JP2002008225A - 磁気記録媒体の製造方法および磁気記録媒体の製造装置 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法および磁気記録媒体の製造装置

Info

Publication number
JP2002008225A
JP2002008225A JP2000183391A JP2000183391A JP2002008225A JP 2002008225 A JP2002008225 A JP 2002008225A JP 2000183391 A JP2000183391 A JP 2000183391A JP 2000183391 A JP2000183391 A JP 2000183391A JP 2002008225 A JP2002008225 A JP 2002008225A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
coating
magnetic
film thickness
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000183391A
Other languages
English (en)
Inventor
Mamoru Takeda
守 武田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2000183391A priority Critical patent/JP2002008225A/ja
Publication of JP2002008225A publication Critical patent/JP2002008225A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録媒体の製造における各塗料の塗布
を、塗布厚をリアルタイムに測定しながら、塗布するこ
とができるようにして、正確に所要の均一な膜厚をもっ
て目的とする防錆層や潤滑剤層を形成して、目的の磁気
記録媒体を得ることができるようにする。 【解決手段】 磁性膜2が形成された非磁性支持体1
に、塗料の塗布がなされる磁気記録媒体の製造方法にあ
って、塗料の塗布が、この塗料の塗布直後の塗膜の膜厚
を測定し、この膜厚測定情報に基づく塗布量の制御を行
いつつなされる。塗膜の測定は、所要の波長範囲を有す
る光を塗膜に照射し、こん光の塗膜表面からの反射光と
塗膜を透過してこの塗膜の裏面から反射する反射光との
干渉波を分光して分光反射率もしくは分光透過率を検出
した分光情報を得、分光波の所定の波長範囲内に現れる
分光情報のピーク波長を求めることにより塗膜の膜厚を
演算して求め、この膜厚測定に基づいて塗布量の制御を
行って、所定の膜厚塗布を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に塗膜の膜厚を
正確に形成することができるようにした磁気記録媒体の
製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体の1つである蒸着テープ
は、非磁性支持体上に、コバルト等の磁性金属を蒸着し
て付着堆積して磁性膜の形成がなされる。この磁性膜に
おいては、バインダーのような非磁性接着剤が用いられ
ないことからノイズの改善、すなわちS/N,C/Nの
高い記録再生特性が得られるという利点がある。しかし
ながら、この蒸着テープにおける磁性膜は、蒸着によっ
て形成されることから、この磁性膜内に、潤滑剤や防錆
剤を添加することができない。そこで、この蒸着テープ
においては、この磁性膜上に、通常、例えばフェノール
類、ナフトール類の防錆剤や、フッ素系の潤滑剤を塗布
することになる。
【0003】これら防錆剤や潤滑剤は、磁性膜の保護膜
としての機能を同時に保持させるものであり、この保護
膜としての機能を強化させるには、その膜厚を厚くすれ
ば良いのであるが、これらの膜厚を厚くすると、次のよ
うな問題が生じる。すなわち、良く知られているよう
に、磁気テープに対する録画、再生は、録画再生装置内
に、磁気テープの一部を、この装置内のガイドローラな
どでガイドさせながら取り込み、このテープを装置内の
磁気ヘッドの面に摺接させている。このとき、蒸着テー
プの防錆剤や潤滑剤の膜厚が厚いと、固定ガイドでステ
ィックスリップ(滑り面の運動が間欠的になる現象)が
起こり、蒸着テープがスムーズに走行されず、したがっ
て、蒸着テープの破損や装置の故障につながる。
【0004】このため、蒸着テープにおいて、保護膜と
もなる防錆剤、潤滑剤の厚さは、その蒸着テープの品
質、すなわち、信頼性に深く係わっており、磁性体薄膜
の保護が充分に行える厚さ以上で、かつスティックスリ
ップが起こらない厚さに薄くする必要がある。すなわ
ち、蒸着テープの信頼性を向上させるために、防錆剤や
潤滑剤を最適な膜厚にするこが重要となる。これら防錆
剤や潤滑剤の塗布は、通常グラビア法、リバース法、あ
るいはダイ塗工方法等による塗布装置よってなされる
が、いずれにおいても塗膜の測定が必要となる。
【0005】従来、例えばフッ素系潤滑剤の膜厚の測定
は、X線を用いたESCA(Electron Spectroscopy fo
r Chemical Analysis:X線光電子分光法)を使用し、フ
ッ素強度面積値(cps)を測定することにより行って
いる。これは潤滑剤の表面に光(X線)を照射して、発
光する光電子の運動エネルギー分布などから、フッ素が
有するとされる運動エネルギーとその電子数を掛け合わ
せたフッ素強度面積値から、フッ素量、すなわち潤滑剤
の量を得るというものである。しかしながら、この方法
は、高真空中で行わなければならず、このため、一度に
測定する試料数に限界があり、、また測定に要する時間
も長く、例えば1試料の測定に30分程度も要するとい
う問題がある。
【0006】更に、得られる光電子の運動量、エネルギ
ー分布などから、フッ素量を特定し潤滑剤の膜厚を得る
ので、測定試料の作製や、測定に熟練を要する。そのた
め、インラインで膜厚の測定を行い、この測定に基いて
潤滑剤の温度や潤滑剤の塗布量を調整して、潤滑剤をよ
り最適な膜厚に塗布するというフィードバックは、実際
には行われていない。
【0007】また、この潤滑剤層や、防錆剤層の膜厚測
定方法としては、エリプソメトリを用いた膜厚測定法、
フーリエ変換赤外線分光計(FI−IR)を用いた膜厚
測定法がある。しかしながら、これらESCA、エリプ
ソメトリ、FI−IRの測定においては、試料を作製
し、真空中での測定、専用の検査ステージの設定等を必
要とすることから、この測定によって得た膜厚を、リア
ルタイムに、すなわち潤滑剤の塗膜工程にフィードバッ
クしてその塗膜の膜厚を成膜時に制御するといういわゆ
るインラインフィードバックを行うことはできなかっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、例えば上述
した蒸着テープや、昨今、磁性塗料を塗布して形成した
塗布型の磁性膜を有する磁気テープにおいても、防錆層
や潤滑剤層等を磁性膜の形成された非磁性支持体に塗布
することがなされる構成をとる磁気記録媒体を製造する
に当たり、これら潤滑剤、あるいは防錆剤等の塗膜を、
その塗料の塗布を、塗布厚をリアルタイムに測定しなが
ら、塗布することができるようにして、正確に所要の均
一な膜厚をもって目的とする防錆層や潤滑剤層等を形成
して、目的の磁気記録媒体を得ることができるようにし
た磁気記録媒体の製造方法と製造装置を提供するもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による磁気記録媒
体の製造方法は、磁性膜が形成された非磁性支持体に、
塗料の塗布がなされる磁気記録媒体の製造方法にあっ
て、塗料の塗布が、この塗料の塗布直後、つまり、乾燥
処理前の塗膜の膜厚を測定し、この膜厚測定情報に基づ
く塗布量の制御を行いつつ行う。この塗膜の測定は、所
要の波長範囲を有する光を塗膜に照射し、この光の塗膜
表面からの反射光と塗膜を透過してこの塗膜の裏面から
反射する反射光との干渉波を分光して分光反射率もしく
は分光透過率を検出した分光情報を得、分光波の所定の
波長範囲内に現れる分光情報のピーク波長を求めること
により塗布された塗膜の膜厚を演算して求め、この膜厚
測定に基づいて塗布量の制御をリアルタイリムに行っ
て、所定の膜厚塗布を行うものである。
【0010】また、本発明による磁気記録媒体の製造装
置は、磁性膜が形成された非磁性支持体上に塗膜を形成
して磁気記録媒体を製造する磁気記録媒体の製造装置で
あって、塗膜塗料の塗布装置と、塗膜の膜厚を測定する
膜厚測定装置と、この膜厚測定装置による膜厚測定情報
に基いて塗布装置を制御する膜厚制御装置とを有する。
膜厚測定装置は、所要の波長範囲を有する光を塗膜に照
射する光照射装置を有して成り、膜厚制御装置は、照射
光の塗膜表面からの反射光と塗膜を透過してこの塗膜の
裏面から反射する反射光との干渉波を分光して分光反射
率もしくは分光透過率を検出する分光光度計と、この分
光光度計による分光波の所定の波長範囲内に現れる分光
情報のピーク波長から、塗膜の膜厚を演算測定する演算
装置とを有して成る。そして、この演算測定された膜厚
情報によって少なくとも塗布装置を制御して塗料の塗膜
の膜厚が所定の膜厚となるように制御するものである。
【0011】本発明による磁気記録媒体の製造方法およ
び製造装置によれば、塗膜の形成工程で膜厚測定を行い
つつ塗料の塗布制御を行うので、確実に所定の均一な膜
厚を有する塗膜の形成を行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明製造方法および製造装置に
おいて、例えば図1に概略断面図を示す磁気記録媒体を
得る。この例においては、蒸着テープを例示するもので
あり、この場合、磁性支持体1の一方の面に、金属蒸着
膜による磁性膜2が形成され、この磁性膜2上に防錆剤
層3が形成され、非磁性支持体1の他方の面にバックコ
ート層5とこの上に潤滑剤層4が塗布された構成によ
る。
【0013】本発明は、上述した非磁性支持体を構成す
る長尺のフィルムを移行し、この移行途上において、上
述した例えば防錆剤層3、潤滑剤層4、バックコート層
5等の塗料を塗布して目的とする磁気記録媒体を製造す
るに当たり、これら各塗料の塗布工程において、それぞ
れその塗布直後の塗膜の膜厚を測定し、この膜厚測定情
報によって各塗料の塗布量の制御を行って、各塗料の塗
布を行う。
【0014】この塗膜の測定は、所要の波長範囲を有す
る光を塗膜に照射してこの光の塗膜表面からの反射光と
塗膜を透過してこの塗膜の裏面から反射する反射光との
干渉波を分光して分光反射率もしくは分光透過率を検出
した分光情報を得、分光波の所定の波長範囲内に現れる
分光情報のピーク波長を求めることにより塗膜の膜厚を
演算して求める。このようにして求めた膜厚の測定結果
を、各塗料の塗布作業にフィードバックして、その塗布
量の制御を逐次行って、長尺フィルムの各部において、
それぞれ所定の膜厚を有する塗膜、例えば防錆剤層3、
潤滑剤層4、バックコート層5の各層を形成するための
各塗料の塗布を行う。
【0015】本発明による磁気記録媒体の製造装置は、
図2にその基本的構成を模式的に示すように、磁性膜が
形成された長尺フィルム状の非磁性支持体を供給する支
持体供給部21と、この供給部21から非磁性支持体を
送り出す送り出し装置22と、塗料の塗布装置23と、
これによって塗布された塗膜の膜厚を、塗布直後に測定
する膜厚測定装置24と、乾燥装置25と、これよりの
非磁性支持体の送り出し装置26と、この塗膜の形成さ
れた非磁性支持体を巻き取る巻取り部27と、各部の動
作制御を行う制御装置28と、膜厚測定装置24からの
測定情報や、制御装置28からの各部の動作状況による
塗布情報を受け、これに基いて塗布装置23や、制御装
置28に、膜厚制御、膜厚情報等を送って、塗布量の制
御、各部の駆動制御を行う膜厚制御装置29とを有して
成る。
【0016】膜厚測定装置24は、図3にその一例の概
略構成図を示すように、膜厚の測定がなされるべき被膜
厚測定塗膜31、図示の例では非磁性支持体1上に形成
された磁性膜2上に塗布された例えば防錆剤層を被膜厚
測定塗膜31とした状態を示している。この膜厚測定が
なされる塗膜が形成された非磁性支持体1は、検査ステ
ージ30例えばガイドロール上を移行するようになされ
る。
【0017】この膜厚測定装置は、被膜厚測定塗膜31
に、所要の波長範囲を有する光32を上照射する光照射
装置33を有する。また、この照射光32の、塗膜31
の表面からの反射光34aと塗膜31を透過してこの塗
膜31の裏面、すなわちこの例では磁性膜2との界面か
ら反射する反射光34bとの干渉波を分光して分光反射
率もしくは分光透過率を検出する分光光度計35を有す
る。更に、この分光光度計35による分光波の所定の波
長範囲内に現れる分光情報のピーク波長から、塗膜31
の膜厚を演算測定する演算装置36とを有する。演算測
定された膜厚情報は、例えばデータ処理装置37に送ら
れ、データ処理がなされて、被測定塗膜31を塗布する
塗布装置23の膜厚制御装置29に送られ、膜厚の調整
がなされる。
【0018】光照射装置33は、例えば波長300nm
から1100nmの波長範囲の光を発生する光源38を
有し、これによる光を例えば石英ファイバによる光ファ
イバ等の導光体39を通じて、センサヘッド40に導
き、このセンサヘッド40によって被膜厚測定塗膜31
に対する光照射を行う。導光体39は、例えばその照射
光32をその周囲部で導光してセンサヘッド40から放
出し、反射光34aおよび34bを中心部で入射するよ
うになされている。
【0019】分光光度計35は、例えばスリット41、
シャッタ42、シャッタ41の駆動回路43、分光器4
4、例えば512個〜2048個の受光素子が配列され
て成る自己走査型受光装置、例えば電荷転送型受光素子
CCD(チャージカプルドデバイス)あるいはフォトダ
イオードアレイ等より成る受光装置45、その駆動回路
46および冷却器47、増幅器48、アナログ・デジタ
ル変換回路(A/D回路)49、マルチ入出力回路5
0、CPU(中央処理装置)51等を有して成る。
【0020】また、データ処理装置37は、例えばCP
U52、RAM(ランダムアクセスメモリ)53、RO
M(リードオンリメモリ)54、CD(コンパクトディ
スク)の駆動部55、FD(フロッピディスク)の駆動
部56、ハードディスクその他の駆動部57、表示装置
の例えばCRT(陰極線管)58、キーボード59、プ
リンタ60等が設けられて成る。
【0021】そして、被膜厚測定塗膜31の膜厚の測定
は、光源38からの300nm〜1100nmの光を、
導光体39を通じてセンサヘッド40から塗膜31に照
射する。この照射された照射光32は、塗膜31の表面
で一部反射され、一部は塗膜31を透過してその裏面側
(この例では磁性膜2との界面)で反射されて反射光3
4aおよび34bが得られる。これら反射光は、導光体
39を通じてスリット41に導かれ、例えばライン状の
スポットとされる。シャッタ42は、例えば常開のシャ
ッタ構成とするが、駆動回路43による駆動によって、
例えば測定開始において、閉塞し、受光装置45等の暗
電流補正がなされる。この補正を行って後、シャッタ4
2が開放され、スリット41からのライン状に配列され
たスポットを分光器14に導入し、波長300nm〜1
100nmの範囲で分光を行う。この分光された光を受
光装置45に導入し、駆動回路46によって動作する、
すなわち例えば駆動回路46によるクロック信号等の印
加によって受光装置45を動作させ、その出力を増幅器
48によって増幅し、このアナログ信号をA/D回路4
9によってデジタル信号に変換してマルチ入出回路50
に導入し、CPU51によって、所定の演算を行って膜
厚情報を得る。駆動回路43および46の動作は、CP
U51からの指令によってなされる。
【0022】そして、この膜厚情報は、データ処理装置
37に送られ、CPU52によって例えば塗布装置によ
る塗料の塗布量等の制御を行う図2で示した膜厚制御装
置29に入力される。また、例えばCRT等の表示装置
すなわちモニタ装置58による表示を行うとか、記録等
がなされる。また、各種周辺機器からの入出力処理を行
うようにすることもできる。
【0023】上述した被膜厚測定塗膜31の膜厚の測定
は、先ずリファレンスデータを得る。このリファレンス
データは、図示しないが、塗膜31が形成されていない
試料に対して光源38からの300nm〜1100nm
の光を、導光体39を通じてセンサヘッド40から照射
し、その反射光を、分光光度計33に導入し、分光し、
分光スペクトルを観測し、光量を手動で、あるいは自動
調整装置を設けることによって例えば70%以上の分光
反射率が観測できるように調整する。そして、このよう
にして得た分光スペクトルの情報は、後述する被膜厚測
定塗膜31の演算に使用するリファレンスデータとし
て、CPU51に保存され、演算に用いられる。
【0024】すなわち、このときの各波長で得られた反
射強度を、この後得られる反射スペクトルから減算する
ような処理を行う。例えば、塗膜の形成前の磁性膜2の
異なるポイントを計測した際に得られた反射スペクトル
が、リファレンスデータと全く同じ波形であった場合、
減算後のデータは、各波長に渡り直線となり、その反射
強度は100%として表す。
【0025】そして、磁性膜2上に被膜厚測定塗膜31
に、上述した照射光32を照射し、上述した反射光34
aおよび34bによって生じる干渉スペクトルを、分光
光度計35で観測する。このとき観測される干渉スペク
トルデータは、ピークと谷とが交互に現れる波形とな
る。このピークと谷からできた干渉スペクトルは、30
0nm〜1100nmに渡り観測できるが、演算として
有効である範囲を、例えば400nm〜800nmの可
視領域と設定して演算する。そして、この干渉スペクト
ルデータから、ピーク波長、谷の波長を演算装置36に
よって演算し、被膜厚測定塗膜31の屈折率nと共に膜
厚を演算する。そしてこの演算によるデータ処理装置3
7によって処理され、例えばCRT58によってモニタ
されるとか、プリンタ60によってデータプリントがな
される。
【0026】次に、分光波形から光学的膜厚dを求める
原理を簡単に説明する。いま、図5に示すような、外囲
雰囲気層の屈折率がn0 で、それぞれ屈折率nおよびn
S を有する第1および第2の材料層71および72の積
層構造に対して入射角φをもって入射光73を入射させ
たモデルについてみる(但し、n0 ≠n≠nS )。この
場合、第1の材料層71の表面、すなわち屈折率n0
nとによる第1の界面74で反射した第1の反射光75
と、第1および第2の材料層71および72の界面、す
なわち屈折率nとnS とによる第2の界面76で反射し
た第2の反射光77が生じる。
【0027】この場合、第1および第2の界面74およ
び76からのそれぞれ振幅反射率をそれぞれr1 および
2 とすると、これら3層系から成る振幅反射率r
T は、(数1)となる。
【0028】
【数1】
【0029】この3層系からの絶対反射率Rは、第1の
材料層71が透明(消光係数k=0)であるならば、反
射係数の絶対値の2乗を計算することにより求まる。
【0030】ところで、上記(1)式におけるβは、干
渉位相角で、下記(2)式で表すことができる。 β=2π(d/λ)n・cosφ ・・・(2) (dは、被測定薄膜、すなわち第1の材料層71の膜
厚、λは入射光の波長) ここで、入射角φ=0の垂直入射では、下記(3)式と
なる。 β=2π(d/λ)n ・・・(3)
【0031】このような、測定された絶対反射率Rのス
ペクトルに対して、上記(3)式の膜厚dの最適値を演
算することにより膜厚を計算する。尚、原理上、多層膜
でも可能である。上述した3層系の形をとり、被測定薄
膜(第1の材料層71)が透明である場合において、入
射角φ=0°の垂直入射モデルとしたときの膜厚をdと
し、上述の3層の屈折率を、n0 >n>nS とする場合
について考察する。第1の材料層71での波長λ’は、
雰囲気中の波長をλとすると、 λ’=λ/n ・・・(4) となる。
【0032】そして、上述したように各界面74および
76の反射光の光路差=2dに対応する位相差βを求め
ると、(位相差/2π)=(光路差/λ)より、 β=(2π・2d・n)/λ =4π・n・d ・・・(5) ここで、光は疎な媒質を進行してきて、密な媒質との境
界面で反射を受けたとき、位相がπ変化する。これを考
慮すると、 β={(4nd/λ)+1}π ・・・(6) この位相差2πの整数倍のとき、光は強め合う。すなわ
ち光強度がピークを示す。すなわち、 β={(4nd/λ)+1}π=2πm ・・・(7) (mは、1,2,3・・・)
【0033】上記(7)式と、隣り合う2つの光強度ピ
ークを持つ波長λ1 ,λ2 (λ2 >λ1 )よりdを求め
るためには、 4nd/λ1 =2m+1 4nd/λ2 =2(m+1)+1 から、 {4nd(λ2 −λ1 )}/(λ2 ・λ1 )=2 ・・・(8) であり、膜厚dは、 d=λ2 ・λ1 /2n(λ2 −λ1 ) ・・・(9) となる。つまり、この(9)式の演算によって膜厚dを
算出することができる。
【0034】図4は、上述した本発明装置における膜厚
測定装置によって透明体を計測した干渉スペクトルであ
る。この場合、磁性膜2を蒸着した基板上に形成したポ
リエチレンテレフタレートを計測した場合である。この
場合の膜厚量の干渉から求められた数値は、5.326
μmであり、マイクロメータによる実測値は、5.49
0μmであった。この場合のセンサーヘッド40の設置
条件は、ヘッド40と被測定膜との距離が5mmとし、
照射光スポット径は3mm、屈折率が1.472、入射
角度を0°(垂直入射)とした。
【0035】次に、本発明による磁気記録媒体の製造装
置の一実施形態の一例を、図6の構成図を参照して説明
する。この例では、図1で示した構成による磁気記録媒
体、すなわち非磁性支持体1の一方の面に磁性膜2が形
成され、この磁性膜2上に防錆剤層3が塗布され、この
上に潤滑剤層4が塗布され、非磁性支持体1の他方の面
にバックコート層5が塗布され、この上に潤滑剤層4が
塗布された構成による磁気記録媒体を製造する場合の製
造装置の例である。
【0036】この例では、一方の面に磁性膜が形成され
た長尺フィルム状の非磁性支持体1が、順次それぞれガ
イドロールによって案内されて、この磁性膜が形成され
た非磁性支持体1が巻回されたロールを有する支持体供
給部21から、例えばニップロール80を有する有する
送り出し装置22によって送り出されて、バックコート
剤の塗布装置(以下第1の塗布装置)231、その塗膜
の膜厚測定装置(第1の膜厚測定装置)241、第1の
乾燥装置(ドライヤ)251、第1の表裏反転機構9
1、防錆剤の塗布装置(第2の塗布装置)232、その
塗膜の膜厚測定装置(第2の膜厚測定装置)242、第
2の乾燥装置(ドライヤ)252、第2の表裏反転機構
92、バックコート層上に潤滑剤を塗布する塗布装置
(第3の塗布装置)233、第3の乾燥装置(ドライ
ヤ)253、第3の表裏反転機構93、防錆剤層上に潤
滑剤を塗布する塗布装置(第4の塗布装置)234、第
4の(乾燥装置(ドライヤ)254を通過して、同様に
例えばニップロール90を有する送り出し装置26によ
り、巻取り部27に巻き取られるようになされる。第1
〜第3の表裏反転機構91〜93は、それぞれ、長尺フ
ィルムを表裏反転する構成を有する周知の表裏反転機構
を用いることができる。
【0037】また、第1〜第4の塗布装置231〜23
4は、それぞれ周知の構成による、すなわち例えばグラ
ビア法による塗布装置、リバース法による塗布装置、あ
るいはダイ塗工法による塗布装置等を用いることができ
る。
【0038】第1〜第4の膜厚測定装置は、図3で説明
した構成による測定装置を用いることができ、この測定
結果によって、それぞれ第1〜第4の塗布装置における
例えば塗布剤の供給量を制御する膜厚制御装置に入力
し、これによって塗布厚の制御を行って所定の膜厚に設
定する。
【0039】上述の磁気記録媒体の製造装置によって、
バックコートの塗布、防錆剤の塗布、潤滑剤の塗布がな
される。すなわち、支持体供給部21から一方の面に磁
性膜が形成された非磁性支持体1が繰り出されれて第1
の塗布装置231に送り込まれ、此処で、塗布装置23
1の例えばストレージタンク231Tからのバックコー
ト剤が、支持体1の磁性膜を有する面とは反対側(裏面
側という)に塗布される。このバックコート剤が塗布さ
れた支持体1は、第1のドライヤ251に導かれ、乾燥
されて、図1で示すバックコート層5が形成される。
【0040】このようにしてバックコート層5が塗布さ
れた支持体1は、第1の塗布装置231に送り込まれ、
此処で、塗布装置231の例えばストレージタンク23
2Tからの防錆剤が、支持体1の磁性膜を有する面側
(表面側という)に塗布され、その直後において、第1
の膜厚測定装置241によって防錆剤の塗布厚の測定が
なされる。この測定に基いて直ちに塗布装置232によ
る塗布量の制御がなされ、所定の厚さをもって防錆剤が
塗布された支持体1は、第2のドライヤ252に導か
れ、乾燥されて、図1で示す磁性膜2上の防錆剤3の塗
布がなされる。
【0041】更に、支持体1は、第3の塗布装置233
に送り込まれ、此処で、塗布装置233の例えばストレ
ージタンク233Tからの潤滑剤が、支持体1の裏面側
に塗布され、その直後において、第2の膜厚測定装置2
42によって潤滑剤の塗布厚の測定がなされる。この測
定に基いて直ちに塗布装置233による塗布量の制御が
なされ、所定の厚さをもって潤滑剤が塗布された支持体
1は、第3のドライヤ253に導かれ、乾燥されて、図
1で示すバックコート層5上の潤滑剤層4の形成がなさ
れる。
【0042】更に、支持体1は、第4の塗布装置234
に送り込まれ、此処で、塗布装置234の例えばストレ
ージタンク234Tからの潤滑剤が、支持体1の磁性膜
を有する表面側に塗布され、その直後において、第3の
膜厚測定装置243によって防錆剤の塗布厚の測定がな
される。この測定に基いて直ちに塗布装置234による
塗布量の制御がなされ、所定の厚さをもって潤滑剤が塗
布された支持体1は、第1のドライヤ254に導かれ、
乾燥されて、図1で示す磁性膜2上の防錆剤3上に潤滑
剤層4の塗布がなされる。これら塗布がなされた支持体
1は巻取り部27に巻き取られる。このようにして、図
1で示した磁気記録媒体の製造がなされる。
【0043】この磁気記録媒体を構成する非磁性支持体
1は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリエチレンナフタレート(PEN)のフィルムによっ
て構成することができる。磁性膜2は、Co,Ni,F
eの磁性金属、これら1種以上の合金例えばCo−Ni
合金の酸素雰囲気中での斜め蒸着によって形成すること
ができる。尚、この例えばCo−Ni合金による磁性膜
2上には、この磁性膜の特性改善、例えば耐久性を向上
させるDLC(ダイヤモンドライクカーボン)による非
磁性膜を形成することもできる。また、磁性膜2として
は、塗布型の磁性膜、すなわち磁性粉と結合剤とを分散
して成る磁性膜によって構成することもできる。
【0044】上述の塗布厚の測定の対象となる塗料、す
なわち上述した例では、防錆剤、潤滑剤は共に、測定波
長に対して、少なくともその裏面からの反射光を取出し
得る光透過性を有する塗料もしくは塗布厚を有するもの
である。
【0045】防錆剤は、芳香族ヒドロキシ化合物系の防
錆剤を用いることができる。また、潤滑剤としては、フ
ッ素系潤滑剤、例えばパーフルオロポリエーテル系の潤
滑剤を例えばアルコール類等の溶媒に混合して塗布する
ことができる。また、潤滑剤は、上述したフッ素系に限
られるものではなく、脂肪酸系を用いることもできる。
しかし、上述したパーフルオロポリエーテル系を用いる
ことが好ましい。また、潤滑材の溶媒としては、トルエ
ン等の芳香族炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒、ケト
ン系溶媒、フッ素系不活性溶媒等の溶媒に溶解させた溶
液として用いるこが好ましい。
【0046】図7は、潤滑剤層を有する磁気記録媒体の
複数試料について、その塗布厚を上述した本発明方法お
よび装置における膜厚測定よって測定した膜厚〔μm〕
(縦軸)と、従来の方法によるフッ素強度面積値(cp
s)による測定(横軸)とをプロットしたものであり、
両者には、図7に直線をもって示すように、比例関係が
ある。この場合、潤滑剤濃度は、0.5重量%とし、溶
媒はトルエンとした。この場合の屈折率は、1.495
を使用した。
【0047】また、図8は、防錆剤層を有する磁気記録
媒体の複数試料について、その塗布厚を上述した本発明
方法および装置における膜厚測定よって測定した膜厚
〔μm〕(縦軸)と、従来のFT−IR(フーリエ変換
赤外線分光計)値(横軸)との関係をプロットしたもの
であり、この場合においても、両者には、図8に直線を
もって示すように、比例関係がある。この場合、防錆剤
濃度は、1.0重量%とし、溶媒はエタノールとした。
この場合の屈折率は、1.361を使用した。
【0048】図7、および図8から分かるように、潤滑
剤、防錆剤の濃度を一定としたときにおいては、これら
の塗布膜厚の変化に応じて乾燥後のフッ素強度面積値、
FT−IR値も同様に変化する。したがって、この乾燥
後の膜厚と、塗料の塗布状態の溶媒が乾燥されていない
状態での本発明による膜厚との関係の情報を、データベ
ースとして、演算装置36におけるCPU51にメモリ
し、これに基いて目的とする塗膜を得る塗料の塗布膜厚
を算出して塗布装置の制御を行うことができる。
【0049】上述の本発明方法および装置によれば、塗
布装置近傍に膜厚測定装置24を設置できることから、
塗布膜厚をリアルタイムに計測して、塗布量調整へのフ
ィードバックを迅速に行うことができることから、確実
に目的とするサンプリング作業を行うことができる。
【0050】尚、本発明方法および装置は、上述した例
に限定されるものではなく、種々の変形、変更が可能で
あり、例えば図3においては1系統の導光体39による
計測態様とした場合であるが、多数の導光体を用いるこ
とによって多点計測を行う構成とするとか、膜厚測定装
置を、塗布装置の前後にそれぞれ配置することによって
サンプリング毎にリファレンス−塗布計測を行うことも
できる。
【0051】また、上述したように潤滑剤としてフッ素
系の潤滑剤を用いることにより、ESCA測定において
光電子の透過が可能となるが、そのほか例えば窒化ホウ
素(BN)等の透明潤滑剤を用いることができる。防錆
剤についても、芳香族ヒドロキシ化合物系の防錆剤に限
定されるものでなく光透過性の各種防錆剤を用いること
ができる。また、これら材料において、幾分の光吸収が
生じる場合においても、この吸収係数を予め測定して置
きこれを補正することで膜厚測定を行うことができる。
【0052】防錆剤は、芳香族ヒドロキシ化合物として
は、フェノール、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノ
ン、オルシン、ウルシオール、ピロカロール、フロログ
ルシン、ヒドロキシヒドロキノン、ビスフェノールA、
ナフトール、ナフタレンジオール、ビナフトール、アン
トロール、アントラヒドロキノン類やこれら変成品があ
げられるが、特に、カテコール、ナフタレンジオールの
少なくともいずれかが好適である。例えばナフタレンジ
オール(もしくは、カテコール)とプロパギルアルコー
ルとを、それぞれエタノールに溶解させた溶液を塗布す
る事などで行われている。
【0053】また、潤滑剤は、パーフルオロポリエーテ
ル系としては、FOMBLIN、ZO3、Z15、AM
2001、ZDOL、ZDEAL、ZDIAC、ZDI
SOC(いずれも商品名、MONTE FLUOS社
製)、KRYTOX(商品名、DUPONT DE N
EMOUR&COMPANY社製)、KRYTOX誘導
体およびDEMNUM(商品名、ダイキン工業社製)、
並びにこれらの混合物などを溶質とする塗料を用いるこ
とができる。また、カルボン酸パーフルオロアルキルエ
ステル誘導体を含む潤滑剤を用いることもできる(特公
平7−14896号公報参照)。その他、潤滑剤として
は、脂肪酸またはその金属塩、脂肪酸アミド、脂肪酸エ
ステル、脂肪族アルコールまたはそのアルコキシド、脂
肪族アミン、多価アルコール、ソルビンタンエステル、
マンニッタンエステル、硫黄化脂肪酸、脂肪族メルカプ
タン、変性シリコーンオイル、パーフルオロアルキルエ
チレンオキシド、パーフルオロポリエーテル類、高級ア
ルキルスルホン酸またはその金属塩、パーフルオロアル
キルスルホン酸またはそのアンモニウム塩あるいはその
金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸またはその金
属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸エステル等があ
げられる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、短時間で膜厚を、測定
することができるものであり、したがって、塗膜の塗布
厚をリアルタイムに測定しつつ塗膜形成の塗布量の制御
を行うことができるので、塗膜を、必要充分な所定厚に
形成することができ、これにより、適正な潤滑剤層、防
錆剤等の形成が可能となり、スティックスリップの回
避、磁性膜の保護を確実に行うことができ、信頼性が高
く、長寿命の磁気記録媒体を歩留り良く製造することが
できる。また、従来におけるように、各塗膜について、
成膜後に膜厚測定のサンプル作成を必要とすることがな
く、量産性の向上、また測定者による測定ばらつきの発
生を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気記録媒体の製造方法および磁
気記録媒体の製造装置によって構成する磁気記録媒体の
一例の概略断面図である。
【図2】本発明による磁気記録媒体の製造装置構成図で
ある。
【図3】本発明による磁気記録媒体の製造装置の膜厚測
定装置の一例の構成図である。
【図4】本発明の説明に供する干渉スペクトル図であ
る。
【図5】本発明における膜厚測定の演算の説明に供する
光路図である。
【図6】本発明による磁気記録媒体の製造装置の一例の
概略構成図である。
【図7】本発明方法による膜厚測定値と、従来のESC
Aフッ素強度面積値との関係を示す図である。
【図8】本発明方法による膜厚測定値と、従来のFT−
IR膜厚値との関係を示す図である。
【符号の説明】
1・・・非磁性支持体、2・・・磁性膜、3・・・防錆
剤、4・・・潤滑剤、21・・・支持体供給部、22,
26・・・送り出し装置、23・・・塗布装置、24・
・・膜厚測定装置、25・・・乾燥装置、27・・・巻
取り部、28・・・各部の制御装置、29・・・膜厚制
御装置、30・・・検査ステージ、31・・・被膜厚測
定塗膜、32・・・照射光、33・・・光照射装置34
a,34b・・・反射光、35・・・分光光度計、36
・・・演算装置、37・・・データ処理装置、38・・
・光源、39・・・導光体、40・・・センサヘッド、
41・・・スリット、42・・・シャッタ、43・・・
駆動回路、44・・・分光器、45・・・受光装置、4
6・・・駆動回路、47・・・冷却器、48・・・増幅
器、49・・・アナログ・デジタル変換回路、50・・
・マルチ入出力回路、51・・・CPU、52・・・C
PU、53・・・RAM、54・・・ROM、55・・
・CD駆動部、56・・・FD駆動部、57・・・ハー
ドディスク等の駆動部、58・・・表示装置、59・・
・キーボード、60・・・プリンタ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年5月21日(2001.5.2
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】すなわち、このときの各波長で得られた反
射強度を、この後得られる反射スペクトルから除算する
ような処理を行う。例えば、塗膜の形成前の磁性膜2の
異なるポイントを計測した際に得られた反射スペクトル
が、リファレンスデータと全く同じ波形であった場合、
除算後のデータは、各波長に渡り直線となり、その反射
強度は100%として表す。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】そして、上述したように各界面74および
76の反射光の光路差=2dに対応する位相差βを求め
ると、(位相差/2π)=(光路差/λ)より、 β=(2π・2d・n)/λ =4π・n・d/λ ・・・(5) ここで、光は疎な媒質を進行してきて、密な媒質との境
界面で反射を受けたとき、位相がπ変化する。これを考
慮すると、 β={(4nd/λ)+1}π ・・・(6) この位相差2πの整数倍のとき、光は強め合う。すなわ
ち光強度がピークを示す。すなわち、 β={(4nd/λ)+1}π=2πm ・・・(7) (mは、1,2,3・・・)

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性膜が形成された非磁性支持体に、塗
    料の塗布がなされる磁気記録媒体の製造方法にあって、 上記塗料の塗布が、該塗料の塗布直後の塗膜の膜厚を測
    定し、該膜厚測定情報に基づく塗布量の制御を行いつつ
    なされ、 上記塗膜の測定は、所要の波長範囲を有する光を上記塗
    膜に照射し、該光の上記塗膜表面からの反射光と上記塗
    膜を透過して該塗膜の裏面から反射する反射光との干渉
    波を分光して分光反射率もしくは分光透過率を検出した
    分光情報を得、上記分光波の所定の波長範囲内に現れる
    分光情報のピーク波長を求めることにより上記塗膜の膜
    厚を演算して求め、 該膜厚測定に基づいて上記塗布量の制御を行って、所定
    の膜厚塗布を行うことを特徴とする磁気記録媒体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 上記塗膜の膜厚を求める演算は、上記分
    光情報の隣り合うピーク波長を、λ1 ,λ2 とし、上記
    塗膜の屈折率をnとするとき、上記塗膜の膜厚dを、 d=λ2 ・λ1 /2n(λ2 −λ1 ) の演算によって算出することを特徴とする請求項1に記
    載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記塗膜が、潤滑剤層であることを特徴
    とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記塗膜が、防錆剤層であることを特徴
    とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記潤滑剤層が、フッ素系の潤滑剤層で
    あることを特徴とする請求項3に記載の磁気記録媒体の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 上記防錆剤層が、芳香族ヒドロキシ化合
    物系防錆剤によることを特徴とする請求項4に記載の磁
    気記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記磁性膜が、金属蒸着磁性膜であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 上記磁性膜が、酸素雰囲気中で蒸着した
    Co−Ni合金磁性膜であることを特徴とする請求項1
    に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記磁性膜が、磁性塗料が塗布されてな
    る磁性膜であることを特徴とする請求項1に記載の磁気
    記録媒体の製造方法。
  10. 【請求項10】 磁性膜が形成された非磁性支持体上に
    塗膜を形成して磁気記録媒体を製造する磁気記録媒体の
    製造装置であって、 上記塗膜塗料の塗布装置と、 上記塗膜の膜厚を測定する膜厚測定装置と、 該膜厚測定装置による膜厚測定情報に基いて上記塗布装
    置を制御する膜厚制御装置とを有し、 上記膜厚測定装置は、所要の波長範囲を有する光を上記
    塗膜に照射する光照射装置を有し、 膜厚制御装置は、上記照射光の上記塗膜表面からの反射
    光と上記塗膜を透過して該塗膜の裏面から反射する反射
    光との干渉波を分光して分光反射率もしくは分光透過率
    を検出する分光光度計と、該分光光度計による上記分光
    波の所定の波長範囲内に現れる分光情報のピーク波長か
    ら、上記塗膜の膜厚を演算測定する演算装置とを有して
    成り、 該演算測定された膜厚情報によって少なくとも上記塗布
    装置を制御して上記塗料の塗膜の膜厚が所定の膜厚とな
    るように制御するようにしたことを特徴とする磁気記録
    媒体の製造装置。
  11. 【請求項11】 上記塗膜の膜厚の演算装置は、上記分
    光情報の隣り合うピーク波長を、λ1 ,λ2 とし、上記
    塗膜の屈折率をnとすとき、上記塗膜の膜厚dを、 d=λ2 ・λ1 /2n(λ2 −λ1 ) の演算によって算出することを特徴とする請求項10に
    記載の磁気記録媒体の製造装置。
  12. 【請求項12】 上記塗膜が潤滑剤層であることを特徴
    とする請求項10に記載の磁気記録媒体の製造装置。
  13. 【請求項13】 上記塗膜が防錆剤層であることを特徴
    とする請求項10に記載の磁気記録媒体の製造装置。
  14. 【請求項14】 上記潤滑剤層が、フッ素系の潤滑剤層
    であることを特徴とする請求項12に記載の磁気記録媒
    体の製造装置。
  15. 【請求項15】 上記防錆剤層が、芳香族ヒドロキシ化
    合物系防錆剤によることを特徴とする請求項13に記載
    の磁気記録媒体の製造装置。
  16. 【請求項16】 上記磁性膜が、金属蒸着磁性膜である
    ことを特徴とする請求項10に記載の磁気記録媒体の製
    造装置。
  17. 【請求項17】 上記磁性膜が、酸素雰囲気中で蒸着し
    たCo−Ni合金磁性膜であることを特徴とする請求項
    10に記載の磁気記録媒体の製造装置。
  18. 【請求項18】 上記磁性膜が、磁性塗料が塗布されて
    なる磁性膜であることを特徴とする請求項10に記載の
    磁気記録媒体の製造装置。
JP2000183391A 2000-06-19 2000-06-19 磁気記録媒体の製造方法および磁気記録媒体の製造装置 Pending JP2002008225A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000183391A JP2002008225A (ja) 2000-06-19 2000-06-19 磁気記録媒体の製造方法および磁気記録媒体の製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000183391A JP2002008225A (ja) 2000-06-19 2000-06-19 磁気記録媒体の製造方法および磁気記録媒体の製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002008225A true JP2002008225A (ja) 2002-01-11

Family

ID=18683983

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000183391A Pending JP2002008225A (ja) 2000-06-19 2000-06-19 磁気記録媒体の製造方法および磁気記録媒体の製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002008225A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006226804A (ja) * 2005-02-17 2006-08-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd フラットディスプレイパネルの検査方法
WO2011066966A1 (de) 2009-12-04 2011-06-09 Kolektor Group D.O.O. Verfahren zur herstellung eines plankommutators sowie plankommutator

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006226804A (ja) * 2005-02-17 2006-08-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd フラットディスプレイパネルの検査方法
WO2011066966A1 (de) 2009-12-04 2011-06-09 Kolektor Group D.O.O. Verfahren zur herstellung eines plankommutators sowie plankommutator

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Guo et al. A multi-beam intensity-based approach for lubricant film measurements in non-conformal contacts
US6091485A (en) Method and apparatus for optically determining physical parameters of underlayers
RU2354930C2 (ru) Способ измерения толщины оптического диска
US5457534A (en) Method and apparatus to calibrate intensity and determine fringe order for interferometric measurement of small spacings
Mate et al. New methodologies for measuring film thickness, coverage, and topography
JP5337578B2 (ja) 微細凹凸パターンの欠陥判定方法、および、パターンドメディアの欠陥判定方法
US6518572B1 (en) Infrared microscopic spectrum analysis apparatus and method for analysis of recording media using the same
JP2002008225A (ja) 磁気記録媒体の製造方法および磁気記録媒体の製造装置
JPH09106218A (ja) 電子写真感光体の評価装置および評価方法、電子写真感光体の製造装置および製造方法
US20020018214A1 (en) Method and apparatus for measuring flying height of the slider and in-situ monitoring a slider-disk interface
CN111373244A (zh) 确定透明膜上的涂层性质的方法和装置以及制造电容器膜的方法
JP2012073073A (ja) パターン形状欠陥検査方法及びその装置
de Groot et al. Determining the optical constants of read-write sliders during flying-height testing
JP2003085741A (ja) 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置
JP6023485B2 (ja) 光学特性測定システムおよび光学特性測定方法
Goldade et al. Tape edge study in a linear tape drive with single-flanged guides
JP4773325B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法および評価方法
JP3389115B2 (ja) 積層構造検査法とx線反射率装置
Rueda et al. Characterization of gold films by surface plasmon spectroscopy: Large errors and small consequences
WO2010097880A1 (ja) Duv-uv帯域の分光光学系およびそれを用いた分光測定装置
JP2018004534A (ja) 膜厚分布測定方法、膜厚分布測定装置および膜厚分布測定プログラム
Wachulak et al. 2-D nanometer thickness mapping applying a reduced bias soft X-ray NEXAFS approach
US6804010B1 (en) Optical coating thickness optimization for fly height test media
JP2000207736A (ja) カ―ボン保護膜の膜厚測定方法
Fukuzawa et al. Measurement of thickness distribution of molecularly thin lubricant films on head sliders using ellipsometric microscopy