JP2002068890A - ZnO系材料とその製造方法 - Google Patents

ZnO系材料とその製造方法

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JP2002068890A
JP2002068890A JP2000265774A JP2000265774A JP2002068890A JP 2002068890 A JP2002068890 A JP 2002068890A JP 2000265774 A JP2000265774 A JP 2000265774A JP 2000265774 A JP2000265774 A JP 2000265774A JP 2002068890 A JP2002068890 A JP 2002068890A
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Kenichi Ogata
健一 尾形
Shizuo Fujita
静雄 藤田
Shigeo Fujita
茂夫 藤田
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Kansai Technology Licensing Organization Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層欠陥のない高品質な単結晶ZnOエピタ
キシャル薄膜を作成すること。 【解決手段】 サファイア基板2上に有機金属気相成長
法によって、約400〜500℃で多結晶またはアモル
ファスのZnOから成る緩衝層である第1層3を形成
し、この第1層3上に、約800℃で単結晶ZnOから
成る第2層4を形成し、フォトリソグラフィ技術によっ
て部分的にSiO2から成るマスク5を形成し、その
後、さらに、単結晶ZnOを、第2層4のマスク5から
の露出部分7から選択的に成長させ、この露出部分7上
の単結晶から、マスク5上で横方向に延びて成長した単
結晶ZnOの第3層6を形成する。マスク5によって第
2層4の積層欠陥11が遮断される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ZnO(酸化亜
鉛)系材料とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ZnOは、従来から、透明電極および圧
電素子などを目指す観点から作製されており、この用途
では欠陥が多くても実用上問題はない。ZnOは、励起
子結合エネルギが60meVであって大きいので、室温
での新機能素子、励起子素子の作製のために用いられる
ことが、近年、予測され、注目されてきている。このよ
うな用途では、欠陥が少ないZnOの単結晶膜が要求さ
れる。
【0003】欠陥が少ない単結晶膜を作製するために、
近年、分子線エピタキシ(略称MBE)が実施されてい
るけれども、この手法では、成長速度が小さく、また大
面積化が困難であり、さらに欠陥の抑制が不充分であ
り、したがって産業化が困難であるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、欠陥
がない高品質のZnO系材料を提供するとともに、その
ような高品質のZnO系材料の成長速度を大きくし、大
面積化が可能である製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板と、基板
上に形成され、多結晶またはアモルファスのZnOから
成る第1層と、第1層上に形成され、単結晶のZnOか
ら成る第2層と、第2層上の一部分を被覆する電気絶縁
性材料から成るマスクと、単結晶のZnOから成り、第
2層のマスクから露出された露出部分で、厚み方向に成
長するとともに、さらに、その露出部分上の単結晶か
ら、マスク上で横方向に延びて成長した第3層とを含む
ことを特徴とするZnO系材料である。
【0006】本発明に従えば、基板上に第1層が形成さ
れ、この第1層は、多結晶またはアモルファスのZnO
から成り、いわば緩衝層としての働きを果たす。この第
1層は、基板と、第1層上に形成される単結晶ZnOの
第2層との間に介在され、格子定数および熱膨張係数な
どの特性が、これらの基板の特性と第2層の特性との間
に存在する。緩衝層である第1層は、前述のように基板
と第2層との間に堆積されることによって、基板と第2
層との格子定数および熱膨張係数などの差に起因した第
2層における欠陥の生成を抑制することができる。
【0007】第1層に生成する欠陥は、第2層にも拡が
って積層欠陥が伝播する。そこで、第2層の欠陥を抑制
するために、第2層上の一部分には、電気絶縁性材料か
ら成るマスクが被覆される。このマスクは、たとえば、
第2層の全面に形成されたSiO2の被覆層がフォトリ
ソグラフィ技術を用いて、たとえば細長い平行な複数本
の縞状に形成された構成を有してもよい。
【0008】さらに単結晶のZnOから成る第3層を堆
積する。この第3層は、第2層のマスクからの露出部分
上で、厚み方向に成長し、さらに横方向に延びてマスク
上を覆って成長する。こうして第2層の露出部分とマス
ク上とを、単結晶ZnOの第3層で覆うことができる。
したがって、第2層に存在する欠陥は、マスクによって
遮断され、そのマスク直上の第3層の部分には、積層欠
陥が伝播しない。このように第2層のマスクからの露出
部分上に単結晶ZnOを選択的に成長させ、マスク上に
は単結晶のZnOが直接には堆積せず、前記露出部分で
成長した単結晶ZnOがマスク上に横方向に延びて成長
してマスクを覆うことによって、第2層の欠陥がマスク
で遮断され、マスク直上に積層欠陥が存在することがな
い。
【0009】マスク上には単結晶ZnOの成長が起こら
ず、第2層のマスクからの露出部分だけに単結晶ZnO
の成長が起こるという選択成長を達成するための手法の
一例として、たとえば有機金属気相成長法(略称MOV
PE)が挙げられる。有機金属気相成長法は、化学反応
を利用する結晶作成法であるので、上述の選択成長が可
能となる。こうして第2層のエピタキシャル層に存在す
る貫通転移の伝播を抑制することができ、高品質な単結
晶ZnO膜を作成することができる。このような選択成
長を行うことができる手法は、有機金属気相成長法以外
の手法であってもよい。
【0010】基板は、サファイアであってもよいが、そ
のほかたとえば、Si、GaAs、GaPおよび金属な
どの無機材料などであってもよい。
【0011】また本発明は、前記露出部分の直上方で、
第3層上の一部分を被覆する電気絶縁性材料から成る補
助マスクと、単結晶のZnOから成り、第3層の補助マ
スクから露出されたもう1つの露出部分上で、厚み方向
に成長するとともに、さらに、前記もう1つの露出部分
上の単結晶から、補助マスク上で横方向に成長した第4
層とを含むことを特徴とする。
【0012】本発明に従えば、第3層上には、第2層の
マスクからの露出部分の直上方で、電気絶縁性材料から
成る補助マスクを形成し、第3層の補助マスクからの露
出部分に、単結晶ZnOを厚み方向に成長するととも
に、さらに、補助マスク上で横方向に延びて成長して、
第4層を形成する。したがって第2層のマスクからの露
出部分に対応する第3層に存在する積層欠陥は、補助マ
スクで遮断される。これによって第4層の全体にわた
り、積層欠陥を抑制することができ、単結晶ZnOから
成る第4層の品質をさらに高くすることができる。補助
マスクは、前述のマスクと同様な材料から成り、たとえ
ばSiO2などの電気絶縁性材料から成る。第4層は、
前述の有機金属気相成長法などの手法で成長されてもよ
い。
【0013】また本発明は、前述の第3層の少なくとも
表面付近の層は、不純物がドープされたn形またはp形
の半導体層であり、この半導体層上に、ZnOを含む層
が形成されることを特徴とする半導体である。
【0014】また本発明は、前述の第4層の少なくとも
表面付近の層は、不純物がドープされたn形またはp形
の半導体層であり、この半導体層上に、ZnOを含む層
が形成されることを特徴とする半導体である。
【0015】本発明に従えば、第3層または第4層の少
なくとも表面付近の層に不純物をドープしてn形または
p形の導電形式を有する半導体層を形成して、各種の半
導体を実現することができる。第3層または第4層の全
体を、n形またはp形の半導体層としてもよい。このよ
うな半導体では、第3層または第4層には欠陥が存在せ
ず、またZnOの励起子結合エネルギが大きいので、室
温での新機能素子、励起子素子の作製が可能となり、電
子、光素子が実現され、さらに基板をSiとし、これに
よってSi系集積素子と、ZnO系素子とを複合化して
多機能素子を実現することもできる。半導体の一例とし
ては、たとえば青色または緑色などの発光ダイオード、
低しきい値半導体レーザ、薄膜トランジスタ(略称TF
T)および透明磁石などが挙げられる。ZnOは、電
子、光機能のほかに、誘電性、電気絶縁性、磁性、圧電
性、半導体性など多機能であるので、幅広い応用が可能
である。
【0016】また本発明は、基板上に、有機金属気相成
長法で単結晶のZnOが形成される温度未満で、ZnO
から成る第1層を、形成し、第1層上に、有機金属気相
成長法で、単結晶のZnOが形成される温度で、第2層
を形成し、第2層上の一部分を被覆する前記絶縁性材料
から成るマスクを形成し、有機金属気相成長法で、単結
晶のZnOが形成される温度で、第2層のマスクから露
出された露出部分上で厚み方向に単結晶のZnOを成長
するとともに、さらに、その露出部分上の単結晶から、
マスク上で横方向に延びて成長した第3層を形成するこ
とを特徴とするZnO系材料の製造方法である。
【0017】本発明に従えば、有機金属気相成長法を実
施し、第2層のマスクからの露出部分および第3層の補
助マスクからの露出部分に、選択的に単結晶ZnOを成
長することができ、その単結晶ZnOの成長速度を高く
することができ、たとえば分子線エピタキシ法に比べて
成長速度が約30倍である。しかも、ZnOの有機金属
気相成長法では、GaNの製造時に必要なアンモニア
を、必要とせず、環境を汚染するおそれはなく、またコ
スト面、取扱面で有利である。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
ZnO系材料1の全体の構成を示す断面図である。サフ
ァイアから成る基板2上には、多結晶またはアモルファ
スのZnOから成る第1層3と、その第1層3上に形成
された単結晶のZnOから成る第2層4と、第2層4上
の一部分を被覆するマスク5と、単結晶から成る第3層
6とを含む。マスク5は、電気絶縁性材料から成り、た
とえばSiO2から成る。第3層6は、第2層4のマス
ク5から露出された露出部分7において、厚み方向(図
1の上方)に成長した単結晶8と、その露出部分7上の
単結晶8から、マスク5上で横方向に延びて成長した単
結晶9とを含む。第1層3と第2層4とには、いくつか
の積層欠陥11が発生し、これらの積層欠陥11のう
ち、マスク5の下方の欠陥11は、マスク5で遮断さ
れ、したがってマスク5の上方に存在する単結晶9に、
積層欠陥が伝播して生じることはない。こうして欠陥を
抑制した高品質のZnO系材料1が実現される。
【0019】図2および図3は、図1に示されるZnO
系材料の製造方法を示す断面図である。図2(1)に示
されるサファイアから成る基板2が準備され、その一方
表面に、第2図(2)のように、有機金属気相成長法に
よって、たとえば約400〜500℃の比較的低温度で
第1層3がエピタキシャル成長される。このような低温
度では、第1層3のZnOは、単結晶ではなく、多結晶
またはアモルファスである。第1層3の厚みは、50n
m程度であり、10〜500nm程度でもよい。この第
1層3は、基板2と単結晶ZnOから成る第2層4との
格子定数および熱膨張係数に関して中間の値を有し、い
わば緩衝層としての働きを果たす。第1層3には、欠陥
11aが存在する。
【0020】次に図2(3)に示されるように、有機金
属気相成長法によって約800℃の温度で単結晶ZnO
から成る第2層4が形成される。第2層4は、たとえば
2〜5μm程度の厚みを有する。第1層3の欠陥11a
は、第2層4の欠陥11bに連続して伝播し、積層欠陥
11が形成される。
【0021】そこで図2(4)に示されるように、第2
層4上に全面にわたってSiO2から成る被覆層14
が、たとえば電子ビーム蒸着法などによって形成され
る。
【0022】図2(5)に示されるように、被覆層14
は、フォトリソグラフィ技術を用いて、選択的に除去さ
れて、第2層4が露出部分7で露出され、この被覆層1
4は、マスク5として第2層4上に残存する。マスク5
は、たとえば幅W1を有し、露出部分7の幅W2をあけ
て、たとえば平行に複数本の縞状に形成されてもよい。
【0023】一例として、マスク5の厚みは、たとえば
0.1μmであり、幅W1は、たとえば40μmであ
り、露出部分7の幅W2は、5μmであってもよい。
【0024】引続き図3を参照して、その図3(1)で
は、前述の図2(5)に示される状態で、有機金属気相
成長法によって、約800℃の温度で、単結晶ZnOの
エピタキシャル成長を行う。有機金属気相成長法は、化
学反応を利用する結晶作成法であるので、第2層4のマ
スク5からの露出部分7において、まず単結晶8が成長
してゆく。さらに単結晶8を成長させることによって、
次の図3(2)に示されるように、単結晶8は、マスク
5上で横方向に延びて単結晶9が形成される。露出部分
7上の単結晶8には、第2層4内の欠陥11が連なる。
【0025】前述の図3(2)において、有機金属気相
成長法によるZnOの単結晶8,9のエピタキシャル成
膜をさらに継続することによって、露出部分7およびマ
スク5上の全表面にわたって、前述の図1のように第3
層6が形成される。第3層6の厚みd1は、一例として
たとえば5μmであってもよい。マスク5の直上の単結
晶9には、欠陥が存在せず、欠陥11は、露出部分7上
の単結晶8にのみ、存在するだけである。したがって欠
陥11を抑制した単結晶ZnOから成る第3層6が得ら
れる。
【0026】図4は、有機金属気相成長法を実施する製
造装置16の簡略化した系統図である。石英製反応容器
17内の導電性サセプタ18上に基板2が乗載され、高
周波誘導コイル19の励磁によって、基板2の温度が調
整される。第1層3、第2層4および第3層6のエピタ
キシャル成膜のためにキャリアガス源21からN2ガス
が供給され、Zn(C252(略称DEZn)が供給
源22から原料ガスとして供給されるとともに、N2
が、供給源23から供給される。供給源22からのDE
Znに代えて、Zn(CH32(略称DMZn)が用い
られてもよい。供給源23からのN2Oに代えて、NO2
またはCO2などであってもよい。被覆層14およびマ
スク5の形成は、反応容器17の外方で行う。
【0027】第3層6の表面の不純物ドープによるn形
またはp形半導体層の形成、およびそのn形またはp形
の半導体層の上に、発光素子のたとえばII−VI化合
物から成る発光層を形成するために、キャリアガス源2
1からのキャリアガスによって、原料ガスを供給する1
または複数の供給源24が設けられる。この供給源24
からは、たとえば発光層のためのCd(CH3)2(略
称DMCd)を供給してもよい。
【0028】図5は、本発明の実施の他の形態のZnO
系材料1aの断面図である。この図5に示されるZnO
系材料1aは、図1〜図4に関連して前述したZnO系
材料1に類似し、対応する部分には同一の参照符を付
す。注目すべきはこの実施の形態では、第3層6上にも
う1つのマスクである補助マスク26が形成される。補
助マスク26は、前述のマスク5と同様に形成される。
補助マスク26は、第2層4のマスク5からの露出部分
7の直上方で、第3層6上の一部分を被覆する。この補
助マスク26は、たとえばSiO2などの電気絶縁性材
料から成る。第3層6および補助マスク26上には、単
結晶のZnOから成る第4層31が形成される。第4層
31は、第3層6の補助マスク26から露出されたもう
1つの露出部分27上で厚み方向に成長する単結晶32
と、その単結晶32から補助マスク26上で横方向に成
長する単結晶33とを含む。図5に示されるZnO系材
料1aでは、第1、第2および第3層3,4,6に形成
される積層欠陥11は、補助マスク26によって遮断さ
れ、したがって第4層31には、このような積層欠陥1
1は存在しない。これによって第4層31には、欠陥の
ない高品質のZnO層が形成されることになる。
【0029】図6は、図5に示されるZnO系材料1a
の製造方法を説明するための断面図である。前述の図1
に示されるZnO系材料1の第3層6上には、図6
(1)に示されるように、電気絶縁性材料、たとえばS
iO2から成る被覆層34が形成される。この被覆層3
4は、前述の図2(4)に示される被覆層14と同様な
構成を有する。
【0030】次に図6(2)に示されるように、被覆層
34は、フォトリソグラフィ技術によって第3層6が露
出部分27で露出するように部分的に除去されて補助マ
スク26が形成される。次に図6(3)に示されるよう
に、図4の製造装置16を用いて有機金属気相成長法に
よって、露出部分27上に単結晶32を形成する。有機
金属気相成長法によれば、第3層6の露出部分27にお
いてのみ単結晶のZnOが成長し、補助マスク26上に
は単結晶のZnOが直接には成長しない。
【0031】単結晶32をさらに成長させることによっ
て、図6(4)に示されるように、その結晶32は、補
助マスク26上で横方向に成長して単結晶33が成長さ
れる。これらの単結晶膜32,33をさらに成長させる
ことによって、前述の図5に示されるZnO系材料1a
が得られる。
【0032】図7は、本発明の図1〜図4に関連して前
述したZnO系材料1を用いた発光素子36の断面図で
ある。ZnO系材料1の第3層6上には、不純物がドー
プされ、n形またはp形のいずれか一方の半導体層37
とされる。この半導体層37上に、ZnOおよび図4の
供給源24からのたとえばDMCdなどを含む原料ガス
によって、有機金属気相成長法によって発光層38が形
成される。発光層38の上にはさらに、n形またはp形
のいずれか他方の半導体層39が形成される。この半導
体層39もまた、ZnOを母材とし、不純物がドープさ
れて形成される。半導体層37および半導体層39に
は、電極41,42が形成される。発光層38における
ZnOおよびそのほかの物質の組成比を変化することに
よって、出力される光43の色を変化して調整すること
ができる。発光素子のために、図7におけるZnO系材
料1に代えて、図5および図6に関連して前述したZn
O系材料1aが用いられてもよい。
【0033】図8は、本発明の実施の他の形態の多機能
素子44の斜視図である。基板45は、たとえばサファ
イアまたはSiなどから成り、この基板45を、前述の
基板2としてそのまま用いて、ZnO系材料1または1
aを形成し、さらにそのZnO系材料1,1a上にZn
Oを母材とする半導体層を積層するなどして、ZnO素
子47〜53が形成され、また基板45上のSi基板5
4上に形成されたマイクロプロセッサ55には、本発明
に従うZnO素子56が形成される。液晶表示パネル5
7には、ZnOを用いて、透明電極および透明薄膜トラ
ンジスタなどのZnO素子58が形成される。図8にお
いて参照符47はレーザ素子、参照符48は受光素子、
参照符49は磁気光信号処理回路、参照符50はフエロ
エレクトリックメモリ、参照符51はSAW(Surface
Acoustic Wave表面弾性波)フィルタ、参照符52はS
AW発振器、参照符53は電力用電界効果トランジスタ
(略称FET)SAW素子、参照符56は発振器であ
る。
【0034】本件発明者の実験結果を説明する。図1〜
図4に関連して前述したZnO系材料1において、Zn
Oはc面サファイア基板上にMOVPE法により成長を
行い、He−Cdレーザ(波長325.0nm)による
PL(photoluminescenceフォトルミネッセンス)およ
びXeランプによる反射測定等を行った。
【0035】図9および図10に室温(RT)および1
5KにおけるPLスペクトルを示す。室温においては
3.29eV付近の自由励起子の輻射再結合による発光
が支配的であり、その半値幅は114meVである。ま
たこれまでのMOVPE成長ZnOでのPL発光に比
べ、深い準位からの発光はバンド端発光に比べきわめて
弱く、光学的に高品質なZnOであると言える。15K
においては、3.355eVにピークを持つ中性束縛励
起子(D0X)によると思われる発光が支配的で、その
半値幅は4meVとMBEで報告されている値2.5m
eVに近く、LOフォノンレプリカも明瞭に観察され
る。さらに弱いながらも3.370eVにもピークが観
察されるが、これはA励起子発光と推測される。
【0036】本件発明者はさらに次の実験を行った。Z
nOは、a面またはc面サファイア基板2上に200T
orrの減圧MOVPE法により成長を行った。Zn原
料としてはDEZn、酸素原料としては、気相での前駆
反応を避ける観点からO2やH2Oは用いず、反応性の低
いN2Oを用いた。またキャリアガスとしては高純度窒
素を用い、サファイア基板2はリアクタ導入後900℃
10分のサーマルクリーニングを行った。
【0037】図11は、[DEZn](DEZnの流
量)=6μmol/min、基板温度700℃、成長時
間を1時間と固定した場合の膜厚のN2O流量依存性を
示す。サファイア基板2上への直接成長においては、膜
厚はN2O流量が或る時点を超えると、急激に増加して
いることが判る。また基板温度500℃で低温成長した
バッファ層である第1層3上への成長では、N2O流量
が少ない場合においても膜厚が大きくなっている。以上
の結果はサファイア基板2上のZnO成長においては初
期核形成が重要な役割を果たしており、低温バッファ層
3によって核生成が起こりやすくなっていることを示唆
している。図12は、ZnO系材料1における基板2の
材料として、Si、GaAsおよびGaPを用いたとき
におけるフォトンエネルギと発光強度との関係を示す室
温での試験結果を示すグラフである。基板2の材料が変
化されても、安定した光強度が得られることが確認され
た。
【0038】図13は、本件発明者の実験結果を示すX
線回折図である。図1〜図4の実施の形態において、第
2層3の成膜時間を、20分および60分としたときに
おける特性がそれぞれ得られた。20分の成膜時間にお
ける参照符61で示される(101′1)回折が、60
分の成膜時間の実験結果では、無くなっている。つま
り、多結晶から単結晶へと改善が成されていることが確
認された。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、マスクによって第2層
の積層欠陥の伝播が遮断されてマスク上の第3層の部分
には欠陥が存在せず、これによって高品質のZnOエピ
タキシャル薄膜が実現される。
【0040】さらに補助マスクによって、第3層の欠陥
を遮断し、これによって第4層には、積層欠陥がなくな
り、さらに高品質のZnOエピタキシャル薄膜が実現さ
れる。
【0041】このような第3層または第4層上に不純物
をドープしてn形またはp形の半導体層を形成し、電
子、光素子などの半導体を製造することができるように
なる。
【0042】ZnO系材料の第3層、さらには第4層
を、有機金属気相成長法でエピタキシャル成長させるの
で、単結晶ZnOの成長を、第2層のマスクからの露出
部分または第3層の補助マスクからの露出部分に選択的
に成長させ、しかもその成長速度を高くし、大面積化が
容易であり、産業上の実施が容易になる。またバンドギ
ャップの大きさがZnOに近似したGaNの形成時に
は、大量のアンモニアを必要とするのに対して、本発明
では、そのようなアンモニアを必要とせず、環境の汚染
が防がれ、またコスト面および取扱面で有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態のZnO系材料1の全体
の構成を示す断面図である。
【図2】図1に示されるZnO系材料の製造方法を示す
断面図である。
【図3】図1に示されるZnO系材料の製造方法を示す
断面図である。
【図4】有機金属気相成長法を実施する装置16の簡略
化した系統図である。
【図5】本発明の実施の他の形態のZnO系材料8aの
断面図である。
【図6】図5に示されるZnO系材料1aの製造方法を
説明するための断面図である。
【図7】本発明の図1〜図4に関連して前述したZnO
系材料1を用いた発光素子36の断面図である。
【図8】本発明の実施の他の形態の多機能素子44の斜
視図である。
【図9】室温(RT)におけるPLスペクトルを示すグ
ラフである。
【図10】15KにおけるPLスペクトルを示すグラフ
である。
【図11】[DEZn](DEZnの流量)=6μmo
l/min、基板温度700℃、成長時間を1時間と固
定した場合の膜厚のN2O流量依存性を示すグラフであ
る。
【図12】ZnO系材料1における基板2の材料とし
て、Si、GaAsおよびGaPを用いたときにおける
フォトンエネルギと発光強度との関係を示す室温での試
験結果を示すグラフである。
【図13】本件発明者の実験結果を示すX線回折図であ
る。
【符号の説明】
1,1a ZnO系材料 2 基板 3 第1層 4 第2層 5 マスク 6 第3層 7 露出部分 26 補助マスク 27 もう1つの露出部分 31 第4層 36 発光素子 37 半導体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G077 AA03 BB07 DB06 EA02 HA05 HA11 TA04 TA07 4K030 AA01 AA11 AA14 BA47 BB02 BB03 BB05 BB12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、 基板上に形成され、多結晶またはアモルファスのZnO
    から成る第1層と、 第1層上に形成され、単結晶のZnOから成る第2層
    と、 第2層上の一部分を被覆する電気絶縁性材料から成るマ
    スクと、 単結晶のZnOから成り、第2層のマスクから露出され
    た露出部分で、厚み方向に成長するとともに、さらに、
    その露出部分上の単結晶から、マスク上で横方向に延び
    て成長した第3層とを含むことを特徴とするZnO系材
    料。
  2. 【請求項2】 前記露出部分の直上方で、第3層上の一
    部分を被覆する電気絶縁性材料から成る補助マスクと、 単結晶のZnOから成り、第3層の補助マスクから露出
    されたもう1つの露出部分上で、厚み方向に成長すると
    ともに、さらに、前記もう1つの露出部分上の単結晶か
    ら、補助マスク上で横方向に成長した第4層とを含むこ
    とを特徴とする請求項1記載のZnO系材料。
  3. 【請求項3】 請求項1の第3層の少なくとも表面付近
    の層は、不純物がドープされたn形またはp形の半導体
    層であり、 この半導体層上に、ZnOを含む層が形成されることを
    特徴とする半導体。
  4. 【請求項4】 請求項2の第4層の少なくとも表面付近
    の層は、不純物がドープされたn形またはp形の半導体
    層であり、 この半導体層上に、ZnOを含む層が形成されることを
    特徴とする半導体。
  5. 【請求項5】 基板上に、有機金属気相成長法で単結晶
    のZnOが形成される温度未満で、ZnOから成る第1
    層を、形成し、 第1層上に、有機金属気相成長法で、単結晶のZnOが
    形成される温度で、第2層を形成し、 第2層上の一部分を被覆する前記絶縁性材料から成るマ
    スクを形成し、 有機金属気相成長法で、単結晶のZnOが形成される温
    度で、第2層のマスクから露出された露出部分上で厚み
    方向に単結晶のZnOを成長するとともに、さらに、そ
    の露出部分上の単結晶から、マスク上で横方向に延びて
    成長した第3層を形成することを特徴とするZnO系材
    料の製造方法。
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