JP2002017367A - 酵素の改良方法 - Google Patents
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Abstract
ることを目的とする。 【解決手段】本発明の方法は、酵素タンパク質中のアミ
ノ酸置換の効果における曖昧な相加性に基づき、変異、
選択を繰り返して特性を改良することを含む。
Description
方法、及び当該方法によって得られた酵素に関する。
酵素という。酵素に一般に共通する性質の一つとして基
質の種類を厳密に識別する「基質特異性」がある。
反応の高い特異性を利用し分析素子を組み立て種々の物
質が混在する試料から特定の物質のみを定量することが
行われている。例えば、生体成分の測定のためにヒトの
体液(血液、血漿、血清、尿など)を試料とし酵素反応
にもどつき生体成分を測定することが、臨床診断ならび
に臨床検査薬分野で広く応用されている。このような酵
素を用いた生体成分の測定は、疾病の進行度合いを推定
し治療効果を確認するためにも、あるいは予防医学的に
疫学的なリスク因子を生体成分の中から同定するために
も重要である。よって、測定には正確さ及び精度管理が
特に要求される。
物質を製造することも可能である。例えば酵素Eを用い
て出発物質Aから生成物Bを得る工程を、単純化して以
下の化1のように表す。
とく可逆的な反応様式をとる場合が多い。すなわち、酵
素Eは出発物質Aに反応して生成物Bの生成を促進する
という機能を有する一方、基質濃度、pH、温度等の反
応条件によって、生成物Bの方に反応して出発物質Aの
生成を促進する場合がある。産業的に安価に生成物Bを
得るには、A→B方向の不可逆的な反応様式に酵素Eの
反応特異性を改変させる必要が生じる。
利用して種々の物質が混在する試料から特定の物質のみ
を定量する場合、酵素反応を利用して産業的に有用な物
質を製する場合などには、化学反応そのもの若しくは化
学構造論的に厳密な反応及び基質特異性を有すること、
すなわち高い基質特異性を有することが期待される。こ
のような場合の例a)−c)を以下に記載する。
診断では、血清トランスアミナーゼ(ALT:アラニン
アミノトランスフェラーゼやAST:アスパラギン酸ア
ミノトランスフェラーゼ)活性を測定することが、肝疾
患の臨床検査として汎用されている。しかしながら、生
体成分中のLD(乳酸デヒドロゲナーゼ)やMD(リン
ゴ酸デヒドロゲナーゼ)に起因する測定試薬基質に対す
る副反応が試薬ブランクとして測定され、測定値の正確
さや精度管理上で問題となることが指摘されている(臨
床化学2000年第29巻補冊2号99a―115
a)。
合:コレステロールデヒドロゲナーゼを用いて血清コレ
ステロールを定量する場合、生成物のコレステ4エン3
オンによる生成物阻害のために測定感度が低下する現象
が知られている。
ゼによる酵素反応時に生成したコレステ4エン3オンを
ヒドラジン化合物により同時に酵素との親和性を有しな
いかたちに変換する工夫がなされている(Kayamo
ri Yら“Endpoint colorimetr
ic method for assaying to
tal cholesterol in serum
with cholesterol dehydrog
enase.” Clin Chem. 1999 D
ec;45(12):2158−63)。しかしなが
ら、ジアゾ化合物は取扱いの上で人体への危害をあたえ
る可能性があり、問題となる。例えば、ヒドラジン一水
和物は、和光純薬工業試薬カタログ2000年版より毒
性および腐食性を有する劇物III類ならびに危険物4
−3−III類の化合物と記載されている。
ーゼの場合:p−ヒドロキシ安息香酸ならびにその誘導
体を用いた血清コリンエステラーゼ活性の測定には、補
酵素及びp−ヒドロキシ安息香酸ヒドロキシラーゼ(p
HBH)と組み合せた方法が用いられる(詳しくは、臨
床検査法提要 金原出版 平成10年第31版 ページ
632−33に記載)。実施例でも記述するようにPs
eudomonas fluorescens由来pH
BHの反応様式には2つの反応が存在することが知られ
ている。
DPH→ プロトカテキン酸 +H2O + NADP+ (ii) O2+NADPH → H2O + NADP
+ 特に(ii)の反応は、(i)の反応による生成物のプ
ロトカテキン酸が、pHBHに対して活性化因子的に作
用し(ii)の副反応を促進させる(丸尾文治、田宮信
雄監修 ページ179 酵素ハンドブック1982年
朝倉書店発行)。そこで、p−ヒドロキシ安息香酸の濃
度とNADP+生成量とを化学量論的に一致させること
が、上記の血清コリンエステラーゼを測定に重要とな
る。現在では、その解決策としてpHBHの(i)の反
応により生成するプロトカテキン酸を分解するために、
さらにプロトカテキン酸オキシゲナーゼ(PCO)を添
加している。しかしながら、PCOの添加は臨床検査薬
としてのコスト面や検査試薬の溶液安定性の面で問題と
なる。
合 1)に対し、例えば産業的に生み出された産物などを酵
素反応を利用して浄化する場合、当該酵素が一群の対象
物質すべてと反応することが望まれる。このような酵素
は近年「環境浄化酵素」として着目されている。
に利用されるリパーゼやプロテアーゼを例にあげると、
リパーゼの場合は脂肪酸エステルの炭素鎖数や不飽和度
に依存しない酵素、プロテアーゼの場合はペプチド鎖の
アミノ酸残基数に依存せず任意のアミノ酸残基のところ
で加水分解する酵素が望まれる。これら場合は、酵素が
広範な物質と反応すること、即ち、酵素の基質特異性が
低いことが重要となる。
要求される場合、2)広範な基質との反応性が要求され
る場合のいずれも、酵素反応活性のみならず、コスト
面、安全性等の種々の点で十分に満足のゆく結果は得ら
れていなかった。また、各酵素反応について、さらに別
の酵素を加えるというように、所期の結果を得るための
工夫が個別になされていた。しかしながら、所期の基質
特異性を有する酵素を効率よく得るための一般的な方
法、即ち、任意の野生型の酵素について基質特異性を改
良する方法は、その必要性にもかかわらず本発明前には
開発されていなかった。
の強弱、(熱、溶液、pH、有機溶剤を含む化学変性剤
等に対する)酵素の安定性、(作用、pH、温度等に対
する)反応の平衡、比活性の改良、反応特異性などのそ
の他の酵素の特性についても所期の特性を有する酵素を
効率よく得るための一般的な方法、即ち、任意の野生型
の酵素について特性を改良する方法は、本発明前には開
発されていなかった。
を改良するための方法を提供することを目的とする。本
発明の方法は、酵素タンパク質中のアミノ酸置換の効果
における曖昧な相加性に基づき、変異、選択を繰り返し
て特性を改良することを含む、ことを特徴とする。
れた改良酵素を提供することを目的とする。
解決するために鋭意研究に努めた結果、任意の酵素につ
いて特性を改良するための方法を想到した。以下、特性
の一例として、基質特異性について本発明を説明する。
質中のアミノ酸置換の効果における曖昧な相加性に基づ
き、変異、選択を繰り返して基質特異性を改良すること
を含む、ことを特徴とする。即ち、タンパク質は下記の
20種類のアミノ酸残基から構成される。 任意の酵素のアミノ酸配列において、野生型の配列のア
ミノ酸残基を他のアミノ酸残基に置換することにより基
質特異性が変化する。本発明の方法では、配列中の複数
の箇所のアミノ酸残基を同時に置換するのではなく、1
箇所のアミノ酸残基づつ選択、変異を繰り返してアミノ
酸置換多重変異体における基質特異性の変化を調べ、好
ましいものを選択してゆく。
る」とは、野生型よりも基質特異性を高める場合、低め
る場合のいずれの場合をも含む。酵素の基質反応特異性
の改良を目的とする場合、例えば、1)化学反応そのも
のもしくは化学構造論的に厳密な反応および基質特異性
を有するように野生型酵素を改変する場合、あるいは
2)野生型酵素では反応できなかった基質アナログにま
で反応し、産業的に広範に使用できように野生型酵素を
改変する場合、等が該当する。1)の場合は反応特異性
および/または基質特異性を高めるに該当し、2)の場
合は反応特異性および/または基質特異性を低下させ、
反応範囲を広めることに該当する。
ミノ酸置換の効果における曖昧な相加性」とは、酵素タ
ンパク質の配列中、1箇所のアミノ酸残基づつ変異を加
えていった場合における、基質特異性の変化を意味す
る。
の置換変異体一次データベースより前述のごとく基質特
異性の改変に効果のある残基を少なくとも3箇所選択
し、さらに多重置換の組み合わせにおいてアミノ酸置換
の効果を高める場合、1次データベースで各アミノ酸残
基に対してもっとも効果の現れたもの同士を組み合わせ
ても最良のものが得られるとは限らず、少なくとも2の
選択幅をもたせ1箇所のアミノ酸残基づつ段階的にアミ
ノ酸置換により改変効果を図ることをいう。従って、最
終的に獲得される多重置換変異体の多くは一次データベ
ース上で最も効果のあったもの同士の組み合わせになる
場合は少なく、一次データベース上でアミノ酸置換効果
が認められた上位(例えば、3つ)同士の組み合わせか
ら最適なものを選別することとなる。一次データベース
上で効果の現れた置換体同士を組み合わせることにより
最大の効果を発揮させる面は、相加性を期待する方法論
の範疇に属する。しかしながら、本方法の特徴は、効果
のあった異なる置換体同士を同時に掛け合わせて優れた
効能を期待するのとは異なり、候補集団同士の組み合わ
せにより変異・選択を繰り返し、その中から予期せぬも
のまでデータベース化していくものである。集団同士の
組み合わせの概念を、本明細書中「曖昧な相加性」と定
義する。
発明の方法は、以下の工程i)−iv)を含む。 i) 酵素タンパク質中の任意の3又はそれ以上の箇所
のアミノ酸残基について各アミノ酸残基を他のアミノ酸
残基に変異させた、一群の変異体を作成してその基質特
異性を測定し、変異アミノ酸残基と基質特異性の関係に
関するデータベースを作成し; ii) 前記i)の変異体を作成した3又はそれ以上の
箇所のアミノ酸残基のうち任意の2箇所のアミノ酸残基
の各々について、i)のデータベースより基質特異性に
関与する少なくとも2つの変異体を選択し; iii) 前記2箇所のアミノ酸残基を同時に、前記各
々選択した基質特異性に関与する少なくとも2つのアミ
ノ酸残基に変異させた、一群の2重変異体を作成してそ
の基質特異性を測定し、前記2重変異体と基質特異性の
関係に関するデータベースを作成し; iv) 前記iii)のデータベースより2重変異体に
ついて基質特異性に関与する少なくとも2つの2重変異
体を選択し、さらに、i)のデータベースよ り、ii)で考慮しなかった箇所のうち1箇所のアミノ
酸残基について基質特異性に関与する少なくとも2つの
変異体を選択し;そして v) iv)で選択された少なくとも2つの2重変異体
において、さらに、前記別の1箇所のアミノ酸残基につ
いてiv)で選択された少なくとも2つのアミノ酸残基
に変異させた、一群の3重変異体を作成してその基質特
異性を測定し、前記3重変異体と基質特異性の関係に関
するデータベースを作成して基質特異性が改良された3
重変異体を選択する vi) 所望により、前記v)のデータベースより3重
変異体について基質特異性に関与する少なくとも2つの
3重変異体を選択し、さらに、i)のデータベースよ
り、ii)およびvi)で考慮しなかった箇所のうち1
箇所のアミノ酸残基について基質特異性に関与する少な
くとも2つの変異体を選択し、上記iv)−v)の工程
を繰り返す。
る。i)の工程においては、まず、酵素タンパク質中の
任意の3又はそれ以上の箇所のアミノ酸残基について、
アミノ酸残基を他のアミノ酸残基に変異させた一群の変
異体を作成する。
特に限定されない。酵素タンパク質の全てのアミノ酸残
基について、野生型と異なるアミノ酸残基に変異させた
変異体を作成してもよい。また、例えば、システイン残
基及びメチオニン残基を含む含琉アミノ酸残基、又はシ
ステイン残基のみ、というように特定のアミノ酸残基に
着目してもよい。あるいは、特定の領域、例えば基質結
合に関与する領域が既知であれば基質結合領域等、に着
目し、当該領域についての一群の変異体を作成してもよ
い。
ミノ酸残基について、それぞれ、野生型のアミノ酸残基
以外のアミノ酸に置換した変異体を作成する。上述した
ように、一般にタンパク質を構成するアミノ酸残基は2
0種類存在する。よって、アミノ酸置換変異体は各箇所
について最大19種類作成することができる。しかしな
がら、全ての種類の変異体を作成する必要はない。例え
ば、システイン残基に着目した場合、システイン以外の
19種類のアミノ酸置換した19種類の変異体を作成可
能である。また、含硫アミノ酸残基(システイン残基及
びメチオニン残基)に着目した場合、これらを含硫アミ
ノ酸以外の他のアミノ酸残基に置換した最大18種類の
変異体を作成してもよい。
置換は、当業者に既知の任意の方法を使用して行うこと
が可能である。例えば、合成DNAを用いた部位特異的
変異法を用いることができる。部位特異的変異法として
は、ZollerとSmithらの方法(Zolle
r,M.J. and Smith,M.(1983)
Methods in Enzymology,vo
l.100,p.468)及びその改良方法、本明細書
の実施例で用いたPCRを利用した方法などの他、多く
の方法が公知である。本発明においては、目的の箇所で
のアミノ酸置換できる変異方法であれば、どのような方
法でも適用可能である。
異性を測定する。基質特異性の測定は、対象の酵素タン
パク質に応じて当業者は任意に選択可能である。酵素の
有する基質特異性を測定する場合、通常基質の化学構造
と類似する化合物(アナログ)との間での交差反応性の
程度を、例えば、デヒドロゲナーゼの場合は補酵素の酸
化還元反応の程度として分光光学的に求めることができ
る。上述の臨床検査薬のような生体液を試料としてその
中に含まれる特定の生体試料を測定する場合、一般に試
料液のかわりに生理食塩水や精製水を対照試料として測
定する。このような対照試料について生じる試薬ブラン
ク反応を、測定に用いた各酵素のブランク反応という。
ブランク反応では、通常の酵素学的な測定方法では検出
できないような副反応まで問題となる場合がある。その
ような場合には、所定の測定試薬組成ならびに所定の測
定条件下での本反応とブランク反応の程度を比例化し、
実質的な基質特異性を判定してもよい。
例では、p−ヒドロキシ安息香酸ヒドロキシラーゼ(p
HBH)の基質特異性の改良を行った。実施例では、p
HBHの主反応の生成物であり、かつ副反応の基質とも
なるプロトカテキン酸に対する交差反応性を指標に調べ
た。交差反応性の相対活性(%)が低い、即ちプロカテ
キン酸に対する交差反応性が低いほど、pHBH酵素の
p−ヒドロキシ安息香酸に対する基質特異性が高いと判
断した。
ることにより、着目した任意の3又はそれ以上の箇所に
ついて、各箇所毎に、変異アミノ酸残基と基質特異性の
関係に関するデーターベースを作成する。
体を作成した3又はそれ以上の箇所のアミノ酸残基のう
ち任意の2箇所のアミノ酸残基の各々について、i)の
データベースより基質特異性に関与する少なくとも2つ
の変異体を選択する。
は、工程i)でデータベースを作成した箇所のうち任意
の2箇所を選択可能である。即ち、例えば、工程i)に
おいてa、b、c及びdの4箇所のアミノ酸残基につい
て各々データベースを作成した場合、工程ii)で着目
する2箇所はa、b、cおよびdのうち例えばaとc、
bとcなどの任意の2箇所を選択可能である。
ータベースより基質特異性に関与する少なくとも2つの
変異体を選択する。「基質特異性に関与する」とは、変
異により酵素の基質特異性高められた場合、又は低下し
た場合のいずれの場合をも含む。当業者は目的により所
望の少なくとも2つの変異体を選択する。即ち、酵素の
基質特異性を高めることを目的とする場合、データベー
スより各箇所について、一般に基質特異性の高い方より
少なくとも2つの変異体を選択する。但し、例えば、生
化学的要因により特定の変異体を選択できない場合など
は、その変異体を選択せずに、次に基質特異性の高い変
異体を順に選択してもよい。逆に、酵素の基質特異性を
低めることを目的とする場合、データベースより各箇所
について、一般に基質特異性の低い方より少なくとも2
つの変異体を選択する。
く、特に限定されない。好ましくは2−4であり、より
好ましくは3である。以降の各工程において変異体を選
択する場合も、選択する変異体の数は同様である。
した2箇所について同時に、各々選択した基質特異性に
関与する少なく2つのアミノ酸残基に変異させた、一群
の2重変異体を作成する。例えば、工程ii)におい
て、aおよびcの箇所を選択した場合、a及びcの2箇
所に変異を施した2重変異体を作成する。2重変異体の
作成は、例えば工程i)に関して上述した公知の部位特
異的変異法により作成可能である。次いで、2重変異体
について工程i)と同様に基質特異性を測定し、前記2
重変異体と基質特異性の関係に関するデータベースを作
成する。
タベースより2重変異体について基質特異性に関与する
少なくとも2つの2重変異体を選択する。工程ii)の
場合と同様に、当業者は目的により所望の少なくとも2
つの2重変異体を選択する。即ち、酵素の基質特異性を
高めることを目的とする場合、工程iii)のデータベ
ースより基質特異性の高い方より少なくとも2つの2重
変異体を選択する。逆に、酵素の基質特異性を低めるこ
とを目的とする場合、一般に基質特異性の低い方より少
なくとも2つの2重変異体を選択する。
工程ii)で考慮しなかった箇所のうち1箇所のアミノ
酸残基について基質特異性に関与する少なくとも2つの
変異体を選択する。例えば、iii)の工程でa/c
2重変異体を作成した場合、本工程ではb又はdについ
て2つの変異体を選択する。前記さらなる1箇所のアミ
ノ酸残基の好ましい2つの変異体の選択は、工程ii)
と同様に行う。
れた少なくとも2つの2重変異体において、さらに、前
記別の1箇所のアミノ酸残基についてiv)で選択され
た少なくとも2つのアミノ酸残基に変異させた、一群の
3重変異体を作成する。iii)の工程でa/c 2重
変異体を作成した場合、これにさらにb(又はd)の位
置に工程iv)で選択された好ましい少なくとも2つの
変異を施し、一群の3重変異体を作成する。
基質特異性を測定し、基質特異性との関係に関するデー
タベースを作成する。このデータベースより所期の基質
特性を有する好ましい3重変異体を選択することが可能
である。
り、工程ii)−iv)で考慮しなかっら箇所のうち1
箇所のアミノ酸残基について、工程i)のデータベース
より基質特異性に関与する少なくとも2つの変異体を選
択し、工程v)の3重変異体に相加的に変異を施して、
4重変異体を作成してもよい。さらに、同様にii)−
iv)のアミノ酸の選択・置換の工程を繰り返して、所
期の多重変異体を作成してもよい。
基づつ選択、変異を繰り返してアミノ酸置換多重変異体
における基質特異性の変化を調べ、好ましいものを選択
してゆく。本発明は、酵素の基質特異性を改良するため
に、1箇所のアミノ酸残基づつ選択、変異を行うという
技術的思想を利用した工程を含めば足り、多重変異体作
成の全ての工程において、1箇所のアミノ酸残基づつ選
択、変異を行わなくてもよい。よって、例えば、i)−
v)の工程によって3重変異体を作成し、さらに、別の
2箇所のアミノ酸残基に同時に変異を施して5重変異体
を作成したような場合も、3重変異体の作成の過程で本
発明の思想を利用するものであり、本発明の範囲に含ま
れる。
ず、基質特異性の改良を目的とする任意の酵素を適用可
能である。非限定的に、例えば、酵素の基質特異性を高
めることを目的とする場合は乳酸デヒドロゲナーゼ、リ
ンゴ酸デヒドロゲナーゼ、コレステロールデヒドロゲナ
ーゼ、p−ヒドロキシ安息香酸ヒドロキシラーゼなどに
適用可能である。酵素の基質特異性を低めることを目的
とする場合、例えば、洗剤などに使用されるリパーゼ、
プロテアーゼ、ペプチダーゼなどに適用可能である。
て、本発明の方法により酵素の改良を行った場合、他の
基質に対する交差反応性を好ましくは約4%以下まで低
下させることができる。
異性について本発明を説明した。本発明は「基質特異
性」に限定されず、酵素の任意の種々の「特性」につい
て改良を行い、所期の特性を有する酵素を得ることを可
能にする。本発明の方法によって改良しうる「特性」の
例としては、酵素活性の強弱、(熱、溶液、pH、有機
溶剤を含む化学変性剤等に対する)酵素の安定性、(作
用、pH、温度等に対する)反応の平衡、比活性の改
良、反応特異性などが含まれる。
変異を加えていった場合における、基質特異性の変化に
基づいて、好ましい多重変異体の選択、さらに別の箇所
のアミノ酸残基の変異、の工程を繰り返すことにより酵
素の特性を改良する。これにより、一度に複数箇所の変
異を同時に生じさせ、全ての組み合わせの変異体につい
て特性を検討するよりも、検討する多重変異体の数が少
なくてすむ、という効果が得られる。
に、システイン残基n個を含む野生型酵素においてシス
テイン残基を変異させて基質特異性を高める場合を例に
して説明する。
をAi(i=1ないしn)とする。各システイン残基を
他のアミノ酸残基に変換させると、各箇所のシステイン
残基について最大19種類、合計19×n個の変異体が
作成される。各変異体の基質特異性について測定しデー
タバンクを作成する(工程i)) A1及びA2についてデータバンクより基質特異性の高い
変異体を各々3つ、例えばA1X、A1Y、A1Z(X,
Y,Zはシステイン以外のアミノ酸残基)、A2X、A2
Y、A2Z(X,Y,Zはシステイン以外のアミノ酸残
基)選択する(工程ii)) A1およびA2について2重変異体を作成して基質特異性
を測定する。2重変異体について合計9個のデータを得
る(A1XA2X、A1YA2X、A1ZA2X、A 1XA
2Y、A1YA2Y、A1ZA2Y、A1XA2Z、A1YA2
Z、A1ZA2Z)(工程iii)) 2重変異体の9個のデータより、基質特異性の高い3つ
の2重変異体を選択する(例えば、A1XA2X、A1Y
A2X、A1ZA2X)。さらに、A3について基質特異性
の高い3つの変異体を選択する(例えば、A3X、A
3Y、A3Z)(工程iv)。
作成して基質特異性を測定する。3重変異体について合
計9個のデータを得る(A1XA2XA3X、A1YA2X
A3X、A1ZA2XA3X、A1XA2XA3Y、A1YA2
XA3Y、A1ZA2XA3Y、A 1XA2XA3Z、A1YA
2XA3Z、A1ZA2XA3Z)(工程v)。
体を選択し、前記3重変異体のうち基質特異性の高い3
つの変異体にさらに変異を施す。上記工程をAnについ
てまで繰り返す(工程iv))。
て基質特異性の高い酵素を得る場合、工程ii)ないし
工程iv)において変異を繰り返しにより最終的に合計
3(多重変異体からの選択)×3(新たな変異の選択)
×(i−1)個の変異体を作成して基質特異性を測定す
ることになる。これに対し、従来の方法により、全ての
システイン残基に同時に変異を施す場合、19のi乗個
の組み合わせが可能であり、これらの変異体を全て作成
しなかればならない。仮に、各システイン残基毎に基質
特異性の高い変異体を3つ選択したとしても、同時に変
異を施すと3のi乗個の変異体の作成が必要となる。仮
にシステイン残基の箇所が5箇所の場合、本発明の場
合、3×3×(5−1)=36個の変異体の検討で足り
る。これに対し、従来の方法では同時に変異を施す従来
法では3の5乗個、即ち243個の変異体の検討が必要
となる。
ずつ変異体を選択する場合を例として、本発明の効果を
説明した。このように本発明は、検討する変異体の数を
減らし効率よく酵素の特性を改良することを可能とす
る。本発明の効果は、検討すべきアミノ酸残基の数を多
いほどより大きくなる。以下、実施例によって本発明を
具体的に説明するが、これらは本発明の技術的範囲を限
定するためのものではない。当業者は本明細書の記載に
基づいて容易に本発明に修飾・変更を加えることがで
き、それらも本発明の技術的範囲に含まれる。
基質特異性を改良した変異体の作成について実施例を記
載する。
遺伝子の構築並びにアミノ酸変異酵素の作製 (i)システインを含まないPobA遺伝子の構築 Peudomonas fluorescens(IF
O14160)由来のp−ヒドロキシ安息香酸ヒドロキ
シラーゼ(pHBH)をコードする遺伝子(PobA遺
伝子)を鋳型に用いたPCR法により、野生型のPob
A遺伝子配列上に存在するCys残基をその他のアミノ
酸に置換した変異酵素遺伝子ライブラリーを構築した。
当該遺伝子を挿入したプラスミドについては、末森明夫
らの1999年生物工学会要旨集に詳述されている。野
生型PobA遺伝子の塩基配列及びコードされるアミノ
酸配列を、本明細書中において後述する配列表の配列番
号1及び2に各々記載する。pHBHタンパク質のN末
端メチオニンは、配列番号1の塩基番号25−27によ
ってコードされる。変異酵素遺伝子ライブラリーを構築
するために、pHBHタンパク質の152番目、158
番目、211番目及び332番目のCys残基を、それ
ぞれ他のアミノ酸残基に置換するようにPCR反応を行
った。PCR核酸増幅用プライマーとして、各場合にお
いてそれぞれ4種類のプライマーを使用した。より具体
的な操作手順として、Cys152置換ライブラリー作
製を例に、図1に示す。
3)とプライマー2(配列番号4)を含むPCR反応溶
液と、プライマー1(配列番号5)とC2プライマー
(配列番号6)を含むPCR反応溶液の2種類の反応溶
液を準備し、各々独立してPCR反応を行った。PCR
反応により前者から配列断片A、後者からが配列断片B
が得られる。反応は、変性(95℃、0.5分)、アニ
ーリング(55℃、0.5分)、伸長(72℃、1.5
分)からなるサイクルを30サイクル繰り返した。PC
R反応の結果、PCR産物AとPCR産物Bを得た。
合し、さらに5サイクル(アニーリング、変性及び伸長
は上記と同じ条件)のPCRをおこなった。その結果、
産物Aと産物B間で重複する36bpの配列の上で相補
的に重なり合う産物Aと産物Bの部分2本鎖産物を作製
した。さらにSD−N1プライマーとC2プライマーを
過剰に添加し、30サイクル(アニーリング、変性及び
伸長は上記と同じ条件)のPCR伸長反応をおこなうこ
とで、Cys152番目のみを任意のアミノ酸に置換し
た配列のみを有する改変PobA全長遺伝子が増副産物
として得られた。
種類のプライマーの塩基配列を以下に記載する。配列
中、nはa、t、g、cを、kはgあるいはtを、mは
aあるいはcを示す。以下、本明細書中の塩基配列にお
いて同様とする。
acg cta aaa acc caagtc gcc−3’(配列番号3) (b)プライマー1 5’−aca gcc cgc gat gta gtc mnn ctc cag gcg aaa
agc ttc−3’(配列番号5) (c)プライマー2 5’−gaa gct ttt cgc ctg gag nnk gac tac tac gcg
ggc tgt−3’(配列番号4) (d)C2プライマー 5’−taa gga tcc cgt tac tcg ata gct tcg taa gga
agc ccg acg taa ttttct tgc −3’(配列番号6) 上記配列(a)〜(d)のうち、152番目のCys以
外のアミノ酸置換の場合でも、(a)SD−N1プライ
マーと(d)C2プライマーは共通に使用し、プライマ
ー1とプライマー2は各Cys残基の置換に固有のもの
とした。158番目、Cys211番目、Cys332
番目のCys置換に用いたプライマー1及びプライマー
2の配列を以下に示す。
ggt gtg−3’(配列番号7) (c)プライマー2 5’−cac acc gtg aaa acc atc mnn gcc cgc gat gta
gtc gca−3’(配列番号8)211番目のCys変異の場合 (b)プライマー1 5’−gcg cgt ggc ttt gcc ctg nnk agc atg cgc tcg
ccg acc−3’(配列番号9) (c)プライマー2 5’−ggt cgg cga gcg cat gct mnn cag ggc aaa gcc
acg cgc−3’(配列番号10) 332番目のCys変異の場合 (b)プライマー1 5’−gaa cag tac tca gcg atc nnk ttg cgc cgc gta
tgg aaa−3’(配列番号11) (c)プライマー2 5’−ttt cca tac gcg gcg caa mnn gat cgc tga gta
ctg ttc−3’(配列番号12) (ii)アミノ酸変異酵素の作製 (i)により、PobA遺伝子においてpHBHタンパ
ク質の152番目、158番目、211番目及び332
番目のCys残基をコードする部分をそれぞれ他のアミ
ノ酸残基をコードするように置換させたPCR反応物
(4種類)を得た。以降、これらの4種類のPCR反応
物を混合して変異体のライブラリーの作成に使用した。
し、pBluescriptII(SK−)(Stra
tagene社製)のBamH1部位に挿入連結し、組
換え発現ベクターを作成した。当該組換えベクターを用
いて大腸菌JM109株コンピテントセル(宝酒造製)
を形質転換し、X−galを含むLB培地寒天プレート
上で青白反転したコロニーをピックアップした。次い
で、pHBHの基質であるp−ヒドロキシ安息香酸なら
びにIPTG(イソプロピルβ−チオガラクトピラノシ
ド)含むLB寒天培地を分注した48穴タイタープレ−
トに、上記X−gal培地で白色を示したコロニーを1
コロニー/ウェルの割合で移植した。pHBH酵素活性
にて褐色に培地が変化したウェルを37℃インキュベー
ターで2日間静置後観察し、変異酵素遺伝子を有する大
腸菌形質転換体をライブラリー化した。各Cys残基置
換体としておよそ500個の変異酵素コロニーを調べ、
Cys残基が改変された置換アミノ酸を同定した。大腸
菌形質転換体で組換え変異酵素を発現させるために用い
たPobA発現プラスミドの操作手順を図2に示した。
酵素ライブラリーの構築 実施例1で得られた大腸菌形質転換体よりプラスミドを
抽出し、変異酵素のアミノ酸置換の様相を塩基配列より
決定した。その結果、152番目、158番目、211
番目又は332番目のCys残基が置換された変異体
が、各々13種類、9種類、11種類及び11種類が獲
得できた。
Cys残基が他のアミノ酸に置換された場合の基質特異
性の変化を調べた。結果を以下の表1−4に示す。表1
−4においてアミノ酸置換体は、Cys残基が他のアミ
ノ酸に置換されたかたちの一文字略記で示す。なお、表
中の棒線部分はアミノ酸置換を行った時に活性を有する
変異酵素が取得できなかったことを意味する。基質特異
性は、各種変異酵素の粗酵素液をサンプルとし、プロト
カテキン酸に対する交差反応性を指標に調べた。交差反
応性の相対活性(%)は、次式より算出した。
テキン酸に対する交差反応性が低いほど、pHBH酵素
のp−ヒドロキシ安息香酸に対する基質特異性が高いと
判断される。本実施例では、基質特異性が高いものを好
ましいものとして選択した。
による2重変異酵素ライブラリーの構築と相対活性
(%) 実施例1の表1より、C152の相対活性の低いアミノ
酸残基変異体として、C152がA、T、V又はLに各
々置換された4種類の変異体を選択した。同様に、表2
より、C158の相対活性の低いアミノ酸残基変異体と
して、C158がI又はPに各々置換された2種類の変
異体を選択した。
ミノ酸残基を同時に、前記各々選択したアミノ酸残基に
変異させた計8種類の2重変異体酵素を作成した。2重
変異体は、実施例1で記載した塩基置換を含む核酸増幅
用プライマーを用いたPCRによる変異導入の工程を繰
り返すことによって行われた。
様に相対活性(%)を測定した。結果を以下の表5に示
す。
換との組み合わせによ る3重変異酵素ライブラリーの構
築と相対活性(%) 実施例3の表5より、C152/C158 2重変異体
のうち相対活性の低い2重変異体として、C152/C
158がVI、LP又はTPに各々置換された3種類の
2重変異体を選択した。一方、実施例1の表4より、C
332の相対活性の低いアミノ酸残基変異体として、C
332がA又はTに各々置換された2種類の変異体を選
択した。
/C158 2重変異体において、さらに、C332を
上記選択した2種のアミノ酸残基に変異させた計6種類
の3重変異体酵素を作成した。3重変異体は、実施例1
で記載した塩基置換を含む核酸増幅用プライマーを用い
たPCRによる変異導入の工程を繰り返すことによって
行われた。
様に相対活性(%)を測定した。結果を以下の表6に示
す。
とC211置換との組み合わせによる4重変異酵素ライ
ブラリーの構築と相対活性(%) 実施例4の表6より、C152/C158/C332
3重変異体のうち相対活性の低い3重変異体として、C
152/C158C/C332がVIA、LPT又はL
PAに各々置換された3種類の3重変異体を選択した。
一方、実施例1の表3より、C211の相対活性の低い
アミノ酸残基変異体として、C211が各々F、I又は
Tに置換された3種類の変異体を選択した。
/C158/C332 3重変異体において、さらに、
C211を上記選択した3種のアミノ酸残基に変異させ
た計9種類の4重変異体酵素を作成した。4重変異体
は、実施例1で記載した塩基置換を含む核酸増幅用プラ
イマーを用いたPCRによる変異導入の工程を繰り返す
ことによって行われた。
様に相対活性(%)を測定した。結果を以下の表7に示
す。
法は、酵素タンパク質中のアミノ酸置換の効果における
曖昧な相加性に基づき、変異、選択を繰り返して基質特
異性を改良していく方法である。実施例2−5の結果よ
りシステインを含まないアミノ酸置換変異酵素の効果を
置換相加性の面から表8にまとめた。
と好ましい置換変異を加えることにより、相対活性が低
下、即ち基質特異性が向上した。実施例6 4重アミノ酸置換変異pHBHの性質 本実施例では、実施例5で得られた4重変異酵素C15
2L/C158P/C211I/C332Tの理化学的
な性質を調べた。先ず、大腸菌形質転換体からの粗酵素
液を出発材料としてクロマトグラフィ精製をおこない、
基質特異性については、プロトカテキン酸に対する相対
活性を確認した。さらに、その他の理化学的性質につい
ても明らかとした。結果を野生型と比較したものを以下
の表9に示す。
8P/C211I/C332T 4重変異体は、野生型
(CCCC)と比較して相対活性が4.9%から3.9
%に有意に減少した。その他の理化学的性質は、作用温
度は野生型とほぼ同様であり、熱安定性は野生型よりも
向上しており50℃で15分処理を行っても失活しなか
った。
模式図を示す。
を示す。
Claims (9)
- 【請求項1】酵素の特性を改良する方法であって、酵素
タンパク質中のアミノ酸置換の効果における曖昧な相加
性に基づき、変異、選択を繰り返して特性を改良するこ
とを含む、前記方法。 - 【請求項2】以下の工程、 i) 酵素タンパク質中の任意の3又はそれ以上の箇所
のアミノ酸残基について各アミノ酸残基を他のアミノ酸
残基に変異させた、一群の変異体を作成してその特性を
測定し、変異アミノ酸残基と特性の関係に関するデータ
ベースを作成し; ii) 前記i)の変異体を作成した3又はそれ以上の
箇所のアミノ酸残基のうち任意の2箇所のアミノ酸残基
の各々について、i)のデータベースより特性に関与す
る少なくとも2つの変異体を選択し; iii) 前記2箇所のアミノ酸残基を同時に、前記各
々選択した特性に関与する少なくとも2つのアミノ酸残
基に変異させた、一群の2重変異体を作成してその特性
を測定し、前記2重変異体と特性の関係に関するデータ
ベースを作成し; iv) 前記iii)のデータベースより2重変異体に
ついて特性に関与する少なくとも2つの2重変異体を選
択し、さらに、i)のデータベースより、ii)で考慮
しなかった箇所のうち1箇所のアミノ酸残基について特
性に関与する少なくとも2つの変異体を選択し;そして v) iv)で選択された少なくとも2つの2重変異体
において、さらに、前記別の1箇所のアミノ酸残基につ
いてiv)で選択された少なくとも2つのアミノ酸残基
に変異させた、一群の3重変異体を作成してその特性を
測定し、前記3重変異体と特性の関係に関するデータベ
ースを作成して特性が改良された3重変異体を選択する vi) 所望により、前記v)のデータベースより3重
変異体について特性に関与する少なくとも2つの3重変
異体を選択し、さらに、i)のデータベースより、i
i)およびvi)で考慮しなかった箇所のうち1箇所の
アミノ酸残基について特性に関与する少なくとも2つの
変異体を選択し、上記iv)−v)の工程を繰り返すこ
とを含む、請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】前記選択される変異体の数が2ないし4で
ある、請求項1又は2に記載の方法。 - 【請求項4】前記工程i)の3又はそれ以上の箇所のア
ミノ酸残基がシステイン残基である、請求項1ないし3
のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項5】酵素の基質特異性を改良するための、請求
項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項6】前記特性の改良された酵素の他の基質に対
する交差反応性が4%以下である、請求項5のいずれか
1項に記載の方法。 - 【請求項7】特性の改良された酵素が、p−ヒドロキシ
安息香酸水酸化酵素の変異体である、請求項1ないし6
のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項8】特性の改良された酵素が、[C152L/
C158P/C211I/C332T]p−ヒドロキシ
安息香酸水酸化酵素変異体である、請求項7に記載の方
法。 - 【請求項9】1ないし8のいずれか1項に記載の方法に
より特性の改良された酵素。
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JP2000206523A JP2002017367A (ja) | 2000-07-07 | 2000-07-07 | 酵素の改良方法 |
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JP2004000140A (ja) * | 2002-03-27 | 2004-01-08 | Kao Corp | 変異アルカリセルラーゼ |
-
2000
- 2000-07-07 JP JP2000206523A patent/JP2002017367A/ja active Pending
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