JP2002017360A - α1−3ガラクトシルトランスフェラーゼ遺伝子ノックアウト体細胞及びその作出方法 - Google Patents

α1−3ガラクトシルトランスフェラーゼ遺伝子ノックアウト体細胞及びその作出方法

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JP2002017360A
JP2002017360A JP2000202748A JP2000202748A JP2002017360A JP 2002017360 A JP2002017360 A JP 2002017360A JP 2000202748 A JP2000202748 A JP 2000202748A JP 2000202748 A JP2000202748 A JP 2000202748A JP 2002017360 A JP2002017360 A JP 2002017360A
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Tokihiko Sawada
登起彦 澤田
Toru Murakami
徹 村上
Naohiko Yokoyama
尚彦 横山
Masamitsu Urakawa
真実 浦川
Katsuyoshi Uruno
勝好 宇留野
Takahito Aoyanagi
敬人 青柳
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Tokyo Womens Medical University
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Tokyo Womens Medical University
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 α1-3 GT遺伝子をノックアウトした染色体を
有する、マウス以外の哺乳動物の体細胞を提供するこ
と。 【解決手段】 遺伝子ターゲティングの手法をウシ線維
芽細胞に適用することにより、α1-3ガラクトシルトラ
ンスフェラーゼ遺伝子がノックアウトされた哺乳動物
(マウス及びヒトを除く)の体細胞を提供することに成
功した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、α1-3ガラクトシ
ルトランスフェラーゼ(以下、「α1-3 GT」と言うこと
がある)遺伝子がノックアウトされた哺乳動物(マウス
及びヒトを除く)の体細胞に関する。本発明の体細胞
は、体細胞クローン技術により、α1-3 GT遺伝子がノッ
クアウトされた哺乳動物の作出に有用である。該哺乳動
物の臓器は、異種動物に移植した場合に超急性拒絶反応
を引き起こさないので、該哺乳動物は、移植用臓器のド
ナーとして利用できる。
【0002】
【従来の技術】近年臓器移植が末期臓器不全の治療法と
して定着する一方で、ドナー臓器数の不足が社会的な問
題となっているが、これに対する根本的な治療手段とし
て異種移植が注目されている。動物臓器をヒトに移植し
た場合、超急性拒絶反応(以後、「HAR」と略すことが
ある)により、移植臓器は瞬時に拒絶される。HARは動
物臓器に存在するαGalと呼ばれる糖鎖抗原とヒト血清
中に存在する自然抗体が結合することにより起こる(Gal
ili U:Interaction of the natural anti−Gal
antibody with α-galactosyl epitopes:a major obs
tacle for xenotransplantation in humans.Immunolog
y today 14,480-482,1993)。αGal抗原は、α1-3 GT
によって合成される(Joziasse DH,Shaper JH,Van
den Eijinden DH,Van Tunen DH,Shaper NL:Bovi
ne α1→3-galactosyltransferase:Isolation and ch
aracterization of a cDNA clone.J Biolo Chem 2
64,14290-14297,1989)ため、このα1-3GTを持たない
動物を作出することができれば、異種移植においてHAR
を回避することが可能となる。
【0003】一方、動物個体において特定の遺伝子を破
壊し、その遺伝子から転写、翻訳されるたんぱく質を消
失させる技術として、遺伝子の相同組換えを利用した遺
伝子ターゲティング(gene targeting)が知られている。
この技術を利用して、特定の遺伝子を破壊したいわゆる
「ノックアウトマウス」が知られており、その作出方法
はほぼ確立されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、遺伝子
ターゲティングにより、特定の遺伝子を破壊した哺乳動
物の作出は、今日においてもマウスにおいてのみ可能で
ある。これはマウスにおいて胚性幹細胞(以下、ES細胞
と略す)が樹立されていることによる。ES細胞が樹立さ
れていない、マウス以外の動物種における遺伝子ターゲ
ティングは現在まで成功していない。従って、現在、ヒ
トに対する臓器のドナーとして有望な、ウシやブタのよ
うな大型哺乳動物のα1-3 GT遺伝子をノックアウトする
ことは成功していない。
【0005】本願発明者らは、α1-3 GT遺伝子をノック
アウトした、マウス以外の哺乳動物(ヒトを除く)を、
体細胞クローン技術により作出することに想到した。す
なわち、α1-3 GT遺伝子をノックアウトした染色体を有
する哺乳動物体細胞の核を、同種哺乳動物の除核未受精
卵に移植し、胚発生させた後、同種動物の子宮に戻すこ
とにより、α1-3 GT遺伝子をノックアウトした哺乳動物
を作出することに想到した。この体細胞クローン技術を
行うためには、α1-3 GT遺伝子をノックアウトした染色
体を有する哺乳動物の体細胞を先ず作出する必要があ
る。
【0006】従って、本発明の目的は、α1-3 GT遺伝子
をノックアウトした染色体を有する、マウス以外の哺乳
動物の体細胞を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、鋭意研
究の結果、ウシ線維芽細胞のゲノミックDNA中のα1-
3 GT遺伝子の触媒領域(catalytic domain)の5’末端側
領域及びその上流のイントロン領域の一部にまたがる領
域にホスフォグリセリン酸キナーゼ1(PGK-1)プロモー
ターと、その制御を受けるネオマイシン耐性遺伝子とを
相同組換えにより挿入することによって染色体中のα1-
3 GT遺伝子をノックアウトし、このように染色体中のα
1-3 GT遺伝子が予想通りにノックアウトされたことをP
CRにより確認することにより、染色体中のα1-3 GT遺
伝子がノックアウトされたウシ線維芽細胞を実験的に作
出することに成功し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、α1-3 GT遺伝子がノ
ックアウトされた哺乳動物(マウス及びヒトを除く)の
体細胞を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の体細胞は、マウス及びヒ
ト以外の哺乳動物由来のものである。哺乳動物として
は、特に限定されないが、ヒトに対する臓器移植のドナ
ーとして用いる点を考慮すると、大型哺乳動物、すなわ
ち、成長した個体の体重が50kg以上の哺乳動物が好
ましく、とりわけ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマ、ヤギ等
の家畜が入手容易性の観点から好ましい。これらの中で
も、体細胞クローン技術が進んでいるウシが好ましい。
【0010】本発明の体細胞の種類は特に限定されず、
いかなる組織由来の細胞であってもよいが、遺伝子導入
の容易さの観点から線維芽細胞が好ましい。
【0011】α1-3 GT遺伝子をノックアウトした体細胞
の作出の具体的方法は、下記実施例に詳述されており、
その原理は図1に模式的に示されている。下記実施例で
は、ウシ線維芽細胞のα1-3 GT遺伝子の触媒領域のエク
ソン部分の5’末端領域及びその上流のイントロン部分
にまたがる領域(Sma I-Pst I領域)にPGK−1プロモ
ーターとネオマイシン耐性遺伝子を相同組換えにより挿
入することによってα1-3 GT遺伝子をノックアウトし
た。さらに、意図する相同組換えが実現された細胞を選
択するのに、PCRによるチェックを採用した。すなわ
ち、相同組換えにより挿入された領域とハイブリダイズ
するプライマーと、ウシα1-3 GT遺伝子の触媒領域の、
染色体遺伝子から排除されないエクソン部分にハイブリ
ダイズするプライマーとを用いてPCRを行い、DNA
断片の増幅が起きた細胞を選択するという手法を考え出
した。動物細胞の遺伝子導入にこのような手法を採用し
た点は、本願発明者らの独創によるものである。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきより具体的に
説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定される
ものではない。
【0013】1. 黒毛和牛α1-3GT cDNAの単離 黒毛和牛の末梢血10mlからLYMPHO SEPARATION MEDIUM
(商品名、米国オハイオ州のICN Biomedicals社製)を
用いて、末梢血リンパ球を分離した。この末梢血リンパ
球からISOGEN(商品名、日本ジーン社製)を用いて全RN
Aを得た。既に発表されているウシα1-3GT cDNAの塩基
配列(GenBank Accession No. J04989)に基づいて作製し
たオリゴヌクレオチド(センス鎖:5'-AGCTCAGTAGAACTT
GGTACT-3'、アンチセンス鎖:5'-CATCTGATTACCACAGGTTC
ATT-3')をプライマー、先に黒毛和牛末梢血リンパ球か
ら分離した全RNAをテンプレートとしてRT-PCRを行い、
1.4kbの黒毛和牛α1-3GT cDNAを単離した(Joziasse D
H,Shaper JH,Van denEijinden DH,Van Tunen D
H,Shaper NL:Bovine α1→3-galactosyltransferas
e:Isolation and characterization of a cDNA cl
one.J. BioloChem 264,14290-14297,1989)。な
お、上記センスプライマーは、上記cDNA配列の402
〜425 ntに、アンチセンスプライマーは、上記cDNA
配列の1739〜1760 ntにハイブリダイズする。
【0014】2. ウシα1-3GTゲノミックDNAの単離 ウシ遺伝子DNAライブラリーをCLONETECH社(米国カリフ
ォルニア州)より購入した。先に単離した黒毛和牛α1-
3GT cDNAをプローブとして用いて、ウシ遺伝子DNAライ
ブラリーのスクリーニングを行った。その結果、ウシα
1-3GT ゲノミックDNAの触媒領域をコードしている部位
を含んだクローン(GA7)が得られ、その制限酵素部位を
調べた(図1)。また、GA7の塩基配列を部分的に調べ
たところ、GenBank Accession No. J04989に記載されて
いるウシα1-3GT cDNAの第882番目以降の領域(マウ
スのゲノミックα1-3GT遺伝子のExon 9に相当)、すな
わち、α1-3 GTの触媒領域を含んでいることが明らかに
なった。図1に示されたGA7の制限酵素地図において、
長方形で示されている部分がα1-3 GTのエクソン領域で
あり、GA7の3’末端側領域は、cDNAよりも3'方向下流
の塩基配列を含んでいた。なお、後述の相同組換えにお
いて切断されるPst I部位は、GenBank Accession No. J
04989に記載されているウシα1-3GT cDNAの第1264
番目と第1265番目の間が切断部位であり、5'側の切
断部位であるSma I部位は、該エクソンよりも上流のイ
ントロン中に存在する(図1参照)。
【0015】3.TVの構築 GA7のEcoRI-SalIフラグメント(5.3kb)をpBluescript
KS(-)(Stratagene社製)にサブクローニングした(BS
819)。BS819をPstIで消化、自己連結(self-ligate)
し、EcoRI- PstIフラグメント(4.3kb)を取り除いた
(図2)。これからBamHIフラグメント(1.0kb)を取り
だし、pKJ2(米国メリーランド州LIFE TECHNOLOGY社
製)のBamHI部位にサブクローニングした(コントロー
ルベクター(CV))。CVをNdeIで消化し、さらに平滑末端
化した。これをEcoRIで消化し、取り出した2.1kbのフラ
グメントをpBluescriptKS(-)のEcoRI-SmaI部位にサブ
クローニングした(BS216)(図3)。BS216をEcoRIで
消化し、さらに平滑末端化、自己連結し、EcoRI部位を
取り除いた(BS220)(図4)。
【0016】BS220をテンプレートとし、2種類のプライ
マー(426BamHI:GCGGATCCTACATTCCCTTCGGCGAAGGGGAT、
426XhoI:CCCTCGAGCATTGGGAATTTTGACTGGTC)を用いてPC
Rをおこない、得られた0.8kbフラグメントをPCR産物
クローニング用ベクターであるpGEM-T vector(米国ウ
ィスコンシン州Promega社製)にサブクローニングした
(BS51)(図5)。
【0017】BS819のEcoRI-BamHIフラグメント(5.3k
b)をpBluescript KS(-)(Stratagene社製)にサブク
ローニングした(BS312)(図6)。BS312をNotIで処理
した後、SmaIで部分処理し、この5.5kbフラグメントをP
KJ2のEcoRV-NotI部位にサブクローニングした(BS41
4)。BS414をSal Iで処理した後、BamHIで部分処理して
5.0kbのフラグメントを得た。このフラグメントをBS51
にサブクローニングした(BS514)(図7)。
【0018】GA7のSalI-EcoRIフラグメント(5.6kb)を
BS514にサブクローニングした(BS519)。BS519をXhoI
で処理した後、HindIIIで部分処理し、8.5kbフラグメン
トを得、このフラグメントをpMCDT-A(LIFE TECHNOLOG
Y社製)にサブクローニングし、ターゲティングベクタ
ー(TV)を構築した(図8)。
【0019】TV導入により相同組替えが起こった場合
は、ウシα1-3GTゲノミックDNAの触媒領域のエクソンを
中心に1300塩基対がターゲティング構築物により置換さ
れる。
【0020】4.TVの黒毛和牛胎児線維芽細胞(BFF)への
導入 BFFを10%ウシ胎児血清(以後、FCSと略す、LIFE TECHN
OLOGY社製)を含むダルベッコの修飾イーグル培地(Dulb
ecco's Modified Eagle Medium、以後、DMEMと略
す、LIFE TECHNOLOGY社製)10 mlを培養液とし、10 cm
細胞培養プレート(岩城硝子社製)を用いて、37℃ 5%C
O2インキュベーター内で培養した。コンフルーエントと
なる直前にBFFを回収し、4×106個のBFFを40μlのOPTI-
MEM(LIFETECHNOLOGY社製)に溶解し、20μgのTVをGENE
PULSER II(米国カリフォルニア州のBio-Rad社製)を
用いて導入した。この後、10% FCSを含むDMEMで2回洗浄
し、96穴細胞培養プレート(岩城硝子社製)20枚を用意
し、1well当り、1×103個のBFFを、20% FCSを含む100μ
l のDMEMに溶解し、37℃5%CO2インキュベーター内で培
養した。翌日、1mg/mlのネオマイシン(Geneticin,LIF
E TECHNOLOGY社製)を含んだ培養液に交換した。その
後はネオマイシンを含んだ培養液を3日に一度交換し、1
0日間の細胞培養を行った。なお、ネオマイシンを含む
培養液中で培養して死滅しないネオマイシン耐性細胞
は、相同組換えによりネオマイシン耐性遺伝子がゲノミ
ック遺伝子中に組み込まれた細胞である(ポジティブ選
択)。また、pMCDT-Aベクター(LIFE TECHNOLOGY社製)
には、クローニング部位の下流にジフテリア毒素遺伝子
が組み込まれており、意図する相同組換え以外の組換え
によって、ジフテリア毒素遺伝子を含む断片が挿入され
た細胞は、ジフテリア毒素のために死滅する(ネガティ
ブ選択)。
【0021】5. PCRによる相同組替え体の同定 実体顕微鏡を用いて、ネオマイシン耐性コロニーを培養
プレートから回収した。まず、培養液を吸引廃棄し、PB
S 100μlで一回洗浄後、トリプシン-EDTA(GIBCO社製)
20μlを加え、37℃ 5%CO2内で1分間静置した。次に10%
DMEM 200μlを加え、このうち100μlを96穴培養プレー
トへ、残り100μlを0.5mlマイクロチューブヘ移した。9
6穴培養プレートは37℃ 5% CO2内で培養した。0.5mlマ
イクロチューブを10,000回転で5分間遠心する。上清を
捨てたのち、新たに水40μlを加えてBFFを浮遊させた。
【0022】ミネラルオイル(米国ミズーリー州SIGMA
社製)を重層し、マイクロチューブをDNA Thermal Cycl
er(商品名、米国ニュージャージー州Perkin-Elmer社
製)に移した。まず、95℃で10分間加熱したのち、温度
を55℃に下げ、ProteinaseK(LIFE TECHNOLOGY社製)1
5μlを加え、その後55℃で120分間静置した。最後に95
℃で10分間加熱した後、マイクロチューブ中のDNA溶液2
0μlをPCR用テンプレートとして用いた。PCR反応液とし
てAmpliTaqGold(Perkin-Elmer社製)を用いた。10 x P
CR buffer5μl,dNTP5μl,MgCl2 4.5μl,水8μlと、
図1中に示したプライマー(20 pM)をそれぞれ0.3μlを
テンプレート20μlに加えた。プライマーの塩基配列
は、センス側が5'-TCGTGCTTTACGGTATCGCCGCTCCCG-3'ア
ンチセンス側が5'-GCATTTATGTGCCAGCCACA-3'であった。
【0023】PCRの反応はDNA Thermal Cycler(商品
名、Perkin-Elmer社製)を用いて行い、サイクルは94℃
-10分が1回、その後94℃-1分、62℃-1分を35回、最後に
62℃‐10分を1回を用いた。反応終了後、直ちに1%アガ
ロースゲルを用いて、電気泳動をおこない、エチジウム
ブロマイドの染色により判定をおこなった。相同組替え
体が得られた場合は、1200塩基対のDNAが増幅される。
【0024】結果 上記したBFFに対するTVの導入実験を、計20回おこなっ
た。TV導入後、98穴培養プレートにまく細胞数は一回の
実験につき2×106であるので、総数4×107個のBFFを用
いたことになる。
【0025】結果は、計3個の相同組替え体を得た。TV
導入後に使用した98穴培養プレートの総数は400枚であ
る。98穴培養プレートの穴数を母数とした場合の相同組
替え体が得られる確率は0.07%であった。
【0026】
【発明の効果】本発明により、α1-3 GT染色体遺伝子が
ノックアウトされた哺乳動物の体細胞が初めて提供され
た。本発明の体細胞を用いて体細胞クローニングを行う
ことにより、α1-3 GT遺伝子がノックアウトされた哺乳
動物個体が得られる。このような哺乳動物個体は、動物
臓器に存在するαGalと呼ばれる糖鎖抗原を欠いている
ので、その臓器をヒトに移植しても超急性拒絶反応は起
きない。従って、本発明は、異種臓器移植のドナーを提
供する上で大いに威力を発揮するものと期待される。
【0027】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> NATIONAL FEDERATION OF AGRICULUTURAL CO-OPERATIVE ASSOCIATIONS et al. <120> Somatic Cell in Which α1-3 galactosyl transferase gene is knocke d out and method for preparing the same <130> 00637 <160>
【0028】 <210> 1 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> sense primer used for amplifying bovine α1-3 galactosyl transfer ase cDNA by PCR <400> 1 agctcagtag aacttggtac t 21
【0029】 <210> 2 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> antisense primer used for amplifying bovine α1-3 galactosyl tran sferase cDNA by PCR <400> 2 catctgatta ccacaggttc att 23
【0030】 <210> 3 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> sense primer for amplifying a DNA fragment by PCR during construc tion of targeting vector <400> 3 gcggatccta cattcccttc ggcgaagggg at 32
【0031】 <210> 4 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> antisense primer for amplifying a DNA fragment by PCR during cons truction of targeting vector <400> 4 ccctcgagca ttgggaattt tgactggtc 29
【0032】 <210> 5 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> sense primer used for amplifying a DNA fragment by PCR for identi fying clones in which the targeted gene was successfully knocked out <400> 5 tcgtgcttta cggtatcgcc gctcccg 27
【0033】 <210> 6 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> antisense primer used for amplifying a DNA fragment by PCR for id entifying clones in which the targeted gene was successfully knocked out <400> 6 gcatttatgt gccagccaca 20
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で行った相同組換えを模式的に
示す図である。
【図2】本発明の実施例で行った、ウシ体細胞への遺伝
子導入に用いたターゲティングベクターの構築方法を説
明するための模式図である。
【図3】図2の続きの工程を示す図である。
【図4】図3の続きの工程を示す図である。
【図5】図4の続きの工程を示す図である。
【図6】図5の続きの工程を示す図である。
【図7】図6の続きの工程を示す図である。
【図8】図7の続きの工程を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 横山 尚彦 東京都北区田端三丁目23番15−304号 (72)発明者 浦川 真実 北海道河東郡音更町木野大通東14丁目5− 29 (72)発明者 宇留野 勝好 北海道河東郡上士幌町東4線239 (72)発明者 青柳 敬人 北海道河東郡上士幌町字上士幌東3線233 −5号 Fターム(参考) 4B024 AA20 CA04 CA05 DA02 EA04 GA30 HA19 HA20 4B063 QQ44 QR32 QR62 QR77 QS25 4B065 AA90X AA90Y AB01 AC20 BA02 CA60

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α1-3ガラクトシルトランスフェラーゼ
    遺伝子がノックアウトされた哺乳動物(マウス及びヒト
    を除く)の体細胞。
  2. 【請求項2】 前記哺乳動物がウシである請求項1記載
    の体細胞。
  3. 【請求項3】 線維芽細胞である請求項1又は2記載の
    体細胞。
  4. 【請求項4】 哺乳動物(マウス及びヒトを除く)のゲ
    ノミックα1-3ガラクトシルトランスフェラーゼ遺伝子
    中のエクソン領域の少なくとも一部を含むDNA領域
    と、選択マーカー及びその上流にあり該選択マーカーの
    発現を制御するプロモーターとを少なくとも含むDNA
    断片とを相同組換えにより組換え、意図する組換えが起
    きた細胞を選択することを含む、請求項1記載の体細胞
    の作出方法。
  5. 【請求項5】 哺乳動物がウシである請求項4記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 相同組換えにより、ゲノミックα1-3ガ
    ラクトシルトランスフェラーゼ遺伝子から排除される領
    域が、ゲノミックα1-3ガラクトシルトランスフェラー
    ゼ遺伝子の触媒領域のエクソン領域の直上流のイントロ
    ン領域中にあるSma I部位から該エクソン領域のPst I部
    位までの約1300 bpの領域である請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 意図する組換えが起きた細胞を選択する
    操作は、前記プロモーターと前記選択マーカーを含む、
    相同組換えによりゲノミック遺伝子中に挿入される断片
    にハイブリダイズするプライマーと、ゲノミックα1-3
    ガラクトシルトランスフェラーゼ遺伝子中の染色体から
    排除されない領域にハイブリダイズするプライマーを用
    いたPCRを行い、増幅産物が得られるか否かを調べる
    ことを含む請求項4ないし6のいずれか1項に記載の方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004298180A (ja) * 2003-03-18 2004-10-28 Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd ゲノムが改変されたマウス
JP2010220615A (ja) * 2003-03-18 2010-10-07 Kyowa Hakko Kirin Co Ltd ゲノムが改変されたマウス
KR101178946B1 (ko) 2008-02-01 2012-09-03 한국생명공학연구원 알파 1,3-갈락토실트랜스퍼라아제 유전자 타겟팅 벡터

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