JP2002045420A - 血液浄化装置、血液浄化方法および透析液パッケージ - Google Patents

血液浄化装置、血液浄化方法および透析液パッケージ

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JP2002045420A
JP2002045420A JP2000232833A JP2000232833A JP2002045420A JP 2002045420 A JP2002045420 A JP 2002045420A JP 2000232833 A JP2000232833 A JP 2000232833A JP 2000232833 A JP2000232833 A JP 2000232833A JP 2002045420 A JP2002045420 A JP 2002045420A
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Joji Oshima
譲二 大島
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】透析液を無菌的に供給することにより透析の
際、人体に重大な影響を及ぼすことがない血液浄化装置
の提供。 【解決手段】膜を介して血液を透析する血液浄化装置ま
たは血液浄化方法において、容器内に1回の処理な透析
液を有し、該容器ごとに滅菌されている透析液パッケー
ジを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、膜型人工腎臓によ
り血液を浄化する血液浄化装置、血液浄化方法および、
これらの装置または方法に使用する透析液パッケージに
関する。より詳しくは、例えば家庭における透析治療の
際、透析液を調製する必要がなく、それにより安全に使
用できる、予め調製され、滅菌された透析液パッケー
ジ、およびこれを用いた血液浄化装置、ならびにこれを
用いた血液浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】血液透析、血液濾過、同時血液濾過透析
等の膜型人工腎臓を用いた血液浄化療法は、腎不全治療
として広く普及してきた。近年、β2−ミクログロブリ
ン(以下、「β2−MG」とする。)を一つの指標とし
た分子量1万以上の低分子量タンパク質の除去が、治療
に有効であることが示され、低分子量タンパク質が通過
できる微孔を有する血液浄化膜の開発が盛んに行われて
きている。さらに、積極的に低分子量タンパク質の除去
を行うために、血液透析と血液濾過を組み合わせた同時
血液濾過透析療法が行われている。
【0003】しかしながら、上記の治療の際、膜を挟ん
で反対側を流れる透析液が血液側へ流入するので、低分
子量タンパク質を除去するために膜の微孔の大きさ(ポ
アサイズ)を拡大していくと、透析液に含まれるエンド
トキシン(内毒素)が血液側へ侵入する可能性が高ま
り、発熱等の副作用を惹起することが懸念されている。
【0004】また、患者が自宅で行う自己管理による在
宅透析は、通院時間や透析施設の占有を考慮することが
なく、また、透析頻度が予後改善の大きな因子であるこ
とが近年注目され、在宅での透析治療への期待が高まっ
ている。ちなみに、週3回の血液透析と比較して連日血
液透析は、透析後の虚脱感や疲労感が少なく、食欲亢
進、筋力増加等の利点があると報告されている。
【0005】上記在宅透析は従来、図8に示す血液浄化
装置を用いて行われていた。図8において、1は血液室
2と透析液室3とが膜4を介して形成される血液浄化器
である。血液室2は5で表す血液入口と、6で表す血液
出口を有する。血液入口5は、患者からの血液を導入す
るため、血液入口回路12と連絡している。血液出口6
は、患者に血液を戻すため、血液出口回路14と接続し
ている。13は血液を供給するためのポンプを表す。
【0006】透析液室3は、透析液入口7と、透析液出
口8を有し、それぞれ透析液供給路9、透析液排出路1
0と連絡している。透析液供給路9は、血液浄化器1に
供給される透析液の量を調節する流速調節手段22を有
する。透析液排出路10は、排出される透析液の量を調
節する流速調節手段23を有する。
【0007】図8に示す装置を用いて在宅透析を行う場
合、使用される透析液は、市販の透析液の濃縮液や粉末
剤を、18で表す透析液供給装置により、希釈、溶解し
て諸成分の濃度が所定の濃度になるように調整したもの
である。透析液の希釈には、通常、21で表す原水を2
0で表す逆浸透膜装置により無菌水として使用してい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
濃縮液の希釈は、通常、大気に解放された調製タンク等
で行われるため、透析器等の血液浄化器へ供給される透
析液には細菌が混入するおそれがある。さらに、在宅で
透析を行う場合には、患者あるいは患者の家族が透析液
を調製することとなり、透析液の細菌による汚染の可能
性が高くなり、また、家庭に逆浸透膜装置を設置するこ
とも経済的な負担が大きくなる。
【0009】また、透析液が細菌により汚染されると、
細菌の構成成分であるエンドトキシンが増加し、多量の
エンドトキシンがヒトの血液中に侵入すると発熱を引き
起こし人体に重大な影響を及ぼすという問題がある。
【0010】そこで、本発明の目的は、透析液を無菌的
にさらにはエンドトキシンのない状態で供給することに
より、透析による人体への重大な影響を及ぼすことのな
い血液浄化装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、膜を介して血液を透析する血液浄化装置
または血液浄化方法において、1または複数の透析液容
器内に1回の処理に必要な透析液を有し、該透析液容器
ごとに滅菌されている透析液パッケージを用いる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の透析液パッケージ
について図をもって説明する。
【0013】図1は、本発明の透析液容器の一実施形態
を示す。図1において、100は透析液を内封する透析
液容器を表す。容器100は、予め所定の濃度に調製さ
れた透析液101を充填し、密封した後、滅菌されてい
る。102は、透析液容器から透析液を後述する透析液
供給路へと供給するため、無菌的に接続可能な接続部を
表す。本発明の透析液パッケージは、1または複数の透
析液容器からなり、1人1回の血液浄化処理に必要な量
を有するまとまりを指す。但し、本発明の透析液容器は
図1に示す形態に限定されない。図2に、本発明の透析
液容器の別の1つの実施形態を示す。本実施形態では、
透析液容器100と接続部102が可撓性を有するチュ
ーブ103を介して結合されている。複数の透析液容器
からなる透析液パッケージの場合、接続部102および
チューブ103は、各透析液容器毎に設けられていても
よく、また、あらかじめ複数の透析液容器がチューブ等
の連絡手段により連絡されていてもよい。各透析液容器
同士を接続するための容器間接続手段を有していてもよ
い。
【0014】本発明の透析液容器の材質は、透析液を充
填した状態で密封し、滅菌可能であればいずれでもよ
く、軟質材、硬質材のいずれも用いることができる。例
えば、プラスチックを用いる場合は、輸液用プラスチッ
ク容器試験に適合するものであればよく、代表的にはポ
リ塩化ビニルや架橋エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ
プロピレン、ポリカーボネートなどが挙げられる。中で
も、架橋エチレン酢酸ビニル共重合体が好ましい。架橋
エチレン酢酸ビニル共重合体を用いた場合、柔軟で、透
明性が高く、また、焼却処理が容易であるという利点が
ある。
【0015】また、本発明においてアルカリ剤として重
炭酸を用いる場合、それらのpHの変化を防止するため
に、プラスチック容器の他にガスバリヤー性の高い包装
材で真空包装を行うことが好ましい。ガスバリヤー性の
高い包材と容器の間を真空に保つことによってさらに安
定に保管できるが、真空に保つことができない場合は二
酸化炭素を発生させる脱酸素剤を封入してもよい。脱酸
素剤としては具体的には、例えば、エージレスG(三菱
ガス化学製)が挙げられる。
【0016】ここで、気密性の高い容器としては、例え
ば、気密性を酸素透過度で表した場合、20℃、60%
R.H.で、5ml(STP)/cm2 ・h以下、好ま
しくは1ml(STP)/cm2 ・h以下であるような
高分子フィルムで構成されたものであれば好適に使用で
きる。かかる高分子フィルムとしては、例えば、塩化ビ
ニルと酢酸ビニルとの共重合体、フッ化エチレンと塩化
ビニリデンとの共重合体、ビニルアルコール、アクリル
酸、アクリル酸エチル、メタクリル酸、無水マレイン酸
等のビニルモノマーとエチレンとの共重合体、塩化ビニ
リデンで被覆したナイロン、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等からなるフィルムがあげられる。また、高分子フ
ィルムは、上記の如き高分子ポリマー製のものを単独で
用いるほか、これらと、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンとポリプロピレンとの共重合体、ポリ
酢酸ビニル、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリビニ
ルアルコールの如きビニルポリマー;アルミニウムの如
き金属箔;ナイロン;セロハン等を、適宜、二層ないし
多層に積層した複合フィルムとして用いることもでき
る。これらのうち、エチレンビニルアルコール共重合
体、ポリプロピレン/ポリビニルアルコール/ポリエチ
レン、ナイロン/ポリビニルアルコール/ポリエチレ
ン、塩化ビニリデンコートナイロン/ポリエチレン等か
らなるフィルムを好適に使用することができる。また、
高圧蒸気滅菌または熱水滅菌に耐えられるものでは、代
表的にはポリアミド(ナイロン610など)、エチレン
ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニリデン(PV
DC)などの材料の組み合わせからなる多層フィルムか
らなるもの、あるいはこれらの多層フィルムに酸化金属
またはセラミックを蒸着コートしたものなどが例示でき
る。具体的には、PET/EVOH/NY(ナイロン)
/CPP(ポリプロピレン)、(富士産業社製)、PE
T/アルミナ蒸着PET/CPP(富士産業社製)、酸
化金属蒸着PET/PVDC−MA(メチルアクリレー
ト)/PA(ポリアミド)/CPP(細川洋行社製)、
PET/SiOx 蒸着PET/CPP(凸版印刷社製)
などが挙げられる。これら包材の中でも、PET/EV
OH/NYが好ましい。PET/EVOH/NYを用い
た場合、透明であるという利点がある。
【0017】本発明の透析液パッケージの形態は、透析
液を充填した後、密封して滅菌できるものであればいず
れであってもよい。図1および図2には、軟質材のバッ
クを示したが、これに限定されず、ボトル状であっても
よく、ボックス状であってもよい。
【0018】本発明の透析液パッケージは、透析液を後
述する透析液供給路に供給するため、無菌的に接続可能
な接続部を有する。このような接続部の形態はいずれで
あってもよい。なお、後述する透析液排出路が透析液パ
ッケージと接続している完全循環回路または一部再循環
回路を用いた血液浄化装置で使用するため、接続部は複
数あってよく、透析液容器の側面部にあってもよい。
【0019】図2に示すような、透析液容器と接続部が
チューブを介して結合されている透析液パッケージに用
いるチューブの材質は、透析液容器に関し上述したのと
同様の条件を満たし、かつ可撓性を有するものであれ
ば、いずれであってもよく、代表的にはポリ塩化ビニル
やエチレン酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
【0020】本発明に用いる透析液は、市販の透析液か
ら予め所定の濃度に調整したものであってよいが、予め
使用時の濃度に調整されていることを考慮すると、下記
の組成で調整されていることが好ましい。 ナトリウム 135〜160mEq/L カリウム 1.8〜2.5mEq/L カルシウム 2.5〜4.0mEq/L マグネシウム 1.0〜1.5mEq/L アルカリ剤(重炭酸+酢酸)33〜42mEq/L (内重炭酸を含む場合の重炭酸)24〜31mEq/L 塩素 105〜114mEq/L ブドウ糖 0〜200mg/dl 浸透圧 275〜300mOsm/kg また、該透析液のエンドトキシン濃度は50EU/L以
下であることが好ましく、10EU/L以下であること
が特に好ましい。透析液のエンドトキシン濃度は上記の
濃度であれば、透析時に多量のエンドトキシンが血液側
に侵入することがなく、発熱等の人体に重大な影響を及
ぼすおそれがない。
【0021】本発明の透析液パッケージ中の透析液の量
は、使用形態または用途に合わせて随意選択してよい
が、一般的は6〜50リットルであるのが好ましく、1
0〜30リットルであるのが特に好ましい。また、透析
液パッケージ中の1の透析液容器の容量は2〜50リッ
トルが好ましく、6〜30リットルがさらに好ましく、
8〜25リットルが特に好ましい。
【0022】本発明において、透析液パッケージの滅菌
方法としては、高圧蒸気滅菌が汎用性があり、好ましい
が、他の滅菌方法(γ線滅菌、放射線滅菌、濾過滅菌
等)を用いることも可能である。本発明において、熱滅
菌として高圧蒸気滅菌を行う場合、温度100〜133
℃、1〜120分間の条件下で行うことが好ましい。具
体的には、100〜126℃、5〜60分間で行われ
る。
【0023】上記透析液パッケージを用いた血液浄化装
置について、以下図をもって説明する。
【0024】図3は、本発明の透析液パッケージを用い
た血液浄化装置の一実施形態を示す回路図である。
【0025】図3において、血液浄化器1は膜4を介し
て血液室2と透析液室3を形成している。
【0026】血液室2は、血液入口5と、血液出口6を
有する。血液入口5は患者から血液を導入するため、血
液入口回路12と連絡しており、血液出口6は患者に血
液を戻すため、血液出口回路14と連絡している。ポン
プ13は、血液入口回路12から血液室2へと血液を導
入する。
【0027】透析液室3は、透析液入口7と、透析液出
口8を有し、それぞれ透析液供給路9、透析液排出路1
0と連絡している。透析液排出路10には、図示してい
ないが、該透析液排出路10へと流出する透析液の量を
調節するための流出量調節手段を有する。
【0028】透析液パッケージ11は、3個の透析液容
器からなり、透析液を流出させる手段(図示していな
い)を介して、透析液供給路9と連絡している。透析液
パッケージにおける透析液容器の数は適宜選択してよ
く、1個であってもよく、複数であってもよい。一般的
には1個であるのが好ましく、1ないし4個であるのが
特に好ましい。透析液の供給量あるいは排出量を調節す
る流量調節手段は、ローラーポンプ、ピストンポンプな
どのポンプ機構や、液体容器に陰圧や陽圧を加える機構
等があげられるが、特にこれに限定されるものではな
い。
【0029】また、本発明の血液浄化装置は、透析液容
器を複数保持することが可能な透析液パッケージの保持
手段を有してもよく、このような保持手段を有する場
合、複数ある透析液容器を個別に交換できることが好ま
しい。このような保持手段を設けた場合、使用済みの透
析液容器を適宜交換することができる。1人1日1回の
処理を2日以上にわたって連日行うことが好ましい。処
理は連日実施してもよく、または隔日で行ってもよい。
【0030】図2に示す実施形態では、透析液排出路か
ら排出された透析液を貯留するため、廃液貯留容器15
が透析液排出路下流側に接続されている。ただし、この
ような廃液貯留容器15の存在は随意であり、例えば、
後述する完全循環型の実施形態では、存在しなくてもよ
い。
【0031】図から明らかなように、本発明の血液浄化
装置は、1回の処理に必要な量の透析液が入れられて予
め滅菌処理された透析液パッケージ11から透析液が供
給されるため、透析を行う毎に透析液を調整する必要が
なく、その結果、調製による細菌の混入がなく、安全に
透析を行うことができる。
【0032】図4は、本発明の血液浄化装置の別の実施
形態の回路図である。本実施形態では、透析液排出路1
0が透析液パッケージ11と連絡し、完全循環型の回路
を形成している。図3と同様、透析液排出路10および
透析液供給路9を流れる透析液の流量をそれぞれ調節す
る手段を有する(図示していない)。
【0033】図4に示す完全循環型の回路では、透析室
から排出された透析液を処理し、その後、循環させるた
めにろ過、吸着、イオン交換等の処理手段(図示してい
ない)を随意に有してもよい。
【0034】図5は、本発明の血液浄化装置の完全循環
型の回路の別の実施形態の回路図である。本実施形態で
は、透析液容器同士が互いに連絡されている。
【0035】図6は、本発明のさらに別の実施形態の回
路図である。この実施形態では、透析液排出路が途中で
分岐し、一部再循環回路を形成している。図6におい
て、16は透析液が再循環されない経路を表し、17
は、透析液が透析液パッケージへと再循環される経路を
表す。このような分岐には、再循環される透析液の量を
随意に調節するため、バルブ、ポンプ等の調節手段を有
する。このような調節手段は、透析液の流量、圧力、液
中の気泡量等をセンサーにより検出し、その結果に基づ
き自動制御により調節してもよい。経路16の下流側に
は、上記廃液貯留容器を接続してもよい。また、経路1
7に、上記透析液処理手段を設けてもよい。また、図5
の実施形態のように、透析液容器同士が互いに連絡され
ていてもよい。
【0036】図7は、本発明の別の実施形態の回路図を
表す。本実施形態では、図6に示す実施形態と同様に、
透析液排出路が経路途中で分岐している。ただし、分岐
した透析液排出路の再循環側の経路17は、透析液供給
路9の経路途中と連絡し、それにより一部再循環回路を
形成している。本実施形態では、再循環経路17に、経
路における透析液の流量を調節する手段を有する。ま
た、本実施形態では、再循環経路17は、経路途中に回
路に対して過剰の透析液を一時的に貯留するための再循
環液貯留容器を随意に有してもよい。再循環貯留容器を
有する場合、再循環路から再循環貯留容器へと流入する
透析液の量を調節する手段を有し、再循環貯留容器から
再循環路へと流入する透析液の量を調節する手段を有す
る。なお、再循環されない側の経路16には、上記廃液
貯留容器を接続してもよく、再循環経路17には、随意
に上記透析液処理手段を設けてもよい。また、本実施形
態においても、図5に示す回路と同様に、透析液容器同
士が互いに連絡されていてもよい。
【0037】本発明の浄化器の膜材料は特に限定される
ものではなく、再生セルロース、セルローストリアセテ
ート等のセルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート
等のアクリル酸重合体、ポリアクリロニトリル、エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体、ポリスルホン、ポリア
ミド等血液透析等、血液浄化に用いることができる膜性
能を実現できるものであれば、いずれも用いることがで
きるが、合成高分子膜が好ましく、ポリスルホン膜が特
に好ましい。これらを用いると、血液適合性にすぐれる
という利点がある。
【0038】本発明の膜の形状は、特に限定させず、平
膜状でも中空繊維状でも用いることができる。但し、中
空繊維状膜は、透析等の血液浄化に機能する有効膜面積
を得るために比較的少ないスペースで達成できるので、
より好ましい。
【0039】該血液浄化器は、透水速度が50〜200
ml/hr/m2 、β2ミクログロブリンのクリアラン
スが、30〜80ml/minであることが好ましい。
浄化器が上記の性能パラメータを有すれば、低速度の血
液流速であっても、効果的に血液浄化を行うことができ
る。
【0040】また、該血液浄化器の他の性能パラメータ
に関しては、膜面積が0.5〜1.5m2 であり、該血
液室中の血液流速が80〜200ml/minであり、
該透析液容器からの透析液の流出速度が100〜350
ml/minであることが好ましい。このようなパラメ
ータを選択すると、少量の透析液で透析が可能となると
いうの利点がある。さらに、該血液浄化器は連日の透析
治療に適したものであることが好ましく、具体的には濾
過促進型であるのが好ましい。
【0041】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されない。実施例では、図
4に示す完全再循環式(パッケージ1個)の装置を用い
て、以下の条件で腎不全患者の透析を行った。透析器 ポリスルホン製中空糸膜(内径200μm、外径290
μm、有効膜面積0.6m2 )。 β2−MGクリアランス:43ml/minβ2−MGクリアランスの測定方法 日本人工臓器学会で定める人工腎臓性能評価基準に基づ
き、図8に示す従来の血液浄化装置を用いて、血液側流
量200ml/min、透析液送液流量500ml/m
in、濾過流量15ml/min(透析液排出流量51
5ml/min)で4時間循環透析実験を行った。血液
側試験液には、調整された牛血液(Ht:30±3%、
TP:6.5±0.5g/dl)5Lプールを循環して
透析実験を行う。牛血液には、循環前に腹膜透析排液濃
縮液を添加する。透析実験中に指標物質の濃度が低下し
て、指標物質の測定が困難となるため、クリアランス測
定20分前にさらに腹膜透析排液濃縮液を添加する。ク
リアランス測定の定常待ちは10分間とする。牛血液循
環中に抗凝固剤を連続注入し、牛血液はヘマトクリット
が一定となるように、濾過流量と同じ流量で補液を行
う。サンプリングは、透析器の血液側および透析液側の
入口および出口で行う。β2−MGの測定は、ラテック
ス凝集免疫法で行う。クリアランス算出式は下式で行
う。 CL=(Qpi×Cpi−Qpo×Cpo)/Cpi 式中、Cはβ2−MG濃度[mg/l]、CLはクリア
ランス[ml/min]、Qは[ml/min]流量を
表し、添え字のpは血漿側、iは入口側、oは出口側を
表す。透析液パッケージ 滅菌条件:高圧蒸気滅菌(105℃、25分) 透析液容器:24リットル1個 材質:電子線架橋エチレン−酢酸ビニル共重合体 包材:(エバールフィルム(RTグレート)(酸素透過
性0. 8ml/m2 ・24hr・atm),富士産業社
製)で真空包装。 透析条件 血液流量150〜180ml/min 透析液流量 300ml/min 透析時間 120分
【0042】上記の条件で、腎不全患者2名に対し、連
続6日間透析を行った。結果として、通常透析時の透析
前値の尿素窒素が、60mg/dl、75mg/dlで
あったものが、上記透析の6日目の透析前値がそれぞ
れ、43mg/dl、56mg/dlであった。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の透析液パッ
ケージは、所定の濃度で調製された透析液が充填され、
密封した後、滅菌されている。そのため、膜を介して血
液を浄化する血液浄化装置または血液浄化方法に本発明
の透析液パッケージを用いることにより、透析液を無菌
的にさらにはエンドトキシンのない状態で供給すること
が可能となり、それにより透析時に多量のエンドトキシ
ンが血液側に侵入することがなく、発熱等の人体への重
大な影響が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の透析液パッケージの一実施形態の全
体図である。
【図2】 本発明の透析液パッケージの別の一実施形態
の全体図である。
【図3】 血液浄化装置の一実施形態を示す回路図であ
る。
【図4】 本発明の血液浄化装置の一実施形態の完全循
環型回路の回路図である。
【図5】 完全循環型回路で構成された本発明の血液浄
化装置の別の一実施形態の回路図である。
【図6】 本発明の血液浄化装置の一実施形態の一部循
環型回路の回路図である。
【図7】一部循環型回路で構成された本発明の血液浄化
装置の別の一実施形態の回路図である。
【図8】 従来の血液浄化装置の回路図である。
【符号の説明】
1 血液浄化器 2 血液室 3 透析液室 4 透析膜 5 血液入口 6 血液出口 7 透析液入口 8 透析液出口 9 透析液供給路 10 透析液排出路 11 透析液パッケージ 12 血液入口側回路 13 ポンプ 14 血液出口側回路 15 廃液貯留タンク 16 透析液排出路(排出側) 17 透析液排出路(再循環側) 18 混合手段 19 透析液濃縮液 20 逆浸透装置 21 原水(上水道) 22 流速調節手段1 23 流速調節手段2 100 透析液容器 101 透析液 102 接続部 103 チューブ 200 血液浄化装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C058 AA12 BB05 4C077 AA05 BB01 EE01 FF05 KK09 KK25 LL02 4D006 GA13 MA01 MA03 MC12 MC16 MC62 PB24 PB54 PC41

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1または複数の透析液容器内に1人1回の
    処理に必要な透析液を有し、該透析液容器ごと透析液が
    滅菌されている透析液パッケージ。
  2. 【請求項2】1人1日1回の処理を2日以上にわたっ
    て、連続して行う血液透析に使用する請求項1に記載の
    透析液パッケージ。
  3. 【請求項3】該透析液容器の1の容量が2〜30リット
    ルである請求項1に記載の透析液パッケージ。
  4. 【請求項4】該透析液容器に無菌接続部を有する請求項
    1または2のいずれか1つに記載の透析液パッケージ。
  5. 【請求項5】該透析液容器が可撓性バックである請求項
    1ないし3のいずれか1つに記載の透析液パッケージ。
  6. 【請求項6】該透析液容器が樹脂製ボトルである請求項
    1ないし3のいずれか1つに記載の透析液パッケージ。
  7. 【請求項7】該透析液容器中の透析液のエンドトキシン
    濃度が50EU/L以下である請求項1ないし5のいず
    れか1つに記載の血液浄化装置。
  8. 【請求項8】個別に搬送可能な容器入透析液を用いて膜
    を介して血液を透析する方法。
  9. 【請求項9】血液を浄化する膜と、 該膜を介して接している血液入口と血液出口を有する血
    液室と透析液入口と透析液出口を有する透析液室とを有
    し、 請求項1に記載の透析液パッケージと、 該パッケージと該透析液入口とを連絡する透析液供給路
    と、 該透析液出口から透析液を排出する透析液排出路と、 該血液入口へ血液を導入する血液入口側回路と、 該血液出口から血液を導出する血液出口側回路とを有す
    る血液浄化装置。
  10. 【請求項10】該透析液パッケージが複数の透析液容器
    からなる請求項9に記載の血液浄化装置。
  11. 【請求項11】1の該透析液容器の下流側が他の該透析
    液容器に連絡している請求項9または10のいずれか1
    つに記載の血液浄化装置。
  12. 【請求項12】該透析液排出路がその下流側で廃液貯留
    容器に接続している請求項9ないし11のいずれか1つ
    に記載の血液浄化装置。
  13. 【請求項13】該透析液供給路と該透析液排出路を連絡
    する再循環路を有する請求項9ないし12のいずれか1
    つに記載の血液浄化装置。
  14. 【請求項14】該再循環路に再循環液貯留容器を有する
    請求項13に記載の血液浄化装置。
  15. 【請求項15】複数の該透析液容器を保持する手段を有
    し、該保持手段に保持されている該透析液容器を個別に
    交換できる請求項9ないし14のいずれか1つに記載の
    血液浄化装置。
  16. 【請求項16】該透析液容器が1ないし4個であること
    を特徴とする請求項9ないし15のいずれか1つに記載
    の血液浄化装置。
  17. 【請求項17】該血液浄化器の透水速度が10〜200
    ml/hr/m2 、β2ミクログロブリンのクリアラン
    スが、30〜80ml/minであることを特徴とする
    請求項9ないし16のいずれか1つに記載の血液浄化装
    置。
  18. 【請求項18】該血液浄化器の膜面積が0.5〜1.6
    2 であり、該血液室中の血液流速が80〜200ml
    /minであり、該透析液容器から該透析液入口への透
    析液の流出速度が100〜350ml/minである請
    求項9ないし17のいずれか1つに記載の血液浄化装
    置。
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