JP2002035632A - 自走式破砕機 - Google Patents

自走式破砕機

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JP2002035632A
JP2002035632A JP2000228570A JP2000228570A JP2002035632A JP 2002035632 A JP2002035632 A JP 2002035632A JP 2000228570 A JP2000228570 A JP 2000228570A JP 2000228570 A JP2000228570 A JP 2000228570A JP 2002035632 A JP2002035632 A JP 2002035632A
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crusher
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propelled crusher
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JP2000228570A
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English (en)
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Masamichi Tanaka
正道 田中
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】可搬性・設置性に優れズリ排出機能を有する自
走式破砕機を提供する。 【解決手段】本体フレーム8と、その長手方向一の側に
設けたホッパ1と、ホッパ1で受け入れた被破砕物を粒
度に応じて大塊と細粒とに選別しつつ、その選別した大
塊を搬送するフィーダ3と、搬送された大塊を破砕する
ジョークラッシャ2と、その破砕物を本体フレーム8長
手方向の他の側へと排出する排出コンベア6とを有する
自走式破砕機において、フィーダ3で選別した細粒を自
走式破砕機本体4の外方へ排出するシュート19を、自
走式破砕機本体4の平面外径寸法R内に収まるようにフ
ィーダ3の下方に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホッパで受け入れ
た被破砕物を破砕する破砕装置を備えた自走式破砕機に
関し、さらに詳しくは、ホッパからの被破砕物を粒度に
応じて大塊と細粒とに選別しつつその選別した大塊を搬
送する選別搬送手段を備えた自走式破砕機に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、再生資源促進法(いわゆるリサイ
クル法)の施行(平成3年10月)といった廃棄物再利
用促進の背景の下、自走式破砕機等の自走式リサイクル
製品生産機の活躍の場が拡がりつつある。
【0003】自走式破砕機は、例えばビル解体時に搬出
されるコンクリート塊や道路補修時に排出されるアスフ
ァルト塊などの建設現場で発生する大小さまざまな岩石
・建設廃材、あるいは産業廃棄物等(=被破砕物)をリ
サイクル原料とするものであり、例えば特開平5−11
5809号公報に記載のように、本体フレームと、この
本体フレームに設けた走行手段(左・右無限軌道履帯)
と、前記本体フレームの長手方向一の側に設けられ、被
破砕物を受け入れる受け入れ手段としてのホッパと、そ
の受け入れた被破砕物を破砕する破砕装置と、前記ホッ
パで受け入れた被破砕物をその粒度に応じて大塊と細粒
とに選別し、その選別した大塊を前記破砕装置に搬送す
る選別搬送手段(グリズリフィーダ、ズリ抜き機能付き
振動フィーダ)と、前記破砕装置で破砕された破砕物を
長手方向他の側に排出するコンベアと、前記本体フレー
ムの短手方向に大きく突出するように延設され、前記ホ
ッパで受け入れた被破砕物のうち前記グリズリフィーダ
で選別した細粒を導入して排出するサイドコンベアとを
備えている。
【0004】そして、例えば油圧ショベル等によって自
走式破砕機上部のホッパに投入された被破砕物をホッパ
下方に設けたグリズリフィーダによって破砕装置へ導
き、この破砕装置で所定の大きさに破砕処理する。破砕
物は、前記破砕装置下部の空間から破砕装置下方のコン
ベア上に落下させ、このコンベアで運搬する。この運搬
の途中で、コンベア上方に配置された磁選機によって例
えばコンクリート塊に混入している鉄筋片等を吸着して
取り除き、リサイクル用の破砕物製品として最終的に搬
出するようになっている。このとき、特にこの従来技術
では、油圧ショベルでホッパに被破砕物を投入するとき
に障害とならないように、また前記磁選機のメンテナン
スを行う作業員が油圧ショベルの作業範囲内とならない
ように、前記コンベアを前記本体フレーム長手方向の他
の側(自走式破砕機の後方側、反ホッパ側)に設け、破
砕物を自走式破砕機の後方側へ運搬するようになってい
る。また、前記グリズリフィーダは、前記ホッパで受け
入れた被破砕物を載置する鋸歯状プレートと、この鋸歯
状プレートを加振する加振機構とを備え、前記被破砕物
をその粒度に応じて大塊と細粒とに選別し、その選別し
た大塊を前記破砕装置に搬送するようになっており、ホ
ッパで受け入れた被破砕物のうち選別した細粒(=前記
鋸歯状プレートの鋸歯の間から落下したもの)は、自走
式破砕機本体側方に大きく突出したサイドコンベアへ導
入する。これにより、例えば被破砕物中に混入する細粒
等の不純物を分離し(=いわゆるズリ抜き機能)コンベ
アから搬出される破砕物製品の品質を向上することがで
きる。また、このサイドコンベアによってある程度の距
離だけ搬送し自走式破砕機の側方に離れた位置へ排出す
る(=ズリ排出機能)ことにより、その分離した不純物
を、自走式破砕機前方側(ホッパ近傍)に積載される被
破砕物や自走式破砕機後方側に積載される破砕物製品の
いずれにも邪魔にならないところに、それら被破砕物や
破砕物製品と明確に分離して排出できるようになってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、不純
物を排出するサイドコンベアを自走式破砕機側方に大き
く突出させることにより、その分離した不純物を被破砕
物や破砕物製品のいずれにも邪魔にならないところに、
明確に分離して排出するものである。
【0006】しかしながら、上記従来技術では、以下の
ような課題が存在する。1990年代に入ってから、前
記リサイクル法によって建設副産物再利用が義務づけら
れる等のリサイクル促進の機運の下、建設廃棄物・産業
廃棄物等の発生量は年々増加している。このような背景
の下、より小規模な市街地の建設現場等においても、積
極的に自走式破砕機を導入してその現場で岩石・建設廃
材や産業廃棄物等の破砕を行おうという動きが活発化し
ている。
【0007】このような動向に対応する形で、例えば1
0トン積みあるいは20トン積みのトレーラに積載し運
搬可能とすることで輸送性を向上させた、以前よりも小
型の(例えば総重量10トンあるいは20トン以下の)
自走式破砕機のニーズが高まっている。
【0008】このとき、このような小型の自走式破砕機
においては、上記のように市街地における作業となるこ
とや稼働現場が小規模であり破砕作業量が比較的小さく
なること等の前提の下、稼働率向上や周囲環境への騒音
等の観点から、輸送用のトレーラで稼働現場に到着した
後すばやく所定位置に設置して稼働開始できる(=設置
性の向上)こと、及び稼働終了後にはすばやくトレーラ
で次の稼働現場へ移動できる(=可搬性の向上)こと等
が求められている。
【0009】ここで、トレーラへの積載時には、輸送時
における道路周囲構造物への干渉防止の観点から、所定
の輸送制限寸法(範囲)が規定されている。幅方向の制
限としては、積載するトレーラの車幅以内に収まること
が条件であり、例えば20t積みのトレーラでは、29
90mm以下であることが必須となっている。
【0010】上記従来技術では、以上のような点に配慮
されておらず、サイドコンベアの車幅方向寸法が著しく
大きくなっているため、幅方向寸法が上記輸送制限寸法
外となる。したがって、そのままでは自走式破砕機をト
レーラに積載して輸送することができない。そのため、
自走式破砕機を輸送する場合には、サイドコンベアを自
走式破砕機本体から取り外して別体として輸送した後、
稼働現場到着後改めて自走式破砕機に取り付ける作業が
必要となり、自走式破砕機の可搬性、設置性が低下する
こととなる。
【0011】本発明は、上記の事柄に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、可搬性・設置性に優れ、ズリ排
出機能を有する自走式破砕機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は、受け入れた被破砕物を粒度に応じ
て大塊と細粒とに選別し、その選別した大塊を搬送する
選別搬送手段と、前記選別搬送手段により搬送された大
塊を破砕する破砕装置とを備えた自走式破砕機におい
て、前記選別搬送手段により選別された細粒を前記自走
式破砕機の本体の外方へ排出するシュートを、前記自走
式破砕機の本体の平面外径寸法内に収まるように前記選
別搬送手段の下方に設ける。
【0013】本発明においては、被破砕物である岩石・
建設廃材等に含まれ選別搬送手段で選別した細粒(ズ
リ)を、シュートによって自走式破砕機の本体の外方へ
排出する。このとき、このシュートを、自走式破砕機の
本体の平面外径寸法内に収まるように設けることによ
り、シュートが輸送時における輸送制限寸法外に突出す
る等の影響を与えることなく、さらに、輸送の度にシュ
ートの取り外し、取り付け作業を行う必要がない。その
結果、可搬性・設置性に優れ、ズリ排出機能を有する自
走式破砕機を提供することができる。
【0014】また、例えばサイドコンベアを設置するス
ペース余裕の少ない小型機においても、ズリ排出機能を
実現可能とできるという効果もある。
【0015】さらに、コンベアでは、その幅方向寸法は
ある程度の限界がありそれほど大きくとれないため、選
別搬送手段からコンベアのその幅方向寸法内に前記細粒
を集約するために、選別搬送手段からコンベアへ至る被
破砕物導入流路(導入用シュート)を設け、その流路形
状を下方に向かってある程度縮径するせざるを得ない。
この結果、その形状変化部分(斜めになった壁面等)に
前記細粒が付着滞留して流れの円滑化を妨げる場合があ
る。本発明においては、コンベアでなくシュートで排出
を行うことにより、そのような幅方向寸法の制約がなく
なるため、細粒の付着滞留を防止しその流れの円滑化を
図れるという効果もある。
【0016】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記シュートの上側端部は、前記選別搬送手段に固定さ
れている。
【0017】通常、選別搬送手段は、搬送時に振動する
ことで選別を行う場合が多いため、この選別搬送手段に
シュートを設けることにより、導入した被破砕物がシュ
ートを通過する際に振動を加えることができ、新たに加
振源(動力源)を設けることなく円滑な排出を確保する
ことができる。
【0018】(3)上記(1)又は(2)において、ま
た好ましくは、前記シュートは、その傾斜角が可変とな
るように構成されている。
【0019】これにより、被破砕物の種類・性状等に応
じ、排出に最も最適となるように適宜細かい調整を行う
ことできる。
【0020】(4)また上記目的を達成するために、本
発明は、本体フレームと、この本体フレームに設けた走
行手段と、前記本体フレームの長手方向一の側に設けた
ホッパと、このホッパで受け入れた被破砕物を粒度に応
じて大塊と細粒とに選別し、その選別した大塊を搬送す
る選別搬送手段と、前記選別搬送手段により搬送された
大塊を破砕する破砕装置と、この破砕装置により破砕さ
れた破砕物を前記本体フレーム長手方向の他の側へと排
出するコンベアとを備えた自走式破砕機において、前記
選別搬送手段により選別された細粒を前記自走式破砕機
の本体の外方へ排出するシュートを、前記ホッパの平面
外径寸法内に収まるように前記選別搬送手段の下方に設
ける。
【0021】(5)さらに上記目的を達成するために、
本発明は、受け入れた被破砕物を粒度に応じて大塊と細
粒とに選別し、その選別した大塊を搬送する選別搬送手
段と、前記選別搬送手段により搬送された大塊を破砕す
る破砕装置とを備えた自走式破砕機において、前記選別
搬送手段により選別された細粒を前記自走式破砕機の本
体の外方へ排出する細粒排出コンベアを、前記自走式破
砕機の本体の平面外径寸法内に収まるように前記選別搬
送手段の下方に設ける。
【0022】本発明においては、被破砕物である岩石・
建設廃材等に含まれ選別搬送手段で選別した細粒(ズ
リ)を、細粒排出コンベアによって自走式破砕機の本体
の外方へ排出する。このとき、この細粒排出コンベア
を、自走式破砕機の本体の平面外径寸法内に収まるよう
に設けることにより、細粒排出コンベアが輸送時におけ
る輸送制限寸法外に突出する等の影響を与えることな
く、さらに、輸送の度に細粒排出コンベアの取り外し、
取り付け作業を行う必要がない。その結果、可搬性・設
置性に優れ、ズリ排出機能を有する自走式破砕機を提供
することができる。
【0023】また、細粒排出コンベアを自走式破砕機の
本体の平面外径寸法内に収まるように設けることによ
り、例えばホッパへの被破砕物投入時に一部の被破砕物
がホッパ外にこぼれ落ちた場合でも、細粒排出コンベア
へ衝突するのを防止でき、損傷を受けるのを防止できる
効果もある。
【0024】(6)また上記目的を達成するために、本
発明は、本体フレームと、この本体フレームに設けた走
行手段と、前記本体フレームの長手方向一の側に設けた
ホッパと、このホッパで受け入れた被破砕物を粒度に応
じて大塊と細粒とに選別し、その選別した大塊を搬送す
る選別搬送手段と、前記選別搬送手段により搬送された
大塊を破砕する破砕装置と、この破砕装置により破砕さ
れた破砕物を前記本体フレーム長手方向の他の側に排出
するコンベアとを備えた自走式破砕機において、前記選
別搬送手段により選別された細粒を前記自走式破砕機の
本体の外方へ排出する細粒排出コンベアを、前記ホッパ
の平面外径寸法内に収まるように前記選別搬送手段の下
方に設ける。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。まず、本発明の自走式破砕機の一実
施の形態を図1及び図2により説明する。
【0026】図1は本発明の自走式破砕機の一実施の形
態の全体構造を表す側面図であり、図2は図1に示した
自走式破砕機の上面図である。
【0027】これら図1及び図2において、この自走式
破砕機は、破砕機本体4と、この破砕機本体4の下方に
設けられた走行体5と、ジョークラッシャ2(後述)で
破砕され下方へ排出された破砕物を受け入れて自走式破
砕機の後方側(後述する破砕機取付け部8Aの図1中右
側)に搬送し搬出する排出コンベア6と、この排出コン
ベア6の上方に設けられ排出コンベア6上を搬送中の破
砕物に含まれる磁性物(鉄筋等)を磁気的に吸引除去す
る磁選機7とを有する。
【0028】前記の走行体5は、本体フレーム8と、そ
の下部に設けられた走行装置9とを備えている。前記本
体フレーム8は、例えば略長方形の枠体によって形成さ
れ、後述の破砕装置2、ホッパ1、及びパワーユニット
22等を載置する破砕機取付け部8Aと、この破砕機取
付け部8Aと前記の走行装置9とを接続するトラックフ
レーム部8Bとから構成される。また走行装置9は、前
記トラックフレーム部8Bに回転自在に支持された駆動
輪10及び従動輪(アイドラ)11と、これらの間に掛
け渡された走行手段としての無限軌道履帯12とを備え
ており、駆動輪10側に設けられた左・右走行用油圧モ
ータ13L,13R(左走行用モータ13Lのみ図1に
図示)によって駆動力が与えられることにより自走式破
砕機を自走させるようになっている。
【0029】前記の破砕機本体4は、前記本体フレーム
破砕機取付け部8A上に搭載された各種機器と、それら
に関連する前記本体フレーム破砕機取付け部8A上に設
けた補助構造物とから構成される。
【0030】すなわち、前記各種機器としては、例えば
油圧ショベルのバケット等の作業具により被破砕物(例
えばビル解体時に搬出されるコンクリート塊や道路補修
時に排出されるアスファルト塊などの建設現場で発生す
る大小さまざまな建設廃材・産業廃棄物、若しくは岩石
採掘現場や切羽で採掘される岩石・自然石等、以下適
宜、岩石・建設廃材等という)が投入され、その岩石・
建設廃材等を受け入れるホッパ1と、このホッパ1に受
け入れた岩石・建設廃材等を所定の大きさに破砕し下方
へ排出する破砕装置、例えばジョークラッシャ2と、前
記ホッパ1に受け入れた岩石・建設廃材等をジョークラ
ッシャ2へと搬送し導くフィーダ3と、後述のパワーユ
ニット22とが設けられている。
【0031】前記補助構造物としては、破砕機取付け部
8Aの自走式破砕機前方側(図1中左側)端部近傍に設
けたフィーダフレーム16Aと、前記ジョークラッシャ
2の幅方向側方の領域に、前記無限軌道履帯12の上方
に張り出すように設けたサイドステップ37とが設けら
れている。
【0032】前記のホッパ1は、前記フィーダ3ととも
に、前記本体フレーム8(詳細には前記破砕機取付け部
8A)の自走式破砕機前方側(図1中左側)端部の上方
に搭載されている。
【0033】前記のジョークラッシャ2は、前記ホッパ
1及びフィーダ3よりも自走式破砕機後方側(図1中右
側)に位置しており、図1に示すように、前記破砕機取
付け部8Aの長手方向ほぼ中間部上に搭載されている。
このとき、破砕装置用油圧モータ14(図2参照)で発
生した駆動力をベルト(図示せず)を介してフライホイ
ール15(図2参照)に伝達し、さらにフライホイール
15に伝達された駆動力を公知の変換機構で動歯(図示
せず)の揺動運動に変換し、この動歯を固定歯(図示せ
ず)に対して前後に揺動させることにより、前記フィー
ダ3より供給された岩石・建設廃材等を所定の大きさに
破砕するようになっている。
【0034】前記のフィーダ3は、いわゆるグリズリフ
ィーダと称されるものである。図3(a)は本発明の自
走式破砕機の一実施の形態に備えられたそのフィーダ3
の詳細構造を表す側面図であり、図3(b)は図3
(a)中矢印A方向から見た矢視後面図である。これら
図3(a)及び図3(b)において、フィーダ3は、前
記フィーダフレーム16に立設した支持ポスト16A上
にそのリブ部3aaがばね17を介して弾性的に支持さ
れた枠体3aと、この枠体3a内に略水平に配置され、
上部にホッパ1からの岩石・建設廃材等を載置する複数
段(この例では2段)の鋸歯状プレート部材(バー部
材)3bと、これら鋸歯状プレート部材3bをそれぞれ
支持する略鉛直方向のリブ3cと、前記枠体3a内下部
の複数箇所に自走式破砕機の左右幅方向(図3(b)中
左右方向)に架け渡すように固定されたバー支持部材3
dと、このバー支持部材3dの上部に前記リブ3cを取
り付けるための取付け部材3eと、前記鋸歯状プレート
3b,3bの隙間から流下する被破砕物(後述)を枠体
3a下部に設けた開口部3abからシュート19(詳細
は後述)内へ導入するためのガイド板3fと、前記枠体
3aの下部に固定された加振機構3gとを有している。
【0035】加振機構3gは、偏心した回転軸(図示せ
ず)を有する2つの起振機(図示せず)を備えている。
そして、これら起振機をフィーダ用油圧モータ18の駆
動力で位相を同期させつつ互いに逆回転させることによ
り、それら起振機どうしを結ぶ線の方向の振動を相殺し
つつ、図3に示すようにその線と直交する方向、言い換
えれば搬送方向(図1中右方向)に向かって斜めに立ち
上がる方向(矢印ア参照)への往復振動を与えるように
なっている。
【0036】このような構造により、フィーダ3は、ホ
ッパ1に投入された岩石・建設廃材等のうち、前記鋸歯
状プレート3bの鋸歯の隙間の大きさよりも小さな粒度
の岩石・建設廃材等の細粒(ズリ)を振るい落として枠
体3a内の下方に落下させつつ、前記鋸歯の隙間の大き
さ以上の粒度の岩石・建設廃材等(いわゆる大塊)を、
順次ジョークラッシャ2に搬送供給する。すなわち、ホ
ッパ1で受け入れた被破砕物を粒度に応じて大塊と細粒
とに選別する選別機能と、その選別した大塊をジョーク
ラッシャ2に搬送する搬送機能との両方を兼ね備えるよ
うになっている。
【0037】フィーダ3の下部には、前記開口部3ab
より導入した前記ズリをその自重の作用により自走式破
砕機前方(図1中左側)に排出する上記シュート19が
設けられている。
【0038】このシュート19は、横断面形状が略U字
型でかつ略長方形の底部を備えた樋状部材であり、上側
端部19aが前記開口部3abの図3(a)中右側端部
を覆うようにフィーダ3の枠体3aに固定されるととも
に、下側端部19b近傍がフィーダ3の枠体3aの下部
から下方に延在して設けた支持部材32の下端に接続固
定されており、これによってフィーダ3に対して(言い
換えれば水平方向に対して)所定角度θ(図3(a)参
照)を持って固定されている。またこのとき、図1及び
図2に示すように、シュート19は、自走式破砕機本体
4の平面外径寸法R内に収まるようにフィーダ3の下方
に設けられている。
【0039】そして、シュート19は、前記フィーダ用
油圧モータ18の駆動力に基づく加振機構3gの加振に
よってフィーダ3とともに加振され振動され、前記細粒
(ズリ)を前記破砕機本体4外へ(すなわち、前記のホ
ッパ1、ジョークラッシャ2、フィーダ3、パワーユニ
ット22、フィーダフレーム16A、及びサイドステッ
プ37からなる領域よりも外方へ)排出するようになっ
ている。
【0040】但しこのとき、前述したように、加振機構
3gの加振方向は鋸歯状プレート3b上の被破砕物を図
3(a)中右方へ搬送するべく矢印アのように設定され
ることから、シュート19上におけるズリの流下方向と
は逆になる。したがって、加振機構による加振方向の水
平方向となす角度αとシュート19の設置傾斜角度θと
について、所定の条件(フィーダ3の搬送機能を満たす
と共にシュート19のズリ排出機能も確保できる条件)
を満たすように設定する必要がある。以下、この条件を
説明する。
【0041】フィーダの搬送条件 図4(a)は、フィーダ3上において被破砕物が搬送さ
れるときに被破砕物に作用する力のバランスを表した図
である。図4(a)において、被破砕物mには、搬送側
への力として、水平方向からの角度αをもって加振によ
る加振力Fが図中右上方向に加わり、搬送方向への分力
成分である図中右方向への水平方向成分はFcosαと
なる。その一方、被破砕物mには、搬送側と反対側への
力として、鉛直下方への自重mgに等しい垂直抗力に摩
擦係数μを乗じた最大静止摩擦力μmgが図中左方向に
加わる。
【0042】したがって、フィーダ3が搬送機能を得る
ための条件は、 μmg < Fcosα … (式1) となる。
【0043】シュートの流下(搬送)条件 図4(b)は、シュート19上において被破砕物(ズ
リ)が流下搬送されるときに被破砕物に作用する力のバ
ランスを表した図である。図4(b)において、被破砕
物mには、まず搬送側と反対側への力として、上記同
様、角度αをもって加振力Fが図中右上方向に加わる
が、シュート19の設置傾斜角度θに基づき、その搬送
方向と逆方向への分力(図中右上方向への成分)はFc
osβ(但しβ=α−θ)となる。その一方、被破砕物
mには、搬送側への力として、鉛直下方への自重mgの
シュート19底面による垂直抗力mgcosθに摩擦係
数μを乗じた最大静止摩擦力μmgcosθが図中左方
向に加わる。
【0044】したがって、シュート19が搬送機能を得
るための条件は、 μmgcosθ > Fcosβ … (式2) となる。
【0045】最適な条件 上記及びにより、(式1)と(式2)との両方を満
たせば、フィーダ3によるジョークラッシャ2への搬送
機能を確保しつつ、シュート19によるズリ排出を行え
ることとなる。
【0046】式2を再掲すると μmgcosθ > Fcosβ … (式2) シュート19の取り付け構造上、0°<θ<90°であ
って、cosθ>0であることから、 μmg > F(cosβ/cosθ) … (式2′) 一方、式1を再掲すると、 μmg < Fcosα … (式1) これら式1及び式2′より、 Fcosα > μmg > F(cosβ/cosθ) すなわち、 cosα > cos(α−θ)/cosθ cosθ>0であることから、 cosα×cosθ > cos(α−θ) … (式3) を満たせば、フィーダ3によるジョークラッシャ2への
搬送機能を確保しつつ、シュート19によるズリ排出を
行えることがわかる。
【0047】したがってシュート19は、その設置する
傾斜角度θが、加振機構3gによる加振方向の角度αに
対し、上記(式3)の条件を満足するように取り付けら
れる。但し、実際は、このような条件に加えて、ズリの
種類・性状(例えば高含水率のものや、粘土質のもの
等)をも加味して、シュート19の傾斜角度θを調整し
て固定する。
【0048】このような構造により、シュート19は、
前記鋸歯状プレート3bの鋸歯の隙間から振るい落とさ
れた細粒(ズリ)を受け止めて導入し、ズリの自重及び
振動によってズリを自走式破砕機前方に振るい落とすよ
うに排出するようになっている。
【0049】前記の排出コンベア6は、排出側(自走式
破砕機後方側、図1中右側)の部分が支持部材21a,
21bを介しパワーユニット22(詳細は後述)に取り
つけたアーム部材23に吊り下げ支持されている。ま
た、排出側と反対側(自走式破砕機前方側、図1中左
側)の部分は、前記破砕機取付け部8Aよりも下方に位
置し、支持部材21cを介し前記破砕機取付け部8Aか
ら吊り下げられるように支持されている。これにより、
排出コンベア6は、図1に示すように、パワーユニット
22の外縁部(後端部)22aの下方空間を、排出方向
(図1中左から右方向)に斜めに立ち上がるように配置
され、排出コンベア用油圧モータ20(図2参照)によ
ってコンベアベルト6aを駆動し、これによって前記ジ
ョークラッシャ2から前記ベルト6a上に落下してきた
破砕物を搬送するようになっている。
【0050】前記の磁選機7は、支持部材23aを介し
前記アーム部材23に吊り下げ支持されており、前記の
コンベアベルト6aの上方にこのコンベアベルト6aと
略直交するように配置された磁選機ベルト7aを、磁選
機用油圧モータ24によって磁力発生手段(図示せず)
まわりに駆動することにより、磁力発生手段からの磁力
を磁選機ベルト7a越しに作用させて磁性物を磁選機ベ
ルト7aに吸着させた後、コンベアベルト6aと略直交
する方向に搬送してシュート6cを介しコンベアベルト
6aの側方に落下させるようになっている。
【0051】ここで、上記ジョークラッシャ2、フィー
ダ3、排出コンベア6、磁選機7、及び走行装置9は、
この自走式破砕機に備えられる動力源、すなわち原動機
としてのエンジン(図示せず)及びこのエンジンによっ
て駆動される少なくとも1つの油圧ポンプ(図示せず)
からの動力によって駆動される。前記油圧ポンプからの
圧油は、当該圧油の方向及び流量を制御するコントロー
ルバルブを備えた制御弁装置(図示せず)を介し、前記
破砕装置用油圧モータ14、前記フィーダ用油圧モータ
18、前記排出コンベア用油圧モータ20、前記磁選機
用油圧モータ24、及び前記左・右走行用油圧モータ1
3L,13Rへと供給され、これによってこれら各油圧
モータ14,18,20,24,13L,13Rが回転
駆動する。
【0052】そして、上記エンジン、油圧ポンプ、及び
制御弁装置は、いずれも、前記破砕機取付け部8Aの自
走式破砕機後端の上部にパワーユニット積載部材25
(図1参照)を介し搭載されたパワーユニット22内に
設けられている。このパワーユニット22は、図1に示
したように、ジョークラッシャ2よりさらに自走式破砕
機後方側(図1中では右側)に位置している。
【0053】このパワーユニット22の自走式破砕機後
方側(図2中右側)の領域には、前記油圧ポンプと、前
記エンジンと、このエンジンの冷却水を冷却するラジエ
ータを備えた熱交換器装置とが、自走式破砕機の幅方向
(図2中上下方向)に並設されている。
【0054】一方、パワーユニット22の自走式破砕機
前方側(図2中左側)の領域には、前記エンジンの燃料
タンク(その給油口26のみを図2に図示)と、前記動
力としての圧油(作動油)を貯留する作動油タンク(そ
の給油口27のみを図2に図示)と、前記制御弁装置を
収納した制御弁装置収納部28と、運転席29とが、こ
の順序で自走式破砕機幅方向右側(図2中上側)から左
側(図2中下側)へ向かって並設されている。
【0055】ここで、前記の運転席29は、操作者が搭
乗する区画であり、操作者がこの運転席29に立つこと
により、破砕作業中においてフィーダ3による岩石・建
設廃材等の供給状況やジョークラッシャ2による破砕状
況をある程度監視することができるようになっている。
この運転席29には、前記制御弁装置に備えられた左・
右走行用コントロールバルブ(図示せず)を切り換え操
作して前記左・右走行用油圧モータ13の駆動速度を制
御するための操作手段、例えば左・右走行用操作レバー
30L,30Rが設けられている。
【0056】なお、以上のパワーユニット22の各機器
は、パワーユニット22の基礎下部構造をなすパワーユ
ニットフレーム22b(図1参照)上に配置されてお
り、このパワーユニットフレーム22bが、前記パワー
ユニット積載部材25(図1参照)を介し、前記破砕機
取付け部8Aの自走式破砕機後方側(図1中右側)端部
の上部に搭載されている。
【0057】なお、上記において、自走式破砕機の前後
方向(図1、図2、及び図3(a)中左右方向)が特許
請求の範囲各項記載の本体フレームの長手方向に相当
し、そのうち自走式破砕機の前方側(図1、図2、及び
図3(a)中左側)が本体フレーム長手方向一の側に相
当し、自走式破砕機の後方側(図1、図2、及び図3
(a)中右側)が本体フレーム長手方向他の側に相当す
る。
【0058】また、フィーダ3が特許請求の範囲各項記
載のホッパで受け入れた被破砕物を粒度に応じて大塊と
細粒と選別し、その選別した大塊を搬送する選別搬送手
段を構成し、排出コンベア6が破砕物を本体フレーム長
手方向の他の側へと排出するコンベアを構成する。
【0059】次に、本実施の形態の自走式破砕機の動作
を以下に説明する。図1において、例えば油圧ショベル
のバケット等によりホッパ1に被破砕物である岩石・建
設廃材等を投入すると、ホッパ1で受け入れられた岩石
・建設廃材等は、フィーダ3によって鋸歯状プレート3
aの鋸歯間の間隙よりも小さな細粒(ズリ)が除かれ、
残りの大塊がジョークラッシャ2へ搬送されて破砕され
る。その破砕物は、ジョークラッシャ2下部の空間から
ジョークラッシャ2下方の排出コンベア6上に落下し、
排出コンベア6で搬送される。この搬送の途中で、排出
コンベア6上方に配置された磁選機7によって例えばコ
ンクリート塊に混入している鉄筋片等の磁性物を吸着し
て取り除かれ、最終的にある程度大きさが揃えられて自
走式破砕機後方側(図1中右側)から排出される。ま
た、鋸歯状プレート3aの鋸歯の隙間から振るい落とさ
れた前記細粒(ズリ)は、フィーダ3下方のシュート1
9に導入され、このシュート19を介して自走式破砕機
前方側(図1中左側)へ排出される。
【0060】次に、以上説明したような構成及び動作で
ある本発明の自走式破砕機の一実施の形態における作用
及び効果を以下に順を追って説明する。
【0061】(1)可搬性・設置性の向上 本実施の形態においては、フィーダ3において鋸歯状プ
レート3aの隙間から振るい落とされた細粒(いわゆる
ズリ)を、シュート19を介して自走式破砕機前方(図
1中左側)に排出する。ここで、従来、ズリ排出機能に
加えある程度の距離のズリ搬送機能も持たせるサイドコ
ンベアでは、トレーラ等で自走式破砕機を輸送する際、
その幅方向・全長方向等への輸送制限(例えば20トン
クラスで幅2990mm以内等)により着脱可能構造せ
ざるを得ず、別体で輸送した後に稼働現場にてあらため
て設置し取り付けなければならなかった。
【0062】これに対し、本実施の形態では、図1及び
図2(図3(b)も参照)に示すように、シュート19
を、自走式破砕機本体4の平面外径寸法R内に収まるよ
うに設けることにより、シュート19が輸送時における
上記輸送制限寸法外に突出する等の影響を与えることな
く、さらに、輸送の度にシュート19の取り外し、取り
付け作業を行う必要がない。その結果、可搬性・設置性
に優れ、ズリ排出機能を有する自走式破砕機を提供する
ことができる。
【0063】(2)小型機への汎用性 通常、小型機においては、スペースに余裕の少なくサイ
ドコンベアを設置することが困難であることが多い。本
実施の形態のシュート19は、自走式破砕機本体4の平
面外径寸法R内に収まるように設けられるものであり、
小型かつ簡素であるため、小型機においても設置可能で
ありズリ排出機能を実現可能となる。
【0064】(3)ズリ排出性の円滑化 従来のサイドコンベアによるズリ排出では、サイドコン
ベアの幅方向寸法がある程度の限界がありそれほど大き
くとれないため、グリズリフィーダからサイドコンベア
の幅方向寸法内にズリを集約するために、サイドコンベ
アへ至るズリ導入流路(導入用シュート)を設け、その
流路形状を下方に向かってある程度縮径せざるを得なか
った。この結果、ズリの種類・性状によっては、その形
状変化部分(斜めになった内壁面等)にズリが付着滞留
しズリ排出の円滑化を妨げる場合があった。これに対
し、本実施の形態においては、コンベアでなくシュート
19でズリを排出することにより、そのような幅方向寸
法の制約がなくなるため、ズリの付着滞留を防止しズリ
排出の円滑化を図ることができる。
【0065】また、フィーダ3にシュート19を設ける
ことにより、導入したズリがシュート19を通過する際
にフィーダ3の加振機構3gで振動を加えることがで
き、新たに加振源(例えば、油圧モータ等の動力源)を
設けることなく円滑な排出を確保することができる。但
し、本発明の基本的効果である可搬性・設置性向上の効
果を得る限りにおいては、シュート19は必ずしもフィ
ーダ3に固定する必要はなく、枠体開口部3abから導
出されるズリを受け入れる位置にあれば、フィーダ3と
別体でも構わない。この場合、別個独立した専用の加振
源を設ければ足りる。さらにこれにも限られず、ズリの
性状がシュート19に付着しにくく、ズリの自重のみで
十分な流下排出性能を確保できる場合には、シュート1
9を固定側、例えばフィーダフレーム16等に固定する
構造(つまり振動させない)も考えられる。この場合
も、設置傾斜角θを適宜設定してズリ自重のみで流下さ
せる(=サイドコンベアと同様の搬送機能を確保する)
ことで、本発明の基本的効果である可搬性・設置性向上
の効果を得ることができる。
【0066】なお、上記本発明の自走式破砕機の一実施
の形態においては、シュート19の設置傾斜角θは固定
であったが、これに限られず、θを可変とすることもで
きる。そのような変形例を図5を用いて説明する。
【0067】図5(a)は、本発明の自走式破砕機の一
実施の形態において、シュート19の設置傾斜角θを可
変とする変形例の要部構造を表す拡大側面図であり、図
5(b)は、図5(a)中B方向から見た矢視後面図で
あり、ほぼ前述の図3(a)及び図3(b)に相当する
図である。また、図6は、図5(a)に示した傾斜角設
定構造の詳細部分を表すさらなる拡大図である。
【0068】これら図5(a)、図5(b)、及び図6
において、シュート19Aはその上側(図5(a)及び
図6中右側)端部にブラケット19Aaを備えており、
前記フィーダ3の枠体3aのうち上記ブラケット19A
aに対応する位置にもブラケット3B(図3(b)参
照)が設けられている。そして、これらブラケット19
Aaとブラケット3Bとが、ピン31により連結される
ことにより、シュート19Aはフィーダ3に対して回動
自在に取り付けられている。
【0069】このとき、図6に示すように、シュート1
9Aの下側(図6中左側)側面には複数(図6に示すよ
うに、この例では5つとしたがこれに限られない)のピ
ン穴19Abが設けられており、この各ピン穴19Ab
は、前記ピン31を支点にしてシュート19Aを所定角
度ずつ傾動させていくと、フィーダ3の枠体3aの下方
に延在した前記支持部材32に同数(この例では5つ)
設けられたピン穴32aにそれぞれ順次重なるようにな
っている。そして、前記ピン穴19Ab,32aを合わ
せてピン33を挿通することにより、所定角度を持って
その下方側(排出側)端部を前記支持部材32に固定で
きる。すなわち、設置傾斜角度θを多段階(この例では
5段階)に可変に設定し固定できるようになっている。
これにより、本変形例においては、ズリの種類・性状等
に応じ、排出に要される重力(ズリの自重)が最適に作
用するように適宜細かい設置傾斜角度θの調整を行うこ
とできる。
【0070】また、上記本発明の自走式破砕機の一実施
の形態においては、シュート19を自走式破砕機1の前
後方向(本体フレーム8の長手方向)に延設したが、こ
れに限られず、その前後方向からある程度角度を持った
斜め方向に延設してもよい。また、シュート19の流下
(搬送)方向長さを短くして、自走式破砕機1の幅方向
(本体フレーム8の短手方向)に延設することも考えら
れる。いずれにしても、前述した自走式破砕機本体4の
平面外径寸法R内とする限り、同様の効果を得ることが
できる。
【0071】次に、本発明の自走式破砕機の他の実施の
形態を図7〜図9を用いて説明する。本実施の形態は、
フィーダ3の下方に、上記シュート19,19Aの代わ
りに、ズリを自走式破砕機前方に排出する細粒排出コン
ベアとしての排出コンベア34を設けた実施の形態であ
る。図7は、本発明の自走式破砕機の他の実施の形態の
全体構造を表す側面図であり、図8は本発明の自走式破
砕機の他の実施の形態を構成するフィーダ付近の詳細構
造を表す側面図であり、図9は図7中IX−IX断面による
縦断面図である。図中、上記本発明の一実施の形態と同
等の部分には同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0072】これら図7〜図9において、本実施の形態
の自走式破砕機では、フィーダ3の下部に、フィーダ3
の鋸歯状プレート3bにより選別され振るい落とされた
細粒(ズリ)を自走式破砕機前方(図7及び図8中左
側)に搬送し排出する排出コンベア34が設けられてい
る。この排出コンベア34は、破砕機取付け部8Aの自
走式破砕機前方側(図7及び図8中左側)上部におい
て、前記フィーダ3の略直下に位置するように積載部材
35を介して略水平に取付けられており、図7に示すよ
うに、その排出側(図7中左側)端部は自走式破砕機前
端部、即ち前記ホッパ1の前端部(図7中左端部)より
も自走式破砕機後方側(図7中右側)に位置しており、
自走式破砕機全長を増大させないように配設されてい
る。なお、このコンベア34は、図示しない排出コンベ
ア用油圧モータによってコンベアベルト34a(図9参
照)を駆動し、これによって前記フィーダ3からシュー
ト36(後述)を介し前記ベルト34a上に落下してき
たズリを自走式破砕機前方側へ搬送し排出するようにな
っており、上記シュート19と同様、自走式破砕機本体
4の平面外径寸法R内に収まるようにフィーダ3の下方
に設けられて、前記細粒(ズリ)を前記破砕機本体4外
へ排出するようになっている。
【0073】このとき、フィーダ3の前記鋸歯状プレー
ト3aの鋸歯部分の略直下には、比較的短長のシュート
36が設けられている。このシュート36は、上下が開
口した上方拡開の枠体であり、図9に示すように、その
上部開口部36aの幅はフィーダ3の幅よりもやや広
く、下部開口部36bの幅は排出コンベア34のコンベ
アベルト34aの幅とほぼ同等となる(好ましくは、コ
ンベアベルト34aの幅よりわずかに狭くなる)ように
構成されている。このような構造により、シュート36
は、確実にフィーダ3により選別され振るい落とされた
前記ズリを導入し、排出コンベア34のコンベアベルト
34a上に導くようになっている。
【0074】上記本発明の自走式破砕機の他の実施の形
態では、以下のような作用及び効果を得る。
【0075】(1)可搬性・設置性の向上 本実施の形態においては、フィーダ3において鋸歯状プ
レート3aの隙間から振るい落とされた細粒(いわゆる
ズリ)を、排出コンベア34を介して自走式破砕機前方
(図1中左側)に排出する。
【0076】このとき、本実施の形態では、図1及び図
2(図3(b)も参照)に示すように、排出コンベア3
4を、自走式破砕機本体4の平面外径寸法R内に収まる
ように設けることにより、排出コンベア34が輸送時に
おける上記輸送制限寸法外に突出する等の影響を与える
ことなく、さらに、輸送の度に排出コンベア34の取り
外し、取り付け作業を行う必要がない。その結果、可搬
性・設置性に優れ、ズリ排出機能を有する自走式破砕機
を提供することができる。
【0077】(2)排出コンベア34の損傷防止 また、上記のように排出コンベア34を自走式破砕機本
体4の平面外径寸法R内に収まるように設ける結果、排
出コンベア34の排出側(図7中左側)端部がホッパ1
の前端部(図7中左端部)より内側に入り込む形とな
る。そのため、ホッパ1への被破砕物投入時に一部の被
破砕物がホッパ1外にこぼれ落ちた場合でも、排出コン
ベア34へ衝突するのを防止でき、損傷を受けるのを防
止できる。
【0078】(3)自走式破砕機の車高寸法増大の抑制 本実施の形態では、排出コンベア34は略水平に配設さ
れているので、排出コンベア34の設置に必要な上下方
向寸法を低減することができる。したがって、排出コン
ベア34の設置によってその上部に位置するフィーダ3
やホッパ1の位置が大幅に高くなるのを防止することが
でき、自走式破砕機全体の車高寸法が増大することを抑
制できる。但し、本発明の基本的な効果である可搬性・
設置性向上を得る限りにおいては、排出コンベア34を
必ずしも略水平に配設する必要はなく、排出コンベア3
4を自走式破砕機本体4の平面外径寸法R内に収まる範
囲内で、排出コンベア34を傾斜配置してもよいことは
言うまでもない。また、その範囲内で、自走式破砕機前
後方向からある角度を持って斜めに配置してもよい。
【0079】
【発明の効果】請求項1乃至4記載の発明によれば、岩
石・建設廃材等に含まれ選別搬送手段で選別した細粒
(ズリ)を自走式破砕機の本体の外方へ排出するシュー
トを、自走式破砕機の本体の平面外径寸法内に収まるよ
うに選別搬送手段の下方に設けたので、このシュートが
輸送時に影響を与えることなく、さらに、輸送の度にシ
ュートの取り外し、取り付け作業を行う必要がない。そ
の結果、可搬性・設置性に優れ、ズリ排出機能を有する
自走式破砕機を提供することができる。
【0080】請求項5乃至6記載の発明によれば、岩石
・建設廃材等に含まれ選別搬送手段で選別した細粒(ズ
リ)を自走式破砕機の本体の外方へ排出する細粒排出コ
ンベアを、自走式破砕機の本体の平面外径寸法内に収ま
るように選別搬送手段の下方に設けたので、この細粒排
出コンベアが輸送時に影響を与えることなく、さらに、
輸送の度に細粒排出コンベアの取り外し、取り付け作業
を行う必要がない。その結果、可搬性・設置性に優れ、
ズリ排出機能を有する自走式破砕機を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自走式破砕機の一実施の形態の全体構
造を表す側面図である。
【図2】本発明の自走式破砕機の一実施の形態の全体構
造を表す上面図である。
【図3】本発明の自走式破砕機の一実施の形態に備えら
れたフィーダの詳細構造を表す側面図、及び図3(a)
中A方向から見た矢視後面図である。
【図4】本発明の自走式破砕機の一実施の形態に備えら
れたフィーダ上において被破砕物が搬送されるときに被
破砕物に作用する力のバランスを表した図、及び本発明
の自走式破砕機の一実施の形態に備えられたシュート上
においてズリが流下搬送されるときに被破砕物に作用す
る力のバランスを表した図である。
【図5】本発明の自走式破砕機の一実施の形態に備えら
れたシュートを設置傾斜角度可変とした変形例の要部構
造を表す拡大側面図、及び図5(a)中B方向から見た
矢視後面図である。
【図6】本発明の自走式破砕機の一実施の形態に備えら
れたシュートを設置傾斜角度可変とした変形例における
傾斜角設定構造の詳細部分を表すさらなる拡大図であ
る。
【図7】本発明の自走式破砕機の他の実施の形態の全体
構造を表す側面図である。
【図8】本発明の自走式破砕機の他の実施の形態を構成
するフィーダ付近の詳細構造を表す側面図である。
【図9】図7中IX−IX断面による縦断面図である。
【符号の説明】
1 ホッパ 2 ジョークラッシャ(破砕装置) 3 フィーダ(選別搬送手段) 6 排出コンベア 8 本体フレーム 19 シュート 34 排出コンベア(細粒排出コンベア)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】受け入れた被破砕物を粒度に応じて大塊と
    細粒とに選別し、その選別した大塊を搬送する選別搬送
    手段と、 前記選別搬送手段により搬送された大塊を破砕する破砕
    装置とを備えた自走式破砕機において、 前記選別搬送手段により選別された細粒を前記自走式破
    砕機の本体の外方へ排出するシュートを、前記自走式破
    砕機の本体の平面外径寸法内に収まるように前記選別搬
    送手段の下方に設けたことを特徴とする自走式破砕機。
  2. 【請求項2】請求項1記載の自走式破砕機において、前
    記シュートの上側端部は、前記選別搬送手段に固定され
    ていることを特徴とする自走式破砕機。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の自走式破砕機におい
    て、前記シュートは、その傾斜角が可変となるように構
    成されていることを特徴とする自走式破砕機。
  4. 【請求項4】本体フレームと、 この本体フレームに設けた走行手段と、 前記本体フレームの長手方向一の側に設けたホッパと、 このホッパで受け入れた被破砕物を粒度に応じて大塊と
    細粒とに選別し、その選別した大塊を搬送する選別搬送
    手段と、 前記選別搬送手段により搬送された大塊を破砕する破砕
    装置と、 この破砕装置により破砕された破砕物を前記本体フレー
    ム長手方向の他の側へと排出するコンベアとを備えた自
    走式破砕機において、 前記選別搬送手段により選別された細粒を前記自走式破
    砕機の本体の外方へ排出するシュートを、前記ホッパの
    平面外径寸法内に収まるように前記選別搬送手段の下方
    に設けたことを特徴とする自走式破砕機。
  5. 【請求項5】受け入れた被破砕物を粒度に応じて大塊と
    細粒とに選別し、その選別した大塊を搬送する選別搬送
    手段と、 前記選別搬送手段により搬送された大塊を破砕する破砕
    装置とを備えた自走式破砕機において、 前記選別搬送手段により選別された細粒を前記自走式破
    砕機の本体の外方へ排出する細粒排出コンベアを、前記
    自走式破砕機の本体の平面外径寸法内に収まるように前
    記選別搬送手段の下方に設けたことを特徴とする自走式
    破砕機。
  6. 【請求項6】本体フレームと、 この本体フレームに設けた走行手段と、 前記本体フレームの長手方向一の側に設けたホッパと、 このホッパで受け入れた被破砕物を粒度に応じて大塊と
    細粒とに選別し、その選別した大塊を搬送する選別搬送
    手段と、 前記選別搬送手段により搬送された大塊を破砕する破砕
    装置と、 この破砕装置により破砕された破砕物を前記本体フレー
    ム長手方向の他の側に排出するコンベアとを備えた自走
    式破砕機において、 前記選別搬送手段により選別された細粒を前記自走式破
    砕機の本体の外方へ排出する細粒排出コンベアを、前記
    ホッパの平面外径寸法内に収まるように前記選別搬送手
    段の下方に設けたことを特徴とする自走式破砕機。
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