JP2002053266A - 集合繊維の撓みレベル制御機構を備える通気式開繊装置 - Google Patents
集合繊維の撓みレベル制御機構を備える通気式開繊装置Info
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Abstract
拡展開繊できて高品質の開繊製品を製造できる通気式開
繊装置を実現する。 【解決手段】 吸引風道を通過する集合繊維の撓み部の
上面に横断方向に当接するフィーラを配設し、吸引気流
によって浮沈動する撓み部の変動で上下するフィーラの
動きをフィード制御器で検出してフロントフィーダまた
はバックフィーダの回転速度を制御することによって所
定範囲に安定させた。 【効果】 対象とする集合繊維の厚みにバラツキ、毛羽
立ち、あるいは吸引風道内を移動する集合繊維が傾動し
ようとしても、フィーラが上面から抑制する機能を発揮
するので、吸引風道内における集合繊維の姿勢が安定し
た状態で撓みレベルを的確に制御できる。
Description
繊維が集合した集合繊維を移動させることにより当該集
合繊維に吸引気流を作用させて撓ませながら幅方向に拡
展開繊する通気式開繊装置の改良技術、更に詳しくは、
前記吸引風道内における集合繊維の撓み量を所望の一定
値に制御可能にすることによって加工対象とする集合繊
維を正確に拡展開繊することを可能にした通気式開繊装
置に関するものである。
面するごとく所要横断幅の吸引風道を配設し、其処を一
定のオーバーフィード状態で移動する集合繊維(例え
ば、マルチフィラメント)に対し連続的に吸引気流を通
過させることにより当該集合繊維を弓なりに撓ませて幅
方向に開繊する通気式開繊装置(特許第3064019
号公報:請求項8参照)に関しては、既に、本件発明者
が提案して特許が成立している。
の通気式開繊装置によれば、非常に長いマルチフィラメ
ントなどの集合繊維に対しダメージを与えることなく平
行、かつ、効率的に拡展開繊加工することが可能になっ
た。ところが、この通気式開繊装置にあっては、集合繊
維が吸引風道上を弓なりに撓んで移動するため、その撓
み量が不規則に増減変化したりすると、集合繊維に対す
る吸引気流の通気量や接触時間が変化するため当該集合
繊維の拡展開繊の状態が一定に保てなくなり、均一な開
繊製品が得られないという問題があった。
引風道内を弓なりに撓みながら移動する集合繊維に対し
てレーザ光を照射し繊維レベルをCCDラインセンサー
にて検出して集合繊維の位置を制御しようとする試作実
験も試みたが、移動する集合繊維の厚みのバラツキや、
毛羽立ち、あるいは拡展開繊されながら移動する集合繊
維が横揺れや縦揺れして移動姿勢が一定しないなどの事
情があって、吸引風道を移動する集合繊維の撓み量を一
定に正確に制御することは困難を極めた。
た特許第3064019号の通気式開繊装置における前
述の問題点を改善せんとして為されたものであって、そ
の目的とするところは、吸引風道を移動する集合繊維の
撓み量を正確に所望の一定値に制御可能な通気式開繊装
置を提供するにある(第1課題)。
る集合繊維を正確かつ高能率に拡展開繊することができ
て高品質の開繊製品を製造できる通気式開繊装置を実現
するにある(第2課題)。
ては吸引風道で拡展開繊される集合繊維の両側辺を規制
することにより幅出し量を正確に保って均一な幅の開繊
製品を量産できる通気式開繊装置を実現するにある(第
3課題)。
記目的を達成するために採用した解決手段を、添附図面
を参照して説明すれば、次のとおりである。
は、給糸部Aから解舒される集合繊維Fを引き取って送
出するフロントフィーダ1と;このフロントフィーダ1
が送り出す集合繊維Fに所定の弛みが生ずるごとくオー
バーフィード状態に引き取って送出するバックフィーダ
2と;前記フロントフィーダ1とバックフィーダ2との
間に配設されており、移動する集合繊維Fに吸引気流を
作用させることによって前記フロントフィーダ1とバッ
クフィーダ2とのオーバーフィード差に応じて当該集合
繊維を撓ませながら幅方向に拡展開繊せしめる吸引風洞
3と;この吸引風洞3を撓曲状態で移動する集合繊維F
の上面に横断状態に接触する感知部41を備え、集合繊維
Fの撓み量が減少して集合繊維のレベルが上昇したとき
測定部42が上昇動作し、逆に撓み量が増加して集合繊維
のレベルが下降したとき前記測定部42が下降動作するフ
ィーラ4と;このフィーラ4の測定部42の位置を検出し
て前記吸引風洞3内における集合繊維Fのレベルが基準
から乖離したとき補正信号を出力して前記フロントフィ
ーダ1またはバックフィーダ2の回転速度を制御するフ
ィード制御器5という手段を連関統合することによって
解決した点に特徴がある。
繊維の通気撓み量制御機構におけるフィーラ4の感知部
41の両側縁に規制部41a・41aを垂設することによって
達成される。
ましい実施形態に基いて、さらに詳しく説明する。
第1実施形態の概要が示される。図1において、符号1
で指示するものはフロントフィーダである。フロントフ
ィーダ1は、具体的には上下一対のトップロール11とボ
トムロール12とから成り、上側のトップロール11は集合
繊維(7μ無撚カーボン繊維:12000本)を一定の圧力に
よりボトムロール12に押圧して従動回転可能であり、下
側のボトムロール12は周知の制御モータ(図示せず)に
よって調速自在に回転駆動されるものである。ちなみ
に、ここに採用される制御モータとしては、サーボモー
タやスピードコントロールモータが採用される。
バックフィーダである。このバックフィーダ2も、具体
的には上記フロントフィーダ1と同じ構成であって、上
下一対のトップロール21とボトムロール22とから成り、
上側のトップロール21は集合繊維を一定の圧力にてボト
ムロール22に押圧して従動回転可能であり、また下側の
ボトムロール22は周知の制御モータ(図示せず)によっ
て調速自在に回転駆動される。
維Fは、フロントフィーダ1に引き取られてバックフィ
ーダ2に送出される。フロントフィーダ1から送り出さ
れた集合繊維Fは、バックフィーダ2に引き取られて巻
取部Bに送り出されて巻き取られる。この場合におい
て、フロントフィーダ1とバックフィーダ2との間には
糸送りにオーバーフィード差が生ずるように設定されて
おり、両者の間で所定の弛みが生ずる。
引風道である。吸引風道3は、上記フロントフィーダ1
とバックフィーダ2との間に配置されており、上記フロ
ントフィーダ1から送出される集合繊維Fは当該吸引風
道の吸引口31を移動してバックフィーダ2に引き取られ
て、前記吸引口31内で吸引気流に出会うことによって強
力に吸引されると同時に、フロントフィーダ1とバック
フィーダ2との間のオーバーフィード差に応じて弓なり
に撓曲され、その際の通気作用により拡展開繊されるこ
とになる。ちなみに、本実施形態における吸引風道3に
発生される吸引気流は、バキュームポンプ32が生成し気
流調整バルブ33で一定の風速(例えば、風速50m/sec)
に調節可能に構成されている。
ィーラである。本実施形態におけるフィーラ4は、上記
弓なりに撓む集合繊維Fの撓み面に上から線接触する線
状の感知部41と;前記集合繊維Fの撓み面の上下変動に
応じて浮沈動する感知部41に従動して昇降動する測定部
42とを具備している。このフィーラ4における前記線状
の感知部41は、その線径が細く(0.8mm)であるため吸引
気流に乱れを起さず、また開繊作用に伴う繊維移動に悪
影響も与えず、拡展開繊作用を阻害することがないので
ある。本実施形態におけるフィーラ4の感知部41は、図
2および図3に図示する如く、両側縁に鍵状に曲がった
規制部41a・41aが垂設されており、吸引口31の中で拡
展開繊される集合繊維の開繊幅は必要以上に拡展されな
いように一定幅に規制されることになる(図4参照)。
フィーラ感知部41の両端に規制部41a・41aを垂設して
おくことにより、開繊作用を受ける集合繊維の一部が感
知部41の何れかの側縁からの逸脱(当該フィーラ4との
接触関係の喪失)や、また逸脱繊維の切断は効果的に防
止できる。なお、付言しておくならば、本実施形態にお
けるフィーラ4は、加工対象とする開繊繊維Fの構成繊
維の本数や所望する拡展開繊の幅などに応じて感知部41
のサイズ、あるいは規制部41aの長さのものを適宜選択
して交換できるようになっている。
は、フロントフィーダ1の回転速度を調節する制御信号
を出力するフィード制御器5(具体的には、オムロン製
「光学式変位センサ:Z4M−W」)である。本実施形態
におけるフィード制御器5は、上記フィーラ4の測定部
42に向けてレーザビームを照射するレーザダイオード51
と;このレーザダイオードから照射されたレーザビーム
が前記測定部42に当って反射される帰還レーザを受光し
て、その受光位置に光電変換出力を生成するPSD受光
素子52と;前記光電変換出力を生起したPSD受光素子
52の位置に応じて前記フィーラの測定部42のレベル位置
を演算して当該測定部42の位置がレベルαから乖離した
とき補正信号を出力してフロントフィーダ1の回転速度
を制御モータ(図示せず)を介して増減調速せしめるcp
u(図示せず)とで構成されている。なお、云うまでもな
いことであるが、本実施形態においてはフィード制御器
5のセンサ機構としてレーザビームを利用した光学式変
位センサを例示して説明したけれども、ここに採用され
るセンサ機構は何も光学式変位センサに限られるわけで
はなく、機械的に接触する接触式センサ、あるいは磁気
変化によって変位を検知する無接触センサに置換するこ
とも可能であって、要するに、吸引風洞3内における集
合繊維Fのレベルが基準から乖離したとき異常乖離を検
出してフィード制御器5の cpuが平常に戻すために必要
な補正値を演算して補正信号を出力できれば足りるので
ある。
は、給糸部Aから解舒して引き出される集合繊維Fを全
体的に加熱することによって当該集合繊維の結合剤を軟
化せしめる予備解延機構6が上記吸引風道3の前に設置
してある。それゆえ、フロントフィーダ1により給糸部
Aから解舒されて引き出される集合繊維Fは、吸引風道
3にて通気開繊される前段階で予備解延機構6により結
合剤が加熱軟化されることになるので、当該吸引風道3
における通気開繊は極めて円滑に営まれる。
としては破線で略示的に表わす加熱ロール列が採用され
ているけれども、熱風器や超音波加熱器、あるいは遠赤
外線加熱器などで集合繊維Fを予備解延させることも勿
論可能である。
図3に示される。この図3に示される第2実施形態の開
繊装置は、基本的には、上記第1実施形態の開繊装置を
3つ連結させた形式に構成されている。即ち、3つの給
糸部A・A・Aからフロントフィーダ1・1・1により
引き出される集合繊維F1 ・F2 ・F3 は各々予備解延
機構6・6・6を経由することによって結合剤が軟化さ
れて予備解延された状態で吸引風道3・3・3において
吸引気流に会合することによって開繊される。本実施形
態における前記各吸引風道3には其処を移動する集合繊
維Fの撓み変化を的確に補足するフィーラ4が各々設け
られており、これらフィーラ4の上下変動をフィード制
御器5・5・5が検出して前記各々の集合繊維の撓みレ
ベルが基準から乖離したときに補正信号を出力して乖離
したフロントフィーダ1の回転速度を緩急制御して当該
吸引風道3内における集合繊維Fの撓み量を適正に保た
せるので、前記各列における集合繊維F1 ・F2 ・F3
は均一な状態に拡展開繊されて開繊集合繊維FS1 ・ FS2
・ FS3 となる。かくして、各吸引風道3で拡展された各
開繊集合繊維FS1 ・ FS2 ・ FS3 はバックフィーダ2に引
き取られて其処で合流し、当該バックフィーダ2の下流
に配置した第2吸引風道3′を通過することになる。そ
して、この第2吸引風道3′にも、前記フィーラと同じ
機構のフィーラ4とフィード制御器5が配設されてお
り、これらフィーラ4とフィード制御器5とが前記バッ
クフィーダ2の回転速度を適正に制御するので、この第
2吸引風道3′内における拡展開繊も合流した開繊集合
繊維FS1 ・ FS2 ・ FS3 をバラツキを生ずることなく更に
均一な状態に開繊してシート状の複合開繊繊維FSとな
す。
類の集合繊維を開繊処理するならば物性を異にした集合
繊維を混繊してシート状のシート状の複合開繊繊維MFS
を得ることが可能となり、利用分野を樣々に拡張するこ
とが可能になる。
形態は概ね前述のとおりであるが、本発明は第1・第2
の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求
の範囲」において種々の設計変更が可能なことは謂うま
でもない。
おけるフィーラ4は図3に示す如き片持ち方式であった
けれども、図6に図示するように、フィーラ4の感知部
41を吸引風洞3の両岸部に浮沈動可能に両持ち方式で支
承させても良く、さらには、このような両持ち方式のフ
ィーラ4における一方の支承部に定滑車を介してバラン
スウェイトWを付設することにより、当該フィーラ4の
自重を減殺して応答感度を敏感にすることも可能であっ
て、これらの設計変更は何れも本発明の技術的範囲に属
するものである。また、前述の第1実施形態および第2
実施形態の説明においては、フィード制御器5の出力す
る補正信号は上流フロント側のフィーダのフィード速度
を増減制御するものとしたが、下流のバック側フィーダ
の速度を増減制御してもよく、要するに、吸引風道3に
おける集合繊維Fの撓み量を一定に制御できれば足りる
のであり、このような設計変更も本発明の技術的範囲に
属することは明らかである。
たとおり、本発明の通気式開繊装置にあっては吸引風道
内における集合繊維の撓みレベルの変動を常時に接触検
出するフィーラと同フィーラの位置変動を適時検出して
集合繊維の給送量を即時に増減調節して吸引風道内の撓
みレベルを適正に復元せしめるフィード制御器とより構
成される集合繊維の撓みレベル制御機構を備えている。
それゆえ、本発明装置によれば、加工対象とする集合繊
維の厚みにバラツキや、毛羽立ち、あるいは吸引風道内
を移動する集合繊維が傾動しようとしても、フィーラが
上面から抑制する機能を発揮するので、吸引風道内にお
ける集合繊維の姿勢が安定した状態で撓みレベルを的確
に制御でき、対象集合繊維を正確かつ高能率に拡展開繊
することができて高品質の開繊製品を製造できるのであ
る。
両側縁に規制部を各々垂設しておくことにより、吸引風
洞を移動通過して拡展開繊される集合繊維の両側辺を的
確に規制できるので、均一な開繊幅の開繊製品を製造す
ることが可能になる。
特許第3064019号「通気式開繊装置」における問
題点を確実に解消できるのであって、しかも採用する解
決手段は極めて簡素でコスト的に安価に提供できる等、
機能的にも経済的にも非常に有用にして、その産業上の
利用価値は頗る大きい。
繊装置の機構説明図である。
象とする集合繊維に対するフィーラとフィード制御器と
の関係を表わす斜視説明図である。
ラならびにフィード制御器の部分を拡大して示した正面
図である。
の両端に設けた規制部が集合繊維の拡展開繊幅を規制す
る状態を表わす拡大正面図である。
繊装置の機構説明図である。
フィーラの変形例を表わす正面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 給糸部Aから解舒される集合繊維Fを引
き取って送出するフロントフィーダ1と;このフロント
フィーダ1が送り出す集合繊維Fに所定の弛みが生ずる
ごとくオーバーフィード状態に引き取って送出するバッ
クフィーダ2と;前記フロントフィーダ1とバックフィ
ーダ2との間に配設されており、移動する集合繊維Fに
吸引気流を作用させることによって前記フロントフィー
ダ1とバックフィーダ2とのオーバーフィード差に応じ
て当該集合繊維を撓ませながら幅方向に拡展開繊せしめ
る吸引風洞3と;この吸引風洞3を撓曲状態で移動する
集合繊維Fの上面に横断状態に接触する感知部41を備
え、集合繊維Fの撓み量が減少して集合繊維のレベルが
上昇したとき測定部42が上昇動作し、逆に撓み量が増加
して集合繊維のレベルが下降したとき前記測定部42が下
降動作するフィーラ4と;このフィーラ4の測定部42の
位置を検出して前記吸引風洞3内における集合繊維Fの
レベルが基準から乖離したとき補正信号を出力して前記
フロントフィーダ1またはバックフィーダ2の回転速度
を制御するフィード制御器5とを含むことを特徴とする
集合繊維の撓みレベル制御機構を備える通気式開繊装
置。 - 【請求項2】 フィーラ4における感知部41の両側縁に
規制部41a・41aが垂設されており、吸引風洞3を移動
通過して拡展開繊される集合繊維の幅出し量を規制でき
る請求項1記載の通気式開繊装置。 - 【請求項3】 フィーラ4の感知部41が吸引風洞3の両
岸部に浮沈動可能に両持ち形式で支承されている請求項
1または2記載の通気式開繊装置。 - 【請求項4】 フィーラ4にバランスウェイトWが付設
されており、自重が減殺されて軽快敏感にフィーラ4が
浮沈動する請求項1〜3の何れか一つに記載の通気式開
繊装置。 - 【請求項5】 フィード制御器5が、ビーム照射器51と
位置検出受光素子52とを備えており、前記ビーム照射器
51から照射されるビームが繊維レベル検出フィーラ4の
測定部42にて反射される反射角度に応じて当該測定部42
の位置変化を検出する請求項1〜4の何れか一つに記載
の通気式開繊装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000238940A JP3549152B2 (ja) | 2000-08-07 | 2000-08-07 | 集合繊維の撓みレベル制御機構を備える通気式開繊装置 |
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