JP2002020735A - 廃液の処理方法 - Google Patents

廃液の処理方法

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JP2002020735A
JP2002020735A JP2000240422A JP2000240422A JP2002020735A JP 2002020735 A JP2002020735 A JP 2002020735A JP 2000240422 A JP2000240422 A JP 2000240422A JP 2000240422 A JP2000240422 A JP 2000240422A JP 2002020735 A JP2002020735 A JP 2002020735A
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oil
absorbing
polymer
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Hiroaki Endo
弘明 遠藤
Yuji Takada
祐自 高田
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Abstract

(57)【要約】 【目 的】非水系廃液の処理方法の提供 【構 成】(1)吸水ゲル能を有する高分子物質と水
との存在下に廃液を処理するに際して、吸油性ポリマー
および/または吸油吸水性粉末を介在させて固化させる
ことを特長とする廃液の処理方法。 (2)廃液に対して、吸水ゲル能を有する高分子物質の
2〜100重量%および吸油性ポリマーの2〜20重量
%を用いた(1)記載の廃液の処理方法。 (3)廃液に対して、吸水ゲル能を有する高分子物質の
2〜100重量%および吸油吸水性粉末の20〜100
重量%を用いた(1)記載の廃液の処理方法。 (4)廃液に対して、吸水ゲル能を有する高分子物質の
2〜100重量%、吸油性ポリマーの2〜20重量%お
よび吸油吸水性粉末の20〜100重量%を用いた
(1)記載の廃液の処理方法。 【効 果】非水系廃液を安全かつ容易に処理できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水との親和性のない非
水系廃液の処理方法と処理剤に係るものである。
【0002】
【従来技術】2000年4月に容器リサイクル法が完全
施行となり、内容物と容器の分別廃棄と収集が徹底され
循環型社会に向けた取組みが強化されている。一方、灯
油、ガソリン、塗料、シンナーなどの廃油廃液はほとん
どの地方自治体がそのまゝでは収集しないために、容器
リサイクル法以前の原点の問題つまり適切な分別処理剤
がないために、中身の入った容器ごとの不法投棄につな
がっているのが現状である。なお、家庭用塗料のうち、
水性塗料については、固化処理剤が市販されており処理
が比較的普及してきていることは周知の通りである。
【0003】また、エンジンオイルや灯油などの鉱物油
については周知のとおり吸油性の鉱物粉末や吸油性のシ
ートが用いられている。廃食油については、シリカ系無
機粉末と水とを加えて固化する商品が知られている。
【0004】吸水ゲル能を有する高分子物質(高吸水性
ポリマー)が自重の数百倍の水を吸収して膨潤しマトリ
ックス(骨組み構造体)を構築することから、たとえば
紙おむつや汚水処理などに広く応用されているのは公知
のとおりである。紙おむつの急激な用途拡大は吸水した
水の再液状化が起らないことに基因している。
【0005】この性質を利用して、特開昭55−972
47号には高吸水性ポリマーと界面活性剤とを用いて廃
油を処理して固化せしめる技術が公開されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、この技術に
よる固化物は同明細書のとくに実施例で明らかなように
ゲルまたはゼリー状であり湿った性状を示して固化物と
はいえず取扱いに不便な点があった。さらに、大きな欠
点として放置中にいわゆるドリッピング現象(再液状
化)を起し、とくに直射日光下や高温下では短期間に油
分が滲出してゲルと油または溶剤の二層分離現象が必ず
起るため20年経過した今日においてもまだ実用化され
ていない。すなわち、この技術による固化物がゲル乃至
ゼリー状で固化後も柔らかく容器との分別が困難かつ再
液状化を伴うためこれに替る新規な技術の開発が望まれ
ていた。
【0007】これは、大量に水を含んだ吸水ポリマーゲ
ルは、親水性であり油または溶剤の親油性と対極関係に
あるため経時により親油性物質である油または溶剤成分
を排除し、さらに屋外放置乾燥による縮小化により一層
液状化が促進されるものと推察されている。
【0008】吸油性鉱物粉末あるいは吸油性各種シート
に吸着させる方式の処理剤は、当然のことながら放置中
に吸着された油成分が揮発するのでとくに灯油やシンナ
ーなどを吸着させた処理生成物は火災の予防上取扱いに
制限があり、タンクローリ車からの流出事故などの緊急
時に制限されてんぷら油や灯油、機械油など家庭への広
範な普及をみていない。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の現
状に鑑み廃液とくに溶剤系廃塗料の安全で簡便な処理方
法を追求していく過程で、吸水性ポリマーを用いながら
再液状化を起さずしかも使用容器と分別して廃棄するこ
とが極めて行いやすい粘着性のないおから状乃至はか粒
状の処理仕上り物にするという新規な着想に基づいて鋭
意研究の結果、吸油性ポリマーおよび/または吸油吸水
性粉末(またはか粒、以下同じ)を介在させて使用すれ
ばこの目的を達成できることを見出して本発明に到達し
たものである。
【0010】すなわち、本発明は、(1)吸水ゲル能を
有する高分子物質と水との存在下に廃液を処理するに際
して吸油性ポリマーおよび/または吸油吸水性粉末を介
在させて固化させる廃液の処理方法。 (2)廃液に対して、吸水ゲル能を有する高分子物質の
2〜100重量%および吸油性ポリマーの2〜20重量
%を用いた(1)記載の廃液の処理方法。 (3)廃液に対して、吸水ゲル能を有する高分子物質の
2〜100重量%および吸油吸水性粉末の20〜100
重量%を用いた(1)記載の廃液の処理方法。を要旨と
するものである。
【0011】
【作 用】以下、本発明の廃液の処理方法、処理剤の
構成とその作用の詳細の内容を述べる。
【0012】本発明でいう廃液とは、水との親和性のな
い非水系の廃液たとえば油性ペイント、ラッカー、アル
コール溶解性セラックニスなどの溶剤系の廃塗料、ペイ
ントシンナー(ミネラルスピリット)や、ラッカーシン
ナー、キシレン、エステル、アルコールなどの廃溶剤、
エンジンオイル、灯油などの廃鉱物油あるいはてんぷら
油、ラードなどの廃動植物油を称する。
【0013】さらに、水でうすめることのできるいわゆ
る水性塗料はエマルションタイプと水溶性樹脂タイプと
に大別できるが、後者はイソプロピルアルコールなどの
アルコール類やセロソルブ系の親水性有機溶剤を多量に
含んでいるため、エマルションタイプが吸水性ポリマー
単独で固化処理ができるのに対し水溶性樹脂タイプは固
化が難かしかった。従って、水溶性樹脂タイプの廃塗料
も本発明の処理対象とする廃液に含まれる。
【0014】本発明で用いる吸水ゲル能を有する高分子
物質としては、水と溶剤に不溶かつ、吸水ゲル化力ある
いは保水ゲル化能をもつものであれば天然あるいは合成
を問わずいずれの高分子物質でもよく、具体的には、た
とえば、デンプン−ポリアクリロニトリルグラフトポリ
マーのケン化物、デンプン−メタクリルニトリルのケン
化物、架橋ポリビニルアルコールアクリルニトリル系共
重合物などがあげられる。
【0015】本発明で用いる吸油性ポリマーとしては、
たとえば天然または合成ゴムポリマーの微粉末が好適に
用いられる。エチレンとシクロペンダジェンからノルボ
ルネンを合成しこれを開環重合してえられるノルボルネ
ンポリマー(ポリノルボルネンゴム)はとくに好適に用
いられる。
【0016】その他、NBRゴム、CRゴム(塩化ゴ
ム)、天然ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化
ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合物、ポリスチレン、
ポリブテンなどの熱可塑性プラスチックスの微粉末また
はそのフィルムの破砕物も用いることができ、このう
ち、流出油の吸着除去に用いられるポリプロピレンはよ
り好適に用いられる。
【0017】この吸油性ポリマーは本発明処理剤中に配
合して使用することによって、処理物とした後において
処理物より廃塗料などの親油性物質が滲出(ドリッピン
グ)するのを防止する作用があり処理物の再液状化が起
こらない効果を有する。
【0018】この吸油性ポリマーは廃液に対して2〜2
0重量%、より好ましくは4〜15重量%が配合され
る。2重量%未満では所期の目的が達成できないため、
また20重量%を超える量は経済性で不利のため本発明
より除かれる。
【0019】本発明で用いる吸油吸水性粉末としては、
吸油と吸水能があればとくに制限なく用いうるが、望ま
しくは自重量の50重量%以上の吸油吸水能をもち、り
ん片状、繊維状で中空構造乃至は多孔質な粉末がより好
適に用いられる。具体的には、クレー、ベントナイト、
カオリン、ラジオライト、モンモリナイト、タルク、白
土などの粘土鉱物、酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化ケイ
素などの金属酸化物、硫酸塩(ZnSO)、炭酸塩
(CaCO)あるいはサイクロデキストリン、セルロ
ース、沸石などがあげられ、これらは単独または二種以
上併用して用いうる。
【0020】その使用量は対象廃液の種類や処理生成物
の望ましい固化程度によって、廃液に対して20〜10
0重量%、好ましくは60〜100重量%の範囲で選択
すればよい。20重量%未満ではドリッピングの防止能
が不足することから、また100重量%を超える量は必
要量以上になり無駄である。
【0021】上述した吸油性ポリマーと吸油吸水性粉末
とを併用することは差支えないが、その場合の各成分の
使用量は上述した範囲内でコスト面と効果面とを考慮の
上選ぶ必要がある。
【0022】本発明を実施するに当って用いる水の量
は、おもに使用する高吸水性ポリマーの種類によって左
右される。すなわち、ポリマーの架橋密度が大なため吸
水量は比較的低いが溶剤の影響が少ないポリマーを用い
た場合は廃液に対して約150重量%の水を用い、吸水
量の比較的高いポリマーを用いた場合は約300重量%
の水を用いるなどである。
【0023】高吸水性ポリマーの吸水原理については、
高吸水性ポリマーは水と接触すると負の電荷をもった高
分子イオンと正の電荷をもった低分子イオンを生じ、ポ
リマーの外部と内部でイオン濃度に差が生じ浸透圧が発
生して水がポリマー内部に浸透すると説明されている。
この原理から、本発明ではポリマーと溶剤との親和力を
高めて高吸水性ポリマーの使用量を減らす目的で、たと
えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなど
の非イオン系界面活性剤を上述した成分以外の助剤とし
て用いることはとくに妨げない。
【0024】本発明で用いる各成分の相互の量比につい
て述べると、廃液100重量部に対して吸水ゲル能を有
する高分子物質の2〜100重量部、水の100〜35
0重量部好ましくは150〜300重量部、吸油性ポリ
マーの2〜20重量部好ましくは4〜15重量部、およ
び/または吸油吸水性粉末の20〜100重量部好まし
くは60〜100重量部であり、処理すべき廃液の種
類、粘性、不揮発分などの性状あるいは望ましい固化の
程度に応じて上記の範囲内で選べばよい。
【0025】本発明による廃液の処理を実施するには、
適当な容器に廃液、水および上記の各成分の所定量を秤
取しかきまぜて放置すればよく簡便に実施できる。処理
生成物は、たとえば40℃で3日間の保存テストあるい
は3日間の屋外放置でも液体が滲出することもなく爾後
の廃棄などの取扱上極めて便利である。
【0026】本発明を実施するに際して、処理生成物の
臭気を防止する目的で加える水中に適当な消臭剤を分散
また溶解して用いることは固化を妨げない限り任意に行
ってよい。
【0027】本発明を実施例によって具体的に説明する
が、これによって本発明は限定されるものではない。部
数および%はそれぞれ重量部および重量%で示した。
【0028】実施例1 市販の溶剤型アルキド樹脂塗料(ロックペイント株式会
社、赤褐色調合ペイント)100部に上水300部、ア
クリル酸塩系高吸水性ポリマー(株式会社日本触媒、ア
クアリックCA−K4)30部、吸油性ポリマーとして
ノルボルネンの開環重合でえられるノルボルネンポリマ
ー(日本ゼオン株式会社、商品名フィクソール)5部、
吸油吸水性粉末としてモンモリナイト(和光純薬株式会
社)30部を加えてかきまぜたものはおから状の処理生
成物となり用いた容器からの分別廃棄が極めて容易に行
えた。この処理物は40℃で4日間の放置でも油分の滲
出はみられなく、また、大量の水を含包するゲルにおゝ
われているため火を近づけても引火や発火の現象もなく
廃棄上安全で簡便な利点があった。
【0029】このように、分別廃棄ができることから、
分別収集される容器は地球資源として再資源化され循環
型社会の構築に大きく貢献できることは言うまでもな
い。
【0030】実施例2 市販の吸水能を有する高分子物質としてアクリル酸塩グ
ラフトポリマー(住友精化株式会社、アクアキープSA
−60SX)を用意する。また、吸油吸水性粉末として
二酸化ケイ素(日本アエロジル株式会社、AEROSI
L300)を準備する。
【0031】揚物に2回使用した廃てんぷら油100部
を1,000mlの容器にとり、上水300部および上
記の高吸水性ポリマーの30部、吸油吸水性粉末の30
部を加えてよくかきまぜたものはもち状の外観を呈した
固化物となり液体の分離はみられかなった。恒温槽内に
この処理物を入れて40±1℃で3日間放置した後も液
体の離脱はみられずドリッピング現象がないことが確認
された。
【0032】実施例3 市販油性ペイントうすめ液(アサヒペン株式会社、主成
分ミネラルスピリット)で刷毛を洗った廃溶剤100部
に対して上水の150部、高吸水性ポリマー(三菱油化
株式会社、ダイヤウエット)3部、実施例2で用いた高
吸水性ポリマー1部、実施例1で用いた吸油性ポリマー
(日本ゼオン株式会社、商品名フィクソール)2部、実
施例2で用いた吸油吸水性粉末の70部を加えてかきま
ぜたものはおから状の外観をもった固化物であり屋外に
一週間放置しても液体の滲出はみられなかった。
【0033】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているから、非水系の廃塗料、水溶性樹脂タイプの廃
液、廃シンナー、廃食油、エンジンオイルや機械油など
の廃鉱物油などに適用して安全で容易に固化処理を行う
ことができる効果をもつものである。
【0034】しかも、処理物は放置によっても被処理廃
液成分が滲出することもないので取扱い上便利な利点も
有する。また処理物は1.5〜3倍量の水を含むゲル中
に廃液が包含されているため、引火、発火物としての危
険物の懸念もなく容器と分別して一般ごみとして廃棄で
きるから環境保全面でも有利である。すなわち、処理の
面倒な廃油の不法投棄を防ぐばかりでなく容器類を大切
な地球資源としてリサイクルする上できわめて有益な方
法を提供するものである。これらの効果は、従来品固化
剤の使用では到底達成できなかったものであり廃液の処
理および循環型経済社会構築上きわめて有益である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年9月26日(2000.9.2
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸水ゲル能を有する高分子物質と水との存
    在下に廃液を処理するに際して、吸油性ポリマーおよび
    /または吸油吸水性粉末を介在させて固化させることを
    特長とする廃液の処理方法。
  2. 【請求項2】廃液に対して、吸水ゲル能を有する高分子
    物質の2〜100重量%および吸油性ポリマーの2〜2
    0重量%を用いた請求項1記載の廃液の処理方法。
  3. 【請求項3】廃液に対して、吸水ゲル能を有する高分子
    物質の2〜100重量%および吸油吸水性粉末の20〜
    100重量%を用いた請求項1記載の廃液の処理方法。
  4. 【請求項4】廃液に対して、吸水ゲル能を有する高分子
    物質の2〜100重量%、吸油性ポリマーの2〜20重
    量%および吸油吸水性粉末の20〜100重量%を用い
    た請求項1記載の廃液の処理方法。
JP2000240422A 2000-07-03 2000-07-03 廃液の処理方法 Pending JP2002020735A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009035580A (ja) * 2007-07-31 2009-02-19 Neos Co Ltd 固形油及び固形油の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009035580A (ja) * 2007-07-31 2009-02-19 Neos Co Ltd 固形油及び固形油の製造方法

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