JP2002068860A - 調湿性建材 - Google Patents

調湿性建材

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JP2002068860A
JP2002068860A JP2000266633A JP2000266633A JP2002068860A JP 2002068860 A JP2002068860 A JP 2002068860A JP 2000266633 A JP2000266633 A JP 2000266633A JP 2000266633 A JP2000266633 A JP 2000266633A JP 2002068860 A JP2002068860 A JP 2002068860A
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moisture
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Hiroo Inoue
宏夫 井上
Kozo Hanada
耕三 花田
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Dantani Plywood Co Ltd
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Dantani Plywood Co Ltd
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  • Building Environments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸放湿特性、防火性、耐火性に優れる
とともに軽量でありまた、意匠性に優れた調湿性建材を
提供すること。 【解決手段】 重量で、二水石膏:15%〜50%、
水硬性物質:15%〜50%、粒度が2μm〜100μ
mの範囲内にある珪藻土:5%〜25%、パーライト:
10%〜15%、有機質補強繊維:4%〜8%からなる
基材の一面に、通気性シーラーを塗布、乾燥し、その表
面に通気性塗料を塗布してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸放湿能を有し、
天井材、内装材といった建材として用いることができる
調湿性建材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、住宅等の建築に際しては、土壁構
造かつ木材やこれを加工した木質系建材による内装が施
される建築様式が古くから採られてきた。このような構
造を有する家屋は、土壁や木質系材料の有する優れた吸
放湿能力によって居住空間内での結露発生や極度の間層
などを防止できる卓越した調湿能力を有していた。
【0003】処が、近年の木質系資源の枯渇により良質
な木質系材料の入手が困難になってきており、価格は上
昇の一途を辿っている。一方、木質系建材は可燃性材料
であるとともに白蟻などの害虫に侵され易いことおよび
腐蝕を招き易いという欠点を有している。
【0004】他方、土壁構造についても、熟練した高い
技能をもつ作業者がきわめて少なくなってきていること
および工賃の高騰などから土壁が殆ど採用されることが
なくなってきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そして近年、住宅等は
高気密性、高断熱製を指向した構造が追求された結果、
室内で発生した水分は外部への拡散ができずに、室内の
至る所で結露を生じ濡れや染みの原因となりまた、蝨や
黴等の発生を招く問題を生じている。従来、居住空間を
快適に利用する手段として、温度や湿度を制御する空調
設備が利用されてきたが、多大な電気エネルギーを消費
してCO2発生の減少に逆行するのみならず、居住者が
不在等の理由により空調設備が運転されないときは、上
記問題を生じる。このような問題を解決すべく、吸放湿
性に優れたボード等建材の提供が強く望まれている。
【0006】本発明は、吸放湿特性、防火性、耐火性に
優れるとともに軽量でありまた意匠性に優れた調湿性建
材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の請求項1に記載の発明は、重量で、二水石膏:15%
〜50%、水硬性物質:15%〜50%、粒度が2μm
〜100μmの範囲内にある珪藻土:5%〜25%、パ
ーライト:10%〜15%、有機質補強繊維:4%〜8
%からなる基材の一面に、通気性シーラーを塗布、乾燥
し、その表面に通気性塗料を塗布してなる調湿性建材で
ある。
【0008】請求項2に記載の発明は、通気性塗料が、
アクリル樹脂エマルジョン、着色・体質顔料および添加
剤を配合したものである請求項1に記載の調湿性建材で
ある。
【0009】
【作用】本発明は、叙上のように構成したから、優れた
吸放湿特性を有するとともに防火性、耐火性、意匠性に
も優れた軽量の調湿性建材を提供できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその好ましい実施
形態に則して説明する。本発明は、吸放湿特性を有する
基材の表面に塗膜層を形成するものである。塗膜層を基
材表面に形成するに際しては、塗料等が基材に浸透し過
ぎないようにするための目止め材としてまた、基材と塗
料との密着性を良好なものとするために、基材表面にシ
ーラーを塗布する。従来のシーラーは基材表面を目止め
すべく機能するものであるため、通気性を損なう問題が
あった。発明者らは、上塗りする塗膜層も含めこの相反
する特性からする問題を克服すべく検討した結果、以下
に説明するシーラーおよび塗料の組合わせによって問題
を解決したものである。
【0011】
【実施例】本発明の調湿性建材の基材は、不燃性材料で
あるスラグ、石膏、セメント系主組成に調湿性成分とし
て粒度範囲を限定した珪藻土が添加されている。また、
本発明の調湿性建材の基材は抄造法によって製造され
る。抄造法としては、それ自体周知の丸網式抄造機によ
る抄造法を用いることができる。
【0012】以下に、本発明の調湿性建材における基材
の成分系について説明する。石膏は、防火性、耐火性を
有するとともに湿度変化に起因する伸縮量が小さいほか
硬化、成形を行い易いといった長所をもっており、古く
から防火材、対家財として用いられてきた。しかし、石
膏単体では、一次物性わけても曲げ強度が低いことおよ
びねじ釘保持力が弱いという欠点がある。本発明におい
ては、この点を有機質補強繊維および水硬性物質の添加
によって補完している。
【0013】石膏は重量で(以下、同じ。)、15%〜
50%添加される。15%に満たない添加量では、製品
である調湿性建材の防火性、耐火性、寸法安定性を確保
できないのみならず、乾燥、収縮によるひび割れの発生
を招く。一方、50%を超えて添加すると、スラグ、セ
メントといった水硬性物質による強度付与能や防水性硬
化性、成形性といった特性を減殺する。また、一次物性
わけても曲げ強度、ねじ釘保持力を低下させる。
【0014】スラグ、セメントといった水硬性物質は、
これを添加することによってマトリックスが強固に密着
して調湿性建材の強度を高めるとともに、硬化、成形と
いった特性を簡単かつ安価に付与でき、調湿性建材(ボ
ード基材)の製造を容易にする。また水硬性物質は、防
火性、耐火性のほか防水性を有している。本発明におい
ては、15%〜50%の範囲内で添加する。15%未満
の添加量では、強度付与能や防水性、硬化特性、成形特
性が発現し難い。一方、50%を超えて添加すると、調
湿性建材の重量増加や乾燥、収縮によるひび割れを招
く。
【0015】珪藻土は、調湿性建材に吸放湿特性を付与
すべく添加される。本発明においては、5%〜25%の
範囲内で添加する。5%に満たない添加量では、調湿性
建材に所期の吸放湿特性を付与できない。一方、25%
を超える添加量は、調湿性建材の一次物性わけても硬度
や曲げ強度を低下させる。
【0016】本発明においては、珪藻土の粒度を2μm
〜100μmの範囲内に限定している。100μmを超
える粒度では、スラリーを抄造機で巻き取る時、珪藻土
粒が文理して均一なマットにすることができない。通
常、粒度≦70μmで実施する。珪藻土の粒度範囲は好
ましくは、10μm〜35μmである。
【0017】本発明においては、調湿性建材に吸放湿能
を付与する物質として、珪藻土の他に粒度範囲を限定し
たシリカゲルやゼオライト等を用いることができる。
【0018】パーライトは、耐火性を高めまた軽量骨材
として調湿性建材を軽量化すべく添加される。本発明に
おいては、10%〜15%の範囲内で添加する。10%
未満の添加量では調湿性建材の耐火性向上や軽量化に資
する処が小さく、一方、15%を超えて添加すると、調
湿性建材の吸放湿特性と一次物性もバランスを損なう。
【0019】調湿性建材の強度を向上させる有機質補強
繊維として、たとえばパルプを添加する。本発明におい
ては、4%〜8%の範囲内で添加する。4%未満の添加
量では、調湿性建材の強度および加工性の向上効果を発
現できない。一方、8%を超える添加量は、パルプが有
機質材料である処から調湿性建材の不燃性材料としての
特性を喪失する。有機質補強繊維としては、パルプの他
にビニロン等を用いることもできる。
【0020】無機質繊維たとえばロックウールは、有機
質補強繊維と同様に、調湿性建材の強度を向上させると
ともに加工性を向上させるべく添加される。本発明にお
いては、1%〜5%のの範囲内で添加する。1%に満た
ない添加量では強度向上に資する処が小さくまた、5%
を超えて添加すると混練作業に支障を来しさらに、ダマ
と呼ばれる繊維凝集物が混在し調湿性建材の材質の均一
性を損なう。
【0021】本発明においては、この他に炭酸カルシウ
ム、雲母、消石灰を増量材等としてそれぞれ0%〜15
%、1%〜8%、1%〜1.5%の範囲内で添加するこ
とができる。
【0022】本発明においては、上記基材の一面即ち居
住空間側となる面に、塗装下地材として通気性シーラー
を塗布する。本発明の他の実施形態として、基材の他面
即ち屋外側となる面に防湿・防水、撥水性、耐水性に優
れたシーラー(バックシーラー)を塗布することが好ま
しい。本発明の調湿性建材は居住空間の吸放湿を行うべ
く用いられるものであるが、バックシーラーを施さない
ときは、居住空間からの湿気が調湿性建材の屋外側の面
に抜け、屋外の気温の変化によって結露する虞があるこ
とおよび、屋外の湿度変化が基材を通して居住空間に影
響を与える場合もあるため、これらを防止すべく基材の
他面にバックシーラーが塗布される。
【0023】通気性を有するシーラーとしては、この実
施例においては、シリカ変性アクリル共重合樹脂を用い
ている。この通気性シーラーは乳白色のエマルジョンで
あって、以下の物性をもつ。 不揮発分 :39.0±1% 粘度(25℃) ≦50mPa・s(BM型No.1、60rpm) イオン性 :アニオン pH :7.0±1.0 平均粒子径 :0.06μm 造膜温度(MFT):30℃ このシーラーは無機質材、金属に対する付着性が良好
で、浸透性、水蒸気透過性に優れ、耐ブロッキング性も
良好である。本発明においては、この他に透気性構造を
有する被膜を形成するものであれば、この実施例に限る
ことなく種々のエマルジョンを用いることができる。
【0024】上記通気性シーラーを基材の一面に塗布す
るに際しては、重量で、シリカ変性アクリル重合樹脂エ
マルジョン:水=1:1〜1:2の比率で混合し、塗布
量:55g/m2〜77g/m2(固形分)の条件で塗布
する。55g/m2未満の塗布量では基材に対する塗料
の下地材となり得ない。一方、77g/m2を超えて塗
布すると、基材に対する通気性を阻害する。シーラー塗
布後、熱風ブロワーで120℃×3分間の条件で乾燥す
る。
【0025】次に、本発明においては、通気性シーラー
を塗布した面に通気性の塗装を施す。通気性塗料として
は、基材の吸放湿性を損なうことなく建材としての意匠
性を付与できるものとして、重量で、着色・体質顔料:
40%〜60%、アクリル樹脂エマルジョン:15%〜
20%、添加剤:5%〜9%、水:20%〜30%から
なる水性塗料を用いている。添加剤としては、界面活性
剤、乳化剤、消泡剤、pH調製剤、融着溶剤、防腐・防
黴剤、キレート化剤等を単体で或は複合して用いる。
【0026】さらに、塗装面の通気性を向上させる目的
で、上記水性塗料に脂肪族炭化水素の乳化物を、水性塗
料有り姿:100重量部に対し、5重量部〜20重量部
添加する。この脂肪族炭化水素乳化物の添加によって、
塗装・熱風乾燥後、塗膜の通気性が向上する。この脂肪
族炭化水素の乳化物は、以下の物性物性をもつ。 粘度(25℃) :9mPa・s pH(10倍希釈液) :8.1 脂肪族炭化水素含有量 :30±5%
【0027】なお、この実施例においては、基材の他面
即ち屋外側となる面に防湿・防水性、撥水性、耐水性に
優れたバックシーラーを塗布した。バックシーラーとし
ては、アクリル・スチレン共重合樹脂を主剤として用い
ている。この主剤は、重量で、アクリル・スチレン共重
合樹脂:36%、水:54%、造膜助剤:10%の組成
を有する乳白色エマルジョンである。その物性は、以下
の通りである。 不揮発分 :36.0±2.0% 粘度(25℃):100mPa・s(BM型、ローターNo.4、12 rpm) pH :8.5±2.0 イオン性 :アニオン
【0028】前記主剤に、撥水性、耐水性、耐ブロッキ
ング性の向上ならびに造膜助剤としての機能増強の目的
で、重量で、パラフィンワックス:50%、水:50%
からなる乳白色エマルジョンを添加剤として用いてい
る。この添加剤の物性は、以下の通りである。 固形分 :50±2% pH :9±1 粘度 ≦100cP イオン性 :アニオン
【0029】上記バックシーラーを基材の他面に塗布す
るに際しては、アクリルスチレン共重合樹脂エマルジョ
ン:100重量部、添加剤:5重量部の比率で混合し
て、塗布量:72g/m2〜102g/m2(樹脂固形
分)の条件で基材の他面に塗布する。72g/m2未満
の塗布量では、防湿・防水機能を十分に発現できない。
一方、102g/m2で効果が飽和し、これを超える塗
布量はコストの上昇要因となるのみである。バックシー
ラー塗布後、熱風ドライヤーで100℃×3分間の条件
で乾燥する。
【0030】以下、本発明の実施例を記す。 実施例1 重量で、二水石膏:30%、高炉スラグ:30%、珪藻
土:20%(平均粒度:30μm)、パルプ:5%、ロ
ックウール3%、パーライト(軽量骨材):12%の組
成の原料混合物に、原料混合物の75%の水を加えて混
練し、得られたスラリーを丸網式抄造機を用いて抄造速
度:40m/分で抄造し、次いで、70℃近傍まで段階
的に昇温し、70℃の温度で20時間蒸気(90%R
H)養生した。その後、100時間の自然養生を行っ
た。然る後、乾燥機内において、180℃で10分間の
乾燥を行った後、切断加工を行って厚さ:6mm、幅:
910mm、長さ:1820mmの調湿性建材の基材を
得た。
【0031】この基材の一面に通気性シーラーとして
の、シリカ変性アクリル共重合樹脂エマルジョン:水=
1:2(重量比)の混合物を塗布した。塗布量は66g
/m2(固形分)であった。その後、120℃×3分間
の熱風乾燥を行った。
【0032】そして、上記通気性シーラー塗布面上に、
重量で、着色・体質顔料:50%、アクリル樹脂エマル
ジョン:18%、添加剤:7%、水:25%からなる水
性塗料:100重量部に対し、脂肪族炭化水素:30%
を含有する乳化物を8重量部添加したものを塗布した。
淡褐色の意匠性に富む塗膜面が形成された。
【0033】一方、基材の他面にバックシーラーとし
て、アクリル・スチレン共重合樹脂エマルジョン:10
0重量部と、添加剤としてのパラフィンワックス:50
%、水:50%からなる乳白色エマルジョン:5重量部
の混合物を87g/m2(固形分)塗布した。その後、
100℃×3分間の熱風乾燥を行った。
【0034】得られた、一面に通気性塗装面をもつ調湿
性建材の調湿性を試験した。その結果を、図1に示す。
図1から明らかなように、本発明の調湿性建材は、市販
の石膏ボードに壁紙を貼着した建材に比し、優れた吸放
湿性を有している。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、吸放湿特性に優れると
ともに塗装面を有する意匠性に優れた調湿性建材を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の調湿性建材の調湿試験結果を示すグラ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年4月25日(2001.4.2
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 調湿性建材
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸放湿能を有し、
天井材、内装材といった建材として用いることができる
調湿性建材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、住宅等の建築に際しては、土壁構
造かつ木材やこれを加工した木質系建材による内装が施
される建築様式が古くから採られてきた。このような構
造を有する家屋は、土壁や木質系材料の有する優れた吸
放湿能力によって居住空間内での結露の発生や極度の
などを防止できる卓越した調湿能力を有していた。
【0003】処が、近年の木質系資源の枯渇により良質
な木質系材料の入手が困難になってきており、価格は上
昇の一途を辿っている。一方、木質系建材は可燃性材料
であるとともに白蟻などの害虫に侵され易いことおよび
腐蝕を招き易いという欠点を有している。
【0004】他方、土壁構造についても、熟練した高い
技能をもつ作業者がきわめて少なくなってきていること
および工賃の高騰などから土壁が殆ど採用されることが
なくなってきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そして近年、住宅等は
高気密性、高断熱を指向した構造が追求された結果、
室内で発生した水分は外部への拡散ができずに、室内の
至る所で結露を生じ濡れや染みの原因となりまた、蝨や
黴等の発生を招く問題を生じている。従来、居住空間を
快適に利用する手段として、温度や湿度を制御する空調
設備が利用されてきたが、多大な電気エネルギーを消費
してCO発生の減少に逆行するのみならず、居住者が
不在等の理由により空調設備が運転されないときは、上
記問題を生じる。このような問題を解決すべく、吸放湿
性に優れたボード等建材の提供が強く望まれている。
【0006】本発明は、吸放湿特性、防火性、耐火性に
優れるとともに軽量でありまた意匠性に優れた調湿性建
材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の請求項1に記載の発明は、重量で、二水石膏:15%
〜50%、水硬性物質:15%〜50%、粒度が2μm
〜100μmの範囲内にある珪藻土:5%〜25%、パ
ーライト:10%〜15%、有機質補強繊維:4%〜8
%からなる基材の一面に、通気性シーラーを塗布、乾燥
し、その表面に通気性塗料を塗布してなる調湿性建材で
ある。
【0008】請求項2に記載の発明は、通気性塗料が、
アクリル樹脂エマルジョン、着色・体質顔料および添加
剤を配合したものである請求項1に記載の調湿性建材で
ある。
【0009】
【作用】本発明は、叙上のように構成したから、優れた
吸放湿特性を有するとともに防火性、耐火性、意匠性に
も優れた軽量の調湿性建材を提供できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその好ましい実施
形態に則して説明する。本発明は、吸放湿特性を有する
基材の表面に塗膜層を形成するものである。塗膜層を基
材表面に形成するに際しては、塗料等が基材に浸透し過
ぎないようにするための目止め剤としてまた、基材と塗
料との密着性を良好なものとするために、基材表面にシ
ーラーを塗布する。従来のシーラーは基材表面を目止め
すべく機能するものであるため、通気性を損なう問題が
あった。発明者らは、上塗りする塗膜層も含めこの相反
する特性からする問題を克服すべく検討した結果、以下
に説明するシーラーおよび塗料の組合わせによって問題
を解決したものである。
【0011】
【実施例】本発明の調湿性建材の基材は、不燃性材料で
あるスラグ、石膏、セメント系主組成に調湿性成分とし
て粒度範囲を限定した珪藻土が添加されている。また、
本発明の調湿性建材の基材は、抄造法によって製造され
る。抄造法としては、それ自体周知の丸網式抄造機によ
る抄造法を用いることができる。
【0012】以下に、本発明の調湿性建材における基材
の成分系について説明する。石膏は、防火性、耐火性を
有するとともに湿度変化に起因する伸縮量が小さいほか
硬化、成形を行い易いといった長所をもっており、古く
から防火材、耐火材として用いられてきた。しかし、石
膏単体では、一次物性わけても曲げ強度が低いことおよ
びねじ釘保持力が弱いという欠点がある。本発明におい
ては、この点を有機質補強繊維および水硬性物質の添加
によって補完している。
【0013】石膏は重量で(以下、同じ。)、15%〜
50%添加される。15%に満たない添加量では、製品
である調湿性建材の防火性、耐火性、寸法安定性を確保
できないのみならず、乾燥、収縮によるひび割れの発生
を招く。一方、50%を超えて添加すると、スラグ、セ
メントといった水硬性物質による強度付与能や防水性、
硬化性、成形性といった特性を減殺する。また、一次物
性わけても曲げ強度、ねじ釘保持力を低下させる。
【0014】スラグ、セメントといった水硬性物質は、
これを添加することによってマトリックスが強固に密着
して調湿性建材の強度を高めるとともに、硬化、成形と
いった特性を簡単かつ安価に付与でき、調湿性建材(ボ
ード基材)の製造を容易にする。また水硬性物質は、防
火性、耐火性のほか防水性を有している。本発明におい
ては、15%〜50%の範囲内で添加する。15%未満
の添加量では、強度付与能や防水性、硬化特性、成形特
性を発現し難い。一方、50%を超えて添加すると、調
湿性建材の重量増加や乾燥、収縮によるひび割れを招
く。
【0015】珪藻土は、調湿性建材に吸放湿特性を付与
すべく添加される。本発明においては、5%〜25%の
範囲内で添加する。5%に満たない添加量では、調湿性
建材に所期の吸放湿特性を付与できない。一方、25%
を超える添加量は、調湿性建材の一次物性わけても硬度
や曲げ強度を低下させる。
【0016】本発明においては、珪藻土の粒度を2μm
〜100μmの範囲内に限定している。100μmを超
える粒度では、スラリーを抄造機で巻き取る時、珪藻土
粒が分離して均一なマットにすることができない。通
常、粒度≦70μmで実施する。珪藻土の粒度範囲は好
ましくは、10μm〜35μmである。
【0017】本発明においては、調湿性建材に吸放湿能
を付与する物質として、珪藻土の他に粒度範囲を限定し
たシリカゲルやゼオライト等を用いることができる。
【0018】パーライトは、耐火性を高めまた軽量骨材
として調湿性建材を軽量化すべく添加される。本発明に
おいては、10%〜15%の範囲内で添加する。10%
未満の添加量では調湿性建材の耐火性向上や軽量化に資
する処が小さく、一方、15%を超えて添加すると、調
湿性建材の吸放湿特性と一次物性バランスを損なう。
【0019】調湿性建材の強度を向上させる有機質補強
繊維として、たとえばパルプを添加する。本発明におい
ては、4%〜8%の範囲内で添加する。4%未満の添加
量では、調湿性建材の強度および加工性の向上効果を発
現できない。一方、8%を超える添加量は、パルプが有
機質材料である処から調湿性建材の不燃性材料としての
特性を喪失する。有機質補強繊維としては、パルプの他
にビニロン等を用いることもできる。
【0020】無機質繊維たとえばロックウールは、有機
質補強繊維と同様に、調湿性建材の強度を向上させると
ともに加工性を向上させるべく添加される。本発明にお
いては、1%〜5%の範囲内で添加する。1%に満たな
い添加量では強度向上に資する処が小さくまた、5%を
超えて添加すると混練作業に支障を来しさらに、ダマと
呼ばれる繊維凝集物が混在し調湿性建材の材質の均一性
を損なう。
【0021】本発明においては、この他に炭酸カルシウ
ム、雲母、消石灰を増量材等としてそれぞれ0%〜15
%、1%〜8%、1%〜1.5%の範囲内で添加するこ
とができる。
【0022】本発明においては、上記基材の一面即ち居
住空間側となる面に、塗装下地材として通気性シーラー
を塗布する。本発明の他の実施形態として、基材の他面
即ち屋外側となる面に防湿・防水、撥水性、耐水性に優
れたシーラー(バックシーラー)を塗布することが好ま
しい。本発明の調湿性建材は居住空間の吸放湿を行うべ
く用いられるものであるが、バックシーラーを施さない
ときは、居住空間からの湿気が調湿性建材の屋外側の面
に抜け、屋外の気温の変化によって結露する虞があるこ
とおよび、屋外の湿度変化が基材を通して居住空間に影
響を与える場合もあるため、これらを防止すべく基材の
他面にバックシーラーが塗布される。
【0023】通気性を有するシーラーとしては、この実
施例においては、シリカ変性アクリル共重合樹脂を用い
ている。この通気性シーラーは乳白色のエマルジョンで
あって、以下の物性をもつ。 不揮発分 :39.0%±1% 粘度(25℃) ≦50mPa・s(BM型、ローターNo. 1、60rpm) イオン性 :アニオン pH :7.0±1.0 平均粒子径 :0.06μm 造膜温度(MFT):30℃ このシーラーは無機質材、金属に対する付着性が良好
で、浸透性、水蒸気透過性に優れ、耐ブロッキング性も
良好である。本発明においては、この他に透気性構造を
有する皮膜を形成するものであれば、この実施例に限る
ことなく種々のエマルジョンを用いることができる。
【0024】上記通気性シーラーを基材の一面に塗布す
るに際しては、重量で、シリカ変性アクリル共重合樹脂
エマルジョン:水=1:1〜1:2の比率で混合し、塗
布量:55g/m〜77g/m(固形分)の条件で
塗布する。55g/m未満の塗布量では基材に対する
塗料の下地材となり得ない。一方、77g/mを超え
て塗布すると、基材に対する通気性を阻害する。シーラ
ー塗布後、熱風ブロワーで120℃×3分間の条件で乾
燥する。
【0025】次に、本発明においては、通気性シーラー
を塗布した面に通気性の塗装を施す。通気性塗料として
は、基材の吸放湿性を損なうことなく建材としての意匠
性を付与できるものとして、重量で、着色・体質顔料:
40%〜60%、アクリル樹脂エマルジョン:15%〜
20%、添加剤:5%〜9%、水:20%〜30%から
なる水性塗料を用いている。添加剤としては、界面活性
剤、乳化剤、消泡剤、pH調整剤、融着溶剤、防腐・防
黴剤、キレート化剤等を単体で或は複合して用いる。
【0026】さらに、塗装面の通気性を向上させる目的
で、上記水性塗料に脂肪族炭化水素の乳化物を、水性塗
料有り姿:100重量部に対し、5重量部〜20重量部
添加する。この脂肪族炭化水素乳化物の添加によって、
塗装・熱風乾燥後、塗膜の通気性が向上する。この脂肪
族炭化水素の乳化物は、以下の物性をもつ。 粘度(25℃) :9mPa・s pH(10倍希釈液) :8.1 脂肪族炭化水素含有量 :30%±5%
【0027】なお、この実施例においては、基材の他面
即ち屋外側となる面に防湿・防水性、撥水性、耐水性に
優れたバックシーラーを塗布した。バックシーラーとし
ては、アクリル・スチレン共重合樹脂を主剤として用い
ている。この主剤は、重量で、アクリル・スチレン共重
合樹脂:36%、水:54%、造膜助剤:10%の組成
を有する乳白色エマルジョンである。その物性は、以下
の通りである。 不揮発分 :36.0%±2.0% 粘度(25℃) ≦100mPa・s(BM型、ローターNo.4、 12rpm) イオン性 :アニオン pH :8.5±2.0
【0028】前記主剤に、撥水性、耐水性、耐ブロッキ
ング性の向上ならびに造膜助剤としての機能増強の目的
で、重量で、パラフィンワックス:50%、水:50%
からなる乳白色エマルジョンを添加剤として用いてい
る。この添加剤の物性は、以下の通りである。 固形分 :50%±2% pH :9±1 粘度 ≦100cP イオン性 :アニオン
【0029】上記バックシーラーを基材の他面に塗布す
るに際しては、アクリル・スチレン共重合樹脂エマルジ
ョン:100重量部、添加剤:5重量部の比率で混合し
て、塗布量:72g/m〜102g/m(樹脂固形
分)の条件で基材の他面に塗布する。72g/m未満
の塗布量では、防湿・防水機能を十分に発現できない。
一方、102g/mで効果が飽和し、これを超える塗
布量はコストの上昇要因となるのみである。バックシー
ラー塗布後、熱風ドライヤーで100℃×3分間の条件
で乾燥する。
【0030】以下、本発明の実施例を記す。 実施例1 重量で、二水石膏:30%、高炉スラグ:30%、珪藻
土:20%(平均粒度:30μm)、パルプ:5%、ロ
ックウール:3%、パーライト(軽量骨材):12%の
組成の原料混合物に、水を加えて混練し、得られたスラ
リーを丸網式抄造機を用いて抄造速度:40m/分で抄
造し、次いで、70℃近傍まで段階的に昇温し、70℃
の温度で20時間蒸気(90%RH)養生した。その
後、100時間の自然養生を行った。然る後、乾燥機内
において、180℃で10分間の乾燥を行った後、切断
加工を行って厚さ:6mm、幅:910mm、長さ:1
820mmの調湿性建材の基材を得た。
【0031】この基材の一面に、通気性シーラーとして
のシリカ変性アクリル共重合樹脂エマルジョン:水=
1:2(重量比)の混合物を塗布した。塗布量は66g
/m(固形分)であった。その後、120℃×3分間
の熱風乾燥を行った。
【0032】そして、上記通気性シーラー塗布面上に、
重量で、着色・体質顔料:50%、アクリル樹脂エマル
ジョン:18%、添加剤:7%、水:25%からなる水
性塗料:100重量部に対し、脂肪族炭化水素:30%
を含有する乳化物を8重量部添加したものを塗布した。
淡褐色の意匠性に富む塗膜面が形成された。
【0033】一方、基材の他面にバックシーラーとし
て、アクリル・スチレン共重合樹脂エマルジョン:10
0重量部と、添加剤としてのパラフィンワックス:50
%、水:50%からなる乳白色エマルジョン:5重量部
の混合物を87g/m(固形分)塗布した。その後、
100℃×3分間の熱風乾燥を行った。
【0034】得られた、一面に通気性塗装面をもつ調湿
性建材の調湿性を試験した。その結果を、図1に示す。
図1から明らかなように、本発明の調湿性建材は、市販
の石膏ボードに壁紙を貼着した建材に比し、優れた吸放
湿性を有している。
【0035】
【発明に効果】本発明によれば、吸放湿性に優れるとと
もに塗装面を有する意匠性に優れた調湿性建材を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の調湿性建材の調湿性試験結果を示すグ
ラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C04B 28/14 (C04B 28/14 18:14 18:14 C 14:08 14:08 14:18 14:18 16:02) 16:02) Z 111:40 111:40 Fターム(参考) 2E001 DB03 DE01 FA10 FA14 GA06 HA00 HA01 HA03 JA00 JA06 JA11 JA12 JC02 JC08 JD02 JD04 4F100 AC10 AC10A AE01A AE06A AJ00A AK01A AK12 AK25 AK25C AL01 AT00A BA03 BA10C CA13C CA13H CC01B CC01C DG01A DG02 GB08 JD02 JD02B JD02C JM01C 4G012 PA05 PA07 PA18 PA22 PA29 4G028 FA01 FA06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量で、二水石膏:15%〜50%、水
    硬性物質:15%〜50%、粒度が2μm〜100μm
    の範囲内にある珪藻土:5%〜25%、パーライト:1
    0%〜15%、有機質補強繊維:4%〜8%からなる基
    材の一面に、通気性シーラーを塗布、乾燥し、その表面
    に通気性塗料を塗布してなる調湿性建材。
  2. 【請求項2】 通気性塗料が、アクリル樹脂エマルジョ
    ン、着色・体質顔料および添加剤を配合したものである
    請求項1に記載の調湿性建材。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013076215A (ja) * 2011-09-29 2013-04-25 Daiken Corp 化粧板

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