JP2002013645A - 液化ガス用軸封装置 - Google Patents

液化ガス用軸封装置

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JP2002013645A JP2000195568A JP2000195568A JP2002013645A JP 2002013645 A JP2002013645 A JP 2002013645A JP 2000195568 A JP2000195568 A JP 2000195568A JP 2000195568 A JP2000195568 A JP 2000195568A JP 2002013645 A JP2002013645 A JP 2002013645A
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春幸 石井
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忠之 清水
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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04D29/00Details, component parts, or accessories
    • F04D29/08Sealings
    • F04D29/10Shaft sealings
    • F04D29/12Shaft sealings using sealing-rings
    • F04D29/126Shaft sealings using sealing-rings especially adapted for liquid pumps
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05DINDEXING SCHEME FOR ASPECTS RELATING TO NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES, GAS-TURBINES OR JET-PROPULSION PLANTS
    • F05D2260/00Function
    • F05D2260/60Fluid transfer
    • F05D2260/602Drainage
    • F05D2260/6022Drainage of leakage having past a seal

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液化ガスを扱う回転機器における軸封機能を
良好且つ安定した状態で行うことができる液化ガス用軸
封装置を提供する。 【解決手段】 シールケース4内に、軸封手段5を設け
ると共に第1〜第3シール室6a,6b,6cを区画形
成する。軸封手段5は、非接触形メカニカルシール8,
9間に形成されるパージ室10に、ポンプケーシング2
内の圧力(液化ガス16の圧力)より低圧のパージガス
11を供給させるものである。第1シール室6aと第2
シール室6bとの間は、シールケース4外を通過する連
通路17で連通接続されている。ポンプケーシング2か
ら第3シール室6cを経て第2シール室6bに侵入した
液化ガス16は、連通路17に設けた熱交換器19で蒸
発されて、その蒸発ガス16aが第1シール室6aに供
給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液化エチレン等の
液化ガスを扱う縦形ポンプ等の回転機器に好適に使用さ
れる液化ガス用軸封装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の液化ガス用軸封装置は、一般
に、回転機器の本体ケーシングに、その外部へと突出す
る回転軸部分を囲繞するシールケースを設けると共に、
このシールケース内にメカニカルシールで構成される軸
封手段を配設してなり、軸封手段としてはシングルシー
ルやダブル又はタンデムダブルシールが採用される。ダ
ブル又はタンデムダブルシールでは、一般に、メカニカ
ルシール間に機内圧力(液化ガスの圧力)より高圧のシ
ール油(不凍油等)を封入させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、軸封手段がシ
ングルシールである場合には、密封端面間に発生する摩
擦熱により、密封端面間において液化ガスが蒸発(気
化)して、密封端面の接触が不安定となり、良好なシー
ル機能が発揮されない。また、ダブル又はタンデムダブ
ルシールでは、メカニカルシール間に機内圧力より高圧
のシール油を封入させるため、上記した問題は生じない
が、機内側のメカニカルシールによるシール機能が低下
した場合、シール油が機内側に漏洩して機内流体である
液化ガスに混入し、液化ガスに悪影響を及ぼす虞れがあ
る。このような問題は、特に、液化エチレン等の極低温
液化ガスを扱う回転機器において著しい。
【0004】本発明は、このような問題を生じることな
く、液化ガスを扱う回転機器における軸封機能を良好且
つ安定した状態で行うことができる液化ガス用軸封装置
を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題を解決した本発
明の液化ガス用軸封装置は、液化ガスを扱う回転機器の
本体ケーシングに、その外部へと突出する回転軸部分を
囲繞するシールケースを設け、このシールケース内にメ
カニカルシールで構成される軸封手段を配設し、このシ
ールケース内における軸封手段と本体ケーシングとの間
の空間を、回転軸が貫通する仕切壁により、回転軸の軸
線方向に並列する複数のシール室に区画してあることを
特徴とするものである。シールケースは、回転機器が縦
形ポンプである場合には、本体ケーシングの上面部に、
これを貫通して上方に突出する回転軸部分を囲繞するよ
うに設けられる。また、軸封手段は、非接触形メカニカ
ルシールである第1及び第2メカニカルシールを回転軸
の軸線方向に並列配置すると共に、両メカニカルシール
間に形成されるパージ室に、機内液である液化ガスの圧
力より低圧のパージガスを供給させるように構成してお
くことが好ましい。さらに、軸封手段に隣接するシール
室とこれに隣接するシール室との間にシールケース外を
通過する連通路を設けると共に、シールケース外の連通
路部分に液化ガスを蒸発させるための熱交換器又は加熱
器を配設しておくことが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
〜図4について説明する。なお、以下の説明において、
上下とは図1〜図3における上下をいう。
【0007】この実施の形態は、本発明を液化エチレン
等の極低温液化ガスを扱う縦形ポンプの軸封装置に適用
した例に係る。すなわち、この実施の形態における本発
明に係る液化ガス用軸封装置1は、図1に示す如く、縦
形ポンプの本体ケーシング(ポンプケーシング)2に、
これを貫通して上方へ突出する回転軸部分3aを囲繞す
るシールケース4を設け、シールケース4内に、メカニ
カルシールで構成される軸封手段5を配設すると共に複
数のシール室6…を設けてなる。なお、縦形ポンプの回
転軸3は、本体ケーシング2の上方に支持させた原動機
(図示せず)から本体ケーシング2内(ポンプ室)に垂
下されたインペラ軸であり、下端部にはインペラ7が取
り付けられている。
【0008】シールケース4は、図2に示す如く、本体
ケーシング2から突出する回転軸3の上端側部分3aを
同心状に囲繞する円筒形状をなすもので、本体ケーシン
グ2の上面部に取り付けられている。
【0009】軸封手段5は、図1に示す如く、シールケ
ース4の上端側部分とこれを同心状に貫通する回転軸3
との対向周面部間に非接触形メカニカルシールである第
1及び第2メカニカルシール8,9を回転軸3の軸線方
向(上下方向)に並列配置してなるタンデムシール構造
をなすものであり、両メカニカルシール8,9間に形成
されるパージ室10へのパージガス11の供給,制御を
行うパージガス制御機構12を具備する。なお、第1メ
カニカルシール8は本体ケーシング2側に配置されてお
り、第2メカニカルシール9の下位に位置する。
【0010】シール室6…は、シールケース4内におけ
る軸封手段5の下方領域に設けられている。すなわち、
シールケース4内における軸封手段5と本体ケーシング
2との間の領域を、回転軸3が貫通する1つ又は2つ以
上の仕切壁13…により、上下方向に並列する2つ以上
のシール室6…に区画してある。この例では、当該領域
を、図1及び図2に示す如く、シールケース4に上下方
向に所定間隔を隔てて並列状に設けた第1及び第2仕切
壁13a,13bにより、3つのシール室6…に区画し
てある。以下の説明においては、最上位のものから順に
「第1シール室6a」「第2シール室6b」及び「第3
シール室6c」ということとする。第1シール室6aは
下位の第1メカニカルシール8と第1仕切壁13aとの
間に形成されたものであり、第2シール室6bは両仕切
壁13a,13b間に形成されたものであり、また第3
シール室6cは第2仕切壁13bと本体ケーシング2と
の間(より正確には、第2仕切壁13bと本体ケーシン
グ2に取り付けられたシールケース4の底壁4aとの
間)に形成されたものである。また、シール室6…相互
間の仕切壁13a,13b及び本体ケーシング2内とこ
れに隣接するシール室6(最下位の第3シール室6c)
との間の仕切壁(本体ケーシング2ないしシールケース
4の底壁4aであり、この例では後者の底壁4aが相当
する)には回転軸3が通過する貫通孔が設けられるが、
各貫通孔と回転軸3との環状隙間14は、この環状隙間
14からの流体侵入を可及的に阻止すべく、微小とされ
ている。この例では、当該各仕切壁4a,13a,13
bの貫通孔にブッシュシール又はラビリンスシール等の
簡易なシール部材(図示の例ではブッシュシールを使用
している)15を設けることにより、回転軸3が当該各
仕切壁を微小な環状隙間14を有して貫通するように工
夫してある。なお、仕切壁を含むシールケース4及び各
シール部材15の構成材は、液化ガスの性状に応じて選
定され、この例では耐低温特性に優れた金属材が使用さ
れている。
【0011】このようなシール室6…を本体ケーシング
2と軸封手段5(第1メカニカルシール8)との間に設
けておくことにより、本体ケーシング2内の液化ガス
(機内液)16がシールケース4内に侵入した場合、侵
入した機内液16は第3シール室6cにおいて又は第2
シール室6bにおいて蒸発(気化)して、シールケース
4内における軸封手段5の下方領域では、機内液16の
圧力とその蒸発ガス(エチレンガス等)16aの圧力と
がバランスされた気液2相状態に保持され、少なくとも
最上位の第1シール室6aは液相が存在しない気相状態
に保持される。すなわち、第1シール室6aは、蒸発ガ
ス16aによって充満されることになる。各シール室6
の容積及びシール室6…の設置数は、少なくとも第1シ
ール室6aにおいて機内液16が侵入することなく蒸発
ガス16aで充満されるように、機内液16の圧力及び
性状等に応じて設定される。
【0012】また、少なくとも軸封手段5(より正確に
は第1メカニカルシール8)に隣接するシール室(第1
シール室)6aが上記した如く気相状態に確実に保持さ
れるためには、当該シール室6a以外のシール室6にお
いて機内液16を積極的に蒸発させる手段を設けておく
ことが好ましい。この例では、かかる積極的な蒸発手段
として、図1及び図2に示す如く、軸封手段5に隣接す
る第1シール室6aとこれに隣接する第2シール室6b
との間にシールケース4外を通過する連通路17を設け
ると共に、シールケース4外における連通路部分に機内
液16より高温のドライガス(ドライエア等)18が導
入,流動される熱交換器19を配設してあって、機内液
16が第3シール室6cから第2シール室6bに侵入し
た場合にも、この機内液16が第2シール室6bから熱
交換器19に導入されてドライガス18との熱交換によ
り蒸発(気化)され、その蒸発ガス16aが連通路17
から第1シール室6aに供給されるように工夫してあ
る。すなわち、機内液16の液面は、第2シール室6b
における連通路17の開口位置(機内液溢流口17bの
開口位置)を越えて上昇することがなく、少なくとも第
1シール室6aは蒸発ガス16aで充満されるようにな
っている。ドライガス18の温度は、機内液16の性状
(特に液温)に応じて任意に設定されるが、この例で
は、常温程度の蒸発ガス16aを発生させ得る温度に設
定されている。連通路17は、シールケース4に設けら
れて、第1シール室6aの上端部分に開口する蒸発ガス
供給口17a及び第2シール室6bの適所に開口する機
内液溢流口17bと、機内液溢流口17bからシールケ
ース4外に配置した熱交換器19に至る機内液導入路1
7cと、熱交換器19から蒸発ガス供給口17aに至る
蒸発ガス供給路17dとからなる。機内液導入路17c
及び熱交換器19は機内液溢流口17bと同一高さ位置
又はこれより低位置に配置されている。
【0013】各メカニカルシール8,9は、図3に示す
如く、回転軸3に回転密封環21を固定し、シールケー
ス4に、回転密封環21にその上方において直対向させ
た静止密封環22を、保持環23を介して軸線方向に移
動可能に保持し、シールケース4と保持環23との間に
介装したスプリング24により、静止密封環22を回転
密封環21へと押圧附勢し、両密封環21,22の対向
端面たる密封端面25,26の一方(この例では回転密
封環21の密封端面25)に、密封環21,22の相対
回転に伴い密封端面25,26間に当該相対回転部分の
外径側領域の流体による動圧を発生させる動圧発生溝2
7を形成してなるものであって、密封端面25,26が
上記動圧により非接触状態に保持されつつ相対回転する
ことにより、その相対回転部分の外径側領域(第1メカ
ニカルシール8にあっては第1シール室6aであり、第
2メカニカルシール9にあってはパージ室10である)
とその内径側領域(第1メカニカルシール8にあっては
パージ室10であり、第2メカニカルシールにあっては
シールケース4の上方側領域(大気領域)28である)
との間をシールするように構成された動圧形のガスシー
ル(非接触形のメカニカルシール)である。すなわち、
密封端面25,26は、その間を開く方向に作用する開
力と閉じる方向に作用する閉力とがバランスされること
により、微小な隙間を有する非接触状態に保持される。
ここに、開力は密封端面25,26間に発生する動圧に
よるものであり、閉力は、スプリング圧(スプリング2
4による附勢力)及び静止密封環22にこれを回転密封
環21へと押圧する方向に作用する背圧(第1メカニカ
ルシール8にあっては、静止密封環22の背面(上面)
に作用する蒸発ガス16aの圧力であり、第2メカニカ
ルシール9にあっては、静止密封環22の背面(上面)
に作用するパージガス11の圧力である)によるもので
ある。
【0014】なお、静止密封環22は、シールケース4
にこれとの間に極く微小な隙間を有する状態で(例えば
JIS−B0401にいうすき間ばめ程度の寸法公差を
もって)軸線方向移動可能に内嵌保持されている。ま
た、静止密封環22と保持環23との間及びシールケー
ス4と保持環23との間は、図3に示す如く、ドライブ
ピン29,30により、軸線方向における相対移動を許
容しつつ相対回転不能に連結されている。また、静止密
封環22と23との間は、Oリング31によりシール
(二次シール)された非接触状態に保持されている。ま
た、シールケース4と保持環23との間は、Oリング3
2により、保持環23の軸線方向移動を許容する状態で
シール(二次シール)されている。また、各密封環2
1,22は、シール条件に応じて、WC,SiC等の超
硬質材や表面(密封端面)に窒化チタン等の硬質層を形
成した鋼材等で構成されており、保持環23はSUS3
04,Ti等の金属材で構成されている。
【0015】パージガス制御機構12は、図1〜図3に
示す如く、シールケース4に設けられて、パージ室10
に開口するパージガス供給口34及びパージガス排出口
35と、パージガス供給口34に接続されたパージガス
供給路36と、パージガス排出口35に接続されて、フ
レア(図示せず)に導かれたパージガス排出路37と、
パージガス排出路37に配設されたオリフィス38と、
パージガス排出路37におけるオリフィス38の上流側
部分と下流側部分との間に接続されたパイパス39と、
バイパス39に配設された電磁弁40及び圧力スイッチ
41と、パージガス排出路37の上流部に配設された圧
力計42とを具備するものである。このパージガス制御
機構12によれば、機内液16の圧力つまりこれと圧力
平衡状態にある第1シール室6aの充満ガス(蒸発ガ
ス)16aの圧力より低圧のパージガス11をパージガ
ス供給路36からパージ室10に供給し、このパージガ
ス11を、第1メカニカルシール8の密封端面25,2
6間からパージ室10に漏洩した蒸発ガス16aと共
に、パージガス排出路37からフレアに排出する。パー
ジ室10の圧力は、オリフィス38により第1シール室
6aの圧力より低い所定圧に保持されるが、第1シール
室6aからの蒸発ガス16aの漏れ量が多くなり、パー
ジ室10の圧力が上昇して上限設定圧に達すると、圧力
スイッチ41がON動作して、アラームが発せられると
共に電磁弁40が開動され、漏洩ガス(蒸発ガス16
a)を含むパージガス11がバイパス39からフレアに
排出され、パージ室10の圧力上昇を防止する。バイパ
ス39からのパージガス排出によりパージ室10の圧力
が下降して下限設定圧に達すると、圧力スイッチ41が
OFF動作して電磁弁40が閉動され、バイパス39か
らのパージガス排出が停止される。このような圧力スイ
ッチ41による電磁弁40の開閉により、パージ室10
は第1シール室6aより所定圧低い圧力に保持される。
パージガス11としては、機内液16ないしその蒸発ガ
ス16aに対して不活性なドライガスが使用されるが、
この例では、常温の窒素ガスを使用している。また、こ
の例では、パージガス供給路36から分岐させたクエン
チ路43を、シールケース4の上方側領域(大気領域)
28における第2メカニカルシール9の近傍部位に導い
て、第2メカニカルシール9に対してパージガス11で
ある常温の窒素ガスによるクエンチを行うように工夫し
てある。
【0016】以上のように構成された液化ガス用軸封装
置1によれば、液化エチレン等の極低温液化ガス16を
扱う縦形ポンプにおける軸封を良好且つ安定して行うこ
とができる。
【0017】すなわち、本体ケーシング2における回転
軸3の貫通部分から第3シール室6cに侵入した機内液
16は、第3シール室6cにおいて又は第2シール室6
bにおいて蒸発(気化)して、軸封手段5の下方領域で
は、機内液16の圧力とその蒸発ガス16aの圧力とが
バランスされた気液2相状態に保持され、少なくとも最
上位の第1シール室6aは蒸発ガス16aで充満され
る。すなわち、シールケース4内における機内液16の
液位上昇は、蒸発ガス16aの圧力とバランスされた時
点で停止し、各シール室6の容積及びシール室6…の設
置数を機内液16の圧力,性状等に応じて適宜に設定し
ておくことにより、機内液16が第1シール室6に侵入
することがない。また、第3シール室6c又は第2シー
ル室6bにおける蒸発が十分に行われず、機内液16の
液位が第1シール室16aまで上昇するような事態が生
じた場合には、第2シール室6bに侵入した機内液16
が連通路17から熱交換器19に溢流排出されて、当該
熱交換器19におけるてドライガス18との熱交換によ
り機内液16が蒸発され、その蒸発ガス16aが連通路
17から第1シール室6aに供給される。したがって、
機内液16の液位は、第2シール室6bにおける連通路
17の開口部(機内液溢流口)17bを越えて上昇する
ことがなく、機内液16の第1シール室6aへの侵入が
確実に阻止される。
【0018】而して、このように蒸発ガス16aで充満
する第1シール室6aは軸封手段5によってシールさ
れ、機内液16の機外への漏洩が確実に阻止される。
【0019】すなわち、第1シール室6aとパージ室1
0との間をシールする第1メカニカルシール8にあって
は、第1シール室6aに充満する蒸発ガス16aが動圧
発生溝27に導入されることによって密封端面25,2
6間に発生する動圧による開力とスプリング圧及び静止
密封環22の背面に作用する当該蒸発ガス16aの圧力
(背圧)による閉力とがバランスされることによって、
密封端面25,26が非接触状態に保持される。この密
封端面25,26を非接触状態に保持するための開力及
び閉力は、上記した如く蒸発ガス16a及びスプリング
圧によるものであるから、第1シール室6a又はパージ
室10に圧力変動が生じた場合にも、開力と閉力とのバ
ランスは変化せず、密封端面25,26は常に適正な非
接触状態に保持される。同様に、第2メカニカルシール
9においても、密封端面25,26に作用する開力及び
閉力はパージガス11及びスプリング圧によるものであ
るから、パージ室10の圧力が第1メカニカルシール8
からの蒸発ガス漏れ等により変動した場合にも、密封端
面25,26は適正な非接触状態に保持されることにな
る。したがって、両メカニカルシール8,9による軸封
機能が良好且つ安定して行われ、機内液16の漏れが確
実に阻止される。なお、第1シール室6aの蒸発ガス1
6aは非接触形メカニカルシールである第1メカニカル
シール8からパージ室10に微量漏洩することになる
が、この漏洩した蒸発ガス16aはパージガス11と共
に、パージガス排出路37からフレアに排出される。
【0020】また、パージ室10の圧力は機内液16な
いし蒸発ガス16aより低圧とされていることから、第
1メカニカルシール8が非接触形メカニカルシールであ
るにも拘わらず、パージガス11が第1シール室6aに
漏洩することがなく、機内液16がパージガス11との
接触,混入によって悪影響を受ける虞れは皆無である。
なお、第1メカニカルシール8によるシール機能が何ら
かの原因で低下した場合にも、パージガス11は第1シ
ール室6aに漏洩することがなく、上記した虞れは生じ
ない。また、第1メカニカルシール8によるシール機能
の低下により、パージ室10への蒸発ガス16aの大量
漏れが生じた場合にも、上記した如くパージガス制御機
構12によりパージ室10の大きな圧力変動が防止され
ることから、パージ室10が第1シール室6aより高圧
となってパージガス11が第1シール室6aに大量に漏
れるようなことがない。
【0021】また、機内液16が極低温液化ガスであ
り、第1シール室6aに充満する蒸発ガス16aが低温
ガスである場合にも、メカニカルシール8,9間のパー
ジ室10に常温のドライガス(窒素ガス)であるパージ
ガス11が供給されること及び大気領域28における第
2メカニカルシール9の近傍部位にクエンチ路43から
パージガス11と同一性状のクエンチガスが供給される
ことから、軸封手段5又はその周辺領域における氷結現
象の発生が確実に防止され、軸封手段5による軸封機能
が良好且つ安定して行われる。かかる氷結防止作用は、
熱交換器19において常温程度の蒸発ガス16aが発生
され、これが連通路17から第1メカニカルシール8の
近傍において第1シール室6aに供給されることによ
り、より効果的に行われることになる。
【0022】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲におい
て適宜に改良・変更することができる。
【0023】例えば、連通路17に設ける熱交換器19
は、機内液16がエチレンガス等の極低温液化ガスであ
る場合には、連通路17の一部をシールケース4外の大
気領域に配置して、大気との熱交換により連通路17に
導入された機内液16を蒸発させるように構成すること
もできる。この場合、大気領域に配置される連通路部分
には、大気との熱交換効率を向上させるためのフィン等
の伝熱部を設けておくことが好ましい。また、熱交換器
19に代えて、機内液16を積極的に加熱する加熱器
(ヒータ)を使用することもできる。
【0024】また、シール室6…の設置数は、軸封手段
5に隣接するシール室6が機内液16の蒸発ガス16a
で充満されることを条件として、各シール室6の容積並
びに機内液16の圧力及び性状等に応じて適宜に設定す
ることができ、熱交換器19又は加熱器を有する連通路
17を設けておくことによって可及的に少なくすること
(例えば、上記した例において第3シール室6cを設け
ないこと)が可能となる。
【0025】また、軸封手段5を構成するメカニカルシ
ールとしては、上記したタンデムダブルのガスシール
8,9に限定されず、蒸発ガス16aをシールできるも
のである限りにおいて、あらゆるシングル、ダブル又は
タンデムダブルの端面接触形又は非接触形のメカニカル
シールを使用することができる。例えば、対向する2つ
の密封端面が相対回転摺接することによってシール機能
を発揮させる端面接触形のメカニカルシールや対向する
2つの密封端面をその間にシールガスを供給することに
よって非接触状態に保持させる静圧形のガスシール(非
接触形メカニカルシール)をシングルで使用することも
できる。
【0026】また、本発明は、上記したポンプ以外の縦
形の回転機器、横形の回転機器又は常温の液化ガスを扱
う回転機器等、液化ガスを扱うあらゆる形式の回転機器
の軸封装置に適用することができる。また、氷結現象が
発生する虞れのない温度(常温等)の液化ガスを扱う回
転機器に本発明を適用する場合には、パージガス11等
としてドライガスを使用する必要はない。
【0027】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、液化ガスを扱う各種の回転機器において、メ
カニカルシールによる安定且つ良好な軸封機能を発揮さ
せることができ、当該回転機器を安全に運転することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液化ガス用軸封装置を装備した縦
形ポンプを示す概略の縦断側面図である。
【図2】図1の要部を拡大して示す詳細図である。
【図3】図2の要部の拡大図である。
【図4】密封端面の要部を示す正面図である。
【符号の説明】
1…液化ガス用軸封装置、2…本体ケーシング、3…回
転軸、3a…本体ケーシングから突出する回転軸部分、
4…シールケース、4a…シールケースの底壁、5…軸
封手段、6a…第1シール室(軸封手段に隣接するシー
ル室)、6b…第2シール室、6c…シール室、8…第
1メカニカルシール、9…第2 メカニカルシー
ル、10…パージ室、11…パージガス、12…パージ
ガス制御機構、13a,13b…仕切壁、16…機内ガ
ス(液化ガス)、16a…蒸発ガス、17…連通路、1
9…熱交換器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H022 AA01 BA06 CA21 CA23 CA30 CA37 CA39 CA40 CA48 DA01 DA13 DA17 DA18 3J041 AA03 AA06 BA04 BC02 DA05 DA07 DA12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液化ガスを扱う回転機器の本体ケーシン
    グに、その外部へと突出する回転軸部分を囲繞するシー
    ルケースを設け、このシールケース内にメカニカルシー
    ルで構成される軸封手段を配設し、このシールケース内
    における軸封手段と本体ケーシングとの間の空間を、回
    転軸が貫通する仕切壁により、回転軸の軸線方向に並列
    する複数のシール室に区画してあることを特徴とする液
    化ガス用軸封装置。
  2. 【請求項2】 回転機器が縦形ポンプであり、本体ケー
    シングの上面部に、これを貫通して上方に突出する回転
    軸部分を囲繞するシールケースを設けてあることを特徴
    とする、請求項に記載する液化ガス用軸封装置。
  3. 【請求項3】 軸封手段が、非接触形メカニカルシール
    である第1及び第2メカニカルシールを回転軸の軸線方
    向に並列配置すると共に、両メカニカルシール間に形成
    されるパージ室に、機内液である液化ガスの圧力より低
    圧のパージガスを供給させるように構成されていること
    を特徴とする、請求項1又は請求項2に記載する液化ガ
    ス用軸封構造。
  4. 【請求項4】 軸封手段に隣接するシール室とこれに隣
    接するシール室との間にシールケース外を通過する連通
    路を設けると共に、シールケース外の連通路部分に液化
    ガスを蒸発させるための熱交換器又は加熱器を配設して
    あることを特徴とする、請求項1、請求項2又は請求項
    3に記載する液化ガス用軸封構造。
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