JP2002009815A

JP2002009815A - セキュリティ機能付き電子メールシステム

Info

Publication number: JP2002009815A
Application number: JP2000184096A
Authority: JP
Inventors: Kenji Nakada; 健二中田
Original assignee: NEC Office Systems Ltd
Current assignee: NEC Office Systems Ltd
Priority date: 2000-06-20
Filing date: 2000-06-20
Publication date: 2002-01-11

Abstract

(57)【要約】【課題】不特定多数を対象とした電子メールシステム
において、クライアント端末が暗号化あるいは復号化手
段を持っていなくても、送信側電子メールサーバと受信
側電子メールサーバとの間で暗号化された電子メールを
送受信できる電子メールシステムを提供する。【解決手段】複数の電子メールクライアント１１と複
数の暗号化機能付き電子メールサーバ１２と複数の復号
化機能付き電子メールサーバ１３とネットワーク１４と
から構成され、暗号化機能付き電子メールサーバ１２
が、復号化機能付き電子メールサーバ１３が復号化でき
るような電子メールの暗号化方法を入手し、この入手し
た暗号化方法で電子メールを暗号化して復号化機能付き
電子メールサーバ１３へ送信すると、復号化機能付き電
子メールサーバ１３は、受信した電子メールを復号化す
るようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ネットワークを介
した電子メールの送受信システムに関し、特に、送信側
のサーバで電子メールを暗号化し、この暗号化された電
子メールを、受信側のサーバで復号化する電子メールの
送受信システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、インターネット技術の発達によ
り、世界中を接続するいわゆるｔｈｅＩｎｔｅｒｎｅｔ
が発達している。この通信ネットワークの発達により、
さまざまな情報をやりとりするケースが増えている。中
でも電子メールは、企業間の通信や商談などにも使われ
るようになっており、その重要性は日々増大している。
その一方で、クラッカーによるコンピュータへの不正侵
入やコンピュータ内のデータ改竄などの不正行為も表面
化しており、電子メールもネットワーク上を監視するこ
とで簡単に盗聴したり、場合によっては改竄される危険
性もある。

【０００３】電子メールは、送信者から送信用電子メー
ルサーバへ送り、その送信用電子メールサーバから受信
用電子メールサーバへ送られる。受信者へは、受信用電
子メールサーバから送る場合もあるが、受信者が受信用
電子メールサーバに取りに行く場合もある。一般的に
は、ＳＭＴＰ（ｓｉｍｐｌｅｍａｉｌｔｒａｎｓｆ
ｅｒｐｒｏｔｏｃｏｌ）やＰＯＰ（ｐｏｓｔｏｆｆ
ｉｃｅｐｒｏｔｏｃｏｌ）といったプロトコルが使わ
れることが多い。

【０００４】次に、従来の技術について、図面を用いて
説明する。

【０００５】図１７は、従来の電子メールシステムの構
成を示す図である。図１７において、電子メールサーバ
２１は、電子メールクライアント１１から電子メールを
受け取ると、受け取った電子メールの送り先である受信
側電子メールサーバを特定し、ネットワーク１４を介し
てその電子メールサーバ２１に送る機能を備え、受信側
の電子メールサーバ２１は、送られた電子メールを受け
取り、電子メールの宛先に応じて適切な電子メールクラ
イアント１１に送る機能を備える。ネットワーク１４
は、電子メールクライアント１１，電子メールサーバ１
２をつないでいる。

【０００６】ここで、電子メールクライアント１１は、
電子メールを送る際には電子メールサーバ２１へ、電子
メールを受け取る際には電子メールサーバ２１から受け
取れる機能を備えている。

【０００７】そして、電子メールサーバ２１は、電子メ
ールを受け取る機能と、電子メールの送り先を特定する
機能と、電子メールを送る機能を備えている。また、ネ
ットワーク１４は、電子メールを送るための機能を備え
ている。

【０００８】図１８は、電子メールサーバ２１の構成図
を示したものである。電子メールサーバ２１は、メール
受信制御手段１２１とメール送信先決定手段２１１とメ
ール送信制御手段１２６とから構成する。メール受信制
御手段１２１とメール送信制御手段１２６は、それぞれ
ネットワーク１４と接続されている。

【０００９】ここで、メール受信制御手段１２１は、ネ
ットワーク１４を通じて送られた電子メールを受信す
る。

【００１０】そして、メール送信先決定手段２１１は、
電子メールの宛先を検査して次に送るべき電子メールサ
ーバを特定し、電子メールと送り先電子メールサーバに
関する情報を、メール送信制御手段１２６へ渡す。

【００１１】また、メール送信制御手段１２６は、電子
メールをネットワーク１４を通して送り先の電子メール
サーバに送る。

【００１２】図１９は、電子メールを蓄積しておき、要
求によって引き渡す手段を備えた電子メールサーバの構
成を示す図である。これは、図１７で説明した電子メー
ルサーバ２１の別の構成例である。

【００１３】ここで、電子メールサーバ２２が送信側電
子メールサーバの場合の動作を説明する。メール受信制
御手段１２１で受けた電子メールをメール送信先決定手
段２１２に送り、メール送信先決定手段２１２は、電子
メール内に記述されている送り先メールアドレスと設定
ファイル１５１から電子メールの送り先を決定し、メー
ル送信制御手段１２６へ送る。メール送信制御手段１２
６は、電子メールをネットワーク１４を通して送り先の
電子メールサーバへ送る。

【００１４】また、電子メールサーバ２２の受信側電子
メールサーバとしての動作を説明する。電子メールを受
け取ってからメール送信先決定手段２１２が電子メール
の送信先を決定するまでは同じである。メール送信先決
定手段２１２が、電子メールを自分の中に蓄積すると判
断したら、メール蓄積手段１５２に蓄積する。メール取
り出し制御手段１５３が、電子メールクライアント１１
から電子メールを取り出す指示を受けると、メール蓄積
手段１５２から電子メールを取り出し、ネットワーク１
４を経由して電子メールクライアント１１に送る。

【００１５】次に、電子メール盗聴や改竄の課題に対し
て、一般的に考えられている方法としては、電子メール
そのものを暗号化する方法と電子メールが通る経路を暗
号化するなどして専用化する方法がある。電子メールを
送信するときに暗号化する方法はいくつか提案されて
（例えば、特開平１１−１２２２９３号公報）おり、ま
た、電子メールが通る経路を暗号化するなどして専用化
する方法もある。

【００１６】暗号化する方式としては、公開鍵方式や秘
密鍵方式などがあり、暗号化するためのツールも多く提
供されている。

【００１７】

【発明が解決しようとする課題】前者の電子メールその
ものを暗号化する方法についてその問題点を示す。

【００１８】電子メールの暗号化では、送信者が、受信
者のみが復号化できるように暗号化し、受信者はそれを
復号化して読む方法がある。

【００１９】しかしながら、この方法では、送信者側に
は次のような問題がある。

【００２０】まず、送信者は、電子メールを暗号化でき
る機能を持った電子メールソフトを持っていなくてはな
らず、もし、持っていなければ暗号化した電子メールを
送ることはできない。

【００２１】そして、送信者が暗号化するにあたって
は、受信者が利用するＰＧＰ（ｐｒｅｔｔｙｇｏｏｄ
ｐｒｉｖａｃｙ）やＤＥＳ（ＤａｔａＥｎｃｒｙｐ
ｔｉｏｎＳｔａｎｄａｒｄ）といった暗号化方式を知
っておかなくてはならず、その暗号化に必要な暗号化鍵
は電子メールや媒体を受け取ることなどによってあらか
じめ手に入れておかなくてはならないという問題があ
る。

【００２２】一般によく知られているＰＧＰ，ＲＳＡ
（Ｒｉｖｅｓｔ−Ｓｈａｍｉｒ−Ａｄｌｅｍａｎ），楕
円曲線暗号のような公開鍵方式やＤＥＳ，ＩＤＥＡ（ｉ
ｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌｄａｔａｅｎｃｒｙｐｔ
ｉｏｎａｌｇｏｒｉｔｈｍ）のような秘密鍵方式のい
ずれの場合でも、暗号化する人は、復号化する人が利用
する方式と暗号化用の鍵を知っていなければならないの
は同じである。そして、送信する度に、受信者に応じた
方法で暗号化しなくてはならない。

【００２３】また、電子メールを送信する相手すなわち
受信者に応じた暗号化方式や暗号化鍵をすべて管理しな
くてはならない。これでは管理に対する負担が大きく、
もし、間違って暗号化すると受信者が電子メールを読め
ない事態になってしまう。

【００２４】一方、受信者側には次のような問題があ
る。

【００２５】受信者も、送信者と同様に復号化できる電
子メールソフトを持つ必要があり、暗号化された電子メ
ールを受け取るたびにいちいち復号化しなくてはならな
い。

【００２６】さらに、送信者や受信者以外にも次のよう
な問題がある。

【００２７】まず、企業などの組織においては、受信者
でしか復号化できない電子メールは、電子メールサーバ
を含む第三者によるウィルスプログラムのチェックが不
可能なため、電子メールを通して、ウィルスプログラム
を広めたり外部からのウィルスプログラムが混入する危
険性がある。

【００２８】そして、検索サービスや新聞社などが運営
しているホームページを用いた電子メールでは、送信者
のＷＷＷ（ｗｏｒｌｄｗｉｄｅｗｅｂ)ブラウザと
ＷＷＷサーバーの間でやりとりするデータは、ＳＳＬ
（ｓｅｃｕｒｅｓｏｃｋｅｔｓｌａｙｅｒ）などで
暗号化できるが、それ以降は暗号化できない。送信者が
あらかじめ暗号化してそのデータをＷＷＷブラウザから
送るとすれば、前述と同じ送信者側の問題が存在する。

【００２９】また、メーリングリストを用いた場合に
は、通常、送信先は特定の一つの電子メールアドレスで
あり、そこに送信すると不特定多数の受信者に自動的に
送信される仕組みになっているので、受信者が暗号化電
子メールを扱えるかどうか，扱える場合には暗号化方
式，暗号化鍵などの諸条件が異なり、暗号化したメール
を利用するのは不可能である。また、共通鍵方式を採用
したのでは、不特定多数が鍵を知ることになるため、事
実上暗号化する意味がなくなってしまう。

【００３０】次に、後者の経路を専用化する方法につい
てその問題点を示す。

【００３１】この方法の場合、最低でも送信者から送信
用電子メールサーバ、送信用電子メールサーバから受信
用電子メールサーバ、受信用電子メールサーバから受信
者と、三つの経路をそれぞれ専用線化しなくてはならな
いため、その実現には無理（困難）があり、また、実現
できたとしても不特定多数への電子メールでは（その専
用経路の確立は）現実的には不可能といえる。また、電
子メールサーバ間で安全に通信する方法としては、例え
ばＶＰＮという方法があるが、この方法では予め特定で
きるサーバ間に限られてしまい、電子メールのように不
特定なサーバ間での通信では利用できなかった。

【００３２】これらを解決するために、前述のように特
許が提案されている。例えば、電子メールサーバが、送
信しようとする電子メールを受取者専用に自動的に暗号
化するという特許が提案されている（特開平１１−１２
２２９３号公報「電子メールサーバシステム」）。この
方法では、送信者が受信者の暗号化方式や暗号化鍵を管
理しなくて良いが、送信者が、暗号化されるための特定
の識別子を入れることが必要であり、その識別子をつけ
忘れる危険があり、受信者にとってみれば復号化できる
ことと、その作業が必要であることに変わりはない。

【００３３】他にも、特開平６−２７６２２１号公報，
特開平９−４６３３０号公報，特開平１０−１０７８３
２号公報，特開平１１−８８４１０号公報などが、それ
ぞれ本発明とは異なる目的の元に、暗号化を提案してい
るが、いずれも電子メールサーバが特定の受信者用の暗
号化方式と暗号化鍵を持ち、暗号化するというものであ
る。

【００３４】従って、これら従来の発明では上記に掲げ
た問題点は解決できない。また、電子メールサーバが個
人用の暗号化鍵を管理するというのも、送信者ではなく
電子メールサーバを管理する人が管理するという意味で
は、同じ問題を抱えていると言える。

【００３５】本発明の目的は、電子メールシステムにお
いて、送信側電子メールクライアント，受信側電子メー
ルクライアントのいずれもが暗号化する手段を持ってい
なくても、送信側電子メールサーバと受信側電子メール
サーバの間で暗号化された電子メールを送受信できる電
子メールシステムを提供することである。

【００３６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る電子メールシステムは、送信側電子メ
ールクライアント，受信側電子メールクライアントのい
ずれもが暗号化する手段を持っていなくても、送信側電
子メールサーバと受信側電子メールサーバの間で暗号化
された電子メールを送受信できることを特徴とする。

【００３７】すなわち、本発明に係る電子メールシステ
ムは、暗号化機能付き電子メールサーバである送信側の
電子メールサーバと、復号化機能付き電子メールサーバ
である受信側の電子メールサーバとを備える。

【００３８】そして、暗号化機能付き電子メールサーバ
は、受信側の電子メールサーバのうち、次に電子メール
を受け取る受信側電子メールサーバが復号化できる様
に、電子メールを暗号化する手段と、暗号化するときに
使用する暗号化鍵，暗号化方式などの暗号化方法を受信
側電子メールサーバ毎の情報として持っている。

【００３９】また、暗号化機能付き電子メールサーバ
は、電子メールクライアントから電子メールを受け取る
と、受け取った電子メールの送り先である受信側電子メ
ールサーバを特定し、次に、その受信側電子メールサー
バ用の暗号化鍵と暗号化方式を入手し、それをもとに暗
号化する。暗号化した電子メールは、ネットワークを介
して復号化機能付き電子メールサーバに送信される。

【００４０】一方、復号化機能付き電子メールサーバ
は、暗号化された電子メールを復号化する手段を持って
いる。暗号化機能付き電子メールサーバから暗号化され
た電子メールを受け取ると、それを復号化手段によって
復号化する。

【００４１】なお、電子メールが複数の電子メールサー
バを通るような場合には、同一の電子メールが複数回暗
号化−復号化されることになる。

【００４２】上記構成を有することにより、送信側電子
メールサーバと受信側電子メールサーバとの間で暗号化
された電子メールを送受信できる。すなわち、送信側の
電子メールサーバが電子メールを暗号化することがで
き、受信側の電子メールサーバが電子メールを復号化す
ることができる。また、送信側の電子メールサーバが、
受信側の電子メールサーバが復号化できるように、受信
側の電子メールサーバが複数ある場合には、それぞれの
電子メールサーバが復号化できるように電子メールを暗
号化することができる。

【００４３】第２に、本発明に係る電子メールシステム
は、電子メールを送信する側の電子メールサーバは、あ
らかじめ特定しない受信側の電子メールサーバに対し
て、受信側電子メールサーバが復号化できる様に電子メ
ールを暗号化する機能を持ち、また、受信側の電子メー
ルサーバは、受け取った暗号化された電子メールを復号
化する機能を持つことを特徴とする。

【００４４】ここで、暗号化機能付き電子メールサーバ
は、従来の電子メールサーバが持っているメール受信制
御手段，メール送信先決定手段，メール送信制御手段に
加え、暗号化手段と暗号化方法入手部と暗号化方法記憶
部とを備え、復号化機能付きの電子メールサーバは、従
来の電子メールサーバが持っているメール受信制御手
段，メール送信先決定手段，メール送信制御手段に加
え、復号化手段を備えることを特徴としている。

【００４５】また、暗号化機能付き電子メールサーバ
は、従来の電子メールサーバが持っているメール受信制
御手段，メール送信先決定手段，メール送信制御手段に
加え、暗号化手段と暗号化方法入手部と暗号化方法記憶
部とを備え、暗号化方法入手部はネットワークと接続し
て、暗号化方法をネットワークを通して入手できる。

【００４６】そして、復号化機能付き電子メールサーバ
は、従来の電子メールサーバが持っているメール受信制
御手段，メール送信先決定手段，メール送信制御手段，
メール蓄積手段，メール取り出し制御手段に加え、復号
化手段と暗号化方法提供部とを備え、暗号化方法提供部
は、暗号化方法の提供を依頼してきたサーバへ、ネット
ワークを介して暗号化方法を提供できることを特徴とし
ている。

【００４７】第３に、本発明に係る電子メールシステム
は、電子メールシステムにおいて、電子メールを送信す
る側の電子メールサーバと受信する側の電子メールサー
バが、あらかじめ特定しない受信側の電子メールサーバ
に対して、受信側電子メールサーバが復号化できる様に
電子メールを暗号化する機能と、受け取った暗号化され
た電子メールを復号化する機能を持つことを特徴とす
る。

【００４８】ここで、暗号化復号化機能付き電子メール
サーバは、従来の電子メールサーバが持っているメール
受信制御手段，メール送信先決定手段，メール送信制御
手段に加え、暗号化手段と暗号化方法入手部と暗号化方
法記憶部と復号化手段を備えることを特徴としている。

【００４９】また、暗号化復号化機能付き電子メールサ
ーバは、従来の電子メールサーバが持っているメール受
信制御手段，メール送信先決定手段，メール送信制御手
段に加え、暗号化手段と暗号化方法入手部と暗号化方法
記憶部と復号化手段と暗号化方法提供部とを備え、暗号
化方法入手部はネットワークと接続して、暗号化方法を
ネットワークを通して入手でき、暗号化方法提供部は、
暗号化方法の提供を依頼してきたサーバへ、ネットワー
クを介して暗号化方法を提供できることを特徴としてい
る。

【００５０】さらに、暗号化復号化機能付き電子メール
サーバは、従来の電子メールサーバが持っているメール
受信制御手段，メール送信先決定手段，メール送信制御
手段，メール蓄積手段，メール取り出し制御手段に加
え、暗号化手段と暗号化方法入手部と暗号化方法記憶部
と復号化手段と暗号化方法提供部とを持っており、暗号
化方法入手部はネットワークと接続して、暗号化方法を
ネットワークを通して入手でき、暗号化方法提供部は、
暗号化方法の提供を依頼してきたサーバへ、ネットワー
クを介して暗号化方法を提供できることを特徴としてい
る。

【００５１】上記構成を有することにより、電子メール
を暗号化しようとするサーバは、次に電子メールを受け
取るサーバが復号化可能な暗号化方法を、ネットワーク
を介して入手することができ、電子メールを暗号化しよ
うとするサーバ内に、電子メールの暗号化方法をあらか
じめ設定しておく、あるいは管理していなくとも、次に
電子メールを受け取るサーバの各々に適した暗号化方法
を用いて、電子メールを暗号化することができる。

【００５２】また、本発明に係る電子メールシステムに
よれば、電子メールの通信経路に複数の暗号化復号化機
能付き電子メールサーバが介在することにより、電子メ
ールの暗号化および復号化を複数回繰り返すことができ
る。

【００５３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。

【００５４】図１は、本発明の実施の形態に係る電子メ
ールシステムの構成を示すブロック図である。図１に示
すように、本発明の実施の形態に係る電子メールシステ
ムは、複数の電子メールクライアント１１と複数の暗号
化機能付き電子メールサーバ１２と複数の復号化機能付
き電子メールサーバ１３とネットワーク１４を含む。電
子メールクライアント１１とネットワーク１４は、従来
の技術と変わるところはなく、つまり、電子メールクラ
イアント１１は、電子メールを送る際には電子メールサ
ーバ１２へ、電子メールを受け取る際には電子メールサ
ーバ１３から受け取れる機能を備えている。また、ネッ
トワーク１４は、電子メールを送るための機能を備えて
いる。

【００５５】（電子メールシステムの処理）本発明の電
子メールシステムの処理のフローチャートを図４に示
す。ここで、図４は、本発明の実施の形態に係る電子メ
ールシステムの動作を示すフローチャートである。

【００５６】図４に示されるように、電子メールクライ
アント１１が電子メールを送信し（Ｓ１１１）、暗号化
機能付き電子メールサーバ１２が電子メールを受信して
暗号化し、復号化機能付き電子メールサーバ１３に送信
する（Ｓ１１２〜Ｓ１１３）。復号化機能付き電子メー
ルサーバ１３は電子メールを受信して復号化し、電子メ
ールクライアント１１に送信する（Ｓ１１４〜Ｓ１１
５）。電子メールクライアント１１は、電子メールを受
信する（Ｓ１１６）。

【００５７】（暗号化機能付き電子メールサーバの構
成）ここで、図２は、本発明の実施の形態に係る暗号化
機能付き電子メールサーバの構成を示すブロック図であ
る。図２に示されるように、暗号化機能付き電子メール
サーバ１２は、メール受信制御手段１２１と、メール送
信先決定手段１２２と、暗号化手段１２３と、暗号化方
法記憶部１２４と、暗号化方法入手部１２５と、メール
送信制御手段１２６とを備えており、メール受信制御手
段１２１とメール送信制御手段１２６はそれぞれネット
ワーク１４とつながっている。

【００５８】メール受信制御手段１２１は、ネットワー
ク１４を通じて送られた電子メールを受信して、メール
送信先決定手段１２２に渡す。メール送信先決定手段１
２２は、電子メールの宛先を検査して次に送るべき電子
メールサーバを特定し、電子メールと送り先の電子メー
ルサーバに関する情報を、暗号化手段１２３へ一旦送
る。暗号化手段１２３から戻ってきた電子メールは、送
り先電子メールサーバに関する情報とともにメール送信
制御手段１２６へ送る。暗号化手段１２３は、暗号化方
法入手部１２５から送り先である電子メールサーバの暗
号化方法を入手し、それに従って電子メールを暗号化し
た後、メール送信先決定手段１２２へ返す。

【００５９】暗号化方法記憶部１２４は、復号化機能付
き電子メールサーバ１３のアドレスと、そのサーバ用の
暗号化方式と暗号化鍵など暗号化に必要な情報とを保持
している。ここで、図７は、本発明の暗号化方法記憶部
の表の内容構成を説明する図である。ここでは、例とし
て二つのサーバに関する情報が入っているように記述し
たが、いくつ入っていても良い。

【００６０】また、これは暗号化した電子メールを通信
できる電子メールサーバをあらかじめ特定したものでは
ない。暗号化方法入手部１２５は、暗号化手段１２３か
ら送り先の電子メールサーバに関する情報を入手し、送
り先である電子メールサーバの暗号化方法を暗号化方法
記憶部１２４から入手して、暗号化手段１２３へ返す。
メール送信制御手段１２６は、電子メールを送り先の電
子メールサーバに送る。

【００６１】（暗号化機能付き電子メールサーバの処
理）暗号化機能付き電子メールサーバ１２の処理のフロ
ーチャートを図５に示す。ここで、図５は、本発明の実
施の形態に係る暗号化機能付き電子メールサーバの動作
を示すフローチャートである。

【００６２】図５に示すように、本発明の実施の形態に
係る暗号化機能付き電子メールサーバは、電子メールを
受信してその送信先電子メールサーバを特定する（Ｓ１
２１〜Ｓ１２２）。次に、暗号化方法を調べて電子メー
ルを暗号化し（Ｓ１２３〜Ｓ１２４，Ｓ１４３）、電子
メールを送信する（Ｓ１２５）。もし、暗号化方法が入
手できない場合（Ｓ１４３）、暗号化しないで電子メー
ルを送信する（Ｓ１２５）。

【００６３】（復号化機能付き電子メールサーバの構
成）ここで、図３は、本発明の実施の形態に係る復号化
機能付き電子メールサーバの構成を示すブロック図であ
る。

【００６４】図３に示されるように、復号化機能付き電
子メールサーバ１３は、図３の構成になっており、メー
ル受信制御手段１３１と、復号化手段１３２と、メール
送信先決定手段１３３と、メール送信制御手段１２６と
を備えており、メール受信制御手段１３１とメール送信
制御手段１２６はそれぞれネットワーク１４とつながっ
ている。

【００６５】メール受信制御手段１３１は、ネットワー
ク１４を通じて送られた電子メールを受信し、復号化手
段１３２に渡す。復号化手段１３２は、暗号化されてい
る電子メールを復号化してメール送信先決定手段１３３
へ渡す。メール送信先決定手段１３３は、電子メールの
宛先を検査して次に送るべき電子メールサーバを特定
し、電子メールをメール送信制御手段１２６へ渡す。メ
ール送信制御手段１２６は、すでに説明した通りであ
る。

【００６６】（復号化機能付き電子メールサーバの処
理）復号化機能付き電子メールサーバ１３のフローチャ
ートを図６に示す。ここで、図６は、本発明の実施の形
態に係る復号化機能付き電子メールサーバの動作を示す
フローチャートである。

【００６７】図６に示すように、本発明の実施の形態に
係る復号化機能付き電子メールサーバは、電子メールを
受信し（Ｓ１３１）、電子メールを復号化する（Ｓ１３
２）。次に、送信先電子メールサーバを特定して電子メ
ールを送信する（Ｓ１３３〜Ｓ１３４）。もし、ここで
受信した電子メールが暗号化していなかった場合には、
復号化処理を行わずそのままとして扱う。

【００６８】なお、暗号化機能付き電子メールサーバ１
２の暗号化方法記憶部１２４に格納されている暗号化方
法は、前述の通り、特定の復号化機能付き電子メールサ
ーバ１３が復号化できるものであり、その対象としてい
る復号化機能付き電子メールサーバ１３は不特定であ
る。つまり、暗号化電子メールの送り先としては、多数
の復号化機能付き電子メールサーバ１３が対象となる
が、格納してあるそれぞれの暗号化方法はその相手が復
号化できるものとなっている。

【００６９】（実施の形態の動作）次に図１，図２，図
３，図４，図５，図６および図７を参照して、本実施の
形態の動作について詳細に説明する。

【００７０】（全体の流れ）まず、全体の流れを説明す
る。電子メールクライアント１１から暗号化機能付き電
子メールサーバ１２に平文の電子メールが送られる（図
１の１１，１２と図４のステップＳ１１１）。暗号化機
能付き電子メールサーバ１２は、次の送信先になる電子
メールサーバを特定し、電子メールを暗号化してから復
号化機能付き電子メールサーバ１３に送る（図１の１２
と図４のステップＳ１１２〜Ｓ１１３）。復号化機能付
き電子メールサーバ１３は、暗号化された電子メールを
受信して、その電子メールを復号化する（図１の１３と
図４のステップＳ１１４）。その後、次の送信先になる
電子メールクライアント１１を特定してそこに宛てて電
子メールを送る（図１の１３，１１と図４のステップＳ
１１５〜Ｓ１１６）。

【００７１】（暗号化機能付き電子メールサーバの動
作）次に、暗号化機能付き電子メールサーバ１２の動作
を詳細に説明する。

【００７２】ネットワーク１４を経由して送られた平文
の電子メールは、メール受信制御手段１２１によって受
信し、メール送信先決定手段１２２へと渡す（図２の１
２１，１２２と図５のステップＳ１２１）。メール送信
先決定手段１２２では、電子メールから送り先の電子メ
ールアドレスを調べて、送り先となる電子メールサーバ
を特定し、電子メールと送り先の電子メールサーバに関
する情報を、暗号化手段１２３に送る。（図２の１２
２，１２３と図５のステップＳ１２２）。

【００７３】暗号化手段１２３では、送り先の電子メー
ルサーバに関する情報を暗号化方法入手部１２５に渡
す。暗号化方法入手部１２５では、暗号化方法記憶部１
２４から送り先の電子メールサーバ用の暗号化方式や暗
号化鍵などの、暗号化に必要な暗号化方法の情報を入手
して暗号化手段１２３に渡す。

【００７４】たとえば、暗号化方法記憶部１２４に図７
の様な情報が記録されていたとする。今送ろうとしてい
る電子メールの宛先から、送り先の電子メールサーバの
アドレスが「１０．１．１．１」だったとすると、暗号
化方式が「ＰＧＰ」，暗号化鍵が「Ｄ７ＤＦＥ３２１６
５」なので、その情報を暗号化手段１２３に送る。

【００７５】暗号化手段１２３では、暗号化方法入手部
１２５から入手した暗号化方法をもとに電子メールを暗
号化する。暗号化した電子メールは、メール送信先決定
手段１２２に渡す（図２の１２３，１２４，１２５と図
５のステップＳ１２３〜Ｓ１２４と図７）。

【００７６】もし、このとき暗号化方法が見つからない
場合は、電子メールを暗号化しないで平文のままとす
る。暗号化しない平文の電子メールは、メール送信先決
定手段１２２に渡す（図２の１２３，１２４，１２５と
図５のステップＳ１２３〜Ｓ１２４，Ｓ１４３と図
７）。

【００７７】メール送信先決定手段１２２では、暗号化
された電子メールまたは暗号化していない平文の電子メ
ールを送り先の電子メールサーバに関する情報とともに
メール送信制御手段１２６に渡す。メール送信制御手段
１２６は、受け取った電子メールをネットワーク１４を
経由して送り先の電子メールサーバに送信する（図２の
１２６と図５のステップＳ１２５）。

【００７８】なお、上記で暗号化方法記憶部１２４に送
信先となる電子メールサーバ用の具体的な暗号化手順が
あらかじめ入っている様に説明したが、入力は、フロッ
ピィディスクやキーボードなどからしても良い。ここで
は、入手方法については特段の制限は設けない。

【００７９】また、暗号化手段１２３で暗号化した結果
を、メール送信先決定手段１２２が受け取って次のメー
ル送信制御手段１２６に渡すという説明をしたが、メー
ル送信先決定手段１２２に戻る処理をメール送信制御手
段１２６が受け取るようにしても効果は同様である。

【００８０】暗号化手段１２３の処理で、暗号化すると
説明したが、暗号化の処理についてはどのような方法で
も良く、ここでは特に制限や新たな方法を提示するもの
ではない。

【００８１】（復号化機能付き電子メールサーバの動
作）次に、復号化機能付き電子メールサーバ１３の動作
を詳細に説明する。

【００８２】ネットワーク１４を経由して送られた暗号
化された電子メールは、メール受信制御手段１３１によ
って受信し、復号化手段１３２へと渡す（図３の１３１
と図６のステップＳ１３１）。復号化手段１３２は、受
け取った電子メールを復号化し、平文に直してメール送
信先決定手段１３３に渡す（図３の１３２と図６のステ
ップＳ１３２）。

【００８３】メール送信先決定手段１３３は、受け取っ
た電子メールから送り先の電子メールアドレスを調べ
て、送り先となる電子メールクライアント１１を特定
し、電子メールと送り先の電子メールサーバに関する情
報を、メール送信制御手段１２６に渡す（図３の１３３
と図６のステップＳ１３３）。

【００８４】メール送信制御手段１２６は、受け取った
電子メールをネットワーク１４を経由して送り先の電子
メールクライアント１１に送信する（図３の１２６と図
６のステップＳ１３４）。

【００８５】なお、暗号化機能付き電子メールサーバ１
２で暗号化されずに平文のまま送られてきた場合には、
復号化手段１３２でそれを判断して復号化処理をせずに
メール送信先決定手段１３３へ電子メールを渡す。

【００８６】また、復号化手段１３２の処理で、復号化
すると説明したが、復号化の処理についてはどのような
方法でも良く、ここでは特に制限や新たな方法を提示す
るものではない。

【００８７】上記の説明の中で、電子メールの送受信に
おける具体的な手順については特別説明していないが、
どのような手順で送受信しても本発明の内容に影響する
ものではない。

【００８８】上記構成を有する電子メールシステムによ
り、送信側の電子メールサーバが電子メールを暗号化す
ることができ、受信側の電子メールサーバが電子メール
を復号化することができる。また、送信側の電子メール
サーバが、受信側の電子メールサーバが復号化できるよ
うに、受信側の電子メールサーバが複数ある場合には、
それぞれの電子メールサーバが復号化できるように電子
メールを暗号化することができる。

【００８９】（本発明の他の実施の形態）次に、本発明
の他の実施例について図面を参照して詳細に説明する。

【００９０】（他の実施の形態その１）図８は、本発明
の実施の形態に係る第２の暗号化機能付き電子メールサ
ーバの構成を示すブロック図であり、図９は、本発明の
実施の形態に係る第２の暗号化機能付き電子メールサー
バの動作を示すフローチャートである。図８を参照する
と、本発明の実施の形態に係る第２の暗号化機能付き電
子メールサーバ１６は、図２の暗号化機能付き電子メー
ルサーバ１２と比較して、暗号化方法入手部１２７は、
ネットワーク１４と接続されている。

【００９１】電子メールをネットワーク１４から受け取
って暗号化手段１２３に渡すまでは、すでに説明したも
のと同じであるので、ここでは省略する。暗号化手段１
２３では、送り先の電子メールサーバに関する情報を暗
号化方法入手部１２７に渡す。暗号化方法入手部１２７
は、暗号化手段１２３からの指示により、送信先の電子
メールサーバに関する情報を暗号化方法記憶部１２４か
ら入手しようとするが、それが存在しなかったときに
は、ネットワーク１４を通して入手して暗号化手段１２
３に渡す（図９のステップＳ１２３とＳ１４１〜Ｓ１４
２）。もし、ネットワーク１４を通しても暗号化方法が
入手できなかった場合は、電子メールは暗号化しないで
平文のままとする（図９のステップＳ１４４）。これ以
後は上記の本発明の実施の形態と同じなので省略する。

【００９２】なお、メール受信制御手段１２１，メール
送信制御手段１２６，暗号化方法入手部１２７と接続さ
れているネットワーク１４が同一であるかの様になって
いるが、異なるネットワークであっても良い。

【００９３】この実施の形態では、暗号化手段１２３が
暗号化方法記憶部１２４から暗号化方法を入手できなか
った場合に、ネットワーク１４から入手を図るので、あ
らかじめ暗号化方法記憶部１２４に暗号化方法がない場
合でも、まず送り先となる復号化機能付き電子メールサ
ーバ（次の電子メールサーバ）から暗号化方法を入手す
るなどできるため、電子メールを暗号化できる可能性が
高くなる。

【００９４】また、暗号化方法をネットワークからどの
ような方法で入手するかについては、受信側の電子メー
ルサーバに直接問い合わせる，暗号化方法を管理するサ
ーバを設けてそこに問い合わせる，などが考えられる
が、ここでは特段の制限を設けるものではない。

【００９５】（他の実施の形態その２）図１０は、本発
明の実施の形態に係る第２の復号化機能付き電子メール
サーバの構成を示すブロック図である。図１０を参照す
ると、本発明の実施の形態に係る第２の復号化機能付き
電子メールサーバは、図３の復号化機能付き電子メール
サーバ１３と比較して、暗号化方法提供部１３５を有
し、この暗号化方法提供部１３５は、ネットワーク１４
と接続されている。

【００９６】電子メールの処理については、すでに説明
している復号化機能付き電子メールサーバ１３と同じで
ある。本電子メールサーバは、ネットワーク１４を通し
て暗号化方法提供依頼を受けると、暗号化方式や暗号化
鍵などの暗号化方法をネットワーク１４を通して返す。

【００９７】なお、メール受信制御手段１３１，メール
送信制御手段１２６，暗号化方法提供部１３５と接続さ
れているネットワーク１４が同一であるかの様になって
いるが、異なるネットワークであっても良い。

【００９８】（他の実施の形態その３）図１１は、本発
明の実施の形態に係る第３の復号化機能付き電子メール
サーバの構成を示すブロック図である。図１１を参照す
ると、本発明の実施の形態に係る第３の復号化機能付き
電子メールサーバ１９は、従来技術の図１９の電子メー
ルサーバ２２と比較して、復号化手段１３２を追加し、
その前後のメール受信制御手段１３１とメール送信先決
定手段（メール送信制御手段）１３４が復号化手段１３
２の追加に伴って変更されている。

【００９９】メール受信制御手段１３１は、ネットワー
ク１４から電子メールを受け取ると復号化手段１３２に
渡す。復号化手段１３２は、暗号化された電子メールを
復号化し、メール送信先決定手段（メール送信制御手
段）１３４に電子メールを渡す。メール送信先決定手段
（メール送信制御手段）１３４の動作は、電子メールを
復号化手段１３２からもらうという部分が異なるだけ
で、それ以外はメール送信先決定手段２１２と同様な動
作をする。また、これ以外は、従来の技術で説明したも
のと同様である。

【０１００】（他の実施の形態その４）図１２は、本発
明の実施の形態に係る第２の電子メールシステムの構成
を示すブロック図であり、図１で送信側の電子メールサ
ーバと受信側の電子メールサーバの構成が異なっていた
ものを同一にしたものである。つまり、送信側の電子メ
ールサーバに復号化機能を設け、受信側の電子メールサ
ーバに暗号化機能を設けている。

【０１０１】図１２において、暗号化復号化機能付き電
子メールサーバ１５は、多数の受信側電子メールサーバ
に対して、電子メールを送信する先の受信側電子メール
サーバが復号化できる様に、電子メールを暗号化する手
段と、暗号化するときに使用する暗号化鍵，暗号化方式
などの暗号化方法を持っていて、電子メールクライアン
ト１１から電子メールを受け取ると、受け取った電子メ
ールの送り先である受信側電子メールサーバを特定し、
次に、その受信側電子メールサーバ用の暗号化鍵と暗号
化方式をもとに、暗号化する。暗号化した電子メール
は、ネットワーク１４を介して暗号化復号化機能付き電
子メールサーバ１５に送る。もし、暗号化方法が入手で
きなかった場合は、電子メールは暗号化しないで平文の
ままとする。

【０１０２】また、暗号化復号化機能付き電子メールサ
ーバ１５は、暗号化された電子メールを復号化する手段
も持っている。電子メールの送り元である暗号化復号化
機能付き電子メールサーバ１５から暗号化された電子メ
ールを受け取ると、それを復号化手段によって復号化す
る。なお、暗号化されずに平文のまま送られてきた場合
には、復号化手段でそれを判断して復号化処理はしな
い。

【０１０３】この実施の形態の場合、送信側の電子メー
ルクライアント１１と受信側の電子メールクライアント
１１がそれぞれ、暗号化機能と復号化機能を持っていれ
ば、送信側電子メールクライアント１１と送信側の暗号
化復号化機能付き電子メールサーバ１５、送信側の暗号
化復号化機能付き電子メールサーバ１５と受信側の暗号
化復号化機能付き電子メールサーバ１５、受信側の暗号
化復号化機能付き電子メールサーバ１５と受信側の電子
メールクライアント１１のそれぞれの経路を通る電子メ
ールがすべて暗号化されていることになるため、より安
全な電子メールシステムが実現できる。

【０１０４】（他の実施の形態その５）図１３は、本発
明の実施の形態に係る暗号化復号化機能付き電子メール
サーバの構成を示すブロック図であり、図１２において
示した暗号化復号化機能付き電子メールサーバ１５の構
成図である。この図を参照すると、本発明の実施の形態
に係る暗号化復号化機能付き電子メールサーバ１５は、
メール受信制御手段１３１と、復号化手段１３２とメー
ル送信先決定手段１２２と暗号化手段１２３と暗号化方
法記憶部１２４と暗号化方法入手部１２５とメール送信
制御手段１２６とを備えている。

【０１０５】メール受信制御手段１３１とメール送信制
御手段１２６は、ネットワーク１４とそれぞれ接続され
ている。ここの各構成要素の動作は、すでに詳細に説明
した図２，図３の各要素と同様な動作である。

【０１０６】（他の実施の形態その６）図１４は、本発
明の実施の形態に係る第２の暗号化復号化機能付き電子
メールサーバ１７の構成を示すブロック図であり、図１
３において示した暗号化方法入手部１２５をネットワー
クと接続できるような機能を備えた暗号化方法入手部１
２７に置き換え、さらに、暗号化方法提供部１３５を備
えたものである。

【０１０７】暗号化方法入手部１２７、暗号化方法提供
部１３５とその他の動作についてはすでに説明している
ものと同様である。

【０１０８】（他の実施の形態その７）図１５は、本発
明の実施の形態に係る第３の暗号化復号化機能付き電子
メールサーバの構成を示すブロック図である。図１５を
参照すると、本発明の実施の形態に係る第３の暗号化復
号化機能付き電子メールサーバ１８は、図１９の従来の
電子メールサーバ構成図と比較して、復号化手段１３２
と暗号化手段１２３と暗号化方法記憶部１２４と暗号化
方法入手部１２７、暗号化方法提供部１３５とを備えて
いる点が異なる。

【０１０９】これらが加わったことで、メール受信制御
手段１２１、メール送信先決定手段２１２は、それぞ
れ、メール受信制御手段１３１、メール送信先決定手段
１２８となっているが、動作は変わらない。復号化手段
１３２、暗号化手段１２３、暗号化方法記憶部１２４、
暗号化方法入手部１２７、暗号化方法提供部１３５およ
びその他は今まで説明した機能と同じである。

【０１１０】メール送信先決定手段１２８は、電子メー
ルから送り先の電子メールアドレスを調べて、送り先と
なる電子メールサーバを特定し、電子メールと送り先の
電子メールサーバに関する情報を、暗号化手段１２３に
送る。

【０１１１】これまでのすべての説明では、送信側電子
メールクライアントが電子メールを送る電子メールサー
バと、受信側電子メールクライアントが電子メールを受
け取る電子メールサーバとの間には、他に電子メールサ
ーバがないような説明をしたが、ここにこれまで説明し
たものと同様な機能（暗号化のみ、復号化のみ、暗号化
と復号化）を備えた電子メールサーバが存在していても
よい。

【０１１２】例えば、図１６は、本発明の実施の形態に
係る第３の電子メールシステムの構成を示すブロック図
である。図１６に示されるように、本発明の実施の形態
に係る第３の電子メールシステムは、送信側電子メール
クライアント１１と、受信側電子メールクライアント１
１との間に、複数の暗号化復号化機能付き電子メールサ
ーバ１５が存在する。

【０１１３】この構成において、送信側電子メールクラ
イアント１１から送信された電子メールは、送信側の最
初の暗号化復号化機能付き電子メールサーバ１５で暗号
化され、次の第２の暗号化復号化機能付き電子メールサ
ーバ１５に送信される。そして、この第２の暗号化復号
化機能付き電子メールサーバ１５において、一旦復号化
され、更に暗号化されてその次の第３の暗号化復号化機
能付き電子メールサーバ１５へ送られる。この第３の暗
号化復号化機能付き電子メールサーバ１５においても電
子メールは、いったん復号化され、そして暗号化されて
次の電子メールサーバへ送られる。

【０１１４】上記の構成により、本発明によれば、暗号
化された電子メールを受信したサーバは、この暗号化さ
れた電子メールを復号化し、電子メールを次に送るサー
バを特定し、このサーバが復号化できる暗号化方法を、
記憶されているデータの中から検索し、該当する暗号化
方法が存在しない場合には、ネットワークを介してこの
暗号化方法を入手することができる。

【０１１５】このようにすることにより、各サーバは、
受け取った電子メールを暗号化する際には、電子メール
を次に送るサーバが復号化できる様に暗号化することが
でき、送信側クライアントから送信された電子メールが
受信側クライアントに受信されるまでの過程において、
複数のサーバを介する場合には、複数回の暗号化および
復号化を繰り返すことが可能となる。

【０１１６】また、本発明によれば、電子メールを次に
送信する送信先電子メールサーバとの間で情報のやりと
りをすることによって、暗号化に必要な情報の入手を行
うことができるので、例えば、受信側クライアントに接
続される受信側電子メールサーバが、ファイアウォール
の内側に存在するために、受信側電子メールサーバを直
接特定できない場合、あるいは受信側電子メールサーバ
と直接通信できない場合であっても、その間に介在する
電子メールサーバとの間で情報のやりとりを行うことに
より、電子メールを暗号化して送ることができる。

【０１１７】また、本発明においては、暗号化に必要な
情報は、次に送る送信先電子メールサーバに関するもの
であれば良いため、電子メールサーバに接続される受信
側クライアントの追加，削除，変更等が生じた場合にお
いても、次に送る電子メールサーバに変更等がなけれ
ば、暗号化に必要な情報を変更せずに適切な暗号化を行
うことができる。

【０１１８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第一の効果として、送信側の電子メールサーバが電子メ
ールを暗号化することができることから、送信者が電子
メールを暗号化できる機能を持った電子メールソフトを
持っていなくても、また、暗号化を指示しなくても、あ
らかじめ決められたものでない復号機能を有しない受信
者に、暗号化された電子メールを送ることができる。ま
た、暗号化に関する情報を何ら管理する必要がないこと
を実現できる。

【０１１９】また、第二の効果として、受信側の電子メ
ールサーバが電子メールを復号化することができること
から、受信者が電子メールを復号化できる機能を持った
電子メールソフトを持っていなくても、また復号化を指
示しなくても、暗号化された電子メールを受け取って内
容を確認できる。そして、復号化に関する情報を何ら管
理する必要がないことを実現できる。

【０１２０】そして、第三の効果として、受信側の電子
メールサーバで復号化するため、その時点で平文になっ
ており、ウィルスプログラムをチェックするソフトウェ
アがウィルスの存在を確認できるため、暗号化された電
子メールのウィルスプログラムをチェックすることが可
能となる。

【０１２１】また、第四の効果として、電子メールサー
ビスを提供している、検索サービスや新聞社等の電子メ
ールの送信側となる電子メールサーバが、電子メールの
暗号化を担当することができ、検索サービスや新聞社な
どが運営しているホームページを用いた電子メールサー
ビスからでも暗号化した電子メールを送ることが可能と
なる。

【０１２２】そして、第五の効果として、送信側の電子
メールサーバが、受信側の電子メールサーバが復号化で
きるように電子メールを暗号化することができることか
ら、メーリングリストを使って一つのメーリングリスト
投稿用の電子メールアドレスに送った場合でも、暗号化
した電子メールを扱うことが可能となる。

【０１２３】さらに、第六の効果として、送信側の電子
メールサーバが受信側のそれぞれの電子メールサーバで
復号化できるように、電子メールをそれぞれにあわせて
暗号化することができることから、不特定多数の電子メ
ールサーバに対して安全に電子メールを送ることが可能
となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態に係る電子メールシステム
の構成を示すブロック図である。

【図２】本発明の実施の形態に係る暗号化機能付き電子
メールサーバの構成を示すブロック図である。

【図３】本発明の実施の形態に係る復号化機能付き電子
メールサーバの構成を示すブロック図である。

【図４】本発明の実施の形態に係る電子メールシステム
の動作を示すフローチャートである。

【図５】本発明の実施の形態に係る暗号化機能付き電子
メールサーバの動作を示すフローチャートである。

【図６】本発明の実施の形態に係る復号化機能付き電子
メールサーバの動作を示すフローチャートである。

【図７】本発明の暗号化方法記憶部の表の内容構成を説
明する図である。

【図８】本発明の実施の形態に係る第２の暗号化機能付
き電子メールサーバの構成を示すブロック図である。

【図９】本発明の実施の形態に係る第２の暗号化機能付
き電子メールサーバの動作を示すフローチャートであ
る。

【図１０】本発明の実施の形態に係る第２の復号化機能
付き電子メールサーバの構成を示すブロック図である。

【図１１】本発明の実施の形態に係る第３の復号化機能
付き電子メールサーバの構成を示すブロック図である。

【図１２】本発明の実施の形態に係る第２の電子メール
システムの構成を示すブロック図である。

【図１３】本発明の実施の形態に係る暗号化復号化機能
付き電子メールサーバの構成を示すブロック図である。

【図１４】本発明の実施の形態に係る第２の暗号化復号
化機能付き電子メールサーバの構成を示すブロック図で
ある。

【図１５】本発明の実施の形態に係る第３の暗号化復号
化機能付き電子メールサーバの構成を示すブロック図で
ある。

【図１６】本発明の実施の形態に係る第３の電子メール
システムの構成を示すブロック図である。

【図１７】従来の電子メールシステムを示す図である。

【図１８】従来の電子メールサーバの構成を示す図であ
る。

【図１９】従来の電子メールサーバのその他の構成を示
す図である。

【符号の説明】

１１電子メールクライアント１２暗号化機能付き電子メールサーバ１３復号化機能付き電子メールサーバ１４ネットワーク１５暗号化復号化機能付き電子メールサーバ１６第２の暗号化機能付き電子メールサーバ１７第２の暗号化復号化機能付き電子メールサーバ１８第３の暗号化復号化機能付き電子メールサーバ１９第３の復号化機能付き電子メールサーバ２１，２２電子メールサーバ１２１，１３１メール受信制御手段１２２，１２８，１３３，１３４，２１１，２１２メ
ール送信先決定手段１２３暗号化手段１２４暗号化方法記憶部１２５，１２７暗号化方法入手部１２６メール送信制御手段１３２復号化手段１３５暗号化方法提供部１５１送り先メールアドレスと設定ファイル１５２メール蓄積手段１５３メール取り出し制御手段

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ネットワーク上で、送信側クライアント端
末から送信側サーバおよび受信側サーバを介して、受信
側クライアント端末へ電子メールが送信される電子メー
ルシステムにおいて、前記送信側サーバは、前記送信側クライアント端末から
電子メールを受信し、この電子メールの受信側サーバを
特定し、この特定された受信側サーバが復号化可能な、
電子メールの暗号化方法を入手する暗号化方法入手手段
と、この入手された暗号化方法を用いて、前記受信した
電子メールを暗号化する暗号化手段と、この暗号化され
た電子メールを前記特定された受信側サーバへ送信する
送信制御手段とを備え、前記受信側サーバは、前記暗号化された電子メールを受
信し、この受信した電子メールを復号化する復号化手段
とを備える電子メールシステム。
【請求項２】前記暗号化方法入手手段は、前記受信側サ
ーバが復号化可能な、電子メールの暗号化方法を、前記
ネットワークを介して入手することを特徴とする請求項
１に記載の電子メールシステム。
【請求項３】前記受信側サーバは、前記受信側サーバが
復号化可能な、電子メールの暗号化方法の送信要求を受
信し、この受信側サーバが復号化可能な、電子メールの
暗号化方法を、前記ネットワークを介して送信する暗号
化方法提供手段を備えることを特徴とする請求項１また
は２に記載の電子メールシステム。
【請求項４】ネットワーク上で、送信側クライアント端
末から送信側サーバ，仲介サーバおよび受信側サーバを
介して、受信側クライアント端末へ電子メールが送信さ
れる電子メールシステムにおいて、前記送信側サーバは、前記送信側クライアント端末から
電子メールを受信し、この電子メールの次の送信先とな
る仲介サーバを特定し、この特定された仲介サーバが復
号化可能な、電子メールの暗号化方法を入手する暗号化
方法入手手段と、この入手された暗号化方法を用いて、
前記受信した電子メールを暗号化する暗号化手段と、こ
の暗号化された電子メールを前記特定された仲介サーバ
へ送信する送信制御手段とを備え、前記仲介サーバは、前記暗号化された電子メールを受信
し、この受信した電子メールを復号化する復号化手段
と、この復号化された電子メールの次の送信先となる他
の仲介サーバ、あるいは受信側サーバを特定し、この特
定された仲介サーバあるいは受信側サーバが復号化可能
な、電子メールの暗号化方法を入手する暗号化方法入手
手段と、この入手された暗号化方法を用いて、前記受信
した電子メールを暗号化する暗号化手段と、この暗号化
された電子メールを前記特定された仲介サーバあるいは
受信側サーバへ送信する送信制御手段とを備え、前記受信側サーバは、前記暗号化された電子メールを受
信し、この受信した電子メールを復号化する復号化手段
とを備える電子メールシステム。
【請求項５】前記暗号化方法入手手段は、前記仲介サー
バあるいは前記受信側サーバが復号化可能な、電子メー
ルの暗号化方法を、前記ネットワークを介して入手する
ことを特徴とする請求項４に記載の電子メールシステ
ム。
【請求項６】前記受信側サーバは、前記受信側サーバが
復号化可能な、電子メールの暗号化方法の送信要求を受
信し、この受信側サーバが復号化可能な、電子メールの
暗号化方法を、前記ネットワークを介して送信する暗号
化方法提供手段を備えることを特徴とする請求項４また
は５に記載の電子メールシステム。
【請求項７】前記仲介サーバは、前記仲介サーバが復号
化可能な、電子メールの暗号化方法の送信要求を受信
し、この仲介サーバが復号化可能な、電子メールの暗号
化方法を、前記ネットワークを介して送信する暗号化方
法提供手段を備えることを特徴とする請求項４〜６のい
ずれかに記載の電子メールシステム。
【請求項８】送信側クライアント端末から電子メールを
受信し、この受信した電子メールの次の送信先である送
信先サーバ、あるいは受信側サーバを特定するステップ
と、この特定された送信先サーバあるいは受信側サーバが復
号化可能な、電子メールの暗号化方法の入手を行うステ
ップと、この入手された暗号化方法を用いて、前記受信した電子
メールを暗号化するステップとを含む電子メールの暗号
化方法。
【請求項９】前記送信先サーバあるいは受信側サーバが
復号化可能な、電子メールの暗号化方法の入手は、ネッ
トワークを介して、前記送信先サーバもしくは受信側サ
ーバ、またはそれらの暗号化方法を保持しているサーバ
から行われることを特徴とする請求項８に記載の電子メ
ールの暗号化方法。
【請求項１０】送信側クライアント端末から電子メール
を受信し、この受信した電子メールの次の送信先である
送信先サーバあるいは受信側サーバを特定する処理と、この特定された送信先サーバあるいは受信側サーバが復
号化可能な、電子メールの暗号化方法の入手を行う処理
と、この入手された暗号化方法を用いて、前記受信した電子
メールを暗号化する処理とをコンピュータに実行させる
ためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能
な記録媒体。
【請求項１１】前記送信先サーバあるいは受信側サーバ
が復号化可能な、電子メールの暗号化方法の入手は、ネ
ットワークを介して、前記送信先サーバあるいは受信側
サーバから行われることを特徴とする請求項１０に記載
のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項１２】電子メールを送信しようとするサーバか
ら、電子メールの暗号化方法の送信要求を受信し、所持
している復号化方法で復号化可能な、電子メールの暗号
化方法を送信するステップと、この送信した暗号化方法で暗号化された電子メールを受
信し、この受信した電子メールを前記復号化方法で復号
化するステップとを含む電子メールの復号化方法。
【請求項１３】電子メールを送信しようとするサーバか
ら、電子メールの暗号化方法の送信要求を受信し、所持
している復号化方法で復号化可能な、電子メールの暗号
化方法を送信する処理と、この送信した暗号化方法で暗号化された電子メールを受
信し、この受信した電子メールを前記復号化方法で復号
化する処理とをコンピュータに実行させるためのプログ
ラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項１４】電子メールを送信しようとするサーバか
ら、電子メールの暗号化方法の送信要求を受信し、所持
している復号化方法で復号化可能な、電子メールの暗号
化方法を送信するステップと、この送信した暗号化方法で暗号化された電子メールを受
信し、この受信した電子メールを前記復号化方法で復号
化するステップと、この復号化した電子メールの次の送信先である送信先サ
ーバを特定するステップと、この特定された送信先サーバが復号化可能な、電子メー
ルの暗号化方法の入手を行うステップと、この入手された暗号化方法を用いて、前記復号化した電
子メールを暗号化するステップとを含む電子メールの暗
号化方法。
【請求項１５】電子メールを送信しようとするサーバか
ら、電子メールの暗号化方法の送信要求を受信し、所持
している復号化方法で復号化可能な、電子メールの暗号
化方法を送信する処理と、この送信した暗号化方法で暗号化された電子メールを受
信し、この受信した電子メールを前記復号化方法で復号
化する処理と、この復号化した電子メールの次の送信先である送信先サ
ーバを特定する処理と、この特定された送信先サーバが復号化可能な、電子メー
ルの暗号化方法の入手を行う処理と、この入手された暗号化方法を用いて、前記復号化した電
子メールを暗号化する処理とをコンピュータに実行させ
るためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可
能な記録媒体。