JP2002067555A - 証券印刷物及びその製造方法 - Google Patents

証券印刷物及びその製造方法

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JP2002067555A
JP2002067555A JP2000258819A JP2000258819A JP2002067555A JP 2002067555 A JP2002067555 A JP 2002067555A JP 2000258819 A JP2000258819 A JP 2000258819A JP 2000258819 A JP2000258819 A JP 2000258819A JP 2002067555 A JP2002067555 A JP 2002067555A
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Minoru Fujita
實 藤田
Taishi Yokogawa
たい子 横川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 証券印刷物のセキュリティ要素を変化させる
ことにより、偽造防止効果を高める証券印刷物及びその
製造方法を提供する。 【解決手段】 証券印刷物の構成要素の一つであるセキ
ュリティ要素を2つに分け、一方のセキュリティ要素は
固定仕様であらかじめ加工を施し、他方のセキュリティ
要素は可変仕様で加工を施すことにより、証券印刷物1
枚ごとに異なるセキュリティ情報を付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、銀行券や国債など
の証券印刷物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】証券印刷物の構成要素を機能面から解析
すると、コンテンツ要素とセキュリティ要素の二つの要
素に分けられる。コンテンツ要素とは、印刷技術本来の
目的である情報を伝えるための要素であり、国債などを
例にすると、債権額、利率、期日などである。一方セキ
ュリティ要素とは、偽造を防ぐための手段として採用さ
れているものであり、透かしや凹版などが代表的なもの
である。
【0003】一般に、印刷物においてはセキュリティ要
素とコンテンツ要素は一体化していることが多く、これ
を区別して構成要素を分析するという事は行われていな
い。凹版印刷を例に考えると、凹版は証券類において最
も重要なコンテンツ要素である金額などの印刷に使用さ
れている。これはコンテンツ要素の保護と同時に証券全
体のセキュリティ保持という2つの役割を果たしている
からである。これまで印刷物のセキュリティを高めるた
めには印刷技術の高度化を図ることによって行われてき
た。このことから本来コンテンツ要素を伝える手段とし
て発達してきた印刷の概念から離れることが難しいため
両者が渾然一体となって利用されて来た。
【0004】また、セキュリティ要素としてもコンテン
ツ要素に関連したものでないと、人間が記憶し、区別・
判別することが困難であるということから、コンテンツ
要素と一体化して利用されてきたという事情もある。
【0005】この結果、これら二つの要素をそれぞれの
機能を分析して、その特性を評価し組み合わせて製品を
設計するということは行われていなかったのが現実であ
る。証券印刷物の設計はコンテンツ要素を中心に更に美
的感覚に基づくデザインを作り、このデザインに更に特
殊機能を持たせて偽造防止を図るという手法が中心であ
った。
【0006】近年では偽造事件の増加のために偽造防止
技術へのニーズが高まり、セキュリティ確保を目的に開
発・採用されてきている技術が多くなってきている。し
かしこの場合でもこれらの技術についての考え方は従来
と変化してきていない。例えば蛍光などの偽造防止技術
においても、まず従来の印刷方式においてデザインがな
され、その後インキに蛍光という機能性を付与すること
が多い。このため蛍光付与をセキュリティ要素として従
来の印刷要素とは明確に区別した製品設計がなされてい
るとは言いがたいのが現実である。
【0007】また、証券類においては同一券種では完全
に均一な仕様内容であることが求められていた。銀行券
を例に取ると、銀行券は同一金額であればそれはあらゆ
る銀行券で同じであるべきであり、履歴把握のための要
素である記番号以外についてはまったく同じものである
ことが要求されてきた。これは以下に述べるこれまでの
真偽判別の手法に合わせた結果である。
【0008】真偽判別は原則的には本物との比較対照に
基づいて行うものである。ただ、銀行券のように頻繁に
使われるものについては、本物との対比というのは面倒
であることから、個人の記憶にある銀行券のイメージと
の照合(個人記憶の本物情報との照合)によって行われ
ている。
【0009】この真偽判別が機能するためには、本物が
極めて均一であり、多少の違いでも気がつくような性質
を有することが必要である。つまり、真偽判別はスタン
ドアローンで、各人の記憶にあるデータベースに基づき
行われており、これが有効に機能するためには証券印刷
物の特徴は全く同じであることが信頼性につながり、か
つ判定の容易さにつながってきたという事情がある。
【0010】仮に、印刷物のセキュリティ要素を変化さ
せた場合、それが一定の基準に基づいていたとしても一
般市民にとってそれは完全には記憶しにくく、かつ煩雑
であることは否定できない。
【0011】このような事情は最近増加してきている機
械的な真偽判別においても同様である。多くの場合、機
械的な真偽判別は既にある証券印刷物を機械的に解析
し、特徴的な要素を取り出しデータベースとし、これを
対象物と比較することによって行っている。このような
手法は、すべての製品は同じ特性をもっているという前
提に基づいている。
【0012】このように、人であれ機械であれ、真偽判
別が個々に独立したデータベースに基づき比較照合によ
り行われているというのがこれまでの実態である
【0013】このような要求にこたえるため、従来から
証券印刷は一定の品質のものを長期的に安定して製造す
ることが可能な、かつ適している製造方式がとられてき
ている。このため証券印刷においては簡単には仕様が変
えられないという傾向を持っている。更に新しい技術を
採用する場合でも特に均一性については厳しい要求をす
ることが多かった。
【0014】なお、セキュリティ要素及びコンテンツ要
素はあらかじめ加工しておき、必要に応じ変化する一部
のコンテンツ要素を印刷する方式はこれまでもあった
が、この場合でもセキュリティ要素についてはこの一部
を分離し変化させることによりセキュリティ効果の向上
を図るという考え方はなかった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来のセキュリティ製
造技術においては、通常の証券印刷に採用される技術は
高度で、かつ一般には入手が困難な技術を使用するとい
う考え方が中心で有った。これは偽造犯が、同等もしく
は類似の偽造品を作るには、同一か類似の技術を使う必
要があるという考え方に基づいている。
【0016】しかし、近年、この状況に大きな変化が生
じてきた。カラーコピーのように、同じではないことは
明確であるが、大まかに見た場合には同じに見えてしま
う簡易複製技術が進歩するとともに広く普及するという
状況となってきたからである。この場合製品のコンテン
ツ要素のみを見る限りは本物と類似であり、このためセ
キュリティ要素に注目することなく受け取ってしまうと
いうことがおきてしまっている。このような複製装置を
使う偽造犯は、従来の高度な印刷技術をもつという偽造
犯イメージとは全く異なったものである。つまり従来の
ように本物の製造と同じかもしくは近い技術を使おうと
か、少しでも本物に近づけようとする努力は少なく、短
時間の不注意な取引現場で通用する程度の品質でかまわ
ないという考え方である。このような偽造犯に対しては
偽造防止の手法についても従来と異なった考えを持たな
ければならなくなっている。
【0017】この場合でも、高度に均一であるというこ
とは、偽造品の色などの品質が悪い場合の発見のために
は有効であり今後とも重要な要素であることは変わらな
いが、カラーコピー利用のような安易な偽造犯に対して
は、これらの装置の品質向上もあり、従来のように決定
的な役割は果たしがたくなってきていることは否定でき
ない。
【0018】一方、均一であることは逆に大量に偽造で
きるというマイナス面も生じてしまう。通常、偽造は市
中にある製品を分析しその特徴をコピーしようとする。
すべてが均一であればこれは容易である。通常のプリン
タでの偽造は本物の色を出すことは難しく、色調整には
かなりの時間と技術が必要であるが、一度困難を克服す
れば大量の偽造が可能であることから一部の犯罪者はこ
れを実行することになる。
【0019】従来、このような偽造を防ぐためには更に
高度な技術で差別化を図ろうとした。しかし、カラーコ
ピーによる偽造などでは、はじめから高度なものは偽造
しようとしていないのであり、技術の高度化は必ずしも
この偽造を防止できるものではない。
【0020】また、ホログラムのように従来の証券印刷
にない技術を採用してきてもいるが、このようなハイテ
ク技術は陳腐化も早く、10年前には非常に有効であっ
た技術が現在では偽造が容易になってきており、結局は
他の従来の偽造防止技術と同じレベルとなってしまって
いるのが現実である。実際ホログラムの複製法などの論
文がインターネット上で公開されており、使い方によっ
ては従来技術に比べても危険は大きいこともある。なぜ
ならこれらの技術は一般にはなじみがないものであり、
専門家なら簡単にわかる偽造であっても、一般市民がこ
れらの技術になじみがないことから、きらきら光れば本
物という程度の判断をする可能性が高く、現実の真偽判
別にはなかなか役立っていないという面も有るからであ
る。
【0021】最近増加が著しい機械的な真偽判別の場合
においても偽造の脅威が大きくなってきている。これら
の装置は磁気や光のセンサーで読み取ったデータに基づ
き真偽判別しているために、その原理がわかると偽造が
容易になってしまう可能性が大きい。これまでもこれら
機械を相手とした偽造事件が発生するたびに、これを防
止するためのより高度な手法を開発・採用してきている
が、その技術がわかってしまうと偽造されてしまうとい
う基本は同じである。
【0022】つまり真偽判別の基準となるデータベース
が同一である限り、いったんこの情報が漏れてしまえば
偽造されてしまうという危険は常につきまとうものであ
る。特に最近ではこれら装置類が増加してきている一
方、機械的真偽判別はコストの面から本物の一部の特徴
のみを利用した比較的簡単なデータベースに依存してい
るケースもあり、対人的な偽造に比べても大量偽造の脅
威は大きいといえる。
【0023】以上のように、従来はこのような偽造を防
ぐためにより偽造の難しい手段を開発し施すという方向
で改良がなされてきたが、本発明は、これとは異なる手
法、すなわちセキュリティ要素とコンテンツ要素を明確
に分け、セキュリティ要素を積極的に変える事により偽
造防止効果を高めようというものであり、従来の均一性
の利点と、セキュリティ要素を変化させる利点とを両立
させるために、セキュリティ要素の一部のみを変化させ
一部を固定しておくという方法を採用するものであり、
変動させるセキュリティ要素をどのように変動させるこ
とが偽造犯の分析を困難にし、且つ真偽判別が難しくな
らないかということを課題とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】以上の観点から以下の二
つの手法を考え出した。 コンテンツとの関連の中の変動 セキュリティ要素を変動させる際にコンテンツの変動に
合わせてセキュリティ要素も変動させるものであり、こ
れによりセキュリティ要素に注目させる効果も有するこ
とになる。 機械読み取り要素の変動 セキュリティ要素において、一般に視認可能な要素は固
定しておき不可視要素としての機械的な要素のみを変動
させるものである。この場合変動する要素についての真
偽判別においてはその変動要素のデータを持つことが必
要である。これはスタンドアローンの装置では困難であ
るが、ネットワークでこれらの変動要素による情報をデ
ータベース端末に送ることにより真偽判別精度を向上さ
せることができる。つまり現在のネット技術をセキュリ
ティに活用する事により、従来の手法の弱点を補うこと
ができる。この場合この変動要素の情報を特定のデータ
ベース端末に集中することにより秘密保持が可能とな
り、また偽造犯の分析は不可能となる。
【0025】現在、情報アクセスはインターネットの普
及により容易であり、仮に証券が一定の範囲で異なった
特性をもっていてもデータベースにアクセスすることに
より、これらの差を認識することが容易である。特に機
械的な真偽判別の場合むしろ積極的にこの変化を利用す
ることにより真偽判別をより高度にするという方法も考
えられるが、これを実現するためには証券1枚ごとに異
なるセキュリティ情報を付与することが必要である。単
に真偽判別をネットワークを通じて行うだけではなく、
ネットワークを通じて直接可変仕様加工を行うことによ
り、さらにセキュリティは強化される。
【0026】以上の考えに基づき、本発明の証券印刷物
及びその製造方法は、証券印刷物の構成要素の一つであ
るセキュリティ要素を2つに分け、一方のセキュリティ
要素は固定仕様であらかじめ加工を施し、他方のセキュ
リティ要素は可変仕様で加工を施すことを特徴とするも
のである。
【0027】また、本発明の証券印刷物及びその製造方
法は、証券印刷物の構成要素の一つであるセキュリティ
要素を2つに分け、一方のセキュリティ要素は固定仕様
であらかじめ加工を施し、他方のセキュリティ要素は可
変仕様で加工を施す証券印刷物であって、前記可変仕様
がロットごとに異なって加工されていることを特徴とす
るものである。
【0028】また、本発明の証券印刷物及びその製造方
法は、セキュリティ要素の可変仕様は、1枚1枚異なっ
て加工されていることを特徴とするものである。
【0029】また、本発明の証券印刷物及びその製造方
法は、セキュリティ要素の可変仕様は、製品コンテンツ
要素の変動に連動して変化することを特徴とするもので
ある。
【0030】また、本発明の証券印刷物及びその製造方
法は、セキュリティ要素の可変仕様情報を不可視情報と
して加工することを特徴とするものである。
【0031】また、本発明の証券印刷物及びその製造方
法は、セキュリティ要素の可変仕様情報を、可視情報と
して記録し、該可視情報と同一情報を不可視情報として
記録することを特徴とするものである。
【0032】また、本発明の証券印刷物及びその製造方
法は、不可視情報である可変仕様は、機械読取可能であ
ることを特徴とする請ものである。
【0033】また、本発明の証券印刷物及びその製造方
法は、セキュリティ要素の可変仕様は、透明の撥水撥油
インキと通常の透明インキとによる潜像法により、異な
った模様を印刷することを特徴とするものである。
【0034】また、本発明の証券印刷物及びその製造方
法は、セキュリティ要素の可変仕様は、撥水撥油インキ
を用いたインキジェットプリンタにより、1枚ごとに異
なった模様を印刷することを特徴とするものである。
【0035】また、本発明の証券印刷物及びその製造方
法は、セキュリティ要素の固定仕様の1部として磁気書
込みが可能なセキュリティスレッドを施し、セキュリテ
ィ要素の可変仕様として該セキュリティスレッドに磁気
書き込みを行うことを特徴とするものである。
【0036】また、本発明の証券印刷物及びその製造方
法は、セキュリティ要素の可変仕様として、セキュリテ
ィスレッドに、記番号を特定のキーで暗号化した情報を
書き込むことを特徴とするものである。
【0037】また、本発明の証券印刷物の製造方法は、
セキュリティ要素の可変仕様を製造するために必要な情
報を発注者より受け、所望に応じてリアルタイムで加工
することを特徴とするものである。
【0038】また、本発明の証券印刷物の製造方法は、
セキュリティ要素の可変仕様を製造するために必要な情
報を、ネットワークを通じて発注者のデータベース端末
から、可変仕様加工機器端末で受け、発注者の希望する
最終仕様とした製品をリアルタイムで加工し、ネットワ
ークを通じて発注者に配信することを特徴とするもので
ある。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は、本発明による証券印刷物
の製造工程を示すものであり、証券印刷物の基本的な構
成及び製造法は従来の製品と同じであるが、コンテンツ
要素およびセキュリティ要素の固定仕様(以下、S1と
いう。)についてはあらかじめ従来の大量製造手段によ
り製造を行い、セキュリティ要素の可変仕様(以下、S
2という。)を必要に応じて必要なときに加工する。こ
のときS2要素の部分の加工を考慮したデザインとする
ことが必要である。S2の内容についてはセキュリティ
を考慮して決定することになるが、これは製品の性質、
顧客からの要望、各種の可変が可能なセキュリティ要素
(S2)の技術の特長を考慮して判断することになる。
【0040】加工単位としては必要に応じてロット単位
の加工もしくは1枚ごとの加工が考えられる。S2に必
要な情報はあらかじめ顧客から製品仕様の一部として注
文を受け取りこれに基づき製造することになるが、ネッ
ト配信により、顧客から随時送信を受け、この情報によ
りオンデマンドで加工することもできる。
【0041】(実施例1)本発明に係る実施の形態を、
実施例において国債を例に説明する。国債の製造におい
て、まず従来のセキュリティ要素である、凹版、すき入
れ、機能性インキによる印刷を、セキュリティ(S1)
要素として従来の製造方法に基づき大量製造をしてお
く。
【0042】国債の製造においては、その発行ごとにそ
の回の固有の情報である、従来の日付、利率などのコン
テンツ情報を文字印刷として行うが、これらの印刷をま
ず行い、更に従来にないセキュリティ(S2)要素とし
て、図2のように発行回数を表す数字をロゴ化したマー
クを撥水撥油インキで作成した潜像(特開平10−28
4449号公報)として印刷する。印刷方式としてはド
ライオフセット印刷を用い、潜像部を透明の撥水撥油イ
ンキで、これ以外の部分を通常の透明インキで印刷す
る。
【0043】これにより、従来の製造法によるS1要素
と、追加加工であるS2要素を持つ国債が製造される。
この国債を真偽判別するには、従来法の凹版やすき入れ
等の判定に加え、潜像部分(S2要素)をマジックイン
キ(登録商標)等で塗ると、撥水撥油インキの部分では
マジックインキをはじくので潜像が顕像となって目視可
能となり、発行回数の数字が表れるのでコンテンツ情報
と対比させることで容易に真偽判別ができる。
【0044】また、これらのロゴはもし偽造等が出たと
きは、その後の新しい発行においては随時改良を加える
事ができるので、単一方法での大量偽造が困難になる。
【0045】(実施例2)実施例1においては、S2の
印刷において潜像部を撥水撥油性インキ、それ以外の部
分を通常のインキでそれぞれドライオフセット方式で印
刷したが、本実施例においては、インキジェットプリン
タ用の撥水撥油性インキ及び通常のインキを用いたイン
キジェットプリンタにより印刷する。潜像部に撥水溌油
性インキを用いることは同様である。この場合印刷模様
をコンピュータでコントロールすることができるので、
あらかじめ作成してあるデータベースに基づき、発行回
数を表すロゴマークの潜像に加えて、国債1枚1枚に記
される記番号のチェックディジットを印字する。
【0046】これにより、実施例1における発行回数の
潜像以外に、記番号のチェックディジットという1枚1
枚異なった情報を偽造防止要素としてもつ国債を製造す
ることができる。真偽判別方法は実施例1と同様である
が、1枚ごとに異なった情報が付与されているので更に
高度の判別が可能である。
【0047】(実施例3)本実施例における国債の製造
においても、従来のセキュリティ要素である、凹版、す
き入れ、機能性インキによる印刷及びレーザー光により
記録可能な光記録シートの貼り付け(S1相当)は準備
製造をしておく。国債の製造においてはその発行ごと
に、その回の固有の情報である、従来の日付、利率など
のコンテンツ情報を文字印刷として行うが、これらの印
刷をまず行い、更に従来にないセキュリティ(S2)要
素として、図3のようにレーザー照射により光記録シー
トの光記録部に国債料額のパターンを作るパターン状露
光部と、更にレーザーにより光記録シートのディジタル
記録部に発行条件の情報を書き込んだ。
【0048】この国債については、光記録シート上に料
額ごとに異なった国債料額のパターンがあるので目視で
も容易に真偽判別ができ、更に機械的に光記録を読むこ
とにより発行条件を読み取りこれを印刷の情報と対比す
ることにより高度の真偽判別ができる。
【0049】偽造については、通常の偽造防止要素に加
えて光記録材料とレーザー記録技術が使用されているた
め更に高度の技術が必要であり非常に困難になる。また
光パターンが料額により異なるためにあらかじめ光記録
パターンを作っておいたシールで偽造することが難しく
なる。
【0050】(実施例4)本実施例における国債の製造
において、従来のセキュリティ要素である凹版、すき入
れ、機能性インキに加え、磁気記録可能なセキュリティ
スレッドを挿入しておく(図4)。通常はセキュリティ
スレッドについてはあらかじめ磁気記録を施しておく
が、本発明においては記録を施さないセキュリティスレ
ッドを挿入しておく。
【0051】国債の製造においては、その発行ごとに、
その回の固有の情報である、従来の日付、利率などのコ
ンテンツ情報を文字印刷として行うが、これらの印刷を
まず行い、更に従来にないセキュリティ(S2)要素と
して、1枚ごとに記番号を暗号キーにより変換した情報
を前記セキュリティスレッドに書き込む。この暗号キー
と記番号の組み合わせについてはデータベースとして別
途保管する。
【0052】この国債については、取引端末において、
記番号と変換された情報を読み取りデータベースと照合
することにより判別することができる。この方法で製造
した国債は、セキュリティ情報がデータベースのみに集
約できるためセキュリティが高くなる。
【0053】(実施例5)図5は、本発明に係る証券印
刷物の製造をネットワークを利用して行う方法の概略構
成を示すブロック図である。本実施例における国債の製
造において、従来のセキュリティ要素である凹版、すき
入れ、機能性インキに加え、磁気記録可能なセキュリテ
ィスレッドを挿入しておく。
【0054】国債の製造においては、その発行ごとに、
その回の固有の情報である、従来の日付、利率などのコ
ンテンツ情報を文字印刷としてまず行い、S2情報のな
い国債証券を製造しておき、ネットワークを通じて利用
者のデータベース端末からセキュリティ要素の可変仕様
部分を製造するために必要な情報を可変仕様加工機器端
末で受けると、更に従来にないセキュリティ(S2)要
素として、1枚ごとに記番号を暗号キーにより変換した
情報をセキュリティスレッドに書き込んだS2情報あり
の国債証券を製造し、利用者の希望する最終仕様とした
製品を加工し、製造端末よりネットワークを通じて利用
者に配信する。この時セキュリティスレッドに情報を記
録する装置は発行当局製造仕様情報データベース端末と
接続し、該データベース端末からのネットワークを通じ
た指示に基づき、リアルタイムで1枚ごとに送られた記
番号ごとに異なる情報を書き込む。この情報と記番号の
組み合わせについてはデータベースのみに保管する。
【0055】このように、発行時においてそのとき必要
な情報を書き込むため、その内容は偽造状況に応じて随
時変化することが可能であり、かつその情報は製造時に
一度製造端末に送られる以外は完全に分離されるために
セキュリティが高くなる。この国債については、取り扱
い端末において、記番号と変換された情報を読み取りデ
ータベースと照合することにより真偽判別をすることが
できる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したとおり、これまでは、すべ
ての証券で同じ偽造防止要素をもっており、偽造が出て
も簡単には仕様変更できなかったが、本発明によりセキ
ュリティ要素を変更でき、より偽造防止対策が容易とな
った。
【0057】また、必要に応じ顧客の要望に応じたきめ
細かい仕様の証券の製造や、異なった顧客からの注文に
小ロットでも応じて製造する事ができる。
【0058】また、ネットワークを通じてデータベース
からセキュリティ要素の可変仕様情報を送信することに
より柔軟な製造が可能となり、可変仕様情報をデータベ
ースのみが保有することになり秘密保持が完全となるの
で、偽造防止に対する効果があがる。
【0059】また、可変仕様情報が機械読み取り要素で
あれば、ネットワークを通じての認証が容易にできると
いう情報化時代に適合した証券の製造が容易にできるよ
うになる。
【0060】更に、ネットワークを通じて情報を受けて
証券の製造を行い、ネットワークにより認証、真偽判別
を行うことのできるという従来にない証券の製造が容易
にできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による証券印刷物の製造工程を示す。
【図2】本発明の実施例1による国債に施されたS2要
素を示す概略図である。
【図3】本発明の実施例3による国債に施されたS2要
素を示す概略図である。
【図4】本発明の実施例4による国債に施されたS2要
素を示す概略図である。
【図5】本発明の実施例5によるネットワーク図を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06K 7/10 B41J 29/00 Z Fターム(参考) 2C005 HA02 HA04 HB10 JB15 2C061 AQ05 CL10 JJ02 JJ04 JJ08 JJ14 2H113 AA01 AA03 AA06 BA03 BA39 BC00 CA34 CA39 5B072 BB00 CC21 CC27 DD01 DD04 MM09

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 証券印刷物の構成要素の一つであるセキ
    ュリティ要素を2つに分け、一方のセキュリティ要素は
    固定仕様であらかじめ加工を施し、他方のセキュリティ
    要素は可変仕様で加工を施すことを特徴とする証券印刷
    物。
  2. 【請求項2】 証券印刷物の構成要素の一つであるセキ
    ュリティ要素を2つに分け、一方のセキュリティ要素は
    固定仕様であらかじめ加工を施し、他方のセキュリティ
    要素は可変仕様で加工を施すことを特徴とする証券印刷
    物の製造方法。
  3. 【請求項3】 証券印刷物の構成要素の一つであるセキ
    ュリティ要素を2つに分け、一方のセキュリティ要素は
    固定仕様であらかじめ加工を施し、他方のセキュリティ
    要素は可変仕様で加工を施す証券印刷物であって、前記
    可変仕様がロットごとに異なって加工されていることを
    特徴とする証券印刷物。
  4. 【請求項4】 証券印刷物の構成要素の一つであるセキ
    ュリティ要素を2つに分け、一方のセキュリティ要素は
    固定仕様であらかじめ加工を施し、他方のセキュリティ
    要素は可変仕様で加工を施す証券印刷物であって、前記
    可変仕様がロットごとに異なって加工されていることを
    特徴とする証券印刷物の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記可変仕様は、1枚1枚異なって加工
    されていることを特徴とする請求項1又は3記載の証券
    印刷物。
  6. 【請求項6】 前記可変仕様は、1枚1枚異なって加工
    することを特徴とする請求項2又は4記載の証券印刷物
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記可変仕様は、製品コンテンツ要素の
    変動に連動して変化することを特徴とする請求項1、3
    又は5記載の証券印刷物。
  8. 【請求項8】 前記可変仕様は、製品コンテンツ要素の
    変動に連動して変化することを特徴とする請求項2、4
    又は6記載の証券印刷物の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記可変仕様情報を不可視情報として加
    工することを特徴とする請求項1、3又は5記載の証券
    印刷物。
  10. 【請求項10】 前記可変仕様情報を不可視情報として
    加工することを特徴とする請求項2、4又は6記載の証
    券印刷物の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記可変仕様情報を可視情報として記
    録し、該可視情報と同一情報を不可視情報として記録す
    ることを特徴とする請求項1、3又は5記載の証券印刷
    物。
  12. 【請求項12】 前記可変仕様情報を可視情報として記
    録し、該可視情報と同一情報を不可視情報として記録す
    ることを特徴とする請求項2、4又は6記載の証券印刷
    物の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記不可視情報である可変仕様は、機
    械読取可能であることを特徴とする請求項9又は11記
    載の証券印刷物。
  14. 【請求項14】 前記不可視情報である可変仕様は、機
    械読取可能であることを特徴とする請求項10又は12
    記載の証券印刷物の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記可変仕様は、透明の撥水撥油イン
    キと通常の透明インキとによる潜像法により、異なった
    模様を印刷することを特徴とする請求項1、3又5記載
    の証券印刷物。
  16. 【請求項16】 前記可変仕様は、透明の撥水撥油イン
    キと通常の透明インキとによる潜像法により、異なった
    模様を印刷することを特徴とする請求項2、4又は6記
    載の証券印刷物の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記可変仕様は、撥水撥油インキを用
    いたインキジェットプリンタにより、1枚ごとに異なっ
    た模様を印刷することを特徴とする請求項5記載の証券
    印刷物。
  18. 【請求項18】 前記可変仕様は、撥水撥油インキを用
    いたインキジェットプリンタにより、1枚ごとに異なっ
    た模様を印刷することを特徴とする請求項6記載の証券
    印刷物の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記固定仕様の1部として磁気書込み
    が可能なセキュリティスレッドを施し、前記可変仕様と
    して該セキュリティスレッドに磁気書き込みを行うこと
    を特徴とする請求項1、3又は5記載の証券印刷物。
  20. 【請求項20】 前記固定仕様の1部として磁気書込み
    が可能なセキュリティスレッドを施し、前記可変仕様と
    して該セキュリティスレッドに磁気書き込みを行うこと
    を特徴とする請求項2、4又は6記載の証券印刷物の製
    造方法。
  21. 【請求項21】 前記セキュリティスレッドに、記番号
    を特定のキーで暗号化した情報を書き込むことを特徴と
    する請求項19記載の証券印刷物。
  22. 【請求項22】 前記セキュリティスレッドに、記番号
    を特定のキーで暗号化した情報を書き込むことを特徴と
    する請求項20記載の証券印刷物の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記可変仕様を製造するために必要な
    情報を発注者より受け、所望に応じてリアルタイムで加
    工することを特徴とする請求項2、4、6、8、10、
    12、14、16、18、20又は22記載の証券印刷
    物の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記可変仕様を製造するために必要な
    情報を、ネットワークを通じて発注者のデータベース端
    末から、可変仕様加工機器端末で受け、発注者の希望す
    る最終仕様とした製品をリアルタイムで加工し、ネット
    ワークを通じて発注者に配信することを特徴とする請求
    項2、4、6、8、10、12、14、16、18、2
    0又は22記載の証券印刷物の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010274465A (ja) * 2009-05-27 2010-12-09 Dainippon Printing Co Ltd 可変情報が表示された多品種小ロット印刷物の製造方法
JP2018160212A (ja) * 2017-03-24 2018-10-11 独立行政法人 国立印刷局 可変情報活用システム

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