JP2002030929A - 排気マニホルドの製造方法および排気マニホルド - Google Patents

排気マニホルドの製造方法および排気マニホルド

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JP2002030929A
JP2002030929A JP2000218128A JP2000218128A JP2002030929A JP 2002030929 A JP2002030929 A JP 2002030929A JP 2000218128 A JP2000218128 A JP 2000218128A JP 2000218128 A JP2000218128 A JP 2000218128A JP 2002030929 A JP2002030929 A JP 2002030929A
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pipe
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metal pipe
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Hiroto Tamura
宏人 田村
Hisashi Miwa
壽 三輪
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Aisin Takaoka Co Ltd
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Aisin Takaoka Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造工数の少ない排気マニホールドの製造方法
及び排気マニホールドを提供する。 【解決手段】金属製パイプ34を準備し(工程a)、所
定の湾曲を与える(工程b)。パイプ34の一つの開口
を一径方向に押し広げつつ、一端部を偏平化する(工程
c及びd)。そして、その偏平な端部の中央域を押圧変
形して該パイプ内に二つの排気通路を区画形成すると共
に前記一端部から二つの入口部31,32を分離形成す
る(工程e及びf)。パイプ34の他端部は、二つの排
気通路に共通の出口部33として利用する。二つの入口
部31,32の間の仕切り部35の外縁36に溶接を施
して当該箇所からのガス漏洩を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気マニホルド及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多気筒エンジンの各排気ポートから放出
された排気ガスを集合させて排気ガス浄化装置(例えば
触媒)等に誘導する排気通路を構成する排気管の一種
に、分岐型の排気マニホールドがある。特開平6−22
1148号公報の図4には、そのような分岐型の排気マ
ニホールドの製造方法が示されている。その公開公報に
よれば、まず、円形の鋼板に対して深絞り加工や中心部
切除を施して、大寸部12及び小寸部13を持つメガホ
ン状の中空体11を形成する(図4(a)→(b)の第
1工程)。次に、前記大寸部12にプレス加工を施し
て、指状に延びる4本の排気通路を提供することになる
4組の(半)円筒部を備えた多岐部5を形成する(図4
(b)→(c)の第2工程)。そして、隣り合う円筒部
間に位置するフランジ8の外端に溶接を施して(第3工
程)、4本の排気通路を一つに集合させた4系統分岐型
の排気マニホールドを完成させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示された製造手順にはいくつかの欠点がある。ま
ず第1に、円形鋼板からメガホン状の中空体11を形成
する前記第1工程では、深絞り加工等を駆使して板材を
メガホン状中空体11にまで仕上げる関係上、図4
(a)の状態から図4(b)の状態に到らせるまでに、
現実には十工程又はそれ以上の工数が必要となる。ま
た、図4(b)に示すメガホン状の中空体11では、大
寸部12の開口軸線と小寸部13の開口軸線とが同一軸
線上にあるが、これを変形させた図4(c)の状態で
は、大寸部をプレスして作り出した4本の排気通路の軸
線群に対し、小寸部の開口軸線が大きく傾斜している。
つまり、小寸部側開口の向きと、4本の排気通路の端部
開口の向きとの間に位相角が付与されている。このよう
にメガホン状中空体の小寸部側開口と大寸部側開口との
間に、無理な歪みを与えることなく位相角を付与するた
めには、微妙な曲げ加工や深絞り加工を多段階にわたっ
て積み重ねる必要がある。上記公開公報では、図4の
(b)から(c)への移行はいとも簡単であるかのよう
に描かれているが、実際にはかなり多くの工数が必要で
あり、その工数の多さを勘案すれば、上記公開公報の製
造方法も、製品の低コスト化を図る上で有効な手順とは
言い難い。
【0004】本発明の目的は、従来例よりももっと製造
工数を少なくして製品の製造コストを低下させることが
可能な排気マニホールドの製造方法を提供することにあ
る。また、排気通路の入口と出口との間に大きな位相角
を付与することが容易な排気マニホールドの製造方法を
提供することにある。更に、以上のような有利な特徴を
備えた排気マニホールドを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、多気
筒エンジンの隣合う二つのシリンダにそれぞれ対応する
二つの排気通路を備えると共に前記二つの排気通路の出
口を一箇所に集めた2系統分岐型の排気マニホルドの製
造方法であって、両端の二つの開口がほぼ同じ大きさの
金属製パイプを準備する準備工程と、前記金属製パイプ
の一つの開口を一径方向に押し広げつつ該パイプの一端
部を偏平化し更にその偏平な端部の中央域を押圧変形す
ることで、該パイプ内に二つの排気通路を区画形成する
と共に前記一端部から二つの入口部を分離形成する押圧
変形工程とを備えてなることを特徴とする。
【0006】この製造方法では、出発材料を一般に入手
容易な金属製パイプとしたため、材料費が安く済む。そ
れのみならず、金属製パイプの一端部開口を押し広げつ
つ偏平化してからその偏平な端部の中央域を押圧変形す
るという比較的単純な手順だけで、二つの排気通路及び
二つの入口部を備えた2系統分岐型排気マニホルドの基
本形状を作り上げることができるため、製造工数が非常
に少なくなる。このように本発明の方法によれば、出発
材料の安価さ、加工手順の単純さ及び総工数の少なさの
ために、排気マニホルドの製造コストを大幅に低減する
ことが可能となる。
【0007】請求項2の発明は、請求項1に記載の排気
マニホルドの製造方法において、前記押圧変形された中
央域からのガス漏洩を防止するために当該中央域に対し
て溶接を施す溶接工程を更に備えてなることを特徴とす
る。
【0008】この方法で作られる排気マニホルドの入口
部はエンジンからの排気ガスに直接さらされて高温化す
るが、押圧変形された中央域は二つの入口部のほぼ中間
に位置し、前記入口部のように直接高温の排気ガスにさ
らされることがなく相対的に温度が低い傾向にある。こ
のように熱履歴が比較的緩慢な箇所に、ガス漏洩防止目
的の溶接が施されるため、長期使用しても溶接強度が低
下しにくく、排気マニホルドの耐久性が向上する。
【0009】請求項3の発明は、請求項1又は2に記載
の排気マニホルドの製造方法において、前記準備工程後
に、前記金属製パイプを湾曲させてその金属製パイプ両
端の二つの開口間に所定の位相角(θ)を付与する湾曲
工程を更に備えてなることを特徴とする。
【0010】この方法によれば、金属製パイプの段階で
湾曲加工を施すため、一度の曲げ量を大きくすることが
容易で一度に大きな位相角を付与することができる。ま
た、このように早い段階で湾曲加工を済ませておけば、
その後のパイプの変形加工の工数を減らすことができ、
製造コストの低減を図る上で極めて有利である。尚、こ
のような効果を高めるためには、当該湾曲工程を準備工
程の後で且つ押圧変形工程の前とすることが最も好まし
い。
【0011】請求項4の発明は、両端の二つの開口がほ
ぼ同じ大きさの金属製パイプの一端部を偏平化し更にそ
の偏平な端部の中央域を押圧変形することで形成される
二つの排気通路および二つの入口部を備えると共に、前
記金属製パイプの他端部を前記二つの排気通路に共通の
出口部としたことを特徴とする2系統分岐型の排気マニ
ホルドをその要旨とする。ここで、前記二つの入口部の
間に、前記押圧変形によってできあがる仕切り部が存在
し、その仕切り部の外縁には溶接が施されていることは
好ましい(請求項5)。また、前記二つの入口部と前記
出口部との間には所定の位相角(θ)が付与されている
ことは好ましい(請求項6)。
【0012】請求項4、5及び6の排気マニホルドは、
請求項1、2及び3の製造方法のいわば結果物であり、
それぞれの技術的意義は、先行記載された対応する製造
方法の技術的意義とほぼ同じである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明を4気筒エンジンにつなが
る排気系に具体化した一実施形態を図面を参照しつつ説
明する。図1に示すように、直列4気筒エンジン20の
排気系は、排気マニホルドとしての二つの集合排気管3
0、コーン部40及び触媒ケース50を少なくとも備え
ている。触媒ケース50よりも更に下流側には、必要に
応じてマフラーその他の部材が連結される。
【0014】二つの集合排気管30の各々は内部に2本
の排気通路を備えており、両排気通路の出口側端部は一
つにまとめられている。即ち図1及び図4(f)に示す
ように、各集合排気管30は、2本の排気通路に対応し
た二つの入口部31,32と、両排気通路に共通の一つ
の出口部33とを備えている。左右二つの集合排気管3
0によって合計4本の排気通路が提供され、これらはエ
ンジン20の4つのシリンダ21a〜21dにそれぞれ
割り当てられている。つまり各排気通路の入口部31,
32は、エンジン20側に設けられたフランジ22を介
して対応するシリンダの排気ポートに接続されている。
そして、左側の集合排気管30を介してエンジンの左側
2気筒21c,21dからの排気ガスがコーン部40に
導かれると共に、右側の集合排気管30を介してエンジ
ンの右側2気筒21a,21bからの排気ガスがコーン
部40に導かれ、全シリンダ21a〜21dからの排気
ガスがコーン部40を経由して触媒ケース50に送り込
まれるようになっている。
【0015】集合排気管30の各排気通路における入口
部31又は32と出口部33との間には、図2に示すよ
うな位相角θが付与されている。仮に図4(f)に示す
ように、集合排気管30の二つの入口部31,32にお
ける中心軸線をそれぞれC1,C2とし、出口部33に
おける中心軸線をC3とする。すると、二つの軸線C
1,C2はほぼ平行であって同一仮想平面内に存在する
のに対し、軸線C3は、両軸線C1,C2とはネジレの
位置にあって両軸線C1,C2を包含する前記仮想平面
に対して斜めに交差する。このような配置関係を指し
て、二つの入口部31,32と出口部33との間には位
相が付与されていると表現する。そして、軸線C1,C
2を包含する仮想平面と軸線C3とがなす角度を位相角
θと呼び、位相付与の大きさに関する尺度としている。
なお、位相角θは、エンジンルーム内におけるエンジン
20の各排気ポートとコーン部40との配置関係に応じ
て適宜設定される。
【0016】図1及び図2に示すように、コーン部40
はドーム形状をなしており、その内部には、略半球状又
は略円錐台状の拡張室41が確保されている。コーン部
40の頭頂部付近には、円形状の嵌合孔42を区画する
バーリング部43(嵌合部)が左右一対をなして形成さ
れている。嵌合孔42の内径は集合排気管30の出口部
33の外径にほぼ対応している。各バーリング部43の
嵌合孔42に対して集合排気管30の出口部33が嵌入
された後、その嵌入箇所に対して溶接を施すことで各集
合排気管30の出口部33がコーン部40に対し気密な
状態で連結される。なお、図1に示すように、コーン部
40の側面にはセンサ用の取付孔44が設けられてお
り、この取付孔44には、拡張室41を通過する排気ガ
ス中の酸素濃度を測定するためのO2センサ(図示略)
が挿着される。
【0017】コーン部40の下端(又は後端)には触媒
ケース50が接続されている。触媒ケース50内には、
例えば図3に示すように、排気ガス浄化用触媒を担持し
た多孔質セラミックス製のハニカム構造体51が収容さ
れている。ハニカム構造体51の立体形状は円柱状や直
方体状等種々あるが、どのような立体形状にせよその構
造体51の前端面52(入口側端面)がコーン部40の
後端開口に対し露出され、排気ガスを直接受容可能とな
っている。
【0018】このようにエンジン20の各シリンダ21
a〜21dからの排気ガスは、集合排気管30の排気通
路及びコーン部40の拡張室41を経由して、触媒ケー
ス50内のハニカム構造体51の前端面52に達する
が、各排気通路の経路設定には特別な配慮がなされてい
る。即ち図3に示すように、集合排気管30内に設けら
れた各排気通路はそれぞれ、無理なく滑らかに描かれた
案内流線L1〜L4に沿って設定され、4本の案内流線
L1〜L4のいずれもが、拡張室41内に配設されたO
2センサの軸心Sを通過するように設定されている。更
に、前記O2センサを通過した先にはハニカム構造体5
1の前端面52が存在するが、図3に示すように前記4
本の案内流線L1〜L4のいずれも、ハニカム構造体前
端面52上の異なる部位に達している。つまり、各シリ
ンダ21a〜21dからハニカム構造体前端面52に到
る排気ガスの流れとして、前記4本の案内流線L1〜L
4に沿った流れが存在するが、それらの流れはいずれも
2センサの軸心位置を一つの集束点とするものであ
り、その集束点の通過後はハニカム構造体前端面52上
の異なる位置に向けて拡散する。
【0019】上述のような案内流線の設定によりハニカ
ム構造体前端面52のほぼ全体に排気ガスが均等に行き
渡ることから、いわゆる偏流を防止することができる。
「偏流」とは、ハニカム構造体前端面52の一部にのみ
排気ガスが供給されるようなガス流れの偏りをいい、一
般に排気ガスの流速が早いほど顕著になる。なお、排気
ガスの流速が遅い場合には、排気ガスが各排気通路から
拡張室41に進入する際、断面積の増加(即ち空間容積
の増大)に起因するガス膨張のための時間的余裕が確保
されるため、上記のような流線設定によらずとも、膨張
現象の助けによりハニカム構造体前端面52のほぼ全面
に対し排気ガスが均等に行き渡る。
【0020】また、4気筒エンジン20の各シリンダ2
1a〜21dからの排気ガスの放出順序は、各シリンダ
に対応したスパークプラグの点火順序に準ずる。一般に
4気筒エンジンでは、図3のエンジン20の枠内に示し
た数字の順序で点火制御が行われる。つまり隣り合うシ
リンダにおいて連続点火が行われることはなく、各シリ
ンダ21a〜21dからの排気ガス放出順序も、案内流
線L1→L2→L3→L4の順になる。このように、同
じ集合排気管30内の隣り合う二つの排気通路を続けざ
まに排気ガスが流れることがなく、一方の排気通路をガ
スが流れてから他方の排気通路をガスが流れるまでの間
に一時の猶予がある。このため、同じ集合排気管30の
隣り合う排気通路を流れる排気ガスが相互干渉すること
がなく、円滑なガス放出が実現される。
【0021】(集合排気管30の製造手順)図4は、集
合排気管30を製造する一連の手順の概要を示す。まず
図4(a)に示すように、出発材料として金属製パイプ
34を準備する。この金属製パイプ34は両端の二つの
開口がほぼ同じ大きさであり、しかも長手方向の全体に
わたり同径・同断面形状のものである。パイプ34の材
質としては、例えばステンレス鋼等の鉄系材料が好まし
い。次に図4(b)に示すように、ベンダー(曲げ装
置)を使って金属製パイプ34を湾曲させる。この湾曲
の意味は、排気ガスの流れ経路を設定するための前段階
として、パイプ両端の二つの開口間に前記位相角θ相当
の位相を予め付与することにある。
【0022】続いて、湾曲させたパイプ34のうち排気
通路の入口部(31,32)とする側の一端部を図4
(c)に示すように若干つぶして、その端部開口を楕円
的形状とする。そして、その楕円状開口に対してパンチ
と呼ばれる孔拡張用の内型工具60を少しずつ挿入する
ことで、図4(d)に示すように前記楕円状開口の幅を
一径方向に押し広げつつ、パイプ34の中央付近までを
徐々に偏平化してパイプ内に幅広な内部空間を形成す
る。このときの開口の拡張率は、加工前のパイプ34の
端部開口の径に対して300%以内にとどめられてい
る。なお、パイプ34の一端部開口を楕円形状化する際
およびその楕円状開口をパンチ60で押し広げてパイプ
34を偏平化する際に、パイプ34のもう一方の端部
(他端部)の開口内に型保持用の工具又は型保持材(図
示略)を挿入して当該パイプ他端部の型崩れを防止する
ことは好ましい。また、必要ならばいずれかの加工段階
において、出口部33を提供するパイプ他端部に対し開
口径を小さくするための縮径加工を施してもよい。
【0023】次に、上記偏平化したパイプの入口側開口
に、図4(d)に示唆するような2本の棒状型保持材6
1,62を挿入する。これらの棒状型保持材61,62
は断面円形状をなしており、後述するプレス時に、パイ
プ内部に排気通路用トンネル形状を付与するための内型
として機能する。2本の棒状型保持材61,62を挿入
した状態で、偏平な端部の略中央領域に対し左右からプ
レスによる押圧を加える。すると、図4(e)に示すよ
うに、離間状態で向かい合っていたパイプ端部の左右の
内壁面が接合されて仕切り部35が形成されると共に、
パイプが変形して二つのトンネル状の管が形成される。
前記プレスによる押圧は偏平な端部開口の中央位置に対
して加えられるため、その中央位置での左右内壁面の接
合(仕切り部35の形成)によって二つの開口が分離形
成される。他方、パイプ他端部の開口はそのまま保持さ
れる。それ故、前記プレス加工により、パイプ入口側に
は二つの開口が作り出されると共に、二つの入口側開口
と一つの出口側開口をそれぞれつなぐ2本の管路が区画
形成される。そして、これらの管路が、共通の出口を持
つ2本の排気通路となる。こうして、集合排気管30の
基本形状ができあがる。なお、本実施形態では一連の工
程を通じて、二つの入口側開口の各断面積と出口側開口
の断面積とがほぼ等しくなるようにした。
【0024】その後、図4(e)の状態から仕上げ加工
段階に入る。まず、図4(f)に示すように、前記仕切
り部35の外縁部を所定幅にわたり切除することによ
り、仕切り部35の外縁を出口方向に若干後退させ、二
つの入口部31,32の周囲に、これらをフランジ22
に差し込むための差込代を確保する。尚、このままの状
態では、仕切り部35を構成している左右の薄板間には
僅かな隙間が存在し、仕切り部35からのガス漏洩を避
けられない。故に、前記後退した仕切り部35の外縁3
6(つまり切断端)に対して溶接を施し、集合排気管3
0の内部と外部とが仕切り部35を介して連通するのを
防止する。このように、前記溶接段階まで含めれば合計
6工程の加工段階を経て、二つの入口部31,32、二
つの排気経路及び一つの出口部33を備えた2系統分岐
型の集合排気管30が製造される。
【0025】(効果)本実施形態によれば以下のような
効果を得ることができる。・2系統分岐型の集合排気管
30の製造方法によれば、その出発材料を一般に入手容
易な金属製パイプ34としたため、材料費が安く済むの
みならず、一つの集合排気管30の完成までの製造工数
を前述のように6工程程度にとどめることができる。従
って、集合排気管30の製造コスト、ひいては排気系全
体の構築コストを従来よりも大幅に低減することができ
る。
【0026】・本実施形態では金属製パイプ34を出発
材料とすると共に、各排気通路の入口と共通の出口との
間に位相を付与する場合には、比較的早い段階(パイプ
の偏平化及びプレス加工前の段階)でパイプ34を湾曲
させている。それ故、パイプ34の曲げ具合を大きくし
て位相角θを大きく設定することが容易になるのみなら
ず、その後のパイプの変形加工を必要最小限の工数にと
どめることが可能となる。このように位相付与の自由度
が大きいことや、総工数が飛躍的に少なくなるという点
で、本例の方法は、メガホン状の中空体を出発材料とす
る従来例(特開平6−221148号)よりもはるかに
優れている。
【0027】・集合排気管30を製造する際の溶接必要
箇所が極めて少ないことは、製造コストを大幅に低減さ
せる。加えて、集合排気管30それ自体においても、排
気系全体においても溶接必要箇所が少ないことは、次の
ような利点をもたらす。すなわち、溶接歪みが少なくな
り製品の寸法精度が向上する。溶接の際の入熱に起因し
た材料強度の低下が抑制される。部品点数が減って部品
管理が容易になる。溶接回数が少ない分、作業者の安全
度が高まると共に燃焼ガスによる作業環境の悪化が抑制
される。
【0028】・集合排気管30において溶接が施される
仕切り部35は、高温の排気ガスに直接さらされる各排
気経路の入口部31,32に比べて相対的に温度が低
く、過度な温度変化を受け難い場所と言える。このよう
に熱履歴が比較的緩慢な箇所に溶接を施しているため、
当該溶接箇所は比較的劣化し難く、溶接強度や耐久性が
向上する。その結果として集合排気管30は、熱的及び
機械的耐久性の点で品質が向上する。
【0029】・集合排気管30において、各排気通路の
経路を図3に示すような案内流線L1〜L4に沿って設
定したので、排気ガスによるハニカム構造体51の前端
面52へのガス当りを均等化して偏流を防止することが
できる。従って、偏流に起因する排気ガス浄化効率の低
下を回避することができる。又、前述のような流線設定
によりO2センサ付近での乱流の発生が抑制され、各シ
リンダ21a〜21dからの排気ガス以外のガス(例え
ば空気)の巻き込みが極力回避される。このため、どの
シリンダからの排気ガスに対してもO2センサのガス受
感度が等しく安定化され、酸素濃度測定の信頼性が高ま
り、ひいてはエンジン制御の精度が向上する。
【0030】(変更例)本発明を2気筒、6気筒又は8
気筒エンジン用の排気マニホールドに適用してもよい。
又、集合排気管30を製造する際の出発材料となる金属
製パイプ34は、最初から湾曲したものであってもよ
い。
【0031】
【発明の効果】各請求項に記載の排気マニホールド及び
その製造方法によれば、従来例よりも飛躍的に製造工数
を少なくして製品の製造コストを低下させることができ
る。
【0032】特に請求項2及び5によれば、製造コスト
を増加させることなく排気マニホールドの耐久性を向上
させることができる。
【0033】更に請求項3及び6によれば、排気通路の
入口と出口との間に所定の位相角を付与することが容易
になる共に製造工数の増大を抑制することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】4気筒エンジンの排気系の概要を示す斜視図。
【図2】集合排気管とコーン部との関係を示す縦方向の
断面図。
【図3】排気ガスの流通経路を説明するための排気系の
断面図。
【図4】集合排気管の一連の製造手順を示す図。
【符号の説明】
20…エンジン、21a〜21d…シリンダ、30…集
合排気管(排気マニホルド)、31,32…入口部、3
3…出口部、34…金属製パイプ、35…仕切り部、3
6…外縁、θ…位相角。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多気筒エンジンの隣合う二つのシリンダに
    それぞれ対応する二つの排気通路を備えると共に前記二
    つの排気通路の出口を一箇所に集めた2系統分岐型の排
    気マニホルドの製造方法であって、 両端の二つの開口がほぼ同じ大きさの金属製パイプを準
    備する準備工程と、 前記金属製パイプの一つの開口を一径方向に押し広げつ
    つ該パイプの一端部を偏平化し更にその偏平な端部の中
    央域を押圧変形することで、該パイプ内に二つの排気通
    路を区画形成すると共に前記一端部から二つの入口部を
    分離形成する押圧変形工程とを備えてなることを特徴と
    する排気マニホルドの製造方法。
  2. 【請求項2】前記押圧変形された中央域からのガス漏洩
    を防止するために当該中央域に対して溶接を施す溶接工
    程を更に備えてなることを特徴とする請求項1に記載の
    排気マニホルドの製造方法。
  3. 【請求項3】前記準備工程後に、前記金属製パイプを湾
    曲させてその金属製パイプ両端の二つの開口間に所定の
    位相角(θ)を付与する湾曲工程を更に備えてなること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の排気マニホルドの
    製造方法。
  4. 【請求項4】両端の二つの開口がほぼ同じ大きさの金属
    製パイプの一端部を偏平化し更にその偏平な端部の中央
    域を押圧変形することで形成される二つの排気通路およ
    び二つの入口部を備えると共に、前記金属製パイプの他
    端部を前記二つの排気通路に共通の出口部としたことを
    特徴とする2系統分岐型の排気マニホルド。
  5. 【請求項5】前記二つの入口部の間に、前記押圧変形に
    よってできあがる仕切り部が存在し、その仕切り部の外
    縁には溶接が施されていることを特徴とする請求項4に
    記載の2系統分岐型の排気マニホルド。
  6. 【請求項6】前記二つの入口部と前記出口部との間には
    所定の位相角(θ)が付与されていることを特徴とする
    請求項4又は5に記載の2系統分岐型の排気マニホル
    ド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020112646A1 (en) * 2018-11-27 2020-06-04 Saint-Gobain Performance Plastics Corporation Fluid manifold

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