JP2002007054A - 電磁結合マウス装置 - Google Patents

電磁結合マウス装置

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JP2002007054A
JP2002007054A JP2000230001A JP2000230001A JP2002007054A JP 2002007054 A JP2002007054 A JP 2002007054A JP 2000230001 A JP2000230001 A JP 2000230001A JP 2000230001 A JP2000230001 A JP 2000230001A JP 2002007054 A JP2002007054 A JP 2002007054A
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mouse
coil
grid
circuit
grid coil
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Heihachi Shimono
兵八 下野
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BAITEKKUSU KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】コードレス、電池レス、ボールレスの操作性の
良いマウスを提供する。 【解決手段】コンピュータマウスに搭載された高周波共
振回路とマウスパッド2に装備したグリッドコイルの間
の電磁結合がマウス1の位置によって変化するときに、
グリッドコイルのインピーダンスが変化する現象を利用
する事により、マウス1の相対移動量を検知する事。並
びにマウス共振回路の自励発振をマウスパッド2で受信
する手段と、マウスボタンの種類で自励発振周波数を変
化させる手段によって、マウスボタン情報をマウスパッ
ド2に伝える事。この2手段からボールレス・電池レス
・コードレスマウスを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンピュータのポイ
ンティングデバイスとして使用されるコンピュータマウ
スやデジタイザ、タブレットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンピュータには、人間の指令をコンピ
ュータに伝えるためにコンピュータマウスやデジタイザ
・タブレットが使われている。現在最も普及している同
マウスはコンピュータとマウスをケーブルでつないだロ
ータリーエンコーダ式のもので、コンピュータにマウス
の相対移動量とマウスボタン情報を送出するものであ
る。一方デジタイザ・タブレットはタブレットに固定し
た絶対座標とタブレットに付随するデジタイザマウスの
ボタン情報を送出する。コンピュータエイドデザイン
(CAD)の初期の頃はコンピュータに図面などを入力
するのにデジタイザ・タブレットが多用されていたが、
最近ではCADでさえ相対移動量を送出するコンピュー
タマウスがよく使用されるようになった。理由として従
来からマウスが使用されていたパーソナルコンピュータ
の急速な性能向上が行われ、大抵のCADソフトがパー
ソナルコンピュータ上で運用出来るようになったことが
一因と考えられる。ロータリーエンコーダを利用するコ
ンピュータマウスはその原理からしてマウスの相対移動
量しか検出できないが、デジタイザ・タブレットは開発
の当初からタブレット上の絶対座標を検出できる事を目
的として設計されたものである。この絶対座標検出手段
として多くの種類のデジタイザ・タブレットはタブレッ
トに固定したグリッドコイルとデジタイザマウスの間の
電磁結合方式を採用している。そしてグリッドコイルの
任意の格子点の座標を検出できるようにマルチプレクサ
を用いてグリッドコイル一つ一つを番地付けしている。
そこで従来方式のデジタイザ・タブレットの技術手段を
調べて見れば図16と図17がその代表例としてあげら
れる。アメリカ特許番号5,706,028による図1
6はマウスと電磁結合するグリッドコイルのアドレスを
検出する方法として、高周波信号源をマルチプレクサで
グリッドコイルの一つ一つを切り替えながら供給するの
に引き続き、グリッドコイルからの応答を検出するため
に高周波信号源と高周波受信回路との切り替えを実行し
ている。 特開平5−143224による図17はグリ
ッドコイルに乗るコモンモードノイズを軽減する方策と
して一つのグリッドコイルを差動的に動作させるコイル
対としたものであり、これらコイル対は同じくマルチプ
レクサに接続されて、一つ一つのコイル対が番地付けさ
れる意味では図16ど同じである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述したごとく、最近
では多くの高級なCADソフトでも相対位置検出型のコ
ンピュータマウスで操作出来るようになった。しかし従
来のこの種のマウスは圧倒的にロータリーエンコーダに
よるものであり、マウスボールが使用されている。この
方式のものは新品の内は満足に動作するが、マウスボー
ルが卓上のゴミを巻きこむことにより、ボールと卓上間
やボールとフォトインターラプター間のスリップや逆回
転に伴うバックラッシュのために、日を追って使い難く
なってくる。
【0004】またこのマウスとコンピュータをつなぐマ
ウスコードはマウスが絶えず動くことを考慮して屈曲に
よる断線が起こらないように比較的太いコードが使われ
ている。この為マウスの操作上極めて煩わしいものとな
っている。
【0005】この問題を解決する手段として、最近コー
ドレスマウスが市場に出回るようになってきた。コード
レスマウスはマウス操作上極めて使い勝手がよいもので
はあるが、市販されている殆どのコードレスマウスは従
来のロータリーエンコーダ式のものを単にコードレス化
しただけで、マウス本体の電源に電池を搭載しているも
のである。そのため従来のコード付きマウスに比較して
重いと言う批判を受けている。またロータリーエンコー
ダはLEDからの光をフォトインターラプタで通過・遮
断することによってマウス移動量に比例する電気パルス
を作っているが、このLED流す電流が大きいために電
池寿命に不可避的な限界がある。
【0006】マウスボールを使わない方式として最近光
学式のボールレスマウスが市販されるようになった。こ
のことはロータリーエンコーダ式が持っている上述の欠
点をクリアーする利点を持っている。しかし現在のこの
方式のマウスは消費電流がロータリーエンコーダ式に比
べて数倍から10数倍大きいため、コンピュータを商用
電源使用で使用する場合にだけ使用が限定されている。
つまり電池動作中のモバイルパソコンとしては使用困難
であり、また電池駆動によるコードレス化も大変不利で
ある。
【0007】上記した如く、デジタイザ・タブレットに
於いては、タブレット上の絶対座標を検出するためにグ
リッドコイルの一つ一つをマルチプレクサで番地付けし
ているが、これは回路が煩雑になり電気部品点数と製造
工数が多くなる事を意味し、安い価格で市場に供給でき
ない面を持っている。一方多くのデジタイザ・タブレッ
トにおいて、タブレットに敷設したグリッドコイルとタ
ブレットマウス間の電磁結合が弱いために高い信号増幅
度を必要としている。高い信号増幅度を必要とするとコ
モンモード雑音や増幅器雑音が無視できなくなり、回路
の安定性に十分の配慮が必要であった。また現今のコン
ピュータソフトの殆どは相対移動量検出型のコンピュー
タマウスで運用可能であるから、絶対位置検出型のデジ
タイザ・タブレットの必要性は薄らいでいる。
【課題を解決するための手段】本発明の電磁結合マウス
装置は従来のデジタイザ・タブレットが持つボールレス
の機能に修正を加えて従来のロータリーエンコーダ式コ
ンピュータマウスの持つ上記の諸課題を一挙に解決する
ものである。以下にその手段の概略をを述べる。
【0008】第1の手段は、マウスに搭載された共振回
路とマウスパッドに敷設したグリッドコイル間の電磁結
合の度合いによって、グリッドコイルのインピーダンス
が変化することを高周波端子電圧の変化として捉える事
にある。この高周波電圧を検波することにより、マウス
側でなくパッド側でマウスの相対移動量を計測できる。
即ちマウス側での移動量計測機能を省くことが出来る。
一方前記したように、従来のデジタイザ・タブレットは
絶対位置を検出するように考案されたものであるが、本
発明の如く相対移動量だけを検出することに限定すれば
グリッドコイルの一つ一つを番地付けする必要がなくな
り、大幅な電気部品点数の削減と製造工数の削減が可能
となる。
【0009】第2はマウスパッドに敷設するグリッドコ
イルとマウスに搭載する共振回路との電磁結合を強化す
ることによって信号対雑音比を向上させると共に信号増
幅度を低く抑え、回路の安定性を向上させる手段であ
る。
【0010】第3はマウスボタン情報を送出する方法と
して、左・中央・右その他のマウスボタンの一つが押さ
れたとき、それぞれのボタンに対応する周波数を持つ自
励発振をマウス内部で発生させ、これをパッドのグリッ
ドコイルで受信する手段である。
【発明の実施の形態】
【0011】図1は本発明の電磁結合マウス装置の実施
形態を示している。通常のコード付きマウスではマウス
本体の滑りを良くするためとマウスボールのスリップを
防止する目的で受動的なパッドが使用されることが多
い。もちろんマウスはパッドに密着してパッド上を移動
する。本発明のマウス装置は2,3の先例があるとお
り、コンピュータと能動的なマウスパッドがマウスコー
ドで結ばれ、マウスとマウスパッド間はコードフリーと
したものである。本発明では図2に示すようにマウスパ
ッドにグリッドコイルX1,Y1,X2,Y2を敷設
し、グリッドコイルに発生させた高周波電磁界をマウス
1に搭載させた共振回路に結合させる事によってマウス
の移動量とマウスボタン情報を検出するものである。マ
ウスの相対移動量およびボタン情報はパッドに敷設した
グリッドコイルが検出することになる。従ってマウス自
体が相対移動量の検出を行う必要がないためロータリー
エンコーダを必要としない。つまりボールレス化がここ
で達成される。なおボタン情報を伝達には、後述する方
法の如く、マウス側でインパルス的に発生させた自励発
振をパッド側で受信する方法をとるので、マウス側に電
池などのエネルギー源を必要としない。つまりコードフ
リーでありながら電池レスが達成される。
【実施例】
【0012】図2はマウスパッド2に敷設した4種のグ
リッドコイルを示している。コイルX1,X2は図1に
示したパッド座標のX方向のマウス移動量検出に使わ
れ、X1,X2に直交するY1,Y2はY方向の移動量
検出に使われる。X1,X2ないしY1,Y2はそれぞ
れ1/4ピッチずらして敷設されている。これはマウス
の移動方向を検出するための手段である。従来のデジタ
イザ・タブレットの場合は図16ないし図17に示す如
く、個々のグリッドコイルをマルチプレクサに接続し、
個々のグリッドコイルの位置(番地)が検出出来るよう
になっている。しかし本発明の方法では個々のグリッド
コイルは連結され、一個のコイルとなっている。従って
コイルリードの引出線数は僅か8本で済んでいる。
【0013】図3にグリッドコイルX1とマウスの共振
回路との電磁結合の原理図を示した。グリッドコイルX
1は角周波数ωなる高周波定電流源Isで駆動されてい
る。図3中のPはグリッドコイルのピッチ、XoはX座
標起点を意味している。Vはグリッドコイル端子間の高
周波電圧である。コイルLm,コンデンサCoで構成さ
れる共振回路はマウスに搭載されている共振回路を表し
ている。MはX1とLmとの相互インダクタンスを意味
する。共振回路がグリッドコイルと図3のXo起点で重
なっているとき、X1とLmは最大の電磁結合状態とな
る。次にLmがX方向に1/4Pだけずれた時はX1と
Lmの結合は0となる、再び1/4Pだけずれれば、高
周波位相は前回の最大時と逆になるが、結合度は再び最
大となる。この様にマウスの共振回路が1Pずれる内に
2回の最大結合状態と2回の最小結合状態をつ繰り返す
事になる。グリッドコイルX2はX1と1/4Pだけず
れて敷設されているからX2とLmの結合状態はX1に
対して1/4Pだけずれて現れる事になる。またX1,
X2は上記と同様の理由で電磁結合を持たない。図3で
はX方向のグリッドコイルについてだけ述べたが、結合
の様態はグリッドコイルY1,Y2に対しても全く同じ
である。
【0014】図4は図3の等価回路である。ここでL1
はX1に対応し、LmはL2に対応する。R1,R2は
L1,L2の高周波における実効抵抗を意味する。Co
はコンデンサでL2と一体となって共振回路を形成して
いる。MはL1,L2間の相互インダクタンスである。
図3の定電流源はトランジスタQ1に置き換えられてい
る。実際バイポーラトランジスタや電界効果トランジス
タは良好な定電流源として利用できる。そして本例のよ
うに使用する周波数がトランジスタの利得帯域幅積がに
比較して十分に低いときは制御入力電圧Vbに対してコ
レクタ電流はI=gmVbで表現できる。従ってグリッ
ドコイル間高周波電圧VはV=gmZinVbで表すこ
とが出来る。マウスの共振回路とグリッドコイルの結合
によるグリッドコイルのインピーダンスの振る舞いを調
べるには、ます図4のZinを求めることが必要にな
る。Zinは相互インダクタンスMのよってマウスの共
振回路に結合されているから、これを考慮すると次式の
ように求められる。 ここで変数を次のように定義する。 そしてZinの虚数項を0とする事を考えると次の式が
導かれる。 の如く簡単になってこの2次方程式を解き、意味のある
根を求めると、 で表される。m=M/Lであるから、mはマウスの移
動に伴って変化する。そこで最大結合時のmをm
し、次式が成立するように設計するものとする。 そこでグッリドコイルに供給される周波数がωである
とき、Zinは実数となり、Zin=Rin、 Rin
=R+m さい値であるから(mQ) は小さい値となる。
【0015】図5はマウスのX方向の移動に対して高周
波電圧Vがどのように変化するかを示している。電圧V
はマウスの共振回路とパッドのグリッドコイルとの最大
結合時に最小値を示し、最小結合時に最大値を持つ波形
となり、1ピッチ毎に2回の振幅変化を検出することが
出来る。ここでは例えばグリッドコイルX1単独とマウ
スの共振回路が存在する説明となっているが、実際は共
振回路の介在によって例えばY1の信号がX1に伝送さ
れる事が考えられる。このためX1の実際の入力インピ
ーダンスは先に求めた式からずれが起こる。しかし伝送
は相互インダクタンスMが2回介在して発生されるもの
であるから、その影響は極めて小さいものとなる。しか
も伝送による振幅変化は振幅が増大する方向であるか
ら、入力インピーダンスの減少による電圧Vの凹みを幾
分緩和させるだけの作用しか及ぼさない。
【0016】図6は電圧Vを振幅検波し振幅弁別された
パルスを示している。図のV1はグリッドコイルX1か
ら得られた波形、V2はグリッドコイルX2から得られ
た波形を意味し、同コイルが位置的に1/4Pずれてい
ることから、両パルスの間に90°の位相差が発生して
いる。これにより移動の方向性検出が行われるが、これ
は周知の技術であるから説明を省く。
【0017】図7はマウス1がマウスパッド2の表面で
どのように動くかを示したものであるが、図示するよう
にマウスはパッド上の位置の移動と共に回転の自由度を
持っている。一般にマウスの回転の情報はコンピュータ
に送る必要がないから、図中のマウス1の姿勢のまま移
動すれば良いのだが、それではマウスの使い勝手を悪く
してしまう。言い換えればマウスがどのような回転状態
にあっても、それに関係なく一定の電磁結合を保持しな
ければならない。この事からマウスのコイルは回転方向
性を持たないように作る必要がある。
【0018】図8にマウスパッド2の内部構造を示す。
本例はグリッドコイルX1,Y1,X2,Y2がフレキ
シブル基板上に形成されて、多層基板としたものであ
る。図の2b,2c,2d,2eは厚さ数10ミクロン
のフレキシブル基板絶縁層であり、2aはマウス1と接
する表面層、2fと2gはベース基板である。2fは例
えばエポキシ樹脂の絶縁層で、2gは磁器シールド用の
導体層である。その導体には銅箔ないし薄いアモルファ
ス磁性材料が適する。このような層構造からグリッドコ
イルX1,Y1,X2,Y2は一種のストリップ線路と
なることが理解される。
【0019】ここで本マウス装置に用いる信号周波数に
ついて検討する。本発明のマウスは共振コイル、コンデ
ンサ、スイッチの3種で構成され、これら電気部品のサ
イズや点数を考慮すると従来のマウスよりはるかに小型
化できる。それに伴いマウスパッドの実効面積も小さく
出来ることになる。仮にパッドの寸法をX方向120m
m、Y方向100mmとする。マウスの分解能を従来の
マウスと同じ400Dot/Inchとすれば、グリッ
ドコイルのピッチPは0.5mmで良いことになるか
ら、それぞれのグリッドコイルの全長は大まかに29m
程度になる。そこで、実効誘電率4.5のエポキシベー
ス基板2fの厚さを300ミクロンとし、グリッドコイ
ルの導体幅を100ミクロンとすればグリッドコイルの
特性インピーダンスは約100Ω、実効誘電率は2.8
となるから線路上で1波長乗る周波数は6.2MHzと
なる。実際グリッドコイルが良好なインダクタンスとし
て動作するためには1/8λ以下でなければならないか
ら、使用できる周波数の上限は775KHz程度とな
る。従って500KHz程度の周波数で運用することが
望ましい。
【0020】このように信号源周波数が比較的低いため
にマウスの共振コイルLmとしては数100μヘンリー
のインダクタンスが必要となる。多くのデジタイザ・タ
ブレットにおいてはニードル状の先端を持つフェライト
磁心にコイルを巻いたものが提案され使用されている
が、図9は本発明が提案するマウスの共振コイルの断面
図である。4は外部磁心5は内部磁心で、この中に共振
コイルLmが巻かれている。6は両磁心のギャップであ
る。もちろんこのギャップは円周を形成するから、グリ
ッドコイルによって作られる交互磁界によって相殺され
るが、ギャップの直径をグリッドコイルの半ピッチの奇
数倍にすることによって完全には相殺されず、一方向の
成分が残ることになる。この残差成分の量は、半ピッチ
を一辺とする正方形に内接するニードル状共振コイルの
結合成分よりはるかに大きい。従ってパッド上のグリッ
ドコイルにマウスの共振コイルの影響を強く反映させる
ことが出来、マウスの位置の検出が容易となる。図10
はグリッドコイルとマウスの共振コイルの電磁的な結合
をより詳しく図解したものである。本図のようにギャッ
プ6が一つのグリッドコイルをまたぐ状態のときそのグ
リッドコイル線分と共振コイルの結合が最大になる。7
は結合磁束を示している。
【0021】図11はマウスの共振回路の詳細を示して
いる。図においてS1はマウスの左ボタンS2は右ボタ
ン、S3は中央ボタンに対応している。どのボタンも押
されていないときは共振コイルLmと共通コンデンサC
oとClaで共振周波数を決定して 変化する。角周波数ωはフィルターで分離できる範囲
内で信号源周波数ωの近くに設定される。
【0022】上記のようにマウス1の共振周波数の変化
によるボタン情報を如何にマウスパッド2に伝え、そし
てコンピュータに伝えるかの手段として本発明が提案す
る方法は、図12に示した回路スイッチ8の構造にあ
る。骨子はスイッチばね10のスプリング効果によって
スイッチばね10の接点がスイッチ接点15ないし17
を叩くとき、その衝撃で圧電コンデンサ11,16が電
圧を発生する事にある。圧電コンデンサ11は電極12
とその接点15の間に固定されており、別の圧電コンデ
ンサ16は電極13とその接点17の間に固定される。
固定法の具体例としては通常のセラミックコンデンサと
同じように圧電コンデンサ11,16の両面にメッキを
施し、衝撃を緩衝しないように電極12,13と接点1
5,17間をはんだ付けする方法が考えられる。本図の
9はボタンであるが、このボタンを押せばスイッチばね
10の作用によりスナップ的にスイッチングが行われ、
スイッチばね10の接点は接点17と衝撃的に接続され
る。ボタン9を放せばスイッチばね10の接点は接点1
5と衝撃的に接続される。衝撃的に接続された圧電コン
デンサはインパルスを発生し、それ自身の容量とCo,
Lmで決まる高周波自励振動を起こす。このように本発
明のボタン情報伝達方式はセラミック圧電素子を電圧発
生源として使用すると同時に自励振動を規定するための
コンデンサとして使用するものである。この効果として
情報を伝送するのに別個のエネルギー源つまり電池など
を使用する必要がない。
【0023】図13の18はスイッチの切り替え時に生
じた高周波振動波形を示している。スイッチの衝撃で生
じた電圧はインパルスであるから、このインパルスで励
起される自励振動は18のような包絡線を持ち、その振
動周波数は上記した式で決定される。自励振動の最大電
圧Emαxとしては信号源電圧と同程度、即ち数ボルト
で十分であるから上記の圧電コンデンサのサイズは通常
のチップコンデンサ程度となる。この自励振動は受信素
子としての役目を果たすパッド上のグリッドコイルに伝
送され、後述するようにフィルターとシュミットトリガ
ー回路から構成される周波数弁別回路24に導かれる。
そこで図13の19のようなパルスが発生しボタン情報
が復調されることになる。自励振動の周波数は信号源周
波数と同様低く選ばれるためにシュミットトリガー回路
を直接駆動できるから、ボタン情報の遅れが最小限に抑
えられる。
【0024】図14は左ボタンの動作を説明するもので
ある。コンピュータマウスの左ボタンは通常ドラッグア
ンドドロップと呼ばれる機能を持っている。つまり左ボ
タンを押しながらコンピュータ画面上の或るオブジェク
トを別の位置にドラッグしドロップする機能である。こ
の機能を実現するために同ボタンを押した瞬間に自励振
動20が発生し、パッド側で左ボタン情報パルス22が
立ち上がりラッチされる。次にこのボタンを放した時、
別の自励振動21が発生して左ボタン情報の立下りを実
行するようにする。このため図11に示したように左ボ
タンに対応するスイッチには両電極に圧電コンデンサが
接続されている。
【0025】ボタン情報を伝送する本発明の最大の特徴
と利点は、この情報を周波数として伝送することにあ
る。一般のアナログ量つまり電圧・電流・位相を使った
情報伝送では情報発生源から最終受信点に至るまでのあ
らゆる伝送系で変形・歪を受ける。しかし周波数はその
発生源の条件によってのみ決まり、その後の伝送系では
決して変化しない。従ってボタン情報の伝送にあたっ
て、従来の方式例えばアメリカ特許番号5,706,0
28が採用している位相弁別法に比べはるかに安定・確
実である。
【0026】図16は本発明のマウス装置の総合的な説
明図である。ただし図面が煩雑になるのを避けるために
グリッドコイルX1に付いてだけ記されており、ほかの
Y1,X2,Y2に付いては省略されている。以下X1
に付いてだけ説明するが、他のグリッドコイルについて
も動作は全く同じである。マウスパッド2の表面に敷設
されたグリッドコイルX1の上にマウス1が存在する。
X1は高周波発振器Q4で駆動される定電流源Q1で駆
動されている。マウスの共振コイルLmはグリッドコイ
ルX1と電磁結合を持つが、その度合いはマウスの位置
によって変化する。この変化はX1のインピーダンスの
変化として現れ、結果としてX1の端子電圧Vは変化す
る。この電圧はコンデンサC5を通じて振幅弁別回路2
3を通してマイクロコンピュータCPUにPx1信号と
して供給される。他のグリッドコイルY1,X2,Y2
に対しても同様の機能がついており、その結果はPy
1,Px2,Py2信号としてCPUに供給されてい
る。この4種の信号パルスは従来のロータリーエンコー
ダの信号と全く同じであり、CPUを通じてコンピュー
タ画面上のマウスカーソルを制御する。一方マウスのボ
タンに対応したスイッチS1,S2,S3の操作によっ
て、前記した如く周波数f,f,f,fを持つ
インパルス的な自励振動が発生する。これらの信号は電
磁結合を介してグリッドコイルに伝えられ、C6を通じ
てフィルターFa,Fb,Fm,Frに供給される。C
7は共振コイルLmがX1と結合していないときに、X
2のグリッドコイルから自励振動を拾うための手段であ
る。ちなみにX1とX2またはY1とY2とでは必ず一
方が結合している。フィルターから出力された自励振動
はトリガー回路Tl,Tm,Trのそれぞれに供給され
回路をトリガーする。その出力はCPUに供給され、ボ
タン情報となる。C10,XT,C11で構成される回
路はCPUのクロック発振回路である。CPUの入力信
号Px1,Py1,Px2,Py2,およびL,M,R
はCPU内部で信号処理され、PS/2マウスモードの
ときはData信号となってクロックと共にコンピュー
タに送出される。Vddはコンピュータから供給される
電源でありGndはそのグランドである。
【0027】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
るので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0028】マウスパッドに装着されたグリッドコイル
はマウスの相対移動量を検出する目的で敷設されるか
ら、従来のデジタイザ・タブレットに用いられているマ
ルチプレクサによるグリッドコイルの多数結線を必要と
しない。
【0029】マウスの移動量はグリッドコイルとマウス
の共振回路間の電磁結合の変化としてマウスパッド側で
検出されるから、マウス側での移動量検出が不要で、か
つマウス・パッド間をコードフリーに出来る。
【0030】マウスのボタン情報伝達にはマウススイッ
チに搭載された圧電コンデンサによって発生される自励
振動を用いているから、電池などのエネルギー発生源を
必要としない。
【0031】マウスのボタン情報伝達はマウスボタン個
々に対応する自励発振の周波数が用いられるから、情報
伝達過程での変形・歪に影響されず、安定した情報伝達
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のマウス装置の運用形態を示す。
【図2】 マウスパッドに敷設するグリッドコイル。
【図3】 マウス共振回路とグリッドコイル間の電磁誘
導を示す。
【図4】 図3の等価回路を示す。
【図5】 マウスの移動に対応する図4の端子電圧Vの
変化を示す。
【図6】 図5から得られるマウス移動情報パルスを示
す。
【図7】 マウスパッド上のマウスの状態を示す。
【図8】 マウスパッドの内部構造。
【図9】 マウス共振コイルの構造。
【図10】マウス共振コイルとグリッドコイルの結合状
態を示す。
【図11】マウス共振回路。
【図12】圧電素子を内蔵する回路スイッチ構造。
【図13】マウス共振コイルが発生する自励振動とスイ
ッチ波形。
【図14】異なる自励振動によるトグルスイッチ波形。
【図15】本マウス装置の総合回路。
【図16】従来特許の第1例。
【図17】従来特許の第2例。
【符号の説明】
1 マウス 2 マウスパッド 2a マウスパッド表面層 2b,2c,2d,2e プリント基板絶縁層 2f ベース基板絶縁層 2g ベース基板導体層 3 マウスコード 4 外側磁心 5 内側磁心 6 ギャップ 7 結合磁束 8 回路スイッチ 9 スイッチボタン 10 スイッチばね 11,16 圧電コンデンサ 12,13,14 スイッチ電極 15,17 スイッチ接点 18 自励振動波形 19 ボタン情報波形 20 立上り自励振動波形 21 立下り自励振動波形 22 左ボタン情報波形 23 振幅弁別回路 24 周波数弁別回路 CPU マイクロコンピュータ C 共通共振コンデンサ C1 S1スイッチコンデンサ C2 S2スイッチコンデンサ C3 S3スイッチコンデンサ C5,C6,C7 結合コンデンサ D1 ダイオード Lm マウスコイル F1,F2,Fm,Fr フィルタ Tl,Tm,Tr トリガー回路 Q1 定電流源素子 Q2 インバータ増幅器 Q3 コンパレータ Q4 高周波信号源 V グリッドコイル端子電圧 X1、X2 X方向グリッドコイル Y1、Y2 Y方向グリッドコイル XT クロック発振素子

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マウスパッド(2)に、互いに電磁結合
    を生じないように配列したグリッドコイル(X1、X
    2)と、これに直交しかつ互いに電磁結合を生じないよ
    うに配列したグリッドコイル(Y1、Y2)を敷設し、
    各コイルをトランジスタ等の定電流源で駆動する回路に
    おいて、マウス(1)の移動に伴いマウスに搭載した図
    11の共振回路とグリッドコイルの電磁結合の変化に応
    じてグリッドコイルのインピーダンスが変化する事をコ
    イル端子間の電圧の変化として捉え、マウスの相対移動
    量を検出する電磁結合マウス装置。
  2. 【請求項2】 外部磁心(4)と内部磁心(5)及び共
    振コイル(Lm)から構成され、外部磁心と内部磁心の
    間に円周のギャップ(6)を有し、ギャップ直径(D)
    がグリッドコイルの半ピッチの奇数倍であるマウス共振
    コイル。
  3. 【請求項3】 固定電極(12,13)とスイッチばね
    (10)の間に圧電コンデンサ(11,16)を装着
    し、スイッチばねが衝撃的に回路を閉じるとき圧電コン
    デンサがインパルス電圧を発生すると同時に、圧電コン
    デンサの容量が関与した自励電気振動を得る実施例図1
    2の回路スイッチ。
  4. 【請求項4】 グッリドコイルの高周波端子電圧をダイ
    オードD1でプラス検波し、後続のインバータ増幅器Q
    2とコンパレータQ3でマウス移動情報を得る図15の
    振幅弁別回路。
  5. 【請求項5】 マウス共振回路が発生する自励振動をマ
    ウスパッドのグリッドコイルで検出してマウスのボタン
    情報を復調する図15の周波数弁別回路。
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