JP2002033933A - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置および画像処理方法

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JP2002033933A
JP2002033933A JP2000216947A JP2000216947A JP2002033933A JP 2002033933 A JP2002033933 A JP 2002033933A JP 2000216947 A JP2000216947 A JP 2000216947A JP 2000216947 A JP2000216947 A JP 2000216947A JP 2002033933 A JP2002033933 A JP 2002033933A
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Mutsuko Nichogi
睦子 二梃木
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力画像を装置あるいは装置および照明に依
存しない色空間に高精度に変換する画像処理方法及び画
像処理装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 画像入力装置から入力される画像の主な
構成要素となる被写体の集合を複数設定し、各集合毎に
装置あるいは装置および照明に依存しない色データを推
定する手段と、画像入力装置から入力された画像データ
の各画素がどの集合に属するか、あるいは、いずれの被
写体集合にも属さないのかを判定し、判定結果に基づい
て推定手段を選択して装置あるいは装置および照明に依
存しない色データを推定するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像入力装置から
入力されたカラー画像データを、装置あるいは装置およ
び照明に依存しない色空間に、高精度に変換する画像処
理装置および画像処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、カラー画像を処理する装置として
スキャナ、デジタルカメラ、プリンタ、ディスプレイ等
さまざまなものが利用されている。これらの装置間で画
像データを交換する手法に、入力装置から入力されたカ
ラー画像データを、一度装置に依存しない独立な色空間
に変換してから、出力装置に出力するカラー画像データ
に変換するものがある。
【0003】このように、画像入力装置の信号と装置に
依存しない色空間との変換を確立しておけば、あらゆる
画像出力装置にデータを渡すことができるため、入力装
置と出力装置の組み合わせの数だけ色変換処理を決める
必要がない。
【0004】また、画像入力装置から入力されたカラー
画像データを装置だけでなく照明にも依存しない独立な
色空間に変換しておけば、画像入力時の照明と異なる照
明下の画像を出力装置から出力することもできる。
【0005】装置に依存しない独立な色空間としては、
国際標準機関CIEが規定するXYZ三刺激値や、L*a*b*表色
系、L*u*v*表色系、あるいはCAM97sなどのカラーアピア
ランスモデルを用いることが一般的であるが、カラーア
ピアランスモデルの属性値はXYZ三刺激値から算出され
るため、画像入出力装置の信号からXYZ三刺激値を推定
することができれば上記色変換が可能になる。
【0006】また、装置および照明に依存しない色空間
としては、被写体の分光反射率を用いることが一般的で
ある。分光反射率に所望の照明をかけ積分すれば、XYZ
三刺激値を算出することができる。
【0007】このように、各画像入出力装置の色空間か
ら被写体のXYZ三刺激値あるいは分光反射率を推定する
ことをキャラクタライゼーションと呼ぶ。
【0008】本発明は、デジタルカメラ、マルチスペク
トルカメラ、スキャナをはじめとする画像入力装置のキ
ャラクタライゼーションに関するものである。
【0009】従来の画像入力装置のキャラクタライゼー
ション技術には、例えば、特開平7−174631号公
報記載の皮膚の測色方法及び分光反射スペクトルの推定
方法、特開平11−85952号公報記載の色再現装
置、特開平9−233490号公報記載の色シュミレー
ション装置がある。
【0010】特開平7−174631号公報では、画像
入力装置から入力された画像から皮膚の分光反射スペク
トルを推定する方法を開示している。その手順を図20
を用いて説明する。
【0011】まず、手順2001で入力された画像デー
タRGBを、輝度に線形な信号に2次関数で変換する。前記
公報記載の2次関数を(数1)に示す。(数1)は、無
彩色の9階調の色票のXYZ三刺激値を測色しておき、そ
のY値である輝度に線形となるように決定されている。
【0012】
【数1】
【0013】次に、手順2002で、輝度線形信号か
ら、少なくとも2次の項までを使用する重回帰行列によ
りXYZ三刺激値を算出する。最後に手順2003で、XYZ
三刺激値から分光反射率を推定する。
【0014】手順2002における重回帰行列は、予め
決定しておく必要がある。重回帰行列の決定を行うに
は、まず特定の被写体として、皮膚を画像入力装置で撮
影しておきその画像データを得ると共に、測色計でも測
色してXYZ三刺激値を求めておく。そして、画像データ
をXYZ三刺激値に変換する行列Mを、変換により推定さ
れるXYZ三刺激値と測色計によって計測されたXYZ三刺激
値との誤差が最小になるように決定する。このように予
測値と実測値との誤差が最小となるように推定行列を決
定することを重回帰分析といい、このようにして決定さ
れる推定行列を重回帰行列という。重回帰行列は、XYZ
三刺激値ベクトルをT、画像データベクトルをIとおけば
(数2)で表される。(数1)で、RTIはTとIの相関
行列を表している。
【0015】
【数2】
【0016】また、手順2003における分光反射率の
次元は、例えば400nmから700nmの可視光の範囲を10nmお
きにサンプリングしても31次元とかなり大きく推定が困
難であるため、主成分分析を行い、31次よりも低次なm
次の基底で表現する手法を用いる。被写体である皮膚の
分光反射率の第3主成分までの累積寄与率は99.5パーセ
ントなので、m=3で十分であるため、XYZ三刺激値から基
底の係数を一意に求めることができる。
【0017】このように従来のキャラクタライゼーショ
ン方法は、被写体を皮膚に限定し、皮膚の画像データと
実測したXYZ三刺激値との重回帰分析により、画像デー
タからXYZ三刺激値を推定する行列を決定している。従
って、この行列では皮膚のXYZ三刺激値は高精度に推定
できるが、皮膚以外のXYZ三刺激値は誤差が極めて大き
い。
【0018】また、特開平11−85952号公報記載
の色再現装置では、画像データからXYZ三刺激値を求め
る行列を次のようにして導いている。
【0019】まず、三刺激値Tと画像データベクトルI
は、(数3)のように表すことができる。(数3)にお
いて、EOは観察時の照明行列、Xは等色関数を横ベクト
ルとした行列、fは分光反射率、Emは撮影時の照明行
列、Sは画像入力装置分光感度を横ベクトルとした行列
である。(数3)を重回帰行列(数2)に代入すると
(数4)が得られる。この(数4)において、Rffは、
被写体の分光反射率の相関行列である。入力画像の主要
な構成要素となる被写体の分光反射率の相関行列を予め
算出しておき、(数4)のRffに代入しておくことで、
画像データからXYZ三刺激値を予測する行列(数4)を
得ることができる。
【0020】
【数3】
【0021】
【数4】
【0022】このように上記従来の画像入力装置のキャ
ラクタライゼーション方法では、被写体を限定し、限定
した被写体の分光反射率の相関行列を用いて、画像デー
タからXYZ三刺激値を推定する行列を決定している。従
って、この行列により、限定被写体以外の画像データの
XYZ三刺激値を推定すると誤差が極めて大きくなる。
【0023】また、特開平9−233490号公報記載
の色シュミレーション装置では、画像入力装置から入力
された画像を所望の光源下の色に変換してからディスプ
レイ上に出力する照明シュミレーションを開示してい
る。
【0024】その手順を図21を用いて説明する。特開
平7−174631号公報記載の方法と同様に、分光反
射率を主成分分析し、31次よりも低次なm次の基底で表
現する。そして、手順2101で入力画像データから基
底係数m次ベクトルをニューラルネットワークで推定す
る。次に手順2102で、推定されたm次ベクトルから
分光反射率を算出する。得られた分光反射率に所望の光
源ベクトルをかけてXYZ三刺激値とし、ディスプレイの
色特性を用いてディスプレイ駆動信号に変換する。
【0025】ニューラルネットワークでは、学習データ
に類似した性質を持った入力データであれば、適切な分
光反射率が推定されるが、学習データに類似していない
入力データでは極めて誤差が大きくなる。そのため、ニ
ューラルネットワークを使用した本従来例も、被写体を
限定した場合に限り推定が可能な方法であるといえる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法では、
いずれも被写体を1つに限定して、分光反射率を推定す
る行列あるいはニューラルネットワークを決定してお
き、入力画像内の全ての画素を1つの行列あるいはニュ
ーラルネットワークで、XYZ三刺激値あるいは分光反射
率を推定している。
【0027】しかし、実際に撮影する画像が限定した被
写体のみから構成されていることは稀である。例えば、
人間の上半身の画像を入力したとき、画像の多くの画素
は皮膚であるため、予め被写体を皮膚に限定して入力画
像データからXYZ三刺激値を推定する回帰行列を作成し
ておけば、皮膚のXYZ三刺激値は前記回帰行列により精
度高く推定できるが、皮膚以外の部位、例えば、眼鏡や
洋服、髪の毛などを前記回帰行列で推定すると誤差がか
なり大きくなってしまうという問題がある。
【0028】そこで、被写体を皮膚のみに限定せず、眼
鏡、洋服なども含めたより多くの被写体から回帰行列を
作成すると、皮膚以外の推定値は前記の皮膚のみによる
回帰行列を用いた場合よりも精度が上がるものの、それ
ほど高いとはいえず、一方、肝心の皮膚の推定誤差は前
記回帰行列を用いた場合よりも大きくなってしまう。こ
れは、皮膚、眼鏡、洋服など統計的性質の異なる被写体
をまとめたためである。
【0029】また、被写体を皮膚に限定した場合には、
主成分分析により分光反射率の次元数を3次元にまで落
とすことができたが、被写体を皮膚に限定せず、より多
くの被写体の分光反射率を主成分分析すると必要な次元
は3次元を超える。例えば、ジャーナル オブ オプテ
ィカルソサイエティアメリカA Vol.3 No.10 1986 ペー
ジ 1673「エバリュエイション オブ リニア モデル
ズ オブサーフェイスイズ スペクトル リフレクタン
ス ウイズ スモール ナンバーズ オブ パラメータ
ズ」には、任意の被写体の分光反射率を表現するには、
最低6次元か、8次元程度が必要であるという事実が記載
されている。そのため、バンド数が6から8より小さい
画像入力装置では、被写体を任意とした場合に分光反射
率を一意に算出することはできない。
【0030】このように、画像入力装置の画像データか
ら被写体のXYZ三刺激値や分光反射率を高精度に算出す
る方法は未だ解決されない課題となっている。
【0031】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
で、入力装置から入力されたカラー画像データを装置お
よび照明に依存しない色空間に高精度に変換する画像処
理方法を提供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明は、画像入力装置
から入力される画像の主な構成要素となる被写体の集合
を複数設定し、各集合毎に装置あるいは装置および照明
に依存しない色データを推定する手段を算出しておく。
そして、画像入力装置から入力された画像データの各画
素がどの集合に属するか、あるいは、いずれの被写体集
合にも属さないのかを判定し、判定結果に基づいて推定
手段を選択して装置あるいは装置および照明に依存しな
い色データを推定するようにしたものである。
【0033】このようにすることで、予め設定した被写
体は極めて高精度に、設定以外の被写体についてもほぼ
精度良く、入力画像データから装置あるいは装置および
照明に依存しない色データを推定することができる。
【0034】また、前記従来例で被写体を表現するのに
必要な基底の数が多くなるのは、多くの被写体をまとめ
て基底を算出しているためである。これに対し、本発明
のように被写体を小分けにして集合としておき、各集合
毎に基底を決定して推定を行うことにより、必要な基底
の数が少なくなるため、少ないバンド数の画像入力装置
でも装置あるいは装置および照明に依存しない色データ
を一意に推定することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、画像入
力装置から入力された各画像信号が属する集合を決定す
る色集合決定手段と、前記色集合決定手段によって決定
された集合毎に異なる色変換処理を選択する色変換処理
選択手段と、前記色変換処理選択手段によって選択され
た色変換処理で注目画素の色を変換する色変換処理手段
とを具備したものであり、画像入力装置から入力された
画像信号を高精度に色変換することができるという作用
を有する。
【0036】請求項2に記載の発明は、特定した被写体
から成るデータを予め集合毎に学習しておき、入力され
た画像信号の各画素の色が学習したどの集合に属するか
を判定し、集合毎に異なる色変換処理を施すようにした
ものであり、画像入力装置から入力された画像信号を高
精度に色変換することができるという作用を有する。
【0037】請求項3に記載の発明は、請求項2記載の
画像処理方法において、前記色変換処理は、入力された
画像信号を装置あるいは装置および照明に依存しない色
データに変換するようにしたものであり、画像入力装置
から入力された画像信号を装置あるいは装置および照明
に依存しない色空間に高精度に変換することができると
いう作用を有する。
【0038】請求項4に記載の発明は、請求項2または
3記載の画像処理方法において、前記色変換処理は、入
力された画像信号の各画素の色が前記集合のうちのいず
れかに属す場合は、集合毎の統計的性質を用いた方法で
色データに変換したものであり、集合に属する画像信号
は高精度に、集合に属さない画像信号も適度な精度で、
装置あるいは装置および照明に依存しない色空間に変換
することができるという作用を有する。
【0039】請求項5に記載の発明は、請求項4記載の
画像処理方法において、集合毎の統計的性質を用いた色
データへの変換は、重回帰分析を用いることを特徴とす
るものであり、集合に属する画像信号を装置あるいは装
置および照明に依存しない色空間に高精度に変換するこ
とができるという作用を有する。
【0040】請求項6に記載の発明は、請求項4記載の
画像処理方法において、集合毎の統計的性質を用いた色
データへの変換は、ニューラルネットワークを用いるこ
とを特徴とするものであり、集合に属する画像信号を装
置あるいは装置および照明に依存しない色空間に高精度
に変換することができるという作用を有する。
【0041】請求項7に記載の発明は、請求項2から6
のいずれかに記載の画像処理方法において、前記色変換
処理は、入力された画像信号の各画素の色が前記集合の
うちのいずれかに属す場合には、前記集合の統計的性質
を用いて算出した色データと、統計的に無相関であると
して算出した色データを、前記集合に属する信頼度に応
じて重み付けして色データに変換するものであり、装置
あるいは装置および照明に依存しない色データを出力装
置用の画像に変換した際に、出力画像における偽輪郭を
低減することができるという作用を有する。
【0042】請求項8に記載の発明は、請求項2から7
のいずれかに記載の画像処理方法において、各画素の色
が属する集合の判定は、各集合の成す統計的性質への合
致度により行うものであり、各画素の所属する集合を判
定することができるという作用を有する。
【0043】請求項9に記載の発明は、請求項8記載の
画像処理方法において、前記統計的性質は、平均値であ
ることを特徴とするしたものであり、各画素の所属する
集合を精度良く判定することができるという作用を有す
る。
【0044】請求項10に記載の発明は、請求項8記載
の画像処理方法において、前記統計的性質は、平均値お
よびマハラノビス距離であることを特徴とするしたもの
であり、各画素の所属する集合を高精度に判定すること
ができるという作用を有する。
【0045】請求項11に記載の発明は、請求項2から
7のいずれかに記載の画像処理方法において、各画素の
色が属する集合の判定は、ある集合に属すると仮定した
場合に得られる装置あるいは装置および照明に依存しな
い色データと、いずれの集合にも属さないと仮定した場
合に得られる装置あるいは装置および照明に依存しない
色データとの差異により行うことを特徴とするものであ
り、各画素の所属する集合を高精度に判定することがで
きるという作用を有する。
【0046】請求項12に記載の発明は、請求項2から
7のいずれかに記載の画像処理方法において、各画素の
色が属する集合の判定をニューラルネットワークにより
行うことを特徴とするものであり、各画素の所属する集
合を判定することができるという作用を有する。
【0047】請求項13に記載の発明は、請求項2から
12のいずれかに記載の画像処理方法において、前記各
集合において、集合からはずれる特異なデータを統計的
性質から判定し、前記特異データを除去した適切な集合
を用いることを特徴とするものであり、特異データを除
去することで統計的性質が明確な集合とすることができ
るため、各画素の色が属する集合を高精度に判定するこ
とができるという作用を有する。
【0048】請求項14に記載の発明は、請求項2から
12のいずれかに記載の画像処理方法において、前記集
合間の分離可能度を統計的性質から算出し、分離可能度
の高い集合を用いることを特徴とするものであり、各画
素の色が属する集合を高精度に判定することができると
いう作用を有する。
【0049】請求項15に記載の発明は、請求項14記
載の画像処理方法において、前記分離可能度は、画像デ
ータ空間において各集合の成す部分空間の独立度である
ことを特徴とするものであり、各画素の色が属する集合
を高精度に判定することができるという作用を有する。
【0050】請求項16に記載の発明は、請求項14記
載の画像処理方法において、前記分離可能度は、装置あ
るいは装置および照明に依存しない色空間において各集
合の成す部分空間の独立度であることを特徴とするもの
であり、各画素の色が属する集合を高精度に判定するこ
とができるという作用を有する。
【0051】以下、本発明の実施の形態について図面を
参照して詳細に説明する。
【0052】(実施の形態1)本発明は、画像入力装置
から入力される画像の主な構成要素となる被写体の集合
を複数設定し、各集合毎に装置あるいは装置および照明
に依存しない色データを推定する手段を算出しておく。
そして、画像入力装置から入力された画像データの各画
素がどの集合に属するか、あるいは、いずれの被写体集
合にも属さないのかを判定し、判定結果に基づいて推定
手段を選択して装置あるいは装置および照明に依存しな
い色データを推定することで、装置あるいは装置および
照明に依存しない色データの高精度な推定を行うもので
ある。
【0053】一般に、高精度に色データを推定するに
は、センサのバンド数を増やすことが考えられる。セン
サを増やす理由は、次の2点にある。第1に、被写体の
分光反射率を表現するのに必要な基底の数が多い場合に
も、カメラのバンド数をそれと同数にすることで、基底
係数を一意に算出することができるようになる。
【0054】また、第2に、異なる分光反射率を持つ被
写体が、画像入力装置の同一の信号値となってしまう可
能性を減らす。これをセンサメタメリズムという。
【0055】しかし、マルチバンド化により、画像入力
装置は高価なものとなるため、できるだけ少ないバンド
数の画像入力装置で被写体のXYZ三刺激値や分光反射率
を推定することが望ましい。被写体に必要な基底の数が
多くなるのは、多くの被写体をまとめて基底を求めてい
るためである。
【0056】これに対し、本発明では、被写体を小分け
にカテゴリに分類しておき、各カテゴリ毎に色データを
推定する。このようにすることで、少ないバンド数の画
像入力装置でも被写体の高精度な推定が可能となり、上
記第1の問題点はバンド数を増やさずとも解決できる可
能性が高まる。
【0057】なお、上記第2の問題点であるセンサメタ
メリズムの減少は、それ相応のバンド数の増加が必要に
なるであろう。
【0058】そこで、本実施の形態では、最も一般的な
画像入力系として、RGB3バンドの出力を持つデジタルカ
メラを想定し、RGB画像データから装置および照明に依
存しないデータである被写体の分光反射率を推定する方
法について説明する。また、説明を簡単にするために、
カテゴリ数を2とした場合を取り上げる。
【0059】図1は、実施の形態1にかかる入力装置の
RGB画像データから分光反射率画像データを推定する画
像処理装置のブロック図である。
【0060】図1において、101はRGB3バンドの
画像データを取得する画像入力装置、102は入力画
像、103は入力画像102を記憶する入力画像記憶
部、104は入力画像102の各画素の処理制御を行う
全体制御部、105は全体制御部104の指示により入
力画像記憶部103から読み出された各画素の画素値で
ある注目画像データ、106は注目画像データ105か
ら非線形性を除去する非線形性除去部、107は非線形
性除去部106によって得られる非線形性を除去した画
像データであり、これを以降、スカラー画像データと呼
ぶことにする。108はスカラー画像データ107が所
属するカテゴリを判定するカテゴリ判定部、109はカ
テゴリ判定部108で判定されたカテゴリ信号、110
はカテゴリ信号109に応じて分光反射率推定に用いる
パラメータを読み出す指示となる処理選択信号111を
出力する処理選択部、111は処理選択部110から出
力される処理選択信号、112は予め算出された各カテ
ゴリ毎の分光反射率推定パラメータを記憶しておくパラ
メータ記憶部、113は処理選択信号111の指示によ
ってパラメータ記憶部から読み出された推定パラメー
タ、114は推定パラメータ113を用いて分光反射率
推定を行う分光反射率推定部、115は推定された注目
画像データの分光反射率データ、116は注目画像デー
タ105の分光反射率推定が終了したことを指示する制
御信号、117は分光反射率データを記録する画像記録
部、118は画像処理装置、119は画像処理装置から
出力される分光反射率画像である。
【0061】図1の画像処理装置の動作を説明する。画
像入力装置101から入力された画像データ102は、
入力画像記憶部103に記憶される。そして、全体制御
部104の指示により、入力画像記憶部103から順
次、画素値が非線形除去部106へ注目画像データ10
5として読み出される。非線形性除去部106では、注
目画像データ105をスカラー画像データ107に変換
する。
【0062】次に、スカラー画像データが既に記憶され
ている複数のカテゴリのうちいずれのカテゴリに属する
か、あるいは、いずれのカテゴリにも属さないのかを判
定し、判定結果をカテゴリ信号109として出力する。
処理選択部110はカテゴリ信号109を受け、判定さ
れたカテゴリ用の分光反射率推定パラメータをパラメー
タ記憶部112から読み出す。パラメータ記憶部112
には、予め各カテゴリ用の分光反射率推定パラメータが
格納されている。
【0063】分光反射率推定部114では、パラメータ
記憶部112から読み出された推定パラメータ113を
用いてスカラー画像データ107から分光反射率を推定
する。得られた分光反射率データ115は画像記録部1
17に記録される。これら一連の処理が注目画像データ
105に対して、終了すると、分光反射率推定部は処理
の終了を意味する制御信号116を全体制御部104に
出力する。全体制御部104では制御信号116を受け
ると、次の処理対象となる画像データを入力画像記憶部
103から注目画像データ105として読み出す。以上
を入力画像102の画素全体に対して繰り返す。
【0064】次に、非線形除去部106の詳細な動作の
例を示しておく。
【0065】非線形性除去部106における処理は、例
えば、マルチレイヤーパーセプトロンを用いて行うこと
ができる。マルチレイヤーパーセプトロンは、ニューラ
ルネットワークの一つで、ニューロンのパラメータであ
る重みと閾値を予め学習しておき、その学習によって得
られたパラメータを用いて推定を行う。ここで用いるマ
ルチレイヤーパーセプトロンは、入力を画像データ、出
力を画像データから非線形性が除去されたデータ、すな
わち、スカラー画像データとするものである。
【0066】このようなマルチレイヤーパーセプトロン
のパラメータ学習手順について図2を用いて説明する。
手順201で複数の色から構成された色票の画像データ
と測色値を予め取得しておく。次に、手順202で前記
色票の測色値から画像入力装置101の信号発生モデル
を用いて予測される理想的な画像データを算出する。次
に、手順203で画像データ102を入力データとし、
理想的な画像データを教師データとして重みと閾値を学
習する。
【0067】手順202における理想的な画像データの
算出方法について詳細を説明する。理想的な画像データ
は画像入力装置101の信号発生モデルに色票の測色値
を代入することで求めることができる。信号発生モデル
は、被写体の分光反射率R(λ)と照明の分光分布S(λ)と
画像入力装置101のRGB3バンドの分光感度CR(λ)、
CG(λ)、CB(λ)を用いて、(数5)で書くことがで
きる。画像入力装置101の分光感度と照明の分光分布
は既知とする。
【0068】
【数5】
【0069】(数5)のR(λ)に色票の分光反射率を代
入して得られるR',G',B'が理想的な画像データとなる。
(数5)の信号発生モデルの説明図を図3に示す。図3
において、301は信号発生モデルに代入する色票の分
光反射率、302は既知の画像入力装置101の分光感
度特性、303は画像データ102撮影時の照明特性、
304は(数5)の信号発生モデル、305は色票の理
想画像データである。図3に示すように、信号発生モデ
ルすなわち(数6)に、画像入力装置101の分光感度
特性302、及び、照明特性303、及び、被写体の分
光反射率301を与えることにより、被写体の理想画像
データ305が得られる。
【0070】
【数6】
【0071】次に、以上のようにして学習された重みと
閾値のニューラルネットワークによる推定手順を説明す
る。
【0072】非線形性除去部106において、学習済み
のニューラルネットワークに注目画像データ105を入
力する。これにより、ニューラルネットワークの出力に
スカラー画像データ107が得られる。以上で、非線形
性除去部106の動作説明を終える。
【0073】次に、本発明の特徴となるカテゴリ判定部
108の動作の詳細について説明する。
【0074】特定した被写体から成るカテゴリは、図1
における画像処理の動作前に予め設定しておく。カテゴ
リは、分光反射率を特に高精度に推定したいものを対象
としておくとよい。例えば、色再現上重要であると考え
られているものに、肌、草の緑などがあるので、カテゴ
リ1として人間の肌、カテゴリ2として草の緑というよ
うに設定する。
【0075】カテゴリを設定したら、各カテゴリ毎の統
計的性質を算出しておく。カテゴリ毎の統計的性質の算
出手順について図4を用いて説明する。
【0076】手順401で、カテゴリに属する被写体の
複数の画像データを取得する。例えば、皮膚であれば、
図5に示すように、肌を実際を入力してもよいし、肌の
反射率を分光的に再現した色票を入力してもよい。
【0077】手順402で、非線形除去部106と同様
の処理で、画像データからスカラー画像データを算出し
ておく。手順403でスカラー画像データの平均値と分
散を算出し、得られた平均値と分散をカテゴリの統計的
性質として記憶する。
【0078】手順404で判定関数を作成する。判定関
数について説明する。
【0079】まず、カテゴリに属するデータは手順40
2で得られた平均と分散で表現される正規分布に従って
いると仮定する。正規分布の式を(数6)に示す。
【0080】(数6)において、NはfGauss(μ)であ
り、fGauss(μ)のときに1となるように正規化するため
に導入した係数である。画像入力装置101が3バンド
の場合、各バンド毎に(数6)を作成しfR(x),fG(x),fB
(x)とし、それらの積を判定関数とし、(数7)で表
す。
【0081】
【数7】
【0082】以上で、各カテゴリ毎に判定関数が得られ
る。
【0083】次に、上記手順で得られた判定関数を用い
て行われるカテゴリ判定部108の動作手順を図6を用
いて説明する。
【0084】手順601で、各カテゴリの判定関数(数
7)にスカラーRGB画像データ(R',G',B')を代入して
判定関数値を算出する。手順602で、判定関数値が最
も大きいカテゴリをカテゴリ候補とする。手順603
で、手順602で得られたカテゴリ候補が適正であるか
判定する。入力されたスカラーRGB画像データ(R',G',
B')が、候補カテゴリの平均値(μR'G'B')に近け
れば、適正であると判定する。
【0085】手順603の具体的な計算手順について説
明する。まず、R'の正規分布関数fR(x)が、例えば80パ
ーセントの信頼区間を示す値を上限閾値Ru、20パーセ
ント信頼区間を示す値を下限閾値をRlとする。このよう
にして、G',B'についても同様に、上限および下限の閾
値を算出しておき、入力されたスカラーRGB画像データ
(R',G',B')が閾値内にあれば、スカラー画像データは
手順602で得られたカテゴリ候補に属すると判定さ
れ、閾値外であれば、いずれのカテゴリにも属さないと
判定される。
【0086】以上のカテゴリ判定方法では、スカラー画
像データの空間内で、R',G',B'それぞれの値が、カテゴ
リの示す平均値に近いかどうかだけで判定を行った。そ
のため、R',G',B'それぞれの相関関係は考慮されていな
い。R',G',B'の相関関係を考慮すれば、より高精度なカ
テゴリ判定ができる。
【0087】R',G',B'の相関関係も考慮したより高精度
なカテゴリ判定方法として、上記の正規分布による判定
に加え、マハラノビス距離による判定を加えた方法を説
明する。
【0088】マハラノビス距離は、(数8)で定義され
る。(数8)において、ΣはスカラーRGB画像データの
相関行列、μはスカラーRGB画像データの平均ベクト
ル、xは判定すべきスカラーRGB画像データベクトルで
ある。
【0089】
【数8】
【0090】(数8)のg(x)によれば、入力されたスカ
ラーRGB画像データxのカテゴリからの距離は、相関行
列Σによって正規化されるため、R',G',B'相互の関係を
考慮した判定値を得ることができる。しかし、平均値μ
を引いて、R',G',B'の各値の絶対的な情報を除去してい
るため、(数8)のみでカテゴリ判定を行うことはでき
ない。(数8)と(数7)を併用する必要がある。(数
8)による判定と(数7)による判定の両方を加味した
新しい判定値として(数9)のh(x)を定義する。
【0091】
【数9】
【0092】(数9)において、xは任意のスカラーRGB
画像データベクトルであり、f(x)は(数7)のf(R',G',
B')を意味する。(数7)のf(x)は値が大きいほど、一
方、(数8)のマハラノビス距離g(x)は値が小さいほど
カテゴリに属する可能性が高いため、(数9)のh(x)は
値が大きいほどカテゴリに属する可能性が高く、(数
8)と(数9)の両方の判定基準を考慮した値となって
いる。
【0093】以上の説明における判定関数h(x)を用いて
行われるカテゴリ判定部108の動作手順を図7を用い
て説明する。
【0094】手順701で、各カテゴリの判定関数h
(x)(数9)にスカラーRGB画像データ(R',G',B')
を代入して判定関数値を算出する。手順702で、判定
関数値が最も大きいカテゴリをカテゴリ候補として得
る。手順703で、手順603と同様の閾値判定を行
う。すなわち入力されたスカラー画像データR',G',B'の
それぞれが、上限および下限の閾値内にあればスカラー
画像データは手順702で得られたカテゴリ候補に属す
ると可能性があると判定され手順704へ進む。閾値外
であれば、いずれのカテゴリにも属さないと判定され
る。
【0095】次に、手順704で、カテゴリ候補の適正
度をマハラノビス距離で判定する。一般に、xがm次の
正規分布に従うときマハラノビス距離g(x)は自由度
mのχ二乗分布に従うことが知られている。そこで、自
由度mのχ二乗分布の分布関数において95パーセント信
頼区間を示す値をgthreとして予め求めておき、g
(x)がgthreよりも小さければ、カテゴリ候補に属す
ると判定され、大きければ、いずれのカテゴリにも属さ
ないと判定される。以上で、カテゴリ判定部108の動
作説明を終える。
【0096】次に、本発明のもう1つの特徴となる処理
選択部110、パラメータ記憶部112、分光反射率推
定部114の動作の詳細について説明する。
【0097】本発明は、カテゴリ判定部108で判定さ
れたカテゴリ毎に、分光反射率の推定行列が異なる点に
特徴がある。
【0098】各カテゴリ毎の推定行列は、パラメータ記
憶部112に予め格納されており、処理選択部110は
カテゴリ判定部から判定されたカテゴリ信号109を受
けると、パラメータ記憶部112に格納されている複数
の推定行列のうち、判定されたカテゴリ用の行列を読み
出し、分光反射率推定部114に渡す。分光反射率推定
部114は、指定された行列を用いて、スカラー画像デ
ータ107から被写体の分光反射率を推定する。
【0099】分光反射率の推定は、(数5)の左辺(R',
G',B')にスカラー画像データ107を代入したときに分
光反射率R(λ)を求めることで行う。
【0100】(数5)において、スカラー画像データと
分光反射率は線形な関係にあるから、(数5)を離散的
な行列表現に書きかえれば(数10)となる。
【0101】
【数10】
【0102】(数10)の左辺はスカラー画像データ1
07、(R1,R2,…,Rn)Tは被写体の分光反射率の離散的表
現であり、各成分は例えば、400nmから700nmの10nmおき
の各波長における反射率を表す。行列Aは画像入力装置
101の分光感度と照明の分光分布によって決まる行列
である。
【0103】(数10)を用いて、スカラー画像データ
107から被写体の分光反射率Rを推定する問題は線形
逆問題であり、画像データが例えばRGB3バンドの場
合、(R1,R2,…,Rn)Tは次元数が3よりも格段に大きく推
定することが難しい。
【0104】この問題を解決する方法として、例えば、
被写体の分光反射率をnよりも低次の基底関数で表現す
る方法がある。この方法によれば、求めるべきデータの
次元数を減らすことができる。
【0105】例えば、基底関数を3次元O1(λ),O2(λ),
O3(λ)とすれば、(数5)は(数11)に書き換えるこ
とができ、推定すべきデータは(a,b,c)の3次のベクト
ルとなる。従って、(数10)は(数12)に書き換え
ることができる。(数12)において、行列Bは、画像
入力装置101の分光感度と照明の分光分布と上記基底
関数により決まる行列である。
【0106】
【数11】
【0107】
【数12】
【0108】基底関数としては、例えば、雑誌カラーリ
サーチアンドアプリケーション、ボリューム19、ナンバ
ー1、1994年、ページ4から9のヴィーヘル著「メジャ
メント アンド アナリシス オブ オブジェクト リ
フレクタンス スペクトラ」記載のものを用いることが
できる。この基底関数は、自然被写体、人工被写体の多
くを計測して算出したものであるため、非常に汎用的な
基底関数であるといえる。
【0109】あるいは、マクベスチャートの分光反射率
を測定し、得られた分光反射率を主成分分析して、上位
数成分の主成分ベクトルを基底関数として用いてもよ
い。
【0110】このようにして得られた(数12)は特に
被写体を限定したものではなく、理想的には、あらゆる
被写体で成り立つ。また、行列Bは正方行列であるた
め、一意な解を得ることができ、精度もあらゆる被写体
でほぼ同程度のものとなる、しかし、基底関数が3次で
すべての被写体を表すことはできないこと、被写体が完
全拡散である仮定の上に成り立つ式であること、更にノ
イズが考慮されていないことから、高精度な推定は不可
能である。
【0111】一方、被写体が限定されたときには、上記
のように信号発生モデル(数5)を解くよりも、被写体
に関する画像データと分光反射率データの統計的性質か
ら推定を行う重回帰分析やニューラルネットワークの方
が高精度な解が得られる。ただし、この場合は、限定し
た被写体については極めて高精度な推定が得られるもの
の、それ以外の被写体については誤差が極めて大きくな
る。
【0112】そこで、本発明では、限定した被写体のカ
テゴリについては、重回帰分析やニューラルネットワー
クなどを用いて高精度な推定方法を予め用意しておく。
そして、入力された画像内の各画素が限定した被写体の
ものであるかをカテゴリ判定部108で判定し、カテゴ
リに属すると判定されれば、前記重回帰分析やニューラ
ルネットワークなどを用いたカテゴリ用の推定を行い、
いずれのカテゴリにも属さないと判定されれば、(数1
2)による推定を行う。
【0113】本処理の説明図が図8に示す。図8では、
カテゴリ判定部108によって判定されたカテゴリ信号
109によって、用いる推定方法を変更する(手順80
1)。カテゴリ信号109がカテゴリ1、あるいはカテ
ゴリ2であれば、重回帰分析あるいはニューラルネット
ワークによる被写体に特化した推定を行い(手順80
2,手順803)、いずれのカテゴリでもなければ、
(数12)で推定を行う(手順804)。
【0114】このようにすることで、特定した被写体に
ついては、極めて高精度な推定が可能となり、それ以外
の被写体についてもほぼ精度の良い解を得ることができ
る。
【0115】次に、カテゴリ毎の推定方法について説明
する。
【0116】カテゴリ毎の推定方法には複数考えられる
が、ここでは、重回帰分析による方法とニューラルネッ
トワークによる方法の2種類について説明する。
【0117】まず、重回帰分析を用いた方法を図9を用
いて説明する。
【0118】手順901で、カテゴリに属する被写体の
複数の画像データを画像入力部から得ておき、また、測
色計を用いて分光反射率データを得ておく。この様子を
図5に示す。手順902で、非線形除去部106と同様
の処理で画像データをスカラー画像データに変換する。
手順903で、分光反射率データを基底係数に変換にす
る。基底関数は、(数12)と同じくヴィーヘルらのも
のを用いてもよいし、あるいは、カテゴリに属する複数
の被写体の分光反射率を主成分分析して、上位数成分の
主成分ベクトルを用いてもよい。後者の場合は、基底関
数も、カテゴリに特化したものとなるため、表現精度は
高くなる。手順904で重回帰分析により画像データか
ら分光反射率データの基底係数を推定する行列を作成す
る。
【0119】手順904の詳細を説明する。手順902
で算出した複数のスカラー画像データを縦ベクトルとし
て、データ数分横に並べた行列をX、手順903で算出
した分光反射率の基底係数を縦ベクトルとして、データ
数分横に並べた行列をRとおくと、画像データから基底
係数を推定する行列Mは(数13)で表される。(数1
3)において、Rxxは相関行列を表す。例えばRRXはTと
Xの相関行列であり、(数14)で定義される。
【0120】
【数13】
【0121】
【数14】
【0122】(数13)は推定される基底係数と、手順
903で算出された基底係数との誤差が最小となるよう
に決定された行列である。
【0123】以上の手順によって得られた行列Mを用い
て、任意のスカラー画像データx=(R',G',B')tから分光
反射率の基底係数r=(a,b,c)tを(数15)で推定する。
【0124】
【数15】
【0125】得られた基底係数から分光反射率を算出す
る。以上で、重回帰分析によるカテゴリ毎の推定行列の
作成方法についての説明を終える。
【0126】ここで、カテゴリ毎の推定行列(数13)
および(数15)と、いずれのカテゴリにも属さないと
判定された場合に用いる推定行列(数12)の関係につ
いて説明しておく。
【0127】画像入力装置101の各バンドの感度を縦
ベクトルとして並べた行列をC、基底関数を縦ベクトル
として並べた行列をPとおくと、画像入力装置101の
信号発生モデルの(数5)は、(数16)のように書く
ことができる。ここで、Xは手順902で算出した複数
のスカラー画像データを縦ベクトルとしてデータ数分横
に並べた行列、Rは手順903で算出した分光反射率の
基底係数を縦ベクトルとしてデータ数分横に並べた行列
である。
【0128】
【数16】
【0129】(数15)に、(数13)および(数1
6)を代入すると(数17)となる。
【0130】
【数17】
【0131】(数17)において、被写体を限定しない
と、分光反射率の基底係数の相関行列RRRは単位行列で
あるとみなせるので、(数18)となる。(数18)に
おいて+はムーアペンローズの一般逆行列を意味する。
基底関数を画像入力装置のバンド数を同じ3次まで用い
ることにすれば、PtCは対称行列となるから、通常の逆
行列で解くことができる。
【0132】
【数18】
【0133】(数13)と(数12)で用いる基底関数
が同じものであれば、(数18)は(数12)と等価に
なることに注意して欲しい。すなわち、カテゴリ毎の推
定行列(数13)、(数15)において、基底係数の相
関行列を単位行列とした場合が、(数12)の信号発生
モデル解に相当するのである。
【0134】次に、カテゴリ毎の推定方法のもう1つの
方法であるニューラルネットワークについて説明する。
【0135】まず、ニューラルネットワークの学習手順
を図10を用いて説明する。手順1001で、カテゴリ
に属する複数の被写体の画像データを画像入力装置から
得ておき、また、測色計を用いて分光反射率データを得
ておく。この様子を図5に示す。手順1002で非線形
除去部106と同様の処理で画像データをスカラー画像
データに変換する。手順1003で、分光反射率データ
を基底係数に変換にする。基底関数は、(数12)と同
様にヴィーヘルらのものを用いてもよいし、あるいは、
カテゴリに属する複数の被写体の分光反射率を主成分分
析して、上位数成分の主成分ベクトルを用いてもよい。
後者の場合、基底関数も、カテゴリに特化したものとな
るため、表現精度は高くなる。
【0136】次に、手順1004でスカラー画像データ
から分光反射率の基底係数を推定するニューラルネット
ワークの閾値と重みの学習を行う。ニューラルネットワ
ークは多層パーセプトロンとし、入力データを手順10
02で算出したスカラー画像データ、教師データを手順
1003で算出した基底係数として学習を行う。
【0137】以上の学習によって得られた閾値と重みを
持つニューラルネットワークに、任意のスカラー画像デ
ータを入力すれば、出力として分光反射率基底係数が得
られる。その後、得られた基底係数を分光反射率に変換
する。
【0138】以上で図1の画像処理装置の各部の動作の
説明を全て終える。
【0139】本画像処理装置がなるべく効率良く動作す
るためには、2つの重要な点がある。一つは、手順40
1や手順901、あるいは手順1001で取得するデー
タが1つのカテゴリを成すものとして適切かどうか、す
なわち、カテゴリからはずれるような特異なデータが含
まれていないか、もう一つは、カテゴリ同志が分離可能
なものであるかどうかである。
【0140】そこで、まず、手順401、901、10
01で取得するカテゴリ内のデータの特異性の判定方法
について図11を用いて説明する。
【0141】まず、手順1101で、手順401あるい
は901、1001で取得した画像データを非線形除去
部106と同様の処理でスカラー画像データに変換す
る。手順1102で、得られたスカラー画像データの平
均μと相関行列Σを算出する。手順1103で、各スカ
ラー画像データのマハラノビス距離g(x)を(数8)で求
め、マハラノビス距離が閾値よりも大きいデータは特異
であると判定する。このようにして、特異であると判定
されたデータは、カテゴリ内のデータから除くようにす
ればよい。
【0142】手順1103で用いる閾値は、例えば、次
のように求めておく。一般に、xがm次の正規分布に従
うときマハラノビス距離g(x)は自由度mのχ二乗分
布に従うことが知られている。そこで、自由度mのχ二
乗分布の分布関数において95パーセント信頼区間を示す
値をgthreとして予めもとめておき、g(x)がgth re
よりも大きければ、特異なデータであると判定する。
【0143】以上のデータの特異性の判定は、スカラー
RGB空間上で行ったが、全く同様の処理を分光反射率
空間上で行うか、あるいは、分光反射率の基底係数空間
上で行ってもよい。例えば、基底係数空間上で行う場合
には、手順401、901、1001で取得した分光反
射率データを、3次の基底係数に変換し、手順110
2、1103のスカラー画像データの代わりに基底係数
を用いて全く同じ処理を行えばよい。
【0144】ただし、これらの実験を行ったところ、ス
カラー画像データ空間上で判定された特異データは、
(数13)および(数15)による推定結果の悪いデー
タと良く一致しているため、基底係数空間よりもスカラ
ー画像データ空間の方が適切な判定を行うことができ
た。以上で、データの特異性判定についての説明を終え
る。
【0145】次に、もう一つの重要なポイントであるカ
テゴリ同志の分離可能性の判定方法について説明する。
カテゴリとして十分に分離可能なものであるほど、正確
なカテゴリ判定を行うことができる。例えば、色が似通
ったものである、赤いバラと赤い色票を異なるカテゴリ
として設定しても、それらの色を画像入力装置101が
同一の信号値として捕らえてしまえば、分離することは
できない。すなわち、分離可能性が低いといえる。
【0146】カテゴリの分離可能度は、スカラーRGB
空間上で、各カテゴリのデータが群を成しているかどう
かに依っている。それを判定する基準は、次の3点にな
る。
【0147】「分離判定基準1」 カテゴリの閾値Rl
Ru、GlとGu、BlとBuが成す区間が互いに交わっていない
こと 「分離判定基準2」 各カテゴリのスカラー画像データ
を相関行列で主成分分析した結果、2次までの寄与率が
高いこと 「分離判定基準3」 各カテゴリのスカラー画像データ
の2次までの主成分ベクトルが成す平面同志の角度がな
るべく大きいこと これら3つのうちの、どれもが満足されていればいるほ
ど、カテゴリの分離可能性は高く、ひいては、カテゴリ
判定を正確に行い、推定精度を向上させることができる
ようになる。
【0148】以上のカテゴリ分離可能度の算出を、スカ
ラーRGB空間上で行う手順について図12を用いて説明
する。
【0149】手順1201で、まず分離判定基準1であ
る閾値RlとRu、GlとGu、BlとBuがそれぞれ成す区間が互
いのカテゴリで交わっていないかを判定する。次に、手
順1202で各カテゴリ毎に画像データをスカラー画像
データに変換する。手順1203で、各カテゴリ毎にス
カラー画像データの相関行列を求め、相関行列を用いて
主成分分析する。手順1204で、分離判定基準の2点
目をチェックする。具体的には、各カテゴリ毎の主成分
分析の結果、(センサバンド数―1)次までの寄与率を
算出する。寄与率が高ければ、カテゴリ分離可能性が高
い。
【0150】次に、手順1205で、各カテゴリの最低
固有値に対応する主成分ベクトルを求める。なぜなら、
主成分ベクトルのうち、固有値が最も小さいものに対応
する主成分ベクトルは、(センサバンド数―1)次まで
の主成分ベクトルが成す平面の法線ベクトルになってい
るからである。手順1206で、分離判定基準の3点目
となる各カテゴリの法線ベクトル同志の成す角度を求め
る。各法線ベクトルを正規化しておけば、角度は、内積
で求めることができる。角度が大きければ、分離可能性
が高い。
【0151】以上の手順は、スカラーRGB空間上にお
いて行ったが、全く同じ操作を分光反射率空間か、ある
いは分光反射率の基底係数空間で行っても良い。ただ
し、基底係数空間上で行う場合には、各カテゴリで用い
る基底関数は当然同じものとしておく必要がある。
【0152】なお、分光反射率の基底係数空間で行う場
合、手順1203で用いる相関行列は、(数17)にお
ける基底係数の相関行列RRRと等価である。
【0153】図1の画像処理装置のシステム応用例を図
13に示す。図13において、1301が画像入力装置
101、1302が画像処理装置118、1303がデ
ィスプレイ、1304がプリンタである。画像入力装置
1301で被写体1304の画像が入力され、画像処理
装置1302内の処理により分光反射率画像119が出
力される。分光反射率画像119はディスプレイ130
3あるいはプリンタ1304に渡され、各装置の信号に
変換されてからディスプレイ1303上に表示された
り、あるいは、プリンタ1304から出力される。分光
反射率画像119から各装置への信号の変換は、ディス
プレイ1302あるいはプリンタ1303の内部のCP
Uで行ってもよいし、あるいは、別途のパーソナルコン
ピュータなどの演算処理装置で行ってからディスプレイ
1302あるいはプリンタ1303に渡してもよい。ま
た、画像処理装置1302の処理をすべて、画像入力装
置1301内部のCPUで行ってもよい。
【0154】このような図13のシステムでは、入力さ
れた画像を一度、装置あるいは装置および照明に依存し
ない色データに変換してから、各出力装置の信号に変換
することで、被写体の本当の色をディスプレイやプリン
タに出力することができるようになる。
【0155】この応用例のように、得られた分光反射率
画像119をディスプレイやプリンタに出力して、人間
が観察する場合には、各カテゴリの領域の境界で偽輪郭
が生じることがある。これは、各画素毎にカテゴリ判定
をして異なる方法で分光反射率を推定したことに因る。
【0156】このような問題を解決するためには、次の
ような方法をとればよい。
【0157】各画素があるカテゴリに属すると判定され
た場合には、これまで説明したように、カテゴリ用に用
意された行列(数13)および(数15)、あるいはニ
ューラルネットワークで分光反射率データを推定する
が、別途、いずれのカテゴリでもない場合の推定方法
(数12)でも分光反射率データを推定しておき、これ
ら両推定方法によるデータをカテゴリに属する信頼度で
重み付けした結果を、最終的な分光反射率データとすれ
ばよい。
【0158】カテゴリに属する信頼性は例えば、(数1
9)あるいは(数20)で算出する。(数19)におい
て、f(x)は手順601で算出したカテゴリの判定関数
値、g(x)は手順701で算出したマハラノビス距離、g
threは手順704で使用したカイ二乗分布によるマハラ
ノビス距離の閾値である。
【0159】
【数19】
【0160】
【数20】
【0161】得られた重みにより、カテゴリ用に用意さ
れた行列(数13)、(数15)あるいはニューラルネ
ットワークで推定した分光反射率データrcategory(x)
と、いずれのカテゴリでもない場合の(数12)による
推定解rgeneral(x)を(数21)で融合し、得られたr
(x)を最終的な分光反射率データ115として画像記録
部117に出力する。
【0162】
【数21】
【0163】なお、本実施の形態では、RGB3バンドの
画像入力部について説明を行っているが、フィルタをRG
Bだけでなく、より数多く増やした場合にも本手法を同
様に適用することができる。また、画像入力部はデジタ
ルカメラだけでなく、スキャナや、アナログ出力をデジ
タイズしたデータとしてもよいし、更に動画の各画像に
本処理を適用してもよい。
【0164】また、本発明は、図1における画像処理装
置の動作をCDROMに記憶し、CDROMに記憶して
あるプログラムをPC上のRAMにダウンロードし、PC
上のCPUに色推定手段の処理を行わせるものである。ま
たは、画像入力装置内のROMに記憶しておき、画像入力
装置内のCPUに前記手段の処理を行わせるものである。
この場合には、画像入力装置から出力される画像データ
は、入力装置に固有の色空間表示ではなく、装置あるい
は装置及び照明に依存しない色空間の画像データとなる
ため、従来のようにコンピュータ上に色推定手段をイン
ストールする手間が省けるため、コンピュータや色変換
に詳しくない一般ユーザーにも簡易に扱うことができる
という利点を持つ。ただし、入力装置のRGB画像データ
の取得も、モードを変えることでできるようにしておく
と、従来装置との整合性もとれて良い。
【0165】以上のように、本実施の形態によれば、画
像入力装置から入力される画像の主な構成要素となる被
写体の集合を複数設定し、各集合毎に装置あるいは装置
および照明に依存しない色データを推定する手段を算出
しておく。そして、画像入力装置から入力された画像デ
ータの各画素がどの集合に属するか、あるいは、いずれ
の被写体集合にも属さないのかを判定し、判定結果に基
づいて推定手段を選択して装置あるいは装置および照明
に依存しない色データを推定することで、高精度な推定
を行うことができる。
【0166】(実施の形態2)実施の形態1では、各画
素が属するカテゴリの判定を、カテゴリに属するデータ
の統計的な性質、例えば平均値やマハラノビス距離を用
いて行った。それに対し、実施の形態2では、ある集合
に属すると仮定した場合に変換される装置あるいは装置
および照明に依存しない色と、いずれの集合にも属さな
いと仮定した場合に変換される装置あるいは装置および
照明に依存しない色との差異から判定する方法を開示す
る。
【0167】本発明の実施の形態2における画像処理装
置のブロック図を図14に示す。例としてここでは、予
め設定するカテゴリの数は2つとする。
【0168】図14において、1401はRGB3バン
ドの画像データを取得する画像入力装置、1402は入
力画像、1403は入力画像1402を記憶する入力画
像記憶部、1404は入力画像1402の各画素の処理
制御を行う全体制御部、1405は全体制御部1404
の指示により入力画像記憶部から読み出された各画素の
画素値である注目画像データ、1406は注目画像デー
タ1405から非線形性を除去する非線形性除去部、1
407は非線形性除去部1406によって得られる非線
形性を除去した画像データであり、これを以降、スカラ
ー画像データと呼ぶことにする。1408は予め算出さ
れた各カテゴリ毎の分光反射率推定パラメータを記憶し
ておくパラメータ記憶部、1409はパラメータ記憶部
1408から読み出された分光反射率推定時に用いる推
定パラメータ、1410は推定パラメータ1409を用
いて分光反射率推定を行う分光反射率推定部であり、こ
こでは、注目画像データ1405がカテゴリ1、カテゴ
リ2、あるいはカテゴリ1,2のいずれにも属さないと
それぞれ仮定して3通りの分光反射率データを推定す
る。1411、1412、1413はいずれも分光反射
率推定部1410で推定された分光反射率データであ
り、1411は注目画像データ105がカテゴリ1に属
すると仮定して推定を行った場合に得られる分光反射率
データ、1412は注目画像データ105がカテゴリ2
に属すると仮定して推定を行った場合に得られる分光反
射率データ、1413は注目画像データ105がカテゴ
リ1、2いずれのカテゴリにも属さないと仮定して推定
を行った場合に得られる分光反射率データである。14
14はスカラー画像データ1407が所属するカテゴリ
を判定し最終的な分光反射率データを決定するカテゴリ
判定部、1415は推定された分光反射率データ、14
16は注目画像データ1405の分光反射率推定が終了
したことを支持する制御信号、1417は分光反射率デ
ータを記録する画像記録部、1418は画像処理装置、
1419は画像処理装置1418から出力される分光反
射率画像である。
【0169】図14の画像処理装置の動作を説明する。
【0170】画像入力部1401から入力された画像1
402は、入力画像記憶部1403に記憶される。そし
て、全体制御部1404の指示により、入力画像記憶部
1403から画素値が非線形除去部1406へ注目画像
データ1405として順次読み出される。非線形性除去
部1406では、注目画像データ1405をスカラー画
像データ1407に変換する。
【0171】次に、分光反射率推定部1410では、注
目画像データ1405がカテゴリ1、カテゴリ2、ある
いはカテゴリ1,2のいずれにも属さないとそれぞれ仮
定して3通りの分光反射率データをスカラー画像データ
1407から算出する。その際に用いる推定パラメータ
1409は予めパラメータ記憶部1408に格納されて
いるので、これを読み出して用いる。カテゴリ判定部1
414は、得られた3通りの分光反射率データを用い
て、注目画像データ1405が所属するカテゴリを判定
し、最終的な分光反射率データを決定して、出力する。
得られた分光反射率データ1415は画像記録部141
7に記録される。
【0172】これら一連の処理が注目画像データ140
5に対して、終了すると、カテゴリ判定部1414は処
理の終了を意味する制御信号1416を全体制御部14
04に出力する。全体制御部1404では制御信号14
16を受けると、次の処理対象となる画像データを入力
画像記憶部1403から注目画像データ1405として
読み出す。以上を入力画像1402の画素全体に対して
繰り返す。
【0173】図14のブロック図の各部の詳細な動作の
うち、非線形除去部1406の動作は、実施の形態1に
おける非線形除去部106の動作と全く同じである。
【0174】分光反射率推定部1410の動作について
説明する。実施の形態1の分光反射率推定部114で
は、すでに決定されたカテゴリに基づき、そのカテゴリ
特化した推定方法で分光反射率データを推定していた。
それに対し本実施の形態では、注目画像データがカテゴ
リ1に属す場合、カテゴリ2に属す場合、あるいは、い
ずれのカテゴリにも属さない場合の3種類を仮定して、
これらすべての場合における分光反射率データを推定す
る点が異なる。これらの具体的な推定方法は、実施の形
態1に記述した方法と変わらない。
【0175】最後に、本発明の特徴となるカテゴリ判定
部1414の動作の詳細について説明する。
【0176】カテゴリ1あるいは2に属すると仮定した
場合に得られる分光反射率データは、重回帰分析やニュ
ーラルネットワークなどを用いて得られたものであり、
このようにカテゴリ内のデータの統計情報を学習して推
定を行った場合には、注目画像データ1405が本当に
そのカテゴリに属しているならば、極めて良い推定結果
が得られる。しかし、カテゴリに属していない場合に
は、極めて悪い推定結果が得られ、その差が顕著であ
る。
【0177】一方、いずれのカテゴリにも属さないと仮
定した場合に得られる分光反射率データは、被写体の分
光反射率あるいはその基底係数の相関が無相関であると
して、すなわち、相関行列が単位行列であるとして推定
を行っているため、任意のスカラー画像データにおいて
精度が悪いわけではなく、極めて良いわけでもない、中
程度の推定結果が得られる。
【0178】カテゴリ判定部1414では、これらの推
定解の性質を用いてカテゴリの判定を行う。すなわち、
各カテゴリに属すると仮定した場合に得られる分光反射
率データと、いずれのカテゴリにも属さないと仮定した
場合に得られる分光反射率データとの二乗誤差をそれぞ
れ求め、二乗誤差が小さい方のカテゴリに属すると判定
する。
【0179】カテゴリ判定部1414における判定手順
を図15にまとめる。手順1501で、カテゴリ判定部
1414に注目画像データがカテゴリ1、カテゴリ2、
あるいは、いずれのカテゴリにも属さないと仮定した場
合の分光反射率データ1411,1412,1413が
入力される。手順1502で、カテゴリ1に属すと仮定
して得られた分光反射率データ1411rcategory1と、
いずれのカテゴリにも属さないと仮定して得られた分光
反射率データ1413rgeneralの二乗誤差E1を(数2
2)で求める。(数22)においてrcategory1(i)は波
長i(nm)の分光反射率であり、(数22)の誤差算出で
は、例として400nmから700nmの間の誤差の和を用いてい
る。
【0180】
【数22】
【0181】カテゴリ2に属すと仮定して得られた分光
反射率データ1411rcategory2と、いずれのカテゴリ
にも属さないと仮定して得られた分光反射率データ14
13rgeneralの二乗誤差E2も(数22)と全く同様にし
て求める。
【0182】次に、手順1503で、E1とE2のどちらが
小さいかを判定し、誤差が小さい方をカテゴリ候補とす
る。手順1504で、カテゴリ候補の誤差Eが、予め決
められた閾値EThresholdより小さいかを判定する。小さ
ければ、カテゴリ候補を注目画像データ105が属する
カテゴリとして決定し、閾値よりも大きければ、いずれ
のカテゴリにも属さないと決定する。手順1505で、
分光反射率データ1411,1412,1413のう
ち、決定されたカテゴリに応じたデータを最終的な解1
415として出力する。
【0183】以上で、実施の形態2のブロック図の動作
の説明を終える。
【0184】本実施の形態でも、実施の形態1の図13
と同様なシステム応用例を組むことができる。このよう
に、図2の画像処理装置で得られた分光反射率画像をデ
ィスプレイやプリンタ信号に変換して、画像として観察
する場合には、領域境界で偽輪郭が生じることがある。
これは、各カテゴリ毎に異なる推定方法で推定している
ために、データの差が偽輪郭となって現れるからであ
る。
【0185】このような問題を解決するに、各画素がカ
テゴリ1あるいは2に属すると判定された場合には、推
定された分光反射率データ1411あるいは1412を
そのまま用いるのではなく、各カテゴリの分光反射率デ
ータ1411あるいは1412と、いずれのカテゴリに
も属さないとして推定された分光反射率データ1413
を、カテゴリに属する信頼度に応じて重み付けして、最
終的な分光反射率データとすればよい。
【0186】カテゴリに属する信頼度は、例えば(数2
3)で算出する。(数23)において、Ecategory(x)は
手順1502で算出した注目画像データxにおける所属
カテゴリでの誤差であり、EThresholdは手順1504で
用いた閾値である。
【0187】
【数23】
【0188】得られた重みweight(x)により、判定され
たカテゴリの場合の分光反射率データrcategory(x)と、
いずれのカテゴリでもない場合の分光反射率データr
general(x)を(数21)で融合し、得られたr(x)を最終
的な分光反射率データ1415として画像記録部141
7に出力する。
【0189】以上のように、本実施の形態によれば、画
像入力装置から入力される画像の主な構成要素となる被
写体の集合を複数設定し、各集合毎に装置あるいは装置
および照明に依存しない色データを推定する手段を算出
しておく。そして、画像入力装置から入力された画像デ
ータの各画素が属する集合を、ある集合に属すると仮定
した場合に変換される装置あるいは装置および照明に依
存しない色と、いずれの集合にも属さないと仮定した場
合に変換される装置あるいは装置および照明に依存しな
い色との差異から判定し、判定結果に基づいて装置ある
いは装置および照明に依存しない色データを決定するこ
とで、高精度な推定を行うことができる。
【0190】(実施の形態3)本実施の形態の主要な構
成要素は図1に示される実施の形態1と同一である。実
施の形態1と異なるのは、カテゴリ判定部108の動作
である。
【0191】実施の形態1では、各画素が属するカテゴ
リの判定を、カテゴリに属するデータの統計的な性質、
例えば平均値やマハラノビス距離を用いて行った。それ
に対し、実施の形態3では、ニューラルネットワークに
より所属するカテゴリを判定する。
【0192】実施の形態3におけるカテゴリ判定部10
8の詳細な動作を説明する。カテゴリ判定に用いるニュ
ーラルネットワークの重みや閾値といったパラメータは
図1の画像処理装置の動作前に、予め学習により決定し
ておく必要がある。学習手順を図16を用いて説明す
る。例としてカテゴリ数が2つの場合について説明す
る。
【0193】手順1601で、まず、カテゴリ1,2に
属する被写体の画像データと、いずれのカテゴリにも属
さない画像データをできるだけ多く取得しておく。手順
1602では、手順1601で取得した全画像データを
スカラー画像データに変換する。手順1603で、すべ
てのスカラー画像データを入力データ、カテゴリの番号
を教師データとしてニューラルネットワークで学習を行
う。
【0194】図17に本実施の形態におけるニューラル
ネットワークの概念図を示す。入力データはスカラー画
像データの3次、出力データはカテゴリ番号の1次のデー
タとなっている。
【0195】以上の手順により学習されたニューラルネ
ットワークを用いて、カテゴリ判定部108は、非線形
除去部106から注目画像データ105のスカラー画像
データ107を受け取ると、カテゴリを推定し、カテゴ
リ信号109を出力する。
【0196】以上のように、本実施の形態によれば、画
像入力装置から入力される画像の主な構成要素となる被
写体の集合を複数設定し、各集合毎に装置あるいは装置
および照明に依存しない色データを推定する手段を算出
しておく。そして、画像入力装置から入力された画像デ
ータの各画素がどの被写体集合に属するかをニューラル
ネットワークで判定し、判定結果に基づいて推定手段を
選択して装置あるいは装置および照明に依存しない色デ
ータを推定することで、高精度な推定を行うことができ
る。
【0197】(実施の形態4)実施の形態4では、実施
の形態1から3のいずれかの画像処理装置を用いたシス
テム応用例として、画像入力装置をディスプレイの色温
度を計測する装置として使用する例を示す。すなわち、
カメラの被写体をディスプレイするのである。
【0198】ディスプレイの色温度を計測するには、専
用の測色計を使うことが一般的である。しかし、測色計
は高価であるため、一般のユーザーがその目的だけのた
めに購入することは難しい。
【0199】そこで、本発明の画像処理装置によれば、
デジタルカメラの画像信号からディスプレイのXYZ三刺
激値を算出することができるので、測色計の代用とする
ことができる。
【0200】デジタルカメラと本発明の画像処理装置
を、測色計の代用として、ディスプレイの色温度を計測
するシステムとして構成した実施の形態について説明す
る。
【0201】図18はその構成図である。
【0202】図18において、1801はディスプレ
イ、1802は色温度を計測するディスプレイ上の色票
であり、例えば、国際標準化機関CIEが出している文書1
22-1996「ザ リレイションシップ ビトウイーン デ
ィジタル アンド カラリメトリック データ フォー
コンピュータ コントロールド シーアールティーデ
ィスプレイ」では、グレーの階調と赤、青、緑の最大発
光時のXYZ三刺激値があれば、ディスプレイをモデル化
できるとしている。そのため、ディスプレイ上に表示す
る色票1802も、これらの色とすればよい。次に、1
803はデジタルカメラ、1804は画像処理装置であ
り、実施の形態1から3のいずれかに説明した装置と同
じものである。画像処理装置は例えば、パーソナルコン
ピュータのROM上に記憶しておき、その動作をパーソナ
ルコンピュータ上のCPUで行う。
【0203】まず、図18のシステムが動作する前の準
備として、設定しておくべきカテゴリについて説明す
る。
【0204】本実施の形態では、予め設定しておくカテ
ゴリは、赤、青、緑、明るいグレー、暗いグレーの5つ
としておく。暗いグレーとはディスプレイの駆動信号
(0−255)が(50,50,50)以下のグレーを指し、明る
いグレーはそれ以外とする。図19は、ディスプレイの
場合におけるカテゴリ設定の説明図である。
【0205】そして、各カテゴリで推定に用いる回帰行
列あるいはニューラルネットワークを決定するために、
図9の手順901あるいは図10の手順1001で取得
するカテゴリ内の被写体は、ディスプレイの色温度を複
数変更した際の各色とする。赤のカテゴリを例に挙げて
説明すると、手順901あるいは手順1001で用いる
被写体は、ディスプレイの色温度設定を4000Kから500K
毎に9500Kまで順次変更した際の、ディスプレイの駆動
信号を赤の最大発光(255,0,0)とした12色とするのであ
る。他のカテゴリについても同様にして、カテゴリに属
する被写体のデータを取得しておく。これらのデータを
もとに、回帰行列あるいはニューラルネットワークを決
定する手順は実施の形態1から3と変わらない。
【0206】次に、図18のシステムの動作を説明す
る。
【0207】デジタルカメラ1803は、ディスプレイ
1801上の色票1802を撮影する。色票は複数ある
ため、これらを一度に撮影してもよいし、複数回に分け
ても良い。そして、得られた各色票1802の画像信号
を得る。画像処理装置1804は、実施の形態1から3
のいずれかの方法で、各色票の分光放射輝度を算出す
る。実施の形態1から3では、画像信号から分光反射率
を算出しているが、ディスプレイのような発光物体では
反射率という概念はなく、通常の反射物体でいう分光反
射率に照明をかけた分光放射輝度がコンポーネントとな
る。分光放射輝度をR'(λ)とおくと、R'(λ)は分光反射
率R(λ)と照明の分光分布S(λ)を用いて(数24)で表
現できる。
【0208】
【数24】
【0209】従って、(数24)を用いて(数5)を書
き直せば(数25)となり、実施の形態1から3におい
て分光反射率R(λ)の代わりに分光放射輝度R'(λ)を用
いれば、全く同じ手順で分光放射輝度を得ることができ
る。分光反射率が照明および装置に依存しない色データ
であるのに対し、分光放射輝度は装置に依存しない色デ
ータである。
【0210】
【数25】
【0211】画像処理装置は各色票の画像信号から、上
記5つのカテゴリのうちのいずれに入るかを判定し、判
定されたカテゴリにおける推定行列あるいはニューラル
ネットワークを用いて、分光放射輝度R'(λ)を推定す
る。得られた分光放射輝度を(数26)でXYZ三刺激値
に変換する。(数26)においてx(λ),y(λ),z(λ)は
標準化機関CIEによって決められている等色関数であ
る。
【0212】
【数26】
【0213】あるいは、各カテゴリにおける分光放射輝
度の基底係数の推定を行ってからXYZ三刺激値に変換す
るのではなく、基底係数の代わりに直接、XYZ三刺激値
を回帰行列で推定してもよい。このように、本発明は、
分光反射率あるいは分光放射輝度を推定するだけでな
く、XYZ三刺激値も全く同じ方法で高精度な推定が可能
となる。
【0214】以上のように、本実施の形態によれば、画
像入力装置から入力される画像の被写体をディスプレイ
とし、ディスプレイの色温度を計測することを目的とし
た場合、被写体の集合を赤、青、緑、明るいグレー、暗
いグレーの5種類設定し、各集合毎に装置に依存しない
色データである分光放射輝度を推定する手段を算出して
おく。そして、画像入力装置から入力された画像データ
の各画素がどの被写体集合に属するかを判定し、判定結
果に基づいて推定手段を選択して装置に依存しない色デ
ータである分光放射輝度を推定することで、ディスプレ
イの色温度を高精度に推定することができ、デジタルカ
メラを測色計の代用することができる。
【0215】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、画像入力
装置から入力されたカラー画像データを高精度に装置あ
るいは装置および照明に依存しない色空間に高精度に変
換する画像処理方法及び画像処理装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる画像処理装置の
ブロック図
【図2】実施の形態1にかかる非線形除去ニューラルネ
ットワークの学習手順を示す図
【図3】実施の形態1にかかる信号発生モデルを示す図
【図4】実施の形態1にかかる判定関数fの算出手順を
示す図
【図5】カテゴリの画像データと測色値の取得説明図
【図6】実施の形態1にかかる判定関数fを用いたカテ
ゴリ判定手順を示す図
【図7】実施の形態1にかかる判定関数hを用いたカテ
ゴリ判定手順を示す図
【図8】実施の形態1にかかるカテゴリ信号109によ
る異なる推定手段の選択手順を示す図
【図9】実施の形態1にかかるカテゴリの推定行列作成
手順を示す図
【図10】実施の形態1にかかるカテゴリ推定用ニュー
ラルネットワーク学習手順を示す図
【図11】実施の形態1にかかるカテゴリ内データの特
異性判定手順を示す図
【図12】実施の形態1にかかるカテゴリ分離可能度算
出手順を示す図
【図13】画像処理装置のシステム応用例を示す構成図
【図14】本発明の実施の形態2にかかる画像処理装置
のブロック図
【図15】実施の形態2にかかるカテゴリ判定部141
4の動作手順を示す図
【図16】本発明の実施の形態3にかかるカテゴリ判定
用ニューラルネットワーク学習手順を示す図
【図17】実施の形態3にかかるカテゴリ判定用ニュー
ラルネットワークを説明する図
【図18】本発明の実施の形態4にかかるディスプレイ
測色計の代用応用例を示す図
【図19】実施の形態4にかかるディスプレイ測色計の
代用応用例におけるカテゴリ設定を説明する図
【図20】従来例1における画像処理手順を示す図
【図21】従来例2における画像処理手順を示す図
【符号の説明】
101 画像入力装置 102 入力画像 103 入力画像記憶部 104 全体制御部 105 注目画像データ 106 非線形除去部 107 スカラーRGB画像データ 108 カテゴリ判定部 109 カテゴリ信号 110 処理選択部 111 処理選択信号 112 パラメータ記憶部 113 推定パラメータ 114 分光反射率推定部 115 分光反射率データ 116 制御信号 117 画像記録部 118 画像処理装置 119 分光反射率画像
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B057 AA11 BA02 CA01 CA08 CA12 CB01 CB08 CB12 CE17 CH18 DA08 DB02 DB06 DB09 DC25 5C066 AA11 BA20 CA03 CA25 DD06 FA02 GA01 HA03 KD02 KD06 KE16 KF05 KP02 LA02 5C077 MM27 MP08 PP27 PP31 PP32 PP36 PP37 PP43 PP46 PQ08 PQ15 PQ18 SS07 TT09 5C079 HB01 HB05 HB11 LA10 LA31 LB02 MA13 NA03 NA29

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像入力装置から入力された各画像信号
    が属する集合を決定する色集合決定手段と、前記色集合
    決定手段によって決定された集合毎に異なる色変換処理
    を選択する色変換処理選択手段と、前記色変換処理選択
    手段によって選択された色変換処理で注目画素の色を変
    換する色変換処理手段とを具備することを特徴とする画
    像処理装置。
  2. 【請求項2】 特定した被写体から成るデータを予め集
    合毎に学習しておき、入力された画像信号の各画素の色
    が学習したどの集合に属するかを判定し、集合毎に異な
    る色変換処理を施すことを特徴とする画像処理方法。
  3. 【請求項3】 前記色変換処理は、入力された画像信号
    を画像入力装置あるいは装置および照明に依存しない色
    データに変換することを特徴とする請求項2記載の画像
    処理方法。
  4. 【請求項4】 前記色変換処理は、入力された画像信号
    の各画素の色が前記集合のうちのいずれかに属す場合
    は、集合毎の統計的性質を用いた方法で色データを変換
    することを特徴とする請求項2または3記載の画像処理
    方法。
  5. 【請求項5】 集合毎の統計的性質を用いた色データへ
    の変換は、重回帰分析を用いることを特徴とする請求項
    4記載の画像処理方法。
  6. 【請求項6】 集合毎の統計的性質を用いた色データへ
    の変換は、ニューラルネットワークを用いることを特徴
    とする請求項4記載の画像処理方法。
  7. 【請求項7】 前記色変換処理は、入力された画像信号
    の各画素の色が前記集合のうちのいずれかに属す場合に
    は、前記集合の統計的性質を用いて算出した色データ
    と、統計的に無相関であるとして算出した色データを、
    前記集合に属する信頼度に応じて重み付けして色データ
    に変換することを特徴とする請求項2から6のいずれか
    に記載の画像処理方法。
  8. 【請求項8】 各画素の色が属する集合の判定は、各集
    合の成す統計的性質への合致度により行うことを特徴と
    する請求項2から7のいずれかに記載の画像処理方法。
  9. 【請求項9】 前記統計的性質は、平均値であることを
    特徴とする請求項9記載の画像処理方法。
  10. 【請求項10】 前記統計的性質は、平均値およびマハ
    ラノビス距離であることを特徴とする請求項9記載の画
    像処理方法。
  11. 【請求項11】 各画素の色が属する集合の判定は、あ
    る集合あるいは領域に属すると仮定した場合に得られる
    装置あるいは装置および照明に依存しない色データと、
    いずれの集合あるいは領域にも属さないと仮定した場合
    に得られる装置あるいは装置および照明に依存しない色
    データとの差異により行うことを特徴とする請求項2か
    ら7のいずれかに記載の画像処理方法。
  12. 【請求項12】 各画素の色が属する集合の判定は、ニ
    ューラルネットワークにより行うことを特徴とする請求
    項2から7のいずれかに記載の画像処理方法。
  13. 【請求項13】 前記各集合において、集合からはずれ
    る特異なデータを統計的性質から判定し、前記特異デー
    タを除去した適切な集合を用いることを特徴とする請求
    項2から12いずれかに記載の画像処理方法。
  14. 【請求項14】 前記集合の分離可能度を統計的性質か
    ら算出し、分離可能度の高い集合を用いることを特徴と
    する請求項2から12のいずれかに記載の画像処理方
    法。
  15. 【請求項15】 前記分離可能度は、画像データ空間に
    おいて各集合の成す部分空間の独立度であることを特徴
    とする請求項14記載の画像処理方法。
  16. 【請求項16】 前記分離可能度は、装置あるいは装置
    および照明に依存しない色空間において各集合の成す部
    分空間の独立度であることを特徴とする請求項14記載
    の画像処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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