JP2002045781A - 耐熱低反射性表面およびその形成方法 - Google Patents
耐熱低反射性表面およびその形成方法Info
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- JP2002045781A JP2002045781A JP2000236403A JP2000236403A JP2002045781A JP 2002045781 A JP2002045781 A JP 2002045781A JP 2000236403 A JP2000236403 A JP 2000236403A JP 2000236403 A JP2000236403 A JP 2000236403A JP 2002045781 A JP2002045781 A JP 2002045781A
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Abstract
(57)【要約】
カーボン繊維を静電植毛法により加熱した金属板上に熱
可塑性ポリイミド材料表面によって植え付けることを特
徴とする低反射性表面の形成方法。 【課題】耐熱低反射性表面の提供とその形成方法の提案 【解決手段】直径3〜15μm、長さ20〜500μ
m、直径に対する長さの比3〜50のカーボン繊維を静
電植毛法により加熱した金属板上に熱可塑性ポリイミド
材料表面によって植え付けることにより耐熱低反射性表
面を形成する。
可塑性ポリイミド材料表面によって植え付けることを特
徴とする低反射性表面の形成方法。 【課題】耐熱低反射性表面の提供とその形成方法の提案 【解決手段】直径3〜15μm、長さ20〜500μ
m、直径に対する長さの比3〜50のカーボン繊維を静
電植毛法により加熱した金属板上に熱可塑性ポリイミド
材料表面によって植え付けることにより耐熱低反射性表
面を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーボン短繊維を
静電植毛方式を用いてガラス転移温度以上に加熱した熱
可塑性ポリイミド材料表面によって植え付けることによ
り、近紫外から赤外域の電磁波の反射率が著しく低く、
かつその反射率が入射角にほとんど依存しない耐熱低反
射性表面を形成する方法および本方法により形成された
耐熱低反射性表面に関する。
静電植毛方式を用いてガラス転移温度以上に加熱した熱
可塑性ポリイミド材料表面によって植え付けることによ
り、近紫外から赤外域の電磁波の反射率が著しく低く、
かつその反射率が入射角にほとんど依存しない耐熱低反
射性表面を形成する方法および本方法により形成された
耐熱低反射性表面に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、人工衛星等の宇宙機は、ミッショ
ンの全期間において搭載機器が正常に動作し得る許容温
度範囲を維持するため、その表面に塗料、蒸着、酸化、
テープ等の種々の熱制御コーティングが施される。これ
ら熱制御コーティングは、表面の放射特性(太陽光吸収
率、放射率)によって入熱および放熱量を規制し、宇宙
機の温度を制御するものであり、一般に宇宙機に要求さ
れる温度域等により適切なコーティングが選定される。
これらの熱制御コーティングのうち、太陽光吸収率が高
くかつ放射率の高い表面、すなわち紫外から赤外におよ
ぶ太陽光スペクトル域の電磁波に対する反射率の低い表
面が要求される際には、従来では黒色塗料、あるいは黒
色に発色させた陽極酸化等が用いられてきた。
ンの全期間において搭載機器が正常に動作し得る許容温
度範囲を維持するため、その表面に塗料、蒸着、酸化、
テープ等の種々の熱制御コーティングが施される。これ
ら熱制御コーティングは、表面の放射特性(太陽光吸収
率、放射率)によって入熱および放熱量を規制し、宇宙
機の温度を制御するものであり、一般に宇宙機に要求さ
れる温度域等により適切なコーティングが選定される。
これらの熱制御コーティングのうち、太陽光吸収率が高
くかつ放射率の高い表面、すなわち紫外から赤外におよ
ぶ太陽光スペクトル域の電磁波に対する反射率の低い表
面が要求される際には、従来では黒色塗料、あるいは黒
色に発色させた陽極酸化等が用いられてきた。
【0003】しかし、これらのコーティングには次に示
す問題点があった。まず第1に、宇宙空間において紫外
線、電子線、陽子線等の照射を受けて劣化し、その放射
特性が変化する。第2に、電磁波の入射角が大きくなる
とその表面の反射率が大きくなる。これらの特性値の変
化により宇宙機が遭遇する温度幅が広くなり、当初の許
容温度範囲を満足しなくなる等である。
す問題点があった。まず第1に、宇宙空間において紫外
線、電子線、陽子線等の照射を受けて劣化し、その放射
特性が変化する。第2に、電磁波の入射角が大きくなる
とその表面の反射率が大きくなる。これらの特性値の変
化により宇宙機が遭遇する温度幅が広くなり、当初の許
容温度範囲を満足しなくなる等である。
【0004】また、カメラ、分光器等の光学機器におい
ては、迷光を防止するためフード等の表面に反射率の低
い黒色塗料の塗布、あるいはフェルト等の貼付け等を行
っている。しかし高精度の光学機器では相当に低い反射
率が要求され、前記の方法で得られる表面では不十分で
あり、さらに低い反射率を呈する表面が望まれており、
近紫外から赤外域の電磁波に対して著しく低い反射率を
呈し得る満足な表面の形成方法の開発が望まれていた。
ては、迷光を防止するためフード等の表面に反射率の低
い黒色塗料の塗布、あるいはフェルト等の貼付け等を行
っている。しかし高精度の光学機器では相当に低い反射
率が要求され、前記の方法で得られる表面では不十分で
あり、さらに低い反射率を呈する表面が望まれており、
近紫外から赤外域の電磁波に対して著しく低い反射率を
呈し得る満足な表面の形成方法の開発が望まれていた。
【0005】近紫外から赤外域の電磁波に対して著しく
低い反射率が要求される人工衛星等の宇宙機器表面ある
いはカメラ等の光学機器フード表面等に適用し得る低反
射性表面の形成方法としては、特公昭61−51954
号に、従来のコーティング法の欠点をなくし、低反射性
表面を形成せしめる方法として、金属、プラスチック等
の材料表面にカーボン短繊維を静電植毛技術を用いて植
え付けることにより、表面に入射した電磁波がこの直立
した繊維間で効率良く散乱、吸収されて反射率が著しく
低下し、かつその反射率は入射角にほとんど依存しない
ことが開示されている。
低い反射率が要求される人工衛星等の宇宙機器表面ある
いはカメラ等の光学機器フード表面等に適用し得る低反
射性表面の形成方法としては、特公昭61−51954
号に、従来のコーティング法の欠点をなくし、低反射性
表面を形成せしめる方法として、金属、プラスチック等
の材料表面にカーボン短繊維を静電植毛技術を用いて植
え付けることにより、表面に入射した電磁波がこの直立
した繊維間で効率良く散乱、吸収されて反射率が著しく
低下し、かつその反射率は入射角にほとんど依存しない
ことが開示されている。
【0006】すなわち、特公昭61−51954号に記
載の低反射性表面形成方法は、直径3〜15μm、長さ
20〜500μm、直径に対する長さの比が3〜50の
カーボン繊維を、電極間距離2〜30cm、電界強度2
〜25kV/cmのもとで、静電植毛により金属、例え
ばアルミニウム、ベリリウム、チタン等またはプラスチ
ック例えばポリ塩化ビニル、テフロン(登録商標)、ガ
ラス繊維強化プラスチック(FRP)、カーボン繊維強
化プラスチック(CFRP)、カプトン等の如きプラス
チック等の表面に植え付けることを特徴とする方法であ
る。
載の低反射性表面形成方法は、直径3〜15μm、長さ
20〜500μm、直径に対する長さの比が3〜50の
カーボン繊維を、電極間距離2〜30cm、電界強度2
〜25kV/cmのもとで、静電植毛により金属、例え
ばアルミニウム、ベリリウム、チタン等またはプラスチ
ック例えばポリ塩化ビニル、テフロン(登録商標)、ガ
ラス繊維強化プラスチック(FRP)、カーボン繊維強
化プラスチック(CFRP)、カプトン等の如きプラス
チック等の表面に植え付けることを特徴とする方法であ
る。
【0007】これら金属またはプラスチック上に静電植
毛法により低反射性表面を形成するにあたってはカーボ
ン繊維を基材上に保持するための接着層が必須である。
この接着層の接着性および耐熱性の相違により、たとえ
ば低反射性表面を宇宙空間において使用する場合、宇宙
機が遭遇する許容温度範囲が限定されてしまったり、ま
た低反射性表面を冷却効率向上のために高温ラジエータ
ーの表面材として使用する場合においては、その使用可
能温度域に大きく制限を与えてしまう可能性がある。こ
のように低反射性表面の実用化を考えた場合カーボン繊
維を支持する接着層は重要な役割を担っているにもかか
わらず、全く検討されていないのが現状であった。
毛法により低反射性表面を形成するにあたってはカーボ
ン繊維を基材上に保持するための接着層が必須である。
この接着層の接着性および耐熱性の相違により、たとえ
ば低反射性表面を宇宙空間において使用する場合、宇宙
機が遭遇する許容温度範囲が限定されてしまったり、ま
た低反射性表面を冷却効率向上のために高温ラジエータ
ーの表面材として使用する場合においては、その使用可
能温度域に大きく制限を与えてしまう可能性がある。こ
のように低反射性表面の実用化を考えた場合カーボン繊
維を支持する接着層は重要な役割を担っているにもかか
わらず、全く検討されていないのが現状であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は近紫外
から赤外域の電磁波に対して著しく低い反射率が要求さ
れる人工衛星等の宇宙機器表面やカメラや望遠鏡の内部
材、標準光学部品壁、さらには高温下での使用が予測さ
れる高温ラジエーター表面材等に適応し得る耐熱低反射
性表面の形成方法および本方法により形成される耐熱低
反射性表面を提供することにある。
から赤外域の電磁波に対して著しく低い反射率が要求さ
れる人工衛星等の宇宙機器表面やカメラや望遠鏡の内部
材、標準光学部品壁、さらには高温下での使用が予測さ
れる高温ラジエーター表面材等に適応し得る耐熱低反射
性表面の形成方法および本方法により形成される耐熱低
反射性表面を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは従来の静電
植毛法で得られる低反射性表面の欠点をなくし、耐熱低
反射性表面を形成せしめる方法として、金属板上に形成
した熱可塑性ポリイミド材料表面に加熱下においてカー
ボン短繊維を静電植毛法を用いて植え付けることによ
り、高温下においても表面に入射した電磁波がこの直立
した繊維間で効率良く散乱、吸収されて反射率が著しく
低下した耐熱低反射性表面が得られることを見い出し
た。すなわち、本出願に係る発明は、以下の[1]〜
[2]に記載した事項により特定される。
植毛法で得られる低反射性表面の欠点をなくし、耐熱低
反射性表面を形成せしめる方法として、金属板上に形成
した熱可塑性ポリイミド材料表面に加熱下においてカー
ボン短繊維を静電植毛法を用いて植え付けることによ
り、高温下においても表面に入射した電磁波がこの直立
した繊維間で効率良く散乱、吸収されて反射率が著しく
低下した耐熱低反射性表面が得られることを見い出し
た。すなわち、本出願に係る発明は、以下の[1]〜
[2]に記載した事項により特定される。
【0010】[1] 直径3〜15μm、長さ20〜5
00μm、直径に対する長さの比3〜50のカーボン繊
維を、電極間距離2〜30cm、電界強度2〜25kV
/cmのもとで静電植毛により、加熱した金属板上に熱
可塑性ポリイミド材料表面によって植え付けることを特
徴とする低反射性表面の形成方法。
00μm、直径に対する長さの比3〜50のカーボン繊
維を、電極間距離2〜30cm、電界強度2〜25kV
/cmのもとで静電植毛により、加熱した金属板上に熱
可塑性ポリイミド材料表面によって植え付けることを特
徴とする低反射性表面の形成方法。
【0011】[2] [1]記載の方法で製造すること
を特徴とする耐熱低反射性表面。
を特徴とする耐熱低反射性表面。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本出願に係る発明の実施の
形態につき説明する。
形態につき説明する。
【0013】本発明に用いられるカーボン繊維はそれ自
体の反射率が紫外から赤外域にわたり低いこと、強度が
大で耐摩耗性に優れていること、紫外線等による劣化が
極めて小さいこと等の利点を有しており、また適度な導
電性を持つために合成繊維等では必要な静電植毛時の電
着処理が不要である。ただしカーボン繊維で表面を単に
被覆するのみでは、本発明によって得られる表面のよう
な利点は持ち得ず、静電植毛により短繊維を表面に直立
させることによってはじめて優れた表面となるのであ
る。本発明に用いられるカーボン繊維の直径は、3〜1
5μm、好ましくは5〜12μmで、長さは20〜50
0μm、好ましくは50〜300μmであり、直径に対
する長さの比は3〜50、好ましくは10〜30の範囲
が適当である。上記の範囲より長くて細いときには短繊
維の絡み合いが甚だしく、静電植毛時の短繊維の飛翔状
態が極めて悪くなる。また上記範囲より短くて太い時に
は、植毛した表面の反射率が高くなる。
体の反射率が紫外から赤外域にわたり低いこと、強度が
大で耐摩耗性に優れていること、紫外線等による劣化が
極めて小さいこと等の利点を有しており、また適度な導
電性を持つために合成繊維等では必要な静電植毛時の電
着処理が不要である。ただしカーボン繊維で表面を単に
被覆するのみでは、本発明によって得られる表面のよう
な利点は持ち得ず、静電植毛により短繊維を表面に直立
させることによってはじめて優れた表面となるのであ
る。本発明に用いられるカーボン繊維の直径は、3〜1
5μm、好ましくは5〜12μmで、長さは20〜50
0μm、好ましくは50〜300μmであり、直径に対
する長さの比は3〜50、好ましくは10〜30の範囲
が適当である。上記の範囲より長くて細いときには短繊
維の絡み合いが甚だしく、静電植毛時の短繊維の飛翔状
態が極めて悪くなる。また上記範囲より短くて太い時に
は、植毛した表面の反射率が高くなる。
【0014】本発明に用いられる熱可塑性ポリイミド材
料はそれ自体の耐熱性が高いこと、強度が大で、耐薬品
性、電気特性に優れている等の利点を有しており、日本
特許登録番号2126791号、2533841号、2
537179号等記載のいずれの熱可塑性ポリイミドも
使用することができる。また耐熱低反射性表面を形成す
るにあたっては、静電植毛法を用いて低反射性表面を熱
可塑性ポリイミド材料上に形成することより、銀、銅、
アルミニウム、SUS等の導電性材料と熱可塑性ポリイ
ミドが一体化した特公平7−40626号報に記載の材
料を使用することもできる。
料はそれ自体の耐熱性が高いこと、強度が大で、耐薬品
性、電気特性に優れている等の利点を有しており、日本
特許登録番号2126791号、2533841号、2
537179号等記載のいずれの熱可塑性ポリイミドも
使用することができる。また耐熱低反射性表面を形成す
るにあたっては、静電植毛法を用いて低反射性表面を熱
可塑性ポリイミド材料上に形成することより、銀、銅、
アルミニウム、SUS等の導電性材料と熱可塑性ポリイ
ミドが一体化した特公平7−40626号報に記載の材
料を使用することもできる。
【0015】静電植毛時の電極間距離は2〜30cm、
好ましくは3〜20cmで、電界強度は2〜25kV/
cm、好ましくは3〜10kV/cmの範囲が適当であ
る。電極間距離が2cm未満では加工むらが著しく、ま
た30cmより大では印加電圧が極めて大きくなり印加
装置が過大になる。一方、電界強度が2kV/cm未満
ではカーボン繊維の熱可塑性ポリイミド材料表面への飛
翔割合が小さくなり、また25kV/cmより大ではコ
ロナ放電を生じやすい。
好ましくは3〜20cmで、電界強度は2〜25kV/
cm、好ましくは3〜10kV/cmの範囲が適当であ
る。電極間距離が2cm未満では加工むらが著しく、ま
た30cmより大では印加電圧が極めて大きくなり印加
装置が過大になる。一方、電界強度が2kV/cm未満
ではカーボン繊維の熱可塑性ポリイミド材料表面への飛
翔割合が小さくなり、また25kV/cmより大ではコ
ロナ放電を生じやすい。
【0016】また静電植毛時の熱可塑性ポリイミド材料
の加熱温度は熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度以上
の温度ならば問題なく150〜450℃、好ましくは3
00℃〜400℃である。
の加熱温度は熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度以上
の温度ならば問題なく150〜450℃、好ましくは3
00℃〜400℃である。
【0017】上記構成とすることにより本発明の方法に
より得られる表面は第1に近紫外から赤外域の電磁波に
対する反射率が0.01〜0.02程度と著しく低く、
第2にその反射率が入射角にほとんど依存せず、第3に
紫外線等による劣化が小さく、第4にこの様な低反射性
特性を150℃以上の高温においても保持している。
より得られる表面は第1に近紫外から赤外域の電磁波に
対する反射率が0.01〜0.02程度と著しく低く、
第2にその反射率が入射角にほとんど依存せず、第3に
紫外線等による劣化が小さく、第4にこの様な低反射性
特性を150℃以上の高温においても保持している。
【0018】
【実施例】以下実施例をあげて本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定され
るものではなく、種々応用実施できる。
説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定され
るものではなく、種々応用実施できる。
【0019】[実施例1]直径約6μm、長さ100〜
300μmのカーボン短繊維を、電極間距離4cm、電
界強度3.5kV/cmの条件下で、350℃に加熱し
た105μmの電解銅箔層と熱可塑性ポリイミド層から
構成される熱可塑性ポリイミド材料(三井化学製NEX
−1mWE(203))表面に静電植毛により植え付け
た。これにより熱可塑性ポリイミドで覆われた電解銅箔
表面の27.3%に相当する表面がカーボン短繊維で覆
われた。得られた表面を室温まで冷却した後、入射角5
°の光に対する分光反射率を測定したところ波長範囲
0.3〜1.6μmにおいて0.012〜0.023と
極めて低いものであった。また光の入射角を60°まで
変化させてもその反射率はほとんど変化しなかった。な
お分光反射率の測定は、モノクロメータと積分球を用い
て行った。
300μmのカーボン短繊維を、電極間距離4cm、電
界強度3.5kV/cmの条件下で、350℃に加熱し
た105μmの電解銅箔層と熱可塑性ポリイミド層から
構成される熱可塑性ポリイミド材料(三井化学製NEX
−1mWE(203))表面に静電植毛により植え付け
た。これにより熱可塑性ポリイミドで覆われた電解銅箔
表面の27.3%に相当する表面がカーボン短繊維で覆
われた。得られた表面を室温まで冷却した後、入射角5
°の光に対する分光反射率を測定したところ波長範囲
0.3〜1.6μmにおいて0.012〜0.023と
極めて低いものであった。また光の入射角を60°まで
変化させてもその反射率はほとんど変化しなかった。な
お分光反射率の測定は、モノクロメータと積分球を用い
て行った。
【0020】[実施例2〜5]実施例1で得られた低反
射性表面を150℃、180℃、210℃、240℃で
3時間の後熱処理をおこなった後、入射角5°の波長範
囲0.3〜1.6μmにおける分光反射率を測定した。
その結果を実施例1の結果と併せて表1に示す。これら
の結果より熱可塑性ポリイミドに覆われた電解銅箔上に
形成された低反射性表面は150〜240℃の高温にさ
らされても、その分光反射率は、波長範囲0.3〜1.
6μmにおいて0.012〜0.023と極めて低い範
囲で保持されていることが判る。
射性表面を150℃、180℃、210℃、240℃で
3時間の後熱処理をおこなった後、入射角5°の波長範
囲0.3〜1.6μmにおける分光反射率を測定した。
その結果を実施例1の結果と併せて表1に示す。これら
の結果より熱可塑性ポリイミドに覆われた電解銅箔上に
形成された低反射性表面は150〜240℃の高温にさ
らされても、その分光反射率は、波長範囲0.3〜1.
6μmにおいて0.012〜0.023と極めて低い範
囲で保持されていることが判る。
【0021】
【表1】
【0022】[表1の凡例] 1)熱可塑性ポリイミドに覆われた電解銅箔面 2)α-シアノアクリレート系接着剤を塗布した電解銅
箔面
箔面
【0023】[比較例1]直径約6μm、長さ100〜
300μmのカーボン短繊維を、電極間距離4cm、電
界強度3.5kV/cmの条件下で、α−シアノアクリ
レート系接着剤を塗布した電解銅箔上に静電植毛により
植え付けた。これにより電解銅箔上表面の26.6%に
相当する表面積がカーボン短繊維で覆われた。本試料表
面の入射角5°の光に対する分光反射率は、波長範囲
0.3〜1.6μmにおいて0.012〜0.023と
極めて低いものであった。また光の入射角を60°まで
変化させてもその反射率はほとんど変化しなかった。
300μmのカーボン短繊維を、電極間距離4cm、電
界強度3.5kV/cmの条件下で、α−シアノアクリ
レート系接着剤を塗布した電解銅箔上に静電植毛により
植え付けた。これにより電解銅箔上表面の26.6%に
相当する表面積がカーボン短繊維で覆われた。本試料表
面の入射角5°の光に対する分光反射率は、波長範囲
0.3〜1.6μmにおいて0.012〜0.023と
極めて低いものであった。また光の入射角を60°まで
変化させてもその反射率はほとんど変化しなかった。
【0024】[比較例2〜5]比較例1で得られた低反
射性表面を150℃、180℃、210℃、240℃で
3時間の後熱処理を行った後、入射角5°の波長範囲
0.3〜1.6μmにおける分光反射率を測定した。そ
の結果を実施例および比較例1の結果とあわせて表1に
示す。これらの結果より、α―シアノアクリレート系接
着剤を塗布した電解銅箔上に形成された低反射性表面
は、150℃以上の高温にさらされることにより、その
分光反射率が高い値を示すようになることが判る。
射性表面を150℃、180℃、210℃、240℃で
3時間の後熱処理を行った後、入射角5°の波長範囲
0.3〜1.6μmにおける分光反射率を測定した。そ
の結果を実施例および比較例1の結果とあわせて表1に
示す。これらの結果より、α―シアノアクリレート系接
着剤を塗布した電解銅箔上に形成された低反射性表面
は、150℃以上の高温にさらされることにより、その
分光反射率が高い値を示すようになることが判る。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性ポリイミド材
料の表面にカーボン短繊維の静電植毛を施すことによ
り、近紫外から赤外域の電磁波の反射率が著しく小さ
く、かつその反射率が入射角にほとんど依存しない耐熱
性を有する表面を形成することが可能であり、宇宙機器
における熱制御コーティング、高温ラジエーター表面な
らびにカメラ等の工学機器フード表面等の反射特性調整
等に寄与する技術として極めて有益である。
料の表面にカーボン短繊維の静電植毛を施すことによ
り、近紫外から赤外域の電磁波の反射率が著しく小さ
く、かつその反射率が入射角にほとんど依存しない耐熱
性を有する表面を形成することが可能であり、宇宙機器
における熱制御コーティング、高温ラジエーター表面な
らびにカメラ等の工学機器フード表面等の反射特性調整
等に寄与する技術として極めて有益である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 15/08 B32B 15/08 R 15/16 15/16 Fターム(参考) 4D075 AA09 AA25 EA03 EB01 4F034 AA09 DA26 4F100 AB01B AB17 AD11A AK49C BA03 BA07 BA10A BA10B DG01A DG08A EJ62A GB90 JB16C JJ03 JN06 YY00A
Claims (2)
- 【請求項1】 直径3〜15μm、長さ20〜500μ
m、直径に対する長さの比3〜50のカーボン繊維を、
電極間距離2〜30cm、電界強度2〜25kV/cm
のもとで静電植毛により、加熱した金属板上に熱可塑性
ポリイミド材料表面によって植え付けることを特徴とす
る低反射性表面の形成方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の方法で製造することを特
徴とする耐熱低反射性表面。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000236403A JP2002045781A (ja) | 2000-08-04 | 2000-08-04 | 耐熱低反射性表面およびその形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000236403A JP2002045781A (ja) | 2000-08-04 | 2000-08-04 | 耐熱低反射性表面およびその形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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