JP2002065008A - 作溝輪 - Google Patents

作溝輪

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JP2002065008A JP2000264758A JP2000264758A JP2002065008A JP 2002065008 A JP2002065008 A JP 2002065008A JP 2000264758 A JP2000264758 A JP 2000264758A JP 2000264758 A JP2000264758 A JP 2000264758A JP 2002065008 A JP2002065008 A JP 2002065008A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】不耕起直播方法に使用される作溝輪において、
その外周縁部の磨耗を少なくして鋭利な形状を長時間持
続させることにより、その寿命を長くして、鋭利なV字
形をした溝底を有する播種溝の形成を可能にして、播種
後の局所気候を常に良好に保って、良好な発芽状態を維
持させる。 【解決手段】一対のわん曲円板1,2の各凹面を対向さ
せて、各外周縁部のみが相密着した状態で一体に接合さ
れて、半径方向の断面が略V字状となった円盤状の不耕
起直播用作溝輪であって、前記一対のわん曲円板1,2
の外径に僅かの差を設けて、大径わん曲円板1の凹面側
外周縁部と、小径わん曲円板2の外周縁部とを溶接によ
り一体接合し、前記大径わん曲円板1の凸面側外周縁部
の環状範囲のみに高周波焼入等の焼入れを部分的に施し
て焼入硬化して、鋭利に成形された外周縁部の両面に硬
度差を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圃場に狭開口の略
V字形の播種溝を形成して、その直後に該播種溝に播種
と施肥を行う不耕起直播に使用される作溝輪に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】最初に、本発明に係る図面を参照にし
て、不耕起直播方法と、これに使用される従来の作溝輪
W’の構造について説明する。図1は、本発明に係る作
溝輪W1を備えた不耕起直播機の側面図であり、図2
は、同じく概略平面図であり、図3は、ロータリー軸3
3の部分を進行方向前方から見た図であり、図4は、作
溝輪W1 により播種溝Vが形成される状況を示す斜視図
であり、図5は、作溝輪W1が取付けられたロータリー
軸33の部分拡大図であり、図6は、図5のX−X線断
面図である。図1ないし図3において、不耕起直播方法
の実施に使用される直播機は、牽引車であるトラクター
に牽引されて、機体31の前部における左右両端のいず
れか一方に駆動輪32が取付けられ、機体31における
前記駆動輪32の後方に、駆動回転するロータリー軸3
3が進行方向Rに対して直交して水平に支持され、該ロ
ータリー軸33に、形成する条間に対応した間隔(約2
0cm)をおいて多数の作溝輪W’が固定され、各作溝
輪W’のほぼ直上に、種子と肥料とを分離して収容可能
なホッパー34がそれぞれ設けられた構成である。前記
駆動輪32は、圧縮バネ(図示せず)によって、常時下
方に付勢され、その接地圧によってスリップすることな
く回転可能にしてある。また、各ホッパー34は、その
内部に設けられた分離板37によって種子収容室34a
と肥料収容室34bとに分離されて、各ホッパー34の
下方には、該ホッパー34の各収容室34a,34bか
ら別々に繰り出された種子と肥料とを混合状態で収容可
能な受け器38が取付けられ、各受け器38には、形成
された播種溝Vに、種子と肥料との混合物を案内するた
めの播種ホース35がそれぞれ連結され、機体31にお
ける前記ロータリー軸33の後方には、該ロータリー軸
33の軸方向に沿って各作溝輪W’と同一位置に、それ
ぞれ覆土チェーン36が連結されている。
【0003】前記作溝輪W’は、図12(イ)に示され
るように、僅かに外径の異なる一対のわん曲円板1,2
を、その各凹面を対向させると共に、その外周縁部を相
密着させた状態で一体溶接することにより、その外周縁
部が鋭利に形成されて、半径方向の断面が略V字状をし
た円盤状を呈していて、外周縁から所定長の部分のみが
地中に入り込み得るように、前記各わん曲円板1,2の
外周面に同一径の鍔リング3が一体に取付けられた構成
である。また、本願の図面である図5ないし図7に示さ
れるように、本願発明に係る作溝輪W1 と同様に、作溝
輪W’を構成する一対のわん曲円板1,2には、取付孔
1a,2aが設けられていて、該取付孔1a,2aにパ
イプ状の取付体4を嵌め込んで、両者W',4は、溶接に
より一体化されており、前記取付体4を前記ロータリー
軸33の外側に嵌め込んで、取付体4とロータリー軸3
3の各ピン挿通孔4a,33aに連結ピン9が挿通さ
れ、更に、固定ボルト5を介して取付体4をロータリー
軸33に固定することによって、ロータリー軸33に対
する取付体4のガタツキが解消されて、該ロータリー軸
33に作溝輪W’が固定される。なお、図6において、
11は、連結ピンの抜け止めのための抜止めピンを示
し、図12において、6は、一対のわん曲円板1,2を
一体にしている溶接部を示す。
【0004】また、図3に示されるように、前記ロータ
リー軸33を軸方向に二分した一方の部分の上方には、
これと平行となって円筒ケーシング41内に伝動軸42
が配設されて、その両端部が支持され、前記伝動軸42
の一端部(ロータリー軸33を基準にすると、該軸33
の軸方向の中央部に対応する部分)には、該伝動軸42
と直交する入力軸43から傘歯車44a,44bを介し
て牽引車であるトラクターの動力が伝達されると共に、
伝動軸42の他端部に取付けられたチェーン歯車45
と、ロータリー軸33の一端部に取付けられたチェーン
歯車46との間に無端チェーン47が掛装されて、トラ
クターの動力は、前記伝動軸42の他端部においてロー
タリー軸33に伝達されることにより、該ロータリー軸
33は、駆動回転される。即ち、ロータリー軸33は、
不耕起直播機を牽引するトラクターの動力によって駆動
回転される。また、前記入力軸43とトラクターのPT
O軸とは、ユニバーサルジョイント(いずれも図示せ
ず)を介して連結されている。なお、図3において、入
力軸43は、図示可能にするために垂直に配置した状態
で表示されているが、現実の配置は、ほぼ水平である。
【0005】そして、トラクターにより機体31が牽引
されて、矢印R方向に進行すると、該トラクターの動力
がロータリー軸33に伝達されて、各作溝輪W’が駆動
回転されると共に、駆動輪32が従動回転されることに
より、該駆動輪32の回転力が伝動機構(図示せず)を
介して前記ホッパー34内の繰出機構(図示せず)を作
動させて、該ホッパー34内の各収容室34a,34b
に分離して収容されている種子Sと肥料とをそれぞれ繰
り出して、その直下の受け器38内において両者を混合
させて、その混合物が、機体31の走行速度に比例した
量だけ繰り出される。そして、図4に示されるように、
各作溝輪W’の駆動回転により、圃場には、鍔リング3
から作溝輪W’の外周縁までの長さに対応した深さ
(H)の多数の播種溝Vが所定間隔(P)をおいて形成
される。形成直後の播種溝Vには、前記ホッパー34内
の各収容室34a,34bから別々に繰り出されて受け
器38内で混合された種子Sと肥料との混合物が播種ホ
ース35を介して供給されて、前記播種溝Vの溝底に播
種と施肥とが同時に行われる。この播種と施肥の直後に
は、前記覆土チェーン36により前記播種溝V内に少量
の土が落下されて、種子が覆土される。
【0006】このように、作溝輪W’は、駆動回転され
るために、その両側面(各わん曲円板1,2の凸面)
は、土との接触により磨耗され、鋭利となっている外周
縁部の磨耗は、特に激しい。この結果、長時間使用する
と、図12(ロ)に示されるように、作溝輪W’の外周
縁部の鋭利性がなくなって、徐々に丸みを帯びるに至
る。これにより、鍔リング3から作溝輪W’の外周縁ま
での長さが短くなると共に、該作溝輪W’の外周縁部が
磨耗により丸くなることにより、土に対する作溝輪W’
の喰込み抵抗が大きくなって、鍔リング3が土の表面か
ら浮き上がる結果、形成される播種溝V’の深さ(H')
は、設定深さ(H)よりも浅くなってしまうと共に、そ
の底部の形状も、丸みを帯びた作溝輪W’の外周縁部の
形状に対応した幅広となってしまう。
【0007】そして、播種溝の底部の断面形状が幅広に
なると、該底部に落下された種子の発芽条件が悪くな
る。即ち、不耕起直播方法においては、図13(イ)に
示されるように、播種溝Vの底部に落下した種子Sは、
該溝Vの底部の両内壁面(土壁)Vaに密着することが
最もよい発芽条件とされており、同(ロ)に示されるよ
うに、播種溝V’の底部が丸くなって幅広となると、上
記のことが実現不能となって、発芽条件も悪くなる。即
ち、同(イ)に示されるように、播種溝Vの溝底部が鋭
利なV字形を維持していて、落下された種子Sが両内壁
面(土壁)Vaに接触していると、種子Sの周辺の湿度
が高くて、該種子Sに対して水分が適正に供給されて、
良好な局所気候が維持されるために、良好な発芽条件が
維持される。これに対して、同(ロ)に示されるよう
に、幅広の溝底に種子Sが落下された場合には、該種子
Sが乾燥され易くなって、発芽条件が悪くなり、種子S
の発芽率が低下すると共に、発芽状態も不揃いとなり、
ひいては、稲等の作物の収穫率が下がる。また、溝底が
広くなると、播種溝が浅くなって、成育した稲等が倒伏
し易くなると共に、播種された直後の種子が害鳥により
捕食され易くもなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、不耕
起直播方法に使用される作溝輪において、その外周縁部
の磨耗を少なくして鋭利な形状を長時間持続させること
により、その寿命を長くして、鋭利なV字状をした溝底
を有する播種溝の形成を可能にして、播種後の局所気候
を常に良好に保持させて、良好な発芽状態を維持するこ
とである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の請求項1の発明は、一対のわん曲円板の各凹面を対向
させて、各外周縁部のみが相密着した状態で一体に接合
されて、半径方向の断面が略V字状となった円盤状の不
耕起直播用作溝輪であって、前記一対のわん曲円板
は、その外径に僅かの差が設けられ、大径わん曲円板
の凹面側外周縁部と、小径わん曲円板の外周縁部とが溶
接により一体接合され、前記大径わん曲円板の凸面側
外周縁部の環状範囲のみに高周波焼入等の焼入れが部分
的に施されて、焼入硬化され、鋭利に成形された外周
縁部の両面に硬度差が設けられていることを、その特徴
としている。
【0010】同じく請求項4の発明は、外周縁部の半径
方向の断面が略V字状となった中実円盤状の作溝輪であ
って、前記外周縁部の一方の側面の環状範囲のみに高周
波焼入等の焼入れが部分的に施されて、焼入硬化され、
鋭利に成形された外周縁部の両面に硬度差が設けられて
いることを、その特徴としている。
【0011】このように、請求項1の発明に係る作溝輪
は、これを構成する大径わん曲円板の凸面側外周縁部の
環状範囲のみに焼入れが施されて、小径わん曲円板に
は、焼入れが施されていないために、鋭利に成形された
外周縁部の両面に所定の硬度差が設けられる。よって、
長期間使用しても、作溝輪の外周縁部の一方側である大
径わん曲円板の凸面側の磨耗は、非常に少なく、その他
方側である小径わん曲円板の凸面側及び溶接部は、通常
に磨耗されるのである。この結果、作溝輪の外周縁部
は、長期間使用しても、鋭利な状態が常に維持されるた
めに、形成される播種溝の底部は、常に鋭利なV字状を
している。
【0012】また、請求項4の発明に係る作溝輪におい
ても、その外周縁部の一方の側面の環状範囲のみに高周
波焼入等の焼入れが部分的に施されて、焼入硬化される
ことにより、鋭利に成形された外周縁部の両面に硬度差
が設けられているために、外周縁部の焼入れが施された
側の面の磨耗は非常に少ないのに対して、他方の側の面
は、通常に磨耗されるため、請求項1の発明に係る作溝
輪と同様の効果が奏される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて、請求項1
に係る発明を更に詳細に説明する。なお、本発明に係る
図面である図1ないし図4を参照にして「従来の技術」
の項目で説明した部分と同一部分には同一符号を付し、
重複説明を避けて、本発明独自の部分についてのみ説明
する。請求項1の発明の第1実施例の作溝輪W1 は、上
記した従来の作溝輪W’において、大径わん曲円板1の
凸面側外周縁部の環状をした範囲のみに高周波焼入等の
焼入れが施されている。また、前記大径わん曲円板1の
外周縁部は、鋭利に形成されて、その両面が凸面となっ
ており、小径わん曲円板2は、内外の凹凸面に対してほ
ぼ直交する外周面7が設けられていて、大径わん曲円板
1の最外周縁の僅かに内側の凹面に、小径わん曲円板2
の外周縁のエッジ部2bが当接することにより形成され
る環状凹部8に全周に亘って溶接が施されて、大径及び
小径の各わん曲円板1,2は、溶接部6によって一体に
接合されている。この溶接部6の外面は、小径わん曲円
板2の外面である凸面よりも僅かに突出している。な
お、大径わん曲円板1は、炭素鋼板等の焼入れ可能な材
質で構成する必要があるが、小径わん曲円板2は、この
ような制限はなくて、軟鋼等で構成してもよい。
【0014】また、上記した作溝輪W1 は、以下のよう
にして製作される。即ち、図7に示されるように、作溝
輪W1 を構成する一対のわん曲円板1,2の各凹面を対
向させた状態で、その取付孔1a,2aにパイプ状の取
付体4を嵌め込んだ後に、一対のわん曲円板1,2の外
周縁部を互いに当接させることにより生ずる前記環状凹
部8の部分に溶接を施して、両わん曲円板1,2を一体
化し、その後に、作溝輪W1 と取付体4とを溶接により
一体化させる。次に、作溝輪W1 を構成する一対のわん
曲円板1,2の凸面である外側面にそれぞれ鍔リング3
を同心を保持して当てがった状態で、各鍔リング3を一
対のわん曲円板1,2の外側面に溶接して一体化させ
る。最後に、大径わん曲円板1の凸面側外周縁部の環状
範囲のみに焼入れを施して、作溝輪W1 の外周縁部の両
面に硬度差を設ける。また、作溝輪W1 に一体に溶接さ
れた前記取付体4をロータリー軸33の外側に嵌め込ん
で、取付体4とロータリー軸33の各ピン挿通孔4a,
33aに連結ピン9を挿通すると共に、取付体4に螺合
された固定ボルト5をロータリー軸33の外周面に押し
付けることにより、ロータリー軸33と各取付体4との
間のガタツキを解消すると、ロータリー軸33に多数の
作溝輪W1 が所定間隔(P)をおいて取付けられること
は、既述の通りである。なお、図7において、4bは、
固定ボルト5の先端部を挿入するために取付体4に設け
られたボルト挿入孔を示す。
【0015】このため、トラクターにより牽引されて機
体31が矢印R方向に進行すると共に、該トラクターの
動力によってロータリー軸33が駆動回転されると、図
4に示されるように、圃場には、ロータリー軸33に取
付けられた作溝輪W1 と同一ピッチ(P)の多数の播種
溝Vが形成され、ホッパー34内に分離して収容された
種子Sと肥料とが別々に繰り出されて、その直下の受け
器38内で混合された種子Sと肥料との混合物が前記播
種溝Vの底部に供給された後に、該播種溝Vの底部に
は、覆土チェーン36によって僅かの土が落下されて、
種子Sが僅かに覆土される。
【0016】また、播種溝Vの形成時には、図8(イ)
に示されるように、鍔リング3が土の表面に押圧される
ことにより、設定深さ(H)の播種溝Vが圃場に形成さ
れる。ここで、作溝輪W1 は、その外周縁部が土中に入
り込んだ状態で駆動回転されるために、その両側面(各
わん曲円板1,2の凸面)は、土との接触によって磨耗
され、鋭利となっている外周縁部の磨耗は、最も激し
い。しかし、請求項1の発明に係る作溝輪W1 は、これ
を構成する大径わん曲円板1の凸面側外周縁部の環状範
囲のみに焼入れが施されているために、図8(ロ)に示
されるように、この焼入れ部Qの部分は、耐磨耗性が高
いために、その磨耗が非常に少ないのに対して、小径わ
ん曲円板2には、その凸面側を含めて素地のままで、焼
入硬化されていないので、耐磨耗性は低いために、通常
の状態で磨耗する。即ち、作溝輪W 1 の外周縁部の両面
には、硬度差が設けられていて、焼入れ部Qを有する硬
度の高い側の面は、その磨耗が非常に少ないのに対し
て、その反対側の硬度の低い側の面は、通常の状態で磨
耗されて、いわゆる「片減り」するのである。
【0017】そして、作溝輪W1 に対して上記作用が奏
されると、図8(ロ)に示されるように、作溝輪W1
外周縁部は、使用時間とは無関係に、常に鋭利な状態を
維持するのである。この結果、従来の作溝輪W’のよう
に、土に対する作溝輪W1 の喰込み抵抗の増大もなくな
って、常に鍔リング3が土の表面に押圧された状態で播
種溝Vが形成されるために、播種溝Vは、その溝底が常
に鋭利な形状であって、ほぼ設定深さ(H)を維持する
のである。このように、請求項1の発明に係る作溝輪W
1 によって形成される播種溝Vは、その溝底が常に鋭利
になっているために、該溝底に落下された種子Sは、そ
の両内壁面Vaに挟まれた状態となって、発芽に対して
良好な気候環境が保持される〔図13(イ)参照〕。
【0018】特に、第1実施例の作溝輪W1 は、大径わ
ん曲円板1の外周縁部の両面が凸面として機能してい
て、溶接部6は、その最外周縁から僅かに内側に入り込
んだ部分に設けられるために、耐磨耗性の最も低い溶接
部6が保護されると共に、作溝輪W1 の外周縁部は、そ
の使用当初から最も鋭利な状態となっているという特有
の利点がある。
【0019】引き続いて、請求項1の発明の第2実施例
の作溝輪W2 について説明する。この作溝輪W2 は、図
9(イ)に示されるように、大径わん曲円板1’の凸面
側外周部の環状範囲のみに焼入れが施され、該大径わん
曲円板1’の凹面側と、小径わん曲円板2’の外周面7
との間に形成される環状凹部8’に溶接部6’が設けら
れた構成であって、作溝輪W2 の外周縁部の一方の側面
は、大径わん曲円板1’の凸面が構成されていると共
に、その他方の側面は、前記溶接部6’の外側面で構成
されている。
【0020】よって、この作溝輪W2 においても、その
外周縁部の一方の面は、焼入れ部Qを有するために、そ
の硬度が高くなっているのに対して、その他方の面は、
素地のままであるために、その硬度が低くなっていて、
その外周縁部の両面に硬度差が設けられている。このた
め、図9(ロ)に示されるように、硬度の低い小径わん
曲円板2’の凸面側外周縁部、及び溶接部6’の表面部
は、通常の状態で磨耗されるが、硬度の高い大径わん曲
円板1’の凸面側外周縁部は、その磨耗が非常に少ない
ために、作溝輪W2 の外周縁部は、常に鋭利な状態を維
持する。特に、第2実施例の作溝輪W2 は、硬度の低い
小径わん曲円板2’の凸面側外周縁部は磨耗されるに従
って、作溝輪W2 の外周縁部は、より鋭利となる利点が
ある。
【0021】なお、請求項1の発明を構成する一対のわ
ん曲円板は、この凹面を対向させて一体接合された状態
において、その外周縁部の半径方向に沿った断面が略V
字状をしておれば足り、その中心部の半径方向に沿った
断面形状は、特に問題とならないので、「わん曲円板」
とは、上記実施例のように、全面に亘ってわん曲してい
る必要はなく、その中心部(外周縁部を除く部分)は平
面状であって、その外周縁部のみが、他方のわん曲円板
と一体接合した際に、断面V字状となる形状、即ち、
「皿形状」であってもよい。
【0022】引き続いて、請求項4の発明の実施例につ
いて説明する。図10は、請求項4の発明に係る作溝輪
3 をロータリー軸33に取付けた状態の断面図であ
り、図11は、作溝輪W3 の分解図である。なお、上記
した各作溝輪W1,W2 と同一部分には、同一符号を付
し、本作溝輪W3 の独自の部分についてのみ説明する。
この作溝輪W3 は、焼入れ可能な炭素鋼等により、中実
円盤状に形成されて、その中央部には、取付孔21が設
けられていると共に、その外周縁部は、断面V字状に形
成されている。即ち、この作溝輪W3 は、円盤状をした
炭素鋼板の中心部に孔開加工により取付孔21を形成
し、その外周縁部の両側面を旋盤加工により断面V字状
に形成すると共に、外周縁部を除く両側面を軸心に対し
て直交する平面となるように旋盤加工したものである。
そして、図10に示されるように、作溝輪W3 の外周縁
部の一方の側面22の環状範囲に高周波焼入等の焼入れ
を施す(同図において、「焼入れ部」がQで図示されて
いる)と共に、その他方の側面23には、焼入れを施さ
ずに、旋盤加工したままにしておく。これにより、作溝
輪W3 の外周縁部の両側面22,23には、所定の硬度
差が生ずる。
【0023】この作溝輪W3 は、上記した各作溝輪W1,
2 と同様にして、その取付孔21を利用して、取付体
4の外周面に嵌め込んで、両者W3,4を溶接により一体
化させて、該作溝輪W3 の両側面に、それぞれ鍔リング
3を該作溝輪W3 と同心にして溶接により取付けて、形
成される。そして、ロータリー軸33の外側に取付体4
を嵌め込んで、連結ピン9と固定ボルト5とを使用し
て、作溝輪W3 をロータリー軸33に固定する。
【0024】この中実円盤状をした作溝輪W3 において
も、外径の僅かに異なる一対のわん曲円板を溶接により
一体接合した作溝輪W1,W2 と全く同様にして、断面V
字状をした外周縁部の一方の側面22の環状範囲のみに
焼入れが施されて、外周縁部の両側面には、硬度差が設
けられている。このために、ロータリー軸33を駆動回
転させて、圃場に播種溝を形成する際に、作溝輪W3
外周縁部のうち焼入れ部Qを有する硬度の高い側面22
は、磨耗が非常に少ないのに対して、その他方の硬度の
低い側面23は、通常の状態で磨耗されて、「片減り」
する。この結果、本作溝輪W3 においても、その外周縁
部は、常に鋭利な断面V字状をしているために、成形さ
れた播種溝の底部は、作溝輪W3 の外周縁部の形状に対
応した鋭利なV字状となる。
【0025】
【発明の効果】このように、請求項1の発明に係る作溝
輪は、これを構成する大径わん曲円板の凸面側外周縁部
の環状範囲のみに焼入れを施すことにより、また、請求
項4の発明に係る作溝輪は、全体形状が中実円盤状をし
ていて、断面V字状をした外周縁部の一方の側面の環状
範囲のみに焼入れを施すことにより、その外周縁部の両
面に硬度差を設けてあって、長時間使用しても、その外
周縁部は鋭利な状態を維持しているので、長時間使用後
において、溝底部が鋭利なV字状となった使用当初とほ
ぼ同一の設定形状の播種溝を形成できる。このため、溝
底に落下された種子は、その両側の土壁に挟まれた状態
が維持されるために、種子の発芽に良好な気候環境が保
持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明に係る作溝輪W1 を備えた不耕
起直播機の側面図である。
【図2】同じく概略平面図である。
【図3】ロータリー軸33の部分を進行方向前方から見
た図である。
【図4】作溝輪W1 により播種溝Vが形成される状況を
示す斜視図である。
【図5】作溝輪W1 が取付けられたロータリー軸33の
部分拡大図である。
【図6】図5のX−X線断面図である。
【図7】製造方法を含めて表示した作溝輪W1 の分解図
である。
【図8】(イ),(ロ)は、使用開始時、及び所定時間
使用後における作溝輪W1 の磨耗状況を示す拡大断面図
である。
【図9】(イ),(ロ)は、使用開始時、及び所定時間
使用後における作溝輪W2 の磨耗状況を示す拡大断面図
である。
【図10】ロータリー軸33に作溝輪W3 を取付けた状
態の断面図である。
【図11】作溝輪W3 の分解図である。
【図12】(イ),(ロ)は、使用開始時、及び所定時
間使用後における従来の作溝輪W’の磨耗状況を示す拡
大断面図である。
【図13】(イ),(ロ)は、溝底部が鋭利なV字状を
した播種溝V、及び溝底部が幅広の丸い形状の播種溝
V’に種子Sが落下された状態を示す拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
Q:焼入れ部 W1,W2,W3 :作溝輪 1,1’:大径わん曲円板 2,2’:小径わん曲円板 6:溶接部 22,23:中実円盤状の作溝輪の外周縁部の側面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のわん曲円板の各凹面を対向させ
    て、各外周縁部のみが相密着した状態で一体に接合され
    て、半径方向の断面が略V字状となった円盤状の作溝輪
    であって、 前記一対のわん曲円板は、その外径に僅かの差が設けら
    れ、 大径わん曲円板の凹面側外周縁部と、小径わん曲円板の
    外周縁部とが溶接により一体接合され、 前記大径わん曲円板の凸面側外周縁部の環状範囲のみに
    高周波焼入等の焼入れが部分的に施されて、焼入硬化さ
    れ、 鋭利に成形された外周縁部の両面に硬度差が設けられて
    いることを特徴とする作溝輪。
  2. 【請求項2】 前記大径わん曲円板の外周縁部両面は先
    鋭に成形されて、その両面が凸面として機能しているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の作溝輪。
  3. 【請求項3】 前記小径わん曲円板は、その内外の凹凸
    面に対してほぼ直交する外周面を有していることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の作溝輪。
  4. 【請求項4】 外周縁部の半径方向の断面が略V字状と
    なった中実円盤状の作溝輪であって、 前記外周縁部の一方の側面の環状範囲のみに高周波焼入
    等の焼入れが部分的に施されて、焼入硬化され、 鋭利に成形された外周縁部の両面に硬度差が設けられて
    いることを特徴とする作溝輪。
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