JP2002051946A - 電気掃除機フィルター製造用積層材 - Google Patents
電気掃除機フィルター製造用積層材Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 フィルター集塵方式電気掃除機の使用時に排
出空気流と共に放出される不快臭を排除、低減するこ
と、それに加えて不快臭感覚の遮蔽、緩和効果あるいは
生理活性効果を得られる電気掃除機フィルター製造用積
層材を創出することを目的とする。 【解決手段】 少なくとも一つの不織布からなる主要層
とその片面または両面に設けられた紙等の通気性スキン
層とから構成される電気掃除機フィルター形成用柔軟積
層材であって、中空回転台形篭状分子構造のシクロデキ
ストリンにより香料及び抗菌剤を同時にまたは別個に包
接処理して得られる該分子構造の内側空洞内に香料及び
抗菌剤を一緒にまたは別々に捕捉、保持したシクロデキ
ストリン包接複合体を、該不織布及び/またはスキン層
の少なくとも一つの表面及び/または内部に分散、固定
してあることを特徴とする上記電気掃除機フィルター用
積層材。
出空気流と共に放出される不快臭を排除、低減するこ
と、それに加えて不快臭感覚の遮蔽、緩和効果あるいは
生理活性効果を得られる電気掃除機フィルター製造用積
層材を創出することを目的とする。 【解決手段】 少なくとも一つの不織布からなる主要層
とその片面または両面に設けられた紙等の通気性スキン
層とから構成される電気掃除機フィルター形成用柔軟積
層材であって、中空回転台形篭状分子構造のシクロデキ
ストリンにより香料及び抗菌剤を同時にまたは別個に包
接処理して得られる該分子構造の内側空洞内に香料及び
抗菌剤を一緒にまたは別々に捕捉、保持したシクロデキ
ストリン包接複合体を、該不織布及び/またはスキン層
の少なくとも一つの表面及び/または内部に分散、固定
してあることを特徴とする上記電気掃除機フィルター用
積層材。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空電気掃除機の
吸引ゴミ、チリ、ホコリを捕捉するための集塵フィルタ
ー製造用の積層材に関し、更に詳しくは電気掃除機の作
動中のモーターの機械的発熱による温度上昇、外部導入
空気からの水分、及び空気の流動の諸作用によって香気
を徐々に放出して、電気掃除機からの排気中の臭気を緩
和ないし遮蔽する効果を発揮することができる電気掃除
機集塵フィルター製造用の積層材に関する。
吸引ゴミ、チリ、ホコリを捕捉するための集塵フィルタ
ー製造用の積層材に関し、更に詳しくは電気掃除機の作
動中のモーターの機械的発熱による温度上昇、外部導入
空気からの水分、及び空気の流動の諸作用によって香気
を徐々に放出して、電気掃除機からの排気中の臭気を緩
和ないし遮蔽する効果を発揮することができる電気掃除
機集塵フィルター製造用の積層材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来家庭用の真空電気掃除機の殆どにお
いて使い捨て式のクリーナーバッグ(ゴミパック)が使
用されており(フィルター集塵方式)、そのクリーナー
バッグ内に捕捉、集積されたゴミ、チリ、ホコリの後処
理を簡単に行うことができて非常に便利である。しかし
ながら、捕捉されるゴミ、チリ、ホコリ等には、動植物
性の食品カス、屑、繊維屑、紙屑、人間及びペット動物
等の脱離皮膚や毛髪、ダニ等の小動物の死骸などが含ま
れ、これらのものがクリーナーバッグ内に暫時であって
も多量に集積されたままであると、それらに付着してい
た菌類や空気中に浮遊存在してそれらの集積ゴミに付着
した雑菌、カビ類が、クリーナーバッグ内の微生物の生
育増殖に比較的好条件が揃っている穏和な閉鎖環境中で
急激に増殖し、その結果として電気掃除機の排気流中に
不快な臭気が運ばれ、室内に放散されることになる。普
通の家庭用の電気掃除機では毎分数m3から概略10m3
に達するような大量の排気がなされる。
いて使い捨て式のクリーナーバッグ(ゴミパック)が使
用されており(フィルター集塵方式)、そのクリーナー
バッグ内に捕捉、集積されたゴミ、チリ、ホコリの後処
理を簡単に行うことができて非常に便利である。しかし
ながら、捕捉されるゴミ、チリ、ホコリ等には、動植物
性の食品カス、屑、繊維屑、紙屑、人間及びペット動物
等の脱離皮膚や毛髪、ダニ等の小動物の死骸などが含ま
れ、これらのものがクリーナーバッグ内に暫時であって
も多量に集積されたままであると、それらに付着してい
た菌類や空気中に浮遊存在してそれらの集積ゴミに付着
した雑菌、カビ類が、クリーナーバッグ内の微生物の生
育増殖に比較的好条件が揃っている穏和な閉鎖環境中で
急激に増殖し、その結果として電気掃除機の排気流中に
不快な臭気が運ばれ、室内に放散されることになる。普
通の家庭用の電気掃除機では毎分数m3から概略10m3
に達するような大量の排気がなされる。
【0003】最近、ゴミを吸引、濾別後の空気の大部
分、例えば80%程度を掃除機本体から吸込み口へ返還
し再びゴミ吸引に利用する再循環方式の電気掃除機が発
表されているが、残余の空気は室内へ放出され、また臭
気を帯びた返還空気が、掃除機の作動中にも、停止中に
も吸込み口部分から漏出するので不快臭の放散の問題に
付いては解決が不完全である。
分、例えば80%程度を掃除機本体から吸込み口へ返還
し再びゴミ吸引に利用する再循環方式の電気掃除機が発
表されているが、残余の空気は室内へ放出され、また臭
気を帯びた返還空気が、掃除機の作動中にも、停止中に
も吸込み口部分から漏出するので不快臭の放散の問題に
付いては解決が不完全である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、一般家庭
に広く普及し、日常多用されるフィルター集塵方式電気
掃除機の使用時に排出空気流と共に放出される不快臭の
発生を元から断ち、あるいはたとえ不快臭が発生したと
しても、それを排除、低減すること、それに加えて不快
臭感覚の遮蔽、緩和効果あるいは生理活性効果を得られ
る電気掃除機フィルター製造用積層材を創出することを
目的として、鋭意検討、研究を行うことにより本発明を
完成した。
に広く普及し、日常多用されるフィルター集塵方式電気
掃除機の使用時に排出空気流と共に放出される不快臭の
発生を元から断ち、あるいはたとえ不快臭が発生したと
しても、それを排除、低減すること、それに加えて不快
臭感覚の遮蔽、緩和効果あるいは生理活性効果を得られ
る電気掃除機フィルター製造用積層材を創出することを
目的として、鋭意検討、研究を行うことにより本発明を
完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明は、電
気掃除機の排気中の不快臭の原因である大気中に存在す
る雑菌等の微生物、それによって腐敗作用を受ける動植
物源由来のゴミ、チリの集積、その集積体上での微生物
の増殖を考慮、検討した結果として、抗菌剤を採用する
こと、さらにはたとえ不快臭が掃除機の外へ放出された
としても、それによる不快感覚を遮蔽(マスキング)
し、緩和し、あるいはヒトに対して生理活性を生じさせ
る効果を示し得る天然香料、天然精油、合成香料等の香
料(「アロマ」と称することがある。)を併用すること
を基礎に据えることにより完成されたものであり、電気
掃除機の排気中の不快臭を防止ないしは低減し、あるい
は不快臭を緩和して、生活の快適化、爽快化を図る意図
の下に、以下説明される電気掃除機フィルター製造用積
層材を提供する。
気掃除機の排気中の不快臭の原因である大気中に存在す
る雑菌等の微生物、それによって腐敗作用を受ける動植
物源由来のゴミ、チリの集積、その集積体上での微生物
の増殖を考慮、検討した結果として、抗菌剤を採用する
こと、さらにはたとえ不快臭が掃除機の外へ放出された
としても、それによる不快感覚を遮蔽(マスキング)
し、緩和し、あるいはヒトに対して生理活性を生じさせ
る効果を示し得る天然香料、天然精油、合成香料等の香
料(「アロマ」と称することがある。)を併用すること
を基礎に据えることにより完成されたものであり、電気
掃除機の排気中の不快臭を防止ないしは低減し、あるい
は不快臭を緩和して、生活の快適化、爽快化を図る意図
の下に、以下説明される電気掃除機フィルター製造用積
層材を提供する。
【0006】従って、本発明は、少なくとも一つの不織
布からなる主要層とその片面または両面に設けられた紙
等の通気性スキン層とから構成される電気掃除機フィル
ター形成用柔軟積層材であって、中空ないし環状の回転
台形篭状分子構造のシクロデキストリンにより香料及び
抗菌剤を同時にまたは別個に包接処理して得られる該分
子構造の内側空洞内に香料及び抗菌剤を一緒にまたは別
々に捕捉、保持したシクロデキストリン包接複合体を、
該不織布及び/またはスキン層の少なくとも一つの表面
及び/または内部に分散、固定してあることを特徴とす
る上記電気掃除機フィルター用積層材を提供する。
布からなる主要層とその片面または両面に設けられた紙
等の通気性スキン層とから構成される電気掃除機フィル
ター形成用柔軟積層材であって、中空ないし環状の回転
台形篭状分子構造のシクロデキストリンにより香料及び
抗菌剤を同時にまたは別個に包接処理して得られる該分
子構造の内側空洞内に香料及び抗菌剤を一緒にまたは別
々に捕捉、保持したシクロデキストリン包接複合体を、
該不織布及び/またはスキン層の少なくとも一つの表面
及び/または内部に分散、固定してあることを特徴とす
る上記電気掃除機フィルター用積層材を提供する。
【0007】本発明のシクロデキストリン包接複合体中
に包接されている香料は、電気掃除機が停止されて、温
度が下がり、外部からの水分の供給がなされない状態で
は、複合体空洞内に安定に保持されている。
に包接されている香料は、電気掃除機が停止されて、温
度が下がり、外部からの水分の供給がなされない状態で
は、複合体空洞内に安定に保持されている。
【0008】本発明の最も重要な特徴点は、シクロデキ
ストリンが一般的に示す立体的化学構造〔すなわち、中
空の空洞(空孔)を有する円錐台構造、あるいは環状構
造〕ならびにその空洞内で示される疎水性によってもた
らされる包接(複合)体形成能を利用すること;かかる
包接体形成能によって、相対的に小寸法の分子物質(香
料、抗菌剤)をその空洞内に取込ませて、電気掃除機フ
ィルターをなす積層体の層に存在させること;電気掃除
機の作動中に主として機械的摩擦作用により発生する温
度上昇、吸込み空気によってもたらされる水分(湿気)
及び吸込み空気の流動力の諸作用によって、包接体の空
洞からそこに包接されている小分子物質を徐々に解放す
ること;であり、これらによって不快臭を克服、緩和す
る。上記のような包接は、一般的に非共有型結合により
なされ、本発明におけるシクロデキストリン包接複合体
におけるホスト化合物は、シクロデキストリンであり、
そしてゲスト化合物は、小分子物質である香料、抗菌剤
である。このように、本発明では電気掃除機内部に発現
する温度/湿分/気流条件とシクロデキストリンの特殊
な物理化学的性質との関係を利用するという新しい概念
の下に、電気掃除機の不快臭の問題に対処するものであ
る。
ストリンが一般的に示す立体的化学構造〔すなわち、中
空の空洞(空孔)を有する円錐台構造、あるいは環状構
造〕ならびにその空洞内で示される疎水性によってもた
らされる包接(複合)体形成能を利用すること;かかる
包接体形成能によって、相対的に小寸法の分子物質(香
料、抗菌剤)をその空洞内に取込ませて、電気掃除機フ
ィルターをなす積層体の層に存在させること;電気掃除
機の作動中に主として機械的摩擦作用により発生する温
度上昇、吸込み空気によってもたらされる水分(湿気)
及び吸込み空気の流動力の諸作用によって、包接体の空
洞からそこに包接されている小分子物質を徐々に解放す
ること;であり、これらによって不快臭を克服、緩和す
る。上記のような包接は、一般的に非共有型結合により
なされ、本発明におけるシクロデキストリン包接複合体
におけるホスト化合物は、シクロデキストリンであり、
そしてゲスト化合物は、小分子物質である香料、抗菌剤
である。このように、本発明では電気掃除機内部に発現
する温度/湿分/気流条件とシクロデキストリンの特殊
な物理化学的性質との関係を利用するという新しい概念
の下に、電気掃除機の不快臭の問題に対処するものであ
る。
【0009】本発明で使用され得るシクロデキストリン
には、基本的なα−、β−及びγ−シクロデキストリ
ン、典型的な分岐シクロデキストリンのマルトシル−α
−、β−及びγ−シクロデキストリン、その他のシクロ
デキストリン誘導体がある。周知のように、澱粉に酵素
シクロデキストリン・グルカノトランスフェラーゼを作
用させると、6個、7個、8個のブドウト糖(グルコー
ス基)単位が環状に結合したそれぞれα−、β−及びγ
−シクロデキストリンが生成される。これらのα−、β
−及びγ−シクロデキストリン(以下シクロデキストリ
ンを「CD」と略記することがある。)のそれぞれの環
状構造における環状結合グルコース基の数、分子量、空
洞の内径(Å)及び深さ(Å)、空洞内容積(Å3)及
び包接可能な分子の寸法の概略の値は下記の通りであ
る。 CDの種類 α− β− γ− グルコース基数 6 7 8 空洞内径 5〜6 7〜8 9〜10 空洞深さ 7〜8 7〜8 7〜8 空洞内容積 176 346 510 包接可能な分子 直鎖状に結合 フェノール フェノール の寸法概略 した分子 基1個 基2個 上記の数値は、包接分子(ゲスト分子)とホストCDと
の可能な組合わせの指針となる。
には、基本的なα−、β−及びγ−シクロデキストリ
ン、典型的な分岐シクロデキストリンのマルトシル−α
−、β−及びγ−シクロデキストリン、その他のシクロ
デキストリン誘導体がある。周知のように、澱粉に酵素
シクロデキストリン・グルカノトランスフェラーゼを作
用させると、6個、7個、8個のブドウト糖(グルコー
ス基)単位が環状に結合したそれぞれα−、β−及びγ
−シクロデキストリンが生成される。これらのα−、β
−及びγ−シクロデキストリン(以下シクロデキストリ
ンを「CD」と略記することがある。)のそれぞれの環
状構造における環状結合グルコース基の数、分子量、空
洞の内径(Å)及び深さ(Å)、空洞内容積(Å3)及
び包接可能な分子の寸法の概略の値は下記の通りであ
る。 CDの種類 α− β− γ− グルコース基数 6 7 8 空洞内径 5〜6 7〜8 9〜10 空洞深さ 7〜8 7〜8 7〜8 空洞内容積 176 346 510 包接可能な分子 直鎖状に結合 フェノール フェノール の寸法概略 した分子 基1個 基2個 上記の数値は、包接分子(ゲスト分子)とホストCDと
の可能な組合わせの指針となる。
【0010】典型的な分岐CDであるマルトシル−CD
は、高濃度のマルトースの共存下にα−、β−、γ−C
Dに酵素プルラナーゼ(Pullulanase)を作
用させることにより、マルトシル−α−、β−、γ−C
Dを得ることができる。グルコシル−α−、β−、γ−
CDも典型的な分岐CDであり、本発明の目的に適して
いる。
は、高濃度のマルトースの共存下にα−、β−、γ−C
Dに酵素プルラナーゼ(Pullulanase)を作
用させることにより、マルトシル−α−、β−、γ−C
Dを得ることができる。グルコシル−α−、β−、γ−
CDも典型的な分岐CDであり、本発明の目的に適して
いる。
【0011】本発明において好適に使用できるCD類、
CD誘導体類の例は、α−、β−及びγ−シクロデキス
トリン;グルコシル分岐を有するα−、β−及びγ−シ
クロデキストリン;マルトシル分岐を有するα−、β−
及びγ−シクロデキストリン;水素原子のうちの少なく
とも1個を−CH3で置換されたα−、β−及びγ−シ
クロデキストリン;、水素原子のうちの少なくとも1個
を−(CO)CH3で置換されたα−、β−及びγ−シ
クロデキストリン;ならびに水素原子のうちの少なくと
も1個を−〔CH2−CH(CH3)O〕nH(ここにn
は0または自然数)で置換されたα−、β−及びγ−シ
クロデキストリン;等である。
CD誘導体類の例は、α−、β−及びγ−シクロデキス
トリン;グルコシル分岐を有するα−、β−及びγ−シ
クロデキストリン;マルトシル分岐を有するα−、β−
及びγ−シクロデキストリン;水素原子のうちの少なく
とも1個を−CH3で置換されたα−、β−及びγ−シ
クロデキストリン;、水素原子のうちの少なくとも1個
を−(CO)CH3で置換されたα−、β−及びγ−シ
クロデキストリン;ならびに水素原子のうちの少なくと
も1個を−〔CH2−CH(CH3)O〕nH(ここにn
は0または自然数)で置換されたα−、β−及びγ−シ
クロデキストリン;等である。
【0012】これらの代表的な具体例を列挙すると下記
の通りである。シクロデキストリン誘導体類を使用する
ことができ、例えば(1)メチル置換シクロデキストリ
ン、(2)エチル置換シクロデキストリン、(3)ヒド
ロキシアルキル置換シクロデキストリン、(4)分岐シ
クロデキストリン、(5)カチオン系シクロデキストリ
ン、(6)アニオン系シクロデキストリン、(7)四級
アンモニウムシクロデキストリン、(8)両性シクロデ
キストリン、(9)1またはそれ以上のグルコピラノー
ス部位が3−6−アンヒドロ−シクロマルト構造となっ
ているシクロデキストリン、ならびにこれらの混合物が
ある。
の通りである。シクロデキストリン誘導体類を使用する
ことができ、例えば(1)メチル置換シクロデキストリ
ン、(2)エチル置換シクロデキストリン、(3)ヒド
ロキシアルキル置換シクロデキストリン、(4)分岐シ
クロデキストリン、(5)カチオン系シクロデキストリ
ン、(6)アニオン系シクロデキストリン、(7)四級
アンモニウムシクロデキストリン、(8)両性シクロデ
キストリン、(9)1またはそれ以上のグルコピラノー
ス部位が3−6−アンヒドロ−シクロマルト構造となっ
ているシクロデキストリン、ならびにこれらの混合物が
ある。
【0013】更に具体的には(イ)α−シクロデキスト
リン、(ロ)メチル化α−シクロデキストリン、(ハ)
メチル化β−シクロデキストリン、(ニ)ヒドロキシエ
チルα−シクロデキストリン、(ホ)ヒドロキシエチル
β−シクロデキストリン、(ヘ)ヒドロキシプロピルα
−シクロデキストリン、(ト)ヒドロキシプロピルβ−
シクロデキストリン、ならびにこれらの混合物、例えば
(ロ)/(ハ)の混合物、(ロ)/(ホ)の混合物、
(ハ)/(ホ)等の混合物がある。
リン、(ロ)メチル化α−シクロデキストリン、(ハ)
メチル化β−シクロデキストリン、(ニ)ヒドロキシエ
チルα−シクロデキストリン、(ホ)ヒドロキシエチル
β−シクロデキストリン、(ヘ)ヒドロキシプロピルα
−シクロデキストリン、(ト)ヒドロキシプロピルβ−
シクロデキストリン、ならびにこれらの混合物、例えば
(ロ)/(ハ)の混合物、(ロ)/(ホ)の混合物、
(ハ)/(ホ)等の混合物がある。
【0014】電気掃除機のフィルターに導入されて使用
される時の本発明の包接複合体からのゲスト物質の放出
現象は、下記のように説明付けられよう。電気掃除機の
作動による機械的ないし物理的な摩擦からの発熱で掃除
機内で温度上昇が起こり、またそのような上昇温度にお
いて吸入空気中に同伴されてくる水分がホストCDに作
用してホストCDの分子振動が活発になり、ゲスト分子
物質が包接構造体の外へ暴露されるような状態となり、
吸入空気流の流動力がこれに作用してゲスト分子が移
動、放出されるに至ると考えられる。この際に揮発性の
高い香料は、排出空気流中に運ばれて室内に放散され
る。これらの現象は電気掃除機の作動時に起こり、停止
時には、温度の低下、流入水分供給の遮断、空気流動停
止によって上記のゲスト放出現象は鎮静化し、ゲスト物
質はホストCD内に包接、保持される状態に戻る。以下
に示される代表的なCD化合物の種々の温度における溶
解度(g/100ml、H2O)が一般的に著しく高
く、しかも温度の上昇につれて増加する傾向を現してい
る。このような良好な溶解度は、常温から適度の加温条
件下での包接処理操作の容易な実施を可能とさせ、また
良好な包接効果の達成を可能とさせる。
される時の本発明の包接複合体からのゲスト物質の放出
現象は、下記のように説明付けられよう。電気掃除機の
作動による機械的ないし物理的な摩擦からの発熱で掃除
機内で温度上昇が起こり、またそのような上昇温度にお
いて吸入空気中に同伴されてくる水分がホストCDに作
用してホストCDの分子振動が活発になり、ゲスト分子
物質が包接構造体の外へ暴露されるような状態となり、
吸入空気流の流動力がこれに作用してゲスト分子が移
動、放出されるに至ると考えられる。この際に揮発性の
高い香料は、排出空気流中に運ばれて室内に放散され
る。これらの現象は電気掃除機の作動時に起こり、停止
時には、温度の低下、流入水分供給の遮断、空気流動停
止によって上記のゲスト放出現象は鎮静化し、ゲスト物
質はホストCD内に包接、保持される状態に戻る。以下
に示される代表的なCD化合物の種々の温度における溶
解度(g/100ml、H2O)が一般的に著しく高
く、しかも温度の上昇につれて増加する傾向を現してい
る。このような良好な溶解度は、常温から適度の加温条
件下での包接処理操作の容易な実施を可能とさせ、また
良好な包接効果の達成を可能とさせる。
【0015】 溶解度(g/100ml、H2O) CD種類 \ 温度 20°C 40℃ 60℃ α− 13 25 57 β− 4 10 13 γ− 25 54 128 グルコシル−β− 116 171 203 マルトシル−α− 51 75 124 マルトシル−β− 169 204 273 本発明のCD包接複合体を調製するための一般的な方法
は、ホストCD、ゲスト物質、液体媒質(典型的には水
であるが、適当な有機溶媒を使用できる。)を混合し、
この混合物をホモジナイザーまたは同様な高速混合機に
より均質化し、得られる溶液またはスラリーをスプレー
ドライ、凍結乾燥、真空乾燥等により、乾燥させること
である。
は、ホストCD、ゲスト物質、液体媒質(典型的には水
であるが、適当な有機溶媒を使用できる。)を混合し、
この混合物をホモジナイザーまたは同様な高速混合機に
より均質化し、得られる溶液またはスラリーをスプレー
ドライ、凍結乾燥、真空乾燥等により、乾燥させること
である。
【0016】ここに包接とは、ゲスト物質の分子全体が
ホストCDの空洞内に取込まれて包接される場合のみで
なく、ゲスト物質の一部分、例えば直鎖状の分岐部分が
ホストCDの空洞内に取込まれ、残部が空洞内には取込
まれない状態にあるものの、その一部分取込みによりゲ
スト物質がそのホストCDによって保持、固定された場
合も含むものである。
ホストCDの空洞内に取込まれて包接される場合のみで
なく、ゲスト物質の一部分、例えば直鎖状の分岐部分が
ホストCDの空洞内に取込まれ、残部が空洞内には取込
まれない状態にあるものの、その一部分取込みによりゲ
スト物質がそのホストCDによって保持、固定された場
合も含むものである。
【0017】本発明で使用される香料は、天然香料、天
然精油、合成香料のいずれでであってよい。本発明者
が、殊に注目し期待するところは、香料または精油とし
て使用し得る種々のハーブ系エキス等によるアロマ(香
気成分)テラピー効果であり、電気掃除機を用いての掃
除中またはその後に室内空気中に放散されたアロマが、
その個々の種類に応じて何らかの生理活性化作用、その
他、爽快化効果、リラクゼーション効果、抗菌性付与等
種々の効果を惹起することが期待されることである。以
下に市販されていて入手可能な代表的なエキスの例を、
それらの一般的に認められている効能効果と共に列挙す
る。
然精油、合成香料のいずれでであってよい。本発明者
が、殊に注目し期待するところは、香料または精油とし
て使用し得る種々のハーブ系エキス等によるアロマ(香
気成分)テラピー効果であり、電気掃除機を用いての掃
除中またはその後に室内空気中に放散されたアロマが、
その個々の種類に応じて何らかの生理活性化作用、その
他、爽快化効果、リラクゼーション効果、抗菌性付与等
種々の効果を惹起することが期待されることである。以
下に市販されていて入手可能な代表的なエキスの例を、
それらの一般的に認められている効能効果と共に列挙す
る。
【0018】 アルニカエキス(抗炎症、痒み止め、血行促進等) カモミラエキス(抗炎症、充血緩和、痒み止め、傷治療
等) セージエキス(制汗、抗菌、抗炎症等) メリッサエキス(血行促進、皮膚刺激効果、抗炎症等) ラベンダーエキス(防虫、抗炎症、創傷治癒促進効果
等) ローズマリーエキス(制菌、創傷治癒促進、血行改善
等) アロエエキス(保湿、皮膚の柔軟化、紫外線焼け防御
等) イチョウエキス(刺激効果、トニック効果、血管拡充効
果等) イラクサエキス(ヘアトニック効果、抗ふけ、トニック
効果、皮脂調整、刺激、止血、収斂作用等) ウイキョウエキス(収斂作用、消炎作用、保湿、皮膚代
謝促進等) オトギリソウエキス(収斂作用、鎮静作用、抗刺激等) オランダカラシエキス(皮膚組織賦活効果等) クルミカクエキス(収斂作用、鎮静作用、浄化作用、香
り付け、抗腐敗性、抗刺激作用等) ゲンチアナエキス(消炎、末梢血管刺激作用等) シナノキエキス(鎮静、リラックス効果、リフレッシュ
効果、抗炎症、血管保護、荒れ止め効果等) ショウキョウエキス(くしゃみ軽減効果、興奮、唾液分
泌促進、引赤効果等) シラカバエキス(鎮痛効果、収斂効果、腐敗防止効果、
浄化、トニック効果等) スギナエキス(収斂、止血、抗炎症効果等) セイヨウキズタエキス(抗炎症、防腐、抗菌、洗浄効果
等) セイヨウノコギリソウエキス(抗炎症、トニック効果、
殺菌効果等) トウキンセンカエキス(皮膚代謝促進、抗炎症効果等) ニンジンエキス(皮膚末梢血管血流促進効果等) フキタンポポエキス(鎮静効果、皮膚軟化効果等) ブッチャーブルームエキス(トニック効果、鎮静効果、
リフレッシュ効果、抗刺激効果、収斂作用、血管保護、
抗浮腫等) ホップエキス(収斂、防腐、洗浄、滑肌効果等) マロニエエキス(血管収縮、血行促進、消炎、収斂、抗
菌効果等) ヤグルマギクエキス(収斂、皮膚柔軟化、抗炎症効果
等) さらには、森林浴には、樹木から放出される生理活性物
質によって心身両方に対するリフレッシュ効果があるこ
とは広く認められているところであり、森林樹木から放
出されるテルペン類が抗菌作用、殺虫作用を示すことも
知られている。例えば、ベイマツ、ヒノキ、スギ、ヒバ
等の精油成分には強い殺ダニ作用が見出されている。本
発明においては、樹木精油も使用できる。
等) セージエキス(制汗、抗菌、抗炎症等) メリッサエキス(血行促進、皮膚刺激効果、抗炎症等) ラベンダーエキス(防虫、抗炎症、創傷治癒促進効果
等) ローズマリーエキス(制菌、創傷治癒促進、血行改善
等) アロエエキス(保湿、皮膚の柔軟化、紫外線焼け防御
等) イチョウエキス(刺激効果、トニック効果、血管拡充効
果等) イラクサエキス(ヘアトニック効果、抗ふけ、トニック
効果、皮脂調整、刺激、止血、収斂作用等) ウイキョウエキス(収斂作用、消炎作用、保湿、皮膚代
謝促進等) オトギリソウエキス(収斂作用、鎮静作用、抗刺激等) オランダカラシエキス(皮膚組織賦活効果等) クルミカクエキス(収斂作用、鎮静作用、浄化作用、香
り付け、抗腐敗性、抗刺激作用等) ゲンチアナエキス(消炎、末梢血管刺激作用等) シナノキエキス(鎮静、リラックス効果、リフレッシュ
効果、抗炎症、血管保護、荒れ止め効果等) ショウキョウエキス(くしゃみ軽減効果、興奮、唾液分
泌促進、引赤効果等) シラカバエキス(鎮痛効果、収斂効果、腐敗防止効果、
浄化、トニック効果等) スギナエキス(収斂、止血、抗炎症効果等) セイヨウキズタエキス(抗炎症、防腐、抗菌、洗浄効果
等) セイヨウノコギリソウエキス(抗炎症、トニック効果、
殺菌効果等) トウキンセンカエキス(皮膚代謝促進、抗炎症効果等) ニンジンエキス(皮膚末梢血管血流促進効果等) フキタンポポエキス(鎮静効果、皮膚軟化効果等) ブッチャーブルームエキス(トニック効果、鎮静効果、
リフレッシュ効果、抗刺激効果、収斂作用、血管保護、
抗浮腫等) ホップエキス(収斂、防腐、洗浄、滑肌効果等) マロニエエキス(血管収縮、血行促進、消炎、収斂、抗
菌効果等) ヤグルマギクエキス(収斂、皮膚柔軟化、抗炎症効果
等) さらには、森林浴には、樹木から放出される生理活性物
質によって心身両方に対するリフレッシュ効果があるこ
とは広く認められているところであり、森林樹木から放
出されるテルペン類が抗菌作用、殺虫作用を示すことも
知られている。例えば、ベイマツ、ヒノキ、スギ、ヒバ
等の精油成分には強い殺ダニ作用が見出されている。本
発明においては、樹木精油も使用できる。
【0019】本発明において使用される抗菌剤は、公知
のいずれのものであってもよい。ただし、本発明の積層
材の用途からみて、無臭ないし微香性であるのが好まし
い。本発明の電気掃除機フィルター用積層材の基本構造
は、少なくとも一つの不織布からなる主要層(普通は芯
層)とその両面、まれに片面に設けられた紙等の通気性
スキン層から構成されている。それらの層の少なくとも
一つに、香料/抗菌剤を包接したシクロデキストリン包
接複合体を分散、固定してある。このような積層体を構
成するのに使用される適宜な層(例えば、不織布芯層)
材料を、シクロデキストリン包接複合体及び接合剤(接
着剤)を含む液体で処理し(例えば含浸法、スプレー
法)、乾燥して、そのシクロデキストリン包接複合体を
層の表面または内部全体にわたり、分布させ、固着す
る。このように処理された層材料を用いて本発明積層材
を製造することができる。あるいは、一旦積層体とした
ものを、前記の如きシクロデキストリン包接複合体及び
接合剤(接着剤)を含む液体で処理し、乾燥してもよ
い。この際に、接合剤としては、水溶性高分子物質、例
えば、ポリビニルアルコール(種々の鹸化度のポリ酢酸
ビニル)、水溶性ウレタン樹脂、水溶性芳香族ポリエス
テル、あるいは水系ディスパージョン樹脂、例えば、ア
クリル樹脂ベースのエマルジョン・ラテックス(アクリ
ル、アクリル−スチレン、アクリル−酢酸ビニル)、ブ
タジェン系合成ゴムエマルジョン・ラテックス、アイオ
ノマー型水系ウレタン樹脂、アイオノマー型水系エステ
ル樹脂、水溶性ポリ(エチレンオキサイド)等が都合よ
く使用できる。
のいずれのものであってもよい。ただし、本発明の積層
材の用途からみて、無臭ないし微香性であるのが好まし
い。本発明の電気掃除機フィルター用積層材の基本構造
は、少なくとも一つの不織布からなる主要層(普通は芯
層)とその両面、まれに片面に設けられた紙等の通気性
スキン層から構成されている。それらの層の少なくとも
一つに、香料/抗菌剤を包接したシクロデキストリン包
接複合体を分散、固定してある。このような積層体を構
成するのに使用される適宜な層(例えば、不織布芯層)
材料を、シクロデキストリン包接複合体及び接合剤(接
着剤)を含む液体で処理し(例えば含浸法、スプレー
法)、乾燥して、そのシクロデキストリン包接複合体を
層の表面または内部全体にわたり、分布させ、固着す
る。このように処理された層材料を用いて本発明積層材
を製造することができる。あるいは、一旦積層体とした
ものを、前記の如きシクロデキストリン包接複合体及び
接合剤(接着剤)を含む液体で処理し、乾燥してもよ
い。この際に、接合剤としては、水溶性高分子物質、例
えば、ポリビニルアルコール(種々の鹸化度のポリ酢酸
ビニル)、水溶性ウレタン樹脂、水溶性芳香族ポリエス
テル、あるいは水系ディスパージョン樹脂、例えば、ア
クリル樹脂ベースのエマルジョン・ラテックス(アクリ
ル、アクリル−スチレン、アクリル−酢酸ビニル)、ブ
タジェン系合成ゴムエマルジョン・ラテックス、アイオ
ノマー型水系ウレタン樹脂、アイオノマー型水系エステ
ル樹脂、水溶性ポリ(エチレンオキサイド)等が都合よ
く使用できる。
【0020】本発明のフィルター用積層材が電気掃除機
に組込まれて使用される際に重要な作用として、抗菌作
用は言うまでもなく、殊に香気発散の均一性及び適切な
期間(フィルターの取替えから次の取替えまでの期間)
にわたる香気発散継続性がある。本発明によればこれら
の特性はシクロデキストリンによる香料の包接、捕捉、
保持作用と、電気掃除機内での温度、水分及び空気流動
の影響によるその包接香料の解放作用とのバランス及び
アンバランスによって良好に発揮される。すなわち、電
気掃除機の停止時にはその解放作用が無くなり、包接、
捕捉、保持作用が相対的に強く働き、他方電気掃除機の
運転時にはその解放作用が盛んとなり保持作用を凌駕し
て適量の香料が掃除機から室内へ放出される。
に組込まれて使用される際に重要な作用として、抗菌作
用は言うまでもなく、殊に香気発散の均一性及び適切な
期間(フィルターの取替えから次の取替えまでの期間)
にわたる香気発散継続性がある。本発明によればこれら
の特性はシクロデキストリンによる香料の包接、捕捉、
保持作用と、電気掃除機内での温度、水分及び空気流動
の影響によるその包接香料の解放作用とのバランス及び
アンバランスによって良好に発揮される。すなわち、電
気掃除機の停止時にはその解放作用が無くなり、包接、
捕捉、保持作用が相対的に強く働き、他方電気掃除機の
運転時にはその解放作用が盛んとなり保持作用を凌駕し
て適量の香料が掃除機から室内へ放出される。
【0021】
【実施例】DC包接ヒバ精油の徐放性の試験 株式会社横浜国際バイオ研究所から提供された下記の3
種のヒバ精油包接CD粉末を不織布袋にいれて、電気掃
除機において遭遇しうる60℃の温度の乾燥炉において
その揮発重量損失を測定した。
種のヒバ精油包接CD粉末を不織布袋にいれて、電気掃
除機において遭遇しうる60℃の温度の乾燥炉において
その揮発重量損失を測定した。
【0022】 ヒバ精油包接CD 記号1.「G2−βヒバ82」粉末:1g当たり98.4 mgのヒバ精油含有 記号2.「イソヒバ82」粉末:1g当たり115.7m gのヒバ精油含有 記号3.「メチルβヒバ」粉末:1g当たり23.6mg のヒバ精油含有 上記の初期ヒバ精油含量の記号1−3の包接CD粉末の
試料各22gを不織布袋(24cm×17cm、約4.
5g)に入れ、袋の一方を解放したまま、電気掃除機の
運転時温度を想定した60℃の乾燥炉内に保存し、経過
時間3、6、24及び48時間の時点で、粉末中のヒバ
含量をGC分析で求めた。
試料各22gを不織布袋(24cm×17cm、約4.
5g)に入れ、袋の一方を解放したまま、電気掃除機の
運転時温度を想定した60℃の乾燥炉内に保存し、経過
時間3、6、24及び48時間の時点で、粉末中のヒバ
含量をGC分析で求めた。
【0023】ヒバ精油包接CD記号1.−3.のそれぞ
れのヒバ精油残存率(%)の経時変化は、下記の通りで
あった。 経過時間 記号1 記号2 記号3 (hr.) 0 100 100 100 3 95.54 81.98 98.26 6 97.10 78.47 86.73 24 76.14 77.78 73.08 48 74.37 77.26 66.09 以上の結果から明らかなように電気掃除機の運転中に発
生する温度条件下においてCD包接体から少量づつ一様
に確実に長時間にわたってヒバ精油が放出される望まし
い傾向が認められる。上記の結果を表1にグラフ〔残存
率(%):縦軸/経過時間(hr.):横軸〕で示す。
れのヒバ精油残存率(%)の経時変化は、下記の通りで
あった。 経過時間 記号1 記号2 記号3 (hr.) 0 100 100 100 3 95.54 81.98 98.26 6 97.10 78.47 86.73 24 76.14 77.78 73.08 48 74.37 77.26 66.09 以上の結果から明らかなように電気掃除機の運転中に発
生する温度条件下においてCD包接体から少量づつ一様
に確実に長時間にわたってヒバ精油が放出される望まし
い傾向が認められる。上記の結果を表1にグラフ〔残存
率(%):縦軸/経過時間(hr.):横軸〕で示す。
【図1】 昇温下でのヒバ精油包接シクロデキストリン
粉末からのヒバ精油の徐放傾向を示すグラフ。
粉末からのヒバ精油の徐放傾向を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 39/14 B01D 39/14 B B32B 5/24 101 B32B 5/24 101 29/02 29/02 Fターム(参考) 3B062 AA08 AA09 AA13 AB03 AC05 4D019 AA01 BB03 BB05 BB10 BC06 BC20 CA04 CB04 4F100 BA02 BA03 BA06 BA10A BA10B BA10C BA13 CA11A CA11B CA11C CA12A CA12B CA12C DG10B DG10C DG15A GB56 4H011 AA02 BA01 BB03 BB22 BC10 DA02 DD05 DF02
Claims (8)
- 【請求項1】 少なくとも一つの不織布からなる主要層
とその片面または両面に設けられた紙等の通気性スキン
層とから構成される電気掃除機フィルター形成用柔軟積
層材であって、中空ないし環状の回転台形篭状分子構造
のシクロデキストリンにより香料及び抗菌剤を同時にま
たは別個に包接処理して得られる該分子構造の内側空洞
内に香料及び抗菌剤を一緒にまたは別々に捕捉、保持し
たシクロデキストリン包接複合体を、該不織布及び/ま
たはスキン層の少なくとも一つの表面及び/または内部
に分散、固定してあることを特徴とする上記電気掃除機
フィルター用積層材。 - 【請求項2】 シクロデキストリンがα−、β−及びγ
−シクロデキストリン;グルコシル分岐を有するα−、
β−及びγ−シクロデキストリン;マルトシル分岐を有
するα−、β−及びγ−シクロデキストリン;水素原子
のうちの少なくとも1個を−CH3で置換されたα−、
β−及びγ−シクロデキストリン;、水素原子のうちの
少なくとも1個を−(CO)CH3で置換されたα−、
β−及びγ−シクロデキストリン;ならびに水素原子の
うちの少なくとも1個を−〔CH2−CH(CH3)O〕
nH(ここにnは0または自然数)で置換されたα−、
β−及びγ−シクロデキストリン;からなる群より選択
される請求項1の電気掃除機フィルター用積層材。 - 【請求項3】 シクロデキストリンが(1)メチル置換
シクロデキストリン、(2)エチル置換シクロデキスト
リン、(3)ヒドロキシアルキル置換シクロデキストリ
ン、(4)分岐シクロデキストリン、(5)カチオン系
シクロデキストリン、(6)アニオン系シクロデキスト
リン、(7)四級アンモニウムシクロデキストリン、
(8)両性シクロデキストリン、(9)1またはそれ以
上のグルコピラノース部位が3−6−アンヒドロ−シク
ロマルト構造となっているシクロデキストリン、ならび
にこれらの混合物からなる群より選択される請求項1の
電気掃除機フィルター用積層材。 - 【請求項4】 シクロデキストリンが(イ)α−シクロ
デキストリン、(ロ)メチル化α−シクロデキストリ
ン、(ハ)メチル化β−シクロデキストリン、(ニ)ヒ
ドロキシエチルα−シクロデキストリン、(ホ)ヒドロ
キシエチルβ−シクロデキストリン、(ヘ)ヒドロキシ
プロピルα−シクロデキストリン、(ト)ヒドロキシプ
ロピルβ−シクロデキストリン、ならびにこれらの混合
物からなる群より選択される請求項1の電気掃除機フィ
ルター用積層材。 - 【請求項5】 積層材が一つの不織布主要層とその片面
または両面に単数または複数の通気性スキン層とを有す
る積層構造であり、その不織布主要層内に香料保持シク
ロデキストリン包接複合体を分散、固定してなる請求項
1〜4のいずれかの電気掃除機フィルター用積層材。 - 【請求項6】 香料が天然香料、天然精油、及び/また
は合成香料である請求項1〜5のいずれかの電気掃除機
フィルター用積層材。 - 【請求項7】 香料が植物精油またはハーブアロマであ
る請求項6の電気掃除機フィルター用積層材。 - 【請求項8】 集塵バッグの形状である請求項1〜7の
いずれかの電気掃除機フィルター用積層材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000241364A JP2002051946A (ja) | 2000-08-09 | 2000-08-09 | 電気掃除機フィルター製造用積層材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000241364A JP2002051946A (ja) | 2000-08-09 | 2000-08-09 | 電気掃除機フィルター製造用積層材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002051946A true JP2002051946A (ja) | 2002-02-19 |
Family
ID=18732561
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000241364A Pending JP2002051946A (ja) | 2000-08-09 | 2000-08-09 | 電気掃除機フィルター製造用積層材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002051946A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100454639B1 (ko) * | 2002-04-24 | 2004-11-05 | 웅진코웨이주식회사 | 마이크로 캡슐향 진공청소기 |
WO2007062471A1 (en) * | 2005-11-30 | 2007-06-07 | Alpha Technologies Corporation Ltd | Air treatment compositions and devices therefor |
KR101288075B1 (ko) | 2011-02-23 | 2013-07-22 | 박현도 | 자동차 필터 및 이를 제조하는 방법 |
-
2000
- 2000-08-09 JP JP2000241364A patent/JP2002051946A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100454639B1 (ko) * | 2002-04-24 | 2004-11-05 | 웅진코웨이주식회사 | 마이크로 캡슐향 진공청소기 |
WO2007062471A1 (en) * | 2005-11-30 | 2007-06-07 | Alpha Technologies Corporation Ltd | Air treatment compositions and devices therefor |
KR101288075B1 (ko) | 2011-02-23 | 2013-07-22 | 박현도 | 자동차 필터 및 이를 제조하는 방법 |
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Legal Events
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|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A073 Effective date: 20080124 |