JP2002011034A - 静電気障害防止カイロ - Google Patents

静電気障害防止カイロ

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JP2002011034A
JP2002011034A JP2000197360A JP2000197360A JP2002011034A JP 2002011034 A JP2002011034 A JP 2002011034A JP 2000197360 A JP2000197360 A JP 2000197360A JP 2000197360 A JP2000197360 A JP 2000197360A JP 2002011034 A JP2002011034 A JP 2002011034A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で安価に製造でき、身につけてい
ることを忘れないで、静電気による障害を防止できる静
電気障害防止カイロを提供すること。 【解決手段】 静電気障害防止カイロ1は、合成樹脂フ
ィルム、紙、不織布又は織布の少なくとも1つ以上によ
り構成されたシート体2によって形成された容器3と、
この容器3の内部に収納した発熱材4とからなる。ま
た、この容器3の少なくとも一方の面には、静電気障害
防止材5を設けている。これにより、通常のカイロとし
ての機能の他に、身につけていることを忘れないで、低
コストで人体に帯電した静電気を逃がすことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の材料で形成
された容器と当該容器の内部に収納した発熱材とからな
る携帯可能な使い捨てカイロであって、人体など帯電し
た静電気を放電させることにより、静電気による様々な
障害を防止できる静電気障害防止カイロに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、冬季やその他乾燥した季節にな
ると、着用した衣類に、布地との接触および摩擦によっ
て静電気が発生して、衣類のまつわりつき、あるいは、
擦り上がり、さらには、脱衣の際に不快な放電音を発生
させることはよく知られている。
【0003】また、家屋のドアノブや自動車のドアノブ
を素手で触ったときに帯電した静電気の放電による電撃
を受けることがある。このようなショックを受ける原因
は、人体と触れようとしたドアノブとの間に電位差があ
って、触れるか接近したときに起こる電気的放電現象に
より、短時間に両者の間に電流が流れて両者の電位差が
中和することにある。両者の電位差が大きければ大きい
程、両者の間に流れる電流が大きくなり、人体に与える
ショックが大きくなる。
【0004】一方、この種の使い捨てカイロは、特に冬
季での利用が多く、季節的にも静電気障害が発生する時
期と重なっている。従来のカイロは、酸化鉄などの空気
との接触により酸化反応が開始し発熱する発熱材を不織
布等の袋材に収容したものがよく知られている。発熱材
を収容した袋体の片面に粘着剤を塗布し、人体あるいは
衣類へ貼付できるものと、粘着剤がなくポケットに収容
したり手に持って使用するものが提供されている。
【0005】ところで、このような静電気による障害を
防止する従来の技術は、大別して2種類が挙げられる。
【0006】まず、第1の従来技術は、導電性繊維を用
いた衣類等により、空気中でコロナ放電を起こさせ、発
生したイオンにより帯電した物質の電荷を中和していた
(以下、「空中放電方式」という)。
【0007】この空中放電方式を利用した第1の従来技
術としては、例えば、実開昭57−021651公報に
記載されたものがある。この公報に記載された考案で
は、金属、含金属、金属メッキ、炭素、含炭素質の各種
繊維等のような導電性繊維を極く少量分で混有せしめた
フェルト、不織布、編地、織布とせる布綿体となし、上
記布綿体の片側面に粘着性物質あるいは熱溶融性物質で
粘着被膜を付与するように塗着してなる制電性接着布が
提供されている。この制電性接着布の場合には、導電性
繊維を用いているが性能が劣化した場合には制電性接着
布ごと取り替えでき、コストも割安であるという利点が
ある。
【0008】次に、第2の従来技術は、高抵抗体を内蔵
した指輪やキーホルダーなどの静電気緩衝具を用いて、
家屋のドアノブなどの接地体に触れるときに非急速に蓄
積された静電気を逃すようにしたものである(以下、
「接地放電方式」という)。
【0009】この接地放電方式を利用した第2の従来技
術は、例えば、特開平10−046001号公報に記載
されたものがある。この公報に記載された発明では、ア
ルキレンオキサイド基とエチレン系不飽和結合を有する
単量体を構成成分として含むゴム幹重合体に、1種以上
のエチレン系不飽和単量体をグラフト共重合して得られ
るグラフト共重合体から成る合成樹脂組成物を材料とし
て構成され、所定の範囲の体積固有抵抗率を有すること
により静電気除去性を有する合成樹脂製成形体が提供さ
れている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】(A)しかしながら、
上述した第1の従来技術によれば次のように問題があっ
た。
【0011】(i)導電性繊維は、一般的に製糸性が悪
く強度も低いため衣類に使用した場合に、性能が劣化し
やすく当初の導電性を維持することが困難であったり、
衣類としての機能に劣り、または劣化しやすい問題があ
った。
【0012】(ii)衣類であるため使い捨てすることが
できず、かつまた、洗濯すると性能が著しく劣化する問
題があった。
【0013】(iii)前記公報に記載された制電性接着布
を用いた場合、機能としては目に見えない電気を放電す
るだけのものであるから装着している実感が無く、装着
していることを忘れてしまうため、装着した衣類をその
まま洗濯してしまい、衣類を傷めたりする恐れがあっ
た。
【0014】(B)上記第2の従来技術によれば、次の
ような問題点があった。
【0015】(i)電流を非急速に流すために高抵抗体
を設けたものの場合には非常に高価なものとなる問題が
あった。
【0016】(ii)指輪やキーホルダーに高抵抗体を組
み込むための工賃などが必要となりコストが高いという
問題点がある。
【0017】(iii)指輪やキーホルダーなどの静電気緩
衝具は、その放電機能のためだけに身につけたりするも
のであるから無駄があり経済的でない。
【0018】(iv)上記公報に記載された静電気除去性
を有する合成樹脂製成形体は、単なる成形物として携帯
する場合には、携帯していることを忘れてしまったり、
あるいは、携帯場所を忘れてしまったりして、即座に取
り出して使用するということができないなどの問題があ
った。
【0019】(v)腕輪・指輪などの形状に成形し携帯
するようにした場合には、仕事場などでは、時と場合に
よって身に付けることが禁止されていたり、身に付ける
人の趣味性が強いため様々な形状のものを生産する必要
があったり、元々装飾品を身に付けることを好まない人
にあっては腕輪・指輪として使用せず、上記単なる成形
物と同じように携帯するようになり無駄があり経済的で
ないなどの問題点があった。
【0020】(vi)筆記具に成形し携帯するようにした
場合には、人体あるいは鞄などのどこに収容しているか
忘れやすい、筆記具は手で強く握るため筆記具の表面に
施された静電気障害防止機能を劣化させやすいなどの問
題点があった。
【0021】(C)また、従来のカイロは、静電気障害
の発生しやすい時期によく使用されるものであるが、静
電気障害防止機能を取り入れたものは存在しなかった。
【0022】そこで、本発明者らは、従来の静電気障害
防止機能を持った物品の課題を解決すると同時に、カイ
ロはさほど大きいものではないため身につけていても違
和感がないこと、および発熱するため使用者に存在感を
認識させる機能も併せ持つことに着目し本発明を完成さ
せた。
【0023】すなわち、本発明は、簡単な構造で安価に
製造でき、身につけていることを忘れないで、静電気に
よる障害を防止できる静電気障害防止カイロを提供する
ことを目的としている。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明に係る静電気障害防止カイロ
は、容器の内部に発熱材を収納したカイロであって、前
記容器に静電気障害防止材を設け、又は容器の少なくと
も一部を静電気障害防止材で形成したことを特徴とする
ものである。
【0025】請求項1記載の発明によれば、身につけて
いることを忘れないで、かつ、人体に帯電した静電気を
接地体へ接触させるなどして逃がすことができ、静電気
放電による電撃を人体が受けることを防止する。
【0026】請求項2記載の発明では、請求項1におい
て、前記静電気障害防止材は、空気中に電荷を放電する
導電性物質を含んでなることを特徴とするものである。
【0027】請求項3記載の発明では、請求項1におい
て、前記静電気障害防止材は、接地体に近接又は接触し
たときに帯電電荷を通電し放電する導電性物質を含んで
なることを特徴とするものである。
【0028】請求項4記載の発明では、請求項1、2ま
たは3において、前記容器は、合成樹脂フィルム、紙、
不織布、織布の少なくとも1種以上を含有するシート体
により構成された袋材であることを特徴とするものであ
る。
【0029】請求項5記載の発明では、請求項2、3ま
たは4において、前記導電性物質は、金属、金属含有
物、炭素、炭素含有物の少なくとも1種類以上を含有す
るものであることを特徴とするものである。
【0030】請求項6記載の発明では、請求項4におい
て、前記シート体は、不織布表面に導電性物質を蒸着し
てなるものであることを特徴とするものである。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明するが、本発明は実施の形態に限
定されるものではない。
【0032】[構成]図1は、本発明の第1の実施の形
態に係る静電気障害防止カイロの一構成例を示す断面図
である。
【0033】この図1において、静電気障害防止カイロ
1は、所定の材料である樹脂フィルム、紙、不織布およ
び織布の少なくとも1種類以上により構成されたシート
体2によって形成された容器3と、この容器3の内部に
収納した発熱材4と、前記容器3に設けた静電気障害防
止材5とから構成されたものである。
【0034】この容器3は、その一方の面が、ナイロン
スパンボンド不織布にカーボンブラックやチタンやステ
ンレスなどの導電性物質6を蒸着あるいは化学結合させ
て付与した通気性の調整された不織布7を最外層に用
い、その内側に低密度ポリエチレン(LDPE)に微細
孔を設けたフィルム8を積層し、さらに、その内側に熱
融着性のよい直鎖状低密度ポリエチレン(L/LDP
E)からなる微細孔を設けたフィルム9を積層して形成
されたシート体2aにより構成されている。また、前記
容器3の他方の面は、最外層に基材層となる低密度ポリ
エチレンフィルム10を用い、その内側に熱融着性の良
い直鎖状低密度ポリエチレンフィルム11を積層してな
るシート体2bにより構成されている。
【0035】この実施の形態では、静電気障害防止材4
を容器3の片面に設けているが、静電気障害防止材4を
容器3の全表面に設けてもよく、または、静電気障害防
止材4により容器3の一部を構成するように設けてもよ
い。
【0036】この実施の形態で用いられる発熱材4とし
ては、特に制限はないが、空気中の酸素と容易に反応
し、この反応の際に発熱するものであればよく、例えば
還元鉄粉、アトマイズ鉄粉、いもの鉄粉等が挙げられ
る。
【0037】また、静電気障害防止カイロ1において、
カイロとして機能を果たすことを考慮して適宜発熱助
剤、電解質溶液を添加するのが好ましい。
【0038】発熱助剤としては、活性炭を用いるのが好
ましい。活性炭としては、ヤシガラ活性炭、木粉炭、石
炭、暦青炭、泥炭、コークス炭等が挙げられる。
【0039】また、シリカ、バーミキュライト、吸水性
ポリマー、木粉等の保水剤を加えてもよい。前記吸水性
ポリマーとしては、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリ
ル酸塩架橋物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドン、アラビアゴム、架橋ポリアルキレンオキシド、
水溶性セルロースエーテル、ポリ−N−ビニルアセトア
ミド、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロー
ス、アルギン酸ソーダ、ペクチン、アクリルスルホン酸
系高分子物質、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、カ
ルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
【0040】電解質溶液としては、塩化ナトリウム、塩
化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等の水
溶液が挙げられる。
【0041】また、発熱材4を収容する容器3は偏平袋
形状の袋材13が好ましく、空気中の酸素と反応して発
熱する発熱材4を使用する際には、通気性の調整された
袋材13が好ましい。なお、袋材13とした場合は、成
形物に比べ人体に装着・携行するには柔軟性があるため
違和感なくもてるという利点もある。さらに、柔軟性が
あると接地放電式にあっては、ドアノブ等と静電気障害
防止部材との接触可能性を高めることができるので好ま
しい。
【0042】前記袋材13を形成するシート体2a,2
bは、既に説明したが、再び述べれば合成樹脂フィル
ム、紙、不織布、織布などで構成することが好ましい。
【0043】このシート体2a,2bを形成するにあた
っては、発熱材が通気性を必要とするものにあっては、
紙、不織布、織布などは通気性を有するものが多いため
問題ないが、合成樹脂フィルムはそのままでは一般的に
通気性が低いため、フィルムに通気性を付与するように
すればよく、延伸および/又は可溶性充填剤の抽出ある
いは極細針による穿孔等の方法により通気性を発現する
ようにしたものが用いられる。
【0044】具体的には、例えばポリエチレン、ポリプ
ロピレン、セロファン、ポリエステル、ポリアミド、ポ
リビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリウレタン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリカーボネート、塩酸ゴム等が挙げら
れるが、これらのうちポリオレフィン系樹脂製のものが
延伸等により、均質な通気性フィルムが得られるから好
ましい。
【0045】このポリオレフィン系樹脂としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエンなどのホモ
ポリマー、あるいはコポリマー、またはこれらのブレン
ドポリマーが挙げられるが、特にポリプロピレン(P
P)、高密度ポリエチレン(HE)、直鎖状低密度ポリ
エチレン(L/LDPE)が上述の観点より好ましい。
【0046】これら合成樹脂フィルム、織布、および不
織布を少なくとも1種以上からなるシート体2を用いれ
ばよいが、好ましくは、不織布と通気性の付与された合
成樹脂フィルムを積層してなるシート体2がよい。
【0047】この静電気障害防止カイロ1に使用される
静電気障害防止材5としては、空気に帯電した電荷を放
電し得るか、接地体に近接又は接触したときに帯電した
電荷を通電し放出することができれば特に制限はない。
【0048】この静電気障害防止材5としては、導電性
物質6を発熱材を収容した容器3(袋材13)に設けて
空気中への放電と接地体への通電の両方に効果のある手
段や、導電性物質6を用いない手段として静電気消散性
ポリマーの層を容器3に設けたもの、界面活性剤を容器
3の表面に塗布あるいは含浸させるもの、容器3の少な
くとも一部を織布あるいは不織布で構成しその一部を起
毛させて放電しやすくしたもの、イオン化した珪素をセ
ラミックスやFRPに混入したものを容器に設けるなど
の手段により、空気中へ帯電した電荷を放出するように
してもよい。
【0049】例えば、静電気障害防止材5の設け方とし
ては、導電性物質6を含有する繊維を混抄した不織布を
用い、発熱材4を収容した袋材13の最外面の少なくと
も一部に用いたり、或いは当該不織布を最外面に積層し
た袋材13により達成できる。
【0050】なお、静電気障害防止材5を設けたシート
体2aを2枚用いて袋材13とした構成の場合、カイロ
の裏表両方が静電気障害防止効果を呈するので好まし
い。
【0051】また、この静電気障害防止カイロ1に用い
られる静電気障害防止材5は、金属、金属含有物質、炭
素、炭素含有物質などの導電性物質6が用いられる。好
ましくは、導電性物質6として、炭素含有物質であるカ
ーボンなどを用いるほうがよい。
【0052】導電性物質6の形態としては、導電性繊維
を含む不織布や不織布に導電性物質を蒸着等させたもの
が好ましく、導電性繊維には合成樹脂に金属、カーボン
ブラックを含有させたものや、セルロース導電性繊維、
導電性ステープルファイバー、カーボンファイバー、ポ
リエステルとアクリルの合成繊維等がある。例えば、導
電性繊維として販売されているカーボン繊維、ステンレ
ス繊維、アモルファス繊維、アクリル繊維中に硫化銅を
固着させた繊維(商品名サンダーロン)、ポリビニルア
ルコール繊維に銅を結合させ特殊金属処理した繊維(商
品名ダイナ)、アクリルとカーボンの短繊維を混練した
繊維などが用いられる。含有させる金属としては、酸化
スズ、金、銀、銅、硫化銅、アルミニウム、ステンレ
ス、ニッケル、ウィスカ、セレン、ビスマス、インジウ
ム等がある。
【0053】なお、これらの金属をメッキとして容器3
(袋材13)に直接、あるいはシート体にコーティング
して用いる方法もある。
【0054】また、不織布の表面に導電性ポリマーを反
応形成させたシート体(日本バイリーン製、商品名「で
んきとーる」)、不織布に導電性物質を化学結合させた
シート体、ナイロンスパンボンド不織布にステンレスま
たはチタンなどを蒸着したシート体(旭化成工業製、商
品名「スーパースパッタリングクロス」)などが用いら
れる。
【0055】図4は、本発明の実施の形態2に係る静電
気障害防止カイロの断面図である。
【0056】この実施の形態2は、発熱材4を充填した
袋材13の一方面または両面を導電性物質6を練り混ん
で形成した繊維7’を用いて通気性の調整された不織布
7単層によって構成している。なお、この実施の形態に
おいては、縁部を熱溶着する上で必要があれば熱溶着性
樹脂層を内側に形成する。なおまた、上記導電性物質6
により繊維を形成し、この繊維によって不織布を組成
し、この不織布を用いて上記容器、或いは袋体を形成し
てもよい。
【0057】[作用]次に上述したように構成された実
施の形態に係る静電気障害防止カイロ1の作用について
説明する。
【0058】上記のように構成された静電気障害防止カ
イロ1は、発熱材4を収容した容器3に設けられた静電
気障害防止材5によって人体等に帯電し蓄積された電荷
が放電されることになる。
【0059】さらに、空気中に電荷を放電する導電性物
質6を含んでなる静電気障害防止材5を、発熱材4を収
容した容器3に設けるか、発熱材4を収容する容器3の
少なくとも一部を構成するようにした場合には、人体等
に身につけることにより帯電し蓄積された電荷を空気中
に放電されることになる。
【0060】または、接地体に近接または接触したとき
に帯電電荷を通電し放電する導電性物質6を含んでなる
静電気障害防止材5を、発熱材4を収容した容器3に設
けるか、発熱材4を収容する容器3の少なくとも一部を
構成するようにした場合には、静電気障害防止カイロ1
の一端を持ち、静電気障害防止カイロ1の他端などを、
例えば、素手でドアノブを握る前に、ドアノブに接触さ
せるなどすると、発熱材4を収容した容器3に設けられ
た静電気障害防止材5によって人体等に帯電し蓄積され
た電荷がドアノブへ通電し放電されることになる。
【0061】なお、空気中に電荷を放電する導電性物質
であって、接地体に近接または接触したときに帯電電荷
を通電し放電する導電性物質である場合には、身につけ
ていることにより静電気を放電し、さらに接地帯へ接触
等させて放電されることになる。
【0062】これにより、衣類のまつわりつき、あるい
は擦り上がり、さらには脱衣の際に不快な放電音を発生
させたり、接地体(家屋や自動車のドアノブ)に近接又
は接触したときに受ける電撃などの原因である静電気が
放出されるため、これらのような障害が起こらない。
【0063】
【実施例】次に、上記実施の形態に係る静電気障害防止
カイロ1について具体的に第1の実施例ないし第3の実
施例を作成し、静電気障害防止効果について検証してみ
た。
【0064】本発明の実施の形態における静電気障害防
止カイロ1について、第1の実施例ないし第3の実施例
では、不織布7、導電性物質6および導電性物質6を不
織布7にどのように設けたかについては、表1のとおり
とした。
【0065】また、本発明の実施の形態における静電気
障害防止カイロ1について、第1の実施例ないし第3の
実施例は、発熱材4としては、鉄粉28.3[g]、活
性炭3.5[g]、バーミキュライト7.1[g]、水
12.7[g]、塩化ナトリウム1.4[g]を混合し
調製したものを用いた。
【0066】なお、袋材13の静電気障害防止材5を設
けた面の通気度は、ガーレー式通気度測定器による値が
14.5[秒]/800[cc]であり、袋材13から
なる容器3の静電気障害防止カイロ1は、縦横の寸法を
135[mm]×100[mm]とした。
【0067】[比較例]また、本発明の第1の実施の形
態の効果をより明確にするために比較例を設けた。この
比較例は、静電気障害防止材5を設けなかった以外は、
第1の実施例ないし第3の実施例と同様の条件にして作
成した比較例カイロである。この比較例カイロは、表1
に記載したとおりの不織布を使用している。
【0068】
【表1】 上記の通り作成した第1の実施例ないし第3の実施例に
記載した静電気障害防止カイロ1と、比較例カイロとを
用いて、人体に帯電した静電気による障害を防止する試
験を次のように行った。
【0069】この試験は、JIS L 1023「繊維
製床敷物の性能に関する試験方法」を利用して図2に示
すような試験装置によって行った。試験装置21は、図
2に示すように、グランドレベル22の上に配置した絶
縁板23と、この絶縁板23の上に配置したカーペット
24と、グランドレベル上に設けた作業台25と、作業
台25の上に配置した絶縁シート26と、絶縁シート2
6上に配置した電極27と、絶縁シート26上で前記電
極板27に対向するプローブ28と、プローブ28に接
続され作業台25上に配置された電位計29と、作業台
25の上に配置され電位計29の測定結果を記録できる
自動記録計30と、前記電極27に接続され先端に人体
帯電圧測定用プローブ31を有するリード線32とから
構成されている。
【0070】また、この試験装置21の絶縁板23の近
辺には、アースした金属ドアノブ33が配置されてい
る。
【0071】試験は次のようにして行なう。被験者が、
図2のように、人体帯電圧測定用プローブ31を持っ
て、100[%]ポリエステル製のカーペット24の上
で足踏みをする。すると、靴とカーペット間の摩擦によ
り被験者は徐々に帯電してくる。
【0072】これら第1の実施例の静電気障害防止カイ
ロ1を手に持ち、人体帯電圧が6000[V]以上に達
してから、足踏みを止めた時、カイロ1を接地した金属
ドアノブ33に3[cm]の距離で接近させたとき、1
[cm]のとき、接地された金属ドアノブ33に接触さ
せたときの、それぞれについての人体帯電圧の変化を図
3に示した。なお、図3では、縦軸に人体帯電圧〔V〕
を、横軸に時間(作業)をそれぞれとったものである。
【0073】図3において、足踏み停止直後には、少な
くとも7000〔V〕以上の電圧が人体に帯電してお
り、足踏み停止してから一定の時間経過しても概ね60
00〔V〕を保つことがわかる。また、この6000
〔V〕帯電している状態から、3[cm]の距離で金属
ドアノブ33に近づけると4200〔V〕程度に電圧が
低下し、さらに1[cm]の距離で金属ドアノブ33に
近づけると3700〔V〕〜3800〔V〕に低下する
ことがわかる。さらに、静電気障害防止カイロ1を金属
ドアノブ33に接触させると、ほぼ0〔V〕になること
が分かる。
【0074】第2の実施例、第3の実施例および比較例
についても、上記第1の実施例のように上記試験装置2
1により試験をし、概ね6000〔V〕に保ち、それぞ
れのカイロを接地された金属ドアノブ33へ接触させた
後、接地された金属ドアノブ33を素手でつかんでみた
時の状態を観察し、静電気による電撃を受けるのを防止
した場合に「○」を、防止できなかった場合を「×」を
用いて表2へ記入した。もちろん、第1の実施例につい
ても上述同様に、静電気による電撃を受けるのを防止し
た場合に「○」を、防止できなかった場合を「×」を用
いて表2へ記入した。
【0075】
【表2】 上記表のように第1の実施例ないし第3の実施例に係る
静電気障害防止カイロ1を用いた場合は、表2に示すよ
うに人体に帯電した静電気を効果的に除電し、接地体へ
カイロを接触させた際には静電気を接地体へ逃がし、人
体へ電撃を与えるということがなかった。しかしなが
ら、比較例用カイロについては、表2に示すように、金
属ドアノブ33に接触直前に5500〔V〕もあり、当
然、金属ドアノブ33に接触したときに大きな電撃を受
けた。
【0076】これら実施例からも分かるように、容器3
に静電気障害防止材5を設けた静電気障害防止カイロ1
は、効果的に帯電した静電気を放電、通電し、人体へ電
撃を与えることがないことがわかった。なお、表2,図
3に表記した電圧は、絶対値で表しており、今回の試験
ではマイナスの電荷が帯電しており、最高−8500V
まで帯電し、接地の際に帯電圧が瞬時になくなった。−
1000Vの目盛りがあるのは、逆の電荷へ振れた際の
ためのものである。なお、プラスの電荷が帯電した場合
にも同様に瞬時に帯電圧を0へ下げることができる。
【0077】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明における静
電気障害防止カイロは、簡単な構造で安価に製造でき、
通常のカイロとしての機能の他に、身につけていること
を忘れないで、しかも低コストで静電気放電による電撃
を人体が受けることを防止する等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る静電気障害防
止カイロを示す断面図である。
【図2】本発明の実施例について静電気障害防止ができ
るか試験するための試験装置を示す説明図である。
【図3】本発明の第1の実施例による電圧の変化を説明
するための説明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る静電気障害防
止カイロを示す断面図である。
【符号の説明】
1 静電気障害防止カイロ 2,2a,2b シート体 3 容器 4 発熱材 5 静電気障害防止材 6 導電性物質 7 不織布容器 8 低密度ポリエチレン(LDPE)フィルム 9 直鎖状ポリエチレン(L/LDPE)フィルム 10 低密度ポリエチレン(LDPE)フィルム 11 直鎖状ポリエチレン(L/LDPE)フィルム 13 袋材 21 試験装置 23 絶縁板 24 カーペット 25 作業台 26 絶縁シート 27 電極 28 プローブ 29 電位計 31 人体帯電圧測定用プローブ 32 リード線 33 金属ドアノブ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器の内部に発熱材を収納したカイロで
    あって、前記容器に静電気障害防止材を設け、又は容器
    の少なくとも一部を静電気障害防止材で形成したことを
    特徴とする静電気障害防止カイロ。
  2. 【請求項2】 前記静電気障害防止材は、空気中に電荷
    を放電する導電性物質を含んでなることを特徴とする請
    求項第1項に記載の静電気障害防止カイロ。
  3. 【請求項3】 前記静電気障害防止材は、接地体に近接
    又は接触したときに帯電電荷を通電し放電する導電性物
    質を含んでなることを特徴とする請求項第1項に記載の
    静電気障害防止カイロ。
  4. 【請求項4】 前記容器は、合成樹脂フィルム、紙、不
    織布、織布の少なくとも1種以上を含有するシート体に
    より構成された袋材であることを特徴とする請求項1、
    2または3記載の静電気障害防止カイロ。
  5. 【請求項5】 前記導電性物質は、金属、金属含有物、
    炭素、炭素含有物の少なくとも1種類以上を含有するも
    のであることを特徴とする請求項2、3又は4記載の静
    電気障害防止カイロ。
  6. 【請求項6】 前記シート体は、不織布表面に導電性物
    質を蒸着してなるものであることを特徴とする請求項4
    記載の静電気障害防止カイロ。
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JPH0320257U (ja) * 1989-07-04 1991-02-27
JP2522488Y2 (ja) * 1992-12-04 1997-01-16 北川工業株式会社 導電袋

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