JP2002020587A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物

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JP2002020587A
JP2002020587A JP2000204406A JP2000204406A JP2002020587A JP 2002020587 A JP2002020587 A JP 2002020587A JP 2000204406 A JP2000204406 A JP 2000204406A JP 2000204406 A JP2000204406 A JP 2000204406A JP 2002020587 A JP2002020587 A JP 2002020587A
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Japan
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epoxy resin
organopolysiloxane
unit
sio
resin composition
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JP2000204406A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Ichiroku
信広 市六
Miyuki Wakao
幸 若尾
Toshio Shiobara
利夫 塩原
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、
(C)無機質充填剤、(D)オルガノポリシロキサンを
必須成分とするエポキシ樹脂組成物において、(D)成
分のオルガノポリシロキサンが、R1 3SiO1/2単位、
1 2SiO2/2単位、R1SiO3/2単位からなり(但
し、R1は互いに同一又は異種の炭素数1〜20の非置
換又は置換の一価炭化水素基を示す)、R1 3SiO1/2
単位/R1 2SiO2 /2単位/R1SiO3/2単位=0.5
〜20/60〜99/0.5〜20(モル%)の構成比
の構造を持ち、25℃における粘度が10〜10万セン
チポイズであり、この配合量が(A)エポキシ樹脂と
(B)硬化剤との合計量100重量部に対して1×10
-4〜20重量部であることを特徴とするエポキシ樹脂組
成物。 【効果】 半導体デバイスと基板との隙間への充填性に
優れている上、内部及び表面のボイド発生が少なく、し
かも各種基板への接着性の良好な硬化物を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部及び表面のボ
イド発生が少なく、半導体デバイスへの浸透性に優れて
いる上、各種基板への接着性も良好な硬化物を与え、ポ
ッティングやCOB方式、またはスクリーンプリントに
よる半導体デバイスの封止などに好適に使用することが
できるエポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】エポキ
シ樹脂組成物は、その優れた硬化物性のため電気、電子
分野のみならず、あらゆる分野で使用されているが、作
業性等の改善のため粘度を極度に低下させたり、チキソ
性の高い状態で使用したりと種々の流動特性のもとで使
用しているのが現状である。
【0003】最近では、半導体デバイスの封止方法とし
てポッティングやCOB方式、またはスクリーンプリン
トによる封止方法が幅広く用いられるようになってき
た。ポッティングやCOB方式においては、半導体素子
から伸びる金線間の非常に狭い空間に樹脂を流し込まな
ければならないこと、またスクリーンプリントによる封
止方法では、封止後の形状を維持する必要があるため、
チキソ性とフロー性を両立しなければならなく、従来の
液状エポキシ樹脂組成物では充填性に問題があった。
【0004】また、エポキシ樹脂組成物は、ポッティン
グ時や滴下時の巻き込みによる気泡が硬化過程で外部に
除去できず、硬化物の内部や表面部分にボイドとして残
存したり、またスクリーンプリントではプリント時にス
キージの動作によって発生する気泡が表面にボイドとし
て残存したり、トランスファー成形の際には、ゲートか
らキャビティーに流入する際に巻き込んだエアーが排出
されずにそのまま内部ボイドとして残って不良品となる
など、気泡に関する問題点が指摘されている。
【0005】この場合、ボイドを低減させるため、フロ
ラードFC−170C,FC−430,FC−431
(住友スリーエム社製)等のフッ素系の界面活性剤やK
F351,KF945,KF618(信越化学工業社
製)等のシリコーン系の界面活性剤を使用することはよ
く知られていることである。
【0006】しかし、現状はこれらの界面活性剤を使用
してもまだボイド発生の防止効果が満足できるものでは
なかった。更に、ポッティングやCOB方式、またはス
クリーンプリントによる封止方法においてはまだ十分な
検討がなされておらず、充填性を向上させるため樹脂の
粘度を下げる、また樹脂のチキソ性を低減させる程度の
対応がなされているのみであった。
【0007】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、内部及び表面のボイド発生が少なく、半
導体デバイスへの浸透性に優れている上、各種基板への
接着性の良好な硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機質充填剤を含有する
エポキシ樹脂組成物に、下記に示すオルガノポリシロキ
サンを添加することにより、半導体デバイスに対する十
分な脱泡、破泡効果が発揮され、このため硬化物の内部
及び表面のボイド発生を十分満足に減らすことができ、
半導体デバイスと基板との隙間への充填性に優れている
上、各種基板への接着性を保持し、硬化物の物性に影響
がないこと、それ故かかるエポキシ樹脂組成物はポッテ
ィングやCOB方式、またはスクリーンプリントによる
半導体デバイスの封止に好適に使用できることを見出
し、本発明をなすに至った。
【0009】従って、本発明は、(A)エポキシ樹脂、
(B)硬化剤、(C)無機質充填剤、(D)オルガノポ
リシロキサンを必須成分とするエポキシ樹脂組成物にお
いて、(D)成分のオルガノポリシロキサンが、R1 3
iO1/2単位、R1 2SiO2/2単位、R1SiO3/2単位か
らなり(但し、R1は互いに同一又は異種の炭素数1〜
20の非置換又は置換の一価炭化水素基を示す)、R1 3
SiO1/2単位/R1 2SiO2/2単位/R1SiO3/2単位
=0.5〜20/60〜99/0.5〜20(モル%)
の構成比の構造を持ち、25℃における粘度が10〜1
0万センチポイズであり、この配合量が(A)エポキシ
樹脂と(B)硬化剤との合計量100重量部に対して1
×10-4〜20重量部であることを特徴とするエポキシ
樹脂組成物を提供する。
【0010】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬
化剤、無機質充填剤、オルガノポリシロキサン等を含有
するものである。
【0011】ここで、本発明に使用される(A)成分の
エポキシ樹脂としては、一分子中に2個以上のエポキシ
基を有するものであれば、分子構造、分子量等は特に限
定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノー
ル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラッ
ク型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹
脂、トリフェノールプロパン型エポキシ樹脂等のトリフ
ェノールアルカン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキ
ル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹
脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ
樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン
型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂
は1種単独で又は2種以上混合して用いることができ
る。
【0012】液状エポキシ樹脂組成物とする場合は、一
分子中に2個以上のエポキシ基を有し、室温(例えば2
5℃)で液状のものであればいかなるものでも使用可能
であるが、特にビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビス
フェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポ
キシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂が望ましい。
【0013】次に、本発明に用いられる(B)成分の硬
化剤としては、(A)成分のエポキシ樹脂中のエポキシ
基と反応可能な官能基(例えば、フェノール性水酸基、
アミノ基、酸無水物基など)を2個以上(但し、酸無水
物基は1個以上)有する化合物であれば、分子構造、分
子量等は特に限定されず、公知のものを使用することが
できる。例えば、1分子中にフェノール性水酸基を少な
くとも2個有するフェノール樹脂、具体的には、フェノ
ールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のノ
ボラック型フェノール樹脂、パラキシリレン変性ノボラ
ック樹脂、メタキシリレン変性ノボラック樹脂、オルソ
キシリレン変性ノボラック樹脂等のキシリレン変性ノボ
ラック樹脂、ビスフェノールA型樹脂、ビスフェノール
F型樹脂等のビスフェノール型フェノール樹脂、ビフェ
ニル型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、フ
ェノールアラルキル型樹脂、ビフェニルアラルキル型樹
脂、トリフェノールメタン型樹脂、トリフェノールプロ
パン型樹脂等のトリフェノールアルカン型樹脂及びその
重合体等のフェノール樹脂、ナフタレン環含有フェノー
ル樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等の
いずれのフェノール樹脂も使用可能であるほか、アミン
系、酸無水物系等の硬化剤を使用し得る。
【0014】この場合、組成物をトランスファー成形用
とする場合は、フェノール樹脂が好適に用いられる。
【0015】また、液状エポキシ樹脂組成物とする場合
に用いられる硬化剤としては、特に酸無水物が好まし
い。酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、メ
チルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無
水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハ
イミック酸、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物な
どの、好ましくは分子中に脂肪族環又は芳香族環を1個
又は2個有すると共に、酸無水物基(即ち、−CO−O
−CO−基)を1個又は2個有する、炭素原子数4〜2
5個、好ましくは8〜20個程度の酸無水物が好適であ
る。
【0016】なお、液状エポキシ樹脂組成物に用いられ
る硬化剤としては、上記の他にジシアンジアミド、アジ
ピン酸ヒドラジド、イソフタル酸ヒドラジド等のカルボ
ン酸ヒドラジドも使用することができる。
【0017】上記硬化剤の配合量は、エポキシ樹脂を硬
化させる有効量であり、適宜選定されるが、フェノール
樹脂の場合、エポキシ樹脂中に含まれるエポキシ基1モ
ルに対して硬化剤中に含まれるフェノール性OH基の比
が0.5〜2.0モル、特に0.8〜1.3モルである
ことが好ましい。また、硬化剤として酸無水物を用いる
場合は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1モルに対し、硬
化剤中の酸無水物基(−CO−O−CO−)の比を0.
3〜0.7モル、特に0.4〜0.6モルの範囲とする
ことが望ましい。硬化剤中の酸無水物基の比が0.3モ
ル未満では硬化性が不十分であり、0.7モルを超える
と、未反応の酸無水物が残存し、ガラス転移温度の低下
となるおそれがある。
【0018】更に、必要により、本発明の組成物には、
(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との硬化反応を促進
するため、硬化促進剤を用いることが好ましい。この硬
化促進剤は、硬化反応を促進させるものならば特に限定
されず、例えば、イミダゾール化合物、3級アミン化合
物、有機リン系化合物から選ばれる1種又は2種以上を
配合することができる。
【0019】ここで、イミダゾール化合物としては、2
−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、4−
メチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、2−フ
ェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダ
ゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチルイミダゾ
ール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シア
ノエチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4
−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フ
ェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が
挙げられる。
【0020】また、3級アミン化合物としては、トリエ
チルアミン、ベンジルジメチルアミン、ベンジルトリメ
チルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン等の窒
素原子に結合する置換基としてアルキル基やアラルキル
基を有するアミン化合物、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]ウンデセン−7及びそのフェノール塩、
オクチル酸塩、オレイン酸塩などのシクロアミジン化合
物やその有機酸との塩、或いは下記式の化合物などのシ
クロアミジン化合物と4級ホウ素化合物との塩又は錯塩
などが挙げられる。
【0021】
【化1】
【0022】また、有機リン系化合物としては、トリフ
ェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−
メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)
ホスフィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボ
ラン等のトリオルガノホスフィン化合物やテトラフェニ
ルホスホニウム・テトラフェニルボレート等の4級ホス
ホニウム塩などが挙げられる。
【0023】これらの硬化促進剤の配合量は、上記エポ
キシ樹脂と硬化剤との合計100重量部に対して0.0
1〜10重量部、特に0.5〜5重量部の範囲で添加す
ることが好適である。配合量が0.01重量部より少な
いと硬化性が低下する場合があり、10重量部より多い
と硬化性に優れるが、保存安定性が低下する傾向となる
場合がある。
【0024】また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、
硬化物の膨張係数を小さくする目的から、(C)成分と
して従来より知られている各種の無機質充填剤を添加す
る。このような無機質充填剤としては、例えば、溶融シ
リカ、結晶シリカ、アルミナ、ボロンナイトライド、ア
ルミニウムナイトライド、シリコンナイトライド、窒化
アルミ、窒化ケイ素、マグネシア、マグネシウムシリケ
ートなどが使用される。半導体デバイスが発熱の大きい
素子の場合は、これらの中でも熱伝導率ができるだけ大
きく、かつ膨張係数の小さなアルミナ、ボロンナイトラ
イド、窒化アルミ、窒化ケイ素などを使用することが望
ましく、また、これらを溶融シリカ等とブレンドして使
用してもよい。
【0025】無機質充填剤の粒度分布は、平均粒径が2
〜30μmで、最大粒径が74μm以下のものが望まし
い。平均粒径が2μmより小さいと粘度が高くなり、多
量に充填できない場合があり、30μmを超えると粗い
粒径が多くなり、ゲート詰まりやディスペンサーの細い
ニードルを塞いでしまう可能性がある。なお、この平均
粒径は、例えばレーザー光回折法等の分析手段を使用し
た粒度分布計により重量平均値(又はメジアン径)等と
して求めることができる。
【0026】また、無機質充填剤の形状には、特に限定
はなく、フレーク状、樹枝状、球状の充填剤を単独でま
たは混合して用いることができる。また、チクソ性付与
のためアエロジルなどの超微粒子シリカを添加すること
もできる。
【0027】無機質充填剤の配合量は、(A)エポキシ
樹脂及び(B)硬化剤の合計量100重量部に対して1
00〜1,000重量部、望ましくは200〜900重
量部の範囲で配合することが好ましい。100重量部未
満では、硬化物の吸水率が高く、線膨張率も大きくな
り、信頼性に劣る硬化物となる場合があり、1,000
重量部を超えると、エポキシ樹脂組成物の粘度が上昇し
て充填性と成型性に劣る組成物となる場合がある。
【0028】本発明において、無機質充填剤はシランカ
ップリング剤、チタネートカップリング剤などのカップ
リング剤であらかじめ表面処理することが低吸水性、耐
衝撃性及び耐クラック性をさらに向上させる点で好まし
い。
【0029】カップリング剤としては、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリメトキシシランのようなエ
ポキシ官能性基含有アルコキシシラン、N−β(アミノ
エチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−
γ−アミノプロピルトリメトキシシランのようなアミノ
官能性基含有アルコキシシラン、γ−メルカプトトリメ
トキシシランのようなメルカプト官能性基含有アルコキ
シシランなどのシランカップリング剤を用いることが好
ましい。ここで、表面処理に用いるカップリング剤量及
び表面処理方法については特に制限されない。
【0030】本発明は、上記(A)エポキシ樹脂、
(B)硬化剤及び(C)無機質充填剤を含有するエポキ
シ樹脂組成物に、(D)オルガノポリシロキサンをエポ
キシ樹脂と硬化剤との合計量100重量部に対して1×
10-4〜20重量部を含有することを特徴とするもので
ある。
【0031】本発明に使用される(D)成分のオルガノ
ポリシロキサンは、次の構造単位からなるものである。 [R1 3SiO1/2],[R1 2SiO2/2],[R1SiO
3/2
【0032】ここで、R1はメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル
基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テ
トラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などの
アルキル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル
基、ビニル基、アリル基などのアルケニル基、フェニル
基、トリル基などのアリール基、またはこれらの基の炭
素原子に結合している水素原子の一部または全部をハロ
ゲン原子、シアノ基などで置換したクロロメチル基、3
−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピ
ル基、シアノエチル基などから選択される炭素数1〜2
0の非置換または置換の一価炭化水素基であり、R1
互いに同一でも異なっていてもよいが、全体の90モル
%以上がメチル基であることが好ましい。
【0033】このオルガノポリシロキサンの構造単位で
ある[R1 3SiO1/2]単位が0.5モル%未満である
と粘度が高くなりすぎ、取り扱いが困難となるし、20
モル%を超えると粘度が低くなりすぎ、抑泡性に乏しく
なる。また、[R1 2SiO2/ 2]単位が60モル%未満
であると粘度が低くなりすぎ、抑泡性が不良となるし、
99モル%を超えると粘度が高くなりすぎ、取り扱いが
困難となる。更に、[R1SiO3/2]単位が0.5モル
%未満であると抑泡性に乏しくなるし、20モル%を超
えると粘度が高くなりすぎ、取り扱いが困難となる。こ
のことから、オルガノポリシロキサン構造単位の構成比
は、[R1 3SiO1/2]/[R1 2SiO2 /2]/[R1
iO3/2]=0.5〜20/60〜99/0.5〜20
(モル%)とされるが、好ましくは0.5〜20/65
〜99/0.5〜15(モル%)である。
【0034】本発明のオルガノポリシロキサンは、分散
のし易さ、作業性の面からは粘度をできるだけ低いもの
とすることがよく、抑泡性の面からは粘度が高い方がよ
いものであるが、粘度が10センチポイズ未満では得ら
れる組成物の消泡性が乏しいものとなり、粘度が10万
センチポイズより大きいとエポキシ樹脂に混合する際の
作業性に難点が生ずるので、10〜10万センチポイズ
とされるが、より好ましくは25〜2.5万センチポイ
ズである。
【0035】オルガノポリシロキサンの配合量は、エポ
キシ樹脂と硬化剤との合計量100重量部に対して1×
10-4〜20重量部、好ましくは1×10-2〜5重量部
であり、1×10-4重量部未満では十分な脱泡、破泡効
果がなく、20重量部を超えると逆に発泡性が出てくる
上に接着性も低下し、また表面上にブリードしてきて硬
化表面のしみの原因となったり、接着性を低下させたり
する。
【0036】本発明のエポキシ樹脂組成物には、上記成
分以外に応力を低下させる目的でシリコーンゴム、シリ
コーンオイル、シリコーン変性樹脂や液状ポリブタジエ
ンゴムなどをボイド不良の発生しない範囲で配合しても
よい。
【0037】また、本発明の組成物には、粘度を下げる
目的のために、従来より公知のn−ブチルグリシジルエ
ーテル、フェニルグリシジルエーテル、スチレンオキサ
イド、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ジシク
ロペンタジエンジエポキシドのような希釈剤を添加する
ことができる。
【0038】更に、上記したシランカップリング剤やチ
タネートカップリング剤の他にアルミニウム系カップリ
ング剤等のカップリング剤やカーボンブラック等の着色
剤、界面活性剤としてノニオン系界面活性剤、フッ素系
界面活性剤などの濡れ向上剤や消泡剤なども場合によっ
ては添加することができる。なお、これら添加剤の添加
量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすること
ができる。
【0039】本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば、
エポキシ樹脂、硬化剤を同時に又は別々に必要により加
熱処理を加えながら撹拌、溶解、混合、分散させ、これ
らの混合物に無機質充填剤、オルガノポリシロキサン及
び必要に応じて硬化促進剤、可撓性付与剤などその他の
添加剤を加えて混合、撹拌、分散させることにより製造
することができる。これらの混合物の混合、撹拌、分散
等の装置は特に限定されないが、撹拌、加熱装置を備え
たライカイ機、3本ロール、ボールミル、プラネタリー
ミキサー等を用いることができる。これら装置を適宜組
み合わせて使用してもよい。
【0040】トランスファー成形用としてエポキシ樹脂
を使用する場合は、エポキシ樹脂と硬化剤、無機質充填
剤、オルガノポリシロキサン及びその他の添加剤などを
高速撹拌装置により均一に混合した後、熱二本ロールや
連続混練装置により混練することで製造することができ
る。また、これら装置を適宜組み合わせて使用してもよ
い。
【0041】本発明のエポキシ樹脂組成物は、加熱によ
り容易に硬化し得るもので、硬化条件は特に制限されな
いが、通常100〜190℃で0.5〜10時間とする
ことが望ましい。
【0042】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、半導体
デバイスと基板との隙間への充填性に優れている上、内
部及び表面のボイド発生が少なく、しかも各種基板への
接着性の良好な硬化物を与えるもので、ポッティング、
COB方式やスクリーンプリント方式による半導体デバ
イスの封止などに好適に使用することができる。
【0043】
【実施例】以下、合成例、実施例及び比較例を示し、本
発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制
限されるものではない。なお、下記の例において部は重
量部を示す。また、Meはメチル基を示す。
【0044】[オルガノポリシロキサン合成例1]1,
1,1,3,5,7,7,7−オクタメチル−3,5−
ジヒドロキシテトラシロキサン60.0g、オクタメチ
ルシクロテトラシロキサン195g及びテトラブチルホ
スホニウムヒドロキシトシラノレート(テトラブチルホ
スホニウムヒドロキシド10%含有)0.2gを混合
し、窒素気流下、110〜120℃で2時間加熱撹拌
し、更に水酸化カルシウムシラノレート(水酸化カリウ
ム10%含有)0.2gを加え、150〜160℃で4
時間加熱撹拌した。その後、80〜90℃でエチレンク
ロロヒドリン0.2gを加え、80〜90℃のまま2時
間撹拌した。得られた反応物を10mmHgの減圧下1
50〜160℃で2時間加熱し、低分子シロキサンを除
去して、150センチポイズの「オルガノポリシロキサ
ン1」を得た。29Si−NMRで構造を解析したとこ
ろ、[Me3SiO1/2]/[Me2SiO2/2]/[Me
SiO3/2]=11.8/76.5/11.8(モル
%)の組成であった。
【0045】[オルガノポリシロキサン合成例2]1,
1,1,3,5,7,7,7−オクタメチル−3,5−
ジヒドロキシテトラシロキサン6.5g、オクタメチル
シクロテトラシロキサン195gとしたこと以外は、合
成例1と全く同様にして3,000センチポイズの「オ
ルガノポリシロキサン2」を得た。29Si−NMRで構
造を解析したところ、[Me3SiO1/2]/[Me2
iO2/2]/[MeSiO3/2]=1.6/96.8/
1.6(モル%)の組成であった。
【0046】[オルガノポリシロキサン合成例3]1,
1,1,3,5,7,7,7−オクタメチル−3,5−
ジヒドロキシテトラシロキサン4.3g、オクタメチル
シクロテトラシロキサン192gとしたこと以外は、合
成例1と全く同様にして10,000センチポイズの
「オルガノポリシロキサン3」を得た。29Si−NMR
で構造を解析したところ、[Me3SiO1/2]/[Me
2SiO2/2]/[MeSiO3/2]=1.1/97.8
/1.1(モル%)の組成であった。
【0047】[オルガノポリシロキサン合成例4]1,
1,1,3,5,7,7,7−オクタメチル−3,5−
ジヒドロキシテトラシロキサン43.4g、オクタメチ
ルシクロテトラシロキサン195g及びヘキサメチルシ
ロキサン23.2gを添加したこと以外は、合成例1と
全く同様にして45センチポイズの「オルガノポリシロ
キサン4」を得た。29Si−NMRで構造を解析したと
ころ、[Me3SiO1/2]/[Me2SiO2/2]/[M
eSiO3/2]=18.2/72.7/9.1(モル
%)の組成であった。
【0048】[オルガノポリシロキサン合成例5]1,
1,1,3,5,7,7,7−オクタメチル−3,5−
ジヒドロキシテトラシロキサン100g、オクタイソプ
ロピルシクロテトラシロキサン100g及びヘキサメチ
ルシロキサン50gを添加したこと以外は、合成例1と
全く同様にして45センチポイズの「オルガノポリシロ
キサン5」を得た。29Si−NMRで構造を解析したと
ころ、[Me3SiO1/2]/[Me2SiO2/2]/[M
eSiO3/2]=50/25/25(モル%)の組成で
あった。
【0049】[オルガノポリシロキサン6,7]「オル
ガノポリシロキサン6」として100センチポイズのジ
メチルシリコーンオイル[Me3SiO1/2]/[Me2
SiO2/2]=2.5/97.5(モル%)を、「オル
ガノポリシロキサン7」として10,000センチポイ
ズのジメチルシリコーンオイル[Me3SiO1/2]/
[Me2SiO2/2]=0.3/99.7(モル%)を用
いた。
【0050】[実施例1〜6、比較例1〜4]表2に示
すように液状エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂(RE310:日本化薬社製)、硬化剤とし
て酸無水物(MH700:新日本理化社製)、溶融シリ
カ(SE15:徳山曹達社製)、シランカップリング剤
(KBM403:信越化学工業社製)、硬化触媒(UC
AT5002:サンアプロ社製)、上記合成例で調製し
たオルガノポリシロキサンを表1,2に示す組成で配合
し、エポキシ樹脂組成物を製造した。
【0051】得られたエポキシ樹脂組成物の諸特性を下
記方法で測定した。結果を表1,2に併記する。 《諸特性の測定方法》 粘度:ブルックフィールド粘度計を用い、室温で測定し
た。 表面ボイド:5mlのアルミシャーレに完全に脱泡した
5gの樹脂組成物を入れ、4×4の格子状に針配置した
マルチニードルを用いて、0.2mlの空気を注入して
約0.01mlの大きさの泡を16個発生させた後、8
0℃の熱板上で2時間硬化させた後の表面ボイド数を数
えた。 気泡発生量:完全に脱泡した表1,2に示す樹脂組成物
のSE15,KBM403,UCAT5002を除く樹
脂分のみ25gを250ccのガラス瓶に入れ、これを
40℃で1時間加熱して10分間振とう機で振とう後、
このときの気泡発生量を測定した。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】表1,2の結果より、本発明のエポキシ樹
脂組成物は、浸透性に優れ、かつ硬化物の表面ボイドの
発生が非常に少ないことが確認された。
【0055】[実施例7、比較例5]エポキシクレゾー
ルノボラック樹脂(EOCN1020、日本化薬社製)
167.9部、フェノール樹脂(TD2093、大日本
インキ社製)90.6部、ブロム化エポキシ樹脂(BR
EN−S、日本化薬社製)36.6部、溶融シリカ(R
D8、龍森社製)678.9部、カーボンブラック3
部、カルナバワックス3部、シランカップリング剤(K
BM403、信越化学工業社製)3部、硬化触媒(TP
P、北興化学社製)2.4部、オルガノポリシロキサン
として合成例1で調製した「オルガノポリシロキサン
1」を5部配合し、高速混合装置で混合後、連続混練装
置で混練することでトランスファー成形用エポキシ樹脂
組成物(実施例7)を得た。
【0056】また、オルガノポリシロキサンを使用しな
い以外は、実施例7と同様に混練することでトランスフ
ァー成形用のエポキシ樹脂組成物(比較例5)を得た。
【0057】上記実施例7及び比較例5のエポキシ樹脂
組成物を175℃の温度、70kgf/cm2の成形圧
力で2分間の条件で硬化させた後、スパイラルフローと
内部ボイドの発生状況を次に示す方法で評価した。結果
を表3に併記する。 スパイラルフロー:EMMI規格に準じた金型を使用し
て測定した。 内部ボイド:8mm角のシリコーンチップを搭載した1
00ピンQFPパッケージを上記条件で封止した後、軟
X線装置でパッケージ内の内部ボイド数を測定した。ボ
イド数はパッケージ10個中の数である。
【0058】
【表3】
【0059】表3の結果より、本発明のエポキシ樹脂組
成物は、内部ボイドの発生が少ないことが分かった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 63/00 H01L 23/30 R 83:04) (72)発明者 塩原 利夫 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 Fターム(参考) 4J002 CC03X CC04X CC05X CC06X CC07X CD00W CD02W CD04W CD05W CD06W CD07W CP033 DE077 DE147 DF017 DJ007 DJ017 DK007 EL136 EQ026 ER026 FA087 FB097 FB137 FB147 FB157 FB167 FD017 FD020 FD090 FD14X FD146 FD150 GQ05 4J035 BA04 CA20K EA01 LA02 LB04 4M109 AA01 BA01 BA03 BA05 CA04 CA12 CA21 EB09 EC09 EC20

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、
    (C)無機質充填剤、(D)オルガノポリシロキサンを
    必須成分とするエポキシ樹脂組成物において、(D)成
    分のオルガノポリシロキサンが、R1 3SiO1/2単位、
    1 2SiO2/2単位、R1SiO3/2単位からなり(但
    し、R1は互いに同一又は異種の炭素数1〜20の非置
    換又は置換の一価炭化水素基を示す)、R1 3SiO1/2
    単位/R1 2SiO2/2単位/R1SiO3/2単位=0.5
    〜20/60〜99/0.5〜20(モル%)の構成比
    の構造を持ち、25℃における粘度が10〜10万セン
    チポイズであり、この配合量が(A)エポキシ樹脂と
    (B)硬化剤との合計量100重量部に対して1×10
    -4〜20重量部であることを特徴とするエポキシ樹脂組
    成物。
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