JP2002034920A - 脳機能検査方法及び脳機能検査装置 - Google Patents

脳機能検査方法及び脳機能検査装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】多変量解析を用いることによって、脳機能の老
化度合いや、自律神経系の活動度合い、痴呆性の有無や
アルツハイマー病を容易に検査できる脳機能検査方法及
び脳機能検査装置を提供することにある。 【解決手段】多変量演算手段2は、多変量解析における
判別分析手法によって種々の瞳孔指標より判別値を選出
するもので、その機能としては瞳孔指標計算部13で求
めた被験者の瞳孔Mの静特性又は動特性に関する複数の
指標を用いてより少ない指標に変換して当該被験者の判
別値w1を計算する多変量解析計算機能20と、瞳孔指
標計算部13で求めてデータベース手段3に格納した多
数の被験者の瞳孔指標を呼び出して多変量解析計算を行
い、多数の被験者の判別値w2を計算する多変量解析計
算機能21とからなり、これらの判別値w1、w2を出
力手段4で表示させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、瞳孔反応を用いた
脳機能検査方法及び脳機能検査装置に関するもので、特
に被験者の瞳孔対光反応により脳機能の老化度合いや、
自律神経系疾患や痴呆症さらにアルツハイマー病などの
脳疾患の検査ができるような脳機能検査方法及び脳機能
検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】瞳孔の大きさは年齢とともに小さくなる
と一般に言われている(例えば、石川氏ら、「普及型電
子瞳孔計イリスコーダ(C−2514)について」、神
経眼科、第10巻,第2号,pp.106-110,1993)。瞳孔
の大きさを調節する平滑筋は自律神経系に支配されてお
り、瞳孔の大きさや瞳孔反応は自律神経系の活動状態を
反映している。また原因は不明であるが、脳機能と密接
な関係があるとされるアルツハイマー病と瞳孔との関連
も指摘されている。
【0003】L.F.M.Scinto氏らは、散瞳剤を点眼する前
後の瞳孔の拡大率を測定することにより、アルツハイマ
ー病の診断が可能であると報告している(「A potentia
l noninvasive neurobiological test for Alzheimer's
disease」、Science、266、pp.1051-1054、1994)。この方
法(以下、点眼法と言う)は、従来痴呆判定に用いられ
ていた改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)な
どの問診形式とは異なり、瞳孔の大きさという客観性の
あるデータによって痴呆症の一つとされるアルツハイマ
ー病の判定を行うという点において優れているものの、
計測に30分程度を要し、また眼疾患のある一部の被験
者には適用できないという問題があった。これに対し
て、瞳孔対光反応が健常者と痴呆患者とで異なることも
報告されている(史氏ら、「瞳孔対光反応を用いた痴呆
簡易検査法の研究」、医用電子と生体工学、Vol.36、No.
3、pp.210-214、1998)。瞳孔対光反応は前記の点眼法と
比較して副作用が全くなく短時間で完了するという利点
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、史氏ら
の報告で述べられている瞳孔対光反応では、縮瞳率と縮
瞳時間、そして散瞳率の3つの指標を抽出しているのみ
であり、瞳孔の変化の様子を十分捉えているとは言い難
い。また瞳孔対光反応では、他の生理指標と同様個人差
も大きく、数少ない指標だけでは痴呆の判定、更には自
律神経系の活動度合いや脳機能の老化度合いを判定する
には困難が大きいと考えられる。
【0005】この解決方法として瞳孔反応の様子を表す
指標を増やすことが考えられる。この指標を増やすこと
により判定精度を向上させることが期待できるが、その
一方で指標間において矛盾する判定結果が得られたとき
にどちらの指標の判定結果を採用すべきかは非常に困難
である。また多数の指標を用いるよりも少数の指標を用
いるほうが簡単に判断が行えるという利点もある。
【0006】本発明は、前記の問題点に鑑みて為された
もので、その目的とするところは瞳孔の大きさの変化を
特徴づける種々の指標に着目し、それらの複数の指標に
対して多変量演算を用いることによって、脳機能の老化
度合いや、自律神経系の活動度合い、痴呆性の有無やア
ルツハイマー病を容易に検査できる脳機能検査方法及び
脳機能検査装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、被
験者の瞳孔の大きさを検出して脳機能の検査を行う脳機
能検査方法において、前記被験者の瞳孔の静特性又は動
特性に関する指標を導出し、導出された瞳孔の静特性又
は動特性に関する指標を用いてより少ない指標に変換す
る多変量演算を行い、この変換された指標を用いて脳機
能の検査を行うことを特徴とする。
【0008】請求項2の発明では、請求項1の発明にお
いて、前記多変量演算によって得られる被験者の瞳孔の
静特性又は動特性に関する指標と、予めデータベースに
格納されている基準となる瞳孔の静特性又は動特性に関
する指標とを比較することで脳機能の検査を行うことを
特徴とする。
【0009】請求項3の発明では、請求項2の発明にお
いて、前記多変量演算によって得られた当該被験者の指
標を用いて当該被験者の脳機能に関する判定を行うこと
を特徴とする。
【0010】請求項4の発明では、請求項1乃至3の何
れかの発明において、瞳孔の静特性又は動特性に関する
指標として、潜時、縮瞳時間、散瞳時間、初期瞳孔径、
縮瞳量、縮瞳率、縮瞳速度、最大縮瞳速度、散瞳速度、
最大散瞳速度、縮瞳加速度、最大縮瞳加速度、最大縮瞳
速度到達時間、最大散瞳速度到達時間、最大縮瞳加速度
到達時間の内の少なくとも2つの指標を用いることを特
徴とする。
【0011】請求項5の発明では、請求項1乃至3の何
れかの発明において、瞳孔の静特性又は動特性に関する
指標として、縮瞳時間と散瞳時間の両方を用いることを
特徴とする。
【0012】請求項6の発明では、請求項3の発明にお
いて、前記判定として、脳の老化度合い又は自律神経の
活動度合い又は痴呆性又はアルツハイマー病か否かの何
れかの判定を行うことを特徴とする。
【0013】請求項7の発明では、請求項1乃至6の何
れかの発明において、前記多変量演算として、多変量解
析の判別分析を用いることを特徴とする。
【0014】請求項8の発明では、請求項1乃至6の何
れかの発明において、前記多変量演算として、多変量解
析の二次判別を用いることを特徴とする。
【0015】請求項9の発明では、請求項1乃至6の何
れかの発明において、前記多変量演算として、ニューラ
ルネットワークを用いることを特徴とする。
【0016】請求項10の発明では、請求項1乃至6の
何れかの発明において、前記多変量演算として、ファジ
ィ理論を用いることを特徴とする。
【0017】請求項11の発明では、請求項1乃至6の
何れかの発明において、前記多変量演算として、エキス
パートシステムを用いることを特徴とする。
【0018】請求項12の発明では、被験者の瞳孔の大
きさを検出して脳機能の検査を行う脳機能検査装置にお
いて、前記被験者の瞳孔の静特性又は動特性に関する指
標を導出する瞳孔指標算出手段と、該瞳孔指標算出手段
によって得られた瞳孔の静特性又は動特性に関する複数
の指標を用いてより少ない指標に変換する多変量演算手
段と、該多変量演算手段により得られる指標に関する情
報を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0019】請求項13の発明では、請求項12の発明
において、前記多変量演算によって得られる被験者の瞳
孔の静特性又は動特性に関する指標と比較するための基
準となるデータを格納しているデータベース手段を具備
して成ることを特徴とする。
【0020】請求項14の発明では、請求項13の発明
において、前記出力手段として、前記多変量演算手段よ
り得られる当該被験者の指標と、前記データベース手段
より得られるデータとを比較可能なように出力する出力
手段を用いたことを特徴とする。
【0021】請求項15の発明では、請求項13又は1
4の発明において、前記多変量演算手段より得られる当
該被験者の指標と前記データベース手段に記憶されてい
る基準となるデータとを比較して当該被験者の脳機能に
関する判定を行う判定手段を具備して成ることを特徴と
する。
【0022】請求項16の発明では、請求項12乃至1
5の何れかの発明において、前記瞳孔の静特性又は動特
性に関する指標として、潜時、縮瞳時間、散瞳時間、初
期瞳孔径、縮瞳量、縮瞳率、縮瞳速度、最大縮瞳速度、
散瞳速度、最大散瞳速度、縮瞳加速度、最大縮瞳加速
度、最大縮瞳速度到達時間、最大散瞳速度到達時間、最
大縮瞳加速度到達時間の内の少なくとも2つの指標を用
いることを特徴とする。
【0023】請求項17の発明では、請求項12乃至1
5の何れかの発明において、前記瞳孔の静特性又は動特
性に関する指標として、縮瞳時間と散瞳時間の両方を用
いることを特徴とする。
【0024】請求項18の発明では、請求項15の発明
において、前記判定手段として、脳の老化度合い又は自
律神経の活動度合い又は痴呆性又はアルツハイマー病か
否かの何れかの判定を行う判定手段を用いることを特徴
とする。
【0025】請求項19の発明では、請求項12乃至1
8の何れかの発明において、前記多変量演算手段は、判
別分析、二次判別、ニューラルネットワーク、ファジィ
理論、エキスパートシステムの何れかの多変量演算手法
を用いていることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明を実施形態により説明す
る。
【0027】(実施形態1)図1に本実施形態における
全体構成図を示す。本実施形態の装置は、瞳孔指標算出
手段1と、多変量演算手段2と、データベース手段3
と、出力手段4とから構成される。
【0028】瞳孔指標算出手段1は、瞳孔Mの静特性又
は動特性に関する指標を算出するために設けたもので、
発光素子10、撮像カメラ11、画像処理回路12、瞳
孔指標計算部13により構成される。
【0029】発光素子10は瞳孔対光反応を誘発するた
めの光刺激を与えるもので、可視光を出射するものであ
れば何を用いても良く、例えば、白色光を出す発光ダイ
オードや蛍光管等を利用することが可能である。また撮
像カメラ11は被験者の瞳孔Mを撮影するためのもので
あり、CCDカメラやCMOSセンサ等により構成する
ことが可能である。画像処理回路12は撮像カメラ11
で撮像された図2に示すような瞳孔画像から瞳孔部分を
抽出し、瞳孔Mの大きさを求める手段である。瞳孔Mの
大きさとしては瞳孔面積や瞳孔径などが考えられるが、
本実施形態では瞳孔Mの大きさとして瞳孔径を求めるよ
うになっている。勿論瞳孔面積を用いても何ら一般性を
損なうものではない。瞳孔指標計算部13は前記の多変
量演算手段2及びデータベース手段3を構成するパーソ
ナルコンピュータ5の演算機能により構成されるもの
で、画像処理回路12より得られる瞳孔径の変化から、
後述する種々の静特性又は動特性に関する瞳孔指標を計
算して求める。
【0030】尚図1において、瞳孔径を求めるために撮
像カメラ11,画像処理回路12を用いているが、写真
撮影等によって瞳孔径を求めることも可能であり、本発
明においては実施形態に限定されるものではなく、その
手段は特に問わない。
【0031】ここで計算によって求められた瞳孔指標は
一般に複数あるが、それらを多変量解析の計算に用いる
のが本発明の特徴である。
【0032】本実施形態の多変量演算手段2は、多変量
解析における判別分析手法によって種々の瞳孔指標より
判別値を選出する。この判別値は通常一つであることが
多いが、瞳孔指標をいくつかのグループに分類すること
により各グループに各々一つの判別値を求めることによ
って、結果的に全部の瞳孔指標から複数の判別値を求め
ることも可能である。本実施形態では判別値が一つであ
ることとする。多変量解析による判別分析は、複数の指
標の情報を集約して、一つの判別値に変換し、その判別
値を代表値とし、さらにその判別値を用いて何らかの判
定を行う手法である。この他の多変量解析手法として
は、主成分分析手法がある。これは複数の指標から、よ
り少ない指標へと変換し、元来ある多くの指標からより
少ない情報に集約する手法であり、先の判別分析手法の
判定以外の前処理を一般化した手法と言える。以下本実
施形態では、判別分析手法を基に判別値を導出する方法
を用いるが、主成分分析手法における第1主成分又は複
数の主成分を代表値として本実施形態における判別値に
置き換えても勿論良く、本発明は実施形態に特に限定さ
れるものではない。
【0033】尚多変量解析手法に関しては、[「医学統
計学ハンドブック」、宮原英夫、単語俊郎(編)(朝倉
書店、1995)]、[「多変量データ解析入門」、杉
山高一、(朝倉書店、1983)]、[「非線形多変量
解析−ニューラルネットによるアプローチー」(朝倉書
店、1996)]等を参照する。
【0034】さて本実施形態に用いる、多変量演算手段
2の機能としては瞳孔指標計算部13で求めた被験者の
瞳孔Mの静特性又は動特性に関する複数の指標を用いて
より少ない指標に変換して当該被験者の判別値w1を計
算する多変量解析計算機能20と、瞳孔指標計算部13
で求めてデータベース手段3に格納した多数の被験者の
瞳孔指標を呼び出して多変量解析計算を行い、多数の被
験者の判別値w2を計算する多変量解析計算機能21と
からなる。
【0035】尚本実施形態の多変量演算手段2は瞳孔指
標計算部13と同一のパーソナルコンピュータ5で実現
しているが、夫々別のパーソナルコンピュータで実現し
てもよいし、パーソナルコンピュータでなくDSP(デ
ジタルシグナルプロセッサ)やマイクロコンピュータを
用いても実現可能であり、本発明の具体的実現手段とし
ては実施形態に特に限定されるものではない。
【0036】データベース手段3は、瞳孔反応に関する
個々の変量を表す指標、指標を用いて多変量演算によっ
て得られる判別値、更に当該被験者又は他の被験者の年
齢、性別、既往症、現在の疾患、測定日時、測定場所、
測定場所の照度や温度等の環境条件、知能テストの結果
等、脳機能検査に必要な被験者情報や計測環境情報から
なる情報DAを含めた全ての情報をデータとして前記瞳
孔指標とともに蓄積格納するもので、実施形態において
は、当該被験者の瞳孔指標や、判別値w1、w2、更に
当該被験者の情報や計測環境情報からなる情報DAなど
のデータ登録するようになっている。このようにデータ
ベース手段3によりデータを蓄積することによって、よ
り多くの被験者のデータが蓄積され信頼性の高いデータ
ベースを構築できるようなっている。
【0037】尚本実施形態のデータベース手段3は多変
量演算手段2及び瞳孔指標計算部13と同一のパーソナ
ルコンピュータ5で実現しているが、多変量演算手段2
と同様に必ずしも同一のパーソナルコンピュータで実現
する必要はない。
【0038】出力手段4はディスプレイや、プリンタ等
の表示装置から構成され、当該被験者の判別値w1と、
他の被験者の判別値w2を表示し、当該被験者の判別値
w1が他の被験者の判別値w2と比較して相対的にどの
ような値を示しているかが判るようになっている。他の
被験者の判別値w2としては他の被験者の一つの判別値
だけでなく、複数の被験者の判別値の平均値であっても
良く、またある特定の被験者群の判別値の平均値であっ
ても良い。つまり当該被験者の判別値と比較を行いたい
被験者の判別値としては、当該被験者の判別値以外であ
ればどのような対象でも良い。更に他の被験者の瞳孔指
標としては、当該被験者の過去に得られた判別値であっ
ても良い。また図1では示していないが、出力手段4を
構成する表示装置には判別値w1,w2だけでなく、瞳
孔指標やその他のデータを表示しても良い。
【0039】次に図2に示す瞳孔Mの外観、瞳孔径変動
の様子および瞳孔反応に関する種々の指標を図3に基づ
いて説明する。瞳孔径変動から、瞳孔Mの静特性また動
特性に関する種々の指標が得られる。ここで瞳孔Mの静
特性に関する指標とは、光刺激によらない指標を指し、
図3では初期瞳孔径がこれに該当する。
【0040】図3における光刺激の照射時間は0.10
秒のフラッシュ光としている。フラッシュ光の点灯時間
は0.10秒よりも短くても、長くても良く特に制約が
あるものではない。
【0041】後述する瞳孔反応の指標として、潜時は
0.2秒〜0.3秒程度あり、これよりも短時間のフラ
ッシュ光であれば瞳孔反応中はもはや光刺激が存在しな
いという計測条件を設定することが可能である。以下本
実施形態で示す瞳孔指標および計測データはすべて光刺
激の持続時間が0.10秒という条件下で得られたもの
である。
【0042】図3に示すように、短時間のフラッシュ光
に対する瞳孔反応は、一般に光刺激開始から少し遅れて
瞳孔が縮み(これを縮瞳)、最も瞳孔が小さくなった後
は、拡大する(これを散瞳という)。このような瞳孔反
応に対して図3に示すような種々の指標が定義可能であ
る。それらの指標としては、初期瞳孔径、潜時、縮瞳時
間、散瞳時間、縮瞳量、縮瞳率、縮瞳速度、散瞳速度、
縮瞳加速度、最大縮瞳速度到達時間、最大散瞳速度到達
時間、最大縮瞳加速度到達時間などが考えられる。これ
らのうち初期瞳孔径は光刺激の有無に依存しない静特性
に関する指標であり、それ以外は光刺激によって誘発さ
れる動特性に関する指標である。
【0043】初期瞳孔径としては、光刺激照射前の任意
の一時点における瞳孔Mの大きさであっても良い。また
光刺激照射前の任意の時間間隔における瞳孔Mの大きさ
の時間平均を初期瞳孔径としても良い。さらに光刺激照
射後であっても、縮瞳開始以前の任意の時点における瞳
孔Mの大きさ、又は任意の時間間隔における瞳孔Mの大
きさの時間平均を初期瞳孔径としても良い。
【0044】潜時は、光刺激を照射開始から、瞳孔反応
が現れるまでの時間のことである。つまり一般に光刺激
が与えられても瞳孔Mは直ちに反応するわけでなく、少
しの時間遅れが生じる。これは光が網膜に到達した後に
視神経を伝達するための電気信号に変換するための光電
変換による遅延、神経細胞と神経細胞の間隙を伝達する
神経伝達物質と呼ばれる化学物質の分泌による遅延、及
び遠心性神経末端から効果器である平滑筋という筋肉を
駆動するまでの遅延などが累積することによって瞳孔反
応に遅延が生じる。
【0045】縮瞳時間は、瞳孔反応において縮瞳中のあ
る時点からある時点までの時間間隔をいう。縮瞳時間の
うち、縮瞳を開始してから縮瞳が終了するまでの時間を
特に最大縮瞳時間という。初期瞳孔径から縮瞳終了まで
の収縮した大きさを縮瞳量と呼ぶが、縮瞳開始から縮瞳
量の50%まで縮瞳するのに要した時間を特に50%縮
瞳時間という。10%縮瞳時間、90%縮瞳時間も同様
であり、10%−90%縮瞳時間という場合、10%縮
瞳した時点から90%縮瞳した時点までの時間間隔を示
す。縮瞳時間とは、これらの縮瞳に要する種々の時間の
総称である。
【0046】散瞳時間は、瞳孔反応において散瞳中のあ
る時点からある時点までの時間間隔をいう。初期瞳孔径
から縮瞳終了までの収縮した大きさを縮瞳量と呼ぶが、
縮瞳量の50%まで復帰するのに要した時間を特に50
%散瞳時間という。散瞳時間とは、散瞳に要する種々の
時間の総称である。
【0047】縮瞳量の50%縮瞳した時点から再び50
%まで散瞳によって復帰するのに要した時間を50%−
50%時間間隔という。50%−50%時間間隔は、縮
瞳時間と散瞳時間の両指標の組み合わせからなると言え
る指標である。
【0048】縮瞳量は、初期瞳孔径から縮瞳終了までの
収縮した大きさである。
【0049】縮瞳率は、縮瞳量を初期瞳孔径で除算した
量である。
【0050】縮瞳速度は、単位時間当たりの縮瞳量の変
化量のことであるが、単位時間の取り方によって種々の
縮瞳速度が定義できる。初期瞳孔径から10%縮瞳した
時点から90%縮瞳した時点までの平均縮瞳速度は10
%−90%縮瞳速度である。最大縮瞳速度は、縮瞳中の
瞳孔径の時間変化において最大の縮瞳速度のことであ
る。最大縮瞳速度を縮瞳量で除算したものを%縮瞳速度
と呼ぶ(参考文献:内海陸、杉山哲也、宮下祐二、守屋
伸−、徳岡覚の各氏:「%縮瞳量、%速度を加えた新し
い分析法による対光反応の研究」,日本眼科紀要,Vol4
2,No.2,pp.223-228.1991)。これは最大縮瞳速度と縮瞳
量に相関があることを考慮した速度の指標と言える。縮
瞳速度とは、これら具体的に定義可能な縮瞳中の速度の
総称である。
【0051】散瞳速度は、単位時間当たりの散瞳量の変
化量のことであるが、単位時間の取り方によって種々の
散瞳速度が定義できることは縮瞳速度の場合と同様であ
る。
【0052】最大散瞳速度は、散瞳中の瞳孔径の時間変
化において最大の散瞳速度のことである。%散瞳速度に
ついては%縮瞳速度と全く同様であり、最大散瞳速度を
縮瞳量で除算したものである。散瞳速度とは、これら具
体的に定義可能な縮瞳中の速度の総称である。
【0053】縮瞳加速度は、単位時間当たりの縮瞳速度
の変化量のことであるが、縮瞳速度と同様に、単位時間
の取り方によって種々の縮瞳加速度が定義できる。最大
縮瞳加速度は、縮瞳中の瞳孔径の時間変化において最大
の縮瞳加速度のことである。
【0054】最大縮瞳速度到達時間は、縮瞳開始から最
大縮瞳速度に到達するのに要した時間である。
【0055】最大散瞳速度到達時間は、縮瞳開始から最
大散瞳速度に到達するのに要した時間あるいは散瞳開始
から最大散瞳速度に到達するのに要した時間のどちらで
もよいが、本実施形態では前者の定義とする。
【0056】最大縮瞳加速度到達時間は、縮瞳開始から
最大縮瞳加速度に到達するのに要した時間である。
【0057】以上に述べた指標の定義では、光刺激をフ
ラッシュ光として考えたが、光点灯後は一定の光量で点
灯状態を継続させるステップ光も光刺激条件として考え
られる。ステップ光の場合もフラッシュ光と同様に図3
に示した瞳孔反応に関する指標が定義可能である。ただ
しその場合、光量が大きくなるにつれて瞳孔Mが最も小
さくなる時点を見いだすのが困難になる傾向がある。
【0058】図4(a)に健常高齢者57名の潜時のヒ
ストグラムを、また同図(b)にアルツハイマー型痴呆
患者(以下、単にAD/SDATと言う)55名の潜時
のヒストグラムを示す。健常高齢者の平均年齢は74.
7歳で標準偏差は8.40歳であり、またAD/SDA
T群の平均年齢は77.1歳で標準偏差は9.24歳で
あり、両群の平均年齢間に統計的有意差はなかった(p
値:p=0.167)。両群の平均潜時の間には統計的
有意差が認められたものの(p=0.0011)、図4
(a)(b)に示されるように、両群のヒストグラムに
はかなりの重なりがあることがわかる。
【0059】表1に、潜時も含めた瞳孔の静特性又は動
特性に関する指標に関する両被験者群の平均値の大小関
係と両群における各指標の平均値に関する統計的有意水
準の値を示す。
【0060】
【表1】
【0061】一般に有意検定を行うとき、そのp値を
0.01以下又は0.05以下のとき有意差があると検
定することが多い。
【0062】表1に示すように、p値に対して0.05
を閾値とすれば、図3で対象とした瞳孔反応の指標の中
で潜時最大縮瞳速度到達時間、最大縮瞳加速度到達時
間、初期瞳孔径、縮瞳量、縮瞳率、最大縮瞳速度、最大
散瞳速度に健常高齢者群とAD/SDAT群の間に統計
的有意差がみられた。これらの中で最も統計的有意差が
大きい指標はp値が0.0002の縮瞳量である。p値
が小さければ小さいほど両群の差が大きいと考えられる
ので、以下では、両群の差について述べるとき、p値を
その差の大きさを表す指標として考える。
【0063】本発明の目的は、いくつかの指標を組み合
わせることによって、よりp値が小さくなるような値を
導出することである。先にも述べたように、p値が小さ
いと両群の差は大きくなり、ある任意の被験者がどちら
の群に属するかを判定するときの判定精度は向上すると
期待できる。また健常群とAD/SDAT群のどちらの
群に属するかの判定のように結果がAかBかのように明
確に分けられる判定方法だけでなく、どちらの群により
近くてその距離はどの程度であるかなどの連続量として
の結果を知ることにより今後の疾患発症可能性を予測す
ることが期待でき、対策を施すことなどの対処法も考え
ることが可能になると期待できる。
【0064】以上に述べたように、本実施形態では複数
の指標から1つの判別値を導出する。判別値の導出方法
は多変量解析における判別分析における二次判別手法に
よる(参考文献=宮原英夫、丹後俊郎(編)「医学統計
学ハンドブック」、朝倉書房、1995)。
【0065】図5は判別値wの計算方法例を示す。この
図示例ではステップS1である任意の被験者Zに関する
データz=(z1,z2,z3…)、つまり複数の指標
(z1…)を用いて健常者群Xと患者群Yのそれぞれに
対してマハラノビスの平方距離Dx2,Dy2を計算
し、ステップS2でその差(Dx2−Dy2)を計算し
てその計算値を判別値wとする。この判別値wの値によ
ってどちらの群に近いかがわかる。尚図中x=(x1,
x2,x3…)は健常者データを示し、x1…は指標
を、またy=(y1,y2,y3…)は健常者データを
示し、y1…は指標を示す。
【0066】図6に本実施形態の多変量演算手段2にお
ける判別値wの導出と、出力手段4の出力との関係を示
す。
【0067】多変量演算手段2では、瞳孔指標として潜
時、初期瞳孔径、縮瞳量、最大縮瞳速度、最大散瞳速
度、最大縮瞳加速度、最大縮瞳速度到達時間、最大縮瞳
加速度到達時間を用いている。
【0068】そして健常高齢者群57名(X)とAD/
SDAT群55名(Y)の中から予めどちらの群に属し
ているかが判明している1名をサンプリングし、その1
名の瞳孔指標と両群(X),(Y)とのマハラノビスの
平方距離Dx2,Dy2を求めて判別値wを計算する。
【0069】この操作を全てのサンプル(被験者)に対
して実施し、その結果に基づいた判別値wのヒストグラ
ムを出力手段4により健常高齢者群(X)と、AD/S
DAT群(Y)毎に表示する。出力手段4で表示される
ヒストグラム中、上側のヒストグラムが健常高齢者57
名の判別値wで、下側のヒストグラムがAD/SDAT
群55名の判別値wをそれぞれ示している。
【0070】ここで求めた平均判別値の差を示すp値は
3.82×10-7であり、表1で示される各指標のp値
よりもかなり小さくなっていることがわかる。このよう
にいくつかの指標を1つの値に集約することにより、両
群(X)(Y)の有意差を大きくすることが可能とな
り、また出力される情報(この場合は図6のグラフ)も
少なくなるので判断が容易になる。
【0071】図6では健常高齢者群(X)とAD/SD
AT群(Y)の判別値wを示しているだけであるが、こ
のグラフに当該被験者の判別値wを重畳させることによ
り、当該被験者がどちらの群(X),(Y)に近いかを
知ることが可能である。当該被験者の判別値wを求める
式が w=1475-15.175×(潜時)+0.661×(初期瞳孔径)+2.652
×(縮瞳量)+0.618×(最大縮瞳速度)+0.215×(最大散瞳
速度)+0.025×(最大縮瞳加速度)-14.404×(最大縮瞳速
度到達時間)+27.83×(最大縮瞳加速度到達時間) であり、各指標の1次式になっている。この式は一般に
判別式又は判別関数と呼ばれているが、対象とする両群
(X),(Y)における考慮した指標の分散共分散行列
が等しい場合は、上式に示すように1次式になる。
【0072】これに対し分散共分散行列が異なるとき
は、判別式は2次式になる。簡単化のため分散共分散行
列を等しいと仮定するか否かは対象とする被験者群に応
じて適宜決定すればよい。
【0073】図6で示す出力手段4の表示例は一例であ
って棒グラフで示したが、表示の仕方は様々に存在す
る。どのような表示方法であっても当該被験者の他の被
験者に対する相対的位置が明示される方法であれば良
く、本実施形態に特に限定されるものではない。 (実施形態2)前記実施形態1では判別値wの計算結果
に基づいて当該被験者の他の被験者に対する相対的位置
が判るように出力手段4に表示することで、医者などが
被験者の脳機能の判定を行うものであったが、本実施形
態は図1に示される実施形態1の構成に、図7に示すよ
うに更に判定手段14を加えたものである。判定手段1
7は、データベース手段3より得られるデータに基づい
て判定基準を作成する。判定基準は脳機能の判定を行う
際の目安となるものである。当該被験者の判別値w1と
データベース手段3によって保存されているデータ(判
別値w2)とを比較し、判定基準に基づいて当該被験者
の脳機能の判定を行う。
【0074】図8に判定手段14の判定例について示
す。図8では上述のように求めた健常高齢者群(X)
と、AD/SDAT群(Y)の度数分布における0を判
定基準として、判別値w1が0より大きい場合は健常と
判定し、判別値w1が0より小さい場合は痴呆と判定す
る。判定結果は出力手段4を構成する表示装置に表示さ
れる。この場合の表示装置はディスプレイでもよいしプ
リンタでもよい.また音声でも判定結果を出力すること
が可能である。例えば音がある場合は痴呆(AD/SD
AT)と判定し、音がない場合は健常とするなどであ
る。
【0075】また判別基準としては必ずしもその値を0
とする必要はない。全健常者に対して健常者を痴呆と誤
判定する率、すなわち偽陽性率を小さくしたければ判定
基準の値を負にすればよい。このように要求条件に応じ
て判定基準は変更可能である。判定基準を予め設定する
ことにより、自動的な検査が可能となる。
【0076】以上では脳機能検査のうち疾患としてアル
ツハイマー型痴呆症(アルツハイマー病を含む)を取り
上げたが、脳機能の老化度合い、自律神経系の活動度合
い、又は脳血管性痴呆患者等他の痴呆症についても全く
同様に検査・判定することが可能である。
【0077】特に脳血管性痴呆患者とアルツハイマー型
痴呆患者は健常高齢者に対してわずかに潜時が大きくな
っていることと、最大散瞳速度を用いることで、健常若
年者及び健常高齢者と、脳血管性痴呆患者及びアルツハ
イマー型痴呆患者との弁別が可能であることと、最大縮
瞳時間に関しては、健常若年者と他の被験者群との差は
見られるが、健常高齢者、脳血管性痴呆患者及びアルツ
ハイマー型痴呆患者の間には殆ど差がみられないことと
を本発明者らは認識しており、これらの瞳孔指標に基づ
いて脳血管性痴呆患者を弁別することができるのは勿論
である(特願2000−047011号参照)。また老
化度合いと自律神経系に関しては石川氏らの「普及型電
子瞳孔計イリスコーダ(C−2514)について」(神
経眼科、Vol10,No.2,pp.106-110、1993)に述べられてい
る。
【0078】また前記実施形態1,2において多変量演
算手段2で用いる瞳孔指標として、縮瞳時間、散瞳時間
を加えても良く、またこの両者を組み合わせても良い。
【0079】また前記多変量演算手段2では判別分析を
用いたが、次のように方法による多変量演算を行っても
良い。
【0080】つまりその一の方法としては、図9に示す
ような例えば入力ユニット、中間ユニット、出力ユニッ
トからなる3層構造のニューラルネットワークを用いる
方法であり、この場合複数の指標から一つ、若しくは複
数の値を算出し、指標とその指標による望ましい出力値
の対をネットワークに与える学習課程で、ネットワーク
構造を決定し、その学習で得られるネットワークに複数
の指標を与えることにより出力値を得ることができる。
また学習においては指標とその指標による望ましい出力
値の対をネットワークに与えるが、このときネットワー
クの出力が望ましい出力値に近づくように結合重みの値
の調整を行う。このような指標の提示を繰り返すことに
より、最終的にはネットワークにどの指標を与えても望
ましい出力値を示すようになる。
【0081】また別の方法としては、ファジィ理論を用
いる方法である。例えば、指標に関する属性を考える
と、「潜時が短い」若しくは反対に「潜時が長い」が考
えられる。そして脳機能を検査する場合、「潜時が短
い」且つ「最大縮瞳速度が速い」ような場合の方が、
「潜時が短い」だけの場合や、「最大縮瞳速度」だけの
場合よりも、脳機能が高い。このようにn個の属性に対
して(2^n−1)通りの評価がある。ファジィ理論で
はこのようなものをファジィ集合と呼ぶが、このような
ファジィ集合を予め用意しておき、検査の際に、被験者
から観測される指標から脳機能を判定するのである。
【0082】更に他の方法としては、エキスパートシス
テムを用いる方法である。例えば潜時が0.2m秒より
短い場合や、更に潜時が0.25m秒より長い場合等と
言った具合に各指標に条件を設け、更にその条件が成立
するときの結果を設定する。そして検査の際に、被験者
から観察される各指標を夫々条件に当てはめて脳機能を
判定するのである。
【0083】
【発明の効果】請求項1の発明は、被験者の瞳孔の大き
さを検出して脳機能の検査を行う脳機能検査方法におい
て、前記被験者の瞳孔の静特性又は動特性に関する指標
を導出し、導出された瞳孔の静特性又は動特性に関する
指標を用いてより少ない指標に変換する多変量演算を行
い、この変換された指標を用いて脳機能の検査を行うの
で、瞳孔対光反応という副作用のない簡易な方法で脳機
能の検査が行え,脳疾患の早期診断や臨床診断などの分
野に用いることができるという効果がある。
【0084】請求項2の発明では、請求項1の発明にお
いて、前記多変量演算によって得られる被験者の瞳孔の
静特性又は動特性に関する指標と、予めデータベースに
格納されている基準となる瞳孔の静特性又は動特性に関
する指標とを比較することで脳機能の検査を行うので、
健常者群又は患者群のどちらの群により近くてその距離
はどの程度であるかなどの連続量としての結果を知るこ
とにより今後の疾患発症可能性を予測することが期待で
き、対策を施すことなどの対処法も考えることが可能と
なる。
【0085】請求項3の発明は、請求項2の発明におい
て、前記多変量演算によって得られた当該被験者の指標
を用いて当該被験者の脳機能に関する判定を行うので、
脳機能の判定を自動化することが可能となる。
【0086】請求項4の発明では、請求項1乃至3の何
れかの発明において、瞳孔の静特性又は動特性に関する
指標として、潜時、縮瞳時間、散瞳時間、初期瞳孔径、
縮瞳量、縮瞳率、縮瞳速度、最大縮瞳速度、散瞳速度、
最大散瞳速度、縮瞳加速度、最大縮瞳加速度、最大縮瞳
速度到達時間、最大散瞳速度到達時間、最大縮瞳加速度
到達時間の内の少なくとも2つの指標を用いるので、脳
機能や脳疾患の有無の検査や判定が確実に行える。
【0087】請求項5の発明は、請求項1乃至3の何れ
かの発明において、瞳孔の静特性又は動特性に関する指
標として、縮瞳時間と散瞳時間の両方を用いるので、縮
瞳成分と散瞳成分の両方を単一の指標で考慮することが
可能となる。
【0088】請求項6の発明は、請求項3の発明におい
て、前記判定として、脳の老化度合い又は自律神経の活
動度合い又は痴呆性又はアルツハイマー病か否かの何れ
かの判定を行うので、特に脳の老化度合い又は自律神経
の活動度合い又は痴呆性又はアルツハイマー病か否かの
何れかの判定を自動化することが可能となる。
【0089】請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れ
かの発明において、前記多変量演算として、多変量解析
の判別分析を用い、請求項8の発明は、請求項1乃至6
の何れかの発明において、前記多変量演算として、多変
量解析の二次判別を用い、請求項9の発明は、請求項1
乃至6の何れかの発明において、前記多変量演算とし
て、ニューラルネットワークを用い、請求項10の発明
は、請求項1乃至6の何れかの発明において、前記多変
量演算として、ファジィ理論を用い、請求項11の発明
は、請求項1乃至6の何れかの発明において、前記多変
量演算として、エキスパートシステムを用いることによ
り、請求項1乃至6の何れかの効果が得られる方法を実
現できる。
【0090】請求項12の発明は、被験者の瞳孔の大き
さを検出して脳機能の検査を行う脳機能検査装置におい
て、前記被験者の瞳孔の静特性又は動特性に関する指標
を導出する瞳孔指標算出手段と、該瞳孔指標算出手段に
よって得られた瞳孔の静特性又は動特性に関する複数の
指標を用いてより少ない指標に変換する多変量演算手段
と、該多変量演算手段により得られる指標に関する情報
を出力する出力手段とを備えたので、瞳孔対光反応とい
う副作用のない簡易な方法で脳機能の検査が行え、脳疾
患の早期診断や臨床診断などの分野に用いることができ
る脳機能検査装置を実現できるという効果がある。
【0091】請求項13の発明は、請求項12の発明に
おいて、前記多変量演算によって得られる被験者の瞳孔
の静特性又は動特性に関する指標と比較するための基準
となるデータを格納しているデータベース手段を具備し
ているので、健常者群又は患者群のどちらの群により近
くてその距離はどの程度であるかなどの連続量としての
結果を知ることにより今後の疾患発症可能性を予測する
ことができる脳機能検査装置を実現することができる。
【0092】請求項14の発明は、請求項13の発明に
おいて、前記出力手段として、前記多変量演算手段より
得られる当該被験者の指標と、前記データベース手段よ
り得られるデータとを比較可能なように出力する出力手
段を用いたので、出力手段で出力されるデータを比べる
ことで、容易に当該被験者の脳機能の判定が行える。
【0093】請求項15の発明は、請求項13又は14
の何れかの発明において、前記多変量演算手段より得ら
れる当該被験者の指標と前記データベース手段に記憶さ
れている基準となるデータとを比較して当該被験者の脳
機能に関する判定を行う判定手段を具備してあるので、
脳機能の判定を自動化した脳機能検査装置を実現でき
る。
【0094】請求項16の発明は、請求項12乃至15
の何れかの発明において、前記瞳孔の静特性又は動特性
に関する指標として、潜時、縮瞳時間、散瞳時間、初期
瞳孔径、縮瞳量、縮瞳率、縮瞳速度、最大縮瞳速度、散
瞳速度、最大散瞳速度、縮瞳加速度、最大縮瞳加速度、
最大縮瞳速度到達時間、最大散瞳速度到達時間、最大縮
瞳加速度到達時間の内の少なくとも2つの指標を用いる
脳機能や脳疾患の有無の検査や判定が確実に行える。
【0095】請求項17の発明は、請求項12乃至15
の何れかの発明において、前記瞳孔の静特性又は動特性
に関する指標として、縮瞳時間と散瞳時間の両方を用い
るので、縮瞳成分と散瞳成分の両方を単一の指標で考慮
することが可能となる。
【0096】請求項18の発明は、請求項15の発明に
おいて、前記判定手段として、脳の老化度合い又は自律
神経の活動度合い又は痴呆性又はアルツハイマー病の何
れかの判定を行う判定手段を用いるので、特に脳の老化
度合い又は自律神経の活動度合い又は痴呆性又はアルツ
ハイマー病か否かの何れかの判定を自動化した脳機能検
査装置を実現できる。
【0097】請求項19の発明では、請求項12乃至1
8の何れかの発明において、前記多変量演算手段は、判
別分析、二次判別、ニューラルネットワーク、ファジィ
理論、エキスパートシステムの何れかの多変量演算手法
を用いているので、請求項12乃至18の効果が得られ
る脳機能検査装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の全体構成図である。
【図2】同上に用いる瞳孔指標を得るためにCCDカメ
ラにより撮像した瞳孔画像の例図である。
【図3】同上に用いる瞳孔指標を得るために被験者の瞳
孔に光刺激を与えた場合の被験者の瞳孔径の変動の測定
結果を示すグラフである。
【図4】(a)は同上に用いる瞳孔指標の一つである潜
時に関する被験者(健常高齢者の場合)の分布を示すグ
ラフである。(b)は同上に用いる瞳孔指標の一つであ
る潜時に関する被験者(アルツハイマー型痴呆高齢者の
場合)の分布を示すグラフである。
【図5】同上に用いる判別値の計算方法の説明図であ
る。
【図6】同上の多変量演算手段の判別値導出例と、出力
手段の出力例との関係説明図である。
【図7】本発明の実施形態2の全体構成図である。
【図8】同上に用いる判定手段の説明図である。
【図9】ニューラルネットワークのモデル図である。
【符号の説明】
1 瞳孔指標算出手段 2 多変量演算手段 3 データベース手段 4 出力手段 5 パーソナルコンピュータ 10 発光素子 11 撮像カメラ 12 画像処理回路 13 瞳孔指標計算部 20,21 多変量解析計算機能 M 瞳孔 w1,w2 判別値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 健之 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 仲島 了治 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 5B057 AA07 BA02 CA12 CA16 DA07 DB02 DC03 DC04

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被験者の瞳孔の大きさを検出して脳機能の
    検査を行う脳機能検査方法において、前記被験者の瞳孔
    の静特性又は動特性に関する指標を導出し、導出された
    瞳孔の静特性又は動特性に関する指標を用いてより少な
    い指標に変換する多変量演算を行い、この変換された指
    標を用いて脳機能の検査を行うことを特徴とする脳機能
    検査方法。
  2. 【請求項2】前記多変量演算によって得られた被験者の
    瞳孔の静特性又は動特性に関する指標と、予めデータベ
    ースに格納されている基準となる瞳孔の静特性又は動特
    性に関する指標とを比較することで脳機能の検査を行う
    ことを特徴とする請求項1記載の脳機能検査方法。
  3. 【請求項3】前記多変量演算によって得られた当該被験
    者の指標を用いて当該被験者の脳機能に関する判定を行
    うことを特徴とする請求項2記載の脳機能検査方法。
  4. 【請求項4】瞳孔の静特性又は動特性に関する指標とし
    て、潜時、縮瞳時間、散瞳時間、初期瞳孔径、縮瞳量、
    縮瞳率、縮瞳速度、最大縮瞳速度、散瞳速度、最大散瞳
    速度、縮瞳加速度、最大縮瞳加速度、最大縮瞳速度到達
    時間、最大散瞳速度到達時間、最大縮瞳加速度到達時間
    の内の少なくとも2つの指標を用いることを特徴とする
    請求項1乃至3の何れかに記載の脳機能検査方法。
  5. 【請求項5】瞳孔の静特性又は動特性に関する指標とし
    て、縮瞳時間と散瞳時間の両方を用いることを特徴とす
    る請求項1乃至3の何れかに記載の脳機能検査方法。
  6. 【請求項6】前記判定として、脳の老化度合い又は自律
    神経の活動度合い又は痴呆性又はアルツハイマー病か否
    かの何れかの判定を行うことを特徴とする請求項3記載
    の脳機能検査方法。
  7. 【請求項7】前記多変量演算として、多変量解析の判別
    分析を用いることを特徴とする請求項1乃至6の何れか
    に記載の脳機能検査方法。
  8. 【請求項8】前記多変量演算として、多変量解析の二次
    判別を用いることを特徴とする請求項1乃至6の何れか
    に記載の脳機能検査方法。
  9. 【請求項9】前記多変量演算として、ニューラルネット
    ワークを用いることを特徴とする請求項1乃至6の何れ
    かに記載の脳機能検査方法。
  10. 【請求項10】前記多変量演算として、ファジィ理論を
    用いることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載
    の脳機能検査方法。
  11. 【請求項11】前記多変量演算として、エキスパートシ
    ステムを用いることを特徴とする請求項1乃至6の何れ
    かに記載の脳機能検査方法。
  12. 【請求項12】被験者の瞳孔の大きさを検出して脳機能
    の検査を行う脳機能検査装置において、前記被験者の瞳
    孔の静特性又は動特性に関する指標を導出する瞳孔指標
    算出手段と、該瞳孔指標算出手段によって得られた瞳孔
    の静特性又は動特性に関する複数の指標を用いてより少
    ない指標に変換する多変量演算手段と、該多変量演算手
    段により得られる指標に関する情報を出力する出力手段
    とを備えたことを特徴とする脳機能検査装置。
  13. 【請求項13】前記多変量演算によって得られる被験者
    の瞳孔の静特性又は動特性に関する指標と比較するため
    の基準となるデータを格納しているデータベース手段を
    具備して成ることを特徴とする請求項12記載の脳機能
    検査装置。
  14. 【請求項14】前記出力手段として、前記多変量演算手
    段より得られる当該被験者の指標と、前記データベース
    手段より得られるデータとを比較可能なように出力する
    出力手段を用いたことを特徴とする請求項13記載の脳
    機能検査装置。
  15. 【請求項15】前記多変量演算手段より得られる当該被
    験者の指標と前記データベース手段に記憶されている基
    準となるデータとを比較して当該被験者の脳機能に関す
    る判定を行う判定手段を具備して成ることを特徴とする
    請求項13又は14記載の脳機能検査装置。
  16. 【請求項16】前記瞳孔の静特性又は動特性に関する指
    標として、潜時、縮瞳時間、散瞳時間、初期瞳孔径、縮
    瞳量、縮瞳率、縮瞳速度、最大縮瞳速度、散瞳速度、最
    大散瞳速度、縮瞳加速度、最大縮瞳加速度、最大縮瞳速
    度到達時間、最大散瞳速度到達時間、最大縮瞳加速度到
    達時間の内の少なくとも2つの指標を用いることを特徴
    とする請求項12乃至請求項15の何れかに記載の脳機
    能検査装置。
  17. 【請求項17】前記瞳孔の静特性又は動特性に関する指
    標として、縮瞳時間と散瞳時間の両方を用いることを特
    徴とする請求項12乃至15の何れかに記載の脳機能検
    査装置。
  18. 【請求項18】前記判定手段として、脳の老化度合い又
    は自律神経の活動度合い又は痴呆性又はアルツハイマー
    病か否かの何れかの判定を行う判定手段を用いることを
    特徴とする請求項15記載の脳機能検査装置。
  19. 【請求項19】前記多変量演算手段は、判別分析、二次
    判別、ニューラルネットワーク、ファジィ理論、エキス
    パートシステムの何れかの多変量演算手法を用いている
    ことを特徴とする請求項12乃至18の何れかに記載の
    脳機能検査装置。
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