JP2002066310A - 物質交換性能を高効率化させた精留塔 - Google Patents
物質交換性能を高効率化させた精留塔Info
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- JP2002066310A JP2002066310A JP2000265587A JP2000265587A JP2002066310A JP 2002066310 A JP2002066310 A JP 2002066310A JP 2000265587 A JP2000265587 A JP 2000265587A JP 2000265587 A JP2000265587 A JP 2000265587A JP 2002066310 A JP2002066310 A JP 2002066310A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】高効率化された精留塔の提供
【解決手段】精留塔内部に多孔板を設けるための支柱を
設け、物質交換の可能である多孔板を定められた角度内
で螺旋状に配置することで物質交換性能を高効率化させ
た精留塔。
設け、物質交換の可能である多孔板を定められた角度内
で螺旋状に配置することで物質交換性能を高効率化させ
た精留塔。
Description
【0001】[産業上の利用]ガスならびに液化ガスの
純度向上を図るべく物質交換性能を高効率化させた精留
塔に係わる。 [従来の技術]精留塔に内蔵されている溢流管を有する
多孔板は構造が簡単でかつ良好な物質交換性能を持つた
め、蒸留,精留,吸収等の気液接触を利用した分離操作に
利用されている。
純度向上を図るべく物質交換性能を高効率化させた精留
塔に係わる。 [従来の技術]精留塔に内蔵されている溢流管を有する
多孔板は構造が簡単でかつ良好な物質交換性能を持つた
め、蒸留,精留,吸収等の気液接触を利用した分離操作に
利用されている。
【0002】一般的な蒸留,精留装置は原料に含まれる
物質の沸点差を利用して分離操作を行うものであり、多
数の通孔が形成された複数段の多孔板を水平に配置し、
上方から流下する還流液と下方から上昇してくる気体と
を多孔板上において接触させることにより精留分離を行
う。
物質の沸点差を利用して分離操作を行うものであり、多
数の通孔が形成された複数段の多孔板を水平に配置し、
上方から流下する還流液と下方から上昇してくる気体と
を多孔板上において接触させることにより精留分離を行
う。
【0003】また、従来の一般的な精留塔としては、次
のような技術が知られている。 (1)精留塔内には分配器が配置されており、分配器よ
り還流液が供給され、一般に溢流管部を介して還流液は
上部から下部へと流れていく。精製の過程において、理
想的にはガスが上昇し、多孔板に充満した還流液と物質
交換をすることで、高沸点成分は還流液側に移動して下
流へ、低沸点成分は上昇ガス側に移動して上流へ分離さ
れることにより精製される。 (2)物質交換が主体に行われる多孔板には、還流液が
上昇ガスと同伴される所謂、飛沫同伴現象等を防止する
工夫がなされている。 [発明が解決しようとする問題点]上述のような複数段
の多孔板を水平に配置した精留塔では、各段に上段から
流下してくる還流液の溢流管とその段から下段へ還流液
が流下する溢流管を設置する必要があり、塔径に対し
て、多孔板の気液接触面積が減少する。また、溢流管の
存在は精留塔の圧力損失の一因でもあり、これらのこと
を考慮して処理量を増大するには塔径を大きくする必要
がある。
のような技術が知られている。 (1)精留塔内には分配器が配置されており、分配器よ
り還流液が供給され、一般に溢流管部を介して還流液は
上部から下部へと流れていく。精製の過程において、理
想的にはガスが上昇し、多孔板に充満した還流液と物質
交換をすることで、高沸点成分は還流液側に移動して下
流へ、低沸点成分は上昇ガス側に移動して上流へ分離さ
れることにより精製される。 (2)物質交換が主体に行われる多孔板には、還流液が
上昇ガスと同伴される所謂、飛沫同伴現象等を防止する
工夫がなされている。 [発明が解決しようとする問題点]上述のような複数段
の多孔板を水平に配置した精留塔では、各段に上段から
流下してくる還流液の溢流管とその段から下段へ還流液
が流下する溢流管を設置する必要があり、塔径に対し
て、多孔板の気液接触面積が減少する。また、溢流管の
存在は精留塔の圧力損失の一因でもあり、これらのこと
を考慮して処理量を増大するには塔径を大きくする必要
がある。
【0004】また、従来の多孔板精留塔では上昇ガス流
速が大きくなると、多孔板上の還流液を液滴として同伴
する飛沫同伴現象を生じて、精留分離効率が低下してい
た。また、逆に上昇ガス流速が小さくなると、多孔板上
の還流液が通孔から流下するウィーピング現象を生じ
て、同様に精留分離効率が低下していた。これに対する
改善技術として、例えば国内特許公開昭55-14404号,昭6
4-84086号,特公平6-63700号等がある。しかし、これら
の技術では塔内に溢流管が存在するため、溢流管による
圧力損失を完全に無くすことはできない。また、飛沫同
伴現象,ウィーピング現象の防止についても限界がある
ため精留分離効率の向上には限界がある。このため、飛
沫同伴現象,ウィーピング現象を防止して精留精製の処
理量を増大させようとすれば精留塔が大径化する。ま
た、このような精留塔では高純度な精留精製品を得るこ
とは困難であり、高純度な精留精製品を得ようとすれば
精留塔が高層化しコストアップにつながる。 [問題点を解決するための手段]そこで、本発明は圧力
損失の一因となる溢流管部を排除する画期的な構造に
て、圧力損失を最小にし物質交換効率を向上させ、また
多孔板を均一に濡らす分配器と簡易な構造の液滴保留器
を備えることで高性能な精留塔もしくは精留塔小型化を
可能にせしめる物質交換性能を高効率化させた精留塔を
提供することを目的とする。
速が大きくなると、多孔板上の還流液を液滴として同伴
する飛沫同伴現象を生じて、精留分離効率が低下してい
た。また、逆に上昇ガス流速が小さくなると、多孔板上
の還流液が通孔から流下するウィーピング現象を生じ
て、同様に精留分離効率が低下していた。これに対する
改善技術として、例えば国内特許公開昭55-14404号,昭6
4-84086号,特公平6-63700号等がある。しかし、これら
の技術では塔内に溢流管が存在するため、溢流管による
圧力損失を完全に無くすことはできない。また、飛沫同
伴現象,ウィーピング現象の防止についても限界がある
ため精留分離効率の向上には限界がある。このため、飛
沫同伴現象,ウィーピング現象を防止して精留精製の処
理量を増大させようとすれば精留塔が大径化する。ま
た、このような精留塔では高純度な精留精製品を得るこ
とは困難であり、高純度な精留精製品を得ようとすれば
精留塔が高層化しコストアップにつながる。 [問題点を解決するための手段]そこで、本発明は圧力
損失の一因となる溢流管部を排除する画期的な構造に
て、圧力損失を最小にし物質交換効率を向上させ、また
多孔板を均一に濡らす分配器と簡易な構造の液滴保留器
を備えることで高性能な精留塔もしくは精留塔小型化を
可能にせしめる物質交換性能を高効率化させた精留塔を
提供することを目的とする。
【0005】前記目的を達成するために本発明では、特
殊V字型還流液分配器を多孔板最上流部に設置すること
により還流液分配器と多孔板を一体構造としたことを特
徴とし、多孔板を水平方向に対し定められた角度の傾斜
を持った螺旋状に配置することにより、溢流管が無くて
も還流液が塔の上方から下方へ流下でき溢流管による圧
力損失をなくしたことを特徴とする。また、多孔板上の
各通孔の上流部に小型V字型液分配器を設置することに
より多孔板上の還流液を均一に分散させ気液接触を行
い、上昇ガスと同伴する液滴を捕獲する円錐型液滴捕獲
器を各通孔部に設置することにより飛沫同伴現象,ウィ
ーピング現象を防止し、精留分離効率を向上させ高純度
な精留精製品を得ることが可能となることを特徴とす
る。
殊V字型還流液分配器を多孔板最上流部に設置すること
により還流液分配器と多孔板を一体構造としたことを特
徴とし、多孔板を水平方向に対し定められた角度の傾斜
を持った螺旋状に配置することにより、溢流管が無くて
も還流液が塔の上方から下方へ流下でき溢流管による圧
力損失をなくしたことを特徴とする。また、多孔板上の
各通孔の上流部に小型V字型液分配器を設置することに
より多孔板上の還流液を均一に分散させ気液接触を行
い、上昇ガスと同伴する液滴を捕獲する円錐型液滴捕獲
器を各通孔部に設置することにより飛沫同伴現象,ウィ
ーピング現象を防止し、精留分離効率を向上させ高純度
な精留精製品を得ることが可能となることを特徴とす
る。
【0006】本発明は、精留塔内部に多孔板を設けるた
めの支柱を設け、物質交換の可能である多孔板を定めら
れた角度内で螺旋状に配置することで物質交換性能を高
効率化させた精留塔に関する。
めの支柱を設け、物質交換の可能である多孔板を定めら
れた角度内で螺旋状に配置することで物質交換性能を高
効率化させた精留塔に関する。
【0007】多孔板は、より均一に還流液で多孔板の全
面を均一に被覆するために、還流液を保留する要素を多
孔板上に配置させても良い。還流液を保留する要素と
は、多孔板上に設けられた任意な形状の凸状部を意味す
る。凸状部の形状は例えば、ほぼ直方形又は立方形等の
隆起部おおよび/またはV字形、U字形の溜付邪魔板で
あっても良い。さらに螺旋状になっている多孔板の横断
方向にわたって、隆起部を間隔を置いてV字形に設ける
ことが好ましい。 [作用]凝縮器からの還流液は、多孔板上の特殊V字型
液分配器により均一に分散されかつ多孔板は水平方向に
対して一定角度の傾斜を持って設置されることにより溢
流管が無くとも還流液は精留塔の上方から下方へ流下す
ることができる。このため、溢流管による圧力損失をな
くすことができる。また、前記多孔板の各通孔部に溜付
邪魔板を設置することにより、流下してくる還流液は精
留塔内の多孔板上に均一に分散でき精留分離効率が向上
する。さらに多孔板の各通孔部に円錐型液滴捕獲器を設
置することにより、上昇ガスに同伴される液滴は円錐型
液滴捕獲器に捕獲され成長し大粒の液滴となって、多孔
板上に落下する。そのため還流液が液滴として上方の多
孔板に上昇することがなくなり、上昇ガス流速を大きく
することができると同時にウィーピング現象も防止でき
る。
面を均一に被覆するために、還流液を保留する要素を多
孔板上に配置させても良い。還流液を保留する要素と
は、多孔板上に設けられた任意な形状の凸状部を意味す
る。凸状部の形状は例えば、ほぼ直方形又は立方形等の
隆起部おおよび/またはV字形、U字形の溜付邪魔板で
あっても良い。さらに螺旋状になっている多孔板の横断
方向にわたって、隆起部を間隔を置いてV字形に設ける
ことが好ましい。 [作用]凝縮器からの還流液は、多孔板上の特殊V字型
液分配器により均一に分散されかつ多孔板は水平方向に
対して一定角度の傾斜を持って設置されることにより溢
流管が無くとも還流液は精留塔の上方から下方へ流下す
ることができる。このため、溢流管による圧力損失をな
くすことができる。また、前記多孔板の各通孔部に溜付
邪魔板を設置することにより、流下してくる還流液は精
留塔内の多孔板上に均一に分散でき精留分離効率が向上
する。さらに多孔板の各通孔部に円錐型液滴捕獲器を設
置することにより、上昇ガスに同伴される液滴は円錐型
液滴捕獲器に捕獲され成長し大粒の液滴となって、多孔
板上に落下する。そのため還流液が液滴として上方の多
孔板に上昇することがなくなり、上昇ガス流速を大きく
することができると同時にウィーピング現象も防止でき
る。
【0008】これらのことから高効率に精留分離ができ
るので高純度な精留精製品が得られかつ精留塔の小型化
が可能となり大幅なコストダウンが図れる。 [実施例]以下に本発明の実施例を説明する。この実施
例は、アンモニアの精製に関する。
るので高純度な精留精製品が得られかつ精留塔の小型化
が可能となり大幅なコストダウンが図れる。 [実施例]以下に本発明の実施例を説明する。この実施
例は、アンモニアの精製に関する。
【0009】図1は精留装置の精留塔部を示すもので、
該塔内の気体と液体の流れを示すものである。塔1の内
部には、多孔板2が螺旋状に配置されこの多孔板2には還
流液を均一に分配する直方形、立方形等の隆起部3とV
字形,U字形等の溜付邪魔板4が設置されている(図2
参照)。
該塔内の気体と液体の流れを示すものである。塔1の内
部には、多孔板2が螺旋状に配置されこの多孔板2には還
流液を均一に分配する直方形、立方形等の隆起部3とV
字形,U字形等の溜付邪魔板4が設置されている(図2
参照)。
【0010】この塔1から導出されるものは頂部から精
製された高純度アンモニアガス(UPNH3G)であ
り、導入されるものは、頂部への高純度アンモニア液
(UPNH3L)である。このUPNH3Lは、UPNH
3Gの1部をコンデンサーにて液化したものである。ま
た、精製原料となる工業用アンモニアガス(CNH
3G)および工業用アンモニア液(CNH3L)はスチル
内液相の熱交換器Hを通り熱交換してスチルSに供給され
る。この熱交換によりスチルS内の工業用アンモニア液
は蒸発し、塔1内を上昇する上昇ガスGとなる。
製された高純度アンモニアガス(UPNH3G)であ
り、導入されるものは、頂部への高純度アンモニア液
(UPNH3L)である。このUPNH3Lは、UPNH
3Gの1部をコンデンサーにて液化したものである。ま
た、精製原料となる工業用アンモニアガス(CNH
3G)および工業用アンモニア液(CNH3L)はスチル
内液相の熱交換器Hを通り熱交換してスチルSに供給され
る。この熱交換によりスチルS内の工業用アンモニア液
は蒸発し、塔1内を上昇する上昇ガスGとなる。
【0011】図2および図3は図1の多孔板の一部を拡
大したものである。多孔板2は塔1内において、水平方向
に対して5−40度、好ましくは10〜15度の角度の傾斜で
設置されることにより、溢流管が無くとも還流液Lは多
孔板上全面を均一に覆って下方へ流下していくことがで
きる。
大したものである。多孔板2は塔1内において、水平方向
に対して5−40度、好ましくは10〜15度の角度の傾斜で
設置されることにより、溢流管が無くとも還流液Lは多
孔板上全面を均一に覆って下方へ流下していくことがで
きる。
【0012】コンデンサーから輸送される還流液Lは多
孔板2上の隆起部3に供給され、隆起部3により多孔板2
上に均一に分散される。この隆起部3の上端部は多孔板
2と同じ材質で形成され、V字部分の尖頭部および側面部
には還流液Lが流下できる通孔が設けられている。さら
に側面部の通孔の孔径は尖頭部から上方へいくほど大き
くなるようにしてあり、その設置には多孔板2に溶接す
るもしくは多孔板2に邪魔板と同様の溝を作成し、この
溝にはめ込むことで固定が可能となる。
孔板2上の隆起部3に供給され、隆起部3により多孔板2
上に均一に分散される。この隆起部3の上端部は多孔板
2と同じ材質で形成され、V字部分の尖頭部および側面部
には還流液Lが流下できる通孔が設けられている。さら
に側面部の通孔の孔径は尖頭部から上方へいくほど大き
くなるようにしてあり、その設置には多孔板2に溶接す
るもしくは多孔板2に邪魔板と同様の溝を作成し、この
溝にはめ込むことで固定が可能となる。
【0013】また、分散された還流液Lは各通孔部上流
側に設置されている溜付邪魔板4により多孔板上を偏流
することなく流下することができる。この溜付邪魔板4
も隆起部3と同様である。
側に設置されている溜付邪魔板4により多孔板上を偏流
することなく流下することができる。この溜付邪魔板4
も隆起部3と同様である。
【0014】一方、上昇ガスGは多孔板2に形成された多
数の通孔5を通って上昇し、多孔板2上の還流液Lと接触
し精留分離を行いながらさらに上方の多孔板に向かって
上昇する。
数の通孔5を通って上昇し、多孔板2上の還流液Lと接触
し精留分離を行いながらさらに上方の多孔板に向かって
上昇する。
【0015】そして、多孔板2の通孔5には上昇ガスGと
同伴されて上昇してくる還流液Lの液滴を捕獲する円錐
型液滴捕獲器6が設置されている。円錐型液滴捕獲器の
内部は、空洞となっている。この円錐型液滴捕獲器6
は、飛沫同伴された液滴は、円錐型液滴捕獲器の内部面
にぶつかって下に落ち気体と一緒に上昇するのが防止さ
れる。円錐型液滴捕獲器は、多孔板2と同様な材質で形
成され、円錐部の上部通孔と下部通孔との比は、1:3
である。
同伴されて上昇してくる還流液Lの液滴を捕獲する円錐
型液滴捕獲器6が設置されている。円錐型液滴捕獲器の
内部は、空洞となっている。この円錐型液滴捕獲器6
は、飛沫同伴された液滴は、円錐型液滴捕獲器の内部面
にぶつかって下に落ち気体と一緒に上昇するのが防止さ
れる。円錐型液滴捕獲器は、多孔板2と同様な材質で形
成され、円錐部の上部通孔と下部通孔との比は、1:3
である。
【0016】このように多孔板を螺旋状に設置すること
により、還流液溢流管が排除でき溢流管による圧力損失
を無くすことができる。また、隆起部および溜付邪魔板
を設置することで還流液を多孔板上全面に均一に分散す
ることができるので気液接触効率が向上し、精留分離効
率を向上させることが可能となる。さらに円錐型液滴捕
獲器を多孔板の通孔に取り付けることにより、上昇ガス
に同伴される液滴を捕獲して多孔板上に落下させること
ができ還流液が液滴として上方の多孔板に上昇すること
を防止できる。また、同時にウィーピングも防止でき
る。
により、還流液溢流管が排除でき溢流管による圧力損失
を無くすことができる。また、隆起部および溜付邪魔板
を設置することで還流液を多孔板上全面に均一に分散す
ることができるので気液接触効率が向上し、精留分離効
率を向上させることが可能となる。さらに円錐型液滴捕
獲器を多孔板の通孔に取り付けることにより、上昇ガス
に同伴される液滴を捕獲して多孔板上に落下させること
ができ還流液が液滴として上方の多孔板に上昇すること
を防止できる。また、同時にウィーピングも防止でき
る。
【0017】これらのことにより、塔内圧力損失は減少
すると共に気液接触面積が増加することにより精留分離
効率が向上するので精留塔の小型化が可能となる。さら
に上昇ガス流速を大きくすることが可能となるので精留
塔の小径化が可能となる。例えば塔径3000mm,塔
高5000mmである従来の精留塔が塔径2400m
m,塔高4000mmの精留塔にすることができ、精留
塔全体に亘る小型化が可能となり大幅なコストダウンを
図ることができる。さらにこの小型化した精留塔におい
て、上述のように精留分離効率も向上しているので、精
留精製品の純度を大幅に高純度化することが可能とな
る。例えば、原料アンモニア中の100ppmフルオロエ
タンが精留精製後では10ppb以下になる。
すると共に気液接触面積が増加することにより精留分離
効率が向上するので精留塔の小型化が可能となる。さら
に上昇ガス流速を大きくすることが可能となるので精留
塔の小径化が可能となる。例えば塔径3000mm,塔
高5000mmである従来の精留塔が塔径2400m
m,塔高4000mmの精留塔にすることができ、精留
塔全体に亘る小型化が可能となり大幅なコストダウンを
図ることができる。さらにこの小型化した精留塔におい
て、上述のように精留分離効率も向上しているので、精
留精製品の純度を大幅に高純度化することが可能とな
る。例えば、原料アンモニア中の100ppmフルオロエ
タンが精留精製後では10ppb以下になる。
【0018】本発明の精留塔と従来の精留塔の性能を比
較するためのテストを行った。性能比較の項目はウィー
ピング、飛沫同伴、乾き圧力損失、濡れ圧力損失であ
る。図4〜7は上記テストの結果を示す図であり、本発
明の場合をaで、従来技術の場合をbで示してある。図
4及び5については塔内に供給する液量を一定にして、
塔内ガス流速を変化させた時のウィーピング及び飛沫同
伴の比率を計測したものである。
較するためのテストを行った。性能比較の項目はウィー
ピング、飛沫同伴、乾き圧力損失、濡れ圧力損失であ
る。図4〜7は上記テストの結果を示す図であり、本発
明の場合をaで、従来技術の場合をbで示してある。図
4及び5については塔内に供給する液量を一定にして、
塔内ガス流速を変化させた時のウィーピング及び飛沫同
伴の比率を計測したものである。
【0019】また、図6については塔内に液が供給され
ない場合の塔内ガス流量を変化させた場合の塔内圧力損
失を計測したものである。図7については塔内に供給す
る液量を一定にして、塔内ガス流量を変化させた場合の
塔内圧力損失を計測した結果である。
ない場合の塔内ガス流量を変化させた場合の塔内圧力損
失を計測したものである。図7については塔内に供給す
る液量を一定にして、塔内ガス流量を変化させた場合の
塔内圧力損失を計測した結果である。
【0020】なお、本計測には塔径200mm、塔高1
800mmの精留塔を使用し、各テストを容易に実施す
るために塔内に供給する液には純水、塔内ガスには窒素
を使用したが、NH3であっても同様の結果が得られ
る。また、図4,5及び7において、液の供給量は30
00L/hである。
800mmの精留塔を使用し、各テストを容易に実施す
るために塔内に供給する液には純水、塔内ガスには窒素
を使用したが、NH3であっても同様の結果が得られ
る。また、図4,5及び7において、液の供給量は30
00L/hである。
【0021】[発明の効果]本発明は以上説明したよう
に、請求項1に係わる発明によれば、溢流管が不要にな
り溢流管による圧力損失が無くなり塔内圧力損失が減少
し、気液接触面積も増加する。また、請求項2に係わる
発明によれば、還流液が多孔板上を均一に分散し良好な
気液接触が可能となるので精留分離効率が向上する。さ
らに請求項3に係わる発明によれば、飛沫同伴現象を防
止することができるため、上昇ガス流速を大きくするこ
とができるので精留塔を小型に成形することが可能とな
る。また、請求項1、請求項2及び請求項3の発明によ
り、従来の精留塔より小型の精留塔を用いて精留精製品
の純度を高純度にすることが可能となり、かつ精留精製
装置のコストダウンが図れる。さらに本発明はNH3の
精留精製のみならず他の液化ガスにも同様の効果が得ら
れる。
に、請求項1に係わる発明によれば、溢流管が不要にな
り溢流管による圧力損失が無くなり塔内圧力損失が減少
し、気液接触面積も増加する。また、請求項2に係わる
発明によれば、還流液が多孔板上を均一に分散し良好な
気液接触が可能となるので精留分離効率が向上する。さ
らに請求項3に係わる発明によれば、飛沫同伴現象を防
止することができるため、上昇ガス流速を大きくするこ
とができるので精留塔を小型に成形することが可能とな
る。また、請求項1、請求項2及び請求項3の発明によ
り、従来の精留塔より小型の精留塔を用いて精留精製品
の純度を高純度にすることが可能となり、かつ精留精製
装置のコストダウンが図れる。さらに本発明はNH3の
精留精製のみならず他の液化ガスにも同様の効果が得ら
れる。
【図1】 本発明の精留塔の概略図。
【図2】 螺旋状となっている多孔板の1部の平面図。
【図3】 多孔板の1部の断面図。
【図4】 ウィーピング量とガス速度と関係を示すグラ
フ。
フ。
【図5】 飛沫同伴量とガス速度との関係を示すグラ
フ。
フ。
【図6】 乾き圧力損失とガス速度との関係を示すグラ
フ。
フ。
【図7】 濡れ圧力損失とガス速度との関係を示すグラ
フ。
フ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 雅一 大阪府大阪市淀川区宮原4丁目1番14号 住友生命新大阪北ビル 大阪酸素工業株式 会社内 (72)発明者 来島 貴彦 大阪府大阪市淀川区宮原4丁目1番14号 住友生命新大阪北ビル 大阪酸素工業株式 会社内 Fターム(参考) 4D047 AA01 AB00 BA06 DA04 DA13 DB05 4D076 AA01 AA15 AA22 BB05 CA13 CA15 CB02 CC06 DA07 JA03 4G075 AA03 AA13 AA45 BB07 BD03 BD04 BD13 CA02 DA02 EA01 EA05 EB04 EC09 EE12 EE31 FA02 FA08 FA14 FC01
Claims (3)
- 【請求項1】 精留塔内部に多孔板を設けるための支柱
を設け、物質交換の可能である多孔板を定められた角度
内で螺旋状に配置することで物質交換性能を高効率化さ
せた精留塔。 - 【請求項2】 還流液を保留し、均一に分配する要素を
多孔板上に配置させた請求項1記載の精留塔。 - 【請求項3】 多孔板に設けられる通孔部に、円錐状近
似形状の液滴捕獲器を備えたことを特徴とする請求項1
または2記載の物質交換性能を高効率化させた精留塔。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000265587A JP2002066310A (ja) | 2000-09-01 | 2000-09-01 | 物質交換性能を高効率化させた精留塔 |
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ID=18752830
Family Applications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009078194A (ja) * | 2007-09-25 | 2009-04-16 | Fuji Electric Holdings Co Ltd | 脱炭酸装置およびこれを備えた燃料電池発電装置 |
CN110604938A (zh) * | 2018-12-18 | 2019-12-24 | 北矿检测技术有限公司 | 一种螺旋塔板柱 |
CN111686471A (zh) * | 2020-07-20 | 2020-09-22 | 贵州柏森香料有限公司 | 一种高效精馏的填料塔 |
-
2000
- 2000-09-01 JP JP2000265587A patent/JP2002066310A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009078194A (ja) * | 2007-09-25 | 2009-04-16 | Fuji Electric Holdings Co Ltd | 脱炭酸装置およびこれを備えた燃料電池発電装置 |
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