JP2002036209A - 木材の乾燥方法及び乾燥木材 - Google Patents

木材の乾燥方法及び乾燥木材

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JP2002036209A
JP2002036209A JP2000218973A JP2000218973A JP2002036209A JP 2002036209 A JP2002036209 A JP 2002036209A JP 2000218973 A JP2000218973 A JP 2000218973A JP 2000218973 A JP2000218973 A JP 2000218973A JP 2002036209 A JP2002036209 A JP 2002036209A
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dried
temperature
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Takao Kugai
隆夫 陸井
Kenichi Sonoda
憲一 園田
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New Industry Research Organization NIRO
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KUGAI RINGYO KK
New Industry Research Organization NIRO
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 これまで有効利用されていなかった植物油や
天麩羅油の使用後の精製油を、木材の乾燥において有効
に使用し、環境を悪化させないようにリサイクルする。 【解決手段】 木材を加熱高温とした植物油の油槽中に
浸漬して加熱乾燥する。また、この植物油が天麩羅油で
あり、かつ使用後の精製油である。また、加熱高温油の
油温が、略130℃〜160℃としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、短時間でかつ廉価
で、ひび割れの少ない状態で行う木材の乾燥方法と、該
乾燥方法により処理した木材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からの木材の人工乾燥方法は、蒸気
式や除湿式の如き熱風送風処理や、高周波減圧式等の如
く高周波を当てる乾燥方法や、天火乾燥等の方法が取ら
れていた。また、その他の特殊な乾燥方法として、特許
第3008019号の如く、常温では固体であるパラフ
ィンワックス及び天然油脂を特定な温度に加熱溶融させ
た液相下での連続煮沸の方法が公知とされている。ま
た、水分と親和性のない低粘度の潤滑油等の熱媒体オイ
ル中に浸漬して昇温して乾燥する方法が、特開平11−
320512号の如く公知とされていた。しかし、これ
らの方法は、パラフィンワックス及び天然油脂や、水分
と親和性のない低粘度の熱媒体オイルのコストが高いこ
とから、低廉な方法で乾燥する必要のある木材の乾燥方
法においては、普及しないという不具合があったのであ
る。また、従来は、業務用の天麩羅油等の植物油の使用
後の精製油は、収集された後に工業用の原料油として用
いられることが多かったのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これまで有
効利用されていなかった植物油や食用油や天麩羅油の使
用後の精製油を、木材の乾燥において有効に使用し、環
境を悪化させないようにリサイクルするものである。か
つ、従来は石油燃料等で加熱したり、電子レンジ等の如
く高周波を当てて、高価な電気代を使いながら乾燥する
為に、高価であった木材の乾燥コストを廉価にするもの
である。また、従来の熱風乾燥や高周波乾燥の場合に
は、乾燥終了までに長時間が掛かっていたのであるが、
この時間を実質的には十数時間程度の油槽内での高温化
処理により、乾燥を終了させようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明が解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するため
の手段を説明する。請求項1においては、木材を加熱高
温とした植物油の油槽中に浸漬して、加熱乾燥するもの
である。請求項2においては、請求項1記載の植物油が
天麩羅油としたものである。請求項3においては、請求
項2記載の天麩羅油が使用後の精製油としたものであ
る。請求項4においては、請求項1記載の加熱高温油の
油温が、略130℃〜160℃としたものである。請求
項5においては、請求項1記載の植物油の油槽に浸漬す
る前に、木材に水分を付加または添加して加湿するもの
である。請求項6においては、請求項1記載の植物油の
油槽に浸漬する前に、木材の温度を昇温し、かつ加湿す
るものである。請求項7においては、請求項1記載の木
材の乾燥方法及び乾燥木材において、処理後に油槽から
取り出した後に、一定時間、処理後の木材の周囲を被覆
して、乾燥木材と空気との間の曝気状態を回避する保温
状態としたものである。請求項8においては、請求項1
により乾燥した木材を、公園の遊具や柵や杭等の公園資
材として使用するものである。請求項9においては、請
求項1記載の植物油中に、防腐剤や防蟻剤や防虫剤や耐
火剤等を混入し、加熱処理と同時に木材に防腐剤や防蟻
剤や防虫剤や耐火剤等を注入するものである。請求項1
0においては、請求項1記載の木材の乾燥方法により処
理した後の木材に、防腐剤や防蟻剤や防虫剤や耐火剤等
を注入したものである。
【0005】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を説明す
る。図1は、木材の乾燥装置を示す側面一部断面図、図
2は、同じく木材の乾燥装置の正面一部断面図、図3
は、同じく木材の乾燥装置の平面図、図4は、乾燥装置
の他の実施例を示す正面図、図5は、木材として檜を本
発明の乾燥方法により乾燥した場合の未処理と、30分
乾燥と、3時間乾燥の長さ方向の部位および表面からの
厚さの差異による含水率の相違を示す図面、図6は、材
料が檜で図5で示した場合の未処理と、30分乾燥と、
3時間乾燥の表面からの長さ方向C部位における厚さの
差異による含水率の相違状況をグラフで示した図面、図
7は、材料を杉とした場合の未処理と、3時間と、10
時間乾燥後の、長さ方向の部位および表面からの厚さの
差異による含水率の相違を示す図面、図8は、天日乾燥
法による場合と、通常の蒸気乾燥法による場合と、本発
明による乾燥の場合を、丸太材料の表面と芯の部分とに
おいて比較した図面、図9は、丸太の表面と芯の部分の
含水率の変化を示す図面、図10は、本発明の乾燥方法
による処理手順を示すブロック図である。
【0006】本発明の木材の乾燥方法において、木材は
丸太のままで乾燥処理することもできるし、角材に製材
後に乾燥処理することもできる。そして、高温の油槽中
における加温浸漬処理時間は、約30分から3〜10時
間程度であり、従来の熱風乾燥や高周波乾燥の場合に比
較して、相当に短時間で処理することが出来るのであ
る。図1・図2・図3において、本発明の木材の乾燥方
法を用いる木材の乾燥処理装置の実施例を説明する。中
央に直方体に構成された油槽14が配置されている。そ
して油槽14の周囲には、作業者が乗って作業したり、
見回りのために移動したりできるプラットフォーム15
が配置されている。また、該プラットフォーム15の外
側に、油槽14内の植物油の中の天麩羅油の使用後の精
製油を130〜160℃に加温する為の貫流ボイラー7
が設けられている。
【0007】該貫流ボイラー7内で高温・高圧とされた
蒸気がパイピング9を介して、油槽14内の天麩羅油の
油中に熱を供給している。該パイピング9は、パイプ支
持柱8により支持されている。該パイプ支持柱8とパイ
ピング9とは、油槽14の中の下半分よりも下側に配置
されており、その上に簀の子19が構成されており、該
簀の子19の上に、木材13を載置すべく構成してい
る。該木材13を載置した状態で、使用後の精製油の比
重の関係から、木材13が浮き上がってしまうので、係
止チェーン10を設けて、該木材13の上に、係止チェ
ーン10をチェーン固定柱16・16の間で係止して、
木材13の浮き上がりを阻止している。
【0008】該油槽14の内部に木材13を入れた状態
で貫流ボイラー7により使用後の精製油を高温化するの
であるが、油槽14の上部には、開閉蓋11が被覆され
ている。次に、図4においては、加熱装置として、天麩
羅油等の使用後の精製油を用いて、これを燃焼するタイ
プの、本発明の別実施例の乾燥処理装置が図示されてい
る。下部には、加熱装置3が配置されており、該加熱装
置3は油燃焼式バーナーに構成されている。上部の油槽
1の内部において滞留されている食用天麩羅の使用後の
精製油の一部を、燃料油経路6を介して、一定量ずつ供
給して、バーナー炎5の温度を、一定の温度に保つべ
く、燃料油経路6から燃焼パイプ4への燃料油量調節を
行いながら供給して燃焼させている。
【0009】該油槽1の上面には、高温油の飛沫の飛び
散りを阻止する為に、油槽蓋2が配置されている。該油
槽蓋2により油槽1に蓋をすることにより、食用天麩羅
の使用後の精製油の温度が、下部から上部まで或る程
度、一定となるように構成しているのである。本発明の
木材は、該油槽1の内部に浸漬させる構成であり、予め
油槽1内の油温を、略130℃〜160℃に温めてお
く。そして、該木材13は、油槽1の高温油の中に浸漬
しただけでは、浮いた状態であり、後からの木材13を
も浸漬することが出来ないので、浸漬した木材13には
一定の力を付加して、全体の木材13が浸漬するように
構成している。このように木材乾燥に使用した後の食用
天麩羅の使用後の精製油は、使用限度等も無いので、何
時までも使用できるが、その一部は、燃料油経路6から
燃焼パイプ4に送って加熱の為の燃料油としても兼用す
るのである。
【0010】木材は、急速に乾燥すると、水分の含水状
態にアンバランスが発生することが原因で、ひび割れを
発生する。特に、本発明の木材の乾燥方法及び乾燥木材
においては、急激に乾燥するので、ひび割れが発生しや
すい。特に、高温の油槽内で、木材を天麩羅状に『揚げ
る』状態で乾燥すると、木材の内部における含水率のア
ンバランスが発生しやすいという状態を発生し、丸太や
角材の中心から放射状のひび割れが発生しやすいのであ
る。
【0011】図5と図6においては、檜をテスト木材
(13)として用いて乾燥した場合の、未処理と、30
分乾燥処理と、3時間乾燥処理のテスト結果の含水率の
状況を、表面からの削り厚さ(表面から芯までの長さ0
〜5cm)によって図示している。なお、テスト木材
(13)は、長さが1mで太さが直径10cmのものを
使用している。また、前記含水率の測定位置は、図5に
示すように、テスト木材(13)のA、B、C、D、E
の位置を設定した。図6は、テスト木材(13)の測定
位置Cにおける、未処理と、30分乾燥と、3時間乾燥
の表面からの厚さの差異による含水率の相違状況を示し
ている。そして、図7においては、同様の測定位置
(A、B、C、D、E)にて、杉をテスト木材(13)
とした場合の、未処理と、3時間処理と、10時間処理
の場合の、含水率の変化を表面からの削り厚さによって
図示している。図7の10時間処理の如く、長時間掛け
て乾燥すると、内部まで乾燥が進むことがわかる。この
図5と図6と図7において、檜と杉で図示している如
く、本木材の乾燥方法で乾燥した木材の場合には、表面
が一気に高温にされる結果、表面から薄い部分ほど、乾
燥効果が高いのである。しかし、表面から内部に入るほ
ど、乾燥が進まないことが理解できる。
【0012】図8において図示する如く、従来の乾燥方
法である天日乾燥の場合と、蒸気乾燥の場合には、長い
間、時間を掛けて10〜30日の間乾燥を続けるので、
表面と芯の部分と略同じ程度の含水率に乾燥されること
がわかる。これに対して、本発明の乾燥方法の場合に
は、高温により、短時間に乾燥することが目的であるの
で、一気に表面のみを、急速に乾燥し、その後は、公園
木材として使用状態で、水分の芯部分から表面部分への
移行を待つという状態を取るのである。図9において
は、本乾燥装置により乾燥した場合の、乾燥時間の長さ
と、表面及び芯の部分の含水率の変化を図示している。
【0013】図10において、本乾燥装置による処理手
順について説明する。本実施例のように、表面から急速
に水分を放出させて乾燥するという形態の場合において
は、油槽から引き上げると、木材13の表面に急速にひ
び割れが発生する可能性が高くなるのである。これを抑
制する手段として、木材の外部に水を含ませる加湿作用
を行ったり、また木材自体の温度を予め上昇しておくと
いう予備加熱等の前処理を行う。該状態で油槽1の内部
の略130℃〜160℃の食用天麩羅の使用後の精製油
の中に、木材13を浸漬すると、該木材13は一斉に泡
を吹くような状態が発生し、木材13の内部の空気が、
膨張して気泡となって、高熱の油槽の中から吹き上げ
る。このままの状態で天麩羅を上げるように、略30分
〜10時間の間放置し、その後に引き上げる。
【0014】また、木材13を高温の食用天麩羅の使用
後の精製油の内部で処理した後は、そのまま一気に空気
に曝してしまう曝気を行うと、この時点でも、含水状態
のアンバランスが一気に表面化してひび割れが生じる。
この不具合を解消する為に、低温の油槽に移行したり、
帆布や茣蓙や筵等を掛けて、急激に温度が低下したり、
急激に曝気状態となり、水分が更に気化するのを阻止し
て、ゆっくりとバランスの取れた状態の木材13に移行
するように後処理を行ってもよい。このように、前処理
または後処理を行うことによって、木材13の表面のひ
び割れの発生を最小限にとどめることができる。なお、
前処理および後処理は、必要に応じて同時に行なっても
よい。
【0015】本発明の木材の乾燥方法による乾燥データ
が図5から図9において図示されている。本発明の乾燥
方法は、食用天麩羅の使用後の精製油の内部に完全に木
材を浸漬するものである。本発明により乾燥処理した木
材の場合には、高温の略130℃〜160℃の食用天麩
羅の使用後の精製油の中で、木材を『揚げる』ことか
ら、木材の表面部分に水分が蒸発した後の気泡の部分が
多くできることとなる。故に、この乾燥により発生した
り、または孔径の大きくなった木材の表面部分の穿孔の
中に、防腐剤や防蟻剤や防虫剤や耐火剤等を注入するこ
とが出来るのである。この薬剤の注入は、本発明の油槽
14の中に入れた使用後の精製油と混合させて,防腐剤
や防蟻剤や防虫剤や耐火剤等を高温化して、乾燥と同時
に注入操作をすることもできる。また、乾燥処理後に、
別の密閉タンクの中で、圧力を掛けて急激に注入するこ
とも可能であるし、大気圧の中で、ゆっくりと注入する
ことも可能である。
【0016】上記した防腐剤や防蟻剤や防虫剤や耐火剤
等としては、使用後の精製油の中における溶解性と、1
30〜160℃の耐熱性と、効果持続性と、木材に対す
る固定化性と、軽環境負荷性等が要求される。上記の4
つの性能を満足する添加剤としては、水不溶性脂肪酸
や、みつろうや、芳香族アミンや、尿素樹脂や、石炭酸
樹脂や、ポリエチレン・グリコール(PEG)や、エチ
レンオキシド気相重合樹脂や、ビニールモノマー放射線
重合樹脂や、セルロースリグニンのアセチル化、ブチル
化、クロトニル化、アリル化したもの等がある。その他
に、構造単位に架橋構造を作る添加剤や、酸化チタンを
添加することによる、耐細菌性や、防虫性や、防黴性
や、防腐性が得られる。
【0017】本発明の乾燥方法において使用する食用天
麩羅の使用後の精製油は、業務用で食堂や食料加工工場
において天麩羅を揚げる為等に使用して、一定の数の天
麩羅を揚げた後において、その後の加工に使用すると、
味が落ちる為に、使用済み天麩羅の使用後の精製油とし
て処理し、業者が引き取った後の油である。通常は、精
製油引取業者から石鹸等の加工工場に原料として、また
工業用の潤滑油に添加する油として廉価に取引されるも
のであり、このように精製油回収油であり廉価であるこ
とから、大量に使用してもコストを高くすることが無い
のである。このように、リサイクル材料を使用すること
いうことで、木材の乾燥を廉価に処理することが出来る
のである。
【0018】また、本発明の木材の乾燥方法により処理
した乾燥木材は、公園の遊具や柵や杭等の公園構成資材
として、使用することが義務付けられている間伐材の乾
燥において使用することにより、更に安いコストで、公
園構成資材を得ることが出来るのである。食用天麩羅の
使用後の精製油により『揚げる』処理をしているので、
僅かに植物油の臭いが残っているが、公園構成資材とし
て使用する場合には、有害物質ではなくて植物油である
ので、使用上の問題が発生しないのである。
【0019】また、間伐材のように、低コストで処理し
なければ、利用できない木材の場合に、従来のような、
熱風乾燥や高周波乾燥した間伐材はコストが高くて使用
できないのであるが、本発明のように食用天麩羅の使用
後の精製油により『揚げて』乾燥することにより、コス
トが見合うようになり、木材の使用用途を拡げることが
出来るのである。また、本発明の乾燥方法によれば、前
処理と後処理に時間を要したとしても、約1日もあれ
ば、木材を乾燥して水分バランスのとれた状態とするこ
とが出来るので、公園構成資材のような、納入期日を長
くとることの出来ない木材の場合において、急速に低コ
ストにて乾燥することが出来るのである。また、180
℃以上の油温に設定すると木材が焦げることを利用し
て、わざわざ表面を焼くことなく、乾燥と同時に焦げ目
を入れることができる。
【0020】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏するものである。請求項1の如く、木材
を加熱高温とした植物油の油槽中に浸漬して、加熱乾燥
することを特徴とする木材の乾燥方法及び乾燥木材であ
るので、コストの安い食用天麩羅の使用後の精製油によ
り、短時間に乾燥処理することが出来るので、低コスト
の乾燥により、急激に水分バランスの取れた乾燥木材を
得ることが出来るのである。
【0021】請求項2の如く、植物油が天麩羅油である
ので、乾燥処理した後の木材に、植物油の臭いが付いた
としても、木材自体の臭いと大きな相違点がないので、
該木材により構成した遊具や柵や杭や、住宅の内装等に
おいても、住民から忌避を受けることが少ないのであ
る。
【0022】請求項3の如く、植物油が使用後の精製油
であるので、大量に食用天麩羅の使用後の精製油を使用
しても、コストの上昇とはならず、また何回も繰り返し
乾燥の為に使用したとしても、使用限度というものがな
く、更にコストを低くすることが出来るのである。
【0023】請求項4の如く、加熱高温油の油温が、略
130℃〜160℃であるので、これ以上の温度にした
場合には、木材に焦げ目が付くこととなり、これ以下と
した場合には、十分な水分の減少とならない場合が発生
するが、このレンジの温度とすることにより、最適状態
の乾燥木材を得ることが出来るのである。
【0024】請求項5の如く、植物油の油槽に浸漬する
前に、木材に水分を付加または添加して加湿することに
より、水分含水状態のアンバランスを解消することが出
来て、本乾燥システムにおいて最も発生しやすい木材の
表面に発生するひび割れを減少させることが出来るので
ある。
【0025】請求項6の如く、植物油の油槽に浸漬する
前に、木材の温度を昇温し、かつ加湿するので、木材の
各部の温度のアンバランスを解消することが出来て、本
乾燥システムにおいて最も発生しやすい木材の表面に発
生するひび割れを減少させることが出来るのである。
【0026】請求項7の如く、木材の乾燥方法及び乾燥
木材において、処理後に油槽から取り出した後に、一定
時間、処理後の木材の周囲を被覆して、乾燥木材と空気
との間の曝気状態を回避する保温状態としたことを特徴
とする木材の乾燥方法及び乾燥木材。
【0027】請求項8の如く、乾燥した木材を、公園の
遊具や柵や杭等の公園資材として使用するので、森林の
間伐材を低コストで乾燥して、子供も忌避しない植物油
の臭いのする公園構成資材とすることができるので、リ
サイクル資材の有効利用を図ることが出来るのである。
【0028】請求項9の如く、植物油中に、防腐剤や防
蟻剤や防虫剤や耐火剤等を混入し、加熱処理と同時に木
材に防腐剤や防蟻剤や防虫剤や耐火剤等を注入すること
により、添加材の添加処理工程と乾燥工程を一度に行う
ことが出来るので、処理コストを十分に下げることが出
来るのである。
【0029】請求項10の如く、木材の乾燥方法により
処理した後の木材に、防腐剤や防蟻剤や防虫剤や耐火剤
等を注入したので、簡単に大量の薬剤を木材に注入する
ことが可能となり、雨風に曝される公園構成木材の耐久
性能を向上することが出来たものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】木材の乾燥装置を示す側面一部断面図。
【図2】同じく木材の乾燥装置の正面一部断面図。
【図3】同じく木材の乾燥装置の平面図。
【図4】乾燥装置の他の実施例を示す正面図。
【図5】木材として檜を本発明の乾燥方法により乾燥し
た場合の未処理と、30分乾燥と、3時間乾燥の長さ方
向の部位および表面からの厚さの差異による含水率の相
違を示す図面。
【図6】材料が檜で図5で示した場合の未処理と、30
分乾燥と、3時間乾燥の表面からの長さ方向の部位Cに
おける厚さの差異による含水率の相違状況をグラフで示
した図面。
【図7】材料を杉とした場合の未処理と、3時間と、1
0時間乾燥後の、長さ方向の部位および表面からの厚さ
の差異による含水率の相違を示す図面。
【図8】天日乾燥法による場合と、通常の蒸気乾燥法に
よる場合と、本発明による乾燥の場合を、丸太材料の表
面と芯の部分とにおいて比較した図面。
【図9】丸太の表面と芯の部分の含水率の変化を示す図
面。
【図10】本発明の乾燥方法による処理手順を示すブロ
ック図。
【符号の説明】
7 貫流ボイラー 8 パイプ支持柱 9 パイピング 10 係止チェーン 13 木材 14 油槽 15 プラットフォーム 16 チェーン固定柱 19 簀の子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 園田 憲一 神戸市中央区港島南町1丁目5−2 財団 法人新産業創造研究機構内 Fターム(参考) 2B230 AA01 AA04 AA05 AA07 AA16 BA01 BA02 BA17 CB30 CC30 DA02 EA11 EA21 EB01 EB02 EB05 EB12 EB34 EC24 3L113 AA01 AB05 AB10 BA05 CA08 CA20 DA10 DA24 DA26

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材を加熱高温とした植物油の油槽中に
    浸漬して、加熱乾燥することを特徴とする木材の乾燥方
    法及び乾燥木材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の植物油が天麩羅油である
    ことを特徴とする木材の乾燥方法及び乾燥木材。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の天麩羅油が使用後の精製
    油であることを特徴とする木材の乾燥方法及び乾燥木
    材。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の加熱高温油の油温が、略
    130℃〜160℃であることを特徴とする木材の乾燥
    方法及び乾燥木材。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の植物油の油槽に浸漬する
    前に、木材に水分を付加または添加して加湿することを
    特徴とする木材の乾燥方法及び乾燥木材。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の植物油の油槽に浸漬する
    前に、木材の温度を昇温し、かつ加湿することを特徴と
    する木材の乾燥方法及び乾燥木材。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の木材の乾燥方法及び乾燥
    木材において、処理後に油槽から取り出した後に、一定
    時間、処理後の木材の周囲を被覆して、乾燥木材と空気
    との間の曝気状態を回避する保温状態としたことを特徴
    とする木材の乾燥方法及び乾燥木材。
  8. 【請求項8】 請求項1により乾燥した木材を、公園の
    遊具や柵や杭等の公園資材として使用することを特徴と
    する木材の乾燥方法及び乾燥木材。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の植物油中に、防腐剤や防
    蟻剤や防虫剤や耐火剤等を混入し、加熱処理と同時に木
    材に防腐剤や防蟻剤や防虫剤や耐火剤等を注入すること
    を特徴とする木材の乾燥方法及び乾燥木材。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の木材の乾燥方法により
    処理した後の木材に、防腐剤や防蟻剤や防虫剤や耐火剤
    等を注入したことを特徴とする木材の乾燥方法及び乾燥
    木材。
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JP (1) JP2002036209A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100991483B1 (ko) 2010-02-26 2010-11-04 (주)레띠즈에너지 마이크로웨이브 건조장치와 열전매체유를 이용한 바이오매스의 건조방법
JP2016057048A (ja) * 2014-09-08 2016-04-21 航 青木 木くず焚き熱媒体油ボイラー

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