JP2002057599A - 高周波送受信回路 - Google Patents

高周波送受信回路

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JP2002057599A
JP2002057599A JP2000245605A JP2000245605A JP2002057599A JP 2002057599 A JP2002057599 A JP 2002057599A JP 2000245605 A JP2000245605 A JP 2000245605A JP 2000245605 A JP2000245605 A JP 2000245605A JP 2002057599 A JP2002057599 A JP 2002057599A
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transmission
fet
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Toshiki Seshimo
下 敏 樹 瀬
Yoshiko Ikeda
田 佳 子 池
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可及的に小型化が可能であるとともに、歩留
まりの低下を可及的に防止することを可能にする。 【解決手段】 少なくとも1段のトランジスタを有し、
送信信号を増幅する送信用増幅器10と、受信用増幅器
40と、送信用増幅器の最終段のトランジスタの出力端
子に一端が接続され、第1の制御信号に基づいて、最終
段のトランジスタ16の出力端子から出力される送信信
号を送出する送信側トランスファゲートFET22と、
この送信側トランスファゲートFETの出力端に一端が
接続され、他端がアンテナポート30に接続された整合
回路24と、アンテナポートから送られてくる受信信号
を第2の制御信号に基づいて受信用増幅器に送出する受
信側トランスファゲートFET25と、を有するSPD
Tスイッチ20と、を備え、搬送波周波数における送信
用増幅器の最終段トランジスタの出力インピーダンスの
リアル成分がアンテナインピーダンスと、SPDTスイ
ッチの送信側トランスファゲートFETのオン抵抗との
和よりも高くなるように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波送受信回路
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、会社等において、LAN(ローカ
ルエリアネットワーク)は必須なシステムとなっている
が、構内での移動等に対応しやすい、無線LANの需要
が急増している。無線LANの大きなメリットは、ノー
トパソコン等に無線LANの端末装置を取り付けること
により、構内のどこに移動してもネットワークにアクセ
ス可能となるという利便性にある。そのような無線LA
Nの端末装置には必然的に、小型化、低コスト化が強く
求められている。
【0003】無線LANは一般に2GHz以上の高い搬
送波周波数を用いており、送受信回路には高周波特性に
優れた化合物半導体が広く用いられている。化合物半導
体は最も一般に用いられるシリコン半導体に比べ半導体
基板の単価が高い。よって、低コスト化のためには集積
回路(以下、ICともいう)の面積を極力小さくする必
要がある。また、端末の小型化には部品点数の削減が有
効であり、そのために回路の集積化が進んでいる。
【0004】今、送信用電力増幅器とSPDT(Single
-Pole Double-Thru)スイッチをICチップのモノリシ
ックマイクロ波集積回路(MMIC)上に集積すること
を想定しよう。無線LANは移動体通信システム用端末
(いわゆる携帯電話)に比べて送信電力は小さい。よっ
て、送信用電力増幅器に用いられるトランジスタ(以
下、GaAs MESFETを想定する)のサイズは携
帯電話等の電力増幅器に比べると桁違いに小さいものと
なる。一方、SPDTスイッチは一般に小さい通過損失
が要求されるため、大きいサイズのトランスファゲート
FETが必要となる。SPDTスイッチに大きい損失を
許せば、その損失増加を補償するだけの電力増加を電力
増幅器に課さなければならない。これはすなわち送信回
路全体の電力効率の低下を意味し、避けるべきことであ
る。さて、スイッチの通過損失を決定するファクターは
アンテナインピーダンス(通常は50Ω)とトランスフ
ァゲートFETのオン抵抗であり、送信電力には依存し
ない。よって、送信電力の小さい無線LAN用であって
も、携帯電話用と同等の大きいサイズのFETを搭載し
たスイッチが必要となる。
【0005】ところで、一般的に言える事であるが、従
来、別々のチップで構成していたものを集積すると、全
体の歩留まりが低下しコスト増を招くが、ここで想定し
ているMMICではそれが深刻なものとなる。
【0006】従来の高周波送受信回路の構成を図5に示
す。この従来の高周波送受信回路は送信用電力増幅器1
1と、SPDTスイッチ21と、アンテナポート30
と、受信用低雑音増幅器40とを備えている。
【0007】電力増幅回路11は、ソースが接地され、
ゲートが送信信号入力端子Txに接続されたFET12
と、このFET12のドレインに一端が接続された整合
回路(以下、MCともいう)14と、このMC14の他
端にゲートが接続され、ソースが接地されたFET16
と、このFET16のドレインに一端が接続されたMC
17とを備えている。すなわち、この電力増幅回路11
は2段構成となっている。
【0008】SPDTスイッチ21は、ソースがMC1
7の他端に接続され、ゲートが高抵抗23を介してコン
トロール端子Vcに接続され、ドレインがアンテナポー
ト30に接続された送信側トランスファゲート22と、
ソースがアンテナポート30に接続され、ゲートが高抵
抗26を介してコントロール端子Vc/に接続された受
信側トランスファゲート25と、を備えている。
【0009】低音雑音増幅器40は、一端がFET25
のドレインに接続されたMC42と、このMCの他端に
ゲートが接続され、ソースが接地され、ドレインが受信
信号出力端子Rxに接続されたFET44とを備えてい
る。なお、MC14,17,42は受動素子から構成さ
れる。
【0010】次にこの従来の高周波送受信回路の動作を
説明する。
【0011】送信時には、コントロール端子Vcにはハ
イレベルの制御信号が入力されるとともにコントロール
端子Vc/にはローレベルの制御信号が入力されて、F
ET22がON状態、FET25がOFF状態になる。
このとき、送信信号入力端子Txから入力された送信信
号は電力増幅器11に増幅され、SPDTスイッチ21
のFET22を経てアンテナポート30に出力される。
【0012】一方受信時には、コントロール端子Vcに
はローレベルの制御信号が入力されるとともにコントロ
ール端子Vc/にはハイレベルの制御信号が入力され
て、FET22がOFF状態、FET25がON状態に
なる。このとき、アンテナポート30を介して入力され
た受信信号はSPDTスイッチ21のFET25を経
て、低雑音増幅器40に送られる。そして低雑音増幅器
で増幅された受信信号はRx端子より出力される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このように高周波送受
信回路においては、SPDTスイッチ21はFET2
2,25のON状態とOFF状態を使って機能させるデ
ジタル的な回路であるのに対して、電力増幅器11はア
ナログ回路である。このため、後者は前者に比べ、わず
かな素子特性の変動が利得や最大出力電力といった特性
変動を引き起こしてしまう。よって、一般に、SPDT
スイッチ21よりも電力増幅器11の方が歩留まりが低
い。一方、SPDTスイッチ21のチップ面積は大き
い。このように、歩留まりの低い電力増幅器11と大き
い面積を必要とするSPDTスイッチ21を集積する
と、それぞれを別チップで製造した場合に比べて、単位
ロットから得られる良品数は大幅に減少してしまうこと
になる。
【0014】このように、従来技術では、小型化を実現
しようとしてRF(Radio-Frequency)部の回路を集積し
ようとすると歩留まりの低下、すなわち、高コスト化を
招いてしまうといった問題があった。
【0015】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
であって、可及的に小型化が可能であるとともに、歩留
まりの低下を可及的に防止することのできる高周波送受
信回路を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明による高周波送受
信回路は、少なくとも1段のトランジスタを有し、送信
信号を増幅する送信用増幅器と、受信信号を増幅する受
信用増幅器と、前記送信用増幅器の最終段のトランジス
タの出力端子に一端が接続され、第1の制御信号に基づ
いて、前記最終段のトランジスタの前記出力端子から出
力される送信信号を送出する送信側トランスファゲート
FETと、この送信側トランスファゲートFETの出力
端に一端が接続され、他端がアンテナポートに接続され
た整合回路と、前記アンテナポートから送られてくる受
信信号を第2の制御信号に基づいて前記受信用増幅器に
送出する受信側トランスファゲートFETと、を有する
SPDTスイッチと、を備え、搬送波周波数における前
記送信用増幅器の最終段トランジスタの出力インピーダ
ンスのリアル成分がアンテナインピーダンスと、前記S
PDTスイッチの前記送信側トランスファゲートFET
のオン抵抗との和よりも高くなるように構成されている
ことを特徴とする高周波送受信回路。
【0017】なお、前記送信用増幅器の最終段のトラン
ジスタの出力端子と、高周波接地との間にインダクタ素
子を設けるように構成しても良い。
【0018】なお、前記受信用増幅器は入力整合回路を
有し、この入力整合回路は、受信モード時に、前記アン
テナポートから送信側回路を見たときに見える前記SP
DTスイッチの整合回路のインピーダンスを考慮して設
計されていることが好ましい。
【0019】なお、前記第1および第2の制御信号は、
前記SPDTスイッチが動作しているときには値が反転
していることが好ましい。なお、前記送信用増幅器、前
記SPDTスイッチ、および前記受信用増幅器はMMI
C上で形成されように構成することが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0021】(第1の実施の形態)本発明による高周波
送受信回路の第1の実施の形態の構成を図1に示す。こ
の実施の形態の高周波送受信回路は、電力増幅器10
と、SPDTスイッチ20と、アンテナポート30と、
低雑音増幅器40と、を備えており、MMICとして実
現されている。
【0022】電力増幅器10は、ソースが接地され、ゲ
ートが送信信号入力端子Txに接続されたFET12
と、このFET12のドレインに一端が接続された整合
回路(以下、MCともいう)14と、このMCの他端に
ゲートが接続され、ソースが接地されたFET16とを
備えている。すなわち、この実施の形態に係る電力増幅
器10は、図5に示す従来の高周波送受信回路に係る電
力増幅回路11において、MC17を削除した構成とな
っている。
【0023】SPDTスイッチ20は、ソースがFET
16のドレインに接続され、ゲートが高抵抗23を介し
てコントロール端子Vcに接続されたトランスファゲー
トFET22と、このFET22のドレインに一端が接
続され、他端がアンテナポート30に接続されたMC2
4と、ソースがアンテナポート30に接続され、ゲート
が高抵抗26を介してコントロール端子Vc/に接続さ
れたトランスファゲートFET25と、を備えている。
この実施の形態に係るSPDTスイッチ20は、図5に
示す従来の高周波送受信回路に係るSPDTスイッチ2
1において、トランスファゲート22とアンテナポート
30との間にMC24を設けた構成となっている。
【0024】低雑音増幅器40はトランスファゲート2
5のドレインに一端が接続されたMC42と、このMC
42の他端にゲートが接続され、ソースが接地され、ド
レインが送信信号出力端子Rxに接続されたFET44
とを備えている。
【0025】なお、本実施の形態においては、回路の主
要部分のみを示しており、電源回路やゲートバイアス回
路等、発明のコンセプトに直接関らない要素は割愛して
いる。特に、SPDTスイッチ20に関しては、スルー
FET22,25のみで構成されたものとなっている
が、シャントFETが付加された一般的な構成であって
もかまわない。あるいは、スルーFET22,25に並
列にインダクタが設けられた、いわゆる共振型であって
もよい。
【0026】なお、MC14,24,42は各々受動素
子から構成されている。
【0027】次に本実施の形態の回路動作を簡単に説明
する。送信モードの時、コントロール端子Vcにはハイ
レベルが、Vc/にはローレベルが入力され、送信側ト
ランスファゲートFET22はオン状態となり、受信側
トランスファゲートFET25はオフとなる。この時、
送信信号入力端子Txから入力された送信信号は電力増
幅器10により増幅され、SPDTスイッチ20を経て
アンテナポート30へ出力される。
【0028】一方、受信モードの時、コントロール端子
Vcにはローレベルが、Vc/にはハイレベルが入力さ
れ、FET22はオフ状態となり、FET25はオンと
なる。この時、アンテナからの受信信号がアンテナポー
ト30に入力され、SPDTスイッチ20を経て低雑音
増幅器40に入力される。低雑音増幅器40で増幅され
た受信信号はRx端子より出力される。
【0029】なお、本実施の形態における電力増幅器は
2段構成、低雑音増幅器は1段構成となっているが、そ
れぞれの段数は本発明の適用にあたって制約を受けるも
のではない。
【0030】本実施の形態が従来例と異なる点は出力用
電力増幅器10の出力整合回路がSPDTスイッチ20
の送信側トランスファゲートFET22とアンテナポー
ト30の間に設けられている点である。この構成によ
り、従来例よりも、FET22での損失を低減できるの
である。ただし、従来例に対してその効果が得られるた
めには、送信用電力増幅器10における最終段FET1
6の出力インピーダンスのリアル成分がアンテナインピ
ーダンスとスイッチ20のオン抵抗の和よりも大きくな
ければならない。すなわち不等式(1)が成り立つ必要
がある。
【0031】 Re[Zo]>Rsw+Rant (1) ここで、各記号の意味は以下のとおりである。
【0032】Re[X]:複素数Xのリアル成分 Zo:送信用電力増幅器の最終段FETの出力インピー
ダンス Rsw:SPDTスイッチの送信側トランスファゲート
FETのオン抵抗 Rant:アンテナのインピーダンス(一般に50Ω) このように、本実施の形態は電力増幅器10の出力イン
ピーダンスがアンテナインピーダンスよりも高い場合に
適用されるわけであるが、電力増幅器10の出力信号を
低インピーダンスに変換する前に、高インピーダンスの
ままスイッチ20のトランスファゲートを通過させてい
るので損失を低減できるのである。
【0033】さて、無線LANとしては不等式(1)が
成り立つ場合が多い。その理由は、無線LANは送信電
力が比較的小さいため、電力増幅器の最終段FETのゲ
ート幅は小さく、Re[Zo]は大きくなるからであ
る。よって、本発明は無線LAN用送受信回路に広く適
用できるものである。
【0034】具体的な値を示して説明する。利得圧縮1
dBポイントの出力電力として13.5dBmが要求さ
れるとすると、標準的なGaAs MESFETでは必
要なゲート幅Wgは320μmとなる。携帯電話等の電
力増幅器の最終段FETに比べると、1桁から2桁小さ
いサイズである。この時のRe[Zo]は150Ωであ
った。一方、アンテナインピーダンスRantは一般に
50Ωであり、Rswは50Ωに比べて十分小さい値、
たとえば3Ω程度であるから、不等式(1)は成立す
る。よって、このような具体例に対して本発明は有効で
ある。
【0035】引き続き、本発明の効果について数式を用
いて説明する。
【0036】Rswの存在によって生じる損失電力比を
下記の比で表す事にする。
【0037】(Rswで消費される電力)/(電力増幅
器で発生される電力) そうすると、本発明による損失電力比は式(2)で表さ
れることになる。
【0038】 本発明の損失電力比 ={Rsw/Ro}{(Ro+Xo)/Xo} (2) なお、新たに導入された記号、RoおよびXoは次で定
義されるものである。すなわち、純抵抗Roとリアクタ
ンスXo(一般に容量性であるので負の値)の並列接続
により、出力インピーダンスZoが構成されているもの
とした。式で示せば下記の関係が成立する。
【0039】 Zo=Roと(Xoj)の並列接続インピーダンス =Ro×Xoj/(Ro+Xoj) ここで、jは虚数単位である。
【0040】本実施の形態では、|Xo|≫Roが成り
立っていると想定する。そうすると、本実施の形態の損
失電力比は近似的に式(3)で表される。
【0041】 本実施の形態の電力損失比=Rsw/Ro (3) 一方、従来例においては、スイッチでの損失はRswと
Rantのみで決定され、式(4)で与えられる。
【0042】 従来例の電力損失比=Rsw/(Rsw+Rant) (4) ここで、本実施の形態の電力損失比が従来例の電力損失
比に一致するRswを求めてみる。そのために、本実施
の形態のRswをRsw_1とし、従来例のそれをRs
w_2として区別して表す。式(3)および式(4)よ
り式(5)を得る。
【0043】 Rsw_1/Ro=Rsw_2/(Rsw_2+Rant) (5) 式(5)をRsw_1について解くと、下記の解を得る
ことができる。
【0044】Rsw_1=RoRsw_2/(Rsw_
2+Rant) 前述の例で用いた値Re[Zo]=Ro=150Ω、お
よびその他の変数に一般的な値の一例として、 Rsw_2=3Ω Rant=50Ω を代入すると、 Rsw_1=8.49 Ω =2.83×Rsw_2 となる。すなわち、ここで示した具体例では、SPDT
スイッチ20を構成する出力側トランスファゲートFE
T22のWgを従来の1/2.83倍、すなわち35%
にまで縮小できることになる。上記の例では、出力側ト
ランスファゲートFET22のWgとして1mmを想定
しており、これが、350μmにまで低減できることに
なる。逆に言えば、従来はスイッチの送信側トランスフ
ァゲートFET22に電力増幅器21の最終段FET1
6の約3倍もの大きさを必要としていたものが、本実施
の形態では同等の大きさにまで小さくできるのである。
すなわち、本実施の形態におけるMMICは、従来チッ
プ面積の大きな部分を占めていたスイッチ部の面積が大
幅に減少するので、MMIC全体のチップ面積が減少
し、また、歩留まりも向上する。
【0045】さて、本実施の形態では、電力増幅器の出
力整合回路がアンテナポートに接続されているので、受
信モードの時には低雑音増幅器の入力側に出力整合回路
が見えてしまう。よって、本実施の形態では、出力整合
回路の存在を考慮して、低雑音増幅器の入力整合回路が
設計されている。そのため受信特性に対してなんら不都
合は生じない。
【0046】このことを詳細な回路図である図2を用い
て説明する。Q1は送信側電力増幅器10の最終段FE
Tである。SPDTスイッチ20の送信側トランスファ
ゲートFET22とアンテナ端子との間にインダクタン
スL1、容量C1とで構成された出力整合回路24が設
けられている。Vddは電源電圧であり、L1を介して
電源電圧がトランジスタQ1のドレインに供給される。
L1、C1で構成される整合回路は、Ro+Rsw_1
の値すなわち158.9Ωをアンテナインピーダンス5
0Ωに変換するように設計されている。本実施の形態の
動作周波数は2.4GHzであり、 L1=7.14nH C1=0.9pF に設定されている。
【0047】Q2は受信側低雑音増幅器の1段目FET
である。容量C2、インダクタンスL2によって入力整
合回路が構成されている。さらに、低雑音増幅器の設計
で一般に用いられる手法であるが、Q2のソースとGN
D間にソースインダクタンスL3が設けられている。L
3を付加することにより、ノイズマッチポイントとゲイ
ンマッチポイントを近づけることができる。
【0048】次に、C2、L2の値に言及する。従来例
においては、C2およびL2で構成された低雑音増幅器
40の入力整合回路は、アンテナインピーダンス50Ω
とFET25のオン抵抗の和を低雑音増幅器に最適な入
力インピーダンスに変換することになる。しかし、本実
施の形態では、アンテナポートにL1とC1の直列回路
が付加されているので、実効的なアンテナインピーダン
スはL1とC1の直列インピーダンスと本来のアンテナ
インピーダンス(50Ω)の並列接続のインピーダンス
となる。そのため、C2、L2の値は従来例とは異な
る。
【0049】具体的な数値を明示すると、従来例ではC
2=0.18pF、L2=15.7nHであったのに対
し、本実施の形態では、C2=0.31pF、L2=
9.7nHに設定されている。
【0050】ここで、これまでの説明の理論的裏付けの
ために、上で用いた式の導出を行う。
【0051】図3には本発明の回路構成の等価回路モデ
ルを表している。出力段FETは電流源IとRoおよび
(Xoj)の並列接続で表されてた出力インピーダンス
Zoでモデル化されている。MCは無損失整合回路であ
り、RswとRantはそれぞれSPDTスイッチの送
信側トランスファゲートFETのオン抵抗とアンテナの
インピーダンス(一般に50Ω)である。整合回路MC
により整合が取れているので、出力段FETのドレイン
端から出力側を見たインピーダンスはZoの複素共役Z
になっている。よって、スイッチ側へ流れ込む電流
Iaは次式で表される。
【0052】 Ia=IZo/(Zo+Zo) (6) よって、Rswで消費される電力Pswは次式で与えら
れる。
【0053】 Psw=Rsw|Ia| =RswI(Ro+Xo)/(4Xo) (7) また、最終段FETで生成される電力Poutは次式で
与えられる。
【0054】 Pout=RoI/4 (8) よって、本発明の損失電力比は次式で与えられる。
【0055】 本発明の損失電力比=Psw/Pout ={Rsw/Ro}{(Ro+Xo)/Xo 以上が式(2)の導出である。
【0056】一方、図6は従来の回路構成の等価回路モ
デルを表している。この場合の損失電力比は抵抗分割比
から容易に求められ、前述の式(4)を得る。
【0057】本発明の損失電力比が従来の損失電力比よ
りも小さくなる条件は次の不等式で表すことができる。
【0058】{Rsw/Ro}{(Ro+Xo)/
Xo }<Rsw/(Rsw+Rant) 両辺の逆数をとり、Rswで割ると次の不等式を得る。
【0059】
【数1】 ところで、図3が示すようにZoはRoとjXoの並列
接続であるから、次式で表される。
【0060】
【数2】 上式は次のように変形できる。
【0061】
【数3】 式(10)は不等式(9)の左辺に一致する。すなわ
ち、不等式(9)から不等式(1)が得られることがわ
かる。
【0062】(第2の実施の形態)次に本発明による高
周波電力送受信回路の第2の実施の形態の構成を図4に
示す。
【0063】第1の実施の形態では|Xo|≫Roが成
り立つことを想定し、その際に得られる優位性を述べ
た。しかし、|Xo|は周波数の上昇に伴って小さくな
り、周波数無限大の極限では|Xo|→0となってしま
う。すなわち、ある周波数以上の領域では、本発明を適
用するのに必要な条件である不等式(1)が成立しなく
なってしまう。これを解決したのが第2の実施の形態の
高周波電力送受信回路である。すなわち第2の実施の形
態の高周波送受信回路は、電力増幅器10とSPDTス
イッチ20との接続点と、接地との間に−Xojのイン
ピーダンスを有する受動素子19を設けた構成となって
いる。一般にXoは負である、すなわち容量性であるの
で、受動素子19としてはインダクタ素子Lpから構成
すれば良い。これにより、出力段FETの出力インピー
ダンス成分(Xoj)と付加された(−Xoj)が相殺
され、Zoのリアル成分のみが残ることになるからであ
る。
【0064】なお、インダクタ素子Lpは必ずしもMM
IC上に集積する必要はなく、ワイヤーやリードの寄生
インダクタンスを含む外部素子によって形成することも
できる。そうすれば、MMIC自体のチップ面積の増加
を招かずに済む。
【0065】この第2の実施の形態も可及的に小型化が
可能であるとともに、歩留まりの低下を防止することが
できる。
【0066】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、可
及的に小型化が可能であるとともに、歩留まりの低下を
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成を示す回路
図。
【図2】本発明の良好な受信特性を説明する回路図。
【図3】第1の実施の形態の等価回路図。
【図4】本発明の第2の実施の形態の構成を示す回路
図。
【図5】従来の高周波送受信回路の構成を示す回路図。
【図6】従来の高周波送受信回路の等価回路図。
【符号の説明】
10,11 電力増幅回路 12,16,44 FET 14,17,24,42 整合回路 19 受動素子 20,21 SPDTスイッチ 22,25 トランスファゲートFET 23,26 高抵抗 30 アンテナポート 40 低雑音増幅器 Tx 送信信号入力端子 Rx 受信信号出力端子 Vc,Vc/ コントロール端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J091 AA04 AA41 AA51 CA71 CA73 CA75 FA12 FA20 HA09 HA25 HA40 KA29 MA08 SA13 TA01 UW08 5K011 DA00 DA21 JA00 JA01 KA00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1段のトランジスタを有し、送
    信信号を増幅する送信用増幅器と、 受信信号を増幅する受信用増幅器と、 前記送信用増幅器の最終段のトランジスタの出力端子に
    一端が接続され、第1の制御信号に基づいて、前記最終
    段のトランジスタの前記出力端子から出力される送信信
    号を送出する送信側トランスファゲートFETと、この
    送信側トランスファゲートFETの出力端に一端が接続
    され、他端がアンテナポートに接続された整合回路と、
    前記アンテナポートから送られてくる前記受信信号を第
    2の制御信号に基づいて前記受信用増幅器に送出する受
    信側トランスファゲートFETと、を有するSPDTス
    イッチと、 を備え、 搬送波周波数における前記送信用増幅器の最終段トラン
    ジスタの出力インピーダンスのリアル成分がアンテナイ
    ンピーダンスと、前記SPDTスイッチの前記送信側ト
    ランスファゲートFETのオン抵抗との和よりも高くな
    るように構成されていることを特徴とする高周波送受信
    回路。
  2. 【請求項2】前記送信用増幅器の最終段のトランジスタ
    の出力端子と、高周波接地との間にインダクタ素子を設
    けたことを特徴とする請求項1記載の高周波送受信回
    路。
  3. 【請求項3】前記受信用増幅器は入力整合回路を有し、
    この入力整合回路は、受信モード時に、前記アンテナポ
    ートから送信側回路を見たときに見える前記SPDTス
    イッチの整合回路のインピーダンスを考慮して設計され
    ていることを特徴とする請求項1または2記載の高周波
    送受信回路。
  4. 【請求項4】前記第1および第2の制御信号は、前記S
    PDTスイッチが動作しているときには値が反転してい
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の
    高周波送受信回路。
  5. 【請求項5】前記送信用増幅器、前記SPDTスイッ
    チ、および前記受信用増幅器はMMIC上で形成された
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の高
    周波送受信回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014112907A (ja) * 2014-01-22 2014-06-19 Nec Corp アンテナスイッチ回路及び通信端末
JP2016500968A (ja) * 2012-10-23 2016-01-14 クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated シャントスイッチを備えた増幅器
US10693231B2 (en) 2017-09-11 2020-06-23 Qualcomm Incorporated Transmit/receive switching circuit

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