JP2002053669A - 多次元有機・無機複合体化合物およびその製造方法 - Google Patents

多次元有機・無機複合体化合物およびその製造方法

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JP2002053669A
JP2002053669A JP2001025890A JP2001025890A JP2002053669A JP 2002053669 A JP2002053669 A JP 2002053669A JP 2001025890 A JP2001025890 A JP 2001025890A JP 2001025890 A JP2001025890 A JP 2001025890A JP 2002053669 A JP2002053669 A JP 2002053669A
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inorganic composite
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JP2001025890A
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Masakuni Yoshihara
正邦 吉原
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Osaka Organic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Osaka Organic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機基と無機元素との乗算的特性を発現する
ことができる新規な有機・無機ハイブリッド材料であっ
て、新たな機能的物性を有す有機・無機複合体化合物の
提供。そのような有機・無機複合体化合物を容易に製造
できる方法の提供。 【解決手段】 式(1)で示される、無機金属化合物
(A)と多官能性有機化合物(B)とを反応させて得ら
れる新規化合物(C)であって、機能性有機基と無機元
素を共有結合を介して結合させることにより、分子性ハ
イブリッドに有機基と無機元素との相互作用を確保し、
多官能性有機基の導入による高次構造体化によって、バ
ルク体ハイブリッドに新たな機能的物性を保持させたま
ま、バルク体特有の軌道縮合による電子、光的特性を得
る。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多次元有機・無機
複合体化合物およびその製造方法に関するものであり、
さらに詳しくは無機金属元素と多官能性有機基が共有結
合を介して結合している新規な多次元有機・無機複合体
化合物およびその製造方法並びにその利用に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来から、無機材料の有する堅牢性と有
機材料の有する多彩な性質を利用するため有機・無機ハ
イブリッド化合物は化粧品(コア・シェル材料)、コー
テイング材料(無機粒子−高分子複合体)、電子材料
(ゾル−ゲルバインダー)、界面改質材(各種カップリ
ング剤)など様々な分野に提供されている。例えば、ガ
ラス等の表面改質に用いられるシランカップリング剤は
有機基を導入したシリル化合物であり、無機物表面に有
機基を効果的に導入し、塗料等の有機材料によるコーテ
ィングを容易なものに改質する。また、工業製品として
有用な樹脂形成体は、その強度を向上させるためにフュ
ームドシリカ等のフィラーを添加して形成能および強度
を両立した有機・無機ハイブリッド材料として用いられ
ている。これらはバルク体でのハイブリッド材料を提供
している。
【0003】一方、分子性のハイブリッド材料として
は、金属錯体が挙げられる。これらは金属元素に有機物
が配位結合を介して形成された化合物である。これらは
光機能材料、酸化還元触媒等への応用が盛んに研究され
ている。
【0004】しかし、前者のバルク体ハイブリッド材料
は有機材料の特性と無機材料の特性との単なる加算的特
性を発現するに過ぎず、一方、金属錯体のような分子性
ハイブリッド材料は機能の中心は金属元素が担ってお
り、有機配位子は金属の活性を制御する機能しか持ちあ
わせていない場合が多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の第1
の目的は、バルク体ハイブリッド材料の加算的特性に止
まらず、また金属錯体のような分子性ハイブリッド材料
のように構成成分の一方の特性に依存するものでなく、
有機基と無機元素との乗算的特性を発現することができ
る新規な有機・無機ハイブリッド材料であって、新たな
機能的物性を有し、次世代の高機能ハイブリッド素材と
なり得る有機・無機複合体化合物を提供することであ
り、本発明の第2の目的は、そのような有機・無機複合
体化合物を容易に製造できる方法を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決することを目的として鋭意研究した結果、機能性多
官能性有機基と無機金属元素とを共有結合を介して結合
させることにより、分子性ハイブリッドに多官能性有機
基と無機金属元素との相互作用を確保し、さらに多官能
性有機基の導入による高次構造体化によって、バルク体
ハイブリッドに前記特性を保持させたまま、バルク体特
有の軌道縮合による電子、光的特性を得ることに成功
し、本発明を完成させた。
【0007】上記課題を解決するための請求項1の多次
元有機・無機複合体化合物は、式(1)で示される、無
機金属化合物(A)と多官能性有機化合物(B)とを反
応させて得られる新規化合物(C)であって、金属元素
と多官能性有機基が共有結合を介して結合していること
を特徴とするものである。
【0008】
【化3】
【0009】(ただし、式(1)中、Mは金属元素を示
し、R1 はアルコキシ基、ハロゲンイオン、カルボン酸
陰イオン、アセチルアセトン等の錯形成基を示しn1は
1 の金属元素Mに対する置換数n1≧2を示す。また
式中R2 はアルキル基、置換アルキル基、アルキルベン
ゼン基、フェニル基、置換フェニル基、ナフチル基、置
換ナフチル基、アリル基等の非共役有機基あるいは共役
有機基を示し、Xはヒドロキシル基、アミノ基、チオー
ル基等の金属元素と共有結合を形成する置換基を示し、
n2はR2 に対する置換数n2≧2を示す。)
【0010】本発明により、従来得ることの出来なかっ
た、多官能性有機基・無機金属元素直接相互作用とバル
ク体特有の高次構造固体物性の両立による加算的機能が
発現され、またこれら新規機能により電子、光的特性が
確認されたことより、電子材料や光機能材料などに種々
の用途が提供される。
【0011】すなわち、本発明は、多官能性有機基・無
機金属元素直接相互作用化合物の高次構造化に関する。
【0012】本発明の好適な実施態様においては、金属
元素Mは第一周期遷移金属元素、第二周期遷移金属元
素、第三周期遷移金属元素さらにランタノイド元素から
なる群より選択される。
【0013】本発明の好適な実施態様においては、R1
はメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n-ブト
キシ基、t-ブトキシ基、メトキシエトキシ基等のアルコ
キシ基、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等の、
ハロゲンイオン、酢酸根、酒石酸根、シュウ酸根等のカ
ルボン酸陰イオン、アセチルアセトン、エチレンジアミ
ン四酢酸、ノルボルネン等の錯形成化合物、硝酸イオ
ン、硫酸イオン、リン酸イオン等の無機イオンからなる
群より選択される。
【0014】本発明の好適な実施態様においては、R2
はアルキル基、置換アルキル基、アルキルベンゼン基、
フェニル基、置換フェニル基、ナフチル基、置換ナフチ
ル基、アリル基、アレン基、ビフェニル基、トラン基、
ビフェニルエーテル基、ビフェニルスルフィド基、ビフ
ェニルスルホネート基、スチルベン基等の非共役、共役
有機基からなる群より選択される。
【0015】本発明の好適な実施態様においては、Xは
ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基等の金属元素と
共有結合可能な置換基より選択される。
【0016】本発明の好適な実施態様においては、多次
元有機―無機複合体化合物(C)は、無機金属化合物
(A)と多官能性有機化合物(B)を溶媒の存在下で混
合することによって得られる。
【0017】本発明の好適な実施態様においては、多次
元有機―無機複合体化合物(C)は、無機金属化合物
(A)に対し、多官能性有機化合物(B)の当量は0.
1〜10となる。
【0018】そして請求項2の多次元有機・無機複合体
化合物は、請求項1記載の多次元有機・無機複合体化合
物において、形状が、粒子、結晶構造体、薄膜、厚膜で
あることを特徴とする、ものである。
【0019】請求項3の多次元有機・無機複合体化合物
は、請求項1あるいは請求項2記載の多次元有機・無機
複合体化合物に、別途有機化合物を添加して得られるこ
とを特徴とする、ものである。
【0020】本発明の好適な実施態様においては、他種
有機物を添加した多次元有機・無機複合体化合物は、他
種有機物を複合体(C)の合成時もしくは複合体(C)
の合成後に添加して得られる。
【0021】請求項4の多次元有機・無機複合体化合物
は、請求項1あるいは請求項2記載の多次元有機・無機
複合体化合物に、別途無機化合物を添加して得られるこ
とを特徴とする、ものである。
【0022】本発明の好適な実施態様においては、他種
無機物を添加した多次元有機・無機複合体化合物は、他
種無機物を複合体(C)の合成時もしくは複合体(C)
の合成後に添加して得られる。
【0023】請求項5の多次元有機・無機複合体化合物
は、請求項1あるいは請求項2記載の多次元有機・無機
複合体化合物に、別途有機化合物および無機化合物を添
加して得られることを特徴とする、ものである。
【0024】請求項6の多次元有機・無機複合体化合物
は、金属種または多官能性有機基が異なる請求項1ある
いは請求項2記載の多次元有機・無機複合体化合物、お
よび別途添加した有機化合物もしくは別途添加した無機
化合物が異なる請求項3から請求項5のいずれかに記載
の多次元有機・無機複合体化合物から選択される少なく
とも2種以上の化合物を混合して得られることを特徴と
する、ものである。
【0025】本発明の好適な実施態様においては、異種
混合無機化合物含有多次元有機・無機複合体化合物は、
異種無機金属化合物(A)と異種多官能性有機化合物
(B)を溶媒の存在下で混合するか、もしくは、異種の
多次元有機・無機複合体化合物(C)同士を混合するこ
とによって得られる。
【0026】請求項7の多次元有機・無機複合体化合物
は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の多次元有
機・無機複合体化合物において、導電性を有することを
特徴とする。導電性を有する多次元有機・無機複合体化
合物は導電性材料として利用することができる。
【0027】請求項8の多次元有機・無機複合体化合物
は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の多次元有
機・無機複合体化合物において、半導体特性を有するこ
とを特徴とする。半導体特性を有する多次元有機・無機
複合体化合物は半導体材料として利用することができ
る。
【0028】請求項9の多次元有機・無機複合体化合物
は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の多次元有
機・無機複合体化合物において、光導電性を有すること
を特徴とする。光導電性を有する多次元有機・無機複合
体化合物は光導電性材料として利用することができる。
【0029】請求項10の多次元有機・無機複合体化合
物は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の多次元
有機・無機複合体化合物において、酸化―還元機能を有
することを特徴とする。酸化―還元機能を有する多次元
有機・無機複合体化合物は酸化―還元触媒として利用す
ることができる。
【0030】請求項11の多次元有機・無機複合体化合
物は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の多次元
有機・無機複合体化合物において、光酸化―還元機能を
有することを特徴とする。光酸化―還元機能を有する多
次元有機・無機複合体化合物は光酸化―還元触媒として
利用することができる。
【0031】請求項12の多次元有機・無機複合体化合
物は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の多次元
有機・無機複合体化合物において、磁気的特性を有する
ことを特徴とする。磁気的特性を有する多次元有機・無
機複合体化合物は磁気特性材料として利用することがで
きる。
【0032】請求項13は、式(1)で示すように、無
機金属化合物(A)と多官能性有機化合物(B)とを、
溶媒の存在下に反応させることを特徴とする、新規化合
物(C)である、金属元素と多官能性有機基が共有結合
を介して結合している請求項1記載の多次元有機・無機
複合体化合物の製造方法である。
【0033】
【化4】
【0034】(ただし、式(1)中、Mは金属元素を示
し、R1 はアルコキシ基、ハロゲンイオン、カルボン酸
陰イオン、アセチルアセトン等の錯形成基を示しn1は
1 の金属元素Mに対する置換数n1≧2を示す。また
式中R2 はアルキル基、置換アルキル基、アルキルベン
ゼン基、フェニル基、置換フェニル基、ナフチル基、置
換ナフチル基、アリル基等の非共役有機基あるいは共役
有機基を示し、Xはヒドロキシル基、アミノ基、チオー
ル基等の金属元素と共有結合を形成する置換基を示し、
n2はR2 に対する置換数n2≧2を示す。)
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明は、無機金属化合物(A)と多官能
性有機化合物(B)とを反応させて得られる無機金属元
素と多官能性有機基が共有結合を介して結合している無
機金属元素―多官能性有機基直接相互作用を有する多次
元有機・無機複合体化合物に関するが、このような無機
金属元素と多官能性有機基が直接的な相互作用を有する
複合体は知られていない。本発明の多次元有機・無機複
合体化合物は無機金属元素と多官能性有機基が共有結合
を介して結合しており、金属−有機骨格間に強い相互作
用をもたらす。図4に示すように金属元素M1に与えら
れた刺激(光、酸化還元など)により発生した電荷やス
ピンなどが共有結合を介して伝達し金属元素M2に伝わ
る。電荷が伝わる場合は本発明の多次元有機・無機複合
体化合物は電気導電体となり、またスピンが伝わる場合
は本発明の多次元有機・無機複合体化合物は磁性材料と
なり得る。従来、金属−有機骨格間に相互作用のないハ
イブリッドではこのような機能発現は困難であり、本発
明の多次元有機・無機複合体化合物特有の効果である。
図4に示した有機骨格Rはこれらの伝達経路の制御因子
となっており、有機骨格Rを適切に選択することによ
り、電気的特性を電気導電体から半導体、不導体まで制
御することが可能となり、さらに磁気的特性、触媒的特
性をも制御可能に保持させることができるので、幅広い
用途が期待できる。
【0036】本発明に用いる金属元素は安定金属元素で
あれば特に制限を有するものではないが、好ましくは、
第一周期遷移金属元素、第二周期遷移金属元素、第三周
期遷移金属元素さらにランタノイド元素からなる群より
選択される。本発明に用いる金属元素は具体的には、例
えば、スカンジウム、チタニウム、バナジウム、クロ
ム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イ
ットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテ
ニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、ハフ
ニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウ
ム、イリジウム、白金、金、水銀、ランタン、セリウ
ム、プラセオジウム、ネオジウム、サマリウム、ユーロ
ピウム、ガドリニウム、テルビウム、ディスプロシウ
ム、ホロニウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウ
ム、ルテチウム等を挙げることができる。また、これ以
外の金属元素としては、アルミニウム、珪素、ガリウ
ム、ゲルマニウム、インジウム、スズ、タリウム、鉛等
が挙げられる。
【0037】本発明に用いる無機金属化合物は、上記金
属元素の化合物であれば特に制限を有するものではない
が、好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポ
キシ基、n-ブトキシ基、t-ブトキシ基、メトキシエトキ
シ基等が置換した金属アルコキシド、塩素イオン、臭素
イオン、ヨウ素イオン等が置換した、金属ハロゲン化
物、酢酸根、酒石酸根、シュウ酸根等が置換した金属カ
ルボン酸塩、アセチルアセトン、エチレンジアミン四酢
酸、ノルボルネン等が置換した金属錯体、金属硝酸塩、
金属硝酸塩、金属リン酸塩等の無機金属塩等が挙げられ
る。
【0038】本発明に用いる多官能性有機化合物は上記
金属元素と共有結合可能な官能基を有していれば特に制
限を有するものではないが、好ましくは多価アルコール
等の水酸基を複数有する化合物、多価アミン等のアミノ
基を複数有する化合物、多価チオール等のチオール基を
複数有する化合物が挙げられる。また、これらの官能基
の置換数も制限を有するものではないが、好ましくは1
〜10置換、より好ましくは2〜4置換である。
【0039】本発明に用いる多官能性有機化合物の中心
骨格は上記官能基を有していれば特に制限を有するもの
ではないが、好ましくは、鎖長1〜16の直鎖または分
岐アルキル基、これらにハロゲン、ニトロ基、アリル基
等を含む置換アルキル基、前記アルキル基を単数もしく
は複数含むアルキルベンゼン基、フェニル基、ハロゲ
ン、ニトロ基、アリル基等を含む置換フェニル基、ナフ
チル基、ハロゲン、ニトロ基、アリル基等を含む置換ナ
フチル基、アリル基、アレン基、ビフェニル基、トラン
基、ビフェニルエーテル基、ビフェニルスルフィド基、
ビフェニルスルホネート基、スチルベン基等が挙げら
れ、より好ましくは共役系有機化合物である。
【0040】本発明に用いる溶媒は入手容易なものであ
れば特に制限を有しないが、好ましくは、石油エーテ
ル、n-ペンタン、n-ヘキサン、シクロペンタン、シクロ
ヘキサン、四塩化炭素、ベンゼン、トルエン、クロロホ
ルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、酢酸エチル、酢酸アミル、メチルエチルケト
ン、アセトン、ブタノール、イソプロパノール、エタノ
ール、メタノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド等が挙げられ、和光純薬株式会社、関東化学
株式会社、東京化成株式会社等から入手することができ
る。また、好ましくはこれら溶媒は公知の方法により脱
水蒸留して用いる。
【0041】また、溶媒に対する反応試剤の濃度は特に
制限を有するものではないが、好ましくは溶剤に対して
0.1〜90質量%、さらに好ましくは1〜20質量%
である。また、結晶構造体を得る場合には低濃度が好ま
しく、薄膜、厚膜を形成させる場合には中〜高濃度が望
ましい。
【0042】また、金属元素に対する多官能性有機化合
物の混合量は特に制限を有するものではないが、好まし
くは0.1〜10当量、さらに好ましくは0.5〜5当
量である。
【0043】本発明によって得られる多次元有機・無機
複合体化合物の粒子の大きさは、直径1nm〜5μm、
好ましくは5nm〜1μm、より好ましくは10nm〜
500nmである。
【0044】上記粒子は、反応試剤の混合比、溶媒の種
類、濃度、反応温度、反応時間等の合成条件により制御
されるが、粒子生成後、機械的粉砕法などの公知の方法
を用いても作製し得る。
【0045】本発明の多次元有機・無機複合体化合物の
粒子のサイズは、レーザードップラー型粒度分布測定
器、透過型電子顕微鏡などを用いて測定できる。
【0046】本発明によって得られる多次元有機・無機
複合体化合物の結晶構造体の大きさは、長径10nm〜
5cm、好ましくは50nm〜1cm、より好ましくは
100nm〜1mmである。
【0047】本発明の多次元有機・無機複合体化合物の
結晶構造体のサイズは、レーザードップラー型粒度分布
測定器、透過型電子顕微鏡などを用いて測定できる。ま
た、結晶構造は粉末X線解析装置、単結晶X線回折装
置、電子線回折装置などを用いて解析できる。
【0048】本発明によって得られる多次元有機・無機
複合体化合物の薄膜、厚膜の膜厚は、1nm〜5mm、
好ましくは5nm〜100μm、より好ましくは10n
m〜10μmである。
【0049】本発明の多次元有機・無機複合体化合物の
薄膜、厚膜のサイズは、膜厚測定装置、透過型電子顕微
鏡、走査電子顕微鏡での断面観測などを用いて測定でき
る。
【0050】本発明によって得られる多次元有機・無機
複合体化合物の薄膜、厚膜は各種基板上に形成される。
基板として特に制限を有しないが、好ましくは、アルミ
ニウム、ステンレス、金、銀、銅等の金属基板、単結晶
シリコン、ガリウム−砒素結晶体等の半導体基板、ガラ
ス基板、陶器基板が挙げられる。また、基板表面は各種
カップリング剤など公知の方法を用いて表面処理をして
もよい。
【0051】本発明によって得られる他種有機化合物含
有多次元有機・無機複合体化合物は、他種有機物を複合
体合成時に反応試剤と共に添加するか、もしくは複合体
合成後に溶媒に分散させた複合体中に添加したり、複合
体を他種有機化合物蒸気に暴露または他種有機化合物を
機械的混練することによって得ることができる。また、
他種有機化合物の添加量に制限はないが、好ましくは、
複合体100質量部に対し0.01〜1000質量部、
さらに好ましくは0.1〜100質量部添加する。
【0052】他種有機化合物の種類については制限はな
いが、好ましくは、C60等のフラーレン類、テトラチ
アフルバレン類、テトラシアノキノジメタン類等の電子
授受機能を有する化合物、クラウンエーテル類、アザク
ラウンエーテル類、カリックスアレン類等のイオン捕捉
化合物等が挙げられる。
【0053】本発明によって得られる他種無機化合物含
有多次元有機・無機複合体化合物は、他種無機化合物を
複合体合成時に反応試剤と共に添加するか、もしくは複
合体合成後に溶媒に分散させた複合体中に添加するか、
複合体を他種無機化合物蒸気に暴露または他種無機化合
物を機械的混練することによって得ることができる。ま
た、他種無機化合物の添加量に制限はないが、好ましく
は、複合体100質量部に対し0.01〜1000質量
部、さらに好ましくは0.1〜100質量部添加する。
【0054】他種無機化合物の種類については制限はな
いが、好ましくは、ヨウ素等のハロゲン元素、フェロセ
ン等のメタロセン化合物類、クロロフィル等のポルフィ
リン化合物類等の電子授受機能を有する化合物、フタロ
シアニン類等の色素化合物等が挙げられる。
【0055】本発明の異種混合無機物含有多次元有機・
無機複合体化合物は、異種の無機金属化合物と異種の多
官能性有機化合物を溶媒の存在下で同時混合し反応させ
ることによって得ることができる。もしくは、すでに合
成し得た異種の多次元有機・無機複合体化合物を逐次混
合し、機械的混練によっても得ることができる。また、
混合する種類、数等に制限はないが、好ましくは同時混
合の場合は無機金属化合物と多官能性有機化合物合わせ
て3〜10種、逐次混合の場合は異種多次元有機・無機
複合体化合物を3〜10種、さらに好ましくは同時混合
の場合は無機金属化合物3〜5種、逐次混合の場合は異
種多次元有機・無機複合体化合物を3〜5種混合する。
【0056】また、異種混合無機化合物含有多次元有機
・無機複合体化合物は、上記に示した他種有機化合物含
有多次元有機・無機複合体化合物、他種無機化合物含有
多次元有機・無機複合体化合物のそれぞれ、もしくは双
方を用いてもよい。
【0057】本発明の多次元有機・無機複合体化合物は
価数変化の容易な金属元素と有機基骨格に共役系化合物
を選択することによって、電荷リレーによる導電性材料
となり得る。金属元素、有機骨格共に上記種類に制限は
ないが、好ましくは金属元素としてはチタン、バナジウ
ム、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、モリブデン、ル
テニウム、ロジウム、タングステン、レニウム、オスミ
ウム、イリジウム、セリウム、サマリウム等が挙げら
れ、また有機骨格としてはアルキルベンゼン基、フェニ
ル基、ハロゲン、ニトロ基、アリル基等を含む置換フェ
ニル基、ナフチル基、ハロゲン、ニトロ基、アリル基等
を含む置換ナフチル基、アリル基、アレン基、ビフェニ
ル基、トラン基、ビフェニルエーテル基、ビフェニルス
ルフィド基、スチルベン基等が挙げられる。
【0058】また、金属元素と有機骨格の相互作用を比
較的小さくすることによって、上記効果が制限された半
導体材料となり得る。
【0059】本発明の多次元有機・無機複合体化合物は
光照射により価数変化の容易な金属元素と有機基骨格に
共役系化合物を選択することによって、光励起電荷リレ
ーによる光導電性材料となり得る。金属元素、有機骨格
共に上記種類に制限はないが、好ましくは金属元素とし
てはチタン、マンガン、鉄、ルテニウム、ロジウム、オ
スミウム、ランタン、サマリウム、ユーロピウム等が挙
げられ、また有機骨格としてはアルキルベンゼン基、フ
ェニル基、ハロゲン、ニトロ基、アリル基等を含む置換
フェニル基、ナフチル基、ハロゲン、ニトロ基、アリル
基等を含む置換ナフチル基、アリル基、アレン基、ビフ
ェニル基、トラン基、ビフェニルエーテル基、ビフェニ
ルスルフィド基、スチルベン基等が挙げられる。
【0060】本発明の多次元有機・無機複合体化合物は
多次元構造中に欠陥部位を含むことによって酸化―還元
触媒となり得る。金属元素、有機骨格共に上記種類に制
限はないが、好ましくは金属元素としてはチタニウム、
バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケ
ル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ル
テニウム、ロジウム、パラジウム、銀、タンタル、タン
グステン、レニウム、オスミウム、白金、金、セリウ
ム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、イッテ
ルビウム等が挙げられ、また有機骨格としてはアルキル
ベンゼン基、フェニル基、ハロゲン、ニトロ基、アリル
基等を含む置換フェニル基、ナフチル基、ハロゲン、ニ
トロ基、アリル基等を含む置換ナフチル基、アリル基、
アレン基、ビフェニル基、トラン基、ビフェニルエーテ
ル基、ビフェニルスルフィド基、スチルベン基等が挙げ
られる。
【0061】また、欠陥部位の作成に関しては、複合体
表面に生じる不飽和部位以外に、有機骨格の混合比を減
少して得られる欠陥部位、化合物合成後に電場、磁場等
の物理的刺激を付与する事によって得られる欠陥部位等
でもかまわない。
【0062】また、上記の欠陥部位生成が光等の電磁波
による刺激によって生成する場合には、これらは光酸化
―還元触媒となり得る。
【0063】本発明の多次元有機・無機複合体化合物は
構造中に不対電子を有する場合、これらが有機・無機共
役系構造の効果によりスピン―スピン相互作用が生じる
場合、磁気特性を有する材料となり得る。金属元素、有
機骨格共に上記種類に制限はないが、好ましくは金属元
素としてはチタニウム、バナジウム、クロム、マンガ
ン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウ
ム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、
ロジウム、ハフニウム、タンタル、レニウム、オスミウ
ム、イリジウム、ランタン、セリウム、ネオジウム、サ
マリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、イッテルビウ
ム、ルテチウム等が挙げられ、また有機骨格としてはア
ルキルベンゼン基、フェニル基、ハロゲン、ニトロ基、
アリル基等を含む置換フェニル基、ナフチル基、ハロゲ
ン、ニトロ基、アリル基等を含む置換ナフチル基、アリ
ル基、アレン基、ビフェニル基、トラン基、ビフェニル
エーテル基、ビフェニルスルフィド基、スチルベン基等
が挙げられる。
【0064】また、上記効果を組み合わせることによ
り、様々な用途に供される電気特性を有する材料となり
得る。
【0065】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明は、実施例に限定されない。 (実施例1)(本発明の多次元有機・無機複合体化合物
の合成) チタンテトライソプロポキシド0.2ml( 0.67m
mol)と4,4’−ビスヒドロキシフェニルスルホン
0.33g(1.34mmol)を脱水テトラヒドロフ
ラン20mlに加え、アルゴン雰囲気下で80℃、10
時間加熱を行なった。生じた沈殿を濾過し、脱水テトラ
ヒドロフラン100mlで洗浄し、真空乾燥する事によ
りチタン―ビスヒドロキシフェニルスルホン複合体化合
物を得た。
【0066】(実施例2)(本発明の他の多次元有機・
無機複合体化合物の合成) チタンテトライソプロポキシド0.2ml(0.67m
mol)とヒドロキノン0.15g (1.34mmo
l) を脱水テトラヒドロフラン20mlに加え、アルゴ
ン雰囲気下で80℃、10時間加熱を行なった。生じた
沈殿を濾過し、脱水テトラヒドロフラン100mlで洗
浄し、真空乾燥する事によりチタン―ヒドロキノン複合
体化合物を得た。
【0067】(実施例1および実施例2で合成した本発
明の多次元有機・無機複合体化合物の電子物性) 実施例1および実施例2で作成した本発明の多次元有機
・無機複合体化合物のUV−VISスペクトルを測定
し、これらの電子物性について検討を行なった結果を図
1に示す。非共役系有機化合物であるビスヒドロキシフ
ェニルスルホンを用いて合成された複合体は500nm
以下のフェニルスルホン由来の吸収が認められた。一
方、共役系有機化合物であるヒドロキノンを用いて合成
された複合体は650nm以下に幅広い吸収を有するこ
とが判明した。
【0068】以上の効果は、共役系有機化合物とチタン
原子との間に電荷移動が生じていることを示しており、
共役系有機・無機複合体化合物は有機物―金属間での電
荷リレー効果により、UV−VIS吸収領域が広帯域化
していることが考えられる。
【0069】(実施例3)(本発明の他の多次元有機・
無機複合体化合物の粒子の合成) ジルコニウム−2−メチル−2−ブトキシド0.2ml
(0.47mmol)と4,4’−ビスヒドロキシフェ
ニルスルホン0.2g(0.94mmol)を脱水テト
ラヒドロフラン50mlに加え、アルゴン雰囲気下で8
0℃、5時間加熱を行なった。生じた沈殿を濾過し、脱
水テトラヒドロフラン100mlで洗浄し、真空乾燥す
る事によりジルコニウム―ビスヒドロキシフェニルスル
ホン複合体化合物を得た。
【0070】この複合体化合物の透過電子顕微鏡写真を
図2に示した。その結果、複合体は平均粒径230nm
の真球状粒子であることが判明し、本発明の複合体が自
発的に集合し、真球形粒子を形成することが判明した。
【0071】(実施例4)チタンテトライソプロポキシ
ドと有機ジオール(HO−X−OH)を反応させて本発
明の他の多次元有機・無機複合体化合物を合成する際の
反応式、溶媒、反応温度を図3に示す。なお図中cは実
施例2の多次元有機・無機複合体化合物の場合を、eは
実施例1の多次元有機・無機複合体化合物の場合を示
す。
【0072】(実施例5)(本発明の他のチタン系多次
元有機・無機複合体化合物の粒子の合成) (イ)3次元チタン−エチレングリコール複合体の合成 チタンテトライソプロポキシド0.6ml( 2.0mm
ol)とエチレングリコール0.25g(4.0mmo
l)を脱水テトラヒドロフラン20mlに加え、アルゴ
ン雰囲気下で80℃、24時間加熱を行なった。生じた
沈殿を濾過し、脱水テトラヒドロフラン100mlで洗
浄し、真空乾燥する事により3次元チタン―エチレング
リコール複合体化合物を得た。
【0073】(ロ)3次元チタン−1,4−ブタンジオ
ール複合体の合成 チタンテトライソプロポキシド0.6ml( 2.0mm
ol)と1,4−ブタンジオール0.36g(4.0m
mol)を脱水テトラヒドロフラン20mlに加え、ア
ルゴン雰囲気下で80℃、24時間加熱を行なった。生
じた沈殿を濾過し、脱水テトラヒドロフラン100ml
で洗浄し、真空乾燥する事により3次元チタン―1,4
−ブタンジオール複合体化合物を得た。
【0074】(ハ)3次元チタン−ヒドロキノン複合体
の合成 チタンテトライソプロポキシド0.6ml( 2.0mm
ol)とヒドロキノン0.44g(4.0mmol)を
脱水テトラヒドロフラン20mlに加え、アルゴン雰囲
気下で80℃、24時間加熱を行なった。生じた沈殿を
濾過し、脱水テトラヒドロフラン100mlで洗浄し、
真空乾燥する事により3次元チタン―ヒドロキノン複合
体化合物を得た。
【0075】(ニ)3次元チタン−4,4’−ジヒドロ
キシジフェニル複合体の合成 チタンテトライソプロポキシド0.6ml( 2.0mm
ol)と4,4’−ジヒドロキシジフェニル0.75g
(4.0mmol)を脱水テトラヒドロフラン20ml
に加え、アルゴン雰囲気下で80℃、24時間加熱を行
なった。生じた沈殿を濾過し、脱水テトラヒドロフラン
100mlで洗浄し、真空乾燥する事により3次元チタ
ン―4,4’−ジヒドロキシジフェニル複合体化合物を
得た。
【0076】(ホ)3次元チタン−4,4’−チオジフ
ェノール複合体の合成 チタンテトライソプロポキシド0.6ml( 2.0mm
ol)と4,4’−チオジフェノール0.87g(4.
0mmol)を脱水テトラヒドロフラン20mlに加
え、アルゴン雰囲気下で80℃、24時間加熱を行なっ
た。生じた沈殿を濾過し、脱水テトラヒドロフラン10
0mlで洗浄し、真空乾燥する事により3次元チタン―
4,4’−チオジフェノール複合体化合物を得た。
【0077】(ヘ)3次元チタン−4,4’−ビスヒド
ロキシフェニルスルホン複合体の合成 チタンテトライソプロポキシド0.6ml( 2.0mm
ol)と4,4’−4,4’−ビスヒドロキシフェニル
スルホン1.0g(4.0mmol)を脱水テトラヒド
ロフラン20mlに加え、アルゴン雰囲気下で80℃、
24時間加熱を行なった。生じた沈殿を濾過し、脱水テ
トラヒドロフラン100mlで洗浄し、真空乾燥する事
により3次元チタン―4,4’−ビスヒドロキシフェニ
ルスルホン複合体化合物を得た。
【0078】(ト)3次元チタン−p−キシリレングリ
コール複合体の合成 チタンテトライソプロポキシド0.6ml( 2.0mm
ol)とp−キシリレングリコール0.55g(4.0
mmol)を脱水テトラヒドロフラン20mlに加え、
アルゴン雰囲気下で80℃、24時間加熱を行なった。
生じた沈殿を濾過し、脱水テトラヒドロフラン100m
lで洗浄し、真空乾燥する事により3次元チタン―p−
キシリレングリコール複合体化合物を得た。
【0079】上記の反応[図5(1)に3次元チタン−
ジオール複合体の反応式を示す。図6に各種ジオールの
分子構造を示す]は容易に進行し、交互構造を有するチ
タン−有機骨格ハイブリッドポリマーが生成した。
【0080】ここで得られた生成物は、導入した有機骨
格の種類によって白〜赤黒色の幅広い色を呈しており、
これらのUV−VISスペクトルを測定したところ[図
7に3次元チタン−有機ジオール複合体のUV−VIS
スペクトルを示す]、共役系有機基を有するハイブリッ
ドポリマー(ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジ
フェニル)の吸収が非共役系(エチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、p−キシリレングリコール)
のものと比較して長波長側にシフトしていることが判明
した。
【0081】この結果は、共役系有機基でリンクされた
ポリマー骨格中で、電子移動が容易に生じていることを
強く示唆しているものと考えられる。そこで、これらの
ESRスペクトルを測定したところ[図8に3次元チタ
ン−有機ジオール複合体のESRスペクトルを示す]、
共役系有機骨格を有するポリマーに強い吸収が認めら
れ、これらのg値は2.0014であったことより、有
機骨格に生成したラジカルであることが判明した。
【0082】そこで、これらの電子移動過程を解明する
ために、モノマーモデル分子を用いて、ab initio 分子
軌道計算(RHF/STO-3G)を行ったところ、共役系骨格を有
するモデルのHOMO/LUMO のエネルギー差が小さいことが
判明し、また、HOMOは主に有機骨格に広がり、LUMOはチ
タン原子上に広がっていることも判明した。よってこの
電子移動は共役系有機骨格から、チタン原子上への1電
子移動であり、観測されたESRシグナルは有機ラジカ
ルカチオンであることが判明し、3次元有機−無機交互
構造中においてそれらが非局在化されているものと考え
られる。
【0083】(イ)1次元チタン−エチレングリコール
複合体の合成 チタニウムジイソプロポキシド ビス(アセチルアセト
ナト)0.96ml(2.0mmol)とエチレングリ
コール0.13g(2.0mmol)を脱水テトラヒド
ロフラン40mlに加え、アルゴン雰囲気下で80℃、
24時間加熱を行なった。生じた沈殿を濾過し、脱水テ
トラヒドロフラン100mlで洗浄し、真空乾燥する事
により1次元チタン―エチレングリコール複合体化合物
を得た。
【0084】(ロ)1次元チタン−ヒドロキノン複合体
の合成 チタニウムジイソプロポキシド ビス(アセチルアセト
ナト)0.96ml(2.0mmol)とヒドロキノン
0.22g(2.0mmol)を脱水テトラヒドロフラ
ン40mlに加え、アルゴン雰囲気下で80℃、24時
間加熱を行なった。生じた沈殿を濾過し、脱水テトラヒ
ドロフラン100mlで洗浄し、真空乾燥する事により
1次元チタン―ヒドロキノン複合体化合物を得た。
【0085】(ハ)1次元チタン−4,4’−ジヒドロ
キシジフェニル複合体の合成 チタニウムジイソプロポキシド ビス(アセチルアセト
ナト)0.96ml(2.0mmol)と4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニル0.38g(2.0mmol)を
脱水テトラヒドロフラン40mlに加え、アルゴン雰囲
気下で80℃、24時間加熱を行なった。生じた沈殿を
濾過し、脱水テトラヒドロフラン100mlで洗浄し、
真空乾燥する事により1次元チタン―4,4’−ジヒド
ロキシジフェニル複合体化合物を得た。
【0086】(ニ)1次元チタン−4,4’−チオジフ
ェノール複合体の合成 チタニウムジイソプロポキシド ビス(アセチルアセト
ナト)0.96ml(2.0mmol)と4,4’−チ
オジフェノール0.44g(2.0mmol)を脱水テ
トラヒドロフラン40mlに加え、アルゴン雰囲気下で
80℃、24時間加熱を行なった。生じた沈殿を濾過
し、脱水テトラヒドロフラン100mlで洗浄し、真空
乾燥する事により1次元チタン―4,4’−チオジフェ
ノール複合体化合物を得た。
【0087】(ホ)1次元チタン−4,4’−ビスヒド
ロキシフェニルスルホン複合体の合成 チタニウムジイソプロポキシド ビス(アセチルアセト
ナト)0.96ml(2.0mmol)と4,4’−
4,4’−ビスヒドロキシフェニルスルホン0.50g
(2.0mmol)を脱水テトラヒドロフラン40ml
に加え、アルゴン雰囲気下で80℃、24時間加熱を行
なった。生じた沈殿を濾過し、脱水テトラヒドロフラン
100mlで洗浄し、真空乾燥する事により1次元チタ
ン―4,4’−ビスヒドロキシフェニルスルホン複合体
化合物を得た。
【0088】(ヘ)1次元チタン−p−キシリレングリ
コール複合体の合成 チタニウムジイソプロポキシド ビス(アセチルアセト
ナト)0.96ml(2.0mmol)とp−キシリレ
ングリコール0.28g(2.0mmol)を脱水テト
ラヒドロフラン40mlに加え、アルゴン雰囲気下で8
0℃、24時間加熱を行なった。生じた沈殿を濾過し、
脱水テトラヒドロフラン100mlで洗浄し、真空乾燥
する事により1次元チタン―p−キシリレングリコール
複合体化合物を得た。
【0089】上記の反応[図5(2)に1次元チタン―
ジオール複合体の反応式を示す]は容易に進行し、1次
元交互構造を有するチタン−有機骨格ハイブリッドポリ
マーが生成した。
【0090】ここで得られた生成物は、導入した有機骨
格の種類によって黄〜赤褐色の幅広い色を呈しており、
これらのUV−VISスペクトルを測定したところ[図
9に1次元チタン−有機ジオール複合体のUV−VIS
スペクトルを示す]、共役系有機基を有するハイブリッ
ドポリマー(ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジ
フェニル)の吸収が非共役系(エチレングリコール、
1,4−ブタンジオール)のものと比較して長波長側に
シフトしていることが判明した。
【0091】この結果は、3次元同様ポリマー骨格中
で、電子移動が容易に生じていることを強く示唆してい
るものと考えられる。そこで、これらのESRスペクト
ルを測定したところ[図10に1次元チタン−有機ジオ
ール複合体のESRスペクトルを示す]、共役系有機骨
格を有するポリマーに有機ラジカルカチオンの強い吸収
が認められた。
【0092】そこで、これらの電子移動過程を解明する
ために、モノマーモデル分子を用いて、ab initio 分子
軌道計算(RHF/STO-3G)を行ったところ、共役系骨格を有
するモデルのHOMO/LUMO のエネルギー差が小さいことが
判明し、また、HOMOは1次元主鎖を形成している有機骨
格に広がり、LUMOはチタン原子を含むアセチルアセトナ
ト基上に広がっていることも判明した。
【0093】(実施例6)(本発明のイットリウム系多
次元有機・無機複合体化合物の粒子の合成) (イ)イットリウム−エチレングリコール複合体の合成 イットリウムイソプロポキシド0.27g( 1.0mm
ol)を脱水テトラヒドロフラン10mlに溶解し、こ
れとエチレングリコール0.10g(1.5mmol)
を脱水テトラヒドロフラン10mlに溶解させた溶液を
混合し、アルゴン雰囲気下で室温、3時間攪拌を行なっ
た。生じた沈殿を濾過し、脱水テトラヒドロフラン10
0mlで洗浄し、真空乾燥する事によりイットリウム−
エチレングリコール複合体化合物を得た。
【0094】(ロ)イットリウム−ヒドロキノン複合体
の合成 イットリウムイソプロポキシド0.27g( 1.0mm
ol)を脱水テトラヒドロフラン10mlに溶解し、こ
れとヒドロキノン0.17g(1.5mmol)を脱水
テトラヒドロフラン10mlに溶解させた溶液を混合
し、アルゴン雰囲気下で室温、3時間攪拌を行なった。
生じた沈殿を濾過し、脱水テトラヒドロフラン100m
lで洗浄し、真空乾燥する事によりイットリウム−ヒド
ロキノン複合体化合物を得た。
【0095】(ハ)イットリウム−4,4’−ジヒドロ
キシジフェニル複合体の合成 イットリウムイソプロポキシド0.27g( 1.0mm
ol)を脱水テトラヒドロフラン10mlに溶解し、こ
れと4,4’−ジヒドロキシジフェニル0.29g
(1.5mmol)を脱水テトラヒドロフラン10ml
に溶解させた溶液を混合し、アルゴン雰囲気下で室温、
3時間攪拌を行なった。生じた沈殿を濾過し、脱水テト
ラヒドロフラン100mlで洗浄し、真空乾燥する事に
よりイットリウム−4,4’−ジヒドロキシジフェニル
複合体化合物を得た。
【0096】(ニ)イットリウム−4,4’−チオジフ
ェノール複合体の合成 イットリウムイソプロポキシド0.27g( 1.0mm
ol)を脱水テトラヒドロフラン10mlに溶解し、こ
れと4,4’−チオジフェノール0.33g(1.5m
mol)を脱水テトラヒドロフラン10mlに溶解させ
た溶液を混合し、アルゴン雰囲気下で室温、3時間攪拌
を行なった。生じた沈殿を濾過し、脱水テトラヒドロフ
ラン100mlで洗浄し、真空乾燥する事によりイット
リウム−4,4’−チオジフェノール複合体化合物を得
た。
【0097】(ホ)イットリウム−4,4’−ビスヒド
ロキシフェニルスルホン複合体の合成 イットリウムイソプロポキシド0.27g( 1.0mm
ol)を脱水テトラヒドロフラン10mlに溶解し、こ
れと4,4’−ビスヒドロキシフェニルスルホン0.3
8g(1.5mmol)を脱水テトラヒドロフラン10
mlに溶解させた溶液を混合し、アルゴン雰囲気下で室
温、3時間攪拌を行なった。生じた沈殿を濾過し、脱水
テトラヒドロフラン100mlで洗浄し、真空乾燥する
事によりイットリウム−4,4’−ビスヒドロキシフェ
ニルスルホン複合体化合物を得た。
【0098】上記の反応[図5(3)にイットリウム―
ジオール複合体の反応式を示す]は容易に進行し、交互
構造を有するイットリウム−有機骨格ハイブリッドポリ
マーが生成した。ここで得られた生成物は、導入した有
機骨格の種類によって白〜褐色の幅広い色を呈してお
り、これらのUV−VISスペクトルを測定したところ
[図11にイットリウム−有機ジオール複合体のUV−
VISスペクトルを示す]、共役系有機基を有するハイ
ブリッドポリマー(ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロ
キシジフェニル)の吸収が非共役系(エチレングリコー
ル)のものと比較して長波長側にシフトしていることが
判明した。
【0099】この結果は、共役系有機基でリンクされた
ポリマー骨格中で、電子移動が容易に生じていることを
強く示唆しているものと考えられる。そこで、これらの
ESRスペクトルを測定したところ[図12にイットリ
ウム−有機ジオール複合体のESRスペクトルを示
す]、共役系有機骨格を有するポリマーに、有機骨格に
生成したラジカルに由来する強い吸収が認められた。
【0100】そこで、これらの電子移動過程を解明する
ために、モノマーモデル分子を用いて、ab initio 分子
軌道計算(RHF/STO-3G)を行ったところ、共役系骨格を有
するモデルのHOMO/LUMOのエネルギー差が小さいことが
判明し、また、HOMOは主に有機骨格に広がり、LUMOはイ
ットリウム原子上に広がっていることも判明した。よっ
てこの電子移動は共役系有機骨格から、イットリウム原
子上への1電子移動であり、観測されたESRシグナル
は有機ラジカルカチオンであることが判明し、3次元有
機−無機交互構造中においてそれらが非局在化されてい
るものと考えられる。
【0101】(実施例7)(本発明の他のジルコニウム
系多次元有機・無機複合体化合物の粒子の合成) (イ)ジルコニウム−エチレングリコール複合体の合成 ジルコニウム 2−メチル2−ブトキシド0.22g(
0.5mmol)を脱水テトラヒドロフラン10mlに
溶解し、これとエチレングリコール0.13g(2.0
mmol)を脱水テトラヒドロフラン10mlに溶解さ
せた溶液を混合し、アルゴン雰囲気下で室温、3時間攪
拌を行なった。生じた沈殿を濾過し、脱水テトラヒドロ
フラン100mlで洗浄し、真空乾燥する事によりジル
コニウム−エチレングリコール複合体化合物を得た。
【0102】(ロ)ジルコニウム−4,4’−ジヒドロ
キシジフェニル複合体の合成 ジルコニウム 2−メチル2−ブトキシド0.22g(
0.5mmol)を脱水テトラヒドロフラン10mlに
溶解し、これと4,4’−ジヒドロキシジフェニル0.
38g(2.0mmol)を脱水テトラヒドロフラン1
0mlに溶解させた溶液を混合し、アルゴン雰囲気下で
室温、3時間攪拌を行なった。生じた沈殿を濾過し、脱
水テトラヒドロフラン100mlで洗浄し、真空乾燥す
る事によりジルコニウム−4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニル複合体化合物を得た。
【0103】(ハ)ジルコニウム−4,4’−ビスヒド
ロキシフェニルスルホン複合体の合成 ジルコニウム 2−メチル2−ブトキシド0.22g(
0.5mmol)を脱水テトラヒドロフラン10mlに
溶解し、これと4,4’−ビスヒドロキシフェニルスル
ホン0.50g(2.0mmol)を脱水テトラヒドロ
フラン10mlに溶解させた溶液を混合し、アルゴン雰
囲気下で室温、3時間攪拌を行なった。生じた沈殿を濾
過し、脱水テトラヒドロフラン100mlで洗浄し、真
空乾燥する事によりジルコニウム−4,4’−ビスヒド
ロキシフェニルスルホン複合体化合物を得た。
【0104】上記の反応[図5(4)にジルコニウム―
ジオール複合体の反応式を示す]は容易に進行し、交互
構造を有するジルコニウム−有機骨格ハイブリッドポリ
マーが生成した。これらの構造を確認するために、生成
物のTEM観察を行ったところ、エチレングリコールを
用いた系は、非定型の超微粒子[図13にジルコニウム
―エチレングリコール複合体のTEM像を示す]、4,4
’- ジヒドロキシジフェニルを用いた系は層状構造
[図14にジルコニウム―4,4 ’- ジヒドロキシジフェ
ニル複合体のTEM像を示す]、4,4’−ビスヒドロ
キシフェニルスルホンを用いた系は約250nmの真球
状粒子[図15にジルコニウム―4,4’−ビスヒドロ
キシフェニルスルホン複合体のTEM像を示す]が生成
していることが確認された。また4,4 ’- ジヒドロキシ
ジフェニル、4,4’−ビスヒドロキシフェニルスルホ
ンを用いた系の生成物は、下に存在する粒子の影が認め
られるほど電子線の透過が良く、密度の低い粒子である
ことが示唆された。
【0105】そこで、4,4’−ビスヒドロキシフェニ
ルスルホンを用いた系の生成物をエポキシ樹脂に包埋
し、超薄切片のTEM観察を行ったところ[図16にジ
ルコニウム―4,4’−ビスヒドロキシフェニルスルホ
ン複合体の超薄切片TEM像を示す]、この真球粒子は
中空であり、約50nm厚さのシェルの中に150nm
の空洞が存在していることが判明した。
【0106】また、これらの生成条件を検討したとこ
ろ、ジルコニウム2-メチル2-ブトキシドに対し、ビス(4
- ヒドロキシフェニル) スルホンを4倍モル量用いるこ
とによって、理想的な有機−無機交互構造を有するポリ
マーになっていることが判明した。
【0107】(実施例8)(本発明のタンタル系多次元
有機・無機複合体化合物の粒子の合成) (イ)タンタル−エチレングリコール複合体の合成 タンタルn−ブトキシド0.33g( 0.6mmol)
を脱水1,4−ジオキサン15mlに溶解し、これとエ
チレングリコール0.10g(1.5mmol)を脱水
1,4−ジオキサン15mlに溶解させた溶液を混合
し、アルゴン雰囲気下で室温、6時間攪拌を行なった。
生じた沈殿を濾過し、脱水1,4−ジオキサン100m
lで洗浄し、真空乾燥する事によりタンタル−エチレン
グリコール複合体化合物を得た。
【0108】(ロ)タンタル−ヒドロキノン複合体の合
成 タンタルn−ブトキシド0.33g( 0.6mmol)
を脱水1,4−ジオキサン15mlに溶解し、これとヒ
ドロキノン0.17g(1.5mmol)を脱水1,4
−ジオキサン15mlに溶解させた溶液を混合し、アル
ゴン雰囲気下で室温、6時間攪拌を行なった。生じた沈
殿を濾過し、脱水1,4−ジオキサン100mlで洗浄
し、真空乾燥する事によりタンタル−ヒドロキノン複合
体化合物を得た。
【0109】(ハ)タンタル−4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニル複合体の合成 タンタルn−ブトキシド0.33g( 0.6mmol)
を脱水1,4−ジオキサン15mlに溶解し、これと
4,4’−ジヒドロキシジフェニル0.29g(1.5
mmol)を脱水1,4−ジオキサン15mlに溶解さ
せた溶液を混合し、アルゴン雰囲気下で室温、6時間攪
拌を行なった。生じた沈殿を濾過し、脱水1,4−ジオ
キサン100mlで洗浄し、真空乾燥する事によりタン
タル−4,4’−ジヒドロキシジフェニル複合体化合物
を得た。
【0110】(ニ)タンタル−4,4’−チオジフェノ
ール複合体の合成 タンタルn−ブトキシド0.33g( 0.6mmol)
を脱水1,4−ジオキサン15mlに溶解し、これと
4,4’−チオジフェノール0.33g(1.5mmo
l)を脱水1,4−ジオキサン15mlに溶解させた溶
液を混合し、アルゴン雰囲気下で室温、6時間攪拌を行
なった。生じた沈殿を濾過し、脱水1,4−ジオキサン
100mlで洗浄し、真空乾燥する事によりタンタル−
4,4’−チオジフェノール複合体化合物を得た。
【0111】(ホ)タンタル−4,4’−ビスヒドロキ
シフェニルスルホン複合体の合成 タンタルn−ブトキシド0.33g( 0.6mmol)
を脱水1,4−ジオキサン15mlに溶解し、これと
4,4’−ビスヒドロキシフェニルスルホン0.38g
(1.5mmol)を脱水1,4−ジオキサン15ml
に溶解させた溶液を混合し、アルゴン雰囲気下で室温、
6時間攪拌を行なった。生じた沈殿を濾過し、脱水1,
4−ジオキサン100mlで洗浄し、真空乾燥する事に
よりタンタル−4,4’−ビスヒドロキシフェニルスル
ホン複合体化合物を得た。
【0112】以上の反応[図5(5)にタンタル―ジオ
ール複合体の反応式を示す]は容易に進行し、交互構造
を有するタンタル−有機骨格ハイブリッドポリマーが生
成した。ここで得られた生成物は、導入した有機骨格の
種類によって白〜褐色の幅広い色を呈しており、これら
のUV−VISスペクトルを測定したところ[図17に
タンタル−有機ジオール複合体のUV−VISスペクト
ルを示す]、共役系有機基を有するハイブリッドポリマ
ー(ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ル)の吸収が非共役系(エチレングリコール)のものと
比較して長波長側にシフトしていることが判明した。
【0113】この結果は、共役系有機基でリンクされた
ポリマー骨格中で、電子移動が容易に生じていることを
強く示唆しているものと考えられる。そこで、これらの
ESRスペクトルを測定したところ[図18にタンタル
−有機ジオール複合体のESRスペクトルを示す]、共
役系有機骨格を有するポリマーに、有機骨格に生成した
ラジカルに由来する強い吸収が認められた。そこで、こ
れらの電子移動過程を解明するために、モノマーモデル
分子を用いて、ab initio 分子軌道計算(RHF/STO-3G)を
行ったところ、共役系骨格を有するモデルのHOMO/LUMO
のエネルギー差が小さいことが判明し、また、HOMOは主
に有機骨格に広がり、LUMOはタンタル原子上に広がって
いることも判明した。よってこの電子移動は共役系有機
骨格から、タンタル原子上への1電子移動であり、観測
されたESRシグナルは有機ラジカルカチオンであるこ
とが判明し、3次元有機−無機交互構造中においてそれ
らが非局在化されているものと考えられる。
【0114】
【発明の効果】本発明の請求項1の多次元有機・無機複
合体化合物は、無機金属化合物(A)と多官能性有機化
合物(B)とを反応させて得られる新規化合物(C)で
あって、金属元素と多官能性有機基が共有結合を介して
結合していることを特徴とするものであり、従来得るこ
との出来なかった、多官能性有機基・無機金属元素直接
相互作用と、バルク体特有の高次構造固体物性の両立に
よる加算的機能が発現され、これら新規機能により電
子、光的特性が確認されたことより、電子材料や光機能
材料などに種々の用途が提供されるという顕著な効果を
奏する。
【0115】請求項2の多次元有機・無機複合体化合物
は、形状が、粒子、結晶構造体、薄膜、厚膜であること
を特徴とするものであり、このような形状とすることに
より電子材料や光機能材料などの種々の用途に好適に適
用できるという顕著な効果を奏する。原料の無機金属化
合物(A)と多官能性有機化合物(B)を選択すること
により、自発的に凝集体を形成し、容易に真球粒子を生
成させることかできるという顕著な効果を奏する。
【0116】請求項3の多次元有機・無機複合体化合物
は、多次元有機・無機複合体化合物に、別途有機化合物
を添加して得られることを特徴とするものであり、例え
ば共役系有機化合物を添加することにより、無機元素―
有機基の電荷リレー相互作用を得ることができ、様々な
電子、磁気物性を有する材料への応用が可能となるとい
う顕著な効果を奏する。
【0117】請求項4の多次元有機・無機複合体化合物
は、多次元有機・無機複合体化合物に、別途無機化合物
を添加して得られることを特徴とするものであり、様々
な電子、磁気物性を有する材料への応用が可能となると
いう顕著な効果を奏する。
【0118】請求項5の多次元有機・無機複合体化合物
は、多次元有機・無機複合体化合物に、別途有機化合物
および無機化合物を添加して得られることを特徴とす
る、ものであり、様々な電子、磁気物性を有する材料へ
の応用が可能となるという顕著な効果を奏する。
【0119】請求項6の多次元有機・無機複合体化合物
は、金属種または多官能性有機基が異なる請求項1ある
いは請求項2記載の多次元有機・無機複合体化合物、お
よび別途添加した有機化合物もしくは別途添加した無機
化合物が異なる請求項3から請求項5のいずれかに記載
の多次元有機・無機複合体化合物から選択される少なく
とも2種以上の化合物を混合して得られることを特徴と
する、ものであり、様々な電子、磁気物性を有する材料
への応用が可能となるという顕著な効果を奏する。
【0120】請求項7の多次元有機・無機複合体化合物
は、導電性を有することを特徴とするものであり、導電
性材料として利用することができるという顕著な効果を
奏する。
【0121】請求項8の多次元有機・無機複合体化合物
は、半導体特性を有することを特徴とするものであり、
半導体材料として利用することができるという顕著な効
果を奏する。
【0122】請求項9の多次元有機・無機複合体化合物
は、光導電性を有することを特徴とするものであり、光
導電性材料として利用することができるという顕著な効
果を奏する。
【0123】請求項10の多次元有機・無機複合体化合
物は、酸化―還元機能を有することを特徴とするもので
あり、酸化―還元触媒として利用することができるとい
う顕著な効果を奏する。
【0124】請求項11の多次元有機・無機複合体化合
物は、光酸化―還元機能を有することを特徴とするもの
であり、光酸化―還元触媒として利用することができる
という顕著な効果を奏する。
【0125】請求項12の多次元有機・無機複合体化合
物は、磁気的特性を有することを特徴とするものであ
り、磁気特性材料として利用することができるという顕
著な効果を奏する。
【0126】請求項13記載の製造方法により、請求項
1記載の多次元有機・無機複合体化合物を容易に製造で
きるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多次元有機・無機複合体化合物(チタ
ン―有機化合物複合体)のUV−VISスペクトルを示
すグラフである。
【図2】本発明の多次元有機・無機複合体化合物(ジル
コニウム―ビスヒドロキシフェニルスルホン)の粒子の
透過電子顕微鏡観察を示す。
【図3】チタンテトライソプロポキシドと有機ジオール
(HO−X−OH)を反応させて本発明の他の多次元有
機・無機複合体化合物を合成する際の反応式、溶媒、反
応温度を示す図である。
【図4】金属元素M1に与えられた刺激(光、酸化還元
など)により発生した電荷やスピンなどが共有結合を介
して伝達し金属元素M2に伝わる状況を模式的に示す説
明図である。
【図5】(1)は3次元チタン−ジオール複合体の反応
式、(2)は1次元チタン−ジオール複合体の反応式、
(3)はイットリウム−ジオール複合体の反応式、
(4)はジルコニウム−ジオール複合体の反応式、
(5)はタンタル−ジオール複合体の反応式を示す。
【図6】各種ジオールの分子構造を示す。
【図7】3次元チタン−有機ジオール複合体のUV−V
ISスペクトルを示す。
【図8】3次元チタン−有機ジオール複合体のESRス
ペクトルを示す。
【図9】1次元チタン−有機ジオール複合体のUV−V
ISスペクトルを示す。
【図10】1次元チタン−有機ジオール複合体のESR
スペクトルを示す。
【図11】イットリウム−有機ジオール複合体のUV−
VISスペクトルを示す。
【図12】イットリウム−有機ジオール複合体のESR
スペクトルを示す。
【図13】ジルコニウム−エチレングリコール複合体の
TEM像を示す。
【図14】ジルコニウム−4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニル複合体のTEM像を示す。
【図15】ジルコニウム−4,4’−ビスヒドロキシフ
ェニルスルホン複合体のTEM像を示す。
【図16】ジルコニウム−4,4’−ビスヒドロキシフ
ェニルスルホン複合体の超薄切片TEM像を示す。
【図17】タンタル−有機ジオール複合体のUV−VI
Sスペクトルを示す。
【図18】タンタル−有機ジオール複合体のESRスペ
クトルを示す。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)で示される、無機金属化合物
    (A)と多官能性有機化合物(B)とを反応させて得ら
    れる新規化合物(C)であって、金属元素と多官能性有
    機基が共有結合を介して結合していることを特徴とす
    る、多次元有機・無機複合体化合物。 【化1】 (ただし、式(1)中、Mは金属元素を示し、R1 はア
    ルコキシ基、ハロゲンイオン、カルボン酸陰イオン、ア
    セチルアセトン等の錯形成基を示しn1はR1 の金属元
    素Mに対する置換数n1≧2を示す。また式中R2 はア
    ルキル基、置換アルキル基、アルキルベンゼン基、フェ
    ニル基、置換フェニル基、ナフチル基、置換ナフチル
    基、アリル基等の非共役有機基あるいは共役有機基を示
    し、Xはヒドロキシル基、アミノ基、チオール基等の金
    属元素と共有結合を形成する置換基を示し、n2はR2
    に対する置換数n2≧2を示す。)
  2. 【請求項2】 形状が、粒子、結晶構造体、薄膜、厚膜
    であることを特徴とする、請求項1記載の多次元有機・
    無機複合体化合物。
  3. 【請求項3】 請求項1あるいは請求項2記載の多次元
    有機・無機複合体化合物に、別途有機化合物を添加して
    得られることを特徴とする、多次元有機・無機複合体化
    合物。
  4. 【請求項4】 請求項1あるいは請求項2記載の多次元
    有機・無機複合体化合物に、別途無機化合物を添加して
    得られることを特徴とする、多次元有機・無機複合体化
    合物。
  5. 【請求項5】 請求項1あるいは請求項2記載の多次元
    有機・無機複合体化合物に、別途有機化合物および無機
    化合物を添加して得られることを特徴とする、多次元有
    機・無機複合体化合物。
  6. 【請求項6】 金属種または多官能性有機基が異なる請
    求項1あるいは請求項2記載の多次元有機・無機複合体
    化合物、および別途添加した有機化合物もしくは別途添
    加した無機化合物が異なる請求項3から請求項5のいず
    れかに記載の多次元有機・無機複合体化合物から選択さ
    れる少なくとも2種以上の化合物を混合して得られるこ
    とを特徴とする、多次元有機・無機複合体化合物。
  7. 【請求項7】 導電性を有することを特徴とする、請求
    項1から請求項6のいずれかに記載の多次元有機・無機
    複合体化合物。
  8. 【請求項8】 半導体特性を有することを特徴とする、
    請求項1から請求項6のいずれかに記載の多次元有機・
    無機複合体化合物。
  9. 【請求項9】 光導電性を有することを特徴とする、請
    求項1から請求項6のいずれかに記載の多次元有機・無
    機複合体化合物。
  10. 【請求項10】 酸化―還元機能を有することを特徴と
    する、請求項1から請求項6のいずれかに記載の多次元
    有機・無機複合体化合物。
  11. 【請求項11】 光酸化―還元機能を有することを特徴
    とする、請求項1から請求項6のいずれかに記載の多次
    元有機・無機複合体化合物。
  12. 【請求項12】 磁気的特性を有することを特徴とす
    る、請求項1から請求項6のいずれかに記載の多次元有
    機・無機複合体化合物。
  13. 【請求項13】 式(1)で示すように、無機金属化合
    物(A)と多官能性有機化合物(B)とを、溶媒の存在
    下に反応させることを特徴とする、新規化合物(C)で
    ある、金属元素と多官能性有機基が共有結合を介して結
    合している請求項1記載の多次元有機・無機複合体化合
    物の製造方法。 【化2】 (ただし、式(1)中、Mは金属元素を示し、R1 はア
    ルコキシ基、ハロゲンイオン、カルボン酸陰イオン、ア
    セチルアセトン等の錯形成基を示しn1はR1 の金属元
    素Mに対する置換数n1≧2を示す。また式中R2 はア
    ルキル基、置換アルキル基、アルキルベンゼン基、フェ
    ニル基、置換フェニル基、ナフチル基、置換ナフチル
    基、アリル基等の非共役有機基あるいは共役有機基を示
    し、Xはヒドロキシル基、アミノ基、チオール基等の金
    属元素と共有結合を形成する置換基を示し、n2はR2
    に対する置換数n2≧2を示す。)
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