JP2002016257A - 半導体装置およびその作製方法 - Google Patents

半導体装置およびその作製方法

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舜平 山崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同一の層間膜上に画素電極と、ゲート配線を
形成した半導体装置において、マスク枚数を追加するこ
となく、液晶の焼きつきや特性劣化を低減する。 【解決手段】 ゲート配線上に絶縁膜を設けることで、
ゲート配線が非選択の期間に液晶にかかるゲート電圧の
絶対値を減少させることができる。絶縁膜は遮光性樹脂
膜、柱状スペーサーで形成すると、マスク枚数の増加を
抑えることができる。また、絶縁膜上に画素電極を形成
し、ゲート配線と画素電極が重なり合うようにすること
で、画素電極の電界遮蔽効果によって、液晶にかかるゲ
ート電圧を減少させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は薄膜トランジスタ
(以下、TFTという)で構成された回路を有する半導
体装置およびその作製方法に関する。例えば、液晶表示
パネルに代表される電気光学装置およびその様な電気光
学装置を部品として搭載した電子機器に関する。
【0002】なお、本明細書中において半導体装置と
は、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を
指し、電気光学装置、半導体回路および電子機器は全て
半導体装置である。
【0003】
【従来の技術】近年、絶縁表面を有する基板上に形成さ
れた半導体薄膜(厚さ数〜数百nm程度)を用いて薄膜
トランジスタ(TFT)を構成する技術が注目されてい
る。薄膜トランジスタはICや電気光学装置のような電
子デバイスに広く応用され、特に液晶表示装置のスイッ
チング素子として開発が急がれている。
【0004】液晶表示装置において、高品位な画像を得
るために、画素電極をマトリクス状に配置し、画素電極
の各々に接続するスイッチング素子としてTFTを用い
たアクティブマトリクス型液晶表示装置が注目を集めて
いる。
【0005】また、アクティブマトリクス型液晶表示装
置において、マスク数の増加を抑え、コストを低減する
ことが求められている。
【0006】液晶の駆動させるためには、直流駆動の際
には焼き付きが問題となるため、交流駆動を行う必要が
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】画素開口率を向上させ
る一手段として、ゲート配線が露出した半導体装置の構
成が考案され、試作されている。しかしながら、この半
導体装置の構成では、ゲート配線が非選択の期間はゲー
ト電圧で、-8V〜-11Vもの電圧が液晶にかかってしま
っていた。これでは、ゲート配線が選択されている期間
を除いて同極性の電圧が液晶層に印加されてしまうで、
液晶の焼き付き、特性劣化という課題を有していた。焼
き付きとは、同一パターンを長時間表示し続けたとき、
画面を切りかえても前の表示パターンが残る現象をい
う。
【0008】そこで、開口率を向上させる一手段とし
て、同一の層間膜上に画素電極と、ゲート配線を形成し
た場合に、さらに液晶の焼き付き、特性劣化という課題
を解決する必要がでてくる。
【0009】以上のように、少ないマスク数で液晶表示
装置を実現するためには、従来にない全く新しい画素構
成が求められている。
【0010】本願発明は、そのような要求に答えるもの
であり、マスク数及び工程数を増加させることなく、液
晶の焼き付き、特性劣化という課題を減少させる画素構
造を有する液晶表示装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した従来技術の課題
を解決するために以下の手段を講じた。
【0012】本発明は、ゲート配線が非選択の期間に液
晶にかかる同極性のゲート電圧の絶対値を減少させるた
めに、ゲート配線上に絶縁膜を設けることを特徴とす
る。絶縁膜としては、遮光性樹脂膜を用いてもよいし、
絶縁膜をセルギャップを維持する機能を有する柱状スペ
ーサとしてよい。
【0013】さらに、画素電極の電界遮蔽効果によっ
て、液晶にかかるゲート電圧を減少させるために、絶縁
膜上に画素電極を形成し、ゲート配線と画素電極が重な
り合うようにすることを特徴とする。
【0014】前記絶縁膜は比誘電率が4.5以下、膜厚
を0.5〜4.0μmの厚さとすることが好ましい。液
晶にかかるゲート電圧を減少させるために、前記絶縁膜
の比誘電率は低いことが好ましい。
【0015】また、アクティブマトリクス基板側に絶縁
膜として遮光性樹脂膜を用いた場合、対向基板側に遮光
性樹脂膜を形成する工程が不要になる。液晶表示装置の
作製工程数を増やすことがない。
【0016】前記絶縁膜を柱状スペーサとした場合、マ
スク枚数を増やすことなく、ゲート配線上に絶縁膜を形
成することができる。
【0017】本発明で開示する発明の構成は、同一の絶
縁表面にゲート配線と画素電極とが形成された半導体装
置において、前記ゲート配線を選択的に覆う絶縁膜を有
することを特徴とする半導体装置である。
【0018】また、他の発明の構成は、同一の絶縁表面
にゲート配線と画素電極とが形成された半導体装置にお
いて、前記ゲート配線を選択的に覆う絶縁膜を有し、前
記画素電極の一部が前記絶縁膜と重なることを特徴とす
る半導体装置である。
【0019】また、他の発明の構成は、一対の基板間に
保持された液晶と、前記一対の基板の一方の基板には画
素部が形成され、前記画素部において、同一の絶縁表面
にゲート配線と画素電極とが形成され、前記ゲート配線
を選択的に覆う絶縁膜を有することを特徴とする半導体
装置である。
【0020】また、他の発明の構成は、一対の基板間に
保持された液晶と、前記一対の基板の一方の基板には画
素部が形成され、前記画素部において、同一の絶縁表面
にゲート配線と画素電極とが形成され、前記ゲート配線
を選択的に覆う絶縁膜を有し、前記画素電極の一部が前
記絶縁膜と重なることを特徴とする半導体装置である。
【0021】また、上記各構成において、前記第2絶縁
膜の比誘電率が4.5以下であることを特徴としてい
る。
【0022】また、上記各構成において、前記第2絶縁
膜の比誘電率が4.5以下であることを特徴としてい
る。
【0023】また、上記各構成において、前記第2絶縁
膜が0.5μm〜5.0μmの厚さであることを特徴とし
ている。
【0024】また、上記各構成において、前記第2絶縁
膜の光学濃度が2以上であることを特徴としている。
【0025】
【発明の実施の形態】本願発明の実施形態について、以
下に説明する。
【0026】図1、図3と図7により本発明の構成示
す。ただし、ここでは透過型の液晶表示装置の例にと
り、以下に説明する。図1の上面図を鎖線A―A’、鎖
線B―B’、鎖線C―C’で切断し断面を図3に示す。
図7は、図3の一部を抽出したものである。図1、図3
と図7において同じ要素は同じ数字で示す。
【0027】図3は透過型の液晶表示装置の画素部を示
すものである。図3において、基板上に半導体層405
〜406、ゲート絶縁膜483、ゲート電極432b、
ソース配線433b、第1の層間膜461、第二の層間
膜462が形成されている。さらに、第二の層間膜46
2上に接続電極468、ゲート配線469、ドレイン電
極470、容量接続電極471が同一の材料で形成され
ている。図示してはいないが、ゲート配線はゲート電極
と接続している。そして、少なくともゲート配線上に絶
縁膜が形成され、画素電極473とゲート配線469が
絶縁膜を挟んで重なることである。本発明では絶縁膜を
遮光性樹脂膜472としている。
【0028】本実施形態では、図3及び図7のように、
基板(図示しない)に設けられたゲート配線469上
に、絶縁膜として、感光性樹脂膜、例えば、遮光性樹脂
膜472を形成し、さらに遮光性樹脂膜472上に画素
電極473及び画素電極474を形成し、配向膜475
を形成したものアクティブマトリクス基板という。
【0029】一方、対向基板とは、基板に着色層47
7、着色層478、平坦化膜479を形成し、さらに、
対向電極480、配向膜481を形成したものを指す。
通常、遮光のために、対向基板側に遮光性樹脂膜を設け
るが、本実施形態ではアクティブマトリクス基板に遮光
性樹脂膜を設けているので、対向基板側には遮光性樹脂
膜を設ける必要がない。
【0030】画素電極のない場合には、液晶表示装置を
駆動した場合、アクティブマトリクス基板のゲート配線
から対向電極へとほぼ垂直方向に電気力線が発生する
が、本実施形態の液晶表示装置を駆動した場合、ゲート
配線から、対向電極の方へ発生した電気力線が画素電極
により遮蔽される。
【0031】電気力線とは、各場所での電場の方向を表
したものである。液晶は電場との相互作用で配向状態を
変え、液晶の誘電異方性が正の時は、液晶分子長軸が電
場に対し平行に、また、負の場合には電界に対して垂直
に配向するようになる。
【0032】画素電極(ITO)がゲート配線の上方に
あることによる電界遮蔽効果により、ゲート配線から画
素電極により電気力線が遮蔽される。また、感光性樹脂
膜例えば、遮光性樹脂膜472により、ゲート電圧が分
圧され、液晶にかかる実効電圧を低減できる。
【0033】以上のように、図3及び図7に示す画素構
造とした場合、液晶の焼き付き、特性劣化という課題を
減少させる透過型の液晶表示装置を実現することができ
る。
【0034】図8〜9に本実施形態の他の構成を示す。
なお、図8〜9において図3、図7と同じ要素は同じ数
字で示している。図9は図8の一部を抽出して示してい
る。図3及び図7の液晶表示装置では、ゲート配線46
9を絶縁膜で覆い、さらに、画素電極473〜474で
選択的に絶縁膜を覆ったが、図8〜9のように、ゲート
配線469を絶縁膜484で覆っておくのみでもよい。
このような構成でも、ゲート配線が非選択の期間に、液
晶に印加される同極性の電圧の絶対値を低減し、液晶の
焼き付きを防ぐことができる。また、アクティブマトリ
クス基板側に絶縁膜484として遮光性樹脂膜を用いた
場合、対向基板側に遮光性樹脂膜を形成する工程が不要
になる。液晶表示装置の作製工程数は、絶縁膜484を
ゲート配線469上に形成しても、増えることはない。
また、絶縁膜484を液晶層の厚さと同等の厚さにし
て、柱状スペーサの役割をもたせてもよい。
【0035】図10〜11のように、ゲート配線469
の表面を、絶縁膜485で覆っておくのみでもよい。絶
縁膜485を遮光性樹脂膜とすると、対向基板側に遮光
性樹脂膜を形成する工程が不要になる。図10のよう
に、絶縁膜をゲート配線のエッジに対しせり出した形に
しても良い。
【0036】以上の構成でなる本願発明について、以下
に示す実施例でもってさらに詳細な説明を行うこととす
る。
【0037】
【実施例】[実施例1]本実施例では同一基板上に画素部
と、画素部の周辺に設ける駆動回路のTFT(nチャネ
ル型TFT及びpチャネル型TFT)を同時に作製する
方法について図4〜図6を用いて説明する。本実施例で
は、透過型の表示装置を形成することを特徴としてい
る。
【0038】まず、本実施例ではコーニング社の#70
59ガラスや#1737ガラスなどに代表されるバリウ
ムホウケイ酸ガラス、またはアルミノホウケイ酸ガラス
などのガラスからなる基板400を用いる。なお、基板
400としては、石英基板やシリコン基板、金属基板ま
たはステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用
いても良い。また、本実施例の処理温度に耐えうる耐熱
性が有するプラスチック基板を用いてもよい。
【0039】次いで、基板400上に酸化シリコン膜、
窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの絶縁膜
から成る下地膜401を形成する。本実施例では下地膜
401として2層構造を用いるが、前記絶縁膜の単層膜
または2層以上積層させた構造を用いても良い。下地膜
401の一層目としては、プラズマCVD法を用い、S
iH4、NH3、及びN2Oを反応ガスとして成膜される
酸化窒化シリコン膜401aを10〜200nm(好まし
くは50〜100nm)形成する。本実施例では、膜厚5
0nmの酸化窒化シリコン膜401a(組成比Si=3
2%、O=27%、N=24%、H=17%)を形成し
た。次いで、下地膜401のニ層目としては、プラズマ
CVD法を用い、SiH4、及びN2Oを反応ガスとして
成膜される酸化窒化シリコン膜401bを50〜200
nm(好ましくは100〜150nm)の厚さに積層形成
する。本実施例では、膜厚100nmの酸化窒化シリコ
ン膜401b(組成比Si=32%、O=59%、N=
7%、H=2%)を形成した。
【0040】次いで、下地膜上に半導体層402〜40
6を形成する。半導体層402〜406は、非晶質構造
を有する半導体膜を公知の手段(スパッタ法、LPCV
D法、またはプラズマCVD法等)により成膜した後、
公知の結晶化処理(レーザー結晶化法、熱結晶化法、ま
たはニッケルなどの触媒を用いた熱結晶化法等)を行っ
て得られた結晶質半導体膜を所望の形状にパターニング
して形成する。この半導体層402〜406の厚さは2
5〜80nm(好ましくは30〜60nm)の厚さで形
成する。結晶質半導体膜の材料に限定はないが、好まし
くはシリコンまたはシリコンゲルマニウム(SiGe)
合金などで形成すると良い。本実施例では、プラズマC
VD法を用い、55nmの非晶質シリコン膜を成膜した
後、ニッケルを含む溶液を非晶質シリコン膜上に保持さ
せた。この非晶質シリコン膜に脱水素化(500℃、1
時間)を行った後、熱結晶化(550℃、4時間)を行
い、さらに結晶化を改善するためのレーザーアニ―ル処
理を行って結晶質シリコン膜を形成した。そして、この
結晶質シリコン膜をフォトリソグラフィ法を用いたパタ
ーニング処理によって、半導体層402〜406を形成
した。
【0041】また、半導体層402〜406を形成した
後、TFTのしきい値を制御するために微量な不純物元
素(ボロンまたはリン)のドーピングを行ってもよい。
【0042】また、レーザー結晶化法で結晶質半導体膜
を作製する場合には、パルス発振型または連続発光型の
エキシマレーザーやYAGレーザー、YVO4レーザー
を用いることができる。これらのレーザーを用いる場合
には、レーザー発振器から放射されたレーザー光を光学
系で線状に集光し半導体膜に照射する方法を用いると良
い。結晶化の条件は実施者が適宣選択するものである
が、エキシマレーザーを用いる場合はパルス発振周波数
30Hzとし、レーザーエネルギー密度を100〜40
0mJ/cm2(代表的には200〜300mJ/cm2)とする。ま
た、YAGレーザーを用いる場合にはその第2高調波を
用いパルス発振周波数1〜10kHzとし、レーザーエ
ネルギー密度を300〜600mJ/cm2(代表的には35
0〜500mJ/cm2)とすると良い。そして幅100〜1
000μm、例えば400μmで線状に集光したレーザ
ー光を基板全面に渡って照射し、この時の線状レーザー
光の重ね合わせ率(オーバーラップ率)を80〜98%
として行えばよい。
【0043】次いで、半導体層402〜406を覆うゲ
ート絶縁膜407を形成する。ゲート絶縁膜407はプ
ラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを40〜
150nmとしてシリコンを含む絶縁膜で形成する。本
実施例では、プラズマCVD法により110nmの厚さ
で酸化窒化シリコン膜(組成比Si=32%、O=59
%、N=7%、H=2%)で形成した。勿論、ゲート絶
縁膜は酸化窒化シリコン膜に限定されるものでなく、他
のシリコンを含む絶縁膜を単層または積層構造として用
いても良い。
【0044】また、酸化シリコン膜を用いる場合には、
プラズマCVD法でTEOS(Tetraethyl Orthosilica
te)とO2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度30
0〜400℃とし、高周波(13.56MHz)電力密度
0.5〜0.8W/cm2で放電させて形成することができ
る。このようにして作製される酸化シリコン膜は、その
後400〜500℃の熱アニールによりゲート絶縁膜と
して良好な特性を得ることができる。
【0045】次いで、図4(A)に示すように、ゲート
絶縁膜407上に膜厚20〜100nmの第1の導電膜
408と、膜厚100〜400nmの第2の導電膜40
9とを積層形成する。本実施例では、膜厚30nmのT
aN膜からなる第1の導電膜408と、膜厚370nm
のW膜からなる第2の導電膜409を積層形成した。T
aN膜はスパッタ法で形成し、Taのターゲットを用
い、窒素を含む雰囲気内でスパッタした。また、W膜
は、Wのターゲットを用いたスパッタ法で形成した。そ
の他に6フッ化タングステン(WF6)を用いる熱CV
D法で形成することもできる。いずれにしてもゲート電
極として使用するためには低抵抗化を図る必要があり、
W膜の抵抗率は20μΩcm以下にすることが望まし
い。W膜は結晶粒を大きくすることで低抵抗率化を図る
ことができるが、W膜中に酸素などの不純物元素が多い
場合には結晶化が阻害され高抵抗化する。従って、本実
施例では、高純度のW(純度99.9999%)のター
ゲットを用いたスパッタ法で、さらに成膜時に気相中か
らの不純物の混入がないように十分配慮してW膜を形成
することにより、抵抗率9〜20μΩcmを実現するこ
とができた。
【0046】なお、本実施例では、第1の導電膜408
をTaN、第2の導電膜409をWとしたが、特に限定
されず、いずれもTa、W、Ti、Mo、Al、Cu、
Cr、Ndから選ばれた元素、または前記元素を主成分
とする合金材料若しくは化合物材料で形成してもよい。
また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリ
コン膜に代表される半導体膜を用いてもよい。また、A
gPdCu合金を用いてもよい。また、第1の導電膜を
タンタル(Ta)膜で形成し、第2の導電膜をW膜とす
る組み合わせ、第1の導電膜を窒化チタン(TiN)膜
で形成し、第2の導電膜をW膜とする組み合わせ、第1
の導電膜を窒化タンタル(TaN)膜で形成し、第2の
導電膜をAl膜とする組み合わせ、第1の導電膜を窒化
タンタル(TaN)膜で形成し、第2の導電膜をCu膜
とする組み合わせとしてもよい。
【0047】次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジ
ストからなるマスク410〜415を形成し、電極及び
配線を形成するための第1のエッチング処理を行う。第
1のエッチング処理では第1及び第2のエッチング条件
で行う。本実施例では第1のエッチング条件として、I
CP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズ
マ)エッチング法を用い、エッチング用ガスにCF4
Cl2とO2とを用い、それぞれのガス流量比を25/2
5/10(sccm)とし、1Paの圧力でコイル型の電
極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズ
マを生成してエッチングを行った。ここでは、松下電器
産業(株)製のICPを用いたドライエッチング装置
(Model E645−□ICP)を用いた。基板側(試
料ステージ)にも150WのRF(13.56MHz)電力を投
入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。この
第1のエッチング条件によりW膜をエッチングして第1
の導電層の端部をテーパー形状とする。
【0048】この後、レジストからなるマスク410〜
415を除去せずに第2のエッチング条件に変え、エッ
チング用ガスにCF4とCl2とを用い、それぞれのガス
流量比を30/30(sccm)とし、1Paの圧力でコ
イル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入
してプラズマを生成して約30秒程度のエッチングを行
った。基板側(試料ステージ)にも20WのRF(13.56
MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を
印加する。CF4とCl2を混合した第2のエッチング条
件ではW膜及びTaN膜とも同程度にエッチングされ
る。なお、ゲート絶縁膜上に残渣を残すことなくエッチ
ングするためには、10〜20%程度の割合でエッチン
グ時間を増加させると良い。
【0049】上記第1のエッチング処理では、レジスト
からなるマスクの形状を適したものとすることにより、
基板側に印加するバイアス電圧の効果により第1の導電
層及び第2の導電層の端部がテーパー形状となる。この
テーパー部の角度は15〜45°となる。こうして、第
1のエッチング処理により第1の導電層と第2の導電層
から成る第1の形状の導電層417〜422(第1の導
電層417a〜422aと第2の導電層417b〜42
2b)を形成する。416はゲート絶縁膜であり、第1
の形状の導電層417〜422で覆われない領域は20
〜50nm程度エッチングされ薄くなった領域が形成され
る。
【0050】そして、レジストからなるマスクを除去せ
ずに第1のドーピング処理を行い、半導体層にn型を付
与する不純物元素を添加する。(図4(B))ドーピン
グ処理はイオンドープ法、若しくはイオン注入法で行え
ば良い。イオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013
〜5×1015atoms/cm2とし、加速電圧を60〜100
keVとして行う。本実施例ではドーズ量を1.5×1
15atoms/cm2とし、加速電圧を80keVとして行っ
た。n型を付与する不純物元素として15族に属する元
素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いる
が、ここではリン(P)を用いた。この場合、導電層4
17〜421がn型を付与する不純物元素に対するマス
クとなり、自己整合的に高濃度不純物領域423〜42
7が形成される。高濃度不純物領域423〜427には
1×1020〜1×1021atoms/cm 3の濃度範囲でn型を
付与する不純物元素を添加する。
【0051】次いで、レジストからなるマスクを除去せ
ずに第2のエッチング処理を行う。ここでは、エッチン
グガスにCF4とCl2とO2とを用い、W膜を選択的に
エッチングする。この時、第2のエッチング処理により
第1の導電層428b〜433bを形成する。一方、第
2の導電層417a〜422aは、ほとんどエッチング
されず、第2の導電層428a〜433aを形成する。
次いで、第2のドーピング処理を行って図4(C)の状
態を得る。ドーピングは第2の導電層417a〜422
aを不純物元素に対するマスクとして用い、第1の導電
層のテーパー部下方の半導体層に不純物元素が添加され
るようにドーピングする。こうして、第1の導電層と重
なる不純物領域434〜438を形成する。この不純物
領域へ添加されたリン(P)の濃度は、第1の導電層の
テーパー部の膜厚に従って緩やかな濃度勾配を有してい
る。なお、第1の導電層のテーパー部と重なる半導体層
において、第1の導電層のテーパー部の端部から内側に
向かって若干、不純物濃度が低くなっているものの、ほ
ぼ同程度の濃度である。また、第1の不純物領域423
〜427にも不純物元素が添加され、不純物領域439
〜443を形成する。
【0052】次いで、図5(A)に示すように、レジス
トからなるマスクを除去せずに第3のエッチング処理を
行う。この第3のエッチング処理では第1の導電層のテ
ーパー部を部分的にエッチングして、半導体層と重なる
領域を縮小するために行われる。第3のエッチングは、
エッチングガスにCHF3を用い、反応性イオンエッチ
ング法(RIE法)を用いて行う。第3のエッチングに
より、第1の導電層444〜449が形成される。この
時、同時に絶縁膜416もエッチングされて、絶縁膜4
50a〜d、451が形成される。
【0053】上記第3のエッチングによって、第1の導
電層444〜448と重ならない不純物領域(LDD領
域)434a〜438aが形成される。なお、不純物領
域(GOLD領域)434b〜438bは、第1の導電
層444〜448と重なったままである。
【0054】このようにすることで、本実施例は、第1
の導電層444〜448と重なる不純物領域(GOLD
領域)434b〜438bにおける不純物濃度と、第1
の導電層444〜448と重ならない不純物領域(LD
D領域)434a〜438aにおける不純物濃度との差
を小さくすることができ、信頼性を向上させることがで
きる。
【0055】次いで、レジストからなるマスクを除去し
た後、図5(B)に示すように、新たにレジストからな
るマスク452〜454を形成して第3のドーピング処
理を行う。この第3のドーピング処理により、pチャネ
ル型TFTの活性層となる半導体層に前記一導電型とは
逆の導電型を付与する不純物元素が添加された不純物領
域455〜460を形成する。第2の導電層428a〜
432aを不純物元素に対するマスクとして用い、p型
を付与する不純物元素を添加して自己整合的に不純物領
域を形成する。本実施例では、不純物領域455〜46
0はジボラン(B26)を用いたイオンドープ法で形成
する。この第3のドーピング処理の際には、nチャネル
型TFTを形成する半導体層はレジストからなるマスク
452〜454で覆われている。第1のドーピング処理
及び第2のドーピング処理によって、不純物領域455
〜460にはそれぞれ異なる濃度でリンが添加されてい
るが、そのいずれの領域においてもp型を付与する不純
物元素の濃度を2×1020〜2×1021atoms/cm3とな
るようにドーピング処理することにより、pチャネル型
TFTのソース領域およびドレイン領域として機能する
ために何ら問題は生じない。本実施例では、pチャネル
型TFTの活性層となる半導体層の一部が露呈している
ため、不純物元素(ボロン)を添加しやすい利点を有し
ている。
【0056】以上までの工程でそれぞれの半導体層に不
純物領域が形成される。
【0057】次いで、レジストからなるマスク452〜
454を除去して第1の層間絶縁膜461を形成する。
この第1の層間絶縁膜461としては、プラズマCVD
法またはスパッタ法を用い、厚さを100〜200nm
としてシリコンを含む絶縁膜で形成する。本実施例で
は、プラズマCVD法により膜厚150nmの酸化窒化
シリコン膜を形成した。勿論、第1の層間絶縁膜461
は酸化窒化シリコン膜に限定されるものでなく、他のシ
リコンを含む絶縁膜を単層または積層構造として用いて
も良い。
【0058】次いで、図5(C)に示すように、それぞ
れの半導体層に添加された不純物元素を活性化処理する
工程を行う。この活性化工程はファーネスアニール炉を
用いる熱アニール法で行う。熱アニール法としては、酸
素濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下の
窒素雰囲気中で400〜700℃、代表的には500〜
550℃で行えばよく、本実施例では550℃、4時間
の熱処理で活性化処理を行った。なお、熱アニール法の
他に、レーザーアニール法、またはラピッドサーマルア
ニール法(RTA法)を適用することができる。
【0059】なお、本実施例では、上記活性化処理と同
時に、結晶化の際に触媒として使用したニッケルが高濃
度のリンを含む不純物領域439、441、442、4
55、458にゲッタリングされ、主にチャネル形成領
域となる半導体層中のニッケル濃度が低減される。この
ようにして作製したチャネル形成領域を有するTFTは
オフ電流値が下がり、結晶性が良いことから高い電界効
果移動度が得られ、良好な特性を達成することができ
る。
【0060】また、第1の層間絶縁膜を形成する前に活
性化処理を行っても良い。ただし、用いた配線材料が熱
に弱い場合には、本実施例のように配線等を保護するた
め層間絶縁膜(シリコンを主成分とする絶縁膜、例えば
窒化珪素膜)を形成した後で活性化処理を行うことが好
ましい。
【0061】さらに、3〜100%の水素を含む雰囲気
中で、300〜550℃で1〜12時間の熱処理を行
い、半導体層を水素化する工程を行う。本実施例では水
素を約3%の含む窒素雰囲気中で410℃、1時間の熱
処理を行った。この工程は層間絶縁膜に含まれる水素に
より半導体層のダングリングボンドを終端する工程であ
る。水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズ
マにより励起された水素を用いる)を行っても良い。
【0062】また、活性化処理としてレーザーアニール
法を用いる場合には、上記水素化を行った後、エキシマ
レーザーやYAGレーザー等のレーザー光を照射するこ
とが望ましい。
【0063】次いで、第1の層間絶縁膜461上に無機
絶縁膜材料または有機絶縁物材料から成る第2の層間絶
縁膜462を形成する。本実施例では、膜厚1.6μm
のアクリル樹脂膜を形成した。
【0064】そして、駆動回路506において、各不純
物領域とそれぞれ電気的に接続する配線463〜467
を形成する。なお、これらの配線は、膜厚50nmのT
i膜と、膜厚500nmの合金膜(AlとTiとの合金
膜)を形成し、さらにTi膜または窒化チタン(Ti
N)膜を100〜200nmの厚さで形成して3層構造
とする。
【0065】また、画素部507においては、ドレイン
電極470、ゲート配線469、接続電極468を形成
する。(図6)この接続電極468によりソース配線
(433bと449の積層)は、画素TFTと電気的な
接続が形成される。また、ゲート配線469は、画素T
FTのゲート電極と電気的な接続が形成される。また、
ドレイン電極470は、画素TFTのドレイン領域と電
気的な接続が形成される。さらに、容量接続電極471
は、保持容量を形成する一方の電極として機能する半導
体層と電気的な接続が形成される。
【0066】その後、遮光性樹脂膜472を全面に形成
し、フォトマスクを用いたパターニング処理により、少
なくとも、ゲート配線469と重なるように、遮光性樹
脂膜は、設けられる。その後、透明導電膜を全面に形成
し、フォトマスクを用いたパターニング処理により、画
素電極473を、少なくとも、ドレイン電極470と接
続電極471と重なるように設けられる。
【0067】透明導電膜の材料は、酸化インジウム(I
23)や酸化インジウム酸化スズ合金(In23―S
nO2;ITO膜)などをスパッタ法や真空蒸着法など
を用いて形成して用いることができる。このような材料
のエッチング処理は塩酸系の溶液により行う。しかし、
特にITO膜のエッチングは残渣が発生しやすいので、
エッチング加工性を改善するために酸化インジウム酸化
亜鉛合金(In23―ZnO)を用いても良い。酸化イ
ンジウム酸化亜鉛合金は表面平滑性に優れ、ITO膜に
対して熱安定性にも優れているので、ドレイン配線の端
面で、Al膜が画素電極と接触して腐蝕反応をすること
を防止できる。同様に、酸化亜鉛(ZnO)も適した材
料であり、さらに可視光の透過率や導電率を高めるため
にガリウム(Ga)を添加した酸化亜鉛(ZnO:G
a)などを用いることができる。
【0068】以上の様にして、nチャネル型TFT50
1とpチャネル型TFT502からなるCMOS回路、
及びnチャネル型TFT503を有する駆動回路506
と、画素TFT504、保持容量505とを有する画素
部507を同一基板上に形成することができる。こうし
て、アクティブマトリクス基板が完成する。
【0069】駆動回路506のnチャネル型TFT50
1はチャネル形成領域600、ゲート電極の一部を構成
する第1の導電層444と重なる低濃度不純物領域43
4b(GOLD領域)、ゲート電極の外側に形成される
低濃度不純物領域434a(LDD領域)とソース領域
またはドレイン領域として機能する高濃度不純物領域4
39を有している。このnチャネル型TFT501と電
極466で接続してCMOS回路を形成するpチャネル
型TFT502にはチャネル形成領域601、ゲート電
極と重なる不純物領域457、ゲート電極の外側に形成
される不純物領域458、ソース領域またはドレイン領
域として機能する高濃度不純物領域455を有してい
る。また、nチャネル型TFT503にはチャネル形成
領域602、ゲート電極の一部を構成する第1の導電層
446と重なる低濃度不純物領域436b(GOLD領
域)、ゲート電極の外側に形成される低濃度不純物領域
437a(LDD領域)とソース領域またはドレイン領
域として機能する高濃度不純物領域441を有してい
る。
【0070】画素部の画素TFT504にはチャネル形
成領域603、ゲート電極の一部を構成する第1の導電
層447と重なる低濃度不純物領域437b(GOLD
領域)、ゲート電極の外側に形成される低濃度不純物領
域437a(LDD領域)とソース領域またはドレイン
領域として機能する高濃度不純物領域443を有してい
る。また、保持容量505の一方の電極として機能する
半導体層458〜460には、それぞれp型を付与する
不純物元素が添加されている。保持容量505は、絶縁
膜451を誘電体として、電極(448と432bの積
層)と、半導体層458〜460とで形成している。
【0071】本実施例で作製するアクティブマトリクス
基板の画素部の上面図を図1に示す。なお、図6に対応
する部分には同じ符号を用いている。図6中の鎖線A−
A’は図1中の鎖線A―A’で切断した断面図に対応し
ている。また、図6中の鎖線B−B’は図1中の鎖線B
―B’で切断した断面図に対応している。図6中の鎖線
C−C’は図1中の鎖線C―C’で切断した断面図に対
応している。
【0072】また、本実施例で示す工程に従えば、アク
ティブマトリクス基板の作製に必要なフォトマスクの数
を7枚とすることができ、対向基板に遮光性樹脂膜を形
成する工程が不要になる。
【0073】[実施例2]本実施例では、実施例1で作製
したアクティブマトリクス基板から、透過型の液晶表示
装置を作製する工程を以下に説明する。説明には図2〜
図3を用いる。
【0074】まず、実施例1に従い、図2の状態のアク
ティブマトリクス基板を得た後、図3のアクティブマト
リクス基板に形成された絶縁膜からなる遮光性樹脂膜4
72と画素電極473上及び画素電極474上に配向膜
475を形成し、その後、ラビング処理を行う。なお、
本実施例では配向膜475を形成する前に、アクリル樹
脂膜等の有機樹脂膜をパターニングすることによって基
板間隔を保持するための柱状のスペーサ(図示しない)
を所望の位置に形成した。また、柱状のスペーサに代え
て、球状のスペーサを基板全面に散布してもよい。
【0075】次いで、対向基板476を用意する。次い
で、対向基板476上に第一の着色層477、第二の着
色層478、平坦化膜479を形成する。図示はしてい
ないが、第三の着色層も対向基板476上に設けられて
いる。通常、遮光のために、対向基板側に遮光性樹脂膜
を設けるが、本実施例ではアクティブマトリクス基板に
遮光性樹脂膜を設けているので、対向基板側には遮光性
樹脂膜を設ける必要がない。
【0076】次いで、平坦化膜479上に透明導電膜か
らなる対向電極480を少なくとも画素部に形成し、対
向基板の全面に配向膜481を形成し、ラビング処理を
施した。
【0077】そして、画素部と駆動回路が形成されたア
クティブマトリクス基板と対向基板とをシール材(図示
せず)で貼り合わせる。シール材にはフィラーが混入さ
れていて、このフィラーと柱状スペーサによって均一な
間隔を持って2枚の基板が貼り合わせられる。その後、
両基板の間に液晶材料482を注入し、封止剤(図示せ
ず)によって完全に封止する。液晶材料482には公知
の液晶材料を用いれば良い。このようにして図3に示す
透過型液晶表示装置が完成する。そして、必要があれ
ば、アクティブマトリクス基板または対向基板を所望の
形状に分断する。さらに、アクティブマトリクス基板及
び対向基板に偏光板(図示しない)を貼りつけた。そし
て、公知の技術を用いてFPCを貼りつけた。
【0078】以上のようにして作製される液晶表示パネ
ルは各種電子機器の表示部として用いることができる。
【0079】また、本実施例では、アクティブマトリク
ス基板側に絶縁膜として遮光性樹脂膜を設けるので、対
向基板に遮光性樹脂膜を形成する工程が不要になる。結
果として、液晶表示装置の作製工程数を増やすことな
く、液晶の焼きつきや特性劣化を低減した液晶表示装置
を完成させることができる。
【0080】なお、本実施例は、実施例1または実施例
3のいずれか一と自由に組み合わせることが可能であ
る。 [実施例3]本実施例では、実施例1で示したアクティブ
マトリクス基板のTFTの半導体層を形成する結晶質半
導体層の他の作製方法について示す。本実施例では特開
平7−130652号公報で開示されている触媒元素を
用いる結晶化法を適用することもできる。以下に、その
場合の例を説明する。
【0081】実施例1と同様にして、ガラス基板上に下
地膜、非晶質半導体層を25〜80nmの厚さで形成す
る。例えば、非晶質シリコン膜を55nmの厚さで形成す
る。そして、重量換算で10ppmの触媒元素を含む水
溶液をスピンコート法で塗布して触媒元素を含有する層
を形成する。触媒元素にはニッケル(Ni)、ゲルマニ
ウム(Ge)、鉄(Fe)、パラジウム(Pd)、スズ
(Sn)、鉛(Pb)、コバルト(Co)、白金(P
t)、銅(Cu)、金(Au)などである。この触媒元
素を含有する層170は、スピンコート法の他にスパッ
タ法や真空蒸着法によって上記触媒元素の層を1〜5nm
の厚さに形成しても良い。
【0082】そして、結晶化の工程では、まず400〜
500℃で1時間程度の熱処理を行い、非晶質シリコン
膜の含有水素量を5atom%以下にする。そして、ファー
ネスアニール炉を用い、窒素雰囲気中で550〜600
℃で1〜8時間の熱アニールを行う。以上の工程により
結晶質シリコン膜から成る結晶質半導体層を得ることが
できる。
【0083】このようにして作製された結晶質半導体層
から島状半導体層を作製すれば、実施例1と同様にして
アクティブマトリクス基板を完成させることができる。
しかし、結晶化の工程においてシリコンの結晶化を助長
する触媒元素を使用した場合、島状半導体層中には微量
(1×1017〜1×1019atoms/cm3程度)の触媒元素
が残留する。勿論、そのような状態でもTFTを完成さ
せることが可能であるが、残留する触媒元素を少なくと
もチャネル形成領域から除去する方がより好ましかっ
た。この触媒元素を除去する手段の一つにリン(P)に
よるゲッタリング作用を利用する手段がある。
【0084】この目的におけるリン(P)によるゲッタ
リング処理は、図5(C)で説明した活性化工程で同時
に行うことができる。ゲッタリングに必要なリン(P)
の濃度は高濃度n型不純物領域の不純物濃度と同程度で
よく、活性化工程の熱アニールにより、nチャネル型T
FTおよびpチャネル型TFTのチャネル形成領域から
触媒元素をその濃度でリン(P)を含有する不純物領域
へ偏析させることができる。その結果その不純物領域に
は1×1017〜1×1019atoms/cm3程度の触媒元素が
偏析した。このようにして作製したTFTはオフ電流値
が下がり、結晶性が良いことから高い電界効果移動度が
得られ、良好な特性を達成することができる。
【0085】[実施例4]本願発明を実施して形成された
画素部は様々な電気光学装置(アクティブマトリクス型
液晶ディスプレイ)に用いることができる。即ち、それ
ら電気光学装置を表示部に組み込んだ電子機器全てに本
願発明を実施できる。
【0086】その様な電子機器としては、ビデオカメ
ラ、デジタルカメラ、プロジェクター(リア型またはフ
ロント型)、ヘッドマウントディスプレイ(ゴーグル型
ディスプレイ)、カーナビゲーション、カーステレオ、
パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコン
ピュータ、携帯電話または電子書籍等)などが挙げられ
る。それらの一例を図12、図13及び図14に示す。
【0087】図12(A)はパーソナルコンピュータで
あり、本体2001、画像入力部2002、表示部20
03、キーボード2004等を含む。本発明を表示部2
003に適用することができる。
【0088】図12(B)はビデオカメラであり、本体
2101、表示部2102、音声入力部2103、操作
スイッチ2104、バッテリー2105、受像部210
6等を含む。本発明を表示部2102に適用することが
できる。
【0089】図12(C)はモバイルコンピュータ(モ
ービルコンピュータ)であり、本体2201、カメラ部
2202、受像部2203、操作スイッチ2204、表
示部2205等を含む。本発明は表示部2205に適用
できる。
【0090】図12(D)はゴーグル型ディスプレイで
あり、本体2301、表示部2302、アーム部230
3等を含む。本発明は表示部2302に適用することが
できる。
【0091】図12(E)はプログラムを記録した記録
媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであ
り、本体2401、表示部2402、スピーカ部240
3、記録媒体2404、操作スイッチ2405等を含
む。なお、このプレーヤーは記録媒体としてDVD(D
igtial Versatile Disc)、CD
等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネッ
トを行うことができる。本発明は表示部2402に適用
することができる。
【0092】図12(F)はデジタルカメラであり、本
体2501、表示部2502、接眼部2503、操作ス
イッチ2504、受像部(図示しない)等を含む。本願
発明を表示部2502に適用することができる。
【0093】図13(A)はフロント型プロジェクター
であり、投射装置2601、スクリーン2602等を含
む。本発明は投射装置2601の一部を構成する液晶表
示装置2808やその他の信号制御回路に適用すること
ができる。
【0094】図13(B)はリア型プロジェクターであ
り、本体2701、投射装置2702、ミラー270
3、スクリーン2704等を含む。本発明は投射装置2
702の一部を構成する液晶表示装置2808やその他
の信号制御回路に適用することができる。
【0095】なお、図13(C)は、図13(A)及び
図13(B)中における投射装置2601、2702の
構造の一例を示した図である。投射装置2601、27
02は、光源光学系2801、ミラー2802、280
4〜2806、ダイクロイックミラー2803、プリズ
ム2807、液晶表示装置2808、位相差板280
9、投射光学系2810で構成される。投射光学系28
10は、投射レンズを含む光学系で構成される。本実施
形態は三板式の例を示したが、特に限定されず、例えば
単板式であってもよい。また、図13(C)中において
矢印で示した光路に実施者が適宜、光学レンズや、偏光
機能を有するフィルムや、位相差を調節するためのフィ
ルム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0096】また、図13(D)は、図13(C)中に
おける光源光学系2801の構造の一例を示した図であ
る。本実施形態では、光源光学系2801は、リフレク
ター2811、光源2812、レンズアレイ2813、
2814、偏光変換素子2815、集光レンズ2816
で構成される。なお、図13(D)に示した光源光学系
は一例であって特に限定されない。例えば、光源光学系
に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィ
ルムや、位相差を調節するフィルム、IRフィルム等の
光学系を設けてもよい。
【0097】ただし、図13に示したプロジェクターに
おいては、透過型の液晶表示装置を用いた場合を示して
おり、反射型の液晶表示装置での適用例は図示していな
い。
【0098】図14(A)は携帯電話であり、本体29
01、音声出力部2902、音声入力部2903、表示
部2904、操作スイッチ2905、アンテナ2906
等を含む。本願発明を表示部2904に適用することが
できる。
【0099】図14(B)は携帯書籍(電子書籍)であ
り、本体3001、表示部3002、3003、記憶媒
体3004、操作スイッチ3005、アンテナ3006
等を含む。本発明は表示部3002に適用することがで
きる。
【0100】図14(C)はディスプレイであり、本体
3101、支持台3102、表示部3103等を含む。
本発明は表示部3103に適用することができる。本発
明のディスプレイは特に大画面化した場合において有利
であり、対角10インチ以上(特に30インチ以上)の
ディスプレイには有利である。
【0101】以上の様に、本願発明の適用範囲は極めて
広く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能で
ある。また、本実施例の電子機器は実施例1〜3のどの
ような組み合わせからなる構成を用いても実現すること
ができる。
【0102】
【発明の効果】ゲート配線上に絶縁膜を設けることで、
ゲート配線が非選択の期間に液晶にかかるゲート電圧の
絶対値を減少させることができる。
【0103】さらに、本発明による液晶表示装置の作製
方法は、総マスク数及び工程数を増加させることなく、
液晶の焼き付きや特性劣化を低減した液晶表示装置を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の液晶表示装置の上面図。
【図2】 本発明のアクティブマトリクス基板の断面
図。
【図3】 本発明の液晶表示装置の断面図。
【図4】 アクティブマトリクス基板の作製工程を示
す図。
【図5】 アクティブマトリクス基板の作製工程を示
す図。
【図6】 アクティブマトリクス基板の作製工程を示
す図。
【図7】 本発明の液晶表示装置の断面を示す簡略
図。
【図8】 本発明の液晶表示装置の断面図。
【図9】 本発明の液晶表示装置の断面を示す簡略
図。
【図10】 本発明の液晶表示装置の断面図。
【図11】 本発明の液晶表示装置の断面を示す簡略
図。
【図12】 電子機器の一例を示す図。
【図13】 電子機器の一例を示す図。
【図14】 電子機器の一例を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小山 潤 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社半 導体エネルギー研究所内 Fターム(参考) 2H090 HA02 LA02 MA01 MA02 2H092 JA24 JA37 JA41 JB51 JB56 MA05 MA13 MA19 MA27 MA30 NA07 NA25 NA27 PA01 PA03 RA05 5F110 AA14 AA16 BB02 BB04 CC02 DD01 DD02 DD03 DD13 DD14 DD15 DD17 EE01 EE02 EE03 EE04 EE09 EE14 EE23 EE37 EE44 EE45 FF02 FF04 FF09 FF28 FF30 FF36 GG01 GG02 GG13 GG25 GG32 GG43 GG45 GG47 HJ01 HJ04 HJ12 HJ13 HJ23 HL01 HL04 HL06 HL12 HM15 NN03 NN04 NN22 NN23 NN24 NN27 NN34 NN35 NN72 PP03 PP05 PP06 PP10 PP29 PP34 PP35 QQ04 QQ11 QQ24 QQ25 QQ28

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同一の絶縁表面にゲート配線と画素電極と
    が形成された半導体装置において、前記ゲート配線を選
    択的に覆う絶縁膜を有することを特徴とする半導体装
    置。
  2. 【請求項2】同一の絶縁表面にゲート配線と画素電極と
    が形成された半導体装置において、前記ゲート配線を選
    択的に覆う絶縁膜を有し、前記画素電極の一部が前記絶
    縁膜と重なることを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】一対の基板間に保持された液晶と、前記一
    対の基板の一方の基板には画素部が形成され、前記画素
    部において、同一の絶縁表面にゲート配線と画素電極と
    が形成され、前記ゲート配線を選択的に覆う絶縁膜を有
    することを特徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】一対の基板間に保持された液晶と、前記一
    対の基板の一方の基板には画素部が形成され、前記画素
    部において、同一の絶縁表面にゲート配線と画素電極と
    が形成され、前記ゲート配線を選択的に覆う絶縁膜を有
    し、前記画素電極の一部が前記絶縁膜と重なることを特
    徴とする半導体装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれか一において、前
    記絶縁膜の比誘電率が4.5以下であることを特徴とす
    る半導体装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至4のいずれか一において、前
    記絶縁膜が0.5μm〜5.0μmの厚さであることを特
    徴とする半導体装置。
  7. 【請求項7】請求項1乃至4のいずれか一において、前
    記絶縁膜の光学濃度が2以上であることを特徴とする半
    導体装置。
  8. 【請求項8】半導体層上に層間絶縁膜を形成し、 前記層間絶縁膜上にゲート配線を形成する半導体装置の
    作製方法において、 前記ゲート配線を選択的に覆うように絶縁膜を形成する
    第一の工程と、 前記絶縁膜及び前記層間絶縁膜上に透明導電膜を形成す
    る第二の工程と、 前記絶縁膜が露出するように、前記透明導電膜の一部を
    剥離する第三の工程とを少なくとも有する半導体装置の
    作製方法。
  9. 【請求項9】半導体層上に層間絶縁膜を形成し、 前記層間絶縁膜上にゲート配線を形成する半導体装置の
    作製方法において、 前記ゲート配線を選択的に覆うように遮光性樹脂膜を形
    成する第一の工程と、 前記遮光性樹脂膜及び前記層間絶縁膜上に透明導電膜を
    形成する第二の工程と、 前記遮光性樹脂膜が露出するように、前記透明導電膜の
    一部を剥離する第三の工程とを少なくとも有する半導体
    装置の作製方法。
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