JP2002047664A - ジャケット構造体の搬送装置及び方法 - Google Patents

ジャケット構造体の搬送装置及び方法

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JP2002047664A
JP2002047664A JP2000236784A JP2000236784A JP2002047664A JP 2002047664 A JP2002047664 A JP 2002047664A JP 2000236784 A JP2000236784 A JP 2000236784A JP 2000236784 A JP2000236784 A JP 2000236784A JP 2002047664 A JP2002047664 A JP 2002047664A
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pile
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JP2000236784A
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Hiroyuki Kamei
宏之 亀井
Akinobu Kishi
明信 岸
Shinsuke Kondo
伸介 近藤
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジャケット構造体の搬送装置及び方法におい
て、ジャケット構造物の搬送コストを低減及び搬送作業
の作業性の向上を図ると共に、安定したジャケット構造
物の搬送を可能とする。 【解決手段】 連結部材12によって複数の杭ガイド部
材13,14を連結し、この各杭ガイド部材13,14
の上端集合部に中空形状をなす鋼板製のフーチング15
を装着してジャケット構造体11を構成し、このジャケ
ット構造体11における杭ガイド部材13,14の上端
開口部に開閉弁51を装着し、ジャケット構造体11の
曳航時における海域状態に応じて、コントローラ52が
各開閉弁51を開閉し、ジャケット構造体11の浮力を
変更して浮上位置を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、橋脚などの水上に
立設する構造物を建設する場合に、水底地盤に設置して
用いられるジャケット構造体の搬送装置及び方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、橋梁基礎には、直接基礎、場所
打ち杭基礎、鋼管杭基礎、ケーソン基礎などが従来から
知られている。例えば、杭基礎によって建設された橋脚
では、複数本の杭が海底地盤の軟弱地盤を貫通して支持
地盤まで打ち込まれ、この各杭上に鉄筋コンクリートに
よってフーチングが構築され、このフーチングの上に橋
脚を立設し、この橋脚がフーチング内に予め埋め込まれ
たアンカーフレームにアンカーボルトにより接合されて
いる。また、ケーソン基礎によって建設された橋脚で
は、海底の支持地盤を所定広さ整地し、この地盤整地面
に内部にコンクリートが打設されたケーソンを設置し、
このケーソンの上に橋脚を立設し、この橋脚がケーソン
内に予め埋め込まれたアンカーフレームにアンカーボル
トにより接合されている。
【0003】ところが、このような杭基礎の場合、比較
的水深の大きい海底に橋脚を構築するときに、技術的に
困難性が伴い、高コストとなってしまうという問題があ
る。また、ケーソン基礎の場合、水深数十m程度までの
海底ならば問題ないが、それよりも深い海底にあって
は、地盤整地面を形成するのに大規模な海上工事を必要
とし、高コストで工事期間も長くなり、その間に航路を
制限しなければならず、更に、支持地盤の上層に軟弱地
盤があると、地盤改良工事も必要となってしまうという
問題がある。
【0004】そこで、海底地盤に鉄筋コンクリートによ
るフーチングを構築したり、内部にコンクリートが打設
されたケーソンを設置するのを不要とすることで、建設
工事の容易化や低コスト化を図ったものとしてジャケッ
ト式基礎を用いた技術がある。図8に従来のジャケット
式基礎によって建設された橋脚の概略を示す。
【0005】従来のジャケット式基礎によって建設され
た橋脚において、図8に示すように、海底の支持地盤00
1に対して、多数のガイドパイプ002が連結部材003によ
って連結されて構成されたジャケット構造体004を設置
し、図示しない杭打ち機によって各ガイドパイプ002を
用いて複数本の杭005が支持地盤001に打ち込まれてい
る。そして、このジャケット構造体004上に鉄筋コンク
リートによってフーチング006が構築されている。この
フーチング006内には予めアンカーボルト007とアンカー
フレーム008が埋め込まれており、このフーチング006の
上に橋脚009が立設して接合されている。
【0006】なお、このような技術は、例えば、特開昭
61−57721号公報に「マルチパイルジャケット構
造の水中基礎施工法」として開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来のジャケット式基礎の場合、陸上にある工場のドック
から設置する海域まで台船に乗せて搬送し、起重機船で
このジャケット式基礎を吊り上げて水底地盤に設置して
いる。ところが、このようなジャケット式基礎の搬送方
法では、台船や起重機船が必要となって作業コストが増
大してしまうという問題がある。
【0008】なお、上述した従来の「マルチパイルジャ
ケット構造の水中基礎施工法」では、円筒形状をなす各
鋼製柱内に鋼製内柱と杭ガイド部材とを形成し、鋼製内
柱と連結部材の浮力を利用してジャケット構造物を浮上
曳航させるようにしている。ところが、この搬送方法で
は、鋼製柱の鋼製内柱に注水して浮力を調整すること
で、ジャケット構造物を沈降させるようにしているが、
この鋼製内柱は上端部が閉塞しているために注水が困難
であり、注水用ポンプ等が必要となってしまう。また、
浮力を得るための鋼製内柱を杭ガイド部材と共に鋼製柱
内に設けているため、杭ガイド部材により打ち込み可能
な鋼杭が細径となり、必要強度を得るためには多数の鋼
杭を打ち込まなければならず、作業性が良くない。
【0009】本発明はこのような問題を解決するもので
あって、ジャケット構造物の搬送コストを低減及び搬送
作業の作業性の向上を図ると共に、安定したジャケット
構造物の搬送を可能としたジャケット構造体の搬送装置
及び方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの請求項1の発明のジャケット構造体の搬送装置は、
筒形状をなして上下に貫通する複数の杭ガイド部材が連
結部材によって一体に連結されたジャケット構造体を所
定の水域まで浮上搬送するジャケット構造体の搬送装置
において、前記各杭ガイド部材の上端開口部にそれぞれ
装着された開閉弁と、水域状態に応じて該開閉弁を開閉
制御する制御手段とを具えたことを特徴とするものであ
る。
【0011】また、請求項2の発明のジャケット構造体
の搬送装置では、前記各開閉弁にコンプレッサを接続
し、該コンプレッサを前記制御手段により駆動制御可能
としたことを特徴としている。
【0012】また、請求項3の発明のジャケット構造体
の搬送装置は、筒形状をなす複数の杭ガイド部材が連結
部材によって一体に連結されたジャケット構造体を所定
の水域まで浮上搬送するジャケット構造体の搬送装置に
おいて、前記各杭ガイド部材により区画された領域に装
着された空気袋と、該空気袋内に空気を給排するポンプ
とを具えたことを特徴とするものである。
【0013】また、請求項4の発明のジャケット構造体
の搬送方法は、筒形状をなして上下に貫通する複数の杭
ガイド部材が連結部材によって一体に連結されたジャケ
ット構造体を所定の水域まで浮上搬送するジャケット構
造体の搬送方法において、水域状態に応じて前記各杭ガ
イド部材内の空気量を変更することで、前記ジャケット
構造体の浮上高さを調整することを特徴とするものであ
る。
【0014】また、請求項5の発明のジャケット構造体
の搬送方法では、前記各杭ガイド部材内の空気量を増減
しながら、前記ジャケット構造体を所定の設置位置に位
置決め設置することを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を詳細に説明する。
【0016】図1に本発明の第1実施形態に係るジャケ
ット構造体によって構築された橋脚の概略、図2に本実
施形態のジャケット構造体の概略、図3に本実施形態の
ジャケット構造体の搬送装置の概略、図4及び図5にジ
ャケット構造体による橋脚の構築作業を表す概略を示
す。
【0017】図1に示すように、本実施形態のジャケッ
ト構造体11は、上部の軟弱地盤と下部の支持地盤とか
ら構成される図示しない水底地盤上に設置して構造物と
しての橋桁31の橋脚32を建設するためのものであ
る。即ち、このジャケット構造体11は、連結部材12
によって連結された複数の杭ガイド部材(レグ)13,
14と、この各杭ガイド部材13,14の上端集合部に
装着された中空形状をなすフーチング15とから構成さ
れている。
【0018】このジャケット構造体11について詳細に
説明すると、図1及び図2に示すように、フーチング1
5は上鋼板16と下鋼板(図示略)と4枚の外周鋼板1
8により矩形箱型形状に形成されており、中央部寄りに
直杭用の4つの杭ガイド部材13の上端部が貫入し、外
側に斜杭用の4つの杭ガイド部材14の上端部が貫入し
ている。この杭ガイド部材13,14は所定長さの円筒
形状をなし、杭ガイド部材13に対して杭ガイド部材1
4は下部が外方に広がっており、各杭ガイド部材13,
14同志が複数の連結部材12によって一体に連結され
ている。このガイド部材13,14は、ジャケット構造
体11が水底地盤上に設置されたときに、ガイドとして
直杭19及び斜杭20をこの水底地盤に打ち込むための
ものである。
【0019】各杭ガイド部材13,14の上端部はフー
チング15の上鋼板16及び下鋼板に貫入して上方に開
口しているが、このフーチング15の内部には図示しな
い複数の縦梁部材が格子状に配設され、杭ガイド部材1
3,14がフーチング15の内面に連結支持されてい
る。また、フーチング15内には橋脚32の主柱33と
4つの補助柱34の下部が貫入し、この主柱33及び各
補助柱34がそれぞれ縦梁部材に連結支持されている。
そして、フーチング15内には橋脚32の下部が貫入し
て複数の縦梁部材に連結支持され、このフーチング15
から上方に向けて橋脚32が立設されることとなる。
【0020】また、このジャケット構造体11が水底地
盤に設置されたとき、フーチング15が飛沫帯に位置す
るように構成されており、このフーチング15の外周部
に防食処理が施されており、この防食処理としては、例
えば、表面にチタン合金などの高耐食性金属を固定した
り、被覆コンクリートを介して犠牲鋼板を固定するよう
にしている。
【0021】ところで、本実施形態では、ジャケット構
造体11を用いて橋桁31を建設する場合、このジャケ
ット構造体11を所定の設置場所まで浮上させて搬送す
るため、ジャケット構造体11に搬送装置を設けてい
る。即ち、図3に示すように、ジャケット構造体11の
各杭ガイド部材13,14は上端部が開口しており、こ
の上端開口部にはそれぞれ開閉弁51が装着され、各開
閉弁51は制御手段としてのコントローラ52に接続さ
れ、このコントローラ52には操作スイッチ53が接続
されている。また、各開閉弁51にはフーチング15上
に設置されたコンプレッサ54が接続され、このコンプ
レッサにはコントローラ52に接続されると共に電源5
5が接続されている。更に、このコントローラ52には
上下位置センサ56が接続され、海上におけるジャケッ
ト構造体11の浮上位置が入力されるようになってい
る。
【0022】ここで、上述したジャケット構造体11を
用いた橋桁31及び橋脚32の建設工法について、図4
及び図5を用いて説明する。
【0023】図4(a)に示すように、ジャケット構造体
11は所定の工場のドック41にて製作されており、製
作が完了するとドック41内に海水を入れてこのジャケ
ット構造体11を浮上させる。この場合、図4(b)に示
すように、コントローラ52により各開閉弁51を閉じ
て各杭ガイド部材13,14の上端部を閉塞すること
で、ジャケット構造体11は各杭ガイド部材13,14
及び中空形状をなすフーチング15により浮力を得て海
上42に浮上することができ、全体のバランスをとって
いる。そして、前後一対の曵船43によって海上42に
浮かんだジャケット構造体11を牽引し、設置場所まで
運搬する。
【0024】そして、曵船43によるジャケット構造体
11の曳航時、天候等による海域状態に応じてジャケッ
ト構造体11の浮上位置を調整する。即ち、荒天時など
で波が高いときには、ジャケット構造体11の曳航が不
安定になりやすいため、図4(c)に示すように、作業者
は操作スイッチ53によりコントローラ52を介して各
開閉弁51を開放し、各杭ガイド部材13,14内の空
気を大気開放することで、各杭ガイド部材13,14の
下端部から海水を導入し、ジャケット構造体11をやや
沈降させる。このとき、作業者は上下位置センサ56か
らコントローラ52に入力されるジャケット構造体11
の浮上位置を確認しながら操作スイッチ53操作するこ
とで、ジャケット構造体11を所望の浮上位置に調整す
ることができる。
【0025】このようにジャケット構造体11が荒天時
であっても安定した状態で設置場所まで曳航されると、
図5(a)に示すように、作業者は操作スイッチ53によ
りコントローラ52を介して各開閉弁51を全開し、各
杭ガイド部材13,14内に海水を導入することで、ジ
ャケット構造体11を水底地盤Gに載置する。このと
き、作業者は操作スイッチ53によりコントローラ52
を介してコンプレッサ54を駆動し、各杭ガイド部材1
3,14内に個別に空気を供給することで、ジャケット
構造体11を左右に移動し、水平方向に微調整して全体
のバランスをとりながら沈めていき、水底地盤Gの所定
の設置位置に位置決め載置する。
【0026】そして、ジャケット構造体11が水底地盤
Gの所定の位置に位置決めされると、まず、このジャケ
ット構造体11の上部に搭載した杭打ちハンマ44を用
いてジャケット構造体11の杭ガイド部材13内に直杭
19を挿入し、この杭打ちハンマ44により直杭19を
水底地盤Gへ打ち込んでいく。次に、図5(b)に示すよ
うに、杭打ちハンマ44を用いてジャケット構造体11
の杭ガイド部材14内に斜杭20を挿入し、この杭打ち
ハンマ44により斜杭20を水底地盤G(支持地盤)へ
打ち込んでいく。
【0027】この杭打ち作業により各杭ガイド部材1
3,14を介して直杭19及び斜杭20が水底地盤Gへ
打ち込まれると、杭ガイド部材13,14及び各杭1
9,20内の海水及び土砂を排出してから、杭ガイド部
材13,14と各杭19,20とを溶接等により連結固
定し、内部にコンクリートを打設することで、ジャケッ
ト構造体11を水底地盤Gに固定することができる。そ
して、このように杭打ち作業が完了して多数の杭19,
20によってジャケット構造体11が水底地盤Gに設置
されると、図5(c)に示すように、ジャケット構造体1
1の上部に橋脚32を延仲して橋桁31を建設する。
【0028】このように本実施形態にあっては、連結部
材12によって複数の杭ガイド部材13,14を連結
し、この各杭ガイド部材13,14の上端集合部に中空
形状をなす鋼板製のフーチング15を装着してジャケッ
ト構造体11を構成し、このジャケット構造体11に杭
ガイド部材13,14の上端開口部を開閉する開閉弁5
1とコントローラ52と操作スイッチ53からなる搬送
装置を搭載している。
【0029】従って、ドック41から設置場所へのジャ
ケット構造体11の運搬時に、各杭ガイド部材13,1
4の開閉弁51を閉塞することで、その浮力により海上
42を曳航し、所定の設置位置まで容易に搬送すること
ができると共に、この所定の設置位置で開閉弁51を開
放して杭ガイド部材13,14内に海水を導入すること
で、ジャケット構造体11を沈下させることができ、運
搬用の大型クレーン船及び台船が不要となると共に、設
置時の吊上げ・吊下げ作業も不要となり、コスト低減、
作業時間の短縮による作業効率の向上が図れる。
【0030】また、ジャケット構造体11の曳航時、天
候等による海域状態、即ち、荒天時などで海上42の波
が高いときには、コントローラ52により各開閉弁51
を開放し、各杭ガイド部材13,14内の空気を開放し
て下端部から海水を導入することで、ジャケット構造体
11をやや沈降させて浮上位置を調整することができ、
海域状態に拘らず、ジャケット構造体11を安定して曳
航することができる。更に、このジャケット構造体11
を設置するための沈下時に、コンプレッサ54を駆動し
て各杭ガイド部材13,14内に個別に空気を供給する
ことで、ジャケット構造体11を水平方向に微調整する
ことで、水底地盤Gの所定の設置位置に精度良く位置決
め設置することができる。
【0031】なお、上述の実施形態では、ジャケット構
造体11のフーチング15を矩形箱型形状に形成した
が、中空形状であればその形状に限定されるものではな
く、円形箱型形状でもよい。また、図1に詳細に示すよ
うに、2つのジャケット構造体11を並設して設置し、
門型をなす橋脚32を支持するようにしたが、1つのジ
ャケット構造体11を設置し、I型の橋脚を支持するよ
うにしてもよい。
【0032】図6に本発明の第2実施形態に係るジャケ
ット構造体の搬送装置の概略、図7に本発明の第3、第
4、第5実施形態に係るジャケット構造体の搬送方法の
概略を示す。なお、前述した実施形態で説明したものと
同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複す
る説明は省略する。
【0033】第2実施形態では、図6(a)に示すよう
に、ジャケット構造体11における各連結部材12と各
杭ガイド部材13,14とで区画された領域に空気袋6
1を装着する一方、フーチング15の上部に図示しない
電源に接続された空気給排ポンプ62を装着し、空気袋
61にエアチューブ63を介して空気給排ポンプ62が
接続されている。なお、この場合、空気袋61は前述し
たジャケット構造体11の区画領域に位置して脱落する
ことはないが、数カ所を仮止めしてもよい。
【0034】従って、ジャケット構造体11は所定の工
場のドック41にて製作され、空気袋61や空気給排ポ
ンプ62等の搬送装置も装着される。ここで、空気給排
ポンプ62を駆動してエアチューブ63を介して空気を
供給し、空気袋61を膨張させてからドック41内に海
水を入れてこのジャケット構造体11を浮上させる。そ
して、図6(b)に示すように、ジャケット構造体11は
この膨張した空気袋61により浮力を得て海上42に浮
上することができ、前後一対の曵船43によって牽引さ
れ、設置場所まで運搬される。
【0035】なお、曵船43によるジャケット構造体1
1の曳航時、荒天時などで波が高いときには、ジャケッ
ト構造体11の曳航が不安定になりやすいため、空気給
排ポンプ62を駆動してエアチューブ63を介して空気
袋61内の空気を排出することで、ジャケット構造体1
1の浮力を減少してジャケット構造体11をやや沈降さ
せ、ジャケット構造体11を安定した状態で曳航させる
こともできる。
【0036】このようにジャケット構造体11が安定し
た状態で設置場所まで曳航されると、図5(c)に示すよ
うに、空気給排ポンプ62を駆動して空気袋61内の空
気を徐々に排出することで、ジャケット構造体11をゆ
っくりと全体のバランスをとりながら沈めていき、水底
地盤Gの所定の設置位置に位置決め載置する。その後、
収縮した空気袋61を回収するが、この場合、予め空気
袋61の牽引ロープを連結しており、フーチング15上
からウインチを用いて引き上げるようにしてもよい。そ
して、ジャケット構造体11が水底地盤Gの所定の位置
に位置決めされると、前述の実施形態と同様に、ジャケ
ット構造体11の上部に搭載した杭打ちハンマ(図示
略)により杭ガイド部材13,14を用いて直杭19及
び斜杭20を水底地盤Gへ打ち込む。続いて、杭ガイド
部材13,14及び各杭19,20内の海水及び土砂を
排出してから溶接等により連結固定し、内部にコンクリ
ートを打設することで、ジャケット構造体11を水底地
盤Gに固定し、上部に橋脚を延伸して斜張橋を建設す
る。
【0037】このように本実施形態にあっては、ジャケ
ット構造体11における各連結部材12と各杭ガイド部
材13,14とで区画された領域に空気袋61を装着す
ることで、膨張した空気袋61から浮力を得てジャケッ
ト構造体11を曳航させるようにしている。従って、ジ
ャケット構造体11に空気袋61と空気給排ポンプ62
を搭載するだけでこのジャケット構造体11を浮上させ
ることができ、使用後の空気袋61の回収も容易とな
り、ジャケット構造体11に別途浮力を得るためのバラ
ストタンク等が不要となり、簡単な構造でジャケット構
造体11を曳航することができる。そして、空気袋61
はジャケット構造体11の区画領域に配設されているた
めに、特に強固な取付を行う必要はなく、着脱が容易と
なってコストも低減できる。
【0038】また、第3実施形態では、図7(a)に示す
ように、ジャケット構造体11のフーチング15にコン
プレッサ71を搭載すると共に、このコンプレッサ71
を配管72を介して各杭ガイド部材13,14の上端部
に連結している。従って、ジャケット構造体11は、コ
ンプレッサ71を駆動して配管72を介して各杭ガイド
部材13,14内に空気を供給し続けると共に、各杭ガ
イド部材13,14の下端部から排出することで、浮力
を得て海上42に浮上することができ、曵船43によっ
て牽引され、設置場所まで運搬することができる。
【0039】また、第4実施形態では、図7(b)に示す
ように、ジャケット構造体11を上下逆の状態でドック
で製作して海上42に導入する。従って、ジャケット構
造体11は下部の密閉されたフーチング15内の空気か
ら浮力を得て海上42に浮上することができ、曵船43
によって牽引されて設置場所まで運搬し、ここでフーチ
ング15にロープを連結して牽引することで反転させ、
上部にフーチング15が位置する通常状態で沈下させて
設置することができる。
【0040】更に、第5実施形態では、図7(c)に示す
ように、ジャケット構造体11を横倒しの状態でドック
で製作して一部、あるいは全ての杭ガイド部材13,1
4の端部に蓋73を取付けて海上42に導入する。従っ
て、ジャケット構造体11はフーチング15と杭ガイド
部材13,14内の空気から浮力を得て海上42に浮上
することができ、曵船43によって牽引されて設置場所
まで運搬することができる。
【0041】
【発明の効果】以上、上述した実施形態によって詳細に
説明したように請求項1の発明のジャケット構造体の搬
送装置によれば、筒形状をなして上下に貫通する複数の
杭ガイド部材が連結部材によって一体に連結されたジャ
ケット構造体を所定の水域まで浮上搬送するジャケット
構造体の搬送装置において、各杭ガイド部材の上端開口
部にそれぞれ開閉弁を装着し、水域状態に応じて制御手
段によりこの開閉弁を開閉制御するようにしたので、杭
ガイド部材の開閉弁を閉塞することでその浮力によりジ
ャケット構造体を浮上させて設置位置まで容易に搬送す
ることができ、ジャケット構造物の搬送コストを低減す
ることができると共に搬送作業の作業性の向上を図るこ
とができ、また、天候等による海域状態に応じて各開閉
弁を開閉して浮力を変更することで、ジャケット構造体
の浮上位置を調整し、このジャケット構造体を安定して
搬送することができる。
【0042】また、請求項2の発明のジャケット構造体
の搬送装置によれば、開閉弁にコンプレッサを接続して
このコンプレッサを制御手段により駆動制御可能とした
ので、ジャケット構造体を設置するための沈下時に、コ
ンプレッサを駆動して各杭ガイド部材内に個別に空気を
供給することで、ジャケット構造体を水平方向に微調整
して水底地盤の所定の設置位置に精度良く位置決め設置
することができる。
【0043】また、請求項3の発明のジャケット構造体
の搬送装置によれば、筒形状をなす複数の杭ガイド部材
が連結部材によって一体に連結されたジャケット構造体
を所定の水域まで浮上搬送するジャケット構造体の搬送
装置において、各杭ガイド部材により区画された領域に
空気袋を装着し、この空気袋内に空気を給排するポンプ
を接続したので、ポンプにより空気袋を膨張させるだけ
でジャケット構造体の浮力を確保し、その浮力によりジ
ャケット構造体を浮上させて設置位置まで容易に搬送す
ることができ、また、空気袋がジャケット構造体の区画
領域に配設されているために特に強固な取付を行う必要
はなく、且つ、装着及び回収が容易となり、構造の簡素
化、低コスト化が可能となると共に、搬送作業の作業性
の向上を図ることができる。
【0044】また、請求項4の発明のジャケット構造体
の搬送方法によれば、筒形状をなして上下に貫通する複
数の杭ガイド部材が連結部材によって一体に連結された
ジャケット構造体を所定の水域まで浮上搬送するジャケ
ット構造体の搬送方法において、水域状態に応じて各杭
ガイド部材内の空気量を変更することで、ジャケット構
造体の浮上高さを調整するようにしたので、天候等によ
る海域状態に応じてジャケット構造体の浮上位置を調整
することができ、このジャケット構造体を安定して搬送
することができる。
【0045】また、請求項5の発明のジャケット構造体
の搬送方法によれば、各杭ガイド部材内の空気量を増減
しながら、ジャケット構造体を所定の設置位置に位置決
め設置するようにしたので、ジャケット構造体を水平方
向に微調整して水底地盤の所定の設置位置に精度良く位
置決め設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るジャケット構造体
によって構築された橋脚の概略図である。
【図2】本実施形態のジャケット構造体の概略図であ
る。
【図3】本実施形態のジャケット構造体の搬送装置の概
略図である。
【図4】ジャケット構造体による橋脚の構築作業を表す
概略図である。
【図5】ジャケット構造体による橋脚の構築作業を表す
概略図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るジャケット構造体
の搬送装置の概略図である。
【図7】本発明の第3、第4、第5実施形態に係るジャ
ケット構造体の搬送方法の概略図である。
【図8】従来のジャケット式基礎によって建設された橋
脚の概略図である。
【符号の説明】
11 ジャケット構造体 12 連結部材 13,14 杭ガイド部材 15 フーチング 19 直杭 20 斜杭 31 橋桁 32 橋脚(構造物) 41 ドック 42 海上 43 曳船 51 開閉弁 52 コントローラ(制御手段) 53 操作スイッチ 54 コンプレッサ 56 上下位置センサ 61 空気袋 62 空気給排ポンプ G 水底地盤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 伸介 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 Fターム(参考) 2D046 CA07 DA03 DA62

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒形状をなして上下に貫通する複数の杭
    ガイド部材が連結部材によって一体に連結されたジャケ
    ット構造体を所定の水域まで浮上搬送するジャケット構
    造体の搬送装置において、前記各杭ガイド部材の上端開
    口部にそれぞれ装着された開閉弁と、水域状態に応じて
    該開閉弁を開閉制御する制御手段とを具えたことを特徴
    とするジャケット構造体の搬送装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のジャケット構造体の搬送
    装置において、前記各開閉弁にコンプレッサを接続し、
    該コンプレッサを前記制御手段により駆動制御可能とし
    たことを特徴とするジャケット構造体の搬送装置。
  3. 【請求項3】 筒形状をなす複数の杭ガイド部材が連結
    部材によって一体に連結されたジャケット構造体を所定
    の水域まで浮上搬送するジャケット構造体の搬送装置に
    おいて、前記各杭ガイド部材により区画された領域に装
    着された空気袋と、該空気袋内に空気を給排するポンプ
    とを具えたことを特徴とするジャケット構造体の搬送装
    置。
  4. 【請求項4】 筒形状をなして上下に貫通する複数の杭
    ガイド部材が連結部材によって一体に連結されたジャケ
    ット構造体を所定の水域まで浮上搬送するジャケット構
    造体の搬送方法において、水域状態に応じて前記各杭ガ
    イド部材内の空気量を変更することで、前記ジャケット
    構造体の浮上高さを調整することを特徴とするジャケッ
    ト構造体の搬送方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のジャケット構造体の搬送
    方法において、前記各杭ガイド部材内の空気量を増減し
    ながら、前記ジャケット構造体を所定の設置位置に位置
    決め設置することを特徴とするジャケット構造体の搬送
    方法。
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CN103541349A (zh) * 2012-07-10 2014-01-29 株式会社乐斯克日本 基础构造物和利用其获得的完成构造物
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JPH1096241A (ja) * 1996-09-20 1998-04-14 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ジャケット構造体

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