JP2002036709A - ルミネッセンス素材インキを用いた転写箔 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、偽造防止を目的としたルミネッセン
ス素材インキを使用した転写箔に関するものである。 【構成】イ． ＰＥＴ材（２）に離型剤（３）を塗布し
その上にルミネッセンス素材インキ（４）を印刷して接
着剤（６）を以って被覆して構成される、ブラックライ
トの照射によって輝度を持った発色を呈する機能を保有
する、ルミネッセンス素材インキを用いた転写箔。 ロ． 転写箔（１）のルミネッセンス素材インキ（４）
を接着剤（６）に均一に分散した組成物（７）を離型剤
（３）の表面に印刷して、被転写物（１０）に転写する
構成となる請求項１のルミネッセンス素材インキを用い
た転写箔。 ハ． カラーグラビアインキ（５）に被覆されたルミネ
ッセンス素材インキ（４）を用いて構成される、請求項
１のルミネッセンス素材インキを用いた転写箔。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、偽造防止用として利
用されてきたブラックライトによって発色するルミネッ
センス素材を、有機溶剤に分散溶解させたインキをグラ
ビア印刷によって転写箔に塗布した構成とすることによ
り、転写箔を被転写物に転写した場合、通常は転写の痕
跡を示さず、ブラックライトの照射によって輝度を有す
る発色をさせることができる。またグラビア印刷の特性
により微細なパターンを表現することができ、転写箔に
加工することで高度な精度を常に保持する偽造防止材料
を提供することができる。

【０００２】

【従来の技術】従来のルミネッセンス素材インキを利用
した印刷方法には、オフセット印刷、スクリーン印刷等
がある。オフセット印刷は、ブランケットを介して印刷
するためインキの層が薄く発色の効果が少なく、またス
クリーン印刷はインキの層は厚くできるが微細なパター
ンの表現には不向きであった。またグラビア印刷をする
にはインキの分散が悪く実用化には至らなかった。さら
に被印刷物に直接印刷を施す方法には、被印刷物のロッ
ト数や素材等製造上の制限があるため、広い範囲に応用
することは困難であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、偽造防止用
として利用されてきたルミネッセンス素材を微細なパタ
ーンで表現しようとするものであり、ブラックライトの
照射によってより効果的な発色をもって表現するもので
あり、なおかつルミネッセンス素材を転写箔として加工
することにより、常に均一の品質であらゆる材料にルミ
ネッセンス素材を転写、印刷することを可能にするもの
である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成させる
ために、本発明は、ルミネッセンスインキの材料となる
ルミネッセンス素材を、無機系化合物から有機系のルミ
ネッセンス染料などの有機溶剤に分散溶解性の良い材料
を選択することによって、従来は、印刷適性が悪く困難
とされていたグラビア印刷が可能になり、さらにグラビ
ア印刷を用いるルミネッセンス素材を利用した転写箔を
製造することが可能となる。このことにより偽造防止印
刷において微細なパターンを常に均一の品質で表現する
ことができ、より高度な偽造防止材料を提供することが
できるようにしたものである。

【０００５】

【作用】上記の手段により作成した転写箔（１）を、熱
転写装置を用いて被転写物（１０）に転写することによ
り、被転写物（１０）にはルミネッセンス素材インキ
（４）が転移する。その被転写物（１０）に波長が３６
５ｎｍを中心とした３４０ｎｍ〜４００ｎｍのブラック
ライトを照射することにより、無色であるルミネッセン
ス素材インキ（４）が輝度を有する有色に発色し、ブラ
ックライトの照射を止めると消色することを繰り返す作
用がある。

【０００６】

【実施例】イ． ＰＥＴ材（２）に離型剤（３）を塗布
しその上にルミネッセンス素材インキ（４）を印刷して
接着剤（６）を以って被覆して構成される、ブラックラ
イトの照射によって輝度を持った発色を呈する機能を保
有する、ルミネッセンス素材インキを用いた転写箔。 ロ． 転写箔（１）のルミネッセンス素材インキ（４）
を接着剤（６）に均一に分散した組成物（７）を離型剤
（３）の表面に印刷して、被転写物（１０）に転写する
構成となる請求項１のルミネッセンス素材インキを用い
た転写箔。 ハ． カラーグラビアインキ（５）に被覆されたルミネ
ッセンス素材インキ（４）を用いて構成される、請求項
１のルミネッセンス素材インキを用いた転写箔。

【０００７】図２に示すように転写箔（１）のベースと
なるＰＥＴ材（２）の表面にシリコーンを主成分とした
離型剤（３）を塗布し、その一部又は全面にルミネッセ
ンス素材インキ（４）及びカラーグラビアインキ（５）
を印刷し、最後に接着剤（６）塗布し転写箔（１）を構
成する。

【０００８】上記のルミネッセンス素材インキの印刷に
は、市販の無機系及び有機系の既成のインキを使用でき
るが、有機系のルミネッセンス染料をトルエン、酢酸エ
チル、メチルエチルケトン等の有機溶剤に均一分散溶解
させたものに、塗布面に凝着固化するバインダーとなる
アクリル系あるいはテトロン（登録商標）系のメジウム
を任意量添加して均一分散させたものを、グラビア印刷
によって離型剤（３）の表面に塗布し乾燥後に接着剤
（６）を塗布し被覆する。

【０００９】上記の転写箔（１）の被転写物（１０）へ
の転写は、図４に示すように、１５０℃〜２３０℃に加
熱したシリコンローラー（７）の下に転写箔（１）に張
力を持たせて張り、その下面に被転写物（１０）を置
き、加熱したシリコンローラー（７）を被転写物（１
０）に転写箔（１）ごと加圧し、その熱と圧力により、
転写箔（１）の接着剤（６）を溶解させ被転写物（１
０）に密着することで、離型剤（３）より転写箔（１）
のインキ部分を剥離させ、被転写物（１０）にルミネッ
センス素材インキ（４）及びカラーグラビアインキ
（５）を接着させる。

【００１０】転写箔（１）のルミネッセンス素材インキ
（４）の塗布面に、カラーグラビアインキ（５）を印刷
せずに、ルミネッセンス素材インキ（４）のみを塗布し
た転写箔の場合は、下記の方法により被転写物（１０）
に転写できる。図５に示すように、文字もしくは図柄の
部分のみルミネッセンス素材インキ（４）を転写したい
場合、文字もしくは図柄の部分を凸にした凸版（９）を
彫刻もしくはエッチング方法で作成し、その版を１５０
℃前後に加熱し、凸版の下に上記転写箔（１）に張力を
持たせて張り、その下面に被転写物（１０）を置き、加
熱した凸版（９）を被転写物（１０）に転写箔（１）ご
と加圧し、その熱と圧力により転写箔（１）の接着剤
（６）を溶解させ離型剤（３）より転写箔（１）のイン
キ部分を剥離させ被転写物（１０）に凸部分の文字もし
くは図柄のルミネッセンス素材インキ（４）を接着させ
る。

【００１１】図３のように転写箔（１）のルミネッセン
ス素材インキ（４）を接着剤（６）に均一に分散させた
組成物（７）を離型剤（３）の表面に印刷して、被転写
物（１０）に転写する方法も製造工程省略のために有効
である。

【００１２】

【発明の効果】この発明は、太陽光の紫外線や可視光線
によっては発色せず、通常では無色透明で視覚をもって
も認識できないルミネッセンス素材インキ（４）を以っ
て、従来困難とされていたグラビア印刷によって転写箔
（１）を製造することにより、ルミネッセンス素材イン
キを、微細なパターンで表現することができ、高度の精
度を常に保持することが可能となる。また、その転写箔
（１）を用いて転写加工することにより、通常では無色
透明で視覚をもっても認識できないルミネッセンス素材
インキをブラックライトの照射によって認識する事がで
きるため、この転写箔（１）を偽造防止材料として提供
することができるようにしたものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明請求項１の転写箔の断面図

【図２】本発明請求項２の転写箔の断面図

【図３】本発明請求項３の転写箔の断面図

【図４】本発明の転写に関わる実施例図

【図５】本発明のさらなる転写に関わる実施例図

【符号の説明】

１はルミネッセンス素材インキを用いた転写箔 ２はＰＥＴ材 ３は離型剤 ４はルミネッセンス素材インキ ５はカラーグラビアインキ ６は接着剤 ７は組成物 ８はシリコンローラー ９は凸版 １０は被転写物

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ＰＥＴ材（２）に離型剤（３）を塗布し
   その上にルミネッセンス素材インキ（４）を印刷して接
   着剤（６）を以って被覆して構成される、ブラックライ
   トの照射によって、輝度を持った発色を呈する機能を保
   有する、ルミネッセンス素材インキを用いた転写箔。
2. 【請求項２】 転写箔（１）のルミネッセンス素材イン
   キ（４）を接着剤（６）に均一に分散した組成物（７）
   を離型剤（３）の表面に印刷した構成となる請求項１の
   ルミネッセンス素材インキを用いた転写箔。
3. 【請求項３】 カラーグラビアインキ（５）に被覆され
   たルミネッセンス素材インキ（４）を用いて構成され
   る、請求項１のルミネッセンス素材インキを用いた転写
   箔。