JP2002065268A - 微生物由来の酸化酵素遺伝子及びそれがコードする酵素を用いたダイオキシン分解処理方法 - Google Patents

微生物由来の酸化酵素遺伝子及びそれがコードする酵素を用いたダイオキシン分解処理方法

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JP2002065268A
JP2002065268A JP2000260612A JP2000260612A JP2002065268A JP 2002065268 A JP2002065268 A JP 2002065268A JP 2000260612 A JP2000260612 A JP 2000260612A JP 2000260612 A JP2000260612 A JP 2000260612A JP 2002065268 A JP2002065268 A JP 2002065268A
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dioxin
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Hirokazu Tsuji
博和 辻
Mizuyo Yomoto
瑞世 四本
Kazutaka Ide
一貴 井出
Toshio Omori
俊雄 大森
Hideaki Nojiri
秀昭 野尻
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Obayashi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ダイオキシンを分解処理可能な酸化酵素をコー
ドする微生物由来の酸化酵素遺伝子及びそれがコードす
る酵素を用いたダイオキシン分解処理方法を提供する。 【構成】ダイオキシン(Dioxin)骨格を分解する酵素(ジ
オキシゲナーゼ(dioxygenase)であって特にアンギュラ
ージオキシゲナーゼ(angular dioxygenase)と呼ばれる
酸化酵素の遺伝子をテラバクター属細菌DBF63株か
ら単離し、その塩基配列を決定することに成功するとと
もに、該遺伝子が挿入されたベクターで大腸菌等を形質
転換し、かかる形質転換体を培養することによって、該
形質転換体から生成された酸化酵素がダイオキシン類を
分解処理することを見いだした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種ダイオキシ
ン、特に環境上その有害性が問題となるダイオキシンの
分解に関与する微生物由来の酸化酵素遺伝子及びそれが
コードする酵素を用いたダイオキシン分解処理方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】有機塩素化合物の一種であるダイオキシ
ンは、化学物質の製造工程若しくは塩素処理工程におけ
る副産物として生成され、あるいは廃棄物の燃焼工程に
おいて生成される化学物質であって多数の同族体が存在
するが、塩素数や置換位置によってはきわめて強い毒性
を示し、環境中で自然に分解されにくいため、生物濃縮
などを経て地球規模で拡散し、生態系に大きな影響を及
ぼすおそれがある。
【0003】そのため、ダイオキシン自体が発生するこ
とがないよう、例えば燃焼炉内では、高い燃焼温度と高
温での十分な滞留時間を保つとともに未然ガスと空気と
を十分に乱流混合させることによってダイオキシン類の
発生を抑制する対策が講じられてはいるが、例えば土壌
に混入する形でいったん環境に放出されてしまった後で
は、該土壌内のダイオキシンを安全に分離除去する手だ
てが別途必要となる。
【0004】一方、土壌内の汚染物質を分離除去するに
あたっては、汚染物質が含まれた土壌などを微生物の活
動に最適な水分・栄養・通気などの環境に調整して微生
物の活性を向上させることにより、自然状態よりも効率
よく汚染物質を微生物に分解させるバイオレメディエー
ションや、汚染物質の分解能力が確認されている菌株を
汚染現場に移植して土壌内の汚染物質を分解させるバイ
オオーギュメンテーションが注目されており、物理処理
や化学処理のように薬剤を一切使用しないため、低コス
トであるとともに安全性も高く、今後ますます適用範囲
が拡がっていくものと期待されているが、残念ながらダ
イオキシンを資化可能な微生物を自然界から単離するこ
とはきわめて困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
出願人らは、ダイオキシンに類似した構造を有するジベ
ンゾフラン(dibenzofuran、以下、DBFと呼ぶ)を資化可
能な微生物であるテラバクター属細菌DBF63株であ
れば、ダイオキシンを資化できずとも分解はできる可能
性が高いと推定し、かかる推定に基づいてさまざまな実
験を繰り返した結果、テラバクター属細菌DBF63株
がダイオキシンを実際に分解できることを見いだした。
【0006】しかしながら、ジベンゾフラン資化菌であ
るテラバクター属細菌DBF63株からダイオキシン分
解酵素を誘導させるには、当然ながらジベンゾフランを
含む培地で培養しなければならず、毒性はきわめて低い
とはいえ、ダイオキシン類の一種であるジベンゾフラン
を取り扱うことには安全性の点で改善の余地があった。
【0007】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、ダイオキシンを分解処理可能な酸化酵素をコ
ードする微生物由来の酸化酵素遺伝子及びそれがコード
する酵素を用いたダイオキシン分解処理方法を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ダイオキ
シン(Dioxin)骨格を分解する酵素(ジオキシゲナーゼ(d
ioxygenase)であって特にアンギュラージオキシゲナー
ゼ(angular dioxygenase)と呼ばれる酸化酵素の遺伝子
をテラバクター属細菌DBF63株から単離し、その塩
基配列を決定することに成功するとともに、該遺伝子が
挿入されたベクターで大腸菌等を形質転換し、かかる形
質転換体を培養することによって、該形質転換体から生
成された酸化酵素がダイオキシン類を分解処理すること
を見いだしたものである。
【0009】すなわち、本発明は、ヘテロ環式芳香族化
合物又は多環芳香族化合物を酸化するテラバクター属細
菌DBF63株由来の酸化酵素遺伝子、配列表の配列番
号1で示される塩基配列を有する請求項1記載のテラバ
クター属細菌DBF63株由来の酸化酵素遺伝子、請求
項1又は請求項2記載の酸化酵素遺伝子が挿入されてな
るベクター、請求項3記載のベクターが宿主細胞に導入
されてなる形質転換体及び請求項4記載の形質転換体を
培養し該形質転換体で生成された酸化酵素でダイオキシ
ンを分解するダイオキシン分解処理方法を提案するもの
である。
【0010】ここで、ダイオキシンは、いわゆるダイオ
キシン類と総称されているもの、具体的には、ポリ塩化
ジベンゾパラジオキシン(PCDDs)及びポリ塩化ジベン
ゾフラン(PCDFs)並びにそれらの異性体や同族体を言
う。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る微生物由来の
酸化酵素遺伝子及びそれがコードする酵素を用いたダイ
オキシン分解処理方法の実施の形態について、添付図面
を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の
部品等については同一の符号を付してその説明を省略す
る。
【0012】本発明に係る酸化酵素遺伝子は、テラバク
ター属細菌DBF63株から取得することが可能であ
り、例えば、配列表の配列番号1で示される塩基配列を
有するテラバクター属細菌DBF63株由来の酸化酵素
遺伝子を取得することができる。
【0013】かかる酸化酵素遺伝子を取得するにあた
り、本実施形態ではまず、dioxin骨格の分解に関与する
重要な反応を触媒するDBF dioxygenase遺伝子の配列をP
CR法によって直接検出した。
【0014】一般に芳香族化合物初酸化酵素(aromatis
dioxygenase)については、oxygenase componentのlar
ge subunitのアミノ酸配列において、電子伝達に関与す
るRieske-typeの鉄硫黄クラスター[2Fe-2S]の形成に関
与するアミノ酸残基が保存されている。
【0015】そこで、本実施形態では、この残基とその
周辺領域の配列を基にPCR用の縮重プライマー(Rieske f
orward/reverse)を合成し、次いで、このプライマーを
用いたPCRによってDBF63株のゲノムから78残基のDNA断
片を増幅し、この断片をpT7Blue T-vectorに組み込み、
PCR増幅DNA断片の塩基配列を決定した。
【0016】次に、増幅された78 bp DNA断片をプロー
ブ(probe dbfA)とし、DBF63株のtotal DNAに対し、サザ
ンハイブリダイゼーション(Southern hybridization)実
験を行った。
【0017】その結果、この遺伝子断片が約8.5 kbのBa
mHI断片にコードされていることが示された。
【0018】このように、DBF63株のtotal DNAにangula
r dioxygenaseのoxygenase component, large subunit
をコードしていると考えられる遺伝子断片が検出された
ので、これら遺伝子断片をコロニーハイブリダイゼーシ
ョン法(colony hybridization)によって以下のように単
離した。
【0019】まず、テラバクター属細菌DBF63株か
らTotal DNAを抽出し、次いで、抽出されたtotal DNAを
制限酵素BamHIで部分消化し、20-40kb断片が比較的多く
なる条件を検討したのち、幾つかの条件についてDNA部
分分解物を調製し、これをsupercos 1のBamHI サイトに
連結してコスミドライブラリーを作製した。
【0020】次に、Gigapack II XL packaging extract
(Stratagene)を用いてλファージへのin vitro packag
ingを行い、大腸菌JM109株に感染させ、Ap入りのLB寒天
培地上でコロニーを形成させた。
【0021】滴定を行った結果、1 mlのファージ溶液に
つき約500 コロニーの形成が見込まれた。そこで、20 m
lのファージ溶液を用いてコロニーを展開し、[α-32P]d
CTP溶液(3000 Ci / mmol, 10 mCi / ml、ICN)で標識
した78 bpのPCR産物をプローブ(probe dbfA-RI)とし
て用い、コロニーハイブリダイゼーションを行った。
【0022】次に、陽性の20コロニーから抽出したプラ
スミドDNAのBamHI完全分解物に対し、probe dbfAを用い
たサザンハイブリダイゼーションを行ったところ、19ク
ローン(pCC1-3、pCC5-20の19種)では8.5 kb BamHI断片
に強いシグナルが、また、20クローン(pCC4を含む20
種)で11 kb BamHI断片に弱いシグナルが検出された。
【0023】このことから、強弱併せて2種類のクロー
ンが単離されたことが示された。
【0024】次に、コスミドとして得られたクローンに
含まれている約40kbの大きさの挿入断片について、部分
分解に用いたBamHI サイトの地図を作製した。
【0025】また、Oxygenaseの活性を検出し、その後
の塩基配列の解析の材料として用いるために、Bam frag
ment Aと重なりプローブdbfAが強くハイブリダイズする
各断片をコスミドクローンからサブクローニングした。
そして、これらサブクローン化した断片についても制限
地図を作製し、この際にプローブdbfAを用いたサザンハ
イブリダイゼーション実験を行い、プローブがハイブリ
ダイズするDNA領域を同定することも行った。
【0026】
【実施例】次に、実施例を挙げてさらに詳細に説明す
る。なお、遺伝子操作に用いるプラスミドDNAの調製やs
equencing反応に供するDNAサンプルの調製は、Sambrook
らの方法、Birnboimの方法、Applied Biosystems社によ
るTerminator Cycle Sequencing Kitの取扱説明書等を
参考にして行なった。また、制限酵素は主に宝酒造、ニ
ッポンジーン、Boehringer-Mannheim社製のものを、Alk
aline phosphataseは、Boehringer-Mannheim社製(calf
intestine由来)のものをSambrookらの方法に準じて使
用した。また、DNA断片の末端の平滑化には、宝酒造製
のDNA blunting kitを添付説明書に従って使用した。ま
た、DNAの連結は、宝酒造製のDNA ligation kit ver.1
またはver. 2を用い、取扱説明書に準じて行った。ま
た、DNAの分離には、agarose ME(岩井科学製)を用い
て適当な濃度で作製したTAE-agarose gel、Mupid(アド
バンス社製)を用いて行った。20 kb以下の大きさのDNA
断片の精製は、アガロースゲル電気泳動によってDNAを
その大きさによって分離した後に、ゲルから目的断片を
切り出して、GENECLEAN II kit(Bio 101)を用い、取
扱説明書に従って行った。大腸菌のcompetent cellの調
製、形質転換については東京大学医科学研究所編の成書
に従って行った。
【0027】(使用菌株)
【0028】まず、使用菌株としてジベンゾフラン資化
菌であるテラバクター属細菌DBF63株を準備する。
テラバクター属細菌DBF63株の培養には、CFMM培
地、またはnutrient brothを使用した。Nutrient broth
は普通ブイヨン(栄研製)を、その使用法の記載に従っ
て使用した。CFMM培地は、1 literあたり2.2 g Na2HP
O4、0.8 g KH2PO4、3.0 g NH4NO3、0.2 g MgSO4・7H
2O、50 mg CaCl2・2H2O、50 mg FeCl3・6H2O、50 mg Ba
cto-Yeast extract(Difco)の成分から成るものを用い
た。炭素源としてDBFを用いる場合には、DBF結晶をエー
テルに溶解し0.1 g /mlとし、0.2 mm PTFE膜(Advante
c)を用いて濾過滅菌を行った。このDBFエーテル溶液を
滅菌したCFMM培地に無菌的に添加した後に、85℃で加熱
処理しエーテルを蒸発させた。これを素早くsonicator
にかけてDBFを培地中に分散させ、その後の培養に供し
た。培養は30℃で行い、培地を5 ml入れた18 mm径の試
験管を300 rpmの条件で、または100 ml培地を入れた500
ml容の坂口フラスコを120 rpmの条件で振盪して行っ
た。寒天培地を用いる場合には、寒天(和光純薬製)を
培地に対して1.6% (w / v )で添加して平板培地を作製
した。
【0029】(total DNAの抽出)
【0030】次に、テラバクター属細菌DBF63株か
らTotal DNAを抽出した。Total DNAのサンプルの調製
は、常法("Current Protocols in Molecular Biology
")に基いて行ったが、集菌後、TE buffer 467 mlに細
胞を懸濁した後に60 mg/ml lysozyme 50 ml、20 mg/ml
achromopeptidase 50 ml加えて37゜Cで1時間の細胞壁分
解処理を行った。
【0031】(DBF oxygenase 遺伝子の増幅と検出)
【0032】dioxin骨格の分解に関与する重要な反応を
触媒するDBF dioxygenase遺伝子の配列をPCR法によって
直接検出した。
【0033】一般に芳香族化合物初酸化酵素(aromatis
dioxygenase)については、oxygenase componentのlar
ge subunitのアミノ酸配列において、電子伝達に関与す
るRieske-typeの鉄硫黄クラスター[2Fe-2S]の形成に関
与するアミノ酸残基が保存されている。
【0034】そこで、本実施例では、この残基とその周
辺領域の配列を基にPCR用の縮重プライマー(Rieske for
ward/reverse)を合成した。PCR反応には、AmpliTaq Gol
d (Perkin Elmer)を用い、取扱説明書を参考にして行っ
た。
【0035】なお、その際、naphthaleneやbiphenylな
どをはじめとする多環芳香族炭化水素を基質とする初酸
化酵素のoxygenase component, large subunitのアミノ
酸配列の共通配列をターゲットにした。
【0036】このプライマーを用いたPCRによってDBF63
株のゲノムから78残基のDNA断片が増幅された。この断
片をpT7Blue T-vectorに組み込み、PCR増幅DNA断片の塩
基配列を決定した。
【0037】次に、増幅された78 bp DNA断片をプロー
ブ(probe dbfA)とし、DBF63株のtotal DNAに対し、サザ
ンハイブリダイゼーション(Southern hybridization)実
験を行った。
【0038】その結果、この遺伝子断片が約8.5 kbのBa
mHI断片にコードされていることが示された。この実験
においては、8.5 kb断片の他にも約11kb、約2.7 kbのBa
mHI断片が弱い陽性バンドとして検出され、他の制限酵
素で処理したDNAでも複数の陽性バンドが検出されたこ
とから、DBF63株には少なくとも3種類のdioxygenase,ox
ygenase component, large subunit遺伝子様配列が存在
することが示唆された。これらのうち8.5 kb断片上の塩
基配列は他の2配列に比べて縮重プライマーに対する相
同性が高かったために、PCRによる遺伝子増幅の際に際
だって増幅されたのであろうと推察され、このことより
11 kbと2.7 kbのBamHI断片はbiphenylやPAHsのdioxygen
ase遺伝子に比較的相同性の低い塩基配列を含んでいる
と考えられる。
【0039】なお、 サザンブロッティング (Southern
blotting)は、non-RI DIG-ELISA labelling and detect
ion kit (Boehringer-Mannheim)を使用し、取扱説明書
に従ってプローブを作製した。プローブの鋳型として、
プラスミドDNAやDBF63株のtotal DNAを鋳型として行っ
たPCR産物などを適宜用いた。DBF63株のtotal DNAまた
はpCC12を鋳型とし、Rieske primersを用いたPCR反応産
物(78bp)をprobe dbfAの合成に用いた。
【0040】メンブレン(Membrane,Hybond-N+, Amersha
m)へのDNAの転写(transfer)はキャピラリーブロッティ
ング法により12〜18時間かけて行い、転写後のメンブレ
ンは、5分間の紫外光照射(365 nm)によってDNAとメンブ
レンとの架橋固定を行った。
【0041】ハイブリダイゼーションと陽性バンドの検
出は、non-RI DIG-ELISA labellingand detection kit
(Boehringer-Mannheim)を使用し、取扱説明書に従って
行った。
【0042】(Oxygenase component遺伝子のクローン化
)
【0043】前項に示したように、DBF63株のtotal DNA
にangular dioxygenaseのoxygenasecomponent, large s
ubunitをコードしていると考えられる遺伝子断片が検出
されたので、これら遺伝子断片をコロニーハイブリダイ
ゼーション法(colony hybridization)によって単離し
た。
【0044】まず、上述したようにDBF63株から抽出さ
れたtotal DNAを制限酵素BamHIで部分消化し、20-40kb
断片が比較的多くなる条件を検討したのちに、幾つかの
条件についてDNA部分分解物を調製し、これをsupercos
1のBamHI サイトに連結してコスミドライブラリーを作
製した。
【0045】コスミドライブラリーを作製するにあたっ
ては、DBF63株のtotal DNAをBamHIで部分分解し20-40 k
bのDNA断片が多数になるように調製した。このDNAを脱
リン酸化処理してから連結(ligation)反応に供した。コ
スミドベクターとしては、SuperCos 1(Stratagene)を
使用し、これをXbaI、CIAP、BamHIで順次処理してからl
igation反応に供した。
【0046】16゜Cで30分のligation反応の後、Gigapac
k II XL packaging extract (Stratagene)を用いてλフ
ァージへのin vitro packagingを行い、大腸菌JM109株
に感染させ、Ap入りのLB寒天培地上でコロニーを形成さ
せた。
【0047】なお、大腸菌(E. coli)は、LB培地 [1.0%
bacto-tryptone (Difco), 0.5% bacto-yeast extract
(Difco), 0.5% NaCl, pH 7.3]、2xYT medium [1.6% bac
to-tryptone, 1.0% bacto-yeast extract, 0.5% NaCl,
pH 7.3]、Terrific broth [12g / l bacto-tryptone, 2
4 g / l bacto-yeast extract, 5 g / l glycerol, 0.0
17 M KH2PO4, 0.072 M K2HPO4]などを適宜用い、寒天培
地を作製する場合は、寒天(和光純薬)を1.6% (w / v)
添加した。培養は37℃で行った。必要に応じampicillin
sodium salt (Ap)(ナカライテスク)を終濃度50 また
は 100 mg / ml、isopropyl-b-D-thiogalactopyranosid
e(IPTG 、和光純薬)を終濃度0.1 mMで、5-bromo-4-ch
loro-3-indolyl- b -D-galactopyranoside (X-gal、和
光純薬)を終濃度50 mg / mlとなるように添加した。
【0048】滴定を行った結果、1 mlのファージ溶液に
つき約500 コロニーの形成が見込まれた。そこで、20 m
lのファージ溶液を用いてコロニーを展開し、[α-32P]d
CTP溶液(3000 Ci / mmol, 10 mCi / ml、ICN)で標識
した78 bpのPCR産物をプローブ(probe dbfA-RI)とし
て用い、コロニーハイブリダイゼーションを行った。
【0049】なお、コロニーハイブリダイゼーション
(Colony hybridization)の基本的な手法に関しては、常
法("Molecular Cloning")に従って行った。合成反応に
は、Megaprime DNA labelling systems (Amersham)を使
用した。また、合成した標識プローブはSephadex G-50
カラムを用いて精製し、未反応の[α-32P]dCTPを除去し
てからハイブリダイゼーションに用いた。
【0050】次に、陽性の20コロニーから抽出したプラ
スミドDNAのBamHI完全分解物に対し、probe dbfAを用い
たサザンハイブリダイゼーションを行ったところ、19ク
ローン(pCC1-3、pCC5-20の19種)では8.5 kb BamHI断片
に強いシグナルが、また、20クローン(pCC4を含む20
種)で11 kb BamHI断片に弱いシグナルが検出された。
【0051】このことから、強弱併せて2種類のクロー
ンが単離されたことが示された。
【0052】このことは、ハイブリダイゼーション実験
の結果におけるシグナル強度の違いと矛盾せず、最初の
total DNAを鋳型としたPCR実験の段階で一種のみが増幅
産物として検出されたのは、設計したPCRプライマーの
アニーリングのしやすさ(プライマー配列とアニーリン
グサイトの相同性)に由来するものと考えられた。
【0053】なお、陽性シグナルの検出は、バイオ・イ
メージングアナライザーBAS-2000II(富士写真フィルム
製)を用いてオートラジオグラフィーを行った。
【0054】(単離されたクローン)
【0055】コスミドとして得られたクローンは約40kb
の大きさの挿入断片を含んでいる。この断片について、
部分分解に用いたBamHI サイトについての地図を作製し
た。結果を図1に示す。これは、各コスミドクローンを
BamHIで完全分解し、電気泳動後のパターンを解析して
作製したものであり、二箇所存在する(B)はBamHIの
制限部位が未確定であり、いずれか一方に存在している
ことを示している。プローブdbfAがハイブリダイズする
8.5kbと11kbの両断片を濃淡で区別して示した(濃いハ
ッチングの方が8.5kbの断片)。
【0056】かかるBamHI制限地図に示したように、oxy
genase component遺伝子断片が強くハイブリダイズした
8.5 kb断片と、弱くハイブリダイズした11 kb断片が互
いに隣接していることが明らかになった。このことか
ら、この約20kbの領域内にoxygenase component遺伝子
が複数存在していることが示唆された。
【0057】一方、ferredoxinやreductase等、芳香族
化合物初酸化酵素の他のcomponent遺伝子がoxygenase c
omponent遺伝子の近傍領域に存在している可能性がある
が、これら遺伝子の探索を含めて、8 kb BamHI断片(Bam
fragment A)、11 kb BamHI断片(Bam fragment B)を中
心に、遺伝子解析を行った。
【0058】Oxygenaseの活性を検出し、その後の塩基
配列の解析の材料として用いるために、Bam fragment A
と重なりプローブdbfAが強くハイブリダイズする各断片
をコスミドクローンからサブクローニングした。
【0059】これらサブクローン化した断片についても
制限地図を作製し、この際にプローブdbfAを用いたサザ
ンハイブリダイゼーション実験を行い、プローブがハイ
ブリダイズするDNA領域を同定することも行った。
【0060】さらに、これらプラスミドDNAを鋳型と
し、Rieske primersと、プラスミドベクターpUC119上に
アニーリングサイトを持つユニバーサルプライマー-21M
13とM13RP1とを組み合わせたPCR実験を行い、挿入断片
上でoxygenase component遺伝子がコードされている向
きについても検討した(この向きに基づき、構築したプ
ラスミドの命名には、挿入断片内のoxygenase componen
t遺伝子の向きがプラスミドベクターのlacプロモーター
と一致するものにF(forward)、逆向きであったものにR
(reverse)を付記した)。
【0061】pDF01F-04Fを保持する大腸菌JM109につい
ては生育菌体反応によるDBFの酸化・変換能についても
検討した (図1のうち、下半分がoxygenase component
遺伝子を含む断片のサブクローニングに関する部分であ
り、プローブdbfAのハイブリダイズする箇所を黒の塗り
つぶしで示した)。pDF04Fを保持する大腸菌JM109株では
(2,2',3-trihydroxybiphenyl,THB)への変換(DBFに対す
るangular dioxygenase活性)が検出され、pDF04Fの4.8
kb SphI断片が少なくともdioxygenaseのoxygenase com
ponentをコードしていることが示された(大腸菌クロー
ンにおいては、他の電子伝達componentであるferredoxi
nと、特にreductaseが大腸菌のもので代用されうること
がある。この場合の活性量は本来の電子伝達コンポーネ
ント遺伝子を加えた場合に比べて低い)。
【0062】(塩基配列の決定と遺伝子解析 )
【0063】図1に示した8.6 kb BamHI-KpnI領域につ
いて全塩基配列を決定するとともに、その制限地図を図
2のように作製した。また、11 kb BamHI断片について
もoxygenase component遺伝子が存在すると考えられる
領域を2.6 kb PstI断片まで狭め、隣接領域を含めて4.1
kb SalI-PstI領域について塩基配列を決定した。
【0064】なお、DNA sequencingを行なう際に用いた
deletion mutantsは、ExonucleaseIII、Mung bean nucl
ease、Klenow fragment(宝酒造製)を用い、宝酒造のK
ilo-sequence Deletion Kitの取扱説明書に準じて作製
した。また、そのdeletion mutantsの元になるプラスミ
ドDNAとしてpDF07、pDF09、pDF10、pDF11、pDF12、pDF2
0を構築して用いた。
【0065】塩基配列の決定には、サブクローンやその
deletion mutantsを構築し、それを鋳型DNAとしてTherm
o SequenaseTM II dye terminator cycle sequencing k
it (Amersham)を用いてサンプルを調製し、ABI 373A (P
erkin Elmer)に供した。得られた塩基配列はDNASIS ver
3.7 (Hitachi software)で解析した。
【0066】(Oxygenase component遺伝子)
【0067】oxygenase component遺伝子(orf2, 3)を
単離、解析した。これらの遺伝子はそれぞれ、largeとs
mallの2サブユニットから構成されるangular dioxygena
seのoxygenase componentをコードしていると考えられ
る。
【0068】oxygenase component遺伝子(orf2, 3)を
コードする領域の塩基配列を配列表の配列番号1に、該
塩基配列がコードするoxygenase component(orf2, 3)
のアミノ酸配列を配列番号2、3にそれぞれ示す。
【0069】(ダイオキシンの分解)
【0070】単離されたoxygenase component遺伝子(o
rf2, 3)が挿入されたプラスミドpDF32(図2参照)で大
腸菌を形質転換し、該形質転換体から生成される酸化酵
素でダイオキシンが分解されることを実験で確認した。
なお、oxygenase component遺伝子(orf2, 3)を以降、
遺伝子DbfA1A2と呼ぶ。
【0071】まず、上述したように、遺伝子DbfA1A2が
挿入されたプラスミドpDF32で大腸菌を形質転換し、こ
れを表1に示す2×YT培地で培養した。
【0072】
【表1】
【0073】具体的には、試験管に5mlの2×YT培
地(バクトトリプトン、イーストエキス等を含む培地)
を分注し、これに遺伝子DbfA1A2が挿入されたプラスミ
ドpDF32で形質転換した大腸菌をプレートより白金耳を
用いて植菌し、30゜Cで振とう培養を12時間行った
(300 strokes/min)。
【0074】一方、5L容三角フラスコに1000ml
の2×YT液体培地を調製し、ここに予め試験管で培養
しておいた上記培養液を10ml加えてイソプロピル-
β-D-チオガラクトピノレシド(IPTG)を終濃度1
mMとなるように添加し、30゜Cで振とう培養を8時
間行った(120 rpm)。
【0075】反応基質としては、Dibenzo-p-dioxin, 2-
chlorodibenzo-p-dioxin, 2,3-dichlorodibenzo-p-diox
in, 1,2,3-trichlorodibenzo-p-dioxin, Dibenzofur
an,2-chlorodibenzofuran, 2,8-dichlorodibenzofuran
を使用した。
【0076】本培養液1000mlを遠心(6,000rpm,
5 min, 24゜C)し集菌後、表2に示すCNFMM培地
を400ml加えて懸濁し、再び遠心し集菌することで
菌体を洗浄した。再度、CNFMM培地を200ml加
え懸濁し集菌した後、得られた菌体をCNFMM培地に
懸濁した。
【0077】
【表2】
【0078】懸濁した菌液5mlに基質を添加し、振と
う(300 rpm, 30゜C)させることにより、菌とダイオ
キシンとを反応させた。18時間後、5mlの酢酸エチ
ルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、サンプルを
トリメチルシリル(TMS)化してGC―MS分析し
た。
【0079】分析の結果、Dibenzo-p-dioxin, 2-chloro
dibenzo-p-dioxin, 2,3-dichlorodibenzo-p-dioxin,
1,2,3-trichlorodibenzo-p-dioxin, Dibenzofuran, 2-c
hlorodibenzofuran, 2,8-dichlorodibenzofuranについ
て中間代謝産物とみられるものが検出された。これよ
り、上述した基質がそれぞれ酸化後環開裂したことがわ
かる。
【0080】それぞれの基質の中間代謝産物を図3及び
図4に示す。
【0081】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る微生物
由来の酸化酵素遺伝子及びそれがコードする酵素を用い
たダイオキシン分解処理方法によれば、ダイオキシン分
解酵素がコードされた遺伝子DbfA1A2を単離してその塩
基配列を決定するとともに、かかる遺伝子DbfA1A2で形
質転換された形質転換体でダイオキシンを分解するよう
にしたので、テラバクター属細菌DBF63株から酵素
を誘導するためにジベンゾフランを添加する必要がなく
なり、より安全性の高いダイオキシン分解が可能とな
る。
【0082】
【配列表】 <110> OBAYASHI CORPORATION <110> TOSHIO OMORI <110> HIDEAKI NOJIRI <120> The genes encoding dioxin degrading dioxygenase from Terrabacter s p. Strain DBF63 and its application for dioxin contaminated samples <130> OB9453 <160> 3 <210> 1 <211> 1832 <212> DNA <213> Terrabacter species <400> 1 dbfA1 start 1 ATGACCAGCATTAGCGAACGCCCCGTTGACGTGGCCTCCGCAGGACTGCACGACCTGGTG 60 1 MetThrSerIleSerGluArgProValAspValAlaSerAlaGlyLeuHisAspLeuVal 20 61 AAGCCCGACGAGGGCGCCGTCAGCCGAACGGTCTTCGTCGACGAGGCAATCTACCGCAAG 120 21 LysProAspGluGlyAlaValSerArgThrValPheValAspGluAlaIleTyrArgLys 40 121 GAATTGGACCGGGTATTCACCAAGACGTGGTTGTTCATCGGCCACGAGTCCCAGTTGAGT 180 41 GluLeuAspArgValPheThrLysThrTrpLeuPheIleGlyHisGluSerGlnLeuSer 60 181 GAGCCGGGCGACTACCTGACGAACTTCATGGGCGAGGACCCTGTGATCGCCACTCGCGGT 240 61 GluProGlyAspTyrLeuThrAsnPheMetGlyGluAspProValIleAlaThrArgGly 80 241 GCGGACGGAGTGATCCGGGTGATGCTCAACTCCTGCGCCCACCGGGGCATGGCCGTGTGT 300 81 AlaAspGlyValIleArgValMetLeuAsnSerCysAlaHisArgGlyMetAlaValCys 100 301 AGCACCGACGCCGGGTCCTCGAAGTTCTTCCGCTGCCCCTACCACGGCTGGACCTACAGC 360 101 SerThrAspAlaGlySerSerLysPhePheArgCysProTyrHisGlyTrpThrTyrSer 120 361 AACAACGGCGATCTGATCGGTGTACCGCGCGCAGATACCGTCTACCATGGCGAGCTGGAC 420 121 AsnAsnGlyAspLeuIleGlyValProArgAlaAspThrValTyrHisGlyGluLeuAsp 140 421 AAGTCGCGGCTAGGTCTGAAGGCCGTTCCGCGGGTGGAGAACTACAAGGGCTTCATCTTC 480 141 LysSerArgLeuGlyLeuLysAlaValProArgValGluAsnTyrLysGlyPheIlePhe 160 481 GCCAATTGGGACGAGGACGCCATCCCGCTGGTGGACTACCTCGGCGCTGACCAGCTCTGG 540 161 AlaAsnTrpAspGluAspAlaIleProLeuValAspTyrLeuGlyAlaAspGlnLeuTrp 180 541 TATCTGGACCTGGCCTTCGAGGCGCCGCTCGGCGGGCTCGAGGTGATCGGCCCCACGATG 600 181 TyrLeuAspLeuAlaPheGluAlaProLeuGlyGlyLeuGluValIleGlyProThrMet 200 601 AAGTTCCGGATCAAGGCCAACTGGAAGCTGGCGGCGGAGAACTTCGCCGGCGACGACTAC 660 201 LysPheArgIleLysAlaAsnTrpLysLeuAlaAlaGluAsnPheAlaGlyAspAspTyr 220 661 CACGTGCTCTACACACATGGGTCGGCCTTCCAGATCGGCTTCCTCCCCGATTACGACACG 720 221 HisValLeuTyrThrHisGlySerAlaPheGlnIleGlyPheLeuProAspTyrAspThr 240 721 CTCGGCGACTACATCGCACATTTCGACCACGGCCACGGGATGGGCGACATCGGCAAGCCC 780 241 LeuGlyAspTyrIleAlaHisPheAspHisGlyHisGlyMetGlyAspIleGlyLysPro 260 781 GGCCGGGCCTATCAGAACGACGTCGGGATGGCTCAGTTCCTCGGGCCGGAGGCGATCGAG 840 261 GlyArgAlaTyrGlnAsnAspValGlyMetAlaGlnPheLeuGlyProGluAlaIleGlu 280 841 TACGTCAACGCCGTGCACGAGCGGCTCAAGGCCCGGGTCTCCCCGCTGCAGGCGGAGATG 900 281 TyrValAsnAlaValHisGluArgLeuLysAlaArgValSerProLeuGlnAlaGluMet 300 901 CACGGGCTCGGTCAGGGCAATATCTTCCCGAACCTGTCATGGATCAAGTTCGGCGTCTTC 960 301 HisGlyLeuGlyGlnGlyAsnIlePheProAsnLeuSerTrpIleLysPheGlyValPhe 320 961 CACGTCTTCGGGCTCTTCCAATGGCACCCGAGGGGACCGGGTGAGATCGAGGTCTGGCAG 1020 321 HisValPheGlyLeuPheGlnTrpHisProArgGlyProGlyGluIleGluValTrpGln 340 1021 ACGGCGCTCTTCGACCGCGACGCGCCGCAGTCGGTCAAGGACGTCGCCCGCACCCAGATG 1080 341 ThrAlaLeuPheAspArgAspAlaProGlnSerValLysAspValAlaArgThrGlnMet 360 1081 TCCCAGGAGAATGCCGCGGCCGGGATCTTCGGCCAGGACGATGGCGAGAACTTCGAGCAA 1140 361 SerGlnGluAsnAlaAlaAlaGlyIlePheGlyGlnAspAspGlyGluAsnPheGluGln 380 1141 ATCACCGAGTCCGCCCGCGGGGTGGTCTCCCAGACCCGGGATTTCAACTACGCGATGGGC 1200 381 IleThrGluSerAlaArgGlyValValSerGlnThrArgAspPheAsnTyrAlaMetGly 400 1201 CTGGGGCACGAGGGCGAGATCCACGAGGAGGGATACCCCGGCCATTTGGGGCCCCACTAC 1260 401 LeuGlyHisGluGlyGluIleHisGluGluGlyTyrProGlyHisLeuGlyProHisTyr 420 1261 TCGGAGCAGAACCACCGCAACTTCTATCGCTACTGGCTCGAACTCATGACCACCCCGGGA 1320 421 SerGluGlnAsnHisArgAsnPheTyrArgTyrTrpLeuGluLeuMetThrThrProGly 440 dbfA2 start 1321 GAGCAGAAATGACCACTTCCCTCACCGATCTGCGCCGCGACGTCGAGGACTTCCTCTACA 1380 441 GluGlnLys*** 444 1 MetThrThrSerLeuThrAspLeuArgArgAspValGluAspPheLeuTyrS 18 1381 GCGAGGCCAAGATGCTCGACGAGCAACGCTACGACGAGTGGCTCGACCTGTTCACCGAGG 1440 18 erGluAlaLysMetLeuAspGluGlnArgTyrAspGluTrpLeuAspLeuPheThrGluA 38 1441 ATGTCCATTACTGGATGCCGATCACGGAGACCCGTGAGGTGCGGCAGCACCGGGACCACG 1500 38 spValHisTyrTrpMetProIleThrGluThrArgGluValArgGlnHisArgAspHisV 58 1501 TCCCCGGCGAGTGGTCGCTCATGGAGGAGGACGCCCGCTTCCTCGCCAAGCGGATGGAGC 1560 58 alProGlyGluTrpSerLeuMetGluGluAspAlaArgPheLeuAlaLysArgMetGluA 78 1561 GCTTGGCCGGTGGCCTTGCCCACTCGGAGCAGCCGCGGTCGCGGACGCGTCGGTTCATCA 1620 78 rgLeuAlaGlyGlyLeuAlaHisSerGluGlnProArgSerArgThrArgArgPheIleS 98 1621 GCAACGTCCTGGTCACCCCCGGGCCGGACGGCGACCTGGTAGCGGAGTGCAACTTCATCG 1680 98 erAsnValLeuValThrProGlyProAspGlyAspLeuValAlaGluCysAsnPheIleV 118 1681 TCTTCCAGTCCCGGCGGGCCAACTCCGAGCAGTTCTTCGTCGGCTCCCGTCGCGACCGGA 1740 118 alPheGlnSerArgArgAlaAsnSerGluGlnPhePheValGlySerArgArgAspArgI 138 1741 TCGTGACCTCCGGTGAGAACTGGAAGATCGCCGAACGGACCGTGCTCCTCGACCACCGGG 1800 138 leValThrSerGlyGluAsnTrpLysIleAlaGluArgThrValLeuLeuAspHisArgV 158 1801 TGCTGCCCCGTGCCATCTCCATCTTCTTCTGA 1832 158 alLeuProArgAlaIleSerIlePhePhe*** 168 <210> 2 <211> 444 <212> PRT <213> Terrabacter species <400> 2 1 MetThrSerIleSerGluArgProValAspValAlaSerAlaGlyLeuHisAspLeuVal 20 21 LysProAspGluGlyAlaValSerArgThrValPheValAspGluAlaIleTyrArgLys 40 41 GluLeuAspArgValPheThrLysThrTrpLeuPheIleGlyHisGluSerGlnLeuSer 60 61 GluProGlyAspTyrLeuThrAsnPheMetGlyGluAspProValIleAlaThrArgGly 80 81 AlaAspGlyValIleArgValMetLeuAsnSerCysAlaHisArgGlyMetAlaValCys 100 101 SerThrAspAlaGlySerSerLysPhePheArgCysProTyrHisGlyTrpThrTyrSer 120 121 AsnAsnGlyAspLeuIleGlyValProArgAlaAspThrValTyrHisGlyGluLeuAsp 140 141 LysSerArgLeuGlyLeuLysAlaValProArgValGluAsnTyrLysGlyPheIlePhe 160 161 AlaAsnTrpAspGluAspAlaIleProLeuValAspTyrLeuGlyAlaAspGlnLeuTrp 180 181 TyrLeuAspLeuAlaPheGluAlaProLeuGlyGlyLeuGluValIleGlyProThrMet 200 201 LysPheArgIleLysAlaAsnTrpLysLeuAlaAlaGluAsnPheAlaGlyAspAspTyr 220 221 HisValLeuTyrThrHisGlySerAlaPheGlnIleGlyPheLeuProAspTyrAspThr 240 241 LeuGlyAspTyrIleAlaHisPheAspHisGlyHisGlyMetGlyAspIleGlyLysPro 260 261 GlyArgAlaTyrGlnAsnAspValGlyMetAlaGlnPheLeuGlyProGluAlaIleGlu 280 281 TyrValAsnAlaValHisGluArgLeuLysAlaArgValSerProLeuGlnAlaGluMet 300 301 HisGlyLeuGlyGlnGlyAsnIlePheProAsnLeuSerTrpIleLysPheGlyValPhe 320 321 HisValPheGlyLeuPheGlnTrpHisProArgGlyProGlyGluIleGluValTrpGln 340 341 ThrAlaLeuPheAspArgAspAlaProGlnSerValLysAspValAlaArgThrGlnMet 360 361 SerGlnGluAsnAlaAlaAlaGlyIlePheGlyGlnAspAspGlyGluAsnPheGluGln 380 381 IleThrGluSerAlaArgGlyValValSerGlnThrArgAspPheAsnTyrAlaMetGly 400 401 LeuGlyHisGluGlyGluIleHisGluGluGlyTyrProGlyHisLeuGlyProHisTyr 420 421 SerGluGlnAsnHisArgAsnPheTyrArgTyrTrpLeuGluLeuMetThrThrProGly 440 441 GluGlnLys*** 444 <210> 3 <211> 168 <212> PRT <213> Terrabacter species <400> 3 1 MetThrThrSerLeuThrAspLeuArgArgAspValGluAspPheLeuTyrS 18 18 erGluAlaLysMetLeuAspGluGlnArgTyrAspGluTrpLeuAspLeuPheThrGluA 38 38 spValHisTyrTrpMetProIleThrGluThrArgGluValArgGlnHisArgAspHisV 58 58 alProGlyGluTrpSerLeuMetGluGluAspAlaArgPheLeuAlaLysArgMetGluA 78 78 rgLeuAlaGlyGlyLeuAlaHisSerGluGlnProArgSerArgThrArgArgPheIleS 98 98 erAsnValLeuValThrProGlyProAspGlyAspLeuValAlaGluCysAsnPheIleV 118 118 alPheGlnSerArgArgAlaAsnSerGluGlnPhePheValGlySerArgArgAspArgI 138 138 leValThrSerGlyGluAsnTrpLysIleAlaGluArgThrValLeuLeuAspHisArgV 158 158 alLeuProArgAlaIleSerIlePhePhe*** 168
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る微生物由来の酸化酵素遺伝子
に関する制限酵素地図。
【図2】同じく本実施形態に係る微生物由来の酸化酵素
遺伝子に関する制限酵素地図。
【図3】使用したダイオキシンとその中間代謝産物とを
示した分子構造式。
【図4】同じく使用したダイオキシンとその中間代謝産
物とを示した分子構造式。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12N 1/20 F // C12N 1/20 9/02 (C12N 1/20 D 9/02 C12R 1:19) (C12N 1/20 (C12N 9/02 C12R 1:19) C12R 1:19) (C12N 9/02 C12N 15/00 ZNAA C12R 1:19) 5/00 A (72)発明者 辻 博和 東京都清瀬市下清戸4丁目640 株式会社 大林組技術研究所内 (72)発明者 四本 瑞世 東京都清瀬市下清戸4丁目640 株式会社 大林組技術研究所内 (72)発明者 井出 一貴 東京都清瀬市下清戸4丁目640 株式会社 大林組技術研究所内 (72)発明者 大森 俊雄 東京都品川区八潮5−10−53−306 (72)発明者 野尻 秀昭 東京都武蔵野市関前3−41−15−A104 Fターム(参考) 2E191 BA12 BD20 4B024 AA17 BA08 CA04 DA06 EA04 GA11 GA19 HA01 HA08 HA12 4B050 CC01 CC03 DD02 LL10 4B065 AA01Y AA26X AB01 AC14 BA24 BD25 CA28 CA56

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘテロ環式芳香族化合物又は多環芳香族
    化合物を酸化するテラバクター属細菌DBF63株由来
    の酸化酵素遺伝子。
  2. 【請求項2】 配列表の配列番号1で示される塩基配列
    を有する請求項1記載のテラバクター属細菌DBF63
    株由来の酸化酵素遺伝子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の酸化酵素遺
    伝子が挿入されてなるベクター。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のベクターが宿主細胞に導
    入されてなる形質転換体。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の形質転換体を培養し該形
    質転換体で生成された酸化酵素でダイオキシンを分解す
    るダイオキシン分解処理方法。
JP2000260612A 2000-08-30 2000-08-30 微生物由来の酸化酵素遺伝子及びそれがコードする酵素を用いたダイオキシン分解処理方法 Withdrawn JP2002065268A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003275734A (ja) * 2002-03-22 2003-09-30 Ohbayashi Corp 有害化学物質除去装置
JP2003275735A (ja) * 2002-03-22 2003-09-30 Ohbayashi Corp 有害化学物質処理装置
JP2013185129A (ja) * 2012-03-09 2013-09-19 Takasago Thermal Eng Co Ltd ダイオキシン類分解剤及びダイオキシン類の分解方法

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