JP2002045648A - 排ガスの処理方法およびこれに使用する装置 - Google Patents

排ガスの処理方法およびこれに使用する装置

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JP2002045648A
JP2002045648A JP2001153633A JP2001153633A JP2002045648A JP 2002045648 A JP2002045648 A JP 2002045648A JP 2001153633 A JP2001153633 A JP 2001153633A JP 2001153633 A JP2001153633 A JP 2001153633A JP 2002045648 A JP2002045648 A JP 2002045648A
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alumina
adsorbent
packed tower
based adsorbent
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Satoshi Araha
智 新葉
Toshiyuki Mizoe
利之 溝江
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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  • Treating Waste Gases (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排ガス中の有機塩素系化合物を効率よく吸着
除去することができる排ガスの処理方法、および吸着塔
内の温度が上昇するときでも発火の可能性が低い排ガス
処理装置を提供する 【解決手段】 燃焼炉から排出される排ガスを集塵機に
導き、集塵機を通過した排ガスをアルミナ系吸着剤充填
塔に導き、有機塩素系化合物を吸着除去することを特徴
とする排ガスの処理方法、および細孔半径に対する細孔
容積の分布曲線において、細孔半径1nm以上10nm
以下と10nmを超え2000nm以下との2つの範囲
に各々少なくとも1つの極大値を示す細孔構造を有し、
BET比表面積が30m2/g以上であり、平均粒子径
が0.01mm〜50mmであるアルミナ系吸着剤を入
れた充填塔を備えたことを特徴とする排ガス処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガスの処理方法
およびこれに使用する装置に関するものであり、詳細に
は、燃焼炉から排出される排ガスに含まれる有機塩素系
化合物を吸着除去するための排ガスの処理方法およびこ
れに使用する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】産業廃棄物焼却施設の燃焼炉から排出さ
れる排ガスには有機塩素系化合物が含まれていることが
あり、この有機塩素系化合物を効率良く除去して排ガス
を無害化する方法が求められている。
【0003】従来より、排ガスを無害化する手段とし
て、燃焼炉から排出される排ガスを集塵機に導き、集塵
機を通過した排ガスを活性炭充填塔に導き、有機塩素系
化合物を吸着除去する方法が知られている。
【0004】しかしながら、吸着塔として活性炭充填塔
を備えた排ガス処理装置では、排ガス中の有機塩素系化
合物を十分に吸着除去することができないことがあっ
た。また、吸着剤である活性炭に有機塩素系化合物など
の被吸着物質が吸着したときに発生する吸着熱によって
吸着塔内の温度が上昇し、活性炭が発火する問題があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、排ガ
ス中の有機塩素系化合物を効率よく吸着除去することが
できる排ガスの処理方法を提供することにあり、また、
吸着塔内の温度が上昇するときでも発火の可能性が低い
排ガス処理装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、排ガス処
理方法および装置に用いる吸着剤について検討した結
果、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、燃焼炉から排出され
る排ガスを集塵機に導き、集塵機を通過した排ガスをア
ルミナ系吸着剤充填塔に導き、有機塩素系化合物を吸着
除去することを特徴とする排ガスの処理方法を提供する
ものである。
【0008】ここで用いるアルミナ系吸着剤は、その細
孔半径に対する細孔容積の分布曲線において、細孔半径
1nm以上10nm以下と10nmを超え2000nm
以下との2つの範囲に各々少なくとも1つの極大値を示
す細孔構造を有し、30m2/g以上のBET比表面積
および0.01mm〜50mmの平均粒子径を有するも
のが有利である。そこで本発明はまた、かかる特定の細
孔構造、BET比表面積および平均粒子径を有するアル
ミナ系吸着剤を入れた充填塔を備えたことを特徴とする
排ガス処理装置をも提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明方法では、最初に、産業廃棄物焼却施設などの燃
焼炉から排出される排ガスを集塵機に導いて煤塵を除去
する。集塵機としては市販の装置が適用でき、例えばサ
イクロン、バグフィルター、電気集塵機がある。集塵機
によって排ガス中に含まれる煤塵を可能な限り除去する
ことが好ましい。中でも、金属、特に銅などの重金属な
どからなる煤塵を除去することが好ましい。
【0010】次いで、集塵機で煤塵を除去された排ガス
をアルミナ系吸着剤充填塔に導入して排ガス中の有機塩
素系化合物を吸着除去する。
【0011】充填塔に入れられるアルミナ系吸着剤とし
ては、Al23なる組成式で表されるアルミナまたはA
23・nH2O(nは1〜3)なる組成式で表される
水酸化アルミニウムを主成分とするものが挙げられる。
アルミナとしてはαアルミナ、βアルミナ、擬βアルミ
ナ、εアルミナ、γアルミナ、δアルミナ、κアルミ
ナ、χアルミナ、ηアルミナ、ρアルミナ、θアルミ
ナ、非晶質アルミナ、アルミナゲルなどがある。水酸化
アルミニウムとしてはベーマイト、擬ベーマイト、バイ
ヤライト、ギブサイト、ノルストランダイト、トーダイ
ト、非晶質水酸化アルミニウム、乾燥水酸化アルミニウ
ムゲルなどがある。中でも、εアルミナ、γアルミナ、
δアルミナ、κアルミナ、χアルミナ、ηアルミナ、ρ
アルミナ、θアルミナのような活性アルミナの適用が推
奨される。また、アルミナ系吸着剤の純度は、通常、A
23換算で90重量%以上であり、好ましくは99重
量%以上である。
【0012】アルミナ系吸着剤は前記の組成や純度で表
されるアルミナまたは水酸化アルミニウムであることに
付加して、特定の細孔構造を有することが好ましい。す
なわち、そのアルミナ系吸着剤について、細孔半径を横
軸に、そして細孔容積を縦軸にとったときの細孔容積分
布曲線において、細孔半径1nm以上10nm以下、さ
らには1nm以上5nm以下、中でも1nm以上2.5
nm以下の範囲に少なくとも1つの極大値を示す細孔構
造を有することが好ましい。このような細孔構造を有す
るアルミナ系吸着剤は優れた吸着性能を示し、有機塩素
系化合物分子を選択的に捕捉することができる。
【0013】また、このアルミナ系吸着剤は、上述の細
孔容積分布曲線において、細孔半径10nmを超え20
00nm以下の範囲に少なくとも1つの極大値を示す細
孔構造を有することが好ましい。このような細孔構造を
有するアルミナ系吸着剤は吸着容量が大きく、多くの有
機塩素系化合物分子を捕捉することができる。かかるア
ルミナ系吸着剤の有機塩素系化合物に対する吸着容量が
大きくなる理由は明らかではないが、アルミナ系吸着剤
はその粒子の外周部だけで有機塩素系化合物分子を捕捉
するのではなく、その内部にある細孔に有機塩素系化合
物の分子を拡散させて、効率よく有機塩素系化合物を捕
捉することができることが影響していると推定される。
【0014】さらに、アルミナ系吸着剤はBET比表面
積が30m2/g以上であり、平均粒子径が50mm以
下であることが好ましい。充填塔での圧力損失を考えれ
ば、アルミナ系吸着剤の平均粒子径は0.01mm以
上、0.1mm以上、さらには0.5mm以上が適当で
ある。
【0015】充填塔には、上で説明したアルミナ系吸着
剤以外に他の吸着剤や中和剤を入れてもよい。他の吸着
剤としては活性白土、ゼオライト、珪藻土、酸性白土、
珪酸カルシウム、活性炭、活性コークスなどが挙げら
れ、その添加量はアルミナ系吸着剤に対し通常50重量
%以下、好ましくは30重量%以下である。本発明で
は、活性炭などの可燃性吸着剤を適用するときでもアル
ミナ系吸着剤と混合して使用することによって可燃性吸
着剤の発火を抑制できる可能性がある。中和剤としては
消石灰などがある。
【0016】アルミナ系吸着剤を入れた充填塔による排
ガス中有機塩素系化合物の吸着除去は、通常、集塵機を
通過した排ガスをそのまま、アルミナ系吸着剤充填塔に
導入する方法で行う。充填塔内の排ガスの温度は200
℃以下であることが好ましい。充填塔に導入する前の排
ガス温度が200℃より高いときは、必要に応じて、排
ガスを冷却してから充填塔に導入する。充填塔内の排ガ
スの温度は低いほど、排ガス中有機塩素系化合物がアル
ミナ系吸着剤に捕捉されやすくなり好ましいが、排ガス
に水分や酸性ガスが含まれるときにはそれらが結露して
充填塔を腐食させることがあるので、排ガス温度は排ガ
スの露点以上であることが適当である。
【0017】充填塔内の排ガスとアルミナ系吸着剤との
接触は固定床式、移動床式、流動床式などで行うことが
できる。固定床式では、塔内にアルミナ系吸着剤を固定
して入れた充填塔に排ガスを通じて排ガス中の有機塩素
系化合物を吸着除去する。固定床式充填塔の場合、アル
ミナ系吸着剤の再生は充填塔内に設けられた支持スクリ
ーンに充填された状態で行う方法、または吸着剤を交換
可能な専用容器に充填しておき、その容器毎交換する方
法で行われる。固定床式充填塔は複数設置することが好
ましい。これら複数の充填塔の内、ある充填塔で排ガス
処理を行い、この排ガス処理を行っている間に他の充填
塔内のアルミナ系吸着剤を再生するようにすれば、排ガ
ス処理を連続して行うことが可能となる。
【0018】移動床式では、連続的に充填塔の塔頂から
アルミナ系吸着剤を供給してゆるやかに降下させ、向流
または並流で排ガスを接触させて、排ガス中の有機塩素
系化合物を吸着除去する。流動床式では、充填塔の下部
から排ガスを吹き上げアルミナ系吸着剤を浮遊懸濁の状
態に保ち、排ガス中の有機塩素系化合物を吸着除去す
る。
【0019】本発明方法の処理対象には、有機塩素系化
合物を含む各種排ガスが挙げられ、具体的には、産業廃
棄物焼却施設の燃焼炉から排出される排ガスがある。ま
た、本発明方法は一般廃棄物焼却施設、アルミ合金施
設、鉄鋼焼結施設、亜鉛回収施設、RDF(ゴミ固形化
燃料(Refuse Derived Fuel))焼却施設、電気炉施設
(例えば、製鉄用)などの燃焼炉から排出される排ガス
の処理に適用することも可能である。
【0020】本発明の方法によれば、充填塔に入れられ
ているアルミナ系吸着剤が排ガス中のダイオキシン類や
Co−PCB(コプラーナ−ポリ塩化ビフェニル)など
の有機塩素系化合物を効率よく吸着除去するので、排ガ
スを連続して処理することが可能となり、有機塩素系化
合物の大気中への放散を抑制することができる。
【0021】本発明方法を長期間連続して実施すること
によってアルミナ系吸着剤充填塔の排ガス処理性能が低
下したときには、充填塔内のアルミナ系吸着剤に所定の
再生処理を施せば、その吸着性能を回復させることがで
きる。再生は、例えば、有機塩素系化合物をアルミナ系
吸着剤から脱着させる温度または有機塩素系化合物を分
解できる温度に加熱して行うことができる。加熱温度は
使用するアルミナ系吸着剤の種類により異なり一義的で
はないが、アルミナ系吸着剤としてγアルミナを使用す
るときは、通常、400℃〜800℃、好ましくは40
0℃〜600℃であり、ベーマイトを使用するときは、
通常、400℃〜500℃である。再生は窒素のような
不活性ガス中で行ってもよいが、空気中などの酸素存在
下で行うことも可能である。
【0022】次に、本発明の排ガス処理装置の一実施形
態を図1に基いて説明する。図1において、ごみなどを
焼却処理する燃焼炉1には、サイクロン、電気集塵機や
バグフィルターのような集塵機2が煙道4を介して連通
しており、集塵機2からはさらに、充填塔11が煙道5
を介して連通している。集塵機2には別途、粉塵排出装
置6が連通しており、また充填塔11には、煙突(図示
せず)が煙道7を介して連通している。
【0023】吸着塔として固定床式のものを適用する場
合について、図2により説明する。図2において、充填
塔11は、排ガス導入口12および排ガス排出口13を
備え、さらに内には支持スクリーン15が設けられ、支
持スクリーン15にはアルミナ系吸着剤14が充填され
ている。
【0024】以下、図1に示す排ガス処理装置の充填塔
として図2に示す固定床式充填塔を適用するときの作用
を説明する。燃焼炉1から排出される排ガスを煙道4を
通して集塵機2に導入し排ガス中の粉塵を除去する。粉
塵を粉塵排出装置6を通して集塵機2より系外へ排出す
る。次に、集塵機2を通過した排ガスを煙道5を通じて
排ガス導入口12から充填塔11内に導入し、支持スク
リーン15に充填されたアルミナ系吸着剤14と接触さ
せて排ガス中の有機塩素系化合物を吸着除去する。次
に、支持スクリーン15に充填されたアルミナ系吸着剤
14に接触した排ガスを充填塔11の排ガス排出口13
から排出し、煙道7を通して煙突(図示せず)へ導入す
る。
【0025】排ガス処理装置に適用可能なもう一つの充
填塔である移動床式充填塔の一実施態様を図3により説
明する。図3において、充填塔11の上部に吸着剤供給
装置16が設けられ、この下部に吸着剤排出装置17が
設けられている。充填塔11内には平面状のワイヤース
クリーン18が設けられ、ワイヤースクリーン18と充
填塔11とに囲まれた内部にはアルミナ系吸着剤14が
充填塔11の上部から吸着剤供給装置16により供給さ
れ、充填塔11の下部から吸着剤排出装置17により充
填塔11から排出される。この構成における作用を以下
に示す。排ガスを排ガス導入口12から充填塔11内に
導入し、ワイヤースクリーン18を通じてワイヤースク
リーン18に囲まれた内部に存在するアルミナ系吸着剤
14と接触させて排ガス中の有機塩素系化合物を吸着除
去する。次に、アルミナ系吸着剤14に接触した排ガス
をワイヤースクリーン18を通じ、充填塔11の排ガス
排出口13から排出する。
【0026】排ガス処理装置に適用可能なもう一つの充
填塔である流動床式吸着塔の一実施態様を図4により説
明する。図4において、充填塔11には吸着剤供給装置
16が設けられ、吸着剤供給装置16より下側に吸着剤
排出装置17が設けられている。また、充填塔11には
吸着剤回収系20が設けられ、循環配管10を通じて連
通している。アルミナ系吸着剤14は、吸着剤供給装置
16により供給され、充填塔11の下部から吸着剤供給
装置17により排出されるとともに、充填塔11内に排
ガス供給口12から導入され分散板19を通じて導入さ
れる排ガスにより流動化される。排ガスに同伴するアル
ミナ系吸着剤14は吸着剤回収系20により排ガスとア
ルミナ系吸着剤14とに分離され、分離されたアルミナ
系吸着剤14は循環配管10を通じて充填塔11に導入
される。この構成における作用を以下に示す。排ガスを
排ガス導入口12から充填塔11内に導入し、分散板1
9を通じて充填塔11内に存在するアルミナ系吸着剤1
4と接触させて排ガス中の有機塩素系化合物を吸着除去
する。次に、アルミナ系吸着剤14に接触した排ガスを
吸着剤回収系20を通じ、充填塔11の排ガス排出口1
3から排出する。
【0027】
【発明の効果】吸着剤として活性アルミナなどのアルミ
ナ系吸着剤を入れた充填塔に、集塵機を通過した排ガス
を導入するという本発明の方法によれば、排ガス中の有
機塩素系化合物を効率よく吸着除去することができる。
【0028】また、本発明の排ガス処理装置は、吸着塔
として特定の物性を有するアルミナ系吸着剤を入れた充
填塔を備えることにより、排ガス中の有機塩素系化合物
を効率よく吸着除去することができ、排ガス処理時など
に吸着塔内の温度が上昇するときでも吸着剤が発火する
ことがない。さらに、吸着剤の再生を空気中で行うこと
も可能であり、維持管理が容易である。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は本実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 活性アルミナ(商品名:AF−115、結晶構造:γア
ルミナ、住友化学工業製)1kgをポリ袋に詰め、冷間
等方圧プレス装置(型式:CL4.5−22−30、日
機装株式会社製)を用いて100kg/cm2(9.8
MPa)で圧密した後、粉砕してアルミナ系吸着剤を得
た。このアルミナ系吸着剤の細孔構造について、1nm
以上10nm以下の細孔半径に対する細孔分布を細孔分
布測定装置(商品名:オムニソープ360、コールター
(Coulter)製)を用い窒素吸着法により、また、10n
mを超え2000nm以下の細孔半径に対する細孔分布
を細孔分布測定装置(商品名:オートポアIII942
0、マイクロメトリティックス(Micrometritics)製)を
用い水銀圧入法により測定した。その結果、このアルミ
ナ系吸着剤は図5、図6に示すように、細孔半径1.6
nmと200nmに極大値を示した。また、アルミナ系
吸着剤は、平均粒子径が2mmであり、BET比表面積
が143m2/gであった。ここでの平均粒子径は篩分
け法により、BET比表面積は窒素吸着法により測定し
た。
【0030】上で得られた吸着剤790gを容積1.2
Lのガラス製カラムに入れ、充填層容積1Lのアルミナ
系吸着剤充填塔を作製した。
【0031】処理能力72t/24hの産業廃棄物焼却
施設の集塵機とこの施設の煙突との間の煙道に配管を設
け、その配管と上で作製したアルミナ系吸着剤充填塔を
接続して、集塵機を通過した排ガス3m3を流速0.6
7m3/hでアルミナ系吸着剤充填塔に導入し、排ガス
を処理した。このときのアルミナ系吸着剤充填塔出口の
排ガス中のダイオキシン濃度を測定した。この処理の
間、アルミナ系吸着剤充填塔内の排ガス温度を130℃
に保持した。排ガス中のダイオキシン濃度は平成9年1
2月1日厚生省告示第234号「ダイオキシン類の濃度
の算出方法」に準拠した方法で測定した。その結果を表
1に示す。
【0032】比較例1 実施例1において、ガラス製カラムにアルミナ系吸着剤
を入れなかった以外は同様にして行った。その結果を表
1に示す。
【0033】比較例2 粒状活性炭(商品名:ツルミコール4H、ツルミコール
製)540gを容積1.2Lのガラス製カラムに入れ、
充填層容積1Lの活性炭充填塔を作製した。以下、実施
例1において、アルミナ系吸着剤充填塔に代えてこの活
性炭充填塔を使用した以外は同様にして行った。その結
果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】実施例2 アルミン酸ナトリウム溶液を加水分解することにより得
られた、平均粒子径が11μmであり、結晶構造がギブ
サイト型である乾燥水酸化アルミニウムを700℃の加
熱ガス気流中に投入して瞬間仮焼し、活性アルミナを得
た。皿の直径が1600mmであって、17rpmで回
転する皿型造粒機を用い、その原料供給口へこの活性ア
ルミナを供給するとともに、噴霧装置により該活性アル
ミナ100重量部に対して水50重量部を噴霧して、転
動造粒を行った。得られた造粒物を、水蒸気存在下、1
10℃で4時間保持して熟成した。この熟成物を電気炉
に入れ400℃で2時間焼成して、アルミナ系吸着剤を
得た。このアルミナ系吸着剤は、細孔半径1.8nmと
320nmに極大値を示す細孔構造を有し、BET比表
面積が351m2/gであり、平均粒子径が4mmであ
った。
【0036】上で得られた吸着剤207gを容積2Lの
ガラス製カラムに入れ、充填層容積0.3Lのアルミナ
系吸着剤充填塔を作製した。
【0037】処理能力75t/24hの都市ごみ焼却炉
(焼却炉型式:ストーカー式、運転方式:24h全連続
型、集塵機型式:電気集塵)の集塵機後の煙道から排ガ
スを分流し、分流した排ガスをバグフィルターにてダス
トを除去した後、流速3Nm 3/hでアルミナ系吸着剤
充填塔に導入し、排ガスを処理した。この処理の間、ア
ルミナ系吸着剤充填塔内の排ガス処理温度を170℃に
保持した。アルミナ系吸着剤充填塔入口および出口の排
ガス中のダイオキシン濃度を、実施例1と同じ方法で、
測定した。その結果、入口の排ガス中のダイオキシン濃
度は0.75ng−TEQ/Nm3であり、出口の排ガ
ス中のダイオキシン濃度は0.021ng−TEQ/N
3であった。
【0038】活性アルミナからなるアルミナ系吸着剤を
入れた充填塔に、バグフィルターを通過した排ガスを導
入する実施例2の方法により、排ガス中のダイオキシン
濃度を0.75ng−TEQ/Nm3から0.021n
g−TEQ/Nm3まで低減することができた。このと
きのダイオキシンの除去率は、97.2%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の排ガスの処理方法に使用する排ガス
処理装置の概略構成図である。
【図2】 本発明の排ガス処理装置の充填塔の一実施形
態である固定床式充填塔の断面模式図である。
【図3】 本発明の排ガス処理装置の充填塔の一実施形
態である移動床式充填塔の断面模式図である。
【図4】 本発明の排ガス処理装置の充填塔の一実施形
態である流動床式充填塔の断面模式図である。
【図5】 実施例1で使用したアルミナ系吸着剤の細孔
半径1nm以上10nm以下に対する細孔分布曲線であ
る。
【図6】 実施例1で使用したアルミナ系吸着剤の細孔
半径10nmを超え2000nm以下に対する細孔分布
曲線である。
【符号の説明】
1 燃焼炉 2 集塵機 11 充填塔 12 排ガス導入口 13 排ガス排出口 14 アルミナ系吸着剤 16 吸着剤供給装置 17 吸着剤排出装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D002 AA21 AC04 BA04 BA14 CA07 CA08 DA08 DA11 DA12 EA01 EA13 GA01 GB12 4G066 AA20B BA09 BA20 BA24 BA26 BA36 CA33 DA02 FA05 FA20 FA26 FA40

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼炉から排出される排ガスを集塵機に
    導き、集塵機を通過した排ガスをアルミナ系吸着剤充填
    塔に導き、有機塩素系化合物を吸着除去することを特徴
    とする排ガスの処理方法。
  2. 【請求項2】 アルミナ系吸着剤が、その細孔半径に対
    する細孔容積の分布曲線において、細孔半径1nm以上
    10nm以下と10nmを超え2000nm以下との2
    つの範囲に各々少なくとも1つの極大値を示す細孔構造
    を有し、BET比表面積30m2/g以上であり、平均
    粒子径0.01mm〜50mmである請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 アルミナ系吸着剤が活性アルミナである
    請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 細孔半径に対する細孔容積の分布曲線に
    おいて、細孔半径1nm以上10nm以下と10nmを
    超え2000nm以下との2つの範囲に各々少なくとも
    1つの極大値を示す細孔構造を有し、BET比表面積が
    30m2/g以上であり、平均粒子径が0.01mm〜
    50mmであるアルミナ系吸着剤を入れた充填塔を備え
    たことを特徴とする排ガス処理装置。
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