JP2002043682A - パルス列発生装置 - Google Patents

パルス列発生装置

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JP2002043682A
JP2002043682A JP2000225634A JP2000225634A JP2002043682A JP 2002043682 A JP2002043682 A JP 2002043682A JP 2000225634 A JP2000225634 A JP 2000225634A JP 2000225634 A JP2000225634 A JP 2000225634A JP 2002043682 A JP2002043682 A JP 2002043682A
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Japan
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reflector
light
pulse train
reflected
optical amplifier
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JP2000225634A
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English (en)
Inventor
Masahito Morimoto
政仁 森本
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波数の繰り返しパルス列を発生でき、装
置の調整等が容易でパルスの分散補償可能でかつ波長可
変な小型のパルス列発生装置を提供する。 【解決手段】 基板3上に、互いに間隔を介して第1の
反射体2a、半導体光増幅器1、第2の反射体2bを順
に配置し、第1の反射体2aの光反射率を略100%と
し、第2の反射体2bはその光反射率を100%未満と
して一部の光を透過する膜とする。半導体光増幅器1か
ら第1の反射体2a側と第2の反射体2b側に向けて光
を放出する。第2の反射体2bと半導体光増幅器1との
間に、半導体光増幅器1からの放出光の光路上に過飽和
吸収媒体4を設け、前記放出光を第1の反射体2aと第
2の反射体2bとの間で反射させて半導体光増幅器1と
過飽和吸収媒体4を通して往復させることにより光パル
ス列を発生させ、該光パルス列を第2の反射体2bの光
透過側に設けた光出力部から出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信に用いられ
るパルス列発生装置に関するものであり、特に、高速時
分割多重伝送の同期用光源として用いられるパルス列発
生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光パルス列の発生は、半導体レー
ザの直接変調を適用した装置によって行なわれている。
具体的には、電気信号により10GHz程度のパルス列
を発生できる装置が提案され、現在実用化されている。
【0003】また、半導体レーザ、半導体多重量子井戸
過飽和吸収体をモノリシックに集積し、受動モードロッ
クにより数百GHzの光パルス列を発生する技術が研究
されている。この技術を適用したレーザはMLLD(モ
ード同期レーザダイオード)と呼ばれ、例えば、応用物
理第67巻第9号(1998)荒平 慎 総合報告「集
積化モード同期半導体レーザの現状」p1013−10
22に報告されている。
【0004】さらに、光ファイバの非線形効果を利用す
ると、超高速繰り返しパルス列(繰り返し光パルス列)
を発生できる可能性が示唆されており、実験室レベルで
原理確認が行なわれている。光ファイバの非線形効果を
利用したパルス列発生装置として、例えば特開平6―1
25124号には、変調不安定効果を用いた100GH
z程度の高速繰り返しパルス列発生装置が提案されてい
るが、実用化はされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記半
導体レーザの直接変調を適用する装置は、現状では10
GHzの繰り返しパルス列の発生が限界であり、これ以
上の繰り返し周波数を上げるには、半導体レーザの外部
に変調器を設ける、または、上記MLLDを用いる必要
がある。しかし、MLLDでは、その繰り返しパルス列
の周期を変えることは容易でなく、さらに、光パルスの
スペクトルの素子分散による広がり(これをパルスのチ
ャープと呼ぶ)を抑えることができない。
【0006】このため、発生される光パルスは理想的な
フーリエ変換限界パルス(TLパルス)にはならず、擬
似的なTLパルスとなり、パルス幅が理想の幅よりも大
きくなり、スペクトル領域を有効に利用できないといっ
た問題点があった。
【0007】一方、光ファイバの非線形効果を利用した
パルス列発生装置は、上記の如く、実験室レベルでは1
00GHz程度の高速繰り返しパルス列の発生が可能で
あるが、光ファイバのパラメータ(特に分散値、モード
フィールド径)を厳しく調整する必要があり、この調整
が容易でないといった問題があった。
【0008】また、光ファイバの非線形効果を利用する
ためには、光ファイバにエルビウム等の増幅媒質をドー
プした光増幅用光ファイバが数m必要であり、また、前
記増幅媒質を励起するための半導体レーザ、光アイソレ
ータ、光カプラ、半導体レーザから出射されるレーザ光
の変調を与えるための光源等が必要であり、装置構成が
複雑になり、装置の大型化を招くといった問題もあっ
た。
【0009】さらに、光ファイバの非線形効果を利用す
るパルス列発生装置においては、変調を与えるための光
源の波長と、前記変調不安定効果を発生する光の波長を
変化させないことが必要であり、例えば上記光源の波長
が少しでも狂うと、繰り返し周波数が数十GHzの範囲
で変動することになるため、実用化が難しかった。
【0010】本発明は上記課題を解決するために成され
たものであり、その目的は、高周波数の繰り返しパルス
列を発生でき、装置の調整等が容易で、かつ、パルス列
繰り返し周波数可変で、しかも、パルスのチャープを補
償可能な小型のパルス列発生装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は次のような構成をもって課題を解決するた
めの手段としている。すなわち、第1の発明は、基板上
に半導体光増幅器を設け、該半導体光増幅器を両側から
間隔を介して挟む態様でその一方側に第1の反射体を配
置し、他方側に第2の反射体を配置し、前記第1の反射
体はその光反射率が略100%の反射膜により形成し、
前記第2の反射体はその光反射率を100%未満として
一部の光を透過する一部光透過膜により形成し、前記半
導体光増幅器から前記第1の反射体側と第2の反射体側
に向けて光を放出する構成とし、前記第1の反射体と前
記半導体光増幅器との間または前記第2の反射体と前記
半導体光増幅器との間には該半導体光増幅器からの放出
光の光路上に過飽和吸収媒体を設け、前記放出光を第1
の反射体と第2の反射体との間で反射させて前記半導体
光増幅器と前記過飽和吸収媒体を通して往復させること
により光パルス列を発生させ、該光パルス列を前記第2
の反射体の光透過側に設けた光出力部から出力する構成
をもって課題を解決する手段としている。
【0012】また、第2の発明は、上記第1の発明の構
成に加え、第1の反射体を反射膜の代わりに位相共役鏡
により形成した構成をもって課題を解決する手段として
いる。
【0013】さらに、第3の発明は、基板上に配置され
る第1から第N(Nは3以上の整数)までのN個の反射
体を有し、第1の反射体の光反射側に第2の反射体を配
置し、該第2の反射体の光反射側に第3の反射体を配置
していき、第Nの反射体の光反射側に前記第1の反射体
を配置して前記N個の反射体により反射光の周回路を形
成し、前記N個の反射体のうち1つの反射体はその光反
射率を100%未満として一部の光を透過する一部光透
過膜により形成し、残りの反射体はその光反射率が略1
00%の反射膜により形成し、前記第1の反射体と第2
の反射体の間にこれらの反射体と間隔を介して半導体光
増幅器を設け、前記反射光の周回路上に過飽和吸収媒体
を設け、前記半導体光増幅器から前記第1の反射体側と
第2の反射体側に向けて光を放出し、これらの放出光を
前記第1から第Nの反射体の間で反射させて前記半導体
光増幅器と前記過飽和吸収媒体を通して周回させること
により光パルス列を発生させ、該光パルス列を前記一部
光透過膜の光透過側に設けた光出力部から出力する構成
をもって課題を解決する手段としている。
【0014】さらに、第4の発明は、上記第3の発明の
構成に加え、前記第Nの反射体は第4の反射体とした構
成をもって課題を解決する手段としている。
【0015】さらに、第5の発明は、上記第1乃至第4
のいずれか一つの発明の構成に加え、前記一部光透過膜
の光反射率を90%以上とした構成をもって課題を解決
する手段としている。
【0016】さらに、第6の発明は、上記第1乃至第5
のいずれか一つの発明の構成に加え、前記2つの反射体
の間で反射する反射光の光路長を可変する反射光路長可
変手段を設けた構成をもって課題を解決する手段として
いる。
【0017】さらに、第7の発明は、上記第6の発明の
構成に加え、前記反射光路長可変手段は少なくとも1つ
の反射体を静電力と電磁力の少なくとも一方の力で移動
させる反射体移動手段を有する構成をもって課題を解決
する手段としている。
【0018】さらに、第8の発明は、上記第7の発明の
構成に加え、前記反射体移動手段による反射体の移動量
を500μm以下とした構成をもって課題を解決する手
段としている。
【0019】さらに、第9の発明は、上記第6又は第7
又は第8の発明の構成に加え、前記反射光路長可変手段
は2つの反射体の間で反射する反射光の光路長を0.5
mm〜2mmの範囲内で可変する構成とした構成をもっ
て課題を解決する手段としている。
【0020】さらに、第10の発明は、上記第1乃至第
9のいずれか一つの発明の構成に加え、前記過飽和吸収
媒体は半導体多層膜とした構成をもって課題を解決する
手段としている。
【0021】さらに、第11の発明は、上記第1乃至第
10のいずれか一つの発明の構成に加え、前記反射体で
反射する反射光の光路上に回折格子対を設けた構成をも
って課題を解決する手段としている。
【0022】さらに、第12の発明は、上記第1乃至第
11のいずれか一つの発明の構成に加え、前記光出力部
には光出力用光ファイバと、一部光透過膜を透過した光
を前記光出力用光ファイバの接続端面に集光する集光レ
ンズとを設けた構成をもって課題を解決する手段として
いる。
【0023】さらに、第13の発明は、上記第12の構
成に加え、前記一部光透過膜と集光レンズとの間の光路
上に光アイソレータと光フィルタの少なくとも一方を設
けた構成をもって課題を解決する手段としている。
【0024】半導体光増幅器の動作原理は周知の半導体
レーザと同じであるが、半導体光増幅器は、その端面を
劈開していないため共振器構造にはならず、レーザ発振
を行なわない。そのため、半導体光増幅器に電流を注入
すると同時に、微弱な放出光が放出される。
【0025】上記構成の本発明において、半導体光増幅
器の放出光は第1の反射体側と第2の反射体側に向かっ
て進行し、それぞれの反射体で反射される。この反射光
は再び半導体光増幅器に入射され、再入射した光は、半
導体光増幅器の誘導放出により増幅される。
【0026】そして、第1、第2の発明において、前記
放出光が第1の反射体と第2の反射体との間で反射し、
前記半導体光増幅器を通して往復することにより、光パ
ワーが増加していく。なお、この過程は一般の半導体レ
ーザと同じ原理である。また、第3の発明においては、
前記放出光を第1から第Nの反射体の間で反射させて前
記半導体光増幅器を通して周回させることにより、第
1、第2の発明と同様に、光パワーが増加していく。
【0027】さらに、第1、第2の発明は、前記第1の
反射体と前記半導体光増幅器との間または前記第2の反
射体と前記半導体光増幅器との間には半導体光増幅器か
らの放出光の光路上に過飽和吸収媒体を設けているの
で、前記放出光を第1の反射体と第2の反射体との間で
反射させて前記半導体光増幅器と前記過飽和吸収媒体を
通して往復させることにより、次のような作用(パルス
発生作用)によって光をパルス化し、光パルス列を発生
させることが可能となる。
【0028】すなわち、過飽和吸収媒体は、該過飽和吸
収媒体に入射する光のパワーによって吸収パワーが大き
く変化するため、過飽和吸収媒体に入射する光パワーが
小さい間は、光は過飽和吸収媒体に殆ど吸収されてしま
うが、過飽和吸収媒体に入射する光パワーが大きくなる
に従い、過飽和吸収媒体による光の吸収が小さくなり、
過飽和吸収媒体に入射する光パワーが十分に大きくなる
と、光は殆ど透過することになる。
【0029】そのため、例えば前記第2の反射体と前記
半導体光増幅器との間に過飽和吸収媒体を設けた場合、
最初に第2の反射体に向けて進行した光は過飽和吸収媒
体によって殆ど吸収され、第2の反射体で反射して、さ
らに過飽和吸収媒体を通過すると、その光強度はさらに
小さくなる。
【0030】一方、最初に第1の反射体に向けて進行し
た光は第1の反射体で反射して、再度半導体光増幅器を
通過するため、光パワーが増幅される。この増幅された
光が過飽和吸収媒体を通過すると、過飽和吸収媒体によ
って吸収を受けるが、前記増幅された光は、そのパワー
がある程度大きくなっているため、吸収されるパワーが
小さい。そして、過飽和吸収媒体に吸収されずに透過し
た光は、第2の反射体で反射し、さらに過飽和吸収媒体
で吸収されるが、このとき吸収されるパワーは、最初に
第2の反射体に向けて進行した光の吸収パワーよりも小
さい。
【0031】これを繰り返すと、第1の反射体と第2の
反射体との間で、第1の反射体側に向けて進行する光パ
ワーと第2の反射体側に向けて進行する光パワーにアン
バランスが生じ、光は、最終的には振幅変調されたよう
な光パワー分布を第1の反射体と第2の反射体との間で
持ちながら、第1の反射体と第2の反射体との間を往復
することになる。
【0032】なお、上記パワー分布を形成する際に、半
導体光増幅器に注入する電流を振幅変調すると、上記パ
ワー分布の形成がより一層効率的になる。すなわち、過
飽和吸収媒体に第1の反射体側から入射する光と第2の
反射体側から入射する光が過飽和吸収媒体で重なったと
き、パワーの大きい部分同士が重なる場合が過飽和吸収
媒体を最も透過しやすくなり、パワーの小さい部分は吸
収が大きくなるため、パワーの振幅変調はさらに大きく
なり、この過程を繰り返すと、ついにはピークパワーの
大きな半値幅の小さいパルス列が第1の反射体と第2の
反射体との間で形成されることになる。
【0033】上記のように、第1、第2の発明において
は、過飽和吸収媒体に第1の反射体側から入射する光と
第2の反射体側から入射する光のパルスの衝突と、過飽
和吸収媒体の吸収パワー依存性により短パルスが形成さ
れる。なお、このようなパルス衝突と過飽和吸収媒体の
吸収パワー依存性によるパルス形成現象は、CPM(C
olliding Pulse Mode−Locki
ng;衝突パルスモード同期)と呼ぶことができる。
【0034】ここで、半値幅が小さいパルスは、フーリ
エ変換により周波数領域で見ると、その周波数帯域が広
いことに相当するが、本発明で用いる半導体光増幅器の
増幅帯域はブロードに設計し、約30nm程度であるた
め、本発明において、この半導体光増幅器からの放出光
を利用して上記のようにして形成される光パルス列は、
十分に周波数帯域が大きく、時間幅の小さい短パルスと
なる。この光パルスはフーリエ変換限界パルス(トラン
スフォームリミットパルス)であり、この短パルスのパ
ルス列が光出力部から出力される。
【0035】また、第3の発明においては、前記第1か
ら第N個の反射体により形成される反射光の周回路上に
過飽和吸収媒体を設けて、前記半導体光増幅器からの放
出光を、第1から第Nの反射体の間で反射させて前記半
導体光増幅器と前記過飽和吸収媒体を通して周回させる
と、前記周回路を右回りに進行する光と左回りに進行す
る光との間で、上記第1の発明と同様に光パワーにアン
バランスが生じる。そのため、この光は、最終的には振
幅変調されたような光パワー分布を持ちながら、前記周
回路を周回することになり、第1、第2の発明と同様の
作用により、十分に周波数帯域が大きく、時間幅の小さ
い短パルスが発生し、光出力部から出力される。
【0036】また、第2の発明においては、第1の反射
体として、反射膜の代わりに位相共役鏡を用いているの
で、光が第1の反射体と第2の反射体との間で反射して
形成されるパルス(光パルス)のチャープを補償するこ
とができる。
【0037】これは、以下に述べる位相共役原理により
行われるものである。すなわち、位相共役鏡で反射され
る光パルスは、反射される前の光パルスと位相共役の関
係になっているため、光パルスは、反射される前に光パ
ルスが受けたチャープと同じ大きさで逆向きのチャープ
を反射後に反射光の光路上で受けることになり、その結
果、光パルスのチャープが相殺されて0となる。
【0038】なお、上記位相共役原理は、実際にレーザ
に応用されており、レーザ出力波面が共振器内で乱され
ても位相共役原理により回復される実験結果が報告され
ている(M.Cronin-Golomb,B.Fischer,J.Nilsen,J.O.Whi
te and A.Yariv "Laser withdynamic holographic intr
acavity distortion correction capability",ApplPhy
s. Lett. 41(3),1 August 1982 pp219-220参照)。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1には、本発明に係るパルス列
発生装置の第1実施形態例の要部構成が斜視図により示
されている。
【0040】同図に示すように、本実施形態例のパルス
列発生装置は、基板3上に半導体光増幅器(SOA;S
emiconductor Optical Ampl
ifier)1を設けており、半導体光増幅器1はバル
ク型の半導体により形成されている。基板3はシリコン
により形成されており、その大きさは、図のZ方向の長
さが5mm、X方向の長さが5mm、Y方向の長さが2
mmである。
【0041】基板3上には、前記半導体光増幅器1を両
側から間隔を介して挟む態様でその一方側に第1の反射
体2(2a)を配置し、他方側に第2の反射体2(2
b)を配置している。記第1の反射体2aは光反射率を
略100%とした反射膜により形成されている。前記第
2の反射体2bはその光反射率を100%未満(ここで
は略95%)として、一部(ここでは略5%)の光を透
過する一部光透過膜により形成されている。
【0042】前記半導体光増幅器1は、電流注入によっ
て、設定波長(ここでは波長1.55μm帯)の光を放
出軸方向(図のZ方向)に放出する機能を有しており、
前記第1の反射体2a側と第2の反射体2b側に向けて
光を放出する。第2の反射体2bと半導体光増幅器1と
の間には該半導体光増幅器1からの放出光の光路上に過
飽和吸収媒体4が設けられており、この過飽和吸収媒体
4は半導体多層膜により形成されている。この過飽和吸
収媒体4は、量子井戸によるエネルギーサブバンドのキ
ャリア密度の過飽和特性を持ち、前記設定波長帯(本実
施形態例では1.55μm帯)で過飽和吸収特性を有す
る。
【0043】本実施形態例のパルス列発生装置は、前記
半導体光増幅器1からの放出光を第1の反射体2aと第
2の反射体2bとの間で反射させて、半導体光増幅器1
と前記過飽和吸収媒体4を通して往復させることにより
光パルス列を発生させ、該光パルス列を前記第2の反射
体2bの光透過側に設けた光出力部から出力することを
特徴としている。
【0044】前記光出力部には光出力用光ファイバ5
と、第2の反射体2b(一部光透過膜)を透過した光を
光出力用光ファイバ5の接続端面に集光する集光レンズ
9とが設けられている。第2の反射体2bと集光レンズ
9との間の光路上には光アイソレータ8が設けられてい
る。
【0045】また、本実施形態例において、第1と第2
の2つの反射体2a,2bの間で反射する反射光の光路
長を可変する反射光路長可変手段が設けられており、こ
の反射光路長可変手段は、矢印A、Bに示すように、第
1と第2の反射体2a,2bを電磁力によって移動する
反射体移動手段6を有している。この反射体移動手段6
は、第1と第2の反射体2a,2bをそれぞれ図のZ方
向に500μm以下の移動量だけ移動し、それにより、
第1の反射体2aと第2の反射体2bの間で反射する反
射光の光路長を1mm〜2mmの範囲内で可変する構成
と成している。
【0046】反射体移動手段6は、図2に示すように、
反射体2を搭載する反射体搭載部材10と、この反射体
搭載部材10を電磁力により移動させる複数の電磁石7
を有している。反射体搭載部材10はその一端側をS
極、他端側をN極に固定磁化した磁性膜により形成され
ており、前記基板3のエッチングにより形成された凹部
の反射体移動部11上に配置されている。前記電磁石7
は図のZ方向に互いに間隔を介して並設され、この並設
電磁石7によって反射体搭載部材10を図のX方向に間
隔を介して両側から挟む態様で、電磁石7と反射体搭載
部材20とが対向配置されている。
【0047】ここで、例えば図2に示すように、反射体
搭載部材10が、図の上部側がS極、下部側がN極に磁
化されているとして、電磁石7(7a)がN極、電磁石
7(7b)がS極となるように電流を流すと、反射体搭
載部材10が図の右側に移動し、それに伴い、反射体2
が図の右側に移動する。このように、反射体搭載部材1
0の近傍に配置された電磁石7に流す電流を可変して、
その電磁石7の極を可変することにより、反射体2を図
のZ方向に自在にスライド移動する。
【0048】本実施形態例は以上のように構成されてお
り、半導体光増幅器1に例えば2V、100mAの電流
を注入すると、半導体光増幅器1から放出光が放出さ
れ、この放出光は第1の反射体2a側と第2の反射体2
b側に向かって進行する。そして、この光は、それぞれ
の反射体2a,2bで反射されて半導体光増幅器1を通
ることにより増幅されると共に、第2の反射体2bと半
導体光増幅器1との間に設けられた過飽和吸収媒体4に
よって前記放出光の吸収が生じ、前記パルス発生作用に
よって光パルス列が発生する。
【0049】また、前記の如く、半導体光増幅器1の増
幅帯域はブロードであるため、この半導体光増幅器1か
らの放出光を利用して形成される光パルス列は、十分に
周波数帯域が大きく、時間幅の小さい短パルスとなる。
そして、この短パルスの光パルス列が光出力部から出力
される。
【0050】なお、本実施形態例のパルス列発生装置に
おいて、半導体光増幅器1からの放出光の波長は波長
1.55μm帯であり、前記放出光から発生する光パル
ス列の波長帯もこの波長帯である。
【0051】本実施形態例において、第1の反射体2a
と第2の反射体2bとの間で形成される光パルスはフー
リエ変換限界パルス(トランスフォームリミットパル
ス)であり、本実施形態例において観測されたパルス幅
は約1psであった。
【0052】また、上記光パルス列の繰り返し周波数
は、共振器長で決定されるものであり、本実施形態例に
おいて、この共振器長は、第1の反射体2aと第2の反
射体2bとの間で反射する反射光の光路長に相当する。
【0053】本実施形態例において、この反射光の光路
長は1mm〜2mmの範囲内で可変される。光路長が1
mmのときには光パルス列の繰り返し周波数は約300
GHz、光路長が2mmのときには光パルス列の繰り返
し周波数は約150GHzであるので、本実施形態例の
パルス列発生装置は、150GHz〜300GHzまで
の範囲内で繰り返し周波数を可変できる。
【0054】なお、従来、衝突モード同期のパルス列発
生実験として、ミラーを除震台に設置して光パルスを発
生させる実験が行なわれていたが、この実験における共
振器長は1mのオーダーであり、その繰り返し周波数は
数十MHzが限度であり、本実施形態例は、この種の実
験では達成できなかった超高速繰り返し光パルス列の発
生を実現することができた。
【0055】また、本実施形態例のパルス列発生装置か
ら出力する光パルス列の波長帯は、現在様々な検討が行
なわれている時分割多重伝送用の波長帯であり、かつ、
本実施形態例のパルス列発生装置は上記の如く超高速繰
り返し光パルス列の発生を実現できるために、高速時分
割多重伝送の同期用光源として非常に適した装置とする
ことができる。
【0056】さらに、本実施形態例のパルス列発生装置
は、その装置構成も簡単であり、容易に製造することが
でき、製造歩留まりの高い装置とすることができる。
【0057】さらに、本実施形態例のパルス列発生装置
は、半導体光増幅器1への電流注入だけで動作可能であ
り、光ファイバの非線形効果を用いた変調不安定による
パルス列発生よりも繰り返し周波数が安定であり、装置
の調整も容易にできる。
【0058】すなわち、半導体光増幅器1はレーザとは
異なり端面を劈開処理していないため、半導体光増幅器
1はレーザ発振を行なえない代わりに、光が通過するた
びに増幅するというパッシブな動作を行なうため、この
動作がローダミン等の増幅機構(例えばレーザ媒質とし
てローダミン液膜等をアルゴンレーザで励起する等の機
構)の肩代わりになる。したがって、半導体光増幅器1
を用いて上記のように構成した本実施形態例は、上記の
如く繰り返し周波数が安定な優れた装置とすることがで
きる。
【0059】さらに、本実施形態例のパルス列発生装置
は、コンパクトなサイズの基板3上に、膜により形成し
た反射体2や半導体光増幅器1等を有する微小光学系を
形成したものであるから、装置が非常に小型であり、図
1に示す構成を収容するパッケージとして、従来の半導
体レーザパッケージと同等の大きさ(各辺が数cm程
度)のパッケージを適用できる。
【0060】図3には、本発明に係るパルス列発生装置
の第2実施形態例の要部構成が斜視図により示されてい
る。なお、本第2実施形態例において、上記第1実施形
態例と同一名称部分には同一符号を付してあり、その重
複説明は省略する。
【0061】同図に示すように、本第2実施形態例のパ
ルス列発生装置は、基板3上に配置される第1から第N
(Nは3以上の整数であり、本実施形態例においてはN
=4)までの4個の反射体2(2a〜2d)を有してい
る。
【0062】本第2実施形態例において、第1の反射体
2aの光反射側に第2の反射体2bを配置し、該第2の
反射体2bの光反射側に第3の反射体2cを配置し、該
第3の反射体2cの光反射側に第4の反射体2dを配置
し、該第4の反射体2dの光反射側に前記第1の反射体
2aを配置して4個の反射体2(2a〜2d)により反
射光の周回路12を形成している。
【0063】また、4個の反射体2a〜2dのうち1つ
の反射体(ここでは第2の反射体2b)は、その光反射
率を100%未満として一部の光を透過する一部光透過
膜により形成されており、残りの反射体2a,2c,2
dは光反射率が略100%の反射膜により形成されてい
る。前記第1の反射体2aと第2の反射体2bの間に、
これらの反射体2a,2bと間隔を介して半導体光増幅
器1が設けられ、前記反射光の周回路12上の、第2の
反射体2bと第3の反射体2cの間に過飽和吸収媒体4
が設けられている。
【0064】本第2実施形態例でも、上記第1実施形態
例と同様に、前記半導体光増幅器1から前記第1の反射
体2a側と第2の反射体2b側に向けて光を放出する構
成と成しており、本第2実施形態例においては、これら
の放出光を前記第1から第4の反射体の間で反射させて
半導体光増幅器1と前記過飽和吸収媒体4を通して周回
させることにより光パルス列を発生させる構成と成して
いる。
【0065】発生した光パルス列は前記一部光透過膜
(ここでは第2の反射体2b)の光透過側に設けた光出
力部から出力する構成と成しており、光出力部の構成は
上記第1実施形態例と同様である。
【0066】また、本第2実施形態例においては、第1
と第4の2つの反射体2a,2dの間で反射する反射光
の光路長と、第2と第3の2つの反射体2b,2cの間
で反射する反射光の光路長を同時に可変する反射光路長
可変手段が設けられている。この反射光路長可変手段
は、第3と第4の反射体2c,2dを電磁力によって、
矢印Aに示すように移動する反射体移動手段6を有して
いる。
【0067】この反射体移動手段6は、第3と第4の反
射体2c,2dをそれぞれ図のX方向に500μm以下
の移動量だけ移動し、それにより、第1と第4の2つの
反射体2a,2dの間で反射する反射光の光路長と、第
2と第3の2つの反射体2b,2cの間で反射する反射
光の光路長を、0.5mm〜2mmの範囲内で同時に可
変する構成と成している。
【0068】本第2実施形態例においては、前記の如く
反射光の周回路12が形成されており、第1の反射体2
aと第2の反射体2bとの間で反射する反射光の光路長
および、第3の反射体2cと第4の反射体2dとの間で
反射する反射光の光路長は、共に1mmで固定されてい
るので、上記光路長の可変によって、反射光の周回路1
2の回路長は3mm〜6mmの範囲内で可変される。
【0069】なお、本実施形態例に設けられている反射
体移動手段6は、第3の反射体2cと第4の反射体2d
を搭載する反射体搭載部材10と、反射体搭載部材10
をZ方向に両側から挟む態様で設けられた複数の電磁石
7(図3には図示せず)を有し、反射体搭載部材10は
基板3上の反射体移動部11に配置されてX方向に移動
自在と成している。電磁石7はX方向に互いに間隔を介
して並設されており、反射体移動手段6の構成および動
作は、上記第1実施形態例の反射体移動手段6と原理的
に同じである。
【0070】本第2実施形態例は以上のように構成され
ており、第1実施形態例と同様に半導体光増幅器1に電
流注入を行なうと、放出された放出光は第1の反射体2
a側と第2の反射体2b側に向かって進行し、それぞれ
の反射体2a,2bで反射される。
【0071】そして、半導体光増幅器1から第2の反射
体2bで反射した光は第3の反射体2c側に反射し、過
飽和吸収媒体4を通って第3の反射体2cに入射する。
この光は第3の反射体2cで反射して第4の反射体2d
側に進行し、さらに第4の反射体2dで反射して第1の
反射体2a側に進行し、さらに第1の反射体2aで反射
する。この光は半導体光増幅器1を通って増幅され、第
2の反射体2b側に進行する。
【0072】このように、半導体光増幅器1から第2の
反射体2b側に向けて放出した光は、前記反射光の周回
路12を左回り(反時計回り)に周回する。
【0073】一方、半導体光増幅器1から第1の反射体
2a側に向けて進行した光は、第1の反射体2aで反射
し、この光は第4の反射体2d側に反射し、さらに、第
4の反射体2dで反射して第3の反射体2c側に進行す
る。この光は、さらに第3の反射体2cで反射して過飽
和吸収媒体4を通って第2の反射体2bに入射し、第2
の反射体2bで反射して半導体光増幅器1を通って増幅
され、第1の反射体2aに入射する。
【0074】このように、半導体光増幅器1から第1の
反射体2a側に向けて放出した光は、前記反射光の周回
路12を右回り(時計回り)に周回する。
【0075】そして、前記反射光の周回路12を右回り
に進行する光と左回りに進行する光は、それぞれ、半導
体光増幅器1と過飽和吸収媒体4を通って進行するの
で、両者の間で、上記第1実施形態例と同様に光パワー
にアンバランスが生じる。そのため、上記第1実施形態
例と同様のパルス発生作用により、十分に周波数帯域が
大きく、時間幅の小さい短パルスが発生し、光出力部か
ら出力される。
【0076】なお、本第2実施形態例では、第1から第
4の反射体2a〜2dにより形成される前記反射光の周
回路12の回路長を3mm〜6mmの範囲内で可変する
構成と成しているために、光パルス列の繰り返し周波数
は約50GHz〜100GHzの範囲で可変される。
【0077】本第2実施形態例も、上記動作により上記
第1実施形態例と同様の効果を奏することができる。
【0078】なお、本発明は上記実施形態例に限定され
ることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば上
記各実施形態例の構成に加え、例えば反射体2で反射す
る反射光の光路上に回折格子対を設けることもできる。
この場合、パルスの周波数チャーピングを補償すること
もでき、さらに優れたパルス列発生装置を形成できる。
【0079】すなわち、短パルス化された光パルスはブ
ロードなスペクトル成分を持つが、何度も半導体光増幅
器1、過飽和吸収媒体4、空気を通過するため、これら
の材料による群速度分散の影響により、光スペクトルに
よって速度が異なることでパルス幅が広がってしまう可
能性があるが、上記のように回折格子対を設けると、こ
の広がりを補償し、パルス幅をps(ピコ秒)オーダー
からfs(フォムト秒)オーダーの狭い幅にすることが
できる。
【0080】さらに、上記第1実施形態例において、第
1の反射体2aを、反射膜の代わりに光反射率が略10
0%の位相共役鏡とすることもできる。このように構成
すると、位相共役鏡での反射前のパルスの周回路中で受
けたチャープを、位相共役波を発生することにより相殺
することができるため、反射体2で反射する反射光の光
路上に回折格子対を用いる場合よりも、さらに完全なチ
ャープ補償が可能になるため、さらに優れたパルス列発
生装置を形成できる。
【0081】上記のように、第1の反射体2aとして位
相共役鏡を適用したパルス列発生装置において、位相共
役鏡での位相共役波の発生を、縮退4光波混合を用いて
実現する場合、位相共役鏡として用いる非線形媒質をレ
ーザにより対向配置で励起する必要があるが、この励起
レーザの波長により、縮退4光波混合で発生される位相
共役波の波長が決定されるので、この励起レーザの波長
を変化させることで、パルス列の波長を可変にすること
も可能である。すなわち、上記位相共役鏡を用いたパル
ス列発生装置においては、波長可変パルス列発生装置が
実現可能である。
【0082】また、上記各実施形態例では、半導体光増
幅器1はバルク型の半導体により形成したが、半導体光
増幅器1は半導体量子井戸構造としてもよい。
【0083】さらに、上記各実施形態例では、半導体光
増幅器1から放出する放出光の波長を波長1.55μm
帯に設定したが、前記放出光の波長は特に限定されるも
のではなく適宜設定されるものである。ただし、現在様
々な検討が行なわれている時分割多重伝送の波長帯は波
長1.55μm帯であるために、前記放出光の波長帯を
波長1.55μm帯とすると、パルス列発生装置を前記
時分割多重伝送の同期用光源として好適とすることがで
きる。
【0084】さらに、上記第1実施形態例では、過飽和
吸収媒体4は前記第2の反射体2dと前記半導体光増幅
器1との間に設けたが、過飽和吸収媒体4は前記第1の
反射体2aと前記半導体光増幅器1との間で、半導体光
増幅器1からの放出光の光路上に設けてもよい。
【0085】さらに、上記第2実施形態例では、過飽和
吸収媒体4は、反射体2による反射光の周回路12上
で、第2の反射体2bと第3の反射体2cとの間に設け
たが、過飽和吸収媒体4は反射体2による反射光の周回
路12上に設ければよく、その配置位置は適宜設定され
るものである。
【0086】さらに、上記第2実施形態例では、第2の
反射体2bを一部光透過膜として機能させたが、その代
わりに、上記第2実施形態例において第1と第3と第4
の反射体2a,2c,2dの何れかを一部光透過膜とし
て機能させ、この他の反射体2の光反射率を100%と
してもよい。この場合、一部光透過膜の光透過側に光出
力部が形成される。
【0087】さらに、上記各実施形態例において、一部
光透過膜の光反射率は略95%としたが、一部光透過膜
の光反射率は100%未満であればよく、適宜の光反射
率(好ましくは90%以上)に設定されるものである。
【0088】さらに、上記各実施形態例では、2つの反
射体の間で反射する反射光の光路長を可変する反射光路
長可変手段を、少なくとも1つの反射体2を電磁力で移
動させる反射体移動手段6を有する構成としたが、反射
体移動手段6の構成は特に限定されるものではなく適宜
設定されるものである。反射体移動手段6は、例えば少
なくとも1つの反射体2を静電力で移動させる構成とし
てもよいし、少なくとも1つの反射体2を電磁力と静電
力で移動させる構成としてもよい。
【0089】さらに、上記各実施形態例では、反射体移
動手段6による反射体2の移動量を500μm以下とし
たが、この移動量は特に限定されるものでなく適宜設定
されるものである。
【0090】さらに、上記第1実施形態例では、反射光
路長可変手段は2つの反射体2の間で反射する反射光の
光路長を1mm〜2mmの範囲内で可変し、上記第2実
施形態例では、反射光路長可変手段は2つの反射体2の
間で反射する反射光の光路長を0.5mm〜2mmの範
囲内で可変する構成としたが、この反射光の光路長可変
範囲は特に限定されるものでなく適宜設定されるもので
ある。
【0091】さらに、上記各実施形態例において設けた
反射光路長可変手段を省略することもできる。この場
合、パルス列発生装置から出力する光パルス列の繰り返
し周波数は固定の周波数となる。
【0092】さらに、反射体2の間で反射する反射光の
光路長は必ずしも上記実施形態例に適用した値とすると
は限らず、適宜設定されるものであり、この反射光の光
路長を適宜設定することにより、光パルス列の繰り返し
周波数を適宜の周波数にすることができる。例えば各辺
の長さが数cmの基板3上に反射体2等の光学系を配置
して反射体2の間隔を広げることもでき、この種のパル
ス列発生装置に上記反射光路長可変手段を設ければ、十
GHzオーダーの繰り返し周波数可変のパルス列発生装
置とすることもできる。
【0093】さらに、上記第2実施形態例では、第1か
ら第4の4個の反射体2(2a〜2d)を設け、これら
の反射体2によって反射光の周回路12を形成したが、
反射光の周回路12はN(Nは3以上の整数)個の反射
体2によって様々に形成することが可能である。すなわ
ち、第1の反射体2の光反射側に第2の反射体2を配置
し、該第2の反射体2の光反射側に第3の反射体2を配
置していき、第Nの反射体の光反射側に前記第1の反射
体2を配置すれば、前記N個の反射体により反射光の周
回路12を様々に形成することができる。
【0094】さらに、上記各実施形態例では、光出力部
に光出力用光ファイバ5と、集光レンズ9と光アイソレ
ータ8を設けたが、光出力部の構成は特に限定されるも
のではなく適宜設定されるものである。なお、光出力部
を少なくとも光出力用光ファイバ5と、集光レンズ9を
有する構成とすると、一部光透過膜を透過した光を集光
レンズ9により集光し、出力用光ファイバ5を介して出
力できるために、パルス列発生装置を時分割多重伝送用
として適用する場合、光伝送用の光ファイバ等への光接
続を行い易くできる。
【0095】また、上記実施形態例のように、一部光透
過膜と集光レンズ9との間の光路上に光アイソレータ8
を設けると、集光レンズ9や光ファイバ5側から一部光
透過膜側へ光が伝送されることを抑制できるために好ま
しい。さらに、一部光透過膜と集光レンズ9との間の光
路上に光アイソレータ8と光フィルタの少なくとも一方
を設けてもよく、例えば周知の波長選択フィルタにより
形成した光フィルタを設けると、出力したい波長の光の
みを選択的に出力できるパルス列発生装置とすることが
できる。
【0096】
【発明の効果】第1、第2の発明によれば、半導体光増
幅器からの放出光を第1の反射体側と第2の反射体側に
向かって放出し、該放出光を第1の反射体と第2の反射
体との間で反射させて、過飽和吸収媒体と増幅帯域がブ
ロードな前記半導体光増幅器を通して往復させることに
より、第1と第2の反射体間で第1の反射体側に進行す
る光と第2の反射体側に進行する光とのアンバランスを
生じさせ、十分に周波数帯域が大きく、時間幅の小さい
光パルス列を発生させ、光出力部から出力することがで
きる。
【0097】特に、第2の発明によれば、第1の反射体
として位相共役鏡を適用することにより、上記光パルス
のチャーピングをほぼ完全に補償することができるし、
位相共役鏡の励起レーザ波長を可変にすることで、パル
ス列の波長をも可変にすることができる。
【0098】また、第3の発明によれば、第1から第N
個の反射体により形成される反射光の周回路上に過飽和
吸収媒体を設けて、前記半導体光増幅器からの放出光を
第1から第Nの反射体の間で反射させて、前記半導体光
増幅器と前記過飽和吸収媒体を通して周回させることに
より、前記周回路を右回りに進行する光と左回りに進行
する光との間で、光パワーのアンバランスを生じさせ、
第1、第2の発明と同様の作用により、十分に周波数帯
域が大きく、時間幅の小さい短パルスを発生させて出力
することができる。
【0099】さらに、第1〜第3の発明によれば、基板
上に上記のような半導体光増幅器と反射体と過飽和吸収
媒体を備えた微小光学系を形成したものであるから、そ
の装置構成は簡単であり、また、小型の装置とすること
ができる。
【0100】さらに、第1〜第3の発明のパルス列発生
装置から出力するパルス列の波長帯は、半導体光増幅器
からの放出光波長を適宜設定することにより、例えば現
在様々な検討が行なわれている時分割多重伝送用の波長
帯とすることができるので、上記超高速繰り返し光パル
ス列の発生効果を利用して、高速時分割多重伝送の同期
用光源として非常に適した装置とすることができる。
【0101】さらに、第1〜第3の発明のパルス列発生
装置は、半導体光増幅器への電流注入だけで動作可能で
あり、光ファイバの非線形効果を用いた変調不安定によ
る光パルス列発生よりも繰り返し周波数が安定な優れた
装置とすることができ、装置の調整も容易とすることが
できる。
【0102】さらに、上記第3の発明における第Nの反
射体は第4の反射体とした構成によれば、周回路を四辺
形状に形成することができ、製造しやすい装置とするこ
とができる。
【0103】さらに、上記発明において、一部光透過膜
の光反射率を90%以上とした構成によれば、半導体光
増幅器からの放出光の反射と透過をバランス良く行なう
ことができ、光パルス列発生およびその出力を効率的に
行なうことができる。
【0104】さらに、2つの反射体の間で反射する反射
光の光路長を可変する反射光路長可変手段を設けた構成
によれば、2つの反射体の間で反射する反射光の光路長
の可変によって光パルス列の繰り返し周波数を可変する
ことができる。
【0105】さらに、反射光路長可変手段は少なくとも
1つの反射体を静電力と電磁力の少なくとも一方の力で
移動させる反射体移動手段を有する構成によれば、反射
光路長可変手段を、簡単で小型のものとすることができ
る。
【0106】さらに、反射体移動手段による反射体の移
動量を500μm以下とした構成によれば、反射体の移
動量を適切な値に設定することにより、反射体を非常に
的確に移動させることができる。
【0107】さらに、反射光路長可変手段は2つの反射
体の間で反射する反射光の光路長を0.5mm〜2mm
の範囲内で可変する構成によれば、発生する光パルス列
の繰り返し周波数を非常に高い値とすることができ、超
高速繰り返し光パルス列を発生し、出力できる。
【0108】さらに、過飽和吸収媒体を半導体多層膜に
より形成することにより、上記優れた効果を奏するパル
ス列発生装置を容易に構成できる。
【0109】さらに、反射体で反射する反射光の光路に
回折格子対を設けた構成によれば、光パルスのチャーピ
ングを補償することができる。
【0110】さらに、光出力部には光出力用光ファイバ
と、一部光透過膜を透過した光を前記光出力用光ファイ
バの接続端面に集光する集光レンズとを設けた構成によ
れば、例えば本発明のパルス列発生装置を時分割波長多
重伝送用として適用した場合に、伝送用光ファイバ等の
構成要素との光接続を行ない易くできる。
【0111】さらに、一部光透過膜と集光レンズとの間
の光路上に光アイソレータと光フィルタの少なくとも一
方を設けた構成によれば、光アイソレータによって、集
光レンズ側からの光を一部光透過膜側に伝送することを
抑制したり、光フィルタによって出力させたい波長のみ
を選択的に出力させたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパルス列発生装置の第1実施形態
例を示す要部構成図である。
【図2】上記実施形態例に設けられている反射体移動手
段の構成を示す平面説明図である。
【図3】本発明に係るパルス列発生装置の第2実施形態
例を示す要部構成図である。
【符号の説明】
1 半導体光増幅器 2 反射体 3 半導体基板 4 過飽和吸収媒体 5 出力側光ファイバ 6 反射体移動手段 7 電磁石 8 光アイソレータ 9 集光レンズ 10 反射体搭載部材

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に半導体光増幅器を設け、該半導
    体光増幅器を両側から間隔を介して挟む態様でその一方
    側に第1の反射体を配置し、他方側に第2の反射体を配
    置し、前記第1の反射体はその光反射率が略100%の
    反射膜により形成し、前記第2の反射体はその光反射率
    を100%未満として一部の光を透過する一部光透過膜
    により形成し、前記半導体光増幅器から前記第1の反射
    体側と第2の反射体側に向けて光を放出する構成とし、
    前記第1の反射体と前記半導体光増幅器との間または前
    記第2の反射体と前記半導体光増幅器との間には該半導
    体光増幅器からの放出光の光路上に過飽和吸収媒体を設
    け、前記放出光を第1の反射体と第2の反射体との間で
    反射させて前記半導体光増幅器と前記過飽和吸収媒体を
    通して往復させることにより光パルス列を発生させ、該
    光パルス列を前記第2の反射体の光透過側に設けた光出
    力部から出力することを特徴とするパルス列発生装置。
  2. 【請求項2】 第1の反射体を反射膜の代わりに位相共
    役鏡により形成したことを特徴とする請求項1記載のパ
    ルス列発生装置。
  3. 【請求項3】 基板上に配置される第1から第N(Nは
    3以上の整数)までのN個の反射体を有し、第1の反射
    体の光反射側に第2の反射体を配置し、該第2の反射体
    の光反射側に第3の反射体を配置していき、第Nの反射
    体の光反射側に前記第1の反射体を配置して前記N個の
    反射体により反射光の周回路を形成し、前記N個の反射
    体のうち1つの反射体はその光反射率を100%未満と
    して一部の光を透過する一部光透過膜により形成し、残
    りの反射体はその光反射率が略100%の反射膜により
    形成し、前記第1の反射体と第2の反射体の間にこれら
    の反射体と間隔を介して半導体光増幅器を設け、前記反
    射光の周回路上に過飽和吸収媒体を設け、前記半導体光
    増幅器から前記第1の反射体側と第2の反射体側に向け
    て光を放出し、これらの放出光を前記第1から第Nの反
    射体の間で反射させて前記半導体光増幅器と前記過飽和
    吸収媒体を通して周回させることにより光パルス列を発
    生させ、該光パルス列を前記一部光透過膜の光透過側に
    設けた光出力部から出力することを特徴とするパルス列
    発生装置。
  4. 【請求項4】 第Nの反射体は第4の反射体としたこと
    を特徴とする請求項3記載のパルス列発生装置。
  5. 【請求項5】 一部光透過膜の光反射率を90%以上と
    したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか
    一つに記載のパルス列発生装置。
  6. 【請求項6】 2つの反射体の間で反射する反射光の光
    路長を可変する反射光路長可変手段を設けたことを特徴
    とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載のパ
    ルス列発生装置。
  7. 【請求項7】 反射光路長可変手段は少なくとも1つの
    反射体を静電力と電磁力の少なくとも一方の力で移動さ
    せる反射体移動手段を有することを特徴とする請求項6
    記載のパルス列発生装置。
  8. 【請求項8】 反射体移動手段による反射体の移動量を
    500μm以下としたことを特徴とする請求項7記載の
    パルス列発生装置。
  9. 【請求項9】 反射光路長可変手段は2つの反射体の間
    で反射する反射光の光路長を0.5mm〜2mmの範囲
    内で可変する構成としたことを特徴とする請求項6又は
    請求項7又は請求項8記載のパルス列発生装置。
  10. 【請求項10】 過飽和吸収媒体は半導体多層膜とした
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一つ
    に記載のパルス列発生装置。
  11. 【請求項11】 反射体で反射する反射光の光路上に回
    折格子対を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項
    10のいずれか一つに記載のパルス列発生装置。
  12. 【請求項12】 光出力部には光出力用光ファイバと、
    一部光透過膜を透過した光を前記光出力用光ファイバの
    接続端面に集光する集光レンズとを設けたことを特徴と
    する請求項1乃至請求項11のいずれか一つに記載のパ
    ルス列発生装置。
  13. 【請求項13】 一部光透過膜と集光レンズとの間の光
    路上に光アイソレータと光フィルタの少なくとも一方を
    設けたことを特徴とする請求項12記載のパルス列発生
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010286304A (ja) * 2009-06-10 2010-12-24 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 中空光導波路における磁場を用いた光路長調整方法及び装置

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