JP2002043997A - 衛星通信システムにおけるアップリンク・パワー制御のための総合システムおよび方法 - Google Patents

衛星通信システムにおけるアップリンク・パワー制御のための総合システムおよび方法

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JP2002043997A
JP2002043997A JP2001184656A JP2001184656A JP2002043997A JP 2002043997 A JP2002043997 A JP 2002043997A JP 2001184656 A JP2001184656 A JP 2001184656A JP 2001184656 A JP2001184656 A JP 2001184656A JP 2002043997 A JP2002043997 A JP 2002043997A
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uet
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Dennis A Nivens
デニス・エイ・ニヴェンズ
David A Wright
デイヴィッド・エイ・ライト
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衛星通信システムにおいてアップリンク・パ
ワーを制御するための総合システムおよび方法を提供す
る。 【解決手段】 パワーレベル調整を用いて、基準アップ
リンク伝送パワーレベルを決定する。すなわち、衛星1
40によって受信される端末110からのアップリンク
信号のパワーがパワー閾値と比較される。その後、アッ
プリンク信号の送信パワーは、受信したパワーと閾値と
を比較した結果に基づいて調整される。そのパワーの比
較は、同期バーストを用いて行われることが好ましい。
その後、誤りレベル調整を用いて、トラフィックバース
トアップリンク伝送パワーレベルを決定する。すなわ
ち、一旦、端末が、あるチャネル103を用いてデータ
を送信し始めたなら、そのチャネル内のデータの誤り率
が閾値誤り率と比較され、その後、アップリンク信号の
送信パワーが、その比較結果に基づいて調整される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は全般に衛星通信シス
テムに関する。より詳細には、本発明は衛星通信システ
ムにおいてアップリンク・パワーを制御することに関す
る。
【0002】
【従来の技術】長年、地球上の広範な地域に通信サービ
スを提供するために衛星が用いられている。歴史的に
は、通信衛星は、3〜10GHz(CあるいはKuバン
ド)の範囲の周波数を用いて、陸地の広大な部分を網羅
するアンテナビームを生成してきた。最近の衛星は20
〜30GHz(Kaバンド)の周波数で動作し、約48
0〜640km(300〜400マイル)の直径を有す
る領域(「セル」)を網羅できるビームを生成すること
ができる。以前には1つのアンテナビームによってサー
ビスを提供されていた地域に通信を提供するために、多
数のそのようなセルが必要とされる場合がある。最近の
セルラー通信衛星は、多数のアンテナを用いて、地球表
面上に分散した種々のユーザ地上端末(User Earth Ter
minal:UET)にダウンリンク信号を送信し、かつユ
ーザ地上端末からアップリンク信号を受信するために用
いられる多数のビームを生成することができる。
【0003】アップリンク上で通信を行うために、UE
Tによって生成される信号は、衛星によって受信される
だけの十分なパワーを確保しなければならない。したが
って、UETの送信パワーに結合される衛星のアップリ
ンク・アンテナは、通信を行なえるだけの十分な利得を
持たなければならない。典型的には、通信衛星システム
は、所定の固定された衛星アップリンク・アンテナ利得
で設計される。したがって、通信を可能にし、かつ保証
するために、典型的にはUETの送信パワーが制御され
る。
【0004】実際には、いくつかの要因が、アップリン
ク通信チャネルに悪影響を及ぼす場合がある。すなわ
ち、ある望ましくない影響によって、実際のアンテナ利
得が所定の設計されたアンテナ利得から変動するように
なったり、あるいはUETによって送信される信号を減
衰させたり、その信号と干渉したりする場合がある。た
とえば、アンテナ利得は、アンテナ利得をセルにわたっ
て空間的に変動させる場合がある利得ロールオフによっ
て影響を受ける場合があるか、あるいは別の場合には、
アンテナ利得は、アンテナの照準誤差の結果としてセル
にわたって変動する場合がある。「雨滴による損失」と
しても知られる大気による減衰や、同一チャネル干渉
(CCI)としても知られるUET間の干渉も、UET
から送信される信号の品質に影響を与える場合がある。
これらの各条件、すなわち利得ロールオフ、アンテナ照
準誤差、大気による減衰およびCCIがさらに以下に説
明される。
【0005】1)利得ロールオフ 地球表面上のセルのパターンは、衛星通信システムのセ
ルラーパターンとして知られている。最近の衛星通信シ
ステムのセルラーパターンは、衛星アンテナビームの最
大利得が指定されたセルの中心に向けられるように、地
球表面上で規定される。衛星アンテナビームの照準は衛
星アンテナビームの最大利得点として定義され、典型的
には、セルの中心に向けられる。セルのエッジは、アン
テナビームの利得が最大利得値より低い所定の値、典型
的には最大利得値より少なくとも3dB低い値まで降下
する、アンテナ照準からの角度偏差を決定することによ
り規定することができる。照準からの角度偏差が大きく
なるのに応じて、アンテナビーム利得が減少すること
は、利得ロールオフとして知られている。アップリンク
・パワーに関しては、セルのエッジに位置するUETか
ら衛星に送信される通信信号は、アンテナの照準、すな
わちセルの中心に位置するUETから送信される信号の
利得より少なくとも3dB低い利得で、衛星アンテナに
よって受信されることができる。したがって、同じ性能
のレベルを達成するためには、セルのエッジに位置する
端末の伝送パワーレベルはセルの中心に位置する端末の
レベルより少なくとも3dB高くなければならない。言
い換えると、セルのエッジが、衛星アンテナ利得が照準
における最大アンテナ利得より3dB低いレベルまで減
衰している照準からの角度として定義される場合には、
セルのエッジに位置するUETは、セルのエッジにおい
て低下したアンテナ利得を補償するために、セルの中心
に位置するUETより3dB高い伝送パワーレベルを用
いることが必要である場合がある。3dB高い伝送パワ
ーレベルで送信することにより、セルのエッジに位置す
るUETからの信号は、セルの中心に位置するUETか
らの信号のパワーに概ね等しいパワーで、衛星において
受信されることができる。衛星上に設置されたアップリ
ンク構成要素を簡単にし、かつそのコストを低減するた
めに、セル内の各UETに対して同様の受信パワーレベ
ルを保持することが望ましい。したがって、セル内のU
ETの位置によって生じる、各UETのアンテナ利得の
あらゆる低下を補償するために、セル内の各UETの送
信パワーを変更することが望ましい。
【0006】2)アンテナ照準誤差 実際には、セルラー通信衛星のアンテナビームは一般的
に、指定されたセルの中心に正確に向けられることはな
い。アンテナ照準のわずかな位置のずれ、および完全に
円形で、傾斜角が0の衛星軌道からの偏差によって、照
準誤差が引き起こされる。これらの照準誤差によって、
アンテナビームの最大利得の位置は、セルの中心から外
れるようになる場合がある。また、いくつかの照準誤差
によって、アンテナビームパターンの最大利得が、1日
の進路にわたって無視できないほど変化するようになる
場合もある。言い換えると、セルにわたるアンテナビー
ム利得分布は時間とともに変化する場合がある。
【0007】セルのエッジにおけるアンテナビーム利得
は典型的には、セルの中心からの距離の増加とともに、
すなわち照準からの角度偏差の増加とともに急速に減衰
する。したがって、セル直径のわずか10%に相当する
照準誤差によって、セルのエッジにおけるアンテナビー
ム利得が2dB以上変動するようになる場合がある。セ
ル内の各UETに対して同様の受信パワーを保持するこ
とが望ましいので、セル内の各UETの送信パワーを調
整して、アンテナビーム照準誤差を補償することが望ま
しい。
【0008】3)大気による減衰 UETから衛星に送信される信号に対して満足のいく通
信性能を達成することは一般に、衛星において必要な信
号パワーレベルを受信することに依存する。すなわち、
各ユーザ端末は、受信されるだけの十分に高いパワーで
信号を送信しなければならない。端末によって送信され
る信号のパワーと、衛星受信機によって受信される信号
のパワーとの間の関係は、信号が地球の大気を通過する
際の信号の減衰量に一部依存する。Kaバンド周波数で
は、大気の減衰量は、気象条件および天候パターンが変
化する際に著しく変動する。特に、雨天の場合には、K
aバンド通信信号の減衰に著しい影響がある。通信信号
の減衰は雨滴損失あるいは雨滴減衰として知られている
が、他の気象現象によっても減衰が生じる場合がある。
そのような大気条件および/または天候パターンは急激
に変化し、セル内のUETの位置に応じて、セル内の種
々のUET間で変動する場合がある。セル内の各UET
に対して同様の受信パワーを保持することが望ましいの
で、セル内の各UETの送信パワーを調整して、雨滴損
失に起因してUETの信号が受ける減衰を補償すること
が望ましい。
【0009】4)同一チャネル干渉 セルラー衛星通信システムの隣接するセルは典型的には
信号を送信するために異なる周波数を用いる。しかしな
がら、隣接しないセル同士は、同じ周波数を利用する場
合がある。セルラーパターン内のセル間のそのような周
波数再利用は、衛星通信システムに必要とされる全周波
数帯域幅を低減するための役割を果たす。しかしなが
ら、たとえば、サイドローブ生成のような、衛星アンテ
ナビームの不完全性によって、第1のセル内に位置する
UETから送信される信号が、第1のセルと同じ周波数
を利用する第2のセル内に位置するUETから信号を受
信するように割り当てられた衛星アンテナビームによっ
て受信されるようになる場合がある。したがって、異な
るセル内に位置するが、同じ周波数を利用するUETに
よって送信された信号が互いに干渉し、通信性能の劣化
を引き起こす場合がある。すなわち、第1のUETから
衛星によって受信される所望の信号が、第1のUETと
同じ周波数を利用する他のセル内の他のUETからの信
号によって、干渉を受ける場合がある。他のUETから
の干渉波は所望の信号と干渉し、通信システムの性能に
悪影響を及ぼす場合がある。他のUETからの干渉は、
同一チャネル干渉(CCI)と呼ばれる場合がある。
【0010】背景雑音に対する所望のUETから受信さ
れる信号パワーの比は信号対背景比(SBR)として知
られる。衛星においてUETから受信されるデータ信号
に含まれる誤りの数(すなわち誤りカウント)は、SB
Rによって影響を受ける場合がある。背景は、熱雑音源
および他の雑音源、ならびに同じ周波数を利用する他の
UETからの干渉のような干渉源を含む場合がある。衛
星が特定のUETから信号を受信するために、UETの
送信パワーは、少なくともある所望の最小SBRを与え
るだけの十分なレベルでなければならない。CCIが増
加するのに応じて、SBRの背景部分が増加すると、所
望のSBRを保持するために、SBRの信号部分も増加
させなければならない。すなわち、対象のUETは、他
のUETからの干渉の増加を考慮して、高い送信パワー
で送信し、所望のSBRを保持する。しかしながら、対
象のUETの送信パワーが上昇すると、他のUETに対
する背景レベルが上昇する。他のUETも所望のSBR
を保持しようとしており、やはり、その送信パワーを上
昇させることによって応答する。対象のUETはそれに
応答して、さらにパワーを上昇させ、システム内の全て
の端末が最大送信パワーで動作するまで同じように繰り
返す場合がある。この現象は、システムの暴走として知
られている。
【0011】各UETに対して1つの一定の伝送パワー
レベルを確立することにより、システムの暴走の問題を
処理しようと試みる衛星システムが提案されている。こ
の提案されたシステムは、3〜12GHz(Cあるいは
Kuバンド)の範囲内の周波数を用いることを意図して
いる。各UETに対して一定のパワーを保持すること
は、ある場合には、KuあるいはCバンド周波数におい
て許容できる場合がある。しかしながら、より高いKa
バンド周波数(20〜30GHz)では、たとえば、減
衰のみによっても、衛星において受信される信号のパワ
ーは、20dB以上の範囲にわたって変動するようにな
る場合がある。それに匹敵する動的な範囲が衛星復調器
に要求され、それがシステムの複雑性およびコストに劇
的な影響をもたらすことになる。さらに、そのようなシ
ステムは、高い度合いのCCIを生成し、パワー消費を
増加させるであろう、高いCCIのため、他のUETか
らの最大限許容できる干渉レベルが、使用することがで
きるUETの数を不当に制限し、システム容量が不必要
に制限されるであろう。それゆえ、システムの暴走を防
ぎつつ、満足のいく通信性能を保持すること(典型的に
は、所望のSBRおよび/または所望の誤りカウントを
保持すること)が望ましい。
【0012】連続的にではなく、間欠的に、すなわちU
ETが最初に衛星への送信のための通信チャネルを確立
する度にUETがデータを送信することに関して、アッ
プリンク・パワー制御システムの複雑さがさらに増す。
UETが送信を開始するとき、UETは、UETからは
実質的に認識されない、減衰および干渉が生じる環境内
に、アップリンク信号を送信しなければならない場合が
ある。すなわち、UETは、同じ周波数を利用する他の
UETに不要なCCIを与えることなく、所望のSBR
を与える送信パワーで最初に送信することができない場
合がある。最初の送信パワーの設定が低すぎる場合に
は、信号は衛星によって受信されない場合がある。最初
の送信パワーの設定が高すぎる場合には、不釣り合いな
量のCCIを加え、システム内の他のアップリンク信号
の品質を劣化させる(SBRに悪影響を及ぼす)場合が
ある。
【0013】「Up-link Power Control in Satellite C
ommunications System」というタイトルの米国特許第
4,910,792号(‘792特許)は、雨滴による
減衰を補償するために、アップリンク送信パワーを制御
するための1つのアプローチを例示する。‘792特許
は、多数のユーザ端末59と、基準地球局58と、衛星
50とを備えるシステムを例示しており、第1欄の41
〜43行目には、「信号の単なる中継器であるが、各地
球局から送信されるパワーを測定するための設備を持た
ない」ものとして取り扱われる。動作時に、基準地球局
58から送信される基準信号の送信パワーが、衛星で受
信される基準信号が一定であるように調整される。各ユ
ーザ端末59は信号を送信し、その信号は衛星に中継さ
れ、さらにユーザ端末59に返送される。その後、地球
局58はそれぞれ、衛星を通して基準地球局から受信さ
れる基準信号と、地球局から送信され、衛星によって中
継されて受信される信号のレベルとの間の差を検出す
る。その後、地球局58はそれぞれ、信号間の差に基づ
いてアップリンク・パワーを調整する。すなわち、‘7
92特許は、基準局58からの基準バースト60が、ダ
ウンリンク上でのみ減衰してユーザ端末59によって受
信され、一方、ユーザ端末59から送信されるバースト
61が、アップリンクおよびダウンリンクの両方におい
て減衰されてユーザ端末59で受信されることを想定し
ている。それゆえ、受信される基準バースト信号60
と、ユーザ端末から送信されるユーザ端末バースト61
との間の差は、図4(b)に示されるような、アップリ
ンクの減衰62である。‘792特許のシステムは、
「ベントパイプ(bent pipe)」トランスポンダを用い
るシステムに適用されるが、それは処理衛星通信システ
ムにおいて存在しない。
【0014】「Method and System for Controlling Up
link Power in a High Data Rate Satellite Communica
tion System Employing On-Board Demodulation and Re
modulation」というタイトルの米国特許第5,864,
547号(‘547特許)は、アップリンク送信パワー
を制御するための別のアプローチを例示する。動作時に
は、図1および図5に示されるように、ダウンリンクデ
ータストリーム内のデータのダウンリンク誤り率が、衛
星によって送信され、受信端末12によって受信される
既知のデータビットに基づいて決定される。その後、ア
ップリンクデータストリームおよびダウンリンク・デー
タストリームのエンド対エンド誤り率が、第1のユーザ
端末11によって受信端末12に送信された受信データ
内の誤りの数に基づいて決定される。その後、アップリ
ンクの誤り率が、ダウンリンク誤り率とエンド対エンド
誤り率に基づいて、ルックアップテーブルを参照して間
接的に推定される。最終的に、アップリンクの誤り率の
間接的な推定値に基づいて、アップリンクのパワーが制
御される。このように、‘547特許は、ダウンリンク
信号を用いてアップリンク信号の品質を間接的に推定す
ることに基づく。それゆえ、ダウンリンクに導入される
誤りは、アップリンクに導入される誤りから確実に分離
できない場合がある。‘547特許は、アップリンク誤
り率を直接決定しない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】したがって、衛星通信
システムにおいてアップリンク・パワーを制御するため
のシステムおよび方法が、長年求められてきた。特に、
利得ロールオフ、アンテナ照準誤差、大気による減衰、
およびCCIによって影響を受けるアップリンクチャネ
ルのアップリンク・パワーを制御することができるシス
テムおよび方法が求められてきた。さらに、初期アップ
リンク送信パワーを制御するためのシステムおよび方法
が長年求められてきた。最後に、アップリンク・パワー
レベルやデータ誤り率を直接測定することができるシス
テムが長年求められてきた。また、アップリンク・パワ
ーレベルを動的に制御して、干渉環境の変化を補償する
ためのシステムおよび方法が長年求められてきた。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の好ましい実施形
態は、衛星通信システムにおいてアップリンク・パワー
を制御するための総合システムおよび方法を提供する。
好ましい実施形態のパワーレベル調整の態様は、衛星に
よって受信されるある端末からのアップリンク信号のエ
ネルギーレベルと、所定のエネルギーレベル閾値とを比
較することにより、アップリンク基準伝送パワーレベル
を決定する。その後、アップリンク信号の伝送パワーレ
ベルが、受信パワーと閾値との比較に基づいて調整され
る。エネルギーレベルの比較は、同期バーストを用いて
行われることが好ましい。一旦、端末がデータを送信し
始めたなら、好ましい実施形態の誤りレベル調整の態様
が、現在のアップリンク伝送パワーレベルを決定する。
すなわち、一旦、端末があるチャネルを用いてデータを
送信し始めたなら、チャネル内のデータの誤り率が、閾
値誤り率と比較され、その後、アップリンク信号の送信
パワーがその比較に基づいて調整される。その後、好ま
しい実施形態の閾値レベル調整の態様が、パワーレベル
調整の態様によって用いられるエネルギーレベル閾値を
算出し、制御するために用いられる。すなわち、端末の
そのチャネルのアップリンク基準伝送パワーレベルとア
ップリンクデータ伝送パワーレベルとが周期的に比較さ
れる。その後、エネルギーレベル閾値は、アップリンク
基準伝送パワーレベルとアップリンクデータ伝送パワー
レベルとの比較結果に基づいて制御される。
【0017】本発明のこれらの特徴および他の特徴は、
本発明の好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明に
おいて説明されるか、あるいは詳細な説明から明らかに
なるであろう。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態は、3
つの相互に関連する概念、すなわちパワーレベル調整、
誤りレベル調整および閾値レベル調整を含み、かつ統合
する、衛星通信システムにおいてアップリンク・パワー
を制御するための総合システムおよび方法を提供する。
好ましい実施形態のパワーレベル調整、誤りレベル調整
および閾値レベル調整の各態様がさらに以下に説明され
る。さらに、本発明の好ましい実施形態とともに説明さ
れるパワーレベル調整の概念は、「Method and Systemf
or Controlling Uplink Power In a Satellite Communi
cation System Using Power Leveling」というタイトル
の米国特許出願(代理人整理番号TRW22−010
8)にさらに記載されており、その特許出願の内容は、
全体を参照して本明細書に援用する。本発明の好ましい
実施形態とともに説明される誤りレベル調整の概念は、
「Method and System for Controlling Uplink Power I
n a Satellite Communication System Using Error Lev
eling」というタイトルの米国特許出願(代理人整理番
号TRW22−0106)にさらに記載されており、そ
の特許出願の内容は、全体を参照して本明細書に援用す
る。本発明の好ましい実施形態とともに説明される閾値
レベル調整の概念は、「Method and Apparatus for Con
trolling a Transmission Power Threshold of a Satel
lite Communication System」というタイトルの米国特
許出願(代理人整理番号TRW22−0110)にさら
に記載されており、その特許出願の内容は、全体を参照
して本明細書に援用する。
【0019】図1は、本発明の好ましい実施形態が用い
られる場合があるセルラー衛星通信システム100を示
す。衛星システム100は、第1のユーザ地上端末(U
ET)、UET A110と、第2のUET、UET
B120と、ネットワーク制御センタ(NCC)130
と、処理衛星140とを備える。UET A110およ
びUET B120にはいずれも移動端末を用いること
ができるが、固定端末であることが好ましい。NCC1
30は固定端末であることが好ましい。UETA110
は、サービスエリアセル112内に位置し、UET B
120は、同一チャネルセル122内に位置し、NCC
130は、NCCセル132内に位置する。
【0020】UET A110およびUET B120
は、衛星140によってリンクされ、衛星140を介し
て互いに通信することが好ましい。サービスエリアセル
112および同一チャネルセル122は、衛星140の
個々のアンテナビームに対応する。衛星140の個々の
アンテナビームは各セルの中心に向けられ、そのセル内
に位置する全ての端末から発信される信号を受信し、か
つ全ての端末に向けて信号を送信するために割り当てら
れることが好ましい。
【0021】衛星通信システムは、所与のセル内の各端
末が、アップリンク信号を送信するための周波数チャネ
ルと1つあるいは複数のタイムスロットとを割り当てら
れるように、利用可能な通信リソースを割り当てるため
の時分割多元接続(TDMA)とともに、周波数分割多
元接続(FDMA)を用いることが好ましい。
【0022】隣接するセル内に位置する端末は異なる周
波数チャネルを用いてアップリンク信号を送信し、一
方、隣接していないセル内の端末は同じ周波数チャネル
を用いる場合がある。たとえば、UET A110は、
アップリンク信号を衛星140に送信するために、UE
T B120と同じ周波数チャネルを用いる場合があ
る。各チャネル/スロットの組み合わせ(「チャネルス
ロット(chanslot)」)は、アップリンク信号を送信す
るために、所与のセル内の1つの端末にのみ割り当てら
れ、一方、各端末は1つあるいは複数のチャネルスロッ
トを割り当てられる場合がある。別法では、本発明は、
符号分割多元接続(CDMA)、FDMAのみ、TDM
Aのみ、あるいはCDMA、FDMAおよび/またはT
DMAの任意の他の組み合わせを用いる多数の他のタイ
プの衛星通信システムにおいて実施される場合がある。
本発明の好ましい実施形態が、TDMA/FDMAシス
テムに関して以下に詳細に記載される。
【0023】動作時に、UET A110は、サービス
エリアセル112内で送信し、図のように処理衛星14
0にアップリンク信号を送信する。アップリンク信号は
自由空間を通って、UET A110から衛星140に
伝搬する。上記のように、衛星140で受信される、U
ET A110からのアップリンク信号のパワーは、サ
ービスエリアセル112内のUET A110の位置、
暴風雨150のような大気現象の存在、UET A11
0の送信アンテナおよび衛星140の受信アンテナの向
きの照準誤差、およびUET B120からの同一チャ
ネル干渉(CCI)を含むいくつかの要因によって悪影
響を受ける場合がある。
【0024】図2は、本発明の好ましい実施形態の簡略
化したブロック図200を示す。ブロック図200は、
UET216と衛星214とを含む。UET216は、
アップリンク送信機220とダウンリンク受信機230
とを備える。衛星214は、アップリンク受信機204
と、同期プロセッサ206と、パワー調整プロセッサ2
08と、ダウンリンク送信機210とを備える。
【0025】動作時に、UET216は、アップリンク
送信機220を介して、衛星214に同期信号202を
周期的に送信する。同期信号202は、バイナリ数字か
らなる所定のシーケンスから構成され、典型的には、端
末216のタイミング誤差を推定するために衛星214
によって用いられることが好ましい。同期信号202
は、アップリンク受信機204を介して衛星214によ
って受信され、同期プロセッサ206に渡される。同期
信号202および同期プロセッサ206は、「Synchron
ization Method for a Processing Satellite System」
というタイトルの米国特許出願(代理人整理番号TRW
205)にさらに記載されており、その内容は参照して
本明細書に援用する。
【0026】以下にさらに記載されるように、本発明の
好ましい実施形態は、受信信号が所定の閾値シーケンス
と相関をとられ、さらに、受信され、相関をとられた信
号の全エネルギーレベルが測定されるように、同期プロ
セッサ206を変更する。測定された全エネルギーは一
般に、信号エネルギー、干渉および熱雑音を含む。同期
シーケンスが十分な長さ(たとえば、64の長さ)から
なるとき、干渉および熱雑音から全エネルギーへの寄与
は、信号エネルギーの寄与に比べて小さい。したがっ
て、相関をとられた信号の全エネルギーは概ね信号のエ
ネルギーである。
【0027】測定された全エネルギー値は、パワー調整
プロセッサ208に入力され、その中で所定の閾値と比
較される。所定の閾値は、所望の通信性能レベルに基づ
く、相関をとられた信号の所望の全エネルギーレベルを
表す。パワー調整プロセッサ208は、その閾値と測定
された全エネルギーとの間の差を計算し、パワー調整値
を決定する。その後、パワー調整値は、ダウンリンク送
信機210を介して、衛星214からUET216に送
信される。その後、UET216は、ダウンリンク受信
機230を介してそのダウンリンク信号212を受信す
る。その後、UET216は、そのパワー調整値を用い
て、アップリンク送信機220の伝送パワーレベルを調
整する。
【0028】第1の実施形態では、パワー調整値は、閾
値レベルと測定された全エネルギーとの間の差の数値で
ある。しかしながら、そのような数値は実装するために
数ビットを要する場合があり、したがって、そのビット
を送信しなければデータを送信するために用いることが
できる、送信帯域幅を必要とする場合がある。
【0029】本発明の第2の実施形態では、衛星214
内に位置するパワー調整プロセッサ208は、実際の差
の数値ではなく、測定された全エネルギーが所望の閾値
より大きいか、小さいかのみを決定する。アップリンク
送信機220の伝送パワーレベルは、測定された全エネ
ルギーが所望の閾値より小さい場合には上昇させ、測定
された全エネルギーが所望の閾値より大きい場合には降
下させることができる。この好ましい実施形態では、パ
ワー調整値は1ビットで実装することができ、それゆえ
帯域幅の利用を最小にすることができる。UET216
は単に1ビット調整値を受信し、その後、所定の固定値
だけ、アップリンク送信機220の伝送パワーレベルを
上昇、あるいは降下させて調整することができる。その
固定値は、上昇および降下の調整に対して同じであるこ
とが好ましいが、必ずしも同じである必要はない。
【0030】本発明の第3の好ましい実施形態では、パ
ワー調整プロセッサ208は、上記の好ましい実施形態
の場合と同様に、測定された全エネルギーが当初の所望
の閾値より大きいか、小さいかを決定する。2つの付加
的な閾値、すなわち当初の閾値より高い閾値と、当初の
閾値より低い閾値も確立される。付加的な閾値によっ
て、アップリンク・パワーは4つの態様、すなわち大き
なステップアップ、小さなステップアップ、小さなステ
ップダウンおよび大きなステップダウンのうちの1つで
調整できるようになる。すなわち、最初に、測定された
全エネルギーが当初の閾値より低く、かつ下側の付加的
な閾値より低い場合には、アップリンク送信機の送信パ
ワーは、相対的に大きな所定の値だけ上方に調整され
る。第2に、測定された全エネルギーが当初の閾値より
低いが、下側の付加的な閾値より高い場合には、アップ
リンク送信機の送信パワーは、より小さな所定の値だけ
上方に調整される。第3に、測定された全エネルギーが
当初の閾値より高いが、上側の付加的な閾値より低い場
合には、アップリンク送信機の送信パワーは、小さな所
定の値だけ下方に調整される。最後に、測定された全エ
ネルギーが、当初の閾値および上側の付加的な閾値より
高い場合には、アップリンク送信機の送信パワーは、よ
り大きな所定の値だけ下方に調整される。上記のよう
に、その値は、上方および下方の両方の調整の場合に等
しいことが好ましいが、必ずしもそうである必要はな
い。また、大きいほうの所定の値は、小さいほうの所定
の値の約2倍であることが好ましいが、特定の通信シス
テムの要件に対応するために、他の値が選択される場合
がある。この実施形態は、2ビットパワー調整値を実装
することができる。当業者は、この実施形態がより多く
の数の閾値に拡大され、パワー制御により精細な段階を
提供できることは理解されよう。しかしながら、より多
数の閾値を実装することにより、パワー調整値のために
必要とされるビットの数が増加する。
【0031】本発明の第4の実施形態では、パワー調整
プロセッサは、第3の実施形態で行われたのと同様に、
複数の閾値に対する測定された全エネルギーの値を決定
する。しかしながら、第4の実施形態では、アップリン
ク送信機220の伝送パワーレベルは、測定された全エ
ネルギーが所望の閾値から所定の量だけ変動しない場合
には、調整されない。したがって、当初の閾値より低い
下側閾値と、当初の閾値より高い上側閾値とが確立され
る。測定された全エネルギーが上側閾値より高い場合に
は、アップリンク送信機の送信パワーは所定の値だけ下
方に調整される。測定された全エネルギーが下側閾値よ
り低い場合には、アップリンク送信機の送信パワーは所
定の値だけ上方に調整される。測定されたエネルギーが
上側閾値と下側閾値との間にある場合には、アップリン
ク送信機のパワーは調整されない。この実施形態も、2
ビットパワー調整値で実装することができる。当業者
は、第4の実施形態が第3の実施形態と組み合わせるこ
とができることは理解されよう。
【0032】各実施形態において、本発明は、同期バー
ストを用いてアップリンク信号のパワーレベルを制御す
るための閉ループ手順を提供する。エネルギーレベル測
定値は、同じ相関をとられた変数を用いて形成され、そ
の変数を用いて、各端末に対して、同期バーストからの
早期/後期表示子を作成する。本発明によれば、各端末
は、データバーストを送信する際にアクティブに関係す
るか、待機状態で単に同期を保持する際にアクティブに
関係するかのいずれかであり、いずれの場合でも衛星に
よって受信される送信信号に必要とされる伝送パワーレ
ベルを知ることができる。所望の伝送パワーレベルがわ
かっているので、端末は、データ送信の開始時であって
も、十分に受信されるパワーでデータを送信することが
できる。端末はいくつかのチャネルスロットでデータ送
信する場合があり、各チャネルスロットは固有のレベル
の干渉を受ける場合があるが、パワーレベル調整プロセ
スが、各アップリンクチャネルスロットのアクティブな
送信が、同一チャネルビームにおいて過度の干渉を引き
起こすほど高いレベルではなく、送信するデータの内容
が過度のセル損失比を受ける危険があるほど低いレベル
でもないレベルで確実に開始されるようにする手段を提
供する。
【0033】図3は、本発明の好ましい実施形態による
パワーレベル調整システム300を示す。パワーレベル
調整システム300は、端末310と衛星350とを備
える。端末310は、ダウンリンク電子装置モジュール
315と、レポート・セル構文解析装置320と、アキ
ュームレータ325と、デジタル/アナログコンバータ
330と、可変利得増幅器335と、高パワー増幅器3
40とを備える。衛星350は、同期バーストプロセッ
サ355と、レポート・セル形成装置360と、ダウン
リンク電子装置モジュール365とを備える。
【0034】また図3は、アップリンク370とダウン
リンク390とを含む。アップリンク370は、上記の
ように、干渉あるいは減衰によって悪影響を受ける場合
がある。たとえば、端末310によって衛星350に送
信される信号は最初に、地上端末のアンテナからある利
得372を受ける。地上端末のアンテナの利得は、たと
えば、上記のような照準誤差によって悪影響を受ける場
合がある。その後、信号は、信号を減衰させる場合があ
る雨滴減衰374を受ける場合がある。その後、信号は
衛星アンテナの利得376を受けるが、その利得も照準
誤差によって悪影響を受ける場合がある。また信号は、
上記のような、熱雑音378を含む種々の雑音源、他の
衛星382および同一チャネル端末380(CCI)か
ら干渉を受ける場合もある。言い換えると、同期バース
トが上り方向に伝搬し、衛星350に到達するとき、そ
のバーストは、衛星の同期バーストプロセッサ355に
到達するエネルギーレベルの変動を引き起こす場合があ
る要因を被る可能性がある。これらの要因には端末およ
び衛星の両方のアンテナの向きが含まれ、そのアンテナ
の有効な利得は照準の精度に依存する。衛星のアンテナ
の場合、その利得は、地上端末のビームの位置にも依存
する。別の変数は、雨、雲、ガスによる吸収に起因して
著しい量の減衰を導入する恐れがある地球の大気であ
る。
【0035】動作時に、端末310は、アップリンク3
70を介して衛星350に周期的に同期バーストを送信
する。端末において、同期バーストは可変利得増幅器3
35に供給され、その後、衛星350に送信するために
高パワー増幅器(HPA)340に渡される。同期バー
ストはアップリンク370を通るので、図に示される要
因(すなわち、地上端末アンテナ利得372、アップリ
ンク雨滴減衰374、衛星アンテナ利得376、熱雑音
378、および他の衛星382ならびにCCI380か
らの干渉)によって影響を受ける場合がある。
【0036】同期バーストは、端末310が待機モード
であるか、アクティブにデータトラフィックを送信中で
あるかにかかわらず、所定のインターバルで送信され
る。衛星によって同期バーストが受信されるためには、
同期バーストは、十分なパワーレベルで送信されなけれ
ばならない。動作時に、可変利得増幅器355は、HP
A340に渡す信号の振幅を増減する。HPA340は
固定利得の増幅器であることが好ましいので、HPA3
40に渡される振幅を増減することにより、HPA34
0からの出力パワーが増減する。HPA340の出力パ
ワーは十分なパワーであり、同期バーストは、所望のパ
ワーレベルあるいはそれに近いレベルで衛星350によ
って受信されるであろう。アップリンク370に干渉が
存在するため、同期バーストプロセッサ355によって
受信される端末310からの信号は、所望の信号成分と
不要な背景成分とを含む。
【0037】典型的な衛星システムでは、ユーザ端末
は、0.75秒毎に衛星に短い同期バーストを送信する
ことができる。その同期バーストはNシンボルの持続時
間からなる。ただし、Nは典型的には64である。その
バーストの信号構造は、信頼性のある到達時刻を指示す
ることができるように選択された構造を有する固定のシ
ーケンスである。典型的な同期バーストの詳細は、「Sy
nchronization Method for a Processing Satellite Sy
stem」というタイトルの米国特許出願(代理人整理番号
TRW205、および「Uplink Transmission for a Pr
ocessing Satellite System」というタイトルの米国特
許出願(代理人整理番号TRW301)を含む種々の関
連特許出願にさらに開示されており、それらの内容は参
照して本明細書に援用する。
【0038】同期バーストのための早期/後期表示子を
決定するために衛星350において行われる同期バース
トの処理、および同期バーストプロセッサ355の構造
は、「Synchronization Burst Processor」というタイ
トルの米国特許出願(代理人整理番号TRW241にさ
らに記載されており、その内容は参照して本明細書に援
用する。明らかにされた応用形態において説明されるよ
うに、同期バーストプロセッサ(SBP)355は、早
期および後期において相関をとられた応答REおよびRL
を決定する。SBP355は、受信した同期バーストの
同相成分および直交成分からのN+1個の「奇数」サン
プルを用いる。奇数サンプルは、復調器アイパターンが
収束する点からシンボル時間の半分だけオフセットされ
た位置で取られたサンプルである。言い換えると、奇数
サンプルは、通常のデータシンボル速度からシンボル時
間の半分だけオフセットされる。
【0039】早期に相関をとられた応答、REは、早期
に半シンボル時間だけオフセットされた64個の奇数サ
ンプルから決定される。後期に相関をとられた応答、R
Lは、後期に半シンボル時間だけオフセットされた64
個の奇数シンボルから決定される。したがって、それぞ
れシンボル時間の半分だけオフセットされるので、R E
およびRLは、その最も早いサンプルと最も遅いサンプ
ルを除いて重複する。したがって、N+1、すなわち6
5個の奇数サンプルを解析して、REおよびRLを決定す
る。一旦、REおよびRLが決定されたなら、相関をとら
れた信号の全エネルギーレベルを決定することができ
る。
【0040】図4は、本発明の好ましい実施形態によ
る、より詳細な同期バーストプロセッサ355の選択パ
ワー決定モジュール400を示す。パワー決定モジュー
ル400は、同相早期/後期相関器410と、直交早期
/後期相関器420と、二乗係数部430と、パワーレ
ベル調整加算および比較モジュール440と、タイミン
グ比較モジュール450とを備える。
【0041】動作時に、マッチトフィルタ(図示せず)
が、同相早期/後期相関器410に受信した同期バース
トの同相成分を、また直交早期/後期相関器420に受
信した同期バーストの直交成分を与える。同相成分およ
び直交成分はいずれも、N+1、すなわち65個の奇数
サンプルを含む。これらは以下のように表すことができ
る。
【数1】{p0(n), q0(n):n=0からN}
【0042】同期バーストのテンプレートt(n)が、
図のように、同相早期/後期相関器410および直交早
期/後期相関器420の両方に供給される。その後、同
相早期/後期相関器410および直交早期/後期相関器
420は、同期バーストの奇数サンプルと、テンプレー
トt(n)との相関をとり、同相(PEおよびPL)成分
および直交(QEおよびQL)成分両方の場合の早期およ
び後期相関を決定する。これは、以下の式によって表す
ことができる。
【数2】
【0043】一旦、同期バーストの奇数サンプルの同相
(PEおよびPL)成分および直交(QEおよびQL)成分
両方のための早期および後期相関が形成されたなら、早
期および後期相関は二乗係数部430に渡される。二乗
係数部430は、早期相関の同相および直交成分を二乗
し、かつ加算することにより、早期相関の全エネルギー
レベルを決定する。後期相関の全エネルギーレベルは同
様にして形成される。これは、以下の式により表すこと
ができる。
【数3】 RE 2=PE 2+QE 2L 2=PL 2+QL 2
【0044】早期相関RE 2および後期相関RL 2のための
全エネルギー値は、タイミング比較モジュール450、
ならびに加算および比較モジュール440の両方に送信
される。上記の「Synchronization Burst Processor」
の応用形態に記載されるように、タイミング比較モジュ
ール450は、RL 2からRE 2を減算し、早期および後期
表示子を形成する。しかしながら、本発明の好ましい実
施形態は、加算および比較モジュール440も備える。
【0045】加算および比較モジュール440は、早期
および後期相関エネルギー値を加算して、受信した同期
バーストの全エネルギー値を形成する。これは、以下の
ように表すことができる。
【数4】ETOT=RE 2+RL 2 その後、この全エネルギー値は閾値エネルギー値と比較
され、送信パワー調整値が決定される。
【0046】全エネルギー値、ETOTは、所望の信号お
よび背景の両方のエネルギーを組み込む。同期シーケン
スt(n)は、オフセットがない場合の自己相関と比較
して、1シンボル以上のオフセット位置での自己相関が
小さいように選択されることが好ましい。同期プロセス
が、同期バーストのタイミング誤差を1シンボル時間以
内まで低減しているものと仮定すると、上で決定された
全エネルギーの予想される値は、以下の式によって受信
された同期バーストのシンボル当たりのエネルギーに関
係付けることができる。
【数5】 <ETOT>=2×N×(λ×N×Es+B0) ただし、Nはシーケンス長であり、ESは同期バースト
のシンボル当たりのエネルギーであり、B0は、熱雑音
および種々の形態の干渉を含む組み合わせた背景スペク
トル密度であり、λはシンボルを整形するために用いら
れるフィルタのタイプに依存する定数である。好ましい
実施形態の場合、Nは長さ64であり、λ=1/4を生
成する矩形4相位相変調(QPSK)フィルタが用いら
れる。結果として、上記の式は以下の式に簡略化され
る。
【数6】<ETOT>=128×(16×Es+B0
【0047】したがって、測定された全エネルギーレベ
ルは、ES、受信した同期バーストのシンボル当たりの
エネルギーに大きく依存し、B0、背景パワースペクト
ル密度にあまり依存しないものとして示される。
【0048】運用システムのES/B0の所望の値は典型
的には、3(すなわち4.8dB)以上である。パワー
レベル調整プロセスの安定性の例として、ESに3単位
の値を割り当て、B0に1単位の値を割り当てることに
より、以下の予想される全エネルギーレベルが生成され
る。
【数7】 <ETOT>=128×(16×3+1)=6272 B0の値は、<ETOT>の値に約2%しか寄与しない。E
S/B0が4.8dBの値を有するとき、3単位の所望の
s値を保持するために、加算および比較モジュール4
40において用いられる閾値は6272の値を割り当て
られることが好ましい。
【0049】実際には、B0の値はランダムであり、た
とえば、セル内で干渉する端末の地理的な分布によって
引き起こされるCCIのレベルの変動に起因して、時間
とともに著しく変動する場合がある。B0の値が2倍だ
け極端に変動するようになる場合でも、B0のレベルの
変化がパワーレベル調整プロセスにほとんど影響を及ぼ
さないことが、代入して上記式を解くことにより容易に
明らかになるであろう。たとえば、B0が0.5単位か
ら2単位の値まで変動できるような場合でも、<ETOT
>は、所望の値から0.1dB未満しか変動しない。し
たがって、パワーレベル調整システムは、利得ロールオ
フ、照準誤差、および大気による減衰のような受信した
同期バーストエネルギーに影響を及ぼす要因に強く反応
し、干渉レベルの変化にはほとんど反応しない。干渉レ
ベルが大きく増加しても、実際にシステムは、同期バー
スト送信パワーをほとんど減少させることなく応答でき
るので、システムの暴走の問題は回避される。
【0050】上記のように、SBP355に、閾値より
高い全エネルギーレベルを有する同期バーストが到達す
るとき、伝送パワーレベルを低減するために、ユーザ端
末に信号が送信される場合がある。逆に、SBP355
に、閾値より低い全エネルギーレベルを有する同期バー
ストが到達するとき、伝送パワーレベルを増加させるた
めに、ユーザ端末に信号が送信される場合もある。
【0051】図4の加算および比較モジュール440に
よって用いられる閾値レベルが個別に決定され、衛星に
送信される。閾値は、約1時間の固定された所定の周期
で再計算されることが好ましい。また、閾値の再計算
は、ネットワーク制御センタ(NCC)(図示せず)に
おいて実行され、NCCによって衛星に送信されること
が好ましい。閾値レベルを再計算するためのシステムお
よび方法は、「Method and Apparatus for Controlling
A Transmission Power Threshold of a Satellite Com
munication System」というタイトルの米国特許出願
(代理人整理番号TRW357)にさらに開示されてお
り、その内容は参照して本明細書に援用する。
【0052】図4を参照すると、一旦、加算および比較
モジュール440が、全エネルギー、ETOTが所望の閾
値レベルより小さいか、大きいかを決定したなら、加算
および比較モジュール440は、図のような1ビット
Hi/Lo表示子を生成することができる。別法とし
て、上記の好ましい実施形態では、全エネルギーETOT
が所望の閾値、上側閾値および下側閾値と比較される。
その際、加算および比較モジュールは、2ビットHiH
i/Hi/Lo/LoLo表示子を生成する。すなわ
ち、1)全エネルギーが下側閾値より低いとき、LoL
o表示子が送出され、2)全エネルギーが下側閾値より
高いが、所望の閾値より低いとき、Lo表示子が送出さ
れ、3)全エネルギーが上側閾値より低いが、所望の閾
値より高いとき、Hi表示子が送出され、4)全エネル
ギーが上側閾値より高いとき、HiHi表示子が送出さ
れる。1ビットおよび2ビットHi/Lo表示子は、ユ
ーザ端末の同期バーストのチャネルスロットに固有であ
る。端末のためのHi/Lo表示子は、その端末がその
端末のための短いレポートを形成するために、同期情報
と組み合わせられることが好ましい。Hi/Lo表示子
は2ビットを含み、同期情報も同じく2ビットを含み、
それにより各端末に対して4ビット(1ニブル)のレポ
ートを生成することが好ましい。
【0053】図3を参照すると、その後、Hi/Lo表
示子はレポート・セル構成装置360に渡される。レポ
ート・セル構成装置360は、その端末のためのHi/
Lo表示子を含むニブルレポートをパッケージ化し、レ
ポート・セルを構成する。レポート・セルは、非同期転
送モード(ATM)セルの形で実装されることができ
る。Hi/Lo表示子を含むニブルレポートは、さらに
以下に記載されるように、同期バーストを送信している
場合がある他の端末のためのHi/Lo表示子を含むニ
ブルレポートとともに、ATMセルにパッケージ化され
る場合がある。その後、レポート・セル形成装置360
は、現在のフレームに対する各同期バーストスロットの
ためのニブルレポートを、ATMセルにパックする。そ
の後、レポート・セル形成装置360は、上記のよう
に、ATMセルをダウンリンク電子装置モジュール36
5に渡し、その後、端末310のダウンリンクモジュー
ル315に渡す。ダウンリンクモジュール315はその
ATMセルをレポート・セル構文解析装置320に渡
す。
【0054】レポート・セル構文解析装置320はAT
Mセルのパッケージを解き、レポートニブルからのその
特定の端末310のためのHi/Lo表示子を決定す
る。その後、Hi/Lo表示子はアキュームレータ32
5に渡される。その後、アキュームレータ325は、所
定の供給されたステップサイズだけ、アップリンクのパ
ワーレベルを調整する。たとえば、2ビットHi/Lo
表示子の好ましい実施形態では、アップリンク・パワー
は、HiあるいはLoレポートの場合に0.1〜0.2
5dBステップサイズで、LoLoあるいはHiHiレ
ポートの場合に0.25〜0.5dBステップサイズで
調整される場合がある。すなわち、バイナリのHi/L
o表示子は、二極(±1)の形に変換され、アキューム
レータ325においてメモリに格納されたデジタル値に
加えられる。
【0055】累算されたデジタル値は、D/Aコンバー
タ330によってアナログの形式に変換される。デジタ
ル値とそのアナログ表現との間の変換ファクタは、地上
端末内のステップサイズパラメータによってスケーリン
グされる。アナログ電圧「Vgain」が、端末310
の送信機回路内の可変利得増幅器335の利得を制御す
るために用いられる。可変利得増幅器の利得の相関の意
味は衛星によってレポートされる誤差とは反対であるこ
とが好ましい。すなわち、「Hi」がレポートされる場
合には、次のマスタフレームにおいて、より低いパワー
の同期バーストが送信されるように、増幅器利得は低減
される。
【0056】図5は、本発明の好ましい実施形態による
典型的なATMレポート・セル500を示す。上記のよ
うに、本発明の好ましい実施形態は、各ユーザ端末に対
して4ビットのサンプルニブル510を用いる。サンプ
ルニブルは、2ビットの早期/後期タイミング表示子5
12と、2ビットのパワー表示子514とを含む。AT
Mレポート・セル500の好ましい実施形態は、特定の
アップリンクフレーム内の特定の各同期バーストタイム
スロットに関係し、そのタイムスロットにおいて同時に
アクセスされる場合がある175個の個別の(周波数分
割された)チャネルのための結果をレポートする。AT
Mレポート・セル500は、5バイトのヘッダ515
と、48バイトの本体520とを含む標準的な53バイ
トATMセルである。
【0057】ヘッダ515は、衛星通信ビーム内に位置
する全てのユーザ端末へのATMアドレッシング(VP
IおよびVCI)を含む。各UETは、そのダウンリン
クに到達する全てのATMセルをモニタする。ATMレ
ポート・セル500が到達するとき、そのATMレポー
ト・セル500は、構文解析のためにUETのレポート
・セル構文解析装置320(図3)に渡される。
【0058】各ATMレポート・セル500の本体は、
4バイトのサブヘッダ525と、44バイトのレポート
・フィールド530とに分割される。サブヘッダ525
は、そのセルを同期バーストレポートとして特定するた
めのフィールドと、そのレポートが参照するアップリン
クフレームおよびタイムスロットを指定するためのフィ
ールドとを含む。同期バーストレポートは2つのATM
レポート・セル500にわたって延在するので、サブヘ
ッダ525には、各レポートの第1および第2のセルを
区別するための表示子も存在する。
【0059】各同期バーストATMレポート・セル50
0のレポート・フィールドは、バイト当たり2つ(第1
のセルでは全88、第2のセルでは全87)のニブルか
らなる。レポート・フィールド内の各ニブルの位置は、
特定のチャネル番号に関連付けられる。各UETは、直
前の同期バーストが送信されたフレーム、スロットおよ
びチャネルを認識しているので、UETは、その端末の
フレームおよびスロット番号を、ATMレポート・セル
のフレームおよびスロット番号と比較することにより、
関連するATMレポート・セル500を特定することが
できる。端末のチャネルをATMレポート・セル500
と比較することにより、その端末は、その端末の特定の
チャネルに関係するATMレポート・セル内のニブルの
位置を容易に特定することもできる。
【0060】したがって、本発明の好ましい実施形態に
よれば、システム内の各端末は、トラフィック・バース
トをアクティブに送信中であるか、待機状態で単に同期
を保持しているだけかにかかわらず、衛星の同期バース
トプロセッサにおいて所定の閾値に近い受信レベルを生
成するパワーレベルで送信できるようになる。好ましい
実施形態は、衛星の処理リソースを効率的に利用し、ま
た、衛星と端末との間の通信リソースに課する任意のオ
ーバーヘッド要件においても効率的である。また、好ま
しい実施形態は、衛星の受信電子装置において受ける不
要な背景のレベルの変動にも比較的影響を受けにくい。
【0061】したがって、本発明は、アップリンク・パ
ワーを正確に閾値レベルに保持するための能力を生成す
る。さらに、アップリンク・パワー制御は、上記のよう
に、アップリンク・タイミング基準制御と完全に一体化
することもできる。また、本発明は、既に衛星に送信さ
れている同期バーストを用いるので、端末と衛星との間
の新たなシグナリングを必要としない。さらに、好まし
い実施形態は、同期プロセスを効率的に利用し、衛星に
追加するハードウエアを最小限に留める。
【0062】さらに、好ましい実施形態は無条件に安定
している。上記のように、背景レベルが上昇する結果と
して、端末はアップリンク送信パワーを上昇させるので
なく低減するので、システムの暴走が避けられる。ま
た、閾値基準レベルは、新たな閾値レベルを衛星の加算
および比較モジュール440にアップロードすることに
より、容易に増減することができる。したがって、本発
明により、システム内のUET間、および個別の通信シ
ステム間の干渉が低減される。干渉を低減することによ
り、基準レベルは、理論的な最小値に近い値に保持され
るようになり、結果として、所与のHPAレベルのため
の、ユーザ端末における予備マージンを増加させること
ができる。基準レベルを低下させることにより、より低
い定格のHPAを利用できるようになるので、端末のコ
ストを低減することもできる。
【0063】また、本発明により、基準パワーレベル
は、待機状態およびアクティブ状態の両方のユーザ端末
によって保持されるようになる。したがって、連続的に
ではなく、間欠的にデータを送信するUET、あるいは
最初に通信を確立するUETは、ある所望の閾値レベル
で送信することができる。UETの初期アップリンク・
パワーレベルを調整することにより、本発明はCCIを
低減することもできる。
【0064】図6は、本発明の好ましい実施形態による
流れ図600を示す。最初に、ステップ610におい
て、端末が同期バーストを送信する。次に、ステップ6
20では、衛星において同期バーストが受信され、その
同期バーストの全エネルギーが決定される。その後、ス
テップ630において、同期バーストの全エネルギーが
閾値エネルギーレベルと比較される。ステップ640で
は、Hi/Loパワー調整表示子が、閾値エネルギーレ
ベルに対する同期バーストの全エネルギーの比較結果に
基づいて決定される。ステップ650では、パワー調整
表示子が、ATMレポート・セルにパッケージ化され
る。次に、ステップ660では、ATMレポート・セル
が端末に報知される。その後、ステップ670では、そ
のATMレポート・セルが端末において受信され、かつ
構文解析されて、その端末のためのHi/Loパワー調
整表示子が決定される。最後に、ステップ680におい
て、アップリンク送信パワーが、Hi/Loパワー調整
表示子に応じて制御される。
【0065】再び図1を参照すると、ここで、典型的な
衛星通信システム100に適用されるような、本発明の
誤りレベル調整の態様の好ましい実施形態が与えられ
る。衛星通信システム100は、衛星搭載誤りレベル調
整モジュール(たとえば、図7の701)を備える処理
衛星140と、ネットワーク制御センタ(NCC)13
0と、1つあるいは複数の各サービスエリアセル11
2、122内に位置する1つあるいは複数のユーザ地上
端末(UET)110、120とを備える。各UET1
10、120は、UET搭載誤りレベル調整モジュール
(たとえば、図7の702)を備える。典型的には図1
はマルチビーム衛星140を示すが、そのシステムはシ
ングルビーム衛星を用いることもできる。
【0066】図1の衛星通信システム100では、一般
に、送信側のUET110から処理衛星140へのアッ
プリンクデータ信号103は所定のレベルの信号忠実度
を保持することが望まれる。たとえば、誤りカウント
(誤り率)あるいは信号対雑音比(SNR)のような種
々のタイプの信号忠実度決定基準が適用される場合があ
る。1つの好ましい信号忠実度決定基準は、誤りカウン
トあるいは誤り率である。
【0067】誤り率は、衛星の誤り検出復号化器(たと
えば、図7の711)によって検出されるデータビット
当たりの誤りの数であり、誤りカウントは、特定のデー
タ信号において検出される実際の誤りの数である。誤り
カウント(誤り率)は一般に、UETの伝送パワーレベ
ルの関数である。伝送パワーレベルは、UETのアップ
リンク送信機がアップリンクデータ信号を送信するパワ
ーレベルのことである。伝送パワーレベルは、信号が高
パワー増幅器(HPA)によって増幅される前のアップ
リンクデータ信号のパワー(たとえば、図7のアップリ
ンクデータ信号「X」)を表す。しかしながら、別法で
は、伝送パワーレベルは、信号を送信する際の任意の時
点でのアップリンクデータ信号のパワーレベル(たとえ
ば、図7の722あるいは730)を指す場合もある。
【0068】誤りカウントを所定の閾値レベルに保持す
るために、UET110の伝送パワーレベルは、誤り閾
値を満足するほど十分に高いことが望ましい。誤り閾値
は所定のレベルの信号忠実度であり、より詳細には、所
定の誤りカウントである。同時に、伝送パワーレベル
は、必要とされるレベル以下であることが理想的であ
る。これは主に、過剰なパワーが、他のUET120が
受ける同一チャネル干渉の量を高める可能性があるため
である。それゆえ、UET110は、誤り閾値付近のレ
ベルで通信するために許可された全てのチャネルに対し
て誤り率を保持することが望ましい。好ましい実施形態
では、誤り閾値は、閉ループトラッキング手順において
不可避のふらつきに対応するための理論的な最小値より
わずかに高い値にすることができる。
【0069】衛星通信システムは、所与のセル内の各端
末が、アップリンク信号を送信するために、1つの周波
数チャネルと1つあるいは複数のタイムスロットとを割
り当てられるように、利用可能な通信リソースを割り当
てるための時分割多元接続(TDMA)とともに周波数
分割多元接続(FDMA)を利用することが好ましい。
隣接するセル内に位置する端末は、異なる周波数チャネ
ルを用いてアップリンク信号を送信するが、一方、隣接
しないセル内に位置する端末は、同じ周波数チャネルを
用いる場合がある。たとえば、UET「A」110は、
衛星140にアップリンク信号を送信するために、UE
T「B」120と同じ周波数チャネルを用いる場合があ
る。各チャネル/スロットの組み合わせ(「チャネルス
ロット」)は、アップリンク信号を送信する場合には所
与のセルの1つの端末にしか割り当てられないが、一
方、各端末は1つあるいは複数のチャネルスロットを割
り当てられる場合がある。別法では、本発明は、符号分
割多元接続(CDMA)、FDMAのみ、TDMAの
み、あるいはCDMA、FDMAおよび/またはTDM
Aの任意の他の組み合わせを用いる多数の他のタイプの
衛星通信システムにおいて実施される場合がある。本発
明の好ましい実施形態が、FDMA/TDMAシステム
に関して以下に詳細に記載される。
【0070】図1に示されるように、UET110は、
処理衛星140にアップリンクデータ信号103を送信
する。アップリンクデータ信号103の誤り率は、限定
はしないが、送信中のUET110からの伝送パワーレ
ベル、同じ周波数を用いる他のUET120からの同一
チャネル干渉(CCI)(これらの他のUET120
は、処理衛星システム100内、あるいは隣接する衛星
システムにおいて通信する場合がある)、現在の気象条
件(たとえば、降雨)に起因する減衰、衛星140およ
び/またはUET110のアンテナの照準ミスに起因す
る利得の変化を含む種々の異なる要因によって影響を受
ける場合がある。
【0071】衛星140は、UET110によって送信
されるアップリンクデータ信号103を受信し、かつ処
理する。以下にさらに詳細に説明されるように、特定の
チャネルスロットにおいて送信されたアップリンクデー
タ信号103を処理する際に、衛星140の誤り検出復
号化器(たとえば、図7の711)はアップリンクデー
タ信号において生じる誤りの数を決定し、その誤りを訂
正する。衛星の比較器(たとえば、図7の715)が、
そのアップリンクデータ信号において検出された誤りの
数と誤り閾値とを比較し、その後、そのチャネルスロッ
トに適用する誤り表示子を生成する。その後、衛星は、
ダウンリンク104(関連するアップリンクと同じビー
ム)上でUET110に誤り表示子を送信する。その
後、その特定のチャネルスロットに対応する誤り表示子
に基づいて、このチャネルスロットにおいて通信中のU
ET110は、そのチャネルスロットにおいてUET1
10が送信する次のアップリンクデータ信号のための伝
送パワーレベルを調整することができる。この誤りレベ
ル調整プロセスは一般に、対象のUET110によって
用いられる各チャネルスロットに対して、および同じセ
ルサービスエリア112内の全ての他のUETに対して
個別に行われる。一般に、現在のタイムスロット内の全
ての周波数チャネル(すなわち、チャネルスロット)に
対応し、現在のフレーム内にある全ての誤り表示子は、
ダウンリンク上で、誤りレポートと呼ばれる包括的な誤
りデータ信号において合わせて送信される。
【0072】図7は、本発明の誤りレベル調整方式70
0の好ましい実施形態のシステムブロック図を示す。誤
りレベル調整方式700は、衛星搭載誤りレベル調整モ
ジュール701と、UET搭載誤りレベル調整モジュー
ル702とを含む。衛星搭載誤りレベル調整モジュール
701は、アップリンク受信アンテナ729と、アップ
リンク受信機723と、誤り検出器/復号化器711
と、比較器715と、誤りレポート回路719と、ダウ
ンリンク送信機703と、ダウンリンク送信アンテナ7
05とを備える。UET搭載誤りレベル調整モジュール
702は、ダウンリンク受信アンテナ704と、ダウン
リンク受信機706と、誤りレポートプロセッサ710
と、パワープロファイルプロセッサ716と、パワーミ
クサ742と、デジタル/アナログ(D/A)コンバー
タ744と、アップリンク送信機720と、可変利得増
幅器724と、高パワー増幅器(HPA)728と、ア
ップリンク送信アンテナ732とを備える。
【0073】図7に示されるように、誤りレベル調整制
御方式700は、閉ループ信号経路(「誤りレベル調整
ループ」)を組み込む。例として、その閉ループは、U
ET搭載誤りレベル調整モジュール702で「開始」
し、たとえば、ATMトラフィックセル718のような
データ信号が、UETアップリンク送信機720に入力
される。アップリンク送信機は一般に、送信されること
が望まれる信号を変調し、信号の初期増幅を実行する標
準的なアップリンク送信機である。その後、変調された
信号722は、標準的な可変利得増幅器(VGA)72
4によってさらに増幅される。以下にさらに説明される
ように、VGA724によって加えられる利得は、制御
電圧746によって決定される。制御電圧746は、特
定のチャネルスロットに対するパワーオフセット734
(それは、以下に説明されるように、誤り表示子に基づ
く)と、基準パワーレベル738と、所定のステップサ
イズ740とに基づく。
【0074】衛星通信システムは、限定はしないが、不
利な大気条件、衛星アンテナ利得ロールオフ、干渉、あ
るいは衛星および/またはUETアンテナの照準ミスを
含む種々の要因に起因して、多量の減衰を受けることが
多いので、多くの場合に、高パワー増幅器(HPA)7
28を用いてアップリンクデータ信号をさらに増幅する
ことが必要である。HPA728は一般に、満足のいく
アップリンク性能を維持するために必要とされる最小値
より数dB高い定格のパワーレベルを有する。このHP
A728による最終的な増幅の後、変調され、増幅され
たアップリンクデータ信号731は、適当なパワーレベ
ルで、アップリンク送信アンテナ732を介して衛星に
向けて上り方向に放射される。UETのアップリンク送
信パワーを調整するために種々の方法が存在し、本発明
は本明細書に記載される特定の実装形態に限定されない
ことを理解されたい。
【0075】アップリンクデータ信号「X」(726)
の初期(すなわち、誤りレベル調整ループが最初のルー
プを完了する前)の伝送パワーレベルは、基準パワーレ
ベル738に概ね等しい所定の値であることに留意され
たい。これは、誤りレベル調整ループが送信中に最初に
適用される前に、任意の所与のチャネルスロットに対す
る初期パワーオフセット734が概ね0に等しいことに
よる。基準電圧レベル738は、たとえば、メモリに格
納される固定値であるか、あるいは通信衛星システムの
個別の「パワーレベル調整ループ」を介して決定される
場合がある。基準パワーレベル738を決定し、その後
保持するパワーレベル調整プロセスは、「Method And S
ystem For Controlling Uplink Power In A Satellite
Communication System Using Power Leveling」という
タイトルの同時出願の米国特許出願に詳細に記載されて
おり、参照して本明細書に援用する。
【0076】後に、衛星のアップリンク受信アンテナ7
29によって受信されるアップリンクデータ信号731
は一般に、たとえば、干渉(システム内干渉(たとえ
ば、同一チャネル干渉)、あるいは他の衛星へのアップ
リンクからのシステム間干渉)を含む不要な背景成分を
含む。その後、アップリンクデータ信号731は、標準
的なアップリンク受信機723によって処理され、復調
される。アップリンクデータ信号731の処理および復
調は一般に、異なるチャネルスロットを用いて多くの他
のデータ信号(すなわち、同時であるが、異なる周波数
チャネルを占有する信号)733、735、737と並
行して行われる。これらのアップリンクデータ信号73
1、733、735、737が復調プロセスを完了する
際に、復調された信号725が誤り検出復号化器711
に渡される。この誤り検出復号化器711(たとえば、
標準的なリードソロモン復号化器)は一般に全ての誤り
を除去し、各アップリンクデータ信号731、733、
735、737の場合に復号化器711によって検出さ
れ、訂正された誤りの数を決定する。その後、復号化さ
れたデータ信号707は、その構成要素であるダウンリ
ンク信号(たとえば、個々のATMセル)に分解され、
その構成要素のダウンリンク信号は、適当な宛先にダウ
ンリンク上で送信するために、衛星のダウンリンク送信
機703に渡される。
【0077】各アップリンクデータ信号731、73
3、735、737の場合に復号化器711によって決
定される誤りカウント713(すなわち、誤りの数)
は、比較器715に渡される。比較器715は、各アッ
プリンクデータ信号731、733、735、737の
場合の個々の誤りカウントを、誤り閾値721と比較す
る。誤り閾値721は一般に、衛星のメモリ内にある所
定の固定値である。誤り閾値(T)には、0〜tの任意
の整数値を用いることができる。ただし、tは復号化器
711のための訂正可能な誤りの最大数である。
【0078】誤り閾値と各データ信号に対する誤りカウ
ントとの間の比較結果に基づいて、比較器715は、誤
りレポート回路719に1つあるいは複数の1ビット誤
り表示子717を出力する。個々の誤り表示子は所与の
チャネルスロット(具体的には、対応する信号が衛星に
よって受信されるチャネルスロット)に対応し、対応す
るチャネルスロットに対する誤りカウントが誤り閾値よ
り大きいか否かを指示する。たとえば、所与のチャネル
スロットに対する誤りカウントが誤り閾値より大きい場
合には、その特定のチャネルスロットのための誤り表示
子は「1」であり、誤りカウントが誤り閾値より大きい
ことを指示することができる。同様に、特定のチャネル
スロットに対する誤りカウントが誤り閾値以下である場
合には、その特定のチャネルスロットのための誤り表示
子は「0」であり、誤りカウントが誤り閾値以下である
ことを指示することができる。それぞれ「閾値より大き
い/閾値以下である」指示に対応するこの1/0の規定
は逆にできることに留意されたい。さらに、本発明によ
れば、より複雑な比較表示子717が適用できることに
も留意されたい。たとえば、3ビット表示子は、以下の
表1に示される例示的な規定を用いることができる。
【表1】
【0079】誤りレポート回路719は、ダウンリンク
送信機703に送信される誤りレポート信号709を準
備する。図8に関してさらに以下に説明されるように、
誤りレポート709は一般に、特定のフレーム内の個々
のチャネルスロットに対応する「大きい/大きくない」
誤り表示子情報を含む1つの包括的な信号である。典型
的には、フレーム当たり9100チャネルスロットが、
誤りレポート709を介して同時にレポートされる。こ
れらのチャネルスロットは、175個の周波数チャネル
と、52タイムスロットとを含むことができる。910
0の対応する誤り表示子717は、たとえば(具体的に
は、図8に関して記載されるように)、1組のATM誤
りレポート・セルのような1つの信号にパックされる場
合がある。
【0080】その後、誤りレポート回路719によって
生成される誤りレポート709は、標準的なダウンリン
ク送信機703および標準的なダウンリンク送信アンテ
ナ705を介して、ダウンリンク737に送出される
(関連するアップリンクの場合と同じビーム)。この誤
りレポートの処理は、図8に関して記載されるように、
そのビームのセルサービスエリア内の全端末が、標準的
なダウンリンク受信アンテナ704および標準的なダウ
ンリンク受信機706を介して、その誤りレポート(そ
れは、誤りレポートが関連するアップリンクフレーム番
号およびスロット番号を含む)を受信するように行われ
る。その後、受信された誤りレポート708は、誤りレ
ポートプロセッサ710によって構文解析される。
【0081】図8に関して詳細に記載されるように、誤
りレポートプロセッサ710は、受信された誤りレポー
ト709が関連するアップリンクフレーム番号およびタ
イムスロット番号を抽出し、そのUETがこのフレーム
およびスロット番号においてデータ信号を送信したか否
かを決定する。その端末が、受信された誤りレポート7
08において指示されるフレーム/スロット番号におい
て送信を行ったなら、誤りレポートプロセッサ710
は、特定の「大きい/大きくない」表示子ビットを、特
定のUETがアップリンクデータ信号を送信したチャネ
ルスロットに関連する受信された誤りレポート708か
ら抽出し始める。
【0082】その後、誤りレポートプロセッサ710
は、パワープロファイルプロセッサ716に、その関連
する「大きい/大きくない」表示子ビットを送信する。
パワープロファイルプロセッサ716は、UETによっ
て使用されている各チャネルスロットのための現在のパ
ワーレベルオフセットのデータセットを保持する。これ
らのパワーレベルオフセット値は一般に整数値であり、
上記の(および「MethodAnd System For Controlling U
plink Power In A Satellite Communication System Us
ing Power Leveling」というタイトルの同時出願の米国
特許出願に詳細に記載されており、参照して本明細書に
援用さる)パワーレベル調整手順を介して決定される基
準パワーに対する利得差を(「ステップサイズ」の単位
で)記述する。
【0083】たとえば、特定のUETに対する現在の基
準パワーレベルが10dBであり、現行のチャネルスロ
ットのためのパワーオフセットが+2dBである場合に
は、これは、この特定のチャネルスロットのための現在
のパワーレベルが基準レベルより7dB高い、すなわち
10dBであることを意味する。誤り表示子が1であ
り、衛星における誤り率が誤り閾値より高いことを指示
する場合には、パワーレベルが低すぎ、所望のレベルよ
り誤りの数が多くなっている。それゆえ、パワープロフ
ァイルプロセッサ716は、このチャネルスロットのた
めのパワーオフセットを、所定のステップ量だけ適当な
レベルまで更新することになる。簡略化するために、誤
り表示子1によって、パワーオフセットが+1dB変化
し、誤り表示子0によって、パワーオフセットが−1d
B変化するものと仮定する。したがって、この例の場
合、パワープロファイルプロセッサ716は、この特定
のチャネルスロットのためのパワーオフセットが+3d
Bまで増加するように、そのパワープロファイルを更新
するであろう。同様の動作は、UETによって他のチャ
ネルスロットが用いられる際にも実行される。
【0084】一旦、上記のようにパワープロファイルが
更新されたなら、更新されたパワープロファイル734
がパワーミクサ742に送出される。パワーミクサ74
2は、更新されたパワープロファイル734からのチャ
ネルスロットのパワーオフセットを、基準パワーレベル
738と混合することにより、その特定のチャネルスロ
ットのための新しい伝送パワーレベルを決定する。その
後、パワーミクサ742は、新しいパワーレベル出力7
50を、デジタル/アナログコンバータに出力し、デジ
タル/アナログコンバータは制御電圧746を生成し、
その制御電圧746がVGA724に送出される。ここ
でUETは、適当な伝送パワーレベルで次のデータ信号
(あるいはセル)を送信するための準備ができ、図7の
誤り閉ループが繰り返される。
【0085】上記の例の伝送パワーレベルの+1dBの
増加が、要求される誤り閾値レベルまでチャネルスロッ
トの誤りの数を回復させるほど十分である場合、あるい
は十分でない場合があることに留意されたい。一般に、
本発明の好ましい実施形態の誤りレベル調整プロセスは
連続的に機能しており、それゆえHPA728に入力さ
れる前に、変調された信号722の伝送パワーレベルを
連続的に設定する。したがって、上記の例に関して、オ
フセットパワーの+1dBの変化が不十分である場合に
は、さらに「大きい」誤りレポートによって、誤りカウ
ントが十分に小さくなるまで、さらにパワーが増加され
るであろう。その後、誤りレポートは、「大きい」と
「大きくない」との間を変動し、それにより、そのチャ
ネルスロットの誤りレベルが、好ましい誤り閾値レベル
で概ね一定に維持されるようになるであろう。
【0086】上記の内容は、全般にデータ信号の送受信
について開示している。好ましい実施形態では、これら
のデータ信号は、非同期転送モード(ATM)セルの形
をとる。したがって、好ましい実施形態では、誤りレポ
ートは、誤りレポート・セルの形をとる。図8は、本発
明の好ましい実施形態による誤りレポート・セル800
の構造を示す。ATMセルは典型的には53バイトを有
し、そのうちの5バイトはセルのヘッダ(「セルヘッ
ダ」)を構成し、48バイトはセルの本体(「セル本
体」)を構成する。典型的なATMセルと同様に、誤り
レポート・セル800は一般に、5バイトセルヘッダ8
01と、48バイトセル本体802とを含む。セル本体
802はさらに一般に、4バイトサブヘッダ803と4
4バイトレポート・フィールド803とを含む。
【0087】セルヘッダ801の主な役割は、セル80
0のアドレスを搬送することである。セルヘッダ801
は典型的には、仮想パス識別子(VPI)および仮想チ
ャネル識別子(VCI)として知られ、合わせて「アド
レッシングフィールド」として機能する2つの個別のフ
ィールドを含む。VPIおよびVCIは、そのビーム内
に位置する全てのUETにアドレッシングされる。各U
ETは、ダウンリンクにおいて到達する全てのセルをモ
ニタする必要がある。誤りレポート・セル800が、そ
のビーム内のUETによって受信されるとき、誤りレポ
ート・セル800は、上で説明したように、構文解析の
ために各UETの誤りレポートプロセッサ(図7の71
0)に渡される。
【0088】上で簡単に述べたように、各誤りレポート
・セルは、関連する信号が送信された特定のアップリン
クフレーム内の特定の組のアップリンクタイムスロット
に対応する。レポート・セル800のサブヘッダ803
は、そのレポート・セルが参照するアップリンクフレー
ム番号とタイムスロット番号とを指定するためのフィー
ルドを含む。
【0089】各誤りレポート・セル800のための44
バイトレポート・フィールド804は、44バイトのレ
ポート・フィールド804内の全176の双ビット(双
ビット当たり2ビット、バイト当たり4双ビット)から
なる。一般に、各双ビットは、現在のフレームの2つの
チャネルスロットのための誤り情報(すなわち、1ビッ
トの「閾値より大きい/閾値以下である」表示子)を含
む。アップリンク信号が175チャネルに分割され、フ
レームが52タイムスロットに分割される上記の例の場
合には、誤りレポート・セル内の誤りレポート・フィー
ルド804の各双ビットは、1つの周波数チャネルに対
応する場合があり、各誤りレポート・セルは、全175
周波数チャネルにわたって、現在のフレームの2つのタ
イムスロットに関連する誤り表示子を含む場合がある。
この場合、レポート・フィールド804の176番目の
双ビットは使用されない場合がある。双ビット805の
第1のビット808は、現在のフレームの第1のタイム
スロットS1に関連する誤り表示子を含む場合があり、
双ビット805の第2のビット809は、現在のフレー
ムの第2のタイムスロットS2に関連する誤り表示子を
含む場合がある。この例の場合、現在のフレームの全9
100チャネルスロットに関連する誤り表示子を送信す
るために、26ATM誤りレポート・セルが必要とされ
るであろう。
【0090】各UETは、データ信号を送信するために
自らが割り当てられたチャネルスロット、および自らが
データを送信したフレームを認識している。したがっ
て、UETは、関連する誤り情報を含む、任意の所与の
ダウンリンク上の特定のレポート・セル800を容易に
特定することができ、またUETは、そのUETによっ
て用いられる特定のチャネルスロットに関連するビット
の位置を容易に特定することもできる。
【0091】図9は、本発明の好ましい実施形態の誤り
レベル調整方法900を示す流れ図である。上で説明し
たように、最初のステップ901では、UETが、特定
のチャネルスロットを用いて、UETから衛星までアッ
プリンクデータ信号を送信する。上で説明したように、
これは一般に、従来のアップリンク送信機およびアップ
リンク送信アンテナによって行われる。さらに、任意の
誤りレベル調整が行われる前に、アップリンクデータ信
号は一般に、基準パワーレベルに等しい送信パワーで送
信される。この基準パワーレベルは一般に、「Method A
nd System ForControlling Uplink Power In A Satelli
te Communication System Using PowerLeveling」とい
うタイトルの同時出願の米国特許出願に記載される方法
およびシステムにより決定される。次のステップ902
では、衛星がアップリンクデータ信号を受信する。これ
は一般に、標準的なアップリンク受信機およびアップリ
ンク受信アンテナを用いることにより行われる。
【0092】次に、受信されたデータ信号内の誤りの数
(一般に信号の誤りカウントと呼ばれる)が決定され、
その誤りが訂正される(ステップ903)。これは、た
とえば、リードソロモン復号化器のような誤り訂正復号
化器によって行われる。その後、この誤りカウントは所
定の閾値と比較され(ステップ904)、この比較結果
に基づいて、受信されたデータ信号が送信されたチャネ
ルスロットに対応する誤り表示子が生成される(ステッ
プ905)。上に説明されたように、本発明の一実施形
態では、誤り表示子は、たとえば、誤りカウントが誤り
閾値より大きい(「閾値より大きい」)場合には、誤り
表示子が1に等しく、その誤りカウントが誤り閾値以下
である(「閾値以下である」)場合には、誤り表示子が
0に等しいような1ビット表示子である。
【0093】その後、現行のチャネルスロットのための
誤り表示子が、同じフレーム内の他のチャネルスロット
に対応するいくつかの他の誤り表示子と組み合わせら
れ、誤りレポートを構成することができる(ステップ9
06)。その後、この誤りレポートは、ダウンリンクが
向けられるセルサービスエリア内の全てのUETにダウ
ンリンクにおいて送信され、受信される(ステップ90
7および908)。その後、誤りレポートは、受信中の
UETによって処理される(ステップ909)。上で説
明したように、この処理ステップは、受信された誤りレ
ポートが関係するアップリンクフレーム番号およびタイ
ムスロット番号を抽出し、そのUETがこのフレーム/
スロット番号においてデータ信号を送信したか否かを決
定することを含む。その端末が、受信された誤りレポー
トに指示される対象のフレーム/スロット番号において
送信を行っていた場合には、その処理ステップはさら
に、その特定のUETがアップリンクデータ信号を送信
したチャネルスロットに関連する、受信された誤りレポ
ートからの特定の「閾値より大きい/閾値以下である」
表示子を抽出することを含む。
【0094】次のステップ910は、そのUETが送信
するために許可された各チャネルスロットの伝送パワー
レベルを調整する。上で説明したように、チャネルスロ
ットの伝送パワーレベルは、そのチャネルスロットに対
応する更新されたパワーオフセットと、基準パワーレベ
ルとに基づいて調整される。更新されたパワーオフセッ
トは、そのチャネルスロットのための誤り表示子と、こ
のチャネルスロットを用いて、そのUETによって以前
に送信されたデータ信号のためのパワーオフセット(一
般に、現在のデータ送信中に、このチャネルスロット上
で送信されたアップリンクデータ信号がない場合には、
これは0である)とに基づいて決定される。一旦、伝送
パワーレベルが調整されたなら、現在のデータ送信中に
その特定のチャネルスロットにおいてUETによって送
信されることになる次のデータ信号が、この適当な伝送
パワーレベルで送信され、図9に関して上に記載された
誤りループが繰り返される。
【0095】再び図1を参照すると、ここで、典型的な
衛星通信システム100に適用されるような、本発明の
閾値レベル調整の態様の好ましい実施形態が与えられ
る。上記のように、衛星通信システムは、NCCセル1
32内に位置するネットワーク制御センタ(NCC)1
30と、衛星140と、UETセル112内に位置する
ユーザ地上端末(UET)110とを含む。NCC13
0は、NCC/衛星通信リンク135を介して、衛星1
40と通信を行う。NCC/衛星通信リンク135は、
NCCアップリンク136とNCCダウンリンク137
とを含む。衛星140は、UET/衛星通信リンク15
5を介して、UET110と通信を行う。UET/衛星
通信リンク155は、UETアップリンク103とUE
Tダウンリンク104とを含む。
【0096】動作時に、信号は、NCC/衛星通信リン
ク135のNCCアップリンク136を介して、NCC
130から衛星140に伝搬することができる。また信
号は、NCC/衛星通信リンク135のNCCダウンリ
ンク137を介して、衛星140からNCC130に伝
搬することもできる。さらに信号は、UET/衛星通信
リンク155のUETダウンリンク104を介して、衛
星140からUET110に伝搬することができる。最
後に、信号は、UET/衛星通信リンク155のUET
アップリンク103を介して、UET110から衛星1
40に伝搬することができる。
【0097】図10は、本発明の一実施形態による、図
1の衛星通信システム100のブロック図1000を示
す。ブロック図1000は、図1に示される、NCC1
30と、衛星140と、UET110と、NCC/衛星
通信リンク135と、UET/衛星通信リンク155と
を備える。NCC130は、NCCアップリンク送信機
1012と、NCCダウンリンク受信機1014と、N
CCメモリ1016と、NCCプロセッサ1018とを
備える。衛星140は、衛星ダウンリンク送信機102
2と、衛星アップリンク受信機1024と、衛星メモリ
1026と、衛星プロセッサ1028とを備える。UE
T110は、UETアップリンク送信機1042と、U
ETダウンリンク受信機1044と、UETメモリ10
46と、UETプロセッサ1048とを備える。
【0098】用語「チャネル」は、衛星通信システムに
おいて通信を行うために個々のUETに割り当てられる
通信リソースのことを指す一般的な用語である。本発明
の好ましい実施形態では、衛星通信システムは、利用可
能な通信リソースを確立するために、時分割多元接続
(TDMA)とともに周波数分割多元接続(FDMA)
を利用する場合がある。そのようなFDMA/TDMA
システムでは、チャネルは典型的には「チャネルスロッ
ト」と呼ばれる。チャネルスロットは、ある周波数チャ
ネル内のタイムスロットとして定義することができる。
別法では、本発明は、符号分割多元接続(CDMA)、
FDMAのみ、TDMAのみ、あるいはCDMA、FD
MAおよび/またはTDMAの任意の他の組み合わせを
用いる多数の他のタイプの衛星通信システムにおいて実
施される場合がある。本発明の好ましい実施形態が、F
DMA/TDMAシステムに関して以下に詳細に記載さ
れる。
【0099】動作時に、UET110のUETアップリ
ンク送信機1042は、UETアップリンク103の選
択されたチャネルスロット上で、同期信号(あるいは
「同期バースト」)を衛星140に送信する。送信中
に、UETアップリンク送信機1042は、所定のアッ
プリンク・パワーレベルで送信を行う。送信された同期
バーストは、衛星140の衛星アップリンク受信機10
24で受信される。その後、衛星アップリンク受信機1
024は、受信された同期バーストのエネルギーレベル
を測定し、受信されたエネルギーレベル測定値を決定す
る。
【0100】所定のアップリンクエネルギーレベル閾値
は、衛星メモリ1026に格納される。一旦、受信され
たエネルギーレベル測定値が衛星受信機1024におい
て決定されたなら、その受信されたエネルギーレベル測
定値は衛星プロセッサ1028に渡される。衛星プロセ
ッサ1028は、受信された信号のエネルギーレベル
を、アップリンクエネルギーレベル閾値と比較する。
「アップリンクエネルギーレベル閾値」は、ここでは
「アップリンク・パワーレベル閾値」とも呼ばれるであ
ろう。本発明の特定の実施形態によっては、エネルギー
レベルとパワーレベルとの間の変換が必要になる場合が
ある。その後、衛星プロセッサ1028は、エネルギー
レベル閾値に対する受信されたエネルギーレベル測定値
に基づいて、UETアップリンク送信機1022のため
のパワー調整信号を決定する。その後、衛星プロセッサ
1028は、パワー調整信号を、衛星ダウンリンク送信
機1022を用いてUET110に送信する。パワー調
整信号は、UETダウンリンク104上でUET110
に伝搬する。
【0101】UETダウンリンク受信機1044はパワ
ー調整信号を受信し、そのパワー調整信号をUETプロ
セッサ1048に転送する。UETプロセッサ1048
はパワー調整信号を処理して、UETアップリンク送信
機1042に、アップリンク同期バースト送信パワーを
調整するように指示する。UETのアップリンク送信パ
ワーを調整するためのシステムおよび方法は、「Method
and System for Controlling Uplink Power In a Sate
llite Communication System Using Power Leveling」
というタイトルの米国特許出願(代理人整理番号TRW
22−0108)にさらに記載されており、その特許出
願の主題は、参照して本明細書に援用する。この特許出
願の好ましい実施形態は、以前に受信された同期バース
トの衛星によるエネルギーレベル測定値に基づいて同期
バーストを送信するために、UETによって用いられる
アップリンク送信パワーを調整する典型的なプロセスを
示しており、そのプロセスはここではパワーレベル調整
と呼ばれる。
【0102】アップリンク・パワーレベル調整プロセス
は、UETアップリンク送信機1042のアップリンク
・パワーレベルを、衛星140における関連し、受信さ
れた同期バーストエネルギーレベルがアップリンクエネ
ルギーレベル閾値の所定の範囲内に入るレベルに保持す
るように動作する。パワーレベル調整プロセスは継続す
るので、UET110は、現在のアップリンク同期バー
ストパワーレベルを、「UETアップリンク基準パワー
レベル」として、UETメモリ1046に格納する。
【0103】本発明のさらに別の実施形態では、アップ
リンク・パワー調整サイクルは、関連する受信された信
号が所定のアップリンク・パワーレベル閾値付近の許容
されるパワー範囲内のパワーレベルに到達するまで、衛
星140がUET110に送信パワーを段階的に変化さ
せるように指示する、何度も繰り返されるステップを含
む場合がある。パワーの段階的な変化は、大きな初期の
変化から小さな最終的な変化まで変動する場合がある。
【0104】UET110が、衛星140へのデータ送
信を開始するための準備ができると、UETは、アップ
リンク103上でデータ信号(あるいは「トラフィック
バースト」)を送信するための1つあるいは複数のチャ
ネルスロットを割り当てられる。NCC130がチャネ
ルスロット割当てを実行することが好ましい。データ送
信の開始時に、割り当てられた各チャネルスロットにお
いてトラフィックバーストを送信するためにUET11
0によって用いられるアップリンク・パワーレベルは、
UETアップリンク基準パワーレベルに固定のオフセッ
ト値を加えることにより決定することができる。固定の
オフセット値はUETメモリ1046に格納され、典型
的には、所与のチャネルスロットにおいてデータを送信
するために用いられるコーディングのタイプに依存す
る。トラフィックバーストを送信するために、2つ以上
のタイプのデジタルコーディングを用いる衛星通信シス
テムは、UET110がメモリ1046に、同期バース
トを送信するために用いられるタイプのコーディングと
は異なるデジタルコーディングの各タイプに対応する個
別の固定のオフセット値を格納することが必要な場合が
ある。同期バースト(この信号から、UETアップリン
ク基準パワーレベルが導出される)を送信するために用
いられるのと同じタイプのコーディングを用いて、トラ
フィックバーストが送信される場合には、オフセット値
は典型的には0である。トラフィックバーストを送信す
るために、2つ以上のタイプのデジタルコーディングを
用いる衛星通信システムは、「Adaptive Coding Scheme
for a Processing Communication Satellite」という
タイトルの米国特許出願(代理人整理番号TRW22−
0011)にさらに記載されており、その内容は参照し
て本明細書に援用する。
【0105】データ送信はUET110と衛星140と
の間で継続するので、たとえば、衛星140において測
定されるデータ誤り率に応答して、衛星140は、UE
T110に、アップリンク・トラフィック・バーストパ
ワーレベルを調整するように指示することができる。衛
星140が受ける干渉の量、それゆえデータ誤り率は、
トラフィック・バーストが送信される各チャネルスロッ
トによって異なる場合があるので、衛星140は、UE
T110に、トラフィックバーストを送信するためにU
ET110に割り当てられる各チャネルスロットに対し
て個別にアップリンク・トラフィック・バーストパワー
レベルを調整するように指示することができる。したが
って、データ送信が開始された後の任意の時点で、UE
T110は、UETアップリンク基準パワーレベル、お
よび任意の他の割り当てられたチャネルスロットのため
の現在のUETアップリンク・トラフィック・バースト
パワーレベルとは実質的に異なる場合がある、割り当て
られた各チャネルスロットのための現在のUETアップ
リンク・トラフィック・バーストパワーレベルを有する
であろう。UET110は、そのパワープロファイルデ
ータの一部として、割り当てられた各チャネルスロット
のための現在のアップリンク・トラフィック・バースト
パワーレベルを、UETメモリ1046に格納する。
【0106】データ誤り率に応答してUETのアップリ
ンク・パワーレベルを調整するためのシステムおよび方
法は、「Method and System for Controlling Uplink P
owerIn a Satellite Communication System Using Erro
r Leveling」というタイトルの米国特許出願(代理人整
理番号TRW22−0106)にさらに記載されてお
り、その主題は、参照して本明細書に援用する。
【0107】アップリンク・パワーレベル閾値を、動的
な干渉環境のような通信条件の変化に適応させるため
に、NCC130は、アップリンク・パワーレベル情報
(ここでは、UETパワープロファイル情報とも呼ばれ
る)に対してUET110をポーリングする。NCC1
30は、規則的な時間スケジュールでこの適応機能を実
行する場合があるか、あるいはアンテナビーム照準の変
化の検出、大気条件の実質的な変化、あるいは全システ
ム性能の劣化のような、いくつかの条件によって起動さ
れる場合がある。
【0108】UET110をポーリングするために、N
CC130は、システム内のUET110へのパワープ
ロファイル要求を発信する。NCC130は、現在動作
していることがわかっているUET110のデータベー
スからポーリングするためにUET110を決定するこ
とが好ましいが、別法では、特定のセル内に位置してい
ることがわかっている全てのUET110をポーリング
する場合がある。
【0109】アップリンク・パワーレベル情報に対して
UET110をポーリングするために、NCCプロセッ
サ1018は、UET110へのアップリンク・パワー
プロファイル要求を形成し、それを、NCCアップリン
ク送信機1012を介して送信する。UETパワープロ
ファイル要求は、NCCアップリンク136上で衛星ア
ップリンク受信機1024に伝搬する。衛星140は、
衛星ダウンリンク送信機1022を介してその要求を中
継する。その後、その要求は、UETダウンリンク10
4上でUETダウンリンク受信機1044に伝搬する。
UETダウンリンク受信機1044はその要求を受信
し、その要求をUETプロセッサ1048に転送する。
【0110】UETプロセッサ1048がUETアップ
リンク・パワープロファイル要求を受信するとき、UE
Tアップリンク送信機1042に、UETメモリ104
6に格納される、UETパワープロファイルデータから
の各チャネルスロットに対する現在のUETアップリン
クトラフィックバーストパワーレベルを検索するように
指示する。また、UETプロセッサ1048は、UET
メモリ1046に格納されるUETパワープロファイル
からのUETアップリンク基準パワーレベルも検索す
る。その後、UETプロセッサ1048は、UETアッ
プリンク・パワーレベル情報を含むUETパワープロフ
ァイル応答を形成する。
【0111】アップリンク・パワーレベル情報は、アッ
プリンク・トラフィック・バーストパワーレベルと、ア
ップリンク基準パワーレベルとの間の差を含むことが好
ましい。しかしながら、別法では、そのアップリンク・
パワーレベル情報は、アップリンクトラフィックバース
トパワーレベル値と、アップリンク基準パワーレベル値
とを含む場合がある。アップリンク・パワーレベル間の
差は、たとえば、ワット(W)あるいはデシベル(d
B)のような、標準的なパワーの測定値によって指示さ
れる場合がある。別法では、その差は、Nステップのよ
うな多数の離散したパワーステップに換算して表される
場合がある。ただし、各ステップは、0.125dBの
ような所定のパワーレベル離散値を表す。別法では、ア
ップリンク・パワーレベル情報は、個別の時点における
一連のパワーレベルを含む場合がある。
【0112】一旦、UETプロセッサ1048がアップ
リンク・パワープロファイル応答を形成したなら、その
応答はUETアップリンク送信機1042を介して送信
される。その応答は、UETアップリンク103上で衛
星アップリンク受信機1024に伝搬する。衛星140
は、その応答を、衛星ダウンリンク送信機1022を介
して、NCCダウンリンク137上でNCCダウンリン
ク受信機1014に転送する。NCCダウンリンク受信
機1014は、そのアップリンク・パワープロファイル
応答を、処理用のNCCプロセッサ1018に転送す
る。その要求/応答の通信経路は衛星140を経由する
ことが好ましいが、地上回線のような別の通信経路が用
いられる場合もある。
【0113】NCCプロセッサ1018は、その応答か
らパワーレベル情報を抽出し、そのパワーレベル情報
を、NCCプロセッサ1018がNCCメモリ1016
内に構築するデータベースに追加する。そのデータベー
スは、完了時に、NCC130によってポーリングされ
た全てのUET110に対するアップリンク・パワーレ
ベル情報を含むことが好ましいであろう。そのアップリ
ンク・パワーレベル情報は、たとえば、記憶し、かつ効
率的に解析を行うために、ヒストグラム形式で格納され
る場合がある。
【0114】NCCプロセッサ1018がデータベース
を構築し終えるとき、NCCプロセッサ1018は、U
ETアップリンク・パワーレベル情報を統計的に解析す
る。NCCプロセッサ1018は、アップリンク・パワ
ーレベル情報の平均値を計算することが好ましい。たと
えば、NCCプロセッサ1018は、ポーリングされた
全てのUETの場合に、平均UETに対するアップリン
クトラフィックバーストパワーレベルが、アップリンク
基準パワーレベルより2dB高いものと決定する場合が
ある。さらに、NCCプロセッサ1018は、UETパ
ワーレベル情報のデータベースを解析して、分散の広が
りを指示する場合もある。そのような指示は、たとえ
ば、統計的な分散および標準偏差を含む場合がある。た
とえば、NCCプロセッサ1018は、UETの90%
が、アップリンク基準パワーレベルより少なくとも2d
B高いアップリンク・トラフィック・バーストパワーレ
ベルを有するものと決定する場合がある。
【0115】NCC130が統計的にアップリンク・パ
ワーレベル情報を解析した後、NCC130は、その統
計解析に基づいて、アップリンク・パワー閾値調整値を
決定する。たとえば、同期バーストとトラフィック・バ
ーストとを送信するために、同様のコーディング方式が
用いられるものと仮定すると、NCC130が統計解析
において、平均UETアップリンク・トラフィック・バ
ーストパワーレベルが、平均UETアップリンク基準パ
ワーレベルより2dB高いものと決定する場合には、N
CC130は、2dB(あるいは別法では、N=16、
ただしステップサイズは0.125dBである)のパワ
ー閾値調整値に達することができる。
【0116】別法では、NCC130が標準偏差のよう
な広がりも考慮する場合には、NCC130は、その閾
値が、推定される必要なアップリンク・パワーレベルよ
り高いアップリンク・パワーレベルでデータ通信を開始
することが望まれるUETの割合に応じて、上記の平均
差±nだけ増加されるように指示することを決定する場
合がある。上記のように、非常に低いアップリンク・パ
ワーでデータ通信を開始することと、非常に高いアップ
リンク・パワーでデータ通信を開始することとの間には
トレーオフがある。したがって、特定の通信状況の場合
に最適な適応規則を見つけるには、機能システムを用い
てシミュレーションあるいは実験を行うことが必要な場
合がある。
【0117】一旦、NCCプロセッサ1018がアップ
リンク・パワー閾値調整値に達したなら、NCCプロセ
ッサ1018はその調整値をNCCアップリンク送信機
1012を介して送出する。アップリンク・パワー閾値
調整値は、NCCアップリンク136上で衛星アップリ
ンク受信機1024に伝搬し、その後、その調整値は衛
星プロセッサ1028に転送される。その後、衛星プロ
セッサ1028は、衛星メモリ1026からアップリン
ク・パワー(あるいはエネルギー)レベル閾値を検索
し、アップリンク・パワー閾値調整値にしたがってその
閾値を変更し、衛星メモリ1026に閾値を再度格納す
る。このようにして、システムは、変化する通信状態
に、アップリンク・パワーレベル閾値を適応させる。
【0118】典型的なセルラー衛星通信システムでは、
同時に通信を行っている多数のUETが存在する。UE
Tはそれぞれ、1つあるいは複数のチャネルスロットを
用いて通信を行うことができる。UETは、各UETコ
ーディングレベルとUETパワーレベルとにおいて、そ
のチャネルスロット全体にわたってトラフィックバース
トを送信することが好ましいであろう。しかしながら、
別の実施形態では、UETは、多数のチャネルスロット
上で情報を通信することができる。その場合には、各チ
ャネルスロットは、個別の、独立したパワーレベルおよ
びコーディングレベルを有する。
【0119】図11は、パワー閾値レベル調整を実装す
る典型的な衛星通信システム1100を示す。典型的な
衛星通信システム1100は、5つのUET1101〜
1105と、NCC1160と、衛星1170とを含
む。5つのUET1101〜1105は、本発明の一実
施形態にしたがって1つのセル内で通信を行っている。
この例では、UET1 1101は、チャネルスロット
1においてパワーP1およびコーディングレベルC1
で、通信リンク1 1110上で通信を行う。UET2
1102は、チャネルスロット2においてパワーP2
およびコーディングレベルC1で、通信リンク2 11
20上で通信を行う。UET3 1103は、チャネル
スロット3においてパワーP3およびコーディングレベ
ルC1で、かつチャネルスロット4においてパワーP4
およびコーディングレベルC2で、通信リンク3 11
30上で通信を行う。UET4 1104は、チャネル
スロット5においてパワーP5およびコーディングレベ
ルC2で、チャネルスロット6においてパワーP6およ
びコーディングレベルC2で、かつチャネルスロット7
においてパワーP7およびコーディングレベルC2で、
通信リンク4 1140上で通信を行う。UET5 1
105は、チャネルスロット8においてパワーP8およ
びコーディングレベルC1で、通信リンク5 1150
上で通信を行う。
【0120】衛星通信システム1100はトラフィック
バーストを送信するために、2つ以上のタイプのデジタ
ルコーディングC1、C2を用いるので、NCC116
0は、用いられるデジタルコーディングの各タイプのた
めに、メモリ内に個別のデータベースを保持することが
好ましい。パワープロファイルデータは、NCC116
0によって受信される際に、コーディングのタイプC
1、C2にしたがって適当なデータベースにコンパイル
される。NCC1160はチャネルスロットおよびコー
ディングのタイプをUET1101〜1105に割り当
てることが好ましいので、NCC1160は、そのデー
タを分離するために必要とされる全ての情報を有する。
【0121】アップリンク・パワー閾値調整値は、同期
バーストの送信時に用いられるのと同じコーディングの
タイプ(たとえば、C1)を用いて決定されることが好
ましい。その後、同期バーストを送信するために用いら
れるコーディングのタイプとは異なるコーディングのタ
イプ(たとえば、C2)を用いて送信されるトラフィッ
クバーストに対応するパワープロファイルデータを用い
て、1組のアップリンクデータ・オフセットの値を決定
する。アップリンク・パワーオフセットは、UET11
01〜1105によって用いられ、データ送信の開始時
にトラフィックバーストを送信するためのアップリンク
・パワーレベルが決定される。1つのアップリンク・パ
ワーオフセット値が、同期バーストを送信するために用
いられるコーディングのタイプとは異なる各コーディン
グのタイプに対して決定される場合がある。各アップリ
ンク・パワーオフセット値は、所与のコーディングのタ
イプを用いて送信されるトラフィック・バーストのため
の所望の誤り率を達成するために必要とされるアップリ
ンク・パワーレベルと、同期バーストを送信するために
用いられるコーディングのタイプを用いて送信されるト
ラフィック・バーストのための同じ所望の誤り率を達成
するために必要とされるアップリンク・パワーレベルと
の間の差を表す。
【0122】例として、同期バースト(および同様にト
ラフィックバースト)を送信するために用いられるデジ
タルコーディング方式C1は、衛星1170において受
信されたデータを復号化する際に、所望の誤り率を達成
するために5dBのSBRを必要とする場合がある。ト
ラフィックバーストを送信するために用いられるデジタ
ルコーディング方式C2は、衛星1170において受信
されたデータを復号化する際に、同じ所望の誤り率を達
成するために10dBのSBRを必要とする場合があ
る。その際、2つのコーディングのタイプに対して同じ
誤り率を達成するために必要とされるSBRに差は5d
Bである。背景レベルが一定である場合には、コーディ
ング方式C2が用いられる際に用いられるアップリンク
・トラフィックバースト・パワーレベルは、コーディン
グ方式C1が用いられる際に用いられるアップリンク同
期バースト・パワーレベルより5dB高くなければなら
ない。この例の場合、コーディング方式C2を用いてデ
ータ送信を開始する際に、UETによって用いられるこ
とになるアップリンク・パワーレベルは、アップリンク
基準パワーレベルに5dBのアップリンク・パワーオフ
セット値を加えることにより決定される。
【0123】これまで例示された衛星通信システムは、
1つのセル内の全てのUETを示す。本発明の別の実施
形態では、システムは、マルチセルシステムに容易に拡
張される。これらの実施形態では、NCCは、システム
内の各セルに対して、個別のデータベースを構築し、か
つ解析する。この実施形態は、各セルに対して決定され
る、個別のアップリンク・パワーレベル閾値とアップリ
ンク・パワーオフセット値とを提供し、その結果、通信
システムは、たとえば、種々のセルに対応する衛星受信
機の電子部品の差、および各セルによって網羅される特
定の地理的なエリアの干渉特性の差に対して最適化する
ことができる。
【0124】図12は、本発明の一実施形態による、衛
星通信システムにおいて用いるためのパワー閾値レベル
調整のための方法1200を示す。データベース構築ル
ープ1210では、システムはパワープロファイル要求
(UETアップリンク・パワー情報要求)を形成する
(1212)。その後、システムは、そのパワープロフ
ァイル要求を1つあるいは複数のUETに送信する(1
214)。ここで1つの目的は、トラフィックデータを
用いていないシステムに負荷をかけすぎることなく、各
UETから必要なパワープロファイル情報を取得するこ
とである。したがって、システムは、そのパワープロフ
ァイル要求を、比較的長い時間にわたってUETに伝達
する場合がある。
【0125】UETはパワープロファイル要求を受信す
るとき、その要求を解析し、UETパワープロファイル
応答を開始する(1216)。その後、UETはメモリ
に格納されるパワープロファイル(アップリンク・パワ
ーレベル情報を含む)を参照し、必要な測定および計算
を実行し、送信するためのパワープロファイル応答を準
備する(1218)。その後、UETは完成した応答
を、好ましくは衛星を介してパワープロファイル要求装
置に返送する(1220)。
【0126】要求装置(NCCであることが好ましい)
がパワープロファイル応答を受信するとき、パワープロ
ファイル情報を抽出し、パワープロファイルデータベー
スを更新する。データベースは、たとえば、パワープロ
ファイルヒストグラムを含む場合がある。データベース
構築ループ1210は、無限に継続する。
【0127】閾値オフセット更新ループ1250の開始
時に、要求装置はパワープロファイルデータベースを消
去し、UETアップリンク・パワープロファイル収集プ
ロセス1252が開始されるのを待つ。要求装置は、時
間イベント、あるいはシステムからの性能劣化警告のよ
うな、いくつかの他のタイプのイベントのいずれかを待
つ場合がある。要求装置が新しいUETアップリンク・
パワープロファイル情報をパワーレベルデータベースに
再入力し終えるとき、要求装置はその情報を統計的に解
析する。要求装置は算術平均値を決定し、オプション
で、分散あるいは標準偏差のような他の統計測定値を決
定する(1254)。
【0128】多数のコーディングレベルを利用するシス
テムでは、要求装置は、現在のアップリンク・パワーレ
ベル閾値を考慮して、選択された(基本的な)コーディ
ングレベルのためのアップリンク・パワープロファイル
統計値を解析することにより、アップリンク・パワーレ
ベル閾値調整値を決定する(1256)。要求装置は、
衛星に新しいアップリンク・パワー閾値調整値を伝送し
(1258)、その後、新しい閾値に達するために閾値
調整値を処理する(1260)。
【0129】また要求装置は、基本的なコーディングレ
ベル以外のコーディングレベルのためのアップリンク・
パワーオフセット値に達するために、基本的なコーディ
ングレベル以外のコーディングレベルのためのUETア
ップリンク・パワープロファイル情報のデータベースも
解析する(1262)。要求装置は、UETにその新し
いアップリンク・パワーオフセット値を伝送し(126
4)、その後、メモリに格納されたパワーオフセット値
を更新する。その後、そのパワーオフセット値は、基本
的なコーディングレベル以外のコーディングレベルを用
いて通信を確立する際に、UETによって用いられる。
【0130】本発明の好ましい実施形態は、衛星通信シ
ステム用の適応性のあるパワー閾値レベル調整のための
方法および装置を提供する。動的な干渉成分を有する通
信環境では、閉ループパワー閾値レベル調整によって、
地上端末は、適当なアップリンク・パワーレベルに、よ
り急速に収束できるようになる。閉ループパワー閾値レ
ベル調整は、不必要に高いレベルの送信によって引き起
こされる同一チャネル干渉を低減し、かつ不必要に弱い
レベルの送信によって引き起こされるデータ誤り損失を
低減することにより、データ損失を最小にする。
【0131】本発明の好ましい実施形態のパワーレベル
調整、誤りレベル調整、および閾値レベル調整の態様
は、包括的な自己調整および自己較正アップリンク・パ
ワー制御システムおよび方法を形成するために組み合わ
せることができる。すなわち、最初に、パワーレベル調
整の態様が、通信セル内のUETに対するアップリンク
送信パワーを調整することができる。アップリンク・パ
ワーは、閾値レベル調整の態様によって決定される閾値
により調整される。パワーレベル調整の態様は、待機モ
ードであっても、連続して送信される同期バーストを用
いて、UETのための正確な基準パワーレベルが連続し
て利用可能なようにする。UETがデータを送信し始め
るとき、そのデータ送信は、パワーレベル調整の態様に
よって決定された基準パワーレベルで行われるが、衛星
によって確実に受信できるようにするために、UET
は、初めのデータ送信に付加的なパワーオフセットを加
えることもできる。一旦、衛星がデータを受信し始めた
なら、衛星は、誤りレベル調整の態様にしたがって動作
し、それに応じて、UETの送信パワーを増減して調整
する。パワーおよび誤りレベル調整の態様から引き出さ
れる調整値は、任意の送信チャネルの場合に、パワーレ
ベル調整の態様によって決定されたアップリンク基準パ
ワーが、送信の開始時にのみアクセスされ、その後、誤
りレベル調整がアップリンク・パワー調整値を与えるの
で、矛盾することはない。パワーレベル調整の態様は、
UETがデータを送信し始めた後も依然として動作し続
けるが、トラフィックバーストのためのアップリンク伝
送パワーレベルを決定するときには、UETは、パワー
レベル調整の態様によって決定される基準パワーレベル
にアクセスしない。しかしながら、ある後の時点で、端
末が新しいデータ送信を開始するときには必ず、パワー
レベル調整の態様の更新された基準パワーレベルが用い
られる。
【0132】パワーレベル調整の態様はエネルギーレベ
ル測定に基づき、誤りレベル調整の態様は誤り測定に基
づくので、2つの態様は、最適なアップリンク送信パワ
ーに関して一致しない場合もある。しかしながら、誤り
率は、全システム性能に関するより重要な指標である。
したがって、パワーレベル調整のためのエネルギーレベ
ル閾値は、閾値レベル調整を用いることにより周期的に
調整し、所望の誤り率にさらに一致するようにできる。
閾値レベル調整の場合、あるセル内のUETがポーリン
グされる。割り当てられた各チャネルスロットに対し
て、アップリンク基準パワー(パワーレベル調整の態様
によって決定される)およびアップリンクトラフィック
バーストパワー(誤りレベル調整の態様によって決定さ
れる)は、処理するためにNCCに送信される。NCC
は、そのチャネルの初期アップリンク・パワーと現在の
アップリンク・パワーとを比較し、パワーレベル調整の
態様の場合のパワー閾値のための調整値を決定する。た
とえば、そのチャネルのための現在の平均アップリンク
・パワーが初期アップリンク・パワーより小さい場合に
は、そのパワー閾値は、将来のチャネルのための初期ア
ップリンク・パワーが現在のアップリンク・パワーに近
くなるように、下方に調整されることができる。さら
に、データは、2つ以上のコーディングレベル、たとえ
ば軽いコーディングレベルおよび重いコーディングレベ
ルを用いて送信される場合がある。種々のコーディング
レベルが、異なるアップリンク・パワーおよび異なる誤
り率に関連するので、付加的なアップリンク・パワー閾
値および誤り率が確立され、多数のコーディングレベル
を容易に用いられるようにすることもできる。付加的な
パワー閾値および誤り率は上記のように実質的に機能す
る場合もあり、単に付加的なコーディング技術の種々の
パワー要件を表す種々のオフセット値を与えるだけの場
合もある。
【0133】図13は、本発明の好ましい実施形態のパ
ワーレベル調整、誤りレベル調整、および閾値レベル調
整の態様の相互動作を示す総合システムブロック図13
00を示す。ブロック図1300は、縦方向において、
パワーレベル調整部1310、誤りレベル調整部132
0、閾値レベル調整部1330に分離され、横方向にお
いて、UET部1340、衛星部1350、NCC部1
360に分離される。各部分1310〜1540は、U
ET、衛星およびNCCに関して、パワーレベル調整、
誤りレベル調整および閾値レベル調整が行われる場所を
示す。
【0134】最初に、ブロック1では、待機状態あるい
はアクティブ状態において、UETが周期的に衛星に同
期バーストを送信する。これらのバーストが送信される
パワーレベルは、下のブロック4に従う。次に、ブロッ
ク2では、衛星が同期バーストを受信し、そのバースト
内に存在する全エネルギー(信号+背景)の測定値を形
成する。この測定値は、Hi/Lo表示子を形成するた
めに閾値(下のブロック5において、NCCから供給さ
れる)と比較される。その後、ブロック3では、所与の
フレームの所与のスロットの全ての同期バーストにため
のHi/Lo表示子がパワーレベルレポート・セルに編
成され、ダウンリンクを介してUETに送信される。ブ
ロック4では、UETがパワーレベルレポート・セルを
受信し、そのUETに関連するHi/Lo表示子の位置
を特定し、小さなステップだけそのパワーを調整する。
基準パワーは下のブロック8で利用することができる。
ブロック5では、アクティブモードを開始し、UETは
割り当てられたチャネルスロット上でトラフィックバー
ストを送信する。各バーストのために用いられるパワー
レベルは、下のブロック8において決定されるようなパ
ワーレベルである。ブロック6では、衛星が、UETに
よってアップリンク上で送信されたトラフィックバース
トを受信する。それを実施している間に、バースト内に
存在する誤りカウントが形成される。この誤りカウント
は、「大きい/大きくない」表示子を形成するために閾
値と比較される。ブロック7では、所与のフレームの所
与のスロットの全てのトラフィックバーストのための
「大きい/大きくない」表示子が誤りレベルレポート・
セルに編成され、ダウンリンクを介してUETに送信さ
れる。ブロック8では、UETによって、誤りレベルレ
ポート・セルが受信され、現在割り当てられている各チ
ャネルスロットのための「大きい/大きくない」表示子
の位置が特定される。そのような各チャネルスロットの
ためのパワーレベルは、「大きい/大きくない」表示子
にしたがって少量だけ調整され、そのチャネルスロット
の次回(ブロック5)の使用時にUETによって用いる
ためにメモリに保持される。また、このパワーレベルプ
ロファイルは、パワープロファイル要求への応答を容易
にするために、下のブロック11も利用することができ
る。パワープロファイルは、上記のブロック4において
確立される基準パワーレベルに対するオフセットに換算
して保持されることが好ましく、ステップサイズの単位
で表される。端末が最初にチャネルスロットにアクセス
する際に用いられるレベルは、基準レベル(ブロック4
から)によって決定され、適応的なコーディングが用い
られる場合には、軽いコーディングのための標準的な差
によって、下のブロック13からNCCによって供給さ
れる。ブロック9では、NCCが、パワープロファイル
要求メッセージを周期的に発信し、そのメッセージは処
理衛星の通常のアップリンクおよびダウンリンク通信設
備を用いて、選択されたUETに中継される。ブロック
10では、UETがNCCからのパワープロファイル要
求メッセージを受信する。ブロック11では、UETは
パワープロファイル応答メッセージを形成し、上記のブ
ロック4において確立された基準パワーレベルに対す
る、上記のブロック8において確立されたパワーレベル
を明示する。UETはパワーレベル応答を、衛星を介し
てNCCに中継する。ブロック12では、NCCがUE
Tからのパワーレベルレポートメッセージを受信する。
ブロック13では、NCCはパワーレベルレポートから
データベースを作成し、パワーレベルデータの統計解析
を実行する。たとえば、チャネルスロットパワーレベル
の平均値が計算され、それを用いて、種々のビームのた
めの閾値に必要される任意の補正を決定する。新しい閾
値は、上記のブロック2において次に使用するために、
衛星に送信される。適応的なコーディングが用いられて
いる場合には、NCCは、使用中の各コーディングレー
トのために1つずつの、多数のデータベースを保持す
る。新しい閾値が決定されるとき、NCCは種々の適応
的なコーディングレートのためのパワーレベル間の新し
い標準オフセットも決定する。これらのオフセットは、
ブロック8において、初期チャネルスロット伝送パワー
レベルを決定する際に用いるためにUETに(好ましく
はATMメッセージを介して)送信される。
【0135】
【発明の効果】このようにして、本発明の好ましい実施
形態のパワーレベル調整、誤りレベル調整および閾値レ
ベル調整の態様を統合することにより、包括的な自己調
整および自己較正アップリンク・パワー制御システムお
よび方法が提供される。アップリンク送信パワーは最初
に、パワーレベル調整を用いることにより自己調整さ
れ、その後、誤りレベル調整を用いることによりデータ
送信中に精細に調整される。その後、システムは閾値レ
ベル調整を用いることにより、かつ誤りレベル調整によ
って決定されたアップリンクトラフィックバーストパワ
ーをパワーレベル調整によって決定されたアップリンク
基準パワーと比較することにより、周期的に自己較正さ
れる。こうして、システムは、時間的に変動する大気に
よる減衰あるいは照準誤差などからの利得要求の変化に
適応する。
【0136】本発明の特定の要素、実施形態および応用
形態が図示および記載されてきたが、本発明がそれに限
定されず、当業者によって変更が行われることができる
ことは、上記の教示の観点から理解されたい。それゆ
え、添付の請求の範囲は、そのような変更形態を網羅
し、本発明の精神および範囲内に入るそれらの特徴を含
むことを考慮している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるセルラー衛星
通信システムの概略図である。
【図2】本発明のパワーレベル調整の態様の好ましい実
施形態による簡略化したブロック図である。
【図3】本発明のパワーレベル調整の態様の好ましい実
施形態によるパワーレベル調整システムを示す図であ
る。
【図4】本発明のパワーレベル調整の態様の好ましい実
施形態による同期バーストプロセッサの選択パワー決定
モジュールを示す図である。
【図5】本発明のパワーレベル調整の態様の好ましい実
施形態による典型的なATMレポート・セルを示す図で
ある。
【図6】本発明のパワーレベル調整の態様の好ましい実
施形態による流れ図である。
【図7】本発明の誤りレベル調整の態様の好ましい実施
形態による誤りレベル調整制御方式のシステムブロック
図である。
【図8】本発明の誤りレベル調整の態様の好ましい実施
形態による誤りレポートATMセルの構造を示す図であ
る。
【図9】本発明の誤りレベル調整の態様の好ましい実施
形態による誤りレベル調整方法を示す流れ図である。
【図10】本発明の閾値レベル調整の態様の好ましい実
施形態による、図1に示される衛星通信システムのブロ
ック図である。
【図11】本発明の閾値レベル調整の態様の好ましい実
施形態による、1つのセルにおいて通信する多数のUE
Tのためのパワー閾値レベル調整を実施する衛星通信シ
ステムを示す図である。
【図12】本発明の閾値レベル調整の態様の好ましい実
施形態による、衛星通信システムにおいて用いるための
パワー閾値レベル調整のための方法を示す図である。
【図13】本発明の好ましい実施形態のパワーレベル調
整、誤りレベル調整、および閾値レベル調整の態様の相
互動作を示す総合システムブロック図である。
【符号の説明】
103 チャネル 110 端末 140 衛星 1101〜1105 端末
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年8月1日(2001.8.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
フロントページの続き (72)発明者 デイヴィッド・エイ・ライト アメリカ合衆国カリフォルニア州90254, ハーモサ・ビーチ,テンス・ストリート 1118 Fターム(参考) 5K072 AA03 AA04 BB23 CC03 CC13 CC15 DD06 DD15 DD19 EE06

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ユーザ地上端末(UET)と、衛星と、
    ネットワーク制御センタ(NCC)とを備える衛星通信
    システムであって、アップリンク・パワー制御システム
    は、 閾値に関係して衛星において受信された前記アップリン
    ク信号のパワーに基づいて、アップリンク信号のための
    初期アップリンク伝送パワーレベルを制御し、かつ前記
    衛星において受信された前記アップリンク信号内の誤り
    の数に基づいて現在のアップリンク伝送パワーレベルを
    制御するアップリンク送信機を備えるUETと、 閾値に関して前記衛星において受信された前記アップリ
    ンク信号のパワーを決定するパワー決定モジュールと、
    前記衛星において受信された前記アップリンク信号内の
    前記誤りの数を決定するための誤り検出器とを備える衛
    星と、 前記初期アップリンク伝送パワーレベルを前記現在のア
    ップリンク伝送パワーレベルと比較し、該比較に基づい
    て前記閾値を制御するプロセッサを備えるNCCと、を
    備える、衛星通信システム。
  2. 【請求項2】 前記初期アップリンク伝送パワーレベル
    は、アップリンク同期バーストに基づいて決定される請
    求項1に記載のシステム。
  3. 【請求項3】 前記衛星はさらに、前記閾値に関して前
    記衛星において受信された前記アップリンク信号のパワ
    ーに基づいてレポートを形成するためのレポート・セル
    形成装置を備え、前記UETはさらに、前記レポートを
    構文解析するためのレポート構文解析装置を備える請求
    項1に記載のシステム。
  4. 【請求項4】 前記衛星はさらに、前記衛星において受
    信された前記アップリンク信号内の前記誤りの数に基づ
    いてレポートを形成するための誤りレポート回路を備
    え、前記UETはさらに、前記レポートを処理するため
    のレポートプロセッサを備える請求項1に記載のシステ
    ム。
  5. 【請求項5】 前記UETはさらに、前記UETのため
    のパワープロファイルを生成するパワープロファイルプ
    ロセッサを備える請求項1に記載のシステム。
  6. 【請求項6】 前記NCCは、複数のUETのための初
    期アップリンク伝送パワーレベルと、現在のアップリン
    ク伝送パワーレベルとを含むデータベースを形成する請
    求項1に記載のシステム。
  7. 【請求項7】 前記データベースは統計的に解析され、
    前記解析の結果は前記閾値を制御するために用いられる
    請求項6に記載のシステム。
  8. 【請求項8】 前記統計的な解析は、複数の前記初期ア
    ップリンク伝送パワーレベルと前記現在のアップリンク
    伝送パワーレベルとの平均値を決定することを含む請求
    項7に記載のシステム。
  9. 【請求項9】 閾値に関して衛星において受信されたア
    ップリンク信号のパワーに基づいて、前記アップリンク
    信号のための初期アップリンク伝送パワーレベルを制御
    するアップリンク送信機を備え、 前記アップリンク送信機は、前記衛星において受信され
    る前記アップリンク信号内の誤りの数に基づいて、現在
    のアップリンク伝送パワーレベルを制御し、前記閾値
    は、前記初期アップリンク伝送パワーレベルを前記現在
    のアップリンク伝送パワーレベルと比較することにより
    周期的に調整される、ことを特徴とする衛星通信システ
    ムのユーザ地上端末(UET)。
  10. 【請求項10】 前記閾値に関して前記衛星において受
    信される前記アップリンク信号のパワーに基づいてレポ
    ートを構文解析するためのレポート・セル構文解析装置
    をさらに備える請求項9に記載のUET。
  11. 【請求項11】 前記衛星において受信される前記アッ
    プリンク信号内の誤りの数に基づいてレポートを処理す
    るためのレポートプロセッサをさらに備える請求項9に
    記載のUET。
  12. 【請求項12】 前記アップリンク信号は、多数のチャ
    ネルにわたって送信され、前記UETはさらに、前記各
    チャネルのための前記アップリンク信号のパワーを決定
    するパワープロファイルプロセッサを備える請求項9に
    記載のUET。
  13. 【請求項13】 衛星通信システムのためのアップリン
    ク・パワー制御システムを制御するための方法であっ
    て、 衛星において受信されるアップリンク信号のパワーに基
    づいて、前記アップリンク信号のための初期アップリン
    ク伝送パワーレベルを制御するステップと、 前記衛星において受信される前記アップリンク信号内の
    誤りの数に基づいて、前記アップリンク信号のための現
    在のアップリンク伝送パワーレベルを制御するステップ
    と、 前記初期アップリンク伝送パワーレベルを前記現在のア
    ップリンク伝送パワーレベルと比較することにより前記
    初期アップリンク伝送パワーレベルを制御するステップ
    とを含む方法。
  14. 【請求項14】 前記初期アップリンク伝送パワーレベ
    ルを制御する前記ステップは、前記衛星において受信さ
    れるアップリンク同期バースト信号のパワーに基づい
    て、前記アップリンク同期バースト信号のための初期ア
    ップリンク伝送パワーレベルを制御するステップを含む
    請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記アップリンク信号はUETから発
    信される請求項13に記載の方法。
  16. 【請求項16】 閾値に関して前記衛星において受信さ
    れる前記アップリンク信号のパワーに基づいて、前記衛
    星から前記UETにパワーレベルレポートを送信するス
    テップをさらに含む請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記衛星において受信される前記アッ
    プリンク信号内の誤りの数に基づいて、前記衛星から前
    記UETに誤りレポートを送信するステップをさらに含
    む請求項15に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記UETのためのパワープロファイ
    ルを生成するステップをさらに含む請求項15に記載の
    方法。
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