JP2002048878A - 路面温度または路面状態の予測方法およびその装置 - Google Patents

路面温度または路面状態の予測方法およびその装置

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JP2002048878A
JP2002048878A JP2000234113A JP2000234113A JP2002048878A JP 2002048878 A JP2002048878 A JP 2002048878A JP 2000234113 A JP2000234113 A JP 2000234113A JP 2000234113 A JP2000234113 A JP 2000234113A JP 2002048878 A JP2002048878 A JP 2002048878A
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road
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Isao Horiba
勇夫 堀場
Ritsuo Asai
律雄 浅井
Tadao Yagi
忠雄 八木
Muneo Yamada
宗男 山田
Koji Ueda
浩次 上田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より高次な非線形解析が可能である階層型の
ニューラルネットワークを利用し、予測対象地点におけ
る現在から過去数時間分の気象データを用いて予測対象
地点における数時間後の路面温度または路面状態を正確
に予測し、冬期における氷雪対策をより迅速かつ的確に
行なうことができる路面温度または路面状態の予測方法
とその装置を提供すること。 【解決手段】 予測対象地点の路面温度の予測に必要な
気象データを検出する気象センサ部1と、該気象センサ
部から出力される気象データを現在から過去数時間分に
わたって格納記憶するデータ蓄積部2と、該データ蓄積
部から出力される現在から過去数時間分の気象データを
基に数時間先の各教師データを用いて学習させた階層型
のニューラルネットワークを用いて当該地点の所定時間
後の路面温度を予測する路面温度予測部3と、該路面温
度予測部から出力される路面温度の予測結果を所定の形
式で表示する表示部4とから構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、現在から過去数時
間分の気象データを用いて予測対象地点の所定時間後に
おける路面温度または路面状態(乾燥、湿潤、凍結、圧
雪など)を予測するための方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】冬期の道路管理における重要な課題の1
つに氷雪対策がある。この氷雪対策には、除雪車両の配
車・出動計画、凍結防止剤の散布時期、散布量の検討な
どがあるが、従来、熟練した作業員などによる主観的な
判断により決定していた。
【0003】これら主観的な判断を下すための情報とし
て、現在の路面温度や路面状態があり、これらをセンサ
などで検出して判断基準の1つに用いることにより、評
価の標準化を図ることができ、適切で効率のよい氷雪対
策をとることができるとともに、業務の省力化を図るこ
とが可能であるが、検出結果に対する評価が作業員によ
って異なり、凍結防止剤の散布タイミングや散布量など
に対して適切で客観的な判断がとれないという問題があ
った。
【0004】一方、氷雪対策をとるために必要な数時間
後の路面温度や路面状態を人間の判断を介さずに予測す
る方法として、統計解析による重回帰法を用いた方法が
ある。この方法は、事前に予測対象の特性に合わせた統
計データの解析を行ない、使用する気象データとその回
帰係数を設定しておき、回帰式で得られた予測方式に現
在の観測値を当てはめることにより路面温度を予測する
ものである。
【0005】また、特開平6−300860号に示され
るような統計によるパターン分類を用いる方法がある。
この方法は、過去の路面温度の変化パターンを天候や月
別に分類し、予めデータベースに格納しておき、実際に
観測された路面温度の変化パターンと最も類似している
過去のパターンを抽出し、このパターンに基づき路面温
度を予測するものである。
【0006】データベースを利用する方法として他に、
特開平9−325189号に示されるような時系列分布
状況による予測モデル化を利用した方法がある。この方
法は、気象観測データを順次データベースに蓄積し、予
測時点における気象データの時系列分布状況に対して、
その近傍または類似する時系列分布状況を示すデータを
データベースから近傍データとして複数個抽出して最小
自乗法により路面温度の予測モデルを構築し、そのモデ
ルに現時点のデータを当てはめることにより、路面温度
を予測するものである。
【0007】しかし、統計解析による重回帰法を用いた
方法では、過去において生じた状態と同様な傾向が現在
もそのまま続くと仮定して予測しているが、実際の路面
温度や路面状態の変化は、過去の路面温度や路面状態、
さらには気温、湿度、雨量などの各気象情報との関係が
必ずしも線形ではなく、非線形な要素を含んでおり、す
べての時点で同じ傾向が続くとは限らず、定期的に続計
データの解析や予測式の修正などのメンテナンスが必要
となる。
【0008】また、統計によるパターン分類を用いる方
法では、予測対象地域毎にその特性に合わせて分類した
データベースを構築して配備する必要があり、分類され
るパターンが固定されているために現在の変化パターン
に対して柔軟に対応することができない場合も考えら
れ、さらにデータベースを常時配備しなければならない
という問題もある。
【0009】また、時系列分布状況による予測モデル化
を利用した方法では、過去のデータから現在までの気象
情報を時系列的にデータベースに記録しておくため、常
時大容量のデータベースを配備しなければならず、シス
テムが大規模になるという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点を解決するためになされたもので、より高次な
非線形解析が可能である階層型のニューラルネットワー
クを利用し、予測対象地点における現在から過去数時間
分の気象データを用いて予測対象地点における数時間後
の路面温度または路面状態を正確に予測し、冬期におけ
る氷雪対策をより迅速かつ的確に行なうことができる路
面温度または路面状態の予測方法とその装置を提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の路面温度予測方法は、予測対象地点の路面
温度の予測に必要な気象データを現在から過去数時間分
収集し、該収集した気象データを数時間先の各教師デー
タを用いて学習させた階層型のニューラルネットワーク
に入力して当該地点の所定時間後の路面温度を予測する
ようにしたものである。
【0012】また、本発明の路面状態予測方法は、予測
対象地点の路面状態の予測に必要な気象データを現在か
ら過去数時間分収集し、該収集した気象データを数時間
先の各教師データを用いて学習させた階層型のニューラ
ルネットワークに入力して当該地点の所定時間後の路面
状態を予測するようにしたものである。
【0013】また、本発明の路面温度予測装置は、予測
対象地点の路面温度の予測に必要な気象データを検出す
る気象センサ部と、該気象センサ部から出力される気象
データを現在から過去数時間分にわたって格納記憶する
データ蓄積部と、該データ蓄積部から出力される現在か
ら過去数時間分の気象データを基に数時間先の各教師デ
ータを用いて学習させた階層型のニューラルネットワー
クを用いて当該地点の所定時間後の路面温度を予測する
路面温度予測部と、該路面温度予測部から出力される路
面温度の予測結果を所定の形式で表示する表示部とを備
えることにより構成したものである。
【0014】さらに、本発明の路面状態予測装置は、予
測対象地点の路面状態の予測に必要な気象データを検出
する気象センサ部と、該気象センサ部から出力される気
象データを現在から過去数時間分にわたって格納記憶す
るデータ蓄積部と、該データ蓄積部から出力される現在
から過去数時間分の気象データを基に数時間先の各教師
データを用いて学習させた階層型のニューラルネットワ
ークを用いて当該地点の所定時間後の路面状態を予測す
る路面状態予測部と、該路面状態予測部から出力される
路面状態の予測結果を所定の形式で表示する表示部とを
備えることにより構成したものである。
【0015】上記構成の予測方法ならびに予測装置とし
た場合、階層型のニューラルネットワークを利用して予
測対象地点における数時間後の路面温度または路面状態
をきわめて正確に予測することができ、冬期における氷
雪対策をより迅速かつ確実に行なうことができる。特
に、ニューラルネットワークは路面温度または路面状態
の予測を行ないたい場所についての教師データを用いて
学習を行なわせることにより、その場所の癖を組み込ん
だ特有のネットワークを構築することができ、その地点
特有の局所的な路面温度または路面状況の予測を行なう
ことが可能となる。このため、その地域に応じた最良の
氷雪対策をとることが可能となり、冬期の氷雪対策に資
するところ大である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1および図2に、本発明
に係る路面温度予測装置の一実施の形態を示す。図1に
おいて、1は予測対象地点の路面温度の予測に必要な気
象データを検出する気象センサ部、2は気象センサ部1
から出力される各気象データを現在から過去数時間分に
わたって格納記憶するデータ蓄積部、3はデータ蓄積部
2から出力される現在から過去数時間分の気象データを
基に階層型のニューラルネットワークを用いて当該予測
対象地点の数時間後の路面温度を予測する路面温度予測
部、4は路面温度予測部3から出力される路面温度の予
測結果を所定の形式で表示する表示部である。
【0017】気象センサ部1は、予測対象地点の現在の
路面温度を検出する路面温度センサ1a、予測対象地点
の現在の気温を検出する気温センサ1b、予測対象地点
の現在の湿度を検出する湿度センサ1c、予測対象地点
の現在の日射量を検出する日射量センサ1nなど、路面
温度の予測に必要な気象データを収集する各種のセンサ
を備えている。
【0018】路面温度予測部3は、図2にその詳細を示
すように、入力層31 、中間層32、出力層33 からな
る階層型のニューラルネットワークによって構成されて
いる。この例の場合、入力層31 には、データ蓄積部2
から、現在・1時間前・2時間前の路面温度データ、現
在・1時間前・2時間前の気温データ、現在・1時間前
・2時間前の日射量データなどの各気象データが入力さ
れ、この各気象データを基づいて1時間後(あるいは2
時間後、3時間後)の路面温度の予測結果が出力層33
から出力されるものである。
【0019】一般に、現在から所定時間経過後の路面温
度は、現在の気象状態だけでなく、それ以前の過去の気
象状態の推移とも深くかかわっている。したがって、図
示したように、路面温度を予測する要因としては、現在
の気象データだけでなく、現在から過去数時間分の気象
データを用いることにより、路面温度の予測を行なうよ
うにしている。
【0020】また、路面温度の予測を行なうためには、
あらかじめニューラルネットワークに入力教師データと
出力教師データを与えて学習を行ない、各階層31 〜3
3 のニューロンを結ぶシナプスの結合係数を最適な値に
設定しておく必要がある。この学習方法としてはバック
プロパゲーション法などの周知の学習アルゴリズムによ
り行なう。ー般的な学習方法であるバックプロパゲーン
ョン法による学習方法の例を図3に示す。
【0021】図3を参照してバックプロパゲーンョン法
による学習方法を説明すると、 まず、入力層に学習用の入力信号Iを入力する。 入力層から出力層へ向かって信号伝播過程に伴う各
ニューロンの状態変化を順次計算して行く。 計算の結果から得られる出力層のi番目のニューロ
ン出力をOi とし、入力信号Iに対するそのニューロン
の望ましい出力(教師データ)をTiとすると、望まし
い出力Ti と実際に得られた出力Oi の二乗誤差を次式
によって計算する。
【0022】
【数1】
【0023】 そして、上式によって得られる二乗誤
差が極小となるように、すなわち、実際の出力Oi が望
ましい出力(教師データ)Ti に可能な限り近づくよう
に、ニューラルネットワークの各シナプス結合(V,
W)を変化させ、最良の値に収れんした時点で学習を終
了する。
【0024】前述したように、路面温度の予測に際して
は過去の気象データの推移も重要な情報であると考えら
れるので、この推移情報をニューラルネットワーク内に
構築するために、実際の学習に際して入力層に与える学
習用の入力信号Iとしては、路面温度の予測に必要な現
在から過去数時間前までのデータを入力する。また、教
師データTi としては、路面温度を予測すべき時間位置
(例えば、1時間後、2時間後あるいは3時間後など)
における実際の路面温度を用いる。
【0025】上記学習を行なうことにより、入出力間の
関係がネットワーク内に構築され、所定時間、例えば1
時間経過後の路面温度の予測が可能となる。このとき、
路面温度の予測を行ないたい場所についての教師データ
を用いて学習を行なうと、その場所の癖を組み込んだ特
有のネットワークが構築されるので、その地域特有の局
所的な路面温度の予測が可能となる。
【0026】上記のようにして構築された路面温度予測
装置の動作を以下に説明する。処理が開始されると、気
象センサ部1の各センサ1a〜1nはそれぞれ予測対象
地点の路面温度、気温、日射量など、必要な気象データ
を測定し、データ蓄積部2に送る。データ蓄積部2で
は、この送られてくる各気象データをサンプリングして
格納記憶する。
【0027】そして、図示しない指令装置などから路面
温度の予測指令が与えられると、データ蓄積部2は、そ
の指令が与えられた時点における現在の各気象データ
と、1時間前、2時間前の各気象データを路面温度予測
部3に送る。
【0028】路面温度予測部3は、この送られてきた現
在および過去2時間分の各気象データを基に、前記学習
した例えば1時間後の路面温度を予測し、その予測結果
を表示部4に送る。そして、表示部4は、この送られて
きた1時間後の路面温度の予測結果を所定の表示形式で
モニタ画面に表示し、あるいはプリントアウトする。
【0029】作業員は上記予測結果を見て、路面温度が
例えば0℃付近であった場合、1時間後には路面凍結な
どが発生する恐れがあるとして、凍結防止対策に着手す
る。このようにして、先手先手に氷雪対策を講じること
ができるようになるので、路面凍結などによる交通事故
や道路渋滞を未然に防ぐことができ、より安全な道路管
理を実現できる。
【0030】図4および図5に、本発明に係る路面状態
予測装置の一実施の形態を示す。この路面状態予測装置
は、前述した路面温度に替えて予測対象地点の路面状
態、例えば、雪氷対策を行わない道路の乾燥・湿潤と、
雪氷対策を行う凍結・圧雪に区分して予測するものであ
る。
【0031】図4において、11は予測対象地点の路面
状態の予測に必要な気象データを検出する気象センサ
部、12は気象センサ部1から出力される各気象データ
を現在から過去数時間分にわたって格納記憶するデータ
蓄積部、13はデータ蓄積部12から出力される現在か
ら過去数時間分の気象データを基に階層型のニューラル
ネットワークを用いて当該予測対象地点の数時間後の路
面状態を予測する路面状態予測部、14は路面温度予測
部13から出力される路面状態の予測結果を所定の形式
で表示する表示部である。
【0032】気象センサ部11は、前述した路面温度予
測装置と同様に、予測対象地点の現在の路面温度を検出
する路面温度センサ11a、予測対象地点の現在の気温
を検出する気温センサ11b、予測対象地点の現在の湿
度を検出する湿度センサ11c、予測対象地点の現在の
日射量を検出する日射量センサ11nなど、路面状態の
予測に必要な気象データを収集する各種のセンサを備え
ている。
【0033】路面状態予測部13は、図5にその詳細を
示すように、入力層131 、中間層132 、出力層13
3 からなる階層型のニューラルネットワークによって構
成されている。この例の場合、入力層131 には、デー
タ蓄積部12から、前述した路面温度予測装置の場合と
同じように、現在・1時間前・2時間前・3時間前・4
時間前の路面温度データ、現在・1時間前・2時間前・
3時間前・4時間前の日射量データなどの各気象データ
が入力され、この各気象データに基づいて1時間後(あ
るいは2時間後、3時間後)の路面状態の予測結果が出
力層133 から出力されるものである。
【0034】この図5に示したニューラルネットワーク
は、前述した路面温度予測装置の場合と同様に、学習用
の入力データとして路面状態の予測に必要な現在から過
去数時間前までの気象データを用いるとともに、教師デ
ータとして路面状態を予測すべき時間(例えば、1時間
後、2時間後あるいは3時間後など)における実際の路
面状態を入力して学習を行なわせることにより、路面状
態についての最良の予測結果を与えるニューラルネット
ワークが構築されている。
【0035】上記路面状態予測装置の処理が開始される
と、気象センサ部11の各センサ11a〜11nはそれ
ぞれ予測対象地点の路面温度、気温、日射量など、必要
な気象データを測定し、データ蓄積部12に送る。デー
タ蓄積部12では、この送られてくる各気象データをサ
ンプリングして格納記憶する。
【0036】そして、図示しない指令装置などから路面
状態の予測指令が与えられると、データ蓄積部12は、
その指令が与えられた時点における現在の各気象データ
と、1時間前、2時間前の各気象データを路面温度予測
部13に送る。
【0037】路面状態予測部13は、この送られてきた
現在および過去4時間分の各気象データを基に、前記学
習した例えば1時間後の路面状態を予測し、その予測結
果を表示部4に送る。そして、表示部14は、この送ら
れてきた1時間後の路面温度の予測結果を所定の表示形
式でモニタ画面に表示し、あるいはプリントアウトす
る。
【0038】上記路面状態予測部13から出力される路
面状態の予測結果は、次のような形式で出力される。す
なわち、例えば路面状態が乾燥・湿潤と凍結・圧雪の2
つの状態に区分されている場合、予測出力値=0〜0.
5を「乾燥・湿潤」、予測出力値=0.5〜1を「凍結
・圧雪」として出力する。したがって、表示部14にお
いては、この予測出力値とともに、それに対応する道路
状態を文字によって表示するようにすればよい。
【0039】作業員は上記予測結果を見て、路面状態の
予測が「凍結」であった場合、1時間後には路面凍結が
発生する恐れがあるとして、凍結防止対策に着手する。
このようにして、先手先手に氷雪対策を講じることがで
きるようになるので、路面凍結などによる交通事故や交
通渋滞を未然に防ぐことができ、より安全な道路管理を
実現できる。
【0040】図6に、前記路面状態予測装置の路面状態
予測部13で用いるニューラルネットワークの他の構成
例を示す。この図6のニューラルネットワークは、乾
燥,湿潤,凍結,圧雪の各予測結果に対応させて予測結
果出力用の4個のニューロンを設けたもので、予測結果
が「乾燥」なら乾燥出力=1、他の出力=0、「湿潤」
なら湿潤出力=1、他の出力=0、「凍結」なら凍結出
力=1、他の出力=0、「圧雪」なら圧接出力=1、他
の出力=0として学習を行ない、実際の予測に際して
は、各出力中、最大の値を示した位置の路面状態をその
ときの予測結果とするものである。
【0041】
【実施例】[1]過去の気象データの有無による予測性
能の検証 現在の気象データだけを入力して予測を行なった場合
と、現在から過去数時間前までの気象データを入力して
予測を行なった場合の比較検証を行なった。実際の道路
管理において冬期の氷雪対策には、凍結防止剤の散布時
期や散布車両の配車計画などの検討が必要となる。これ
らの業務を支障なく行なうには3時間程度先の路面温度
または路面状態の予測が必要となるため、予測時間を3
時間先として検証した。
【0042】表1は1月中の路面温度を教師データとし
て学習を行ない、2月の路面温度を予測した結果を示し
ている。特に凍結防止剤散布時期に重要となる0℃付近
のデータについての検証例を示す。
【0043】
【表1】
【0044】この表1の検証結果から、現在の気象デー
タだけを用いて予測した場合、実測路面温度と予測路面
温度の平均絶対値誤差が2.5℃近くあるのに比べ、現
在から過去数時間前までの気象データを用いて予測した
場合、実測路面温度と予測路面温度の平均絶対値誤差は
1℃程度となり、凍結防止剤散布時期や配車計画の検討
に十分役立つ精度が得られていることがわかる。これに
よって、現在の気象データだけでなく、過去の気象デー
タを用いて予測することの有効性が確認された。
【0045】[2]路面温度予測の実施例 図1および図2の構成になる路面温度予測装置を用いて
路面温度予測を行なった結果を以下に示す。図7〜図9
は、1月中の路面温度を教師データとして学習し、2月
1日から2月3日まで、1時間先、2時間先、3時間先
の路面温度をそれぞれ予測したもので、点線が実測値、
実線が予測時間での路面温度を示している。表2は、こ
のときの各予測時間毎の平均誤差を示している。
【0046】
【表2】
【0047】これら図と表から明らかなように、平均誤
差も2℃以内であり、路面温度の推移傾向を非常に精度
良く予測していることがわかる。
【0048】[3]路面状態予測の実施例 図4および図5の構成になる路面状態予測装置を用いて
路面状態予測を行なった結果を以下に示す。表3〜表5
は1月中の路面状態(乾燥、湿潤、凍結、圧雪)を教師
データとして学習し、2月の8日間の路面状態(乾燥、
湿潤、凍結、圧雪)を予測した結果を示している。
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】これらの表から、1時間先の路面状態予測
では80%以上、3時間先の路面状態予測でも70%以
上の正解率を挙げており、路面状態を正確に予測してい
ることがわかる。
【0053】なお、上記の実施の形態においては、路面
状態を雪氷対策に必要な凍結・圧雪と不要な乾燥・湿潤
に区分したが、個別の路面状態、例えば、夏期の散水情
報としての乾燥と冬季の凍結防止剤散布情報としての乾
燥をそれぞれ検出するようにしてもよい。この実施結果
を表6〜表8に示す。
【表6】
【表7】
【表8】
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の予測方法
ならびに予測装置によれば、次のような優れた効果を奏
することができる。 (1)ニューラルネットワークを用いているので、非線
形な要素を含む数時間先の路面温度または路面状態を正
確に予測することができる。 (2)現在から過去数時間分の気象データを用いて数時
間先の路面温度または路面状態を予測しているので、予
測性能が向上する。 (3)予測を行なう場所毎にその場所特有の学習データ
を用いて学習を行なわせることができるので、地域性に
関する問題を吸収し、その場所の癖を組み込んだ特有の
ネットワークを構築することができる。このため、その
地点特有の局所的な路面温度または路面状況の予測を行
なうが可能となり、その地域に応じた最良の氷雪対策を
とることができ、冬期の氷雪対策に資するところ大であ
る。 (4)ニューラルネットワークを用いて予測モデルを構
築しているためにデータベースが不要であり、システム
の簡略化を図ることができる。 (5)一般的にどこでも得られる気象観測情報(気温,
湿度,日射量など)を用いて数時間先までの路面温度
(路面状態)を予測することができるため、あらゆる場
所で利用することができ、汎用性が高い。 (6)数時間先の路面温度または路面状態の予測が可能
なため、除雪車両の配車・出動計画、凍結防止剤の散布
時期、散布量の検討など、充分な氷雪対策をとることが
でき、より安全で的確な道路管理を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る路面温度予測装置のシステム構成
を示すブロック図である。
【図2】路面温度予測部のニューラルネットワークの構
成例を示す図である。
【図3】バックプロパゲーション法を用いたニューラル
ネットワークの学習方法の説明図である。
【図4】本発明に係る路面状態予測装置のシステム構成
を示すブロック図である。
【図5】路面状態予測部のニューラルネットワークの構
成例を示す図である。
【図6】路面状態予測部のニューラルネットワークの他
の構成例を示す図である。
【図7】本発明の路面温度予測装置による1時間先の路
面温度予測の実測結果を示す図である。
【図8】本発明の路面温度予測装置による2時間先の路
面温度予測の実測結果を示す図である。
【図9】本発明の路面温度予測装置による3時間先の路
面温度予測の実測結果を示す図である。
【符号の説明】
1 気象センサ部 1a〜1n センサ 2 データ蓄積部 3 路面温度予測部 31 ニューラルネットワークの入力層 32 ニューラルネットワークの中間層 33 ニューラルネットワークの出力層 4 表示部 11 気象センサ部 11a〜11n センサ 12 データ蓄積部 13 路面温度予測部 131 ニューラルネットワークの入力層 132 ニューラルネットワークの中間層 133 ニューラルネットワークの出力層 14 表示部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 宗男 愛知県海部郡美和町大字篠田字面徳29−1 名古屋電機工業株式会社内 (72)発明者 上田 浩次 愛知県海部郡美和町大字篠田字面徳29−1 名古屋電機工業株式会社内 Fターム(参考) 2D026 CB00 2D051 AA08 GB08 2F056 EM09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予測対象地点の路面温度の予測に必要な
    気象データを現在から過去数時間分収集し、該収集した
    気象データを数時間先の各教師データを用いて学習させ
    た階層型のニューラルネットワークに入力して当該地点
    の所定時間後の路面温度を予測することを特徴とする路
    面温度予測方法。
  2. 【請求項2】 予測対象地点の路面状態の予測に必要な
    気象データを現在から過去数時間分収集し、該収集した
    気象データを数時間先の各教師データを用いて学習させ
    た階層型のニューラルネットワークに入力して当該地点
    の所定時間後の路面状態を予測することを特徴とする路
    面状態予測方法。
  3. 【請求項3】 予測対象地点の路面温度の予測に必要な
    気象データを検出する気象センサ部と、 該気象センサ部から出力される気象データを現在から過
    去数時間分にわたって格納記憶するデータ蓄積部と、 該データ蓄積部から出力される現在から過去数時間分の
    気象データを基に数時間先の各教師データを用いて学習
    させた階層型のニューラルネットワークを用いて当該地
    点の所定時間後の路面温度を予測する路面温度予測部
    と、 該路面温度予測部から出力される路面温度の予測結果を
    所定の形式で表示する表示部とを備えたことを特徴とす
    る路面温度予測装置。
  4. 【請求項4】 予測対象地点の路面状態の予測に必要な
    気象データを検出する気象センサ部と、 該気象センサ部から出力される気象データを現在から過
    去数時間分にわたって格納記憶するデータ蓄積部と、 該データ蓄積部から出力される現在から過去数時間分の
    気象データを基に数時間先の各教師データを用いて学習
    させた階層型のニューラルネットワークを用いて当該地
    点の所定時間後の路面状態を予測する路面状態予測部
    と、 該路面状態予測部から出力される路面状態の予測結果を
    所定の形式で表示する表示部とを備えたことを特徴とす
    る路面状態予測装置。
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