JP2002015727A - リチウム系二次電池 - Google Patents

リチウム系二次電池

Info

Publication number
JP2002015727A
JP2002015727A JP2000196951A JP2000196951A JP2002015727A JP 2002015727 A JP2002015727 A JP 2002015727A JP 2000196951 A JP2000196951 A JP 2000196951A JP 2000196951 A JP2000196951 A JP 2000196951A JP 2002015727 A JP2002015727 A JP 2002015727A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
secondary battery
positive electrode
cuf
active material
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000196951A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaaki Okamura
高明 岡村
Hideyuki Minaki
秀幸 三奈木
Kenichi Takagi
研一 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Kohan Co Ltd
Original Assignee
Toyo Kohan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Kohan Co Ltd filed Critical Toyo Kohan Co Ltd
Priority to JP2000196951A priority Critical patent/JP2002015727A/ja
Publication of JP2002015727A publication Critical patent/JP2002015727A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電池の益々の軽量化に対応するため、従来技
術の正極より明らかに高容量の新規な正極を開発し、大
幅な軽量化が達成できるリチウム系二次電池を提供す
る。 【解決手段】 理論容量は高いが導電性が劣り、そのま
までは電池反応が困難なCuFと、理論容量は低い
が導電性を有しCuF単体では困難な電子授受を容
易にするポリアニリンを組み合わせ、両者の適性配合比
及びその活物質に合った集電体を見いだすことで高容量
化を達成した。さらに、アセチレンブラックの様なマク
ロ的な導電効果を有す導電剤を添加すれば、さらに高容
量化することができ、適性組成範囲を広げることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高容量なリチウム
系電池に関する。特に、正極活物質に理論容量は高いが
導電性が劣るため、単独では充放電が困難なCuF
(フッ化銅)と理論容量は低いが、分子レベルで導電性
を発揮するポリアニリンとをブレンドすることにより高
容量が得られると共に、塗布乾燥が容易で活物質の膜強
度及び加工性が良好な正極活物質を集電体に積層してな
る正極を用いた高容量なリチウム系電池に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウム系二次電池の代表とも言えるリ
チウムイオン電池の正極活物質は、Li酸化合物を主体
とした活物質が用いられているのが一般的であり、他の
二次電池より、放電電圧が高い割に放電容量も大きいた
め単位重量及び体積当たりのエネルギー密度が格段に大
きいため、パソコンや携帯電話に盛んに用いられてい
る。しかしながら、より軽量、薄厚化の要求が年々高ま
ってきており、この要求に対処するために電解液をポリ
マーゲルにしたリチウムポリマー電池が最近になって実
用化されてきた。
【0003】しかしながら、これらのリチウムポリマー
電池は基本的には電解質を液状でなく、電解液とポリマ
ーでゲル化した固体のゲル電解質に変更し、液漏れに対
してあまり注意を払う必要を無くすることにより、外装
材を堅固な金属缶から、より薄厚、軽量なAlラミネー
ト材を採用したものであり、結果として、外装材の簡略
化により電池の軽量及び薄厚化を達成しているものであ
る。しかしながら、外装材を簡略化しても、電池として
の容量アップはせいぜい1割程度で、市場に大きなイン
パクトを与えるまでには至っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年の電子機器類の急
激な薄厚、軽量化要求に対応するには、単に電解質をゲ
ル電解質にし、薄厚、軽量な外装材を採用するだけでは
不充分で、今後益々対応しきれなくなるのは明白であ
る。従って、電池容量を大きく左右する電極(主に正
極)を、より大きな容量が発揮できる新規な材料に変更
し、電池の大幅な高容量化を図る必要がある。
【0005】すなわち、本発明の主な課題は電池の容量
を大きく左右する正極の性能を大幅に高め、高エネルギ
ー密度のリチウムポリマー電池を得ることである。この
目的に沿い鋭意検討した結果、元々高い理論容量はある
が、導電性が悪いため充放電反応が困難であったCuF
粉末と導電性を有すポリアニリンを主体とした材料
を、ポリアニリンを溶解する溶剤と共にブレンドして得
た溶液を塗布乾燥した活物質層が従来から一般的に用い
られているLi酸化合物を主体とした活物質層より大幅
な高容量、高エネルギー密度を有すことを見出したもの
である。この理由としては導電性を有すポリアニリンが
ポーラスなCuF粉末の隅々に行き渡り、CuF
の欠点である導電性を改善したためと考えられる。
ここでは、このポリアニリンをミクロ導電剤と呼ぶ。さ
らに、粉末粒子間の導電性を向上することを目的とした
導電ネットワークを形成する、カーボンの様な固体導電
剤(ここではマクロ導電剤、導電剤がカーボンの場合は
マクロ導電性カーボンと呼ぶ。)を少量配合すること
は、特にポリアニリンに対するCuFの量を多くし
た場合、高容量を得るのに有効であること、また前記正
極活物質の性能を発揮できる集電体及び各々の集電体に
適したCuF、ミクロ導電剤及びマクロ導電剤の適
性な配合比を見出したものである。さらに、この正極活
物質に適した負極についても検討し、その適性材料を見
出したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のリチウム系二次
電池の特徴は、正極、負極及び電解質を備えたリチウム
系二次電池において、正極活物質がCuF及びポリア
ニリンを主成分としたものであることである。本発明の
リチウム系二次電池の特徴は、正極に用いられる集電体
が、銅箔からなることである。本発明のリチウム系二次
電池の特徴は、正極に用いられる集電体が、アルミニウ
ム箔に銀粉、導電性カーボン、又は銀粉と導電性カーボ
ンの混合物のいずれかと、ポリマーからなる導電プライ
ーを塗布したものであることである。本発明のリチウム
系二次電池の特徴は、正極活物質のCuFの、ポリア
ニリンとのモル混合比が、1:0.4〜1:5であるこ
とである。本発明のリチウム系二次電池の特徴は、正極
活物質が、CuF及びポリアニリンに加えて、CuF
100重量部に対して、マクロ導電性カーボンを10
〜80重量部配合したものであることである。本発明の
リチウム系二次電池の特徴は、正極活物質のCuF
のポリアニリンとのモル混合比が、1:0.15〜1:
5であり、且つ、CuF100重量部に対してマク
ロ導電性カーボンを20〜80重量部配合したものであ
ることである。本発明のリチウム系二次電池の特徴は、
正極に用いられる集電体が、アルミニウム箔で、CuF
のポリアニリンとのモル混合比が1:0.15〜1:
5であり、且つCuF100重量部に対してマクロ導
電性カーボンを27〜80重量部配合したものであるこ
とである。本発明のリチウム系二次電池の特徴は、電解
質が、Li塩を含んだ有機電解液によりポリマーをゲル
化させたゲル電解質であることである。本発明のリチウ
ム系二次電池の特徴は、負極が、リチウム又はリチウム
・アルミニウム合金からなることである。本発明のリチ
ウム系二次電池の特徴は、負極が、Cu集電体にカーボ
ン系活物質を積層後、Liをドーピングしたものである
ことである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、材料別に本発明を説明す
る。 1.正極(正極活物質+集電体) まず、正極(活物質+集電体)の活物質の主たる役割を
担う成分は、導電性が悪く、そのままでは電池反応を起
こさせるのは困難であるが、非常に理論容量の高いCu
とCuF粉末の表面全体だけでなく、その内
部にまで浸透しCuFが有さない導電機能を肩代わ
りし電池反応を起こさせ、且つCuFほどの高容量で
はないが活物質ともなりうるポリアニリン(ここではミ
クロ導電剤と呼ぶ)を配合した材料を基本活物質とす
る。さらに、本発明では、前記したマクロ導電剤である
導電性カーボンを添加することにより、CuFとポリ
アニリンの適性配合比の拡大及び適用可能な集電体の多
様化が図れることを見出したものであり、以下に詳細に
説明する。
【0008】まず、集電体にCu箔を用いた場合、少な
くとも一般的にリチウムイオン電池に用いられているL
i酸化合物系活物質(LiCoO等)より、明確に
高容量が得られる活物質組成はCuFの、ポリアニ
リンとのモル混合比が1:0.4〜1:5のブレンド物
である。なお、ここで言う、明確に高容量が得られると
は、少なくとも一般的なLiCoO系正極活物質よ
り、活物質単位重量当たり1.3倍以上の容量を有すこ
とを指す。CuF1モルに対しポリアニリンが0.
4モル未満ではポリアニリンの導電効果が乏しくなるた
めか、前記のLi酸化合物系活物質と比べて明確な高容
量化は認められなくなり、又5モルを超えると、理論容
量の高いCuFのブレンド物中の存在量が少なくな
るためと考えられるが、同様に明確な高容量化は認めら
れなくなり、好ましくない。さらに、上記ブレンド物に
マクロ的な導電効果を有すマクロ導電性カーボンをCu
100重量部に対して10〜80重量部添加する
と一段と高容量化が達成できる。10重量部未満ではマ
クロ的な導電性向上効果が乏しくなるためか、あまりそ
の添加効果は認められなくなり、80重量部を超える
と、導電性を向上するだけで直接には電池反応に寄与し
ない材料が増えること及び活物質のマクロ的な導電性は
80重量部を超えると、もうあまり改善されなくなるた
めか、同様に添加効果は認められなくなり、好ましくな
い。なお、ここで言うマクロ的導電性とは、前記のポリ
アニリンの様なミクロ導電剤と異なり、CuFの表
面全体及びその内部まで浸透して導電性を発揮する性質
を指すのではなく、CuFと部分的には接触してな
いが、ポリアニリンより導電性が高く、ポリアニリンが
CuFと電池反応によりやりとりした電子が集電体
と自由にあまり抵抗なく行き来出来る性質を言う。
【0009】一方、マクロ導電性カーボンの添加は、さ
らにその添加量を限定すれば、CuFとポリアニリ
ンの適性組成比及び集電体種類範囲を拡大する効果があ
る。適性組成比範囲の拡大については、ポリアニリンの
モル混合比が少ない場合に認められ、前記したCuF
1モルに対しポリアニリンが0.4モル未満の場合
でも、高容量化の達成が可能となる。具体的には、Cu
に対するポリアニリンのモル混合比が0.4未満
の場合であっても、CuF100重量部に対してマ
クロ導電性カーボンを20〜80重量部配合すれば、一
般的なLi酸化合物系活物質より高容量が得られる。こ
れは、ポリアニリンのモル混合量が少ないとブレンド物
からなるの活物質全体の導電性が乏しくなり、電池反応
が起こりにくくなる欠点を、マクロ導電性カーボンを2
0重量部以上添加することによって補えたためと考えら
れる。マクロ導電性カーボンの添加が80重量部を超え
ると、前記と同様な理由により好ましくない。一方、ポ
リアニリンのモル混合比が0.15未満になると、マク
ロ導電性カーボンの下限添加量をさらにアップしても、
高容量化は困難となる。即ち、前記した集電体を使用す
る限りにおいて、マクロ導電性カーボンの添加量範囲を
CuFのポリアニリンとのモル混合比に応じて二段
階設定することにより、適性なCuFのポリアニリ
ンとのモル混合比は、1:0.15〜1:5と広範囲に
なる。
【0010】また、添加するマクロ導電性カーボンの量
をさらにアップすれば比重も小さく、経済性の点からも
理想的な集電体とも言えるAl箔を導電プライマー塗布
をしなくても使用可能となる。具体的にはCuF
ポリアニリンとのモル混合比が1:0.15〜1:5で
あり、且つ導電性カーボンをCuF100重量部に
対して27〜80重量部添加したブレンド物は集電体に
Al箔を用いても一般的なLi酸化合物系活物質より高
容量が得られる。導電性カーボンの添加量が27重量部
未満では高容量化が達成できず、80重量部を超えても
前記と同様に高容量化が達成できず好ましくない。な
ぜ、Al箔の場合、前記した集電体より導電性カーボン
の添加下限量を多くしなければならないかは定かではな
いが、Al表面に生成したAl酸化物が活物質との界面
抵抗を上げるため、界面抵抗を低減するため導電性カー
ボンを多く添加して活物質の導電性を高める必要がある
のではないかと推定される。
【0011】なお、本発明に用いるミクロ導電剤である
ポリアニリンは重合法や分子量等によりその作用は異な
るが、経済性と特性を考慮して最適なポリアニリンを使
用することとし、ここでは特に限定しない。また、ポリ
アニリンと同様なミクロ導電剤となりうるポリマーとし
てポリN−メチルアニリン、ポリフェニレンジアミン、
ポリベンゼン、ポリパラフェニレン、ポリ1,2−ジア
ミノベンゼン又はそれらの誘導体樹脂、あるいはポリピ
リジン、ポリチエニレン、ポリフラン、ポリピロール、
ポリアンスラセン、ポリナフタレン等ヘテロないし複素
環化合物系樹脂、ポリアセチレン類の線状導電性ポリマ
ー粉末等、あるいはこれらとポリアニリンの複合物も使
用出来る可能性があり、特性と経済性を満足できれば適
用してよく、排他するものではない。
【0012】一方、本発明の正極活物質の集電体として
の機能を向上するためにAl箔に塗布される導電プライ
マーに配合される銀粉は、その粒径や形状(鱗片状や球
状等)、あるいはいろいろな粒径物と形状物とのブレン
ド等により、その導電効果は異なるが、経済性や特性を
考慮して決定すべきで、ここでは特に制限しない。ま
た、導電プライマーに用いる導電性カーボンはここでは
アセチレンブラック及びケッチェンブラック、グラファ
イトを示すが、他のカーボンも適用できる可能性があ
り、特に排他するものではない。また、銀粉及び導電性
カーボンと同様な機能を有すものであれば、銀粉及び導
電性カーボン以外の他の物質も使用できる可能性があ
り、特に排他するものではない。導電プライマーに用い
るポリマーについても特に制限はしないが、電池にした
時、あるいはその電池を充放電した時、電池性能を劣化
させる様な成分を溶出するポリマーは避けるべきで、特
性と経済性を考慮して決定すべきである。なぜ、導電プ
ライマーをAl箔に塗布すると集電機能が高まり、放電
容量が向上するかについては、導電プライマー層が活物
質と集電体間の界面抵抗を低下するためと考えている。
一方、導電プライマー厚についても特に制限はしない
が、一般的には5μm以下である。但し、いずれも集電
体に導電プライマーを塗布乾燥後、塗布面に2mm径の
円形の平底ピンを1cm間隔で一定加重で押し当て、そ
のピン間の抵抗を測る装置(三菱油化(株)製、MCP-TE
STER FP)を用いて測定した値が、10Ω以下であるこ
とが好ましく、より好ましくは0.3Ω以下であること
が望ましい。また、正極活物質に用いるマクロ導電性カ
ーボンはここではアセチレンブラック及びケッチェンブ
ラックを示すが、同様に同じ機能を有すれば他のカーボ
ンあるいは他の物質も使用できる可能性があり特に排他
するものではない。
【0013】正極の作成法は特にここでは制限しない
が、活物質中に微量の水分があっても電池性能劣化を起
こすので、少なくとも電池に組立前の正極活物質中の水
分は、一般的なリチウムイオン電池を製造しているとき
と同様に、極力無い状態にしておく必要がある。また、
正極活物質の厚みは一般的には30μm〜100μmであ
るが、ここでは特に制限せず、要求特性に応じて決定す
ることとする。同様に正極集電体の厚みは一般的には1
0〜20μmであるが、ここでは特に制限しない。ま
た、集電体に用いるCuやAlの金属は、集電特性があ
まり損なわれない範囲で他元素が混在している、箔ある
いは他元素との合金箔であっても良い。
【0014】2.電解質 電解質として、一般的なリチウムイオン電池に用いられ
ているカーボネート系やベンゾニトリル、アセトニトリ
ル、ジメトキシメタン、テトラヒドロフラン、γブチロ
ラクトン等の有機溶媒にLi塩を溶解させた電解液が挙
げられる(この場合は正負極を分離するセパレーターが
必須)が、固体電解質が外装材が箔厚軽量で済み安全性
に富む等の点で好ましい。この固体電解質は電解液を含
まない真性ポリマー電解質が理想的ではあるが、Liイ
オン伝導性の点で、適用可能な材料が無いのが現状であ
り、現実的にはポリマーを電解液でゲル化したポリマー
ゲル電解質が好ましい。ポリマーゲル電解質に用いる有
機溶媒、Li塩の種類については要求特性と経済性を考
慮して決定すべきで、ここでは特に制限しない。また、
このポリマーゲル電解質に用いることが出来るポリマー
としてポリアクリルニトリル、ポリエチレンオキシド、
ポリフッ化ビニリデン等が挙げられるが、同様に、要求
特性と経済性を考慮して決定すべきで、ここでは特に制
限しない。また、ポリマー電解質強度が弱く、生産性が
劣る等の理由で多数の貫通孔を有したフィルムを支持体
として用いることも排除するものではない。
【0015】3.負極 負極としては、電解質が固体のポリマーゲル電解質の場
合は、Cu集電体にカーボン系活物質を積層後、Liを
ドーピングしたもの、または活物質易と集電体の両方を
兼ねる金属Li箔、あるいはLiとアルミニウムとの合
金箔が使用可能である。Liと合金化する金属はアルミ
ニウム以外にも、あまり特性を損なわない限り使用して
も良い。特に金属Li箔、あるいはLiとアルミニウム
との合金箔は負極活物質として非常に高容量で、集電体
も兼ねることから、少なくとも大きな電池容量を得る上
では最も好ましい。電解質が液状の電解液の場合は、前
記したCu集電体にカーボン系活物質を積層後、Liを
ドーピングしたものが使用可能であり、金属Li箔、あ
るいはLiとアルミニウムとの合金箔は充放電に伴い針
状物であるデンドライトが生成しセパレーターを貫通し
て正負極の短絡が生じるので好ましくない。
【0016】
【実施例】以下に、実施例に基づいて、本発明をさらに
具体的に説明する。実施例1〜22の結果を表1及び表
2に、比較例の結果を表3に示す。 (実施例1)CuF(100±5℃で1時間真空乾
燥)粉末1モルに対して、日東電工(株)製ポリアニリ
ン粉末(商品名:アニリード(登録商標),還元脱ドー
プ状態)を0.4モル配合し、瑪瑙乳鉢にてよく混合し
た後、溶剤(NMP)を徐々に加えながら、さらに瑪瑙
乳鉢でよく混合し均一な活物質溶液を作成した。この活
物質溶液を日本アチソン(株)製導電性カーボンプライ
マー(商品名:581SS)を20μmのAl箔に塗布
後、乾燥(200±5℃で30分乾燥,乾燥厚み=2μ
m)した集電体(ここではカーボンP処理Alと略す)
に塗布後、120±5℃で30分真空乾燥(乾燥後の活
物質重量=4.5mg/cm)して正極を得た。こ
の正極と下記1)にて得たポリマーゲル電解質及び負極
となる50μmの金属Liを使用し、水分濃度が−70
℃の露点雰囲気下で組み立て、二次電池を作成した。こ
の二次電池を下記2)の方法で充放電し、電池性能を評
価した。 1)ポリマーゲル電解質の作成法 ホストポリマーとしてアクリルニトリル系ポリマー粉末
(polysciences,Inc.製,商品名:#08820)を用
い、このポリマー粉末100重量部に対して400重量
部のプロピレンカーボネート(PC):エチレンカーボ
ネート(EC)=1:1(重量比)の有機溶媒中に、1
モル/lのLiBFを添加してなる電解液を配合
し、瑪瑙乳鉢でよく混合し均一な電解質溶液とした後、
Al皿に入れ、150℃のホットプレートにてゲル化後
徐冷してポリマーゲル電解質を得た。なお、ホストポリ
マーは予め100℃で3時間真空乾燥したものを用い、
その後の操作はすべて−70℃の露点雰囲気下で行っ
た。 2)電池性能の評価法 CuFの理論容量=530mAh/g,ポリアニリ
ン(PAn)の理論容量=151mAh/gと、正極単
位面積当たりに含まれるCuF及びPAn 重量よ
り計算した正極活物質(実施例1ではCuFとPA
nのブレンド物)の正極単位面積当たりの活物質の理論
容量を1Cとし、作成した電池を、0.1Cで4.2V
になるまで充電後、6分放置後、同じく0.1Cで2V
になるまで放電した。この操作を繰り返し、10サイク
ル目の正極活物質の単位重量当たりの放電容量を評価デ
ーターとした。なお、正極活物質単位重量当たりの放電
容量(mAh/g)は常法にて算出した値である。 (実施例2,3)実施例1における、CuFとPA
nのモル混合比を、表1に示す様に変更した他は、実施
例1と同様にして二次電池を作成し、同様な方法で評価
した。 (実施例4)均一な活物質溶液を作成する材料としてC
uFとPAnだけでなくアセチレンブラック(A
B)をCuFの重量の10重量%配合した他は、実
施例1と同様にして正極の作成、二次電池の作成及び評
価を行った。 (実施例5〜9)表1に示す様に、CuF、PAn
とABの正極活物質組成比を変更した他は実施例4と同
様にして正極の作成、二次電池の作成及び評価を行っ
た。 (実施例10)表1に示す様に、正極集電体に、日本ア
チソン(株)製導電性銀系プライマー(商品名:Electr
odag 976SS HV)を20μmのAl箔に塗布後、乾燥(2
00±5℃で30分乾燥,乾燥厚み=2μm)した材料
を用いた他は実施例1と同様にして正極の作成、二次電
池の作成及び評価を行った。 (実施例11)実施例10における、CuFとPA
nのモル混合比を、表1に示す様に変更した他は、実施
例10と同様にして二次電池を作成し、同様な方法で評
価した。 (実施例12,13)表2に示す様に、Cu箔(15μ
m)の正極集電体を用いた他は、実施例1あるいは3と
同様にして二次電池を作成し、同様な方法で評価した。 (実施例14,15)表2に示す様に、CuF、P
AnとABの正極活物質組成比をCuFがリッチな組
成比に変更した他は実施例4と同様にして正極の作成、
二次電池の作成及び評価を行った。 (実施例16〜19)表2に示す様に、正極集電体に導
電プライマー処理をしていない単なるAl箔(20μ
m)を用い、CuF、PAnとABの正極活物質組
成比を変更した他は実施例4と同様にして正極の作成、
二次電池の作成及び評価を行った。 (実施例20)表2に示す様に、負極活物質に1%のA
l原子を含むLi-Al合金箔(50μm)である他は実
施例18と同様にして正極の作成、二次電池の作成及び
評価を行った。 (実施例21)表2に示す様に、グラファイトに予めN
MPで溶解してあるPVDF(固形分濃度=12%)
を、グラファイト:PVDF=9:1(重量比)となる
ように添加した配合物を瑪瑙乳鉢でよく混合後に得た均
一な活物質溶液をCu箔(15μm)に塗布し、150
℃で30分真空乾燥(乾燥後の活物質の厚み=150μ
m)後、このグラファイト塗布材を直ぐに−70℃の露
点雰囲気に入れて、プロピレンカーボネート(PC):
エチレンカーボネート(EC)=1:1(重量比)の有
機溶媒中に1モル/lのLiBFを添加してなる電
解液中で、金属Liを対極として、前記グラファイト塗
布材との電位差がほぼ0になるまで、グラファトにLi
をドープした材料(ここではLiドープグラファイト系
と呼ぶ)を負極に用いた他は、実施例20と同様にして
正極の作成、二次電池の作成及び評価を行った。 (実施例22)表2に示す様に、電解質がPAN系ゲル
電解質でなく、プロピレンカーボネート(PC):エチ
レンカーボネート(EC)=1:1(重量比)の有機溶
媒中に1モル/lのLiBFを添加してなる電解液
と、一般的にリチウムイオン電池に用いられているポリ
エチレン製の微多孔膜をセパレーター(25μm)を用
いる他は、実施例21と同様にして二次電池の作成及び
評価を行った。 (比較例1,2)CuFとPAnのモル混合比を、
表3に示す様に変更した他は、実施例1と同様にして二
次電池を作成し、同様な方法で評価した。 (比較例3)表3に示す様に正極集電体に導電プライマ
ー処理をしていない単なるAl箔(20μm)を用いた
他は、実施例3と同様にして二次電池を作成し、同様な
方法で評価した。 (比較例4)CuFとPAnのモル混合比を、表3
に示す様に変更した他は、実施例4と同様にして二次電
池を作成し、同様な方法で評価した。 (比較例5)アセチレンブラック(AB)を、表3に示
す様に、CuFの重量の20重量%配合した他は、
実施例16と同様にして二次電池を作成し、同様な方法
で評価した。 (比較例6)アセチレンブラック(AB)を、表3に示
す様に、CuFの重量の20重量%配合した他は、
実施例19と同様にして二次電池を作成し、同様な方法
で評価した。 (比較例7)表3に示す様に、LiCoOとその1
0重量%のアセチレンブラック(AB)からなるブレン
ド物にに予めNMPで溶解してあるPVDF(固形分濃
度=12%)を、結着剤としてLiCoO:PVD
F=10:1(重量比)となるように添加した配合物を
瑪瑙乳鉢でよく混合後に得た均一な活物質溶液をAl箔
(15μm)に塗布し、130℃で30分真空乾燥した
正極を用い、負極は実施例21のLiをドープ前の材料
(ここではグラファイト系と呼ぶ。)を用いた他は、実
施例1と同様にして二次電池を作成し、同様な方法で評
価した。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【発明の効果】比較例7に示している一般的なLi系二
次電池の正極活物質のLiCoO2系活物質に比べ、本
発明の正極活物質を用いた電池は、明らかに大きな放電
容量が得られることは実施例からも明白である。従っ
て、今後、益々の電池の軽量化要求に従来技術では対応
できなくても、本発明の正極を用いれば対応容易とな
る。また、本発明に示している様にポリマーゲルの様な
固体電解質を用いれば、負極活物質として、理想的な高
容量活物質である金属Liが使用可能となり、本発明の
中で最も好ましい条件を選べば、現在市販されているリ
チウムイオン電池あるいはリチウムポリマー電池より
も、同じ重量で2〜3倍以上の電池容量を有す二次電池
の製造が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 研一 山口県下松市東豊井1296番地の1 東洋鋼 鈑株式会社技術研究所 Fターム(参考) 5H017 AA03 AS10 BB08 CC01 EE01 EE06 HH01 HH06 5H029 AJ03 AK01 AK16 AL12 AM03 AM04 AM05 AM07 AM16 CJ22 DJ07 EJ12 HJ01 HJ10 5H050 AA08 BA18 CA01 CA22 CA29 CB12 DA02 DA07 DA08 DA09 EA02 GA22 HA01 HA10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正極、負極及び電解質を備えたリチウム系
    二次電池において、正極活物質がCuF及びポリアニ
    リンを主成分としたものであることを特徴とするリチウ
    ム系二次電池。
  2. 【請求項2】正極に用いられる集電体が、銅箔からなる
    請求項1記載のリチウム系二次電池。
  3. 【請求項3】正極に用いられる集電体が、アルミニウム
    箔に銀粉、導電性カーボン、又は銀粉と導電性カーボン
    の混合物のいずれかと、ポリマーからなる導電プライー
    を塗布したものである請求項1記載のリチウム系二次電
    池。
  4. 【請求項4】正極活物質のCuFの、ポリアニリンと
    のモル混合比が、1:0.4〜1:5であることを特徴
    とする請求項2又は3記載のリチウム系二次電池。
  5. 【請求項5】正極活物質が、CuF及びポリアニリン
    に加えて、CuF100重量部に対して、マクロ導電
    性カーボンを10〜80重量部配合したものである請求
    項4記載のリチウム系二次電池。
  6. 【請求項6】正極活物質のCuFのポリアニリンと
    のモル混合比が、1:0.15〜1:5であり、且つ、
    CuF100重量部に対してマクロ導電性カーボン
    を20〜80重量部配合したものである請求項1〜3の
    いずれかに記載のリチウム系二次電池。
  7. 【請求項7】正極に用いられる集電体が、アルミニウム
    箔で、CuFのポリアニリンとのモル混合比が1:
    0.15〜1:5であり、且つCuF100重量部
    に対してマクロ導電性カーボンを27〜80重量部配合
    したものである請求項1記載のリチウム系二次電池。
  8. 【請求項8】電解質が、Li塩を含んだ有機電解液によ
    りポリマーをゲル化させたゲル電解質である請求項1〜
    7のいずれかに記載のリチウム系二次電池。
  9. 【請求項9】負極が、リチウム又はリチウム・アルミニ
    ウム合金からなることを特徴とする請求項8記載のリチ
    ウム系二次電池。
  10. 【請求項10】負極が、Cu集電体にカーボン系活物質
    を積層後、Liをドーピングしたものである請求項1〜
    7のいずれかに記載のリチウム系二次電池。
JP2000196951A 2000-06-29 2000-06-29 リチウム系二次電池 Withdrawn JP2002015727A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000196951A JP2002015727A (ja) 2000-06-29 2000-06-29 リチウム系二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000196951A JP2002015727A (ja) 2000-06-29 2000-06-29 リチウム系二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002015727A true JP2002015727A (ja) 2002-01-18

Family

ID=18695362

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000196951A Withdrawn JP2002015727A (ja) 2000-06-29 2000-06-29 リチウム系二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002015727A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004164897A (ja) * 2002-11-11 2004-06-10 Nissan Motor Co Ltd バイポーラ電池
EP2973804A4 (en) * 2013-03-15 2017-01-18 Wildcat Discovery Technologies, Inc. High energy materials for a battery and methods for making and use
US9985280B2 (en) 2013-03-15 2018-05-29 Wildcat Discovery Technologies, Inc High energy materials for a battery and methods for making and use
US10205167B2 (en) 2013-03-15 2019-02-12 Wildcat Discovery Technologies, Inc. High energy materials for a battery and methods for making and use
US10903483B2 (en) 2015-08-27 2021-01-26 Wildcat Discovery Technologies, Inc High energy materials for a battery and methods for making and use

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004164897A (ja) * 2002-11-11 2004-06-10 Nissan Motor Co Ltd バイポーラ電池
JP4674434B2 (ja) * 2002-11-11 2011-04-20 日産自動車株式会社 バイポーラ電池
EP2973804A4 (en) * 2013-03-15 2017-01-18 Wildcat Discovery Technologies, Inc. High energy materials for a battery and methods for making and use
US9985280B2 (en) 2013-03-15 2018-05-29 Wildcat Discovery Technologies, Inc High energy materials for a battery and methods for making and use
US10205167B2 (en) 2013-03-15 2019-02-12 Wildcat Discovery Technologies, Inc. High energy materials for a battery and methods for making and use
US10903483B2 (en) 2015-08-27 2021-01-26 Wildcat Discovery Technologies, Inc High energy materials for a battery and methods for making and use

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7416817B2 (en) Battery
KR100738057B1 (ko) 음극 전극 및 이를 채용한 리튬 전지
KR101378235B1 (ko) 리튬 이차전지
US20040142242A1 (en) Anode and battery using it
EP2725644B1 (en) Binder for electrode of electrochemical element, composition for electrode of electrochemical element, electrode of electrochemical element, and electrochemical element
EP2169756A1 (en) Lithium secondary battery
JP2000285929A (ja) 固体電解質電池
JP2005340165A (ja) リチウム二次電池用正極材料
JP4193481B2 (ja) 正極活物質及びその製造方法、並びに非水電解質二次電池
JP2004234879A (ja) 真性ポリマー電解質を備える二次電池用電極およびその製造方法、ならびに、二次電池
JP2002042785A (ja) リチウム電池
US20020001748A1 (en) Nonaqueous secondary battery
JP2002015727A (ja) リチウム系二次電池
JP4120439B2 (ja) リチウムイオン2次電池
US20190386308A1 (en) Electrode and secondary battery using radical polymer
WO2014084182A1 (ja) 蓄電デバイス、およびそれに用いる電極並びに多孔質シート
JPH11144735A (ja) 電 池
KR100495567B1 (ko) 비닐리덴플루오라이드계의 고분자를 바인더로 하는 리튬설퍼이차전지 및 그 제조방법
EP2919306B1 (en) Nonaqueous electrolyte secondary battery and method for producing same
WO2014077226A1 (ja) 蓄電デバイス、およびそれに用いる電極並びに多孔質シート
JP3002123B2 (ja) 有機電解質電池
JP2920079B2 (ja) 有機電解質電池
JP3316111B2 (ja) リチウム二次電池の製造方法
EP3869586A1 (en) Negative electrode for lithium ion secondary battery, and lithium ion secondary battery
US20210273226A1 (en) Secondary battery using radical polymer in an electrode

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061027

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20080910