思われる測定結果を示している。この場合も中央
の例と同様に、搬送途中で付着する残留ガスなどの不純
物の影響でα−タンタルは成長しないものと思われた
が、結果はそれに反していた。この理由は、あらかじめ
IBDチャンバー9でα−タンタルを成長させていること
により、多少の不純物には影響されずα−タンタルが成
長しためであると思われる。
【0037】以上の様にして三層膜で低抵抗タンタル薄
膜を形成すると、比抵抗値が低く、比抵抗分布の良い膜
が得られ、更に形成時間が従来に比べ短縮できる。
膜を形成すると、比抵抗値が低く、比抵抗分布の良い膜
が得られ、更に形成時間が従来に比べ短縮できる。
【0038】(実施の形態2)実施の形態2における、
磁気抵抗効果型の薄膜磁気ヘッドを、図4を参照して説
明する。図4は、磁気記録媒体に対向するヘッド摺動面
から見た薄膜磁気ヘッドの要部の概略正面図である。こ
の薄膜磁気ヘッドは、実施の形態1の方法で作製された
低抵抗タンタル薄膜を用いている。
磁気抵抗効果型の薄膜磁気ヘッドを、図4を参照して説
明する。図4は、磁気記録媒体に対向するヘッド摺動面
から見た薄膜磁気ヘッドの要部の概略正面図である。こ
の薄膜磁気ヘッドは、実施の形態1の方法で作製された
低抵抗タンタル薄膜を用いている。
【0039】図4において、14はAlTiC等を材料とす
るスライダー基板である。スライダー基板14の上面
に、Al203等を素材とする絶縁層15が成膜されてい
る。絶縁層15の上に、パーマロイ、Co系アモルファス
磁性膜、あるいはFe系微粒子磁性膜等の軟磁性材料を素
材とする、下部シールド層16が成膜されている。更に
その上にAl2O3、AlN、あるいはSiO2等の非磁性絶縁材料
を用いて、下部ギャップ絶縁部17が成膜されている。
その上に、磁気抵抗効果素子素子18(MR素子あるいは
GMR素子。以下、GMR素子と言う)が形成されている。GM
R素子18は、その詳細は図示しないが、NiFe系合金
膜、Co、CoFe合金膜等を材料とするフリー磁性層、Cu等
を材料とする非磁性導電層、フリー磁性層と同様の強磁
性材料を用いた固定磁性層、及びIrMn系合金膜、αFe2O
3、FeMn系合金膜、PtMn系合金膜等の材料からなる反強
磁性層で構成されている。GMR素子18の両側の下部ギ
ャップ絶縁部17の上には、夫々の側面に接するよう
に、CoPt合金等の硬質磁性材料を用いて、左右一対の縦
バイアス層19が形成されている。更に、縦バイアス層
19の上面に、GMR素子18上面の左右の一部にも亘る
ように、電極リード層20が形成されている。
るスライダー基板である。スライダー基板14の上面
に、Al203等を素材とする絶縁層15が成膜されてい
る。絶縁層15の上に、パーマロイ、Co系アモルファス
磁性膜、あるいはFe系微粒子磁性膜等の軟磁性材料を素
材とする、下部シールド層16が成膜されている。更に
その上にAl2O3、AlN、あるいはSiO2等の非磁性絶縁材料
を用いて、下部ギャップ絶縁部17が成膜されている。
その上に、磁気抵抗効果素子素子18(MR素子あるいは
GMR素子。以下、GMR素子と言う)が形成されている。GM
R素子18は、その詳細は図示しないが、NiFe系合金
膜、Co、CoFe合金膜等を材料とするフリー磁性層、Cu等
を材料とする非磁性導電層、フリー磁性層と同様の強磁
性材料を用いた固定磁性層、及びIrMn系合金膜、αFe2O
3、FeMn系合金膜、PtMn系合金膜等の材料からなる反強
磁性層で構成されている。GMR素子18の両側の下部ギ
ャップ絶縁部17の上には、夫々の側面に接するよう
に、CoPt合金等の硬質磁性材料を用いて、左右一対の縦
バイアス層19が形成されている。更に、縦バイアス層
19の上面に、GMR素子18上面の左右の一部にも亘る
ように、電極リード層20が形成されている。
【0040】電極リード層20は、実施の形態1と同様
にして形成された、シード層、副キャリア層及び主キャ
リア層で構成された積層膜からなる。すなわち、シード
層としてクロムが50オングストローム(5nm)の膜厚で
成膜され、シード層上に、副キャリア層としてタンタル
が100オングストローム(10nm)成膜され、その上に更
に、タンタルを材料とした主キャリア層が成膜されてい
る。
にして形成された、シード層、副キャリア層及び主キャ
リア層で構成された積層膜からなる。すなわち、シード
層としてクロムが50オングストローム(5nm)の膜厚で
成膜され、シード層上に、副キャリア層としてタンタル
が100オングストローム(10nm)成膜され、その上に更
に、タンタルを材料とした主キャリア層が成膜されてい
る。
【0041】GMR素子18の上面及び左右一対の電極リ
ード層20の上面には、下部ギャップ絶縁部17と同様
の材料からなる上部ギャップ絶縁部21が形成されてい
る。更に、上部ギャップ絶縁部21を介してGMR素子1
8に対向するように、下部シールド層16と同様の軟磁
性材料を用いた共通シールド層22が形成されている。
23は、薄膜磁気ヘッドの再生ヘッド部を示す。
ード層20の上面には、下部ギャップ絶縁部17と同様
の材料からなる上部ギャップ絶縁部21が形成されてい
る。更に、上部ギャップ絶縁部21を介してGMR素子1
8に対向するように、下部シールド層16と同様の軟磁
性材料を用いた共通シールド層22が形成されている。
23は、薄膜磁気ヘッドの再生ヘッド部を示す。
【0042】以上の構成の薄膜磁気ヘッドにおいては、
電極リード層20が低抵抗であり、比抵抗分布も良好で
あることから、優れた再生特性を得ることができる。ま
た、電極リード層20を高効率で形成することが可能で
ある。
電極リード層20が低抵抗であり、比抵抗分布も良好で
あることから、優れた再生特性を得ることができる。ま
た、電極リード層20を高効率で形成することが可能で
ある。
【0043】副キャリア層及び主キャリア層の材料とし
ては、低抵抗の導電性材料を用いることが好ましく、ま
た、シード層として用いられる材料は、低抵抗のキャリ
ア層を成長させることが必要である。
ては、低抵抗の導電性材料を用いることが好ましく、ま
た、シード層として用いられる材料は、低抵抗のキャリ
ア層を成長させることが必要である。
【0044】
【発明の効果】本発明の低抵抗タンタル薄膜の形成法に
よれば、シード層をイオンビームスパッタリング装置に
より形成することにより、比抵抗分布が良く、配向性の
高いシード層を得ることができる。また、そのシード層
上に、マグネトロンスパッタリング装置を用いて主キャ
リア層であるタンタルを成長させることにより、早い成
膜レートでα相のタンタルを形成することができる。α
相のタンタル層は低抵抗であり、その下のシード層は比
抵抗分布、膜厚分布が良いことから、積層したときの各
分布も向上する。
よれば、シード層をイオンビームスパッタリング装置に
より形成することにより、比抵抗分布が良く、配向性の
高いシード層を得ることができる。また、そのシード層
上に、マグネトロンスパッタリング装置を用いて主キャ
リア層であるタンタルを成長させることにより、早い成
膜レートでα相のタンタルを形成することができる。α
相のタンタル層は低抵抗であり、その下のシード層は比
抵抗分布、膜厚分布が良いことから、積層したときの各
分布も向上する。
【0045】これらの三層構造の導電性薄膜は低抵抗で
あって、しかも分布の良いことから歩留まりが向上し、
量産性に適している。
あって、しかも分布の良いことから歩留まりが向上し、
量産性に適している。
【図1】本発明の実施の形態における低抵抗タンタル薄
膜の製造方法により作製される積層膜を示す断面図
膜の製造方法により作製される積層膜を示す断面図
【図2】本発明の実施の形態における低抵抗タンタル薄
膜の製造方法に使用するスパッタ装置の一例を示す構成
図
膜の製造方法に使用するスパッタ装置の一例を示す構成
図
【図3】各々異なる製造方法により作製された低抵抗タ
ンタル薄膜の比抵抗及び比抵抗分布を示す図
ンタル薄膜の比抵抗及び比抵抗分布を示す図
【図4】本発明の実施の形態2における薄膜磁気ヘッド
の要部を示す概略正面図
の要部を示す概略正面図
1 絶縁基板(SiOx) 2 クロム薄膜(IBD) 3 α−タンタル薄膜(IBD) 4 α−タンタル薄膜(PVD) 5 シード層 6 キャリア層 7 導電性リード層 8 ロードロックチャンバー 9 トランスファーチャンバー 10 イオンビームスパッタ(IBD)チャンバー 11 マグネトロンスパッタ(PVD)チャンバー 12 ゲートバルブ 13 真空ポンプ 14 スライダー基板 15 絶縁層 16 下部シールド層 17 下部ギャップ絶縁部 18 磁気抵抗効果素子(GMR素子) 19 縦バイアス層 20 電極リード層 21 上部ギャップ絶縁部 22 共通シールド層 23 薄膜磁気ヘッド再生ヘッド部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/3205 H01L 43/08 D 43/08 43/12 43/12 21/88 M Fターム(参考) 4K029 AA04 AA08 BA07 BA16 BC05 BD00 CA05 EA01 4M104 BB17 BB37 DD37 FF13 HH16 5D034 BA02 BA09 DA07 5F033 HH17 HH19 HH20 HH21 HH32 LL06 MM05 PP15 WW02 XX10
Claims (6)
- 【請求項1】 絶縁基板上にシード層とタンタル膜とを
順次スパッタリングにより積層して形成する低抵抗タン
タル薄膜の製造方法において、前記シード層であるクロ
ム膜をイオンビームスパッタ法によって形成する工程
と、前記クロム膜上に、副キャリア層であるタンタル膜
をイオンビームスパッタ法によって形成する工程と、前
記副キャリア層であるタンタル膜上に、主キャリア層で
あるタンタル膜をマグネトロンスパッタ法よって形成す
る工程とを備え、以上の工程を真空中で連続成膜により
行うことを特徴とする低抵抗タンタル薄膜の製造方法。 - 【請求項2】 前記クロム膜上に、α相の副キャリア層
であるタンタル膜を、イオンビームスパッタ法によって
5〜10nmの厚さに形成することを特徴とする請求項1記
載の低抵抗タンタル薄膜の製造方法。 - 【請求項3】 前記イオンビームスパッタ法によって形
成された副キャリア層であるタンタル膜上に、前記主キ
ャリア層であるタンタル膜を、マグネトロンスパッタ法
によってα相のタンタル膜に形成することを特徴とする
請求項1記載の低抵抗タンタル薄膜の製造方法。 - 【請求項4】 前記シード層として、前記クロム膜に代
えて、窒化タンタル膜、モリブデン膜、及びタングステ
ン膜から選ばれた1種を用いることを特徴とする請求項
1記載の低抵抗タンタル薄膜の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1に記載の製造方法により作製さ
れた低抵抗タンタル薄膜を、電極リード層として備えた
薄膜磁気ヘッド。 - 【請求項6】 請求項5に記載の薄膜磁気ヘッドを備え
た磁気記録再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000265382A JP2002074625A (ja) | 2000-09-01 | 2000-09-01 | 低抵抗タンタル薄膜の製造方法及び薄膜磁気ヘッド並びに磁気記録再生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000265382A JP2002074625A (ja) | 2000-09-01 | 2000-09-01 | 低抵抗タンタル薄膜の製造方法及び薄膜磁気ヘッド並びに磁気記録再生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002074625A true JP2002074625A (ja) | 2002-03-15 |
Family
ID=18752655
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000265382A Pending JP2002074625A (ja) | 2000-09-01 | 2000-09-01 | 低抵抗タンタル薄膜の製造方法及び薄膜磁気ヘッド並びに磁気記録再生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002074625A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115458675A (zh) * | 2022-11-11 | 2022-12-09 | 阿里巴巴达摩院(杭州)科技有限公司 | 钽金属薄膜处理方法、量子器件及量子芯片 |
-
2000
- 2000-09-01 JP JP2000265382A patent/JP2002074625A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115458675A (zh) * | 2022-11-11 | 2022-12-09 | 阿里巴巴达摩院(杭州)科技有限公司 | 钽金属薄膜处理方法、量子器件及量子芯片 |
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