JP2002070853A - 高ダンピングスラスト軸受 - Google Patents

高ダンピングスラスト軸受

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JP2002070853A
JP2002070853A JP2000258401A JP2000258401A JP2002070853A JP 2002070853 A JP2002070853 A JP 2002070853A JP 2000258401 A JP2000258401 A JP 2000258401A JP 2000258401 A JP2000258401 A JP 2000258401A JP 2002070853 A JP2002070853 A JP 2002070853A
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thrust
thrust load
pad
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oil film
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JP2000258401A
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Takashi Mihara
隆 三原
Katsuya Yamashita
勝也 山下
Tanehiro Shinohara
種宏 篠原
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転軸にスラスト荷重が作用しないとき、又
はスラスト荷重が小さくなったときにおいても、回転軸
を安定して支持し、回転軸の軸線方向の振動を減衰させ
ることのできるスラスト軸受を提供すること。 【解決手段】 本発明は、回転軸の半径方向外方に延出
するスラストカラーのフランジ面と所定の隙間を介して
向い合うパッド面を有するスラストパッドと、スラスト
カラーから軸方向に遠ざかる位置にスラスト荷重伝達面
を有する、スラストパッドを支持するためのスラストパ
ッド支持手段と、スラストパッドと前記スラストパッド
支持手段とを収容する内腔を有し、該内腔がスラスト荷
重伝達面と向い合うように配置されたスラスト荷重受け
面を有するスラスト軸受ケースと、を有し、所定の隙間
に供給されたオイルによって第1の油膜を形成する、ス
ラスト軸受において、スラスト荷重伝達面とスラスト荷
重受け面との間に配置された支持板を更に有し、スラス
ト荷重伝達面及び/又はスラスト荷重受け面と、支持板
との間に第2の油膜を形成することを特徴とする、高ダ
ンピングスラスト軸受である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タービン、ポンプ
等の回転機械に使用される、すべりスラスト軸受に関
し、特に、スラスト荷重が減少したときにも軸の振動を
引起こしにくい高ダンピングスラスト軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】蒸気タービン、ガスタービン、ポンプ、
水車等の回転機械は、ロータ軸等の回転軸を有する。そ
れらの回転軸に作用する軸方向の力、即ちスラスト力
は、一般に、スラスト軸受によって支持されている。ス
ラスト軸受は、ころがり軸受と、すべり軸受とに大別さ
れるが、タービン等の大きな負荷を支持する軸受には、
すべり軸受が採用される場合が多い。
【0003】従来技術のすべりスラスト軸受は、回転軸
の半径方向外方に延出するスラストカラーのフランジ面
と所定の隙間を介して向い合うパッド面を有するスラス
トパッドと、スラストカラーから軸方向に遠ざかる位置
にスラスト荷重伝達面を有する、前記スラストパッドを
支持するためのスラストパッド支持手段と、前記スラス
トパッドと前記スラストパッド支持手段とを収容する内
腔を有し、該内腔が前記スラスト荷重伝達面と向い合う
ように配置されたスラスト荷重受け面を有するスラスト
軸受ケースと、を有し、前記所定の隙間に供給されたオ
イルによって第1の油膜を形成して回転軸を軸線方向に
支持している。スラストカラーとスラストパッドとの間
に形成された油膜によりスラストカラーとスラストパッ
ドとの間の摩擦を減じ、滑らかな回転を可能にする。
【0004】更に詳細に、従来のすべりスラスト軸受の
構造を、図面を参照して説明する。図1はキングスベリ
ーらによって開発されたタイプの従来技術のすべりスラ
スト軸受200の概略図である。スラスト軸受200は
スラスト軸受ケース210の中に収められる。また、ロ
ータ等のスラスト荷重が作用する回転軸201にはフラ
ンジ状のスラストカラー202が設けられる。軸受ケー
ス210の中に配置された複数のスラストパッド203
が、スラストカラー202のフランジ面、即ち回転軸の
軸線方向に対して直交する面を回転軸の軸線方向に支持
する。複数のスラストパッド203は、スラストパッド
支持手段である軸受アセンブリ220によってピボット
支持される。軸受アセンブリ220は、スラストパッド
203をピボット支持する環状のロッカー204と、ロ
ッカー204を受け入れる環状のベースリング205
と、スラストパッド203とスラストカラー202との
間の隙間を調整するための調整ライナー206と、スラ
ストパッド203とスラストカラー202との間にオイ
ルを流すためのチューブ209と、を有する。なお、回
転軸に作用したスラスト荷重はスラストパッド203及
び軸受アセンブリ220を介してスラスト軸受ケース2
10に伝達される。本明細書では、軸受ケース210に
当接する軸受アセンブリ220の面、即ち調整ライナー
206の軸受ケース210に接触する面をスラスト荷重
伝達面206aと呼び、軸受ケース210の調整ライナ
ー206に接触する面をスラスト荷重受け面210aと
呼ぶ。
【0005】複数のスラストパッド203は、軸線方向
から見ると概略扇形であり、回転軸201を中心とする
円周上に並べて配置される。各スラストパッド203の
パッド面203aには放射方向の溝203bが設けられ
る。各スラストパッド203はパッド面203aの軸線
方向反対側に表面が球面状になった突出部を有する。ロ
ッカー204は前記突出部と当接して、各スラストパッ
ド203を回動可能にピボット支持する。ロッカー20
4は又、複数の止めねじ207、208によってベース
リング205に固着される。ベースリング205はオイ
ルを流すための段付き穴205aを有する。チューブ2
09の一方の端は段付き穴205aの直径の大きい部分
に挿入され、チューブ209の周りに配置されたOリン
グ209aを介してベースリング205に取付けられ
る。チューブ209の他方の端は、スラストパッド20
3の溝203bの中に開口するように設けられた穴にO
リング209bを介して挿入される。調整ライナー20
6は、スラストカラー202とスラストパッド203と
の間の隙間を調節するためにベースリング205と軸受
ケース210との間に配置される。軸受ケース210
は、パッド面203aにオイルを供給するためのオイル
供給口212と、オイル排出口213とを有する。
【0006】使用において、潤滑用のオイルをオイル供
給口212から供給する。オイル供給口212から供給
されたオイルは、軸受ケース210に入り、ベースリン
グ205に設けられた段付き穴205a、チューブ20
9を通って、パッド面203aに設けられた溝203b
に供給される。溝203bに供給されたオイルは、スラ
ストカラー202の回転によってパッド面203a全体
に広がり、スラストカラー202とパッド面203aと
の間に油膜を形成する。パッド面203aを出たオイル
はオイル排出口213から排出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】スラストカラー202
とパッド面203aとの間に安定した厚さの油膜が形成
されていると、回転軸を振動させるような加振力が回転
軸に作用したとしても、油膜が減衰作用をすることによ
って、回転軸の振動を減衰させることができる。しかし
ながら、一般に、油膜は、安定した厚さで薄く形成され
るほど大きな減衰作用をすることができるが、回転軸2
01を回転可能にするためには、スラストカラー202
とパッド面203aとの間に僅かな隙間を設けておく必
要がある。回転軸にスラスト荷重が作用しない場合、又
は作用するスラスト荷重が小さい場合には、スラストカ
ラー202がパッド面203aに十分に押し付けられな
いため、スラストカラー202とパッド面203aとの
間の隙間が変動する。このため、スラストカラー202
とパッド面203aとの間に形成される油膜の厚さが安
定せず、油膜切れ状態を生じることもあり、スラスト荷
重の安定した支持ができなくなる。
【0008】安定した厚さの油膜が形成されなくなる
と、スラスト軸受による回転軸の安定した支持ができな
くなり、また、回転軸に発生した振動を減衰させること
もできなくなる。即ち、回転軸及びスラスト軸受によっ
て構成される振動系が不安定になり、それにより、軸が
自励振動を引起こし、機器を損傷する場合もある。本発
明の目的は、回転軸にスラスト荷重が作用しないとき、
又はスラスト荷重が小さくなったときにおいても、回転
軸を安定して支持し、回転軸の軸線方向の振動を減衰さ
せることのできる高ダンピングスラスト軸受を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、回転軸の半径
方向外方に延出するスラストカラーのフランジ面と所定
の隙間を介して向い合うパッド面を有するスラストパッ
ドと、スラストカラーから軸方向に遠ざかる位置にスラ
スト荷重伝達面を有する、前記スラストパッドを支持す
るためのスラストパッド支持手段と、前記スラストパッ
ドと前記スラストパッド支持手段とを収容する内腔を有
し、該内腔が前記スラスト荷重伝達面と向い合うように
配置されたスラスト荷重受け面を有するスラスト軸受ケ
ースと、を有し、前記所定の隙間に供給されたオイルに
よって第1の油膜を形成する、スラスト軸受において、
前記スラスト荷重伝達面と前記スラスト荷重受け面との
間に配置された支持板を更に有し、前記スラスト荷重伝
達面及び/又は前記スラスト荷重受け面と、前記支持板
との間に第2の油膜を形成することを特徴とする、高ダ
ンピングスラスト軸受である。
【0010】上記の構成により、スラスト軸受ケースに
供給されたオイルが、スラスト軸受作動時にスラストカ
ラーのフランジ面とスラストパッドとの間に第1の油膜
を構成し、更に、スラストパッド支持手段のスラスト荷
重伝達面と支持板との間、又はスラスト軸受ケースのス
ラスト荷重受け面と支持板との間にスクイズ油膜である
第2の油膜を構成する。このため、回転軸にスラスト荷
重が作用しないとき、又はスラスト荷重が小さくなった
ときに、第1の油膜が安定して構成されなくなっても、
第2の油膜のばね作用及び減衰作用により回転軸に発生
する軸線方向の振動を減衰させることができる。
【0011】また、前記支持板をスラスト軸受ケースに
取付けられた複数のコイルばねによって弾性的に支持し
て、支持板をスラスト荷重伝達面に押付け、支持板とス
ラスト荷重受け面との間に第2の油膜が形成されるよう
に構成しても良い。
【0012】更に、前記支持板を回転軸に対して放射方
向に取付けられた少なくとも1つの支持ばねピンによっ
て弾性的に支持して、支持板をスラスト荷重伝達面に押
付け、支持板とスラスト荷重受け面との間に第2の油膜
が形成されるように構成することもできる。
【0013】更に、前記支持板をスラスト荷重受け面に
取付けられた少なくとも1つのOリングによって弾性的
に支持して、支持板をスラスト荷重伝達面に押付け、支
持板とスラスト荷重受け面との間に第2の油膜が形成さ
れるように構成しても良い。
【0014】また、前記支持板をスラスト荷重伝達面と
支持板との間に配置された板ばねによって弾性的に支持
して、支持板をスラスト軸受ケースのスラスト荷重受け
面に押付け、支持板とスラスト荷重伝達面との間に第2
の油膜が形成されるように構成することもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、図2を参照して、本発明の
第1の実施形態を説明する。図1に示した従来のスラス
ト軸受と同様の部品には、参照番号の百の位を1に換え
て同様の参照番号を付している。本発明の第1の実施形
態による高ダンピングスラスト軸受100はスラストパ
ッド103と軸受アセンブリ120とスラスト軸受ケー
ス110とを有する。スラストパッド103及び軸受ア
センブリ120の構造は、従来技術のスラスト軸受20
0のスラストパッド203及び軸受アセンブリ220と
同様であるので、それらに関する説明は省略する。本発
明の第1の実施形態では、軸受アセンブリ120の軸線
方向外側に、即ち、調整ライナー106のスラスト荷重
伝達面106aと軸受ケース110のスラスト荷重受け
面110aとの間に、環状の支持板130が配置され
る。複数の穴110bが、スラスト荷重受け面110a
に設けられる。コイルばね131が穴110b各々の中
に取付けられ、支持板130をスラスト荷重伝達面10
6aに押付ける。Oリング132が穴110b各々を取
り囲むように、支持板130とスラスト荷重受け面11
0aとの間に配置される。
【0016】使用において、潤滑用のオイルをオイル供
給口112から供給する。オイル供給口112から供給
されたオイルは、軸受ケース110の内腔に入り、ベー
スリング105に設けられた段付き穴105a、チュー
ブ109を通って、パッド面103aに設けられた溝1
03bに供給される。溝103bに供給されたオイル
は、従来技術のスラストパッドと同様に、スラストカラ
ー102の回転によってパッド面103a全体に広が
り、スラストカラー102とパッド面103aとの間に
第1の油膜を形成する。本発明の第1の実施形態による
スラスト軸受100では、更に、軸受ケース110に入
ったオイルは支持板130の外周と軸受ケース110と
の間の隙間130aを通って、支持板130とスラスト
荷重受け面110aとの間の隙間に流れ込み、この隙間
にスクイズ油膜と呼ばれる第2の油膜を形成する。第2
の油膜の厚さは、コイルばね131及びOリング132
の弾性により適切な厚さに保たれる。
【0017】前述のように、回転軸にスラスト荷重が作
用しない場合、又は作用するスラスト荷重が小さい場合
には、スラストカラー102とパッド面103aとの間
の隙間が変動するため、スラストカラー102とパッド
面103aとの間に、安定した厚さの第1の油膜を形成
することができない。この場合においても、本発明の第
1の実施形態による高ダンピングスラスト軸受100に
は、支持板130とスラスト荷重受け面110aとの間
に安定した第2の油膜が依然として形成されている。こ
の第2の油膜の減衰作用により、回転軸にスラスト荷重
が作用しない場合、又は作用するスラスト荷重が小さい
場合においても、回転軸に発生した軸線方向の振動を十
分に減衰させることができ、回転軸に自励振動が発生す
るのを抑制することができる。
【0018】図3は本実施形態をモデル化した振動系を
示す。図3のMは回転軸及びそれに取付けられた装置の
全質量を表し、K1は第1の油膜のばね作用、C1は第
1の油膜の減衰作用を夫々モデル化したものである。更
に、K2、C2は、第2の油膜、コイルばね131及び
Oリング132のばね作用及び減衰作用を夫々モデル化
したばね及びダンパーを表し、それらの右端は固定壁
(スラスト荷重受け面に相当)に固定される。従来のス
ラスト軸受は、ばねK2、ダンパーC2が存在しないモ
デル、即ち、図3のばねK1及びダンパーC1の右端が
直接固定壁に取付けられたモデルに相当する。従来のス
ラスト軸受では、スラストカラーとスラストパッドとの
間の油膜(ばねK1及びダンパーC1に相当)が十分に
形成されないと、質量M(回転軸等)に加振力Fが作用
した場合、加振力Fによる振動を減衰させることができ
ない。これに対して、本実施形態による高ダンピングス
ラスト軸受では、第1の油膜によるばねK1及びダンパ
ーC1に加えて、第2の油膜によるばねK2及びダンパ
ーC2が直列に連結されているため、第1の油膜が形成
されない場合においてもばねK2及びダンパーC2の作
用によって振動を減衰させることができる。
【0019】以下に、支持板の支持方法が夫々異なる第
2の実施形態乃至第4の実施形態を説明する。図4乃至
図6において、第1の実施形態と同じ部品には、同一の
参照番号が付されている。ここでは、構成、作用が第1
の実施形態と異なる点のみについて説明し、説明のない
部分については第1の実施形態に関する説明を準用す
る。図4を参照して、第2の実施形態について説明す
る。第2の実施形態によるスラスト軸受100aでは、
調整ライナー106のスラスト荷重伝達面106aと軸
受ケース110のスラスト荷重受け面110aとの間に
環状の支持板140が、スラスト荷重伝達面106aに
接触するように配置される。支持板140から半径方向
外方に延びる複数の支持ばねピン142が軸受ケース1
10に取付けられ、支持板140を弾性的に支持する。
更に、Oリング141が、環状の支持板140の内周に
沿って支持板140とスラスト荷重受け面110aとの
間に配置され、支持板140の内周を弾性的に支持す
る。
【0020】使用において、オイル供給口112から供
給されたオイルは、スラストカラー102とスラストパ
ッド103との間に第1の油膜を構成する。一方、供給
されたオイルの一部は環状の支持板140の外周と軸受
ケース110との間の隙間140aを通って支持板14
0とスラスト荷重受け面110aとの間の隙間に入り、
その隙間にスクイズ油膜である第2の油膜を形成する。
支持ばねピン142及びOリング141の弾性により、
第2の油膜を適正な厚さに保つ。第2の実施形態の作動
をモデル化したものも図3と同一になる。ここで、ばね
K2、ダンパーC2は、第2の油膜、支持ばねピン14
2及びOリング141のばね作用及び減衰作用を夫々モ
デル化したものに相当する。第2の実施形態においても
第2の油膜が形成され、その減衰作用により、回転軸1
01にスラスト荷重が作用しないとき、又はスラスト荷
重が小さいときにも回転軸に発生する軸線方向の振動を
減衰させることができる。
【0021】次に、図5を参照して、第3の実施形態に
ついて説明する。第3の実施形態によるスラスト軸受1
00bでは、環状の支持板150が軸受アセンブリ12
0の荷重伝達面106aに接触するように配置される。
支持板150の外周に沿ってOリング152を、内周に
沿ってOリング153を、夫々、支持板150とスラス
ト荷重受け面110aとの間に配置する。複数の穴15
1が支持板150に設けられ、該穴151は、軸受アセ
ンブリ120よりも半径方向外側、Oリング152より
も半径方向内側の位置に設けられる。
【0022】使用において、オイル供給口112から供
給されたオイルは、スラストカラー102とスラストパ
ッド103との間に第1の油膜を構成する。一方、供給
されたオイルの一部は支持板150の複数の穴151を
通って支持板150と軸受ケース110のスラスト荷重
受け面110aとの間の隙間に入り、その隙間にスクイ
ズ油膜である第2の油膜を形成する。Oリング152及
び153の弾性により、第2の油膜を適正な厚さに保
つ。第3の実施形態の作動をモデル化したものも図3と
同一になる。ここで、ばねK2、ダンパーC2は、第2
の油膜及びOリング152、153のばね作用及び減衰
作用を夫々モデル化したものに相当する。第3の実施形
態においても第2の油膜が形成され、その減衰作用によ
り、回転軸101にスラスト荷重が作用しないとき、又
はスラスト荷重が小さいときにも回転軸に発生する軸線
方向の振動を減衰させることができる。
【0023】次に、図6を参照して、第4の実施形態に
ついて説明する。第4の実施形態によるスラスト軸受1
00cでは、環状の支持板160がスラスト荷重受け面
110aに接するように配置される。環状の支持板16
0の外周及び内周には軸線方向内側に直角に折り曲げら
れた縁部が設けられ、外周の縁部には複数の穴161が
設けられている。板ばね162が調整ライナー106の
スラスト荷重伝達面106aと支持板160との間に配
置され、支持板160をスラスト荷重受け面110aに
押付ける。
【0024】使用において、オイル供給口112から供
給されたオイルは、スラストカラー102とスラストパ
ッド103との間に第1の油膜を構成する。一方、供給
されたオイルの一部は支持板160の複数の穴161を
通って支持板160と調整ライナー106のスラスト荷
重伝達面106aとの間の隙間に入り、その隙間にスク
イズ油膜である第2の油膜を形成する。板ばね162の
弾性により、第2の油膜を適正な厚さに保つ。第4の実
施形態の作動をモデル化したものも図3と同一になる。
ここで、ばねK2、ダンパーC2は、第2の油膜及び板
ばね162のばね作用及び減衰作用を夫々モデル化した
ものに相当する。第4の実施形態においても第2の油膜
が形成され、その減衰作用により、回転軸101にスラ
スト荷重が作用しないとき、又はスラスト荷重が小さい
ときにも回転軸に発生する軸線方向の振動を減衰させる
ことができる。以上、本発明の好ましい実施形態を説明
したが、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、
特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内におい
て、開示した実施形態に種々の変更をすることができ
る。
【0025】ここでは、キングスベリーらによって開発
されたタイプのすべりスラスト軸受に第1乃至第4の実
施形態を適用した場合について説明したが、これらの実
施形態は固定スラストパッドを採用したスラスト軸受
等、他のタイプのスラスト軸受にも全く同様に適用する
ことができる。また、第2の油膜が、スラストカラーの
片側又は両側に複数形成されるようにスラスト軸受を構
成しても良い。また、支持板を省略し、調整ライナー1
06のスラスト荷重伝達面106aとスラスト荷重受け
面110aとの間に第2の油膜が構成されるようにスラ
スト軸受を構成することもできる。
【0026】
【発明の効果】本発明による高ダンピングスラスト軸受
により、回転軸にスラスト荷重が作用しないとき、又は
スラスト荷重が小さくなったときにおいても、回転軸を
安定的に支持し、回転軸の軸線方向の振動を減衰させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術のすべりスラスト軸受の断面図であ
る。
【図2】本発明の第1の実施形態による高ダンピングス
ラスト軸受の断面図である。
【図3】本発明の実施形態の作動をモデル化した模式図
である。
【図4】本発明の第2の実施形態による高ダンピングス
ラスト軸受の断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態による高ダンピングス
ラスト軸受の断面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態による高ダンピングス
ラスト軸受の断面図である。
【符号の説明】
100 高ダンピングスラスト軸受 101 回転軸 102 スラストカラー 103 スラストパッド 103a パッド面 103b 溝 104 ロッカー 105 ベースリング 106 調整ライナー 109 チューブ 110 スラスト軸受ケース 112 オイル供給口 120 軸受アセンブリ 130 支持板 131 コイルばね 132 Oリング 140 支持板 141 Oリング 142 支持ばねピン 150 支持板 152、153 Oリング 160 支持板 162 板ばね
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠原 種宏 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 Fターム(参考) 3J011 AA04 BA17 JA02 KA03 LA06 MA03 3J012 AB07 AB13 BB02 CB05 DB04 FB01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸の半径方向外方に延出するスラス
    トカラーのフランジ面と所定の隙間を介して向い合うパ
    ッド面を有するスラストパッドと、 スラストカラーから軸方向に遠ざかる位置にスラスト荷
    重伝達面を有する、前記スラストパッドを支持するため
    のスラストパッド支持手段と、 前記スラストパッドと前記スラストパッド支持手段とを
    収容する内腔を有し、該内腔が前記スラスト荷重伝達面
    と向い合うように配置されたスラスト荷重受け面を有す
    るスラスト軸受ケースと、を有し、 前記所定の隙間に供給されたオイルによって第1の油膜
    を形成する、スラスト軸受において、 前記スラスト荷重伝達面と前記スラスト荷重受け面との
    間に配置された支持板を更に有し、 前記スラスト荷重伝達面及び/又は前記スラスト荷重受
    け面と、前記支持板との間に第2の油膜を形成すること
    を特徴とする、高ダンピングスラスト軸受。
  2. 【請求項2】 前記支持板を前記スラスト軸受ケースに
    取付けられた複数のコイルばねによって弾性的に支持し
    て、前記支持板を前記スラスト荷重伝達面に押付け、前
    記支持板と前記スラスト荷重受け面との間に第2の油膜
    が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の高ダ
    ンピングスラスト軸受。
  3. 【請求項3】 前記支持板を回転軸に対して放射方向に
    取付けられた少なくとも1つの支持ばねピンによって弾
    性的に支持して、前記支持板を前記スラスト荷重伝達面
    に押付け、前記支持板と前記スラスト荷重受け面との間
    に第2の油膜が形成されることを特徴とする、請求項1
    に記載の高ダンピングスラスト軸受。
  4. 【請求項4】 前記支持板を前記スラスト軸受ケースの
    前記スラスト荷重受け面に取付けられた少なくとも1つ
    のOリングによって弾性的に支持して、前記支持板を前
    記スラスト荷重伝達面に押付け、前記支持板と前記スラ
    スト荷重受け面との間に第2の油膜が形成されることを
    特徴とする、請求項1に記載の高ダンピングスラスト軸
    受。
  5. 【請求項5】 前記支持板を前記スラスト荷重伝達面と
    前記支持板との間に配置された板ばねによって弾性的に
    支持して、前記支持板を前記スラスト軸受ケースの前記
    スラスト荷重受け面に押付け、前記支持板と前記スラス
    ト荷重伝達面との間に第2の油膜が形成されることを特
    徴とする、請求項1に記載の高ダンピングスラスト軸
    受。
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