JP2002006393A - 投影型カラー表示装置 - Google Patents

投影型カラー表示装置

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JP2002006393A
JP2002006393A JP2000182595A JP2000182595A JP2002006393A JP 2002006393 A JP2002006393 A JP 2002006393A JP 2000182595 A JP2000182595 A JP 2000182595A JP 2000182595 A JP2000182595 A JP 2000182595A JP 2002006393 A JP2002006393 A JP 2002006393A
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transparent
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JP2000182595A
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English (en)
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Tadao Katsuragawa
忠雄 桂川
Nobuaki Toyoshima
伸朗 豊島
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
  • Projection Apparatus (AREA)
  • Video Image Reproduction Devices For Color Tv Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型、高精彩、低消費電力の投影型カラー表
示装置を提供する。 【解決手段】 透明非磁性単結晶基板10上に透明磁性
材料11を積層させて空間光変調素子7を形成する。こ
れにより、応答速度の速い透明磁性材料11を空間光変
調素子7に用いる簡単な構成によって、磁気光学効果を
増大させることができ、磁性体の厚みを厚くする必要が
なくなるので、小型、高精彩、低消費電力の投影型カラ
ー表示装置を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像をスクリーン
上へ投影することにより画像を表示させる投影型カラー
表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、より希求力あるプレゼンテーショ
ン等を行うことができるツールとして、投射又はリア型
プロジェクタ等のように、表示画像のスクリーン上への
投影により画像を表示させる投影型カラー表示装置が普
及しつつある。このようなプロジェクタは、概略的に
は、例えばパソコンから出力された画像信号に基づき表
示用の画像を形成する空間光変調素子を備え、空間光変
調素子の透過光又は反射光を投射レンズ系によってスク
リーン上に拡大投射させるようにしたものである。
【0003】このようなプロジェクタで用いられる代表
的な空間光変調素子としては、液晶を用いて二次元状に
画素を配列したLCD(Liquid Crystal Display:液晶
ディスプレイ)がある。液晶を用いたLCD技術は歴史
も古く、広く一般的に知られた技術である。簡単に説明
すれば、ガラス基板で挟んだ液晶に電圧を印加して液晶
分子の配列を変化させることにより、光(直線偏光)透
過率を変えて画像(コントラスト)を得るものである。
そして、3原色(RGB)で構成されたカラーフィルタ
ーを設けることにより、カラー画像の形成を可能にして
いる。また、光源には、強力白色光(メタルハライド、
水銀ランプなど)が用いられている。
【0004】しかしながら、LCDのような液晶を用い
た空間光変調素子においては、前述したように液晶分子
の配列を電圧印加によって変化させるために応答速度は
10msec程度であることから、応答速度が遅いとい
う問題がある。つまり、このように応答速度が遅いこと
から、液晶を用いた空間光変調素子では、3原色LED
(Light Emitting Diode:発光ダイオード)を高速で切
り替えてカラー画像を得ることができないため、カラー
フィルターを用いることによりカラー画像の形成を可能
にしている。なお、強誘電性液晶を用いることにより高
速応答性を有するようにしたものもあるが、実用化され
るまでには至ってない。
【0005】加えて、液晶を用いた空間光変調素子にお
いては、高速度に各画素を駆動するために各画素にTF
T(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)が形成
されていて、電圧に応じて液晶分子の傾きを制御するよ
うにしている。ところが、このように各画素にTFTを
形成した場合には、開口率が低下し、画像が暗くなって
しまうという問題もある。
【0006】さらに、液晶を用いた空間光変調素子にお
いては、前述したようにカラーフィルターを用いること
によりカラー画像の形成を可能にしていることから、カ
ラーフィルターによって光の透過率が低下してしまうの
で、その透過率の低下を補うために白色光源には大電力
が必要となることが多い。さらにまた、液晶材料が光を
吸収することで熱を持つことにより、機能低下を生ずる
という問題もある。
【0007】そこで、種々の問題を解決すべく、液晶を
用いた空間光変調素子であるLCDのほか、磁気光学効
果を用いた空間光変調素子も古くから研究されている。
このような磁気光学効果を用いた空間光変調素子は、例
えば、「OPTICAL ENGINEERING(1983) Vol.22 No.4 P4
85(Litton Data Systems社)William E. Rose,Rober
t H. Anderson」において発表されている。このような
磁気光学効果を用いた空間光変調素子は、SとNの磁界
変化に対して数nmで電子スピンが対応できることか
ら、液晶を用いた空間光変調素子の略1万倍の応答速度
を有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、磁気光学効
果を用いた空間光変調素子は、液晶を用いた空間光変調
素子と同様に旋光を用いるが、旋光角度が液晶に比較し
て小さく、光透過率も低くなっている。そのため、磁気
光学効果を用いた空間光変調素子においては、透過した
光の旋光角と透過した磁性体層の距離(厚み)とは比例
することから、旋光角を大きくするために磁性体の厚み
を厚くするようにしている。
【0009】ところが、磁性体の厚みを厚くすればより
大きな磁界を発生させるために比較的大きな電流値を必
要とすることになるが、熱発生量が多い場合には発生し
た熱で素子が割れてしまう等の問題がある。
【0010】さらに、磁性体の厚みを厚くすることによ
り光透過率が低下するため、大きな光源も必要になる。
つまり、従来の投影型カラー表示装置のように複数の人
間が見やすいように大型・大画面である場合にはあまり
問題はないが、装置の小型化を図ろうとした場合には、
この光源の大きさがネックになる。
【0011】本発明の目的は、小型、高精彩、低消費電
力の投影型カラー表示装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
光源と、投影レンズと、前記光源と前記投影レンズとの
光路上に備えられて画像信号に応じた空間変調が施され
る複数画素をマトリックス状に配列させてなる空間光変
調素子とを有し、画像を拡大してスクリーンに投影する
投影型カラー表示装置において、前記空間光変調素子
は、透明非磁性単結晶基板上に積層された透明磁性材料
を有している。
【0013】したがって、応答速度の速い透明磁性材料
を空間光変調素子に用いる簡単な構成によって、磁気光
学効果を増大させることが可能になることにより、磁性
体の厚みを厚くする必要がなくなるので、小型、高精
彩、低消費電力の投影型カラー表示装置を提供すること
が可能になる。
【0014】請求項2記載の発明は、請求項1記載の投
影型カラー表示装置において、前記透明非磁性単結晶基
板は、非磁性ガーネットであり、前記透明磁性材料は、 R3-xxFe5-yy12 (0.2<x<3,0≦y
<5) (“A”は、BiまたはCe)で表されるイットリウム
および希土類鉄ガーネット単結晶である。
【0015】したがって、空間光変調素子は、光透過率
が高く、ファラデー回転角が大きく、可視域波長依存性
が少なく、しかも低強度の磁界で変調可能な特性を有す
ることになるので、小型、高精彩、低消費電力の投影型
カラー表示装置を確実に提供することが可能になる。
【0016】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の投影型カラー表示装置において、前記光源は、異
なる3原色をそれぞれ発光する三つの半導体発光素子で
構成されており、前記各半導体発光素子は発光色毎に順
次発光する。
【0017】したがって、大きな光源が不要になるとと
もに、その光源を駆動するための大電力を発生する電源
も不要になるので、装置の小型化を図ることが可能にな
るとともに、カラーフィルターが不要になるので、光の
透過率も向上する。
【0018】請求項4記載の発明は、請求項1ないし3
のいずれか一記載の投影型カラー表示装置において、前
記空間光変調素子が有する前記複数画素は、前記透明磁
性材料をメサエッチングすることにより形成される。
【0019】したがって、各画素を高速で駆動すること
が可能になることにより、3原色をそれぞれ発光する三
つの半導体発光素子の変調を高速で行うことが可能にな
るので、動画等にも十分に対応可能な投影型カラー表示
装置を提供することが可能になる。
【0020】請求項5記載の発明は、請求項4記載の投
影型カラー表示装置において、前記空間光変調素子の前
記複数画素には、各画素をそれぞれ磁化させて変調する
ための単純マトリックス電気配線が設けられる。
【0021】したがって、開口率を大きくすることが可
能になり、明るく、コントラストが高い投影型カラー表
示装置を提供することが可能になる。
【0022】請求項6記載の発明は、請求項1または5
のいずれか一記載の投影型カラー表示装置において、前
記空間光変調素子は、前記透明非磁性単結晶基板と前記
透明磁性材料とを誘電体膜で挟み込んで形成される。
【0023】したがって、誘電体膜は光を閉じ込める効
果を有することから、ファラデー回転角を増大させて磁
気光学効果をさらに増大させることが可能になることに
より、透明磁性材料を薄くすることが可能になるので、
透明磁性材料の磁化のための電流を低下させることが可
能になる。
【0024】請求項7記載の発明は、請求項1または6
のいずれか一記載の投影型カラー表示装置において、前
記スクリーンはレンチキュラーレンズとフレネルレンズ
とから構成されており、前記空間光変調素子は前記スク
リーンの後面に設けられる。
【0025】したがって、光をスクリーンの後方から投
影することで外光の影響を受けにくくすることが可能に
なるとともに、前面からの投影のように映像が光源に遮
られることもなくなる。
【0026】請求項8記載の発明は、請求項1または7
のいずれか一記載の投影型カラー表示装置において、前
記スクリーンは、前記光源を設けた本体部に対し、その
下端を軸として開閉自在な構造であって、倒立可能であ
る。
【0027】したがって、非常に小型であって、可搬性
の良い投影型カラー表示装置を提供することが可能にな
る。
【0028】請求項9記載の発明は、請求項1または8
のいずれか一記載の投影型カラー表示装置において、前
記単純マトリックス電気配線の電源は、ペーパー2次電
池である。
【0029】したがって、非常に小型であって、可搬性
の良い投影型カラー表示装置を提供することが可能にな
る。
【0030】請求項10記載の発明は、請求項1または
9のいずれか一記載の投影型カラー表示装置において、
前記透明磁性材料の厚みは、0.5〜5.0μmであ
る。
【0031】したがって、十分な旋光角を得ることが可
能になるので、高い光透過率を得ることが可能になる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を図1ない
し図6に基づいて説明する。本実施の形態は、投影型カ
ラー表示装置として非常にコンパクトな携帯型ミニプロ
ジェクタに適用したものである。
【0033】図1は、携帯型ミニプロジェクタ1の構成
を概略的に示す外観斜視図である。図1に示すように、
携帯型ミニプロジェクタ1は、大きく分けると、本体部
2と、この本体部2に対して開閉自在に取り付けられた
スクリーン部3とで構成されている。つまり、スクリー
ン部3は、その下端を軸として、倒したり立てたりする
ことが可能な構造とされている。なお、スクリーン部3
の大きさは、高さ200mm、幅300mm程度の大き
さとされている。また、反射率向上や反射方向を集中さ
せるため、スクリーン部3の表面形状を最適に変形させ
ることが好ましい。したがって、この携帯型ミニプロジ
ェクタ1を搬送する際には折り畳んでコンパクトな状態
とし、画像を見る際にはスクリーン部3を立てて使用す
ることが可能になっている。
【0034】本体部2には、スクリーン部3に対して画
像を投影するための光学系4が備えられている。ここ
で、図2は光学系4の構成を概略的に示す模式図であ
る。図2に示すように、光学系4は、概略的には、半導
体発光素子であるLED(LightEmitting Diode:発光
ダイオード)で構成される光源5、レンズ系6、空間光
変調素子7および投影レンズであるレンズ系8を3原色
(RGB)毎に設けている。図2においては、3原色
(RGB)の中で1色分のみの光源5、レンズ系6、偏
光子13に挟まれた空間光変調素子7およびレンズ系8
を記載している。そして、光源5である3原色(RG
B)分のLEDから出射された光の光軸は、レンズ系8
によって一致させられる。なお、光源5である3原色
(RGB)分のLEDは、順次スイッチングによって切
り替えられる。1色の照射時間は、約11msec(1
/(30×3)sec)以下、好ましくは約5.6ms
ec(1/(60×3)sec)である。
【0035】加えて、本体部2には、電源部9が備えら
れている。この電源部9としては、ペーパー2次電池と
言われる厚みが1mm以下の2次電池が、携帯型ミニプ
ロジェクタ1の用途を考えると好ましい。例えば、ノー
トパソコンなどに搭載されているリチウム2次電池や、
フッ素系高分子樹脂を用いた「ポリマー電解質」をリチ
ウム系の酸化物とグラファイトで表面を覆った3層構造
の2次電池などが用いられる。消費電力は1時間当たり
1000mA以上、電圧は3V以上が好ましい。
【0036】次に、空間光変調素子7について詳細に説
明する。ここで、図3は偏光子13に挟まれた空間光変
調素子7を示す断面図である。図3に示すように、空間
光変調素子7は、概略的には、透明基板10上にメサエ
ッチングされた透明磁性体層11を設け、それらの透明
基板10と透明磁性体層11との外側に誘電体多層膜1
2をそれぞれ設け、さらに、それらの誘電体多層膜12
の外側に偏光子13をそれぞれ設けた多層構造とされて
いる。以下において、各層の組成等について説明する。
【0037】まず、透明非磁性単結晶基板である透明基
板10について説明する。透明基板10としては、非磁
性ガーネット単結晶が用いられる。このような非磁性ガ
ーネット単結晶としては、例えば、GGG(Gd2Ga5
12:ガドリニウム ガリウム ガーネット)やLLC等
が好ましい。
【0038】次に、透明磁性材料である透明磁性体層1
1について説明する。透明磁性体層11としては、透明
性の高さおよび旋光角の大きさの点から、 R3-xxFe5-yy12(ただし、0.2<x<3,0
≦y<5) で表されるイットリウムおよび希土類鉄ガーネット単結
晶が用いられる。ただし、“A”は、BiまたはCeで
ある。例えば、透明基板10であるGGG基板上に希土
類鉄ガーネットを設ける場合には、一般的にLPE(液
相エピタキシャル法)と称される方法が用いられる。な
お、透明磁性体層11の平均厚みは0.5〜5μmとさ
れており、十分な旋光角を得ることができることによ
り、高い光透過率を得ることができる。なお、透明磁性
体層11の厚みが0.5μmより薄い場合には、十分な
ファラデー回転角が得られずに画像濃度が不足すること
になる。
【0039】また、単結晶としたのは、わずかな磁界強
度で、単結晶膜全体を磁化することができるからであ
る。ガーネットは立方晶であって1.2nm程度の大き
な格子定数を有しており、この格子定数に合った透明基
板10を用いることが必要になることから、この点から
も単結晶を用いることが好ましい。ガーネットを単結晶
として作製するには、エピタキシャル法が用いられる。
【0040】ところで、磁性ガーネットは、組成によっ
て透過率、ファラデー回転角および回転角の波長依存性
が大きく異なる特性を有している。そのため、最大のコ
ントラストを得るには、いずれの組成においても、磁性
ガーネットの面に垂直に磁気異方性を与え、光とスピン
との相互作用を最大にすることが必要となっている。
【0041】このような透明磁性体層11は、透明基板
10上に設けられた後、周知の手法によりメサエッチン
グされる。ここで、図4はメサエッチングされた透明磁
性体層11を部分的に示す斜視図である。図4に示すよ
うに、メサエッチングされた透明磁性体層11には、メ
サ溝11aが格子状に形成される。このようにメサ溝1
1aが格子状に形成されることにより、メサ部11bが
マトリックス状に形成される。このようにして形成され
たメサ部11bは、それぞれの境界が明確になってい
る。また、これらの各メサ部11bのサイズは任意に選
択されるが、一辺が1〜50μm程度であるのが好まし
い。
【0042】そして、各メサ部11bには、図5に示す
ように、磁化をスイッチングするための単純マトリック
ス電気配線である電流用駆動線14が配設される。この
電流用駆動線14は、メサ溝11aに沿って直線状にX
方向とY方向とに配線される。電流用駆動線14は、X
方向およびY方向の配線の内、いずれか一方(例えばX
方向の配線)を各メサ部11bの上に、他方(例えばY
方向の配線)をメサ部11bの下(透明基板10の下)
に配線される。図5は、X方向の電流用駆動線14をメ
サ部11bの上に配線した状態を示す。このようにX方
向の電流用駆動線14をメサ部11bの上に配線する場
合、X方向の電流用駆動線14には、磁場が容易に発生
するように、半円形状部14aが形成される。なお、透
明基板10の下に配線されるY方向の電流用駆動線14
は、直線でかまわない。
【0043】そして、このように透明基板10と透明磁
性体層11(メサ部11b)とを挟んで直交するように
配線された各電流用駆動線14に流れる電流の値が所定
の閾値を超えた場合には、メサ部11bへと所望の電流
が流れることになり、メサ部11bが磁化されることに
なる。なお、メサ部11bは、複数巻いたコイルを用い
なくても十分に磁化可能であり、しかも数nsecの通
電で磁化可能である。
【0044】なお、電流用駆動線14に用いられる材料
としては、Cuが電気抵抗値の点から好ましいが、A
u、Ag、Al、Ptなどその他の導電性材料も用いる
ことができる。
【0045】続いて、誘電体膜である誘電体多層膜12
について説明する。誘電体多層膜12は、透明磁性体層
11とは屈折率が異なる誘電膜を単層または複数層に重
ねた構成とされている。なお、透明基板10と透明磁性
体層11とを挟んで設けられた誘電体多層膜12は、材
料、積層数、膜厚などはそれぞれ同一である。また、複
数層に重ねられた誘電膜は、透明磁性体層11の上下で
対称であることが好ましい。
【0046】例えば屈折率が異なる二層の誘電体膜によ
って誘電体多層膜12を構成した場合には、光を閉じ込
める効果を有することから、磁気光学効果を2〜20倍
程度に増大させることができる。この場合には、可視域
全域にわたって、吸収率を変化させずに磁気光学効果の
みが増大する。なお、前述したように透明磁性体層11
の厚みは0.5〜5μmとされているが、透明磁性体層
11の厚みが5μmより厚い場合には、誘電体多層膜1
2による増大効果が減少し、磁化のために大きな電流が
必要になる。また、斜めから画像を観察した場合のコン
トラスト低下が大きくなり、あるいは、光透過率が低下
することにより、コントラストが不十分となる。
【0047】誘電体多層膜12を構成する誘電体膜に用
いられる材料は、透明でかつ熱的に安定な物質が適し、
例えば金属や半金属の酸化物、窒化物、カルコゲン化
物、フッ化物、炭化物、およびこれらの混合物である。
具体的には、SiO2、SiO、Al23、GeO2、I
23、Ta25、TeO2、TiO2、MoO3、W
3、ZrO2、Si34、AlN、BN、TiN、Zn
S、CdS、CdSe、ZnSe、ZnTe、AgF、
PbF2、MnF2、NiF2、SiCなどの単体あるい
はこれらの混合物である。これらの材料の中から透明磁
性体層11とは屈折率が異なる種類を選択すればよい。
各膜厚は5〜200nm、好ましくは5〜30nmの範
囲にするのがよい。誘電体多層膜12は、PVD法やC
VD法を用いて作製される。
【0048】誘電体多層膜12を前述したような構造と
することによって、強磁性体特有の波長依存性に応じた
ファラデー効果を有する波長(λ)で、直線偏光の偏光
面回転角が増大するように設計できる。例えば、520
nm(λ)のピークを増大したい場合には、 520/4n(nm)(nは誘電体膜の屈折率) の厚みの誘電体多層膜12を設ければよい。Ce置換Y
IG(Y3Fe512:イットリウム 鉄 ガーネット)
は、可視光域で比較的平坦な波長依存性を有するが、こ
のファラデー回転角増大方法で、3原色に対応した詳細
な偏光角度の調整が可能となる。
【0049】なお、以上において説明した空間光変調素
子7は、3原色(RGB)にそれぞれ対応させて作製さ
れる。
【0050】次に、偏光子13について説明する。偏光
子13は、空間光変調素子7に対し、磁化の大きさや方
向に従って、目視可能なコントラストを付けるものであ
る。この原理は、液晶ディスプレイと同じであり、直線
偏光が偏光子13をどの程度通過できるかに依存して、
コントラストを生じさせるものである。
【0051】偏光子13は、空間光変調素子7を挟ん
で、相互に偏光軸を回転させて設けられる。この場合、
一方の偏光子13の偏光軸は、他方の偏光子13の偏光
軸から90度回転させるのが好ましいが、90度以外で
もかまわない。
【0052】偏光子13としては、各種の市販の偏光フ
ィルム等が用いることができる。偏光フィルムには大別
して多ハロゲン偏光フィルム、染料偏光フィルム、金属
偏光フィルムなどがある。また、以下に示すような偏光
子も利用でき、これらに制限されるものではない。
【0053】1.特開平01−93702号公報に記載
されている偏光子 この偏光子は、偏光層基板表面に強磁性体微粒子からな
る多数の棒状素子が一定方向に配列して固着形成されて
おり、製造が容易でかつ光学的特性に優れている。
【0054】2.ワイヤグリッド偏光子(東京農工大学
佐藤勝昭著「現代人の物理−光と磁気」(朝倉書店)
1988年出版、ページ103に記載) この偏光子は、透明基板に微小な間隔で金やアルミニウ
ムの線をひいたものである。この場合、線の間隔をd、
波長をλとすると、λ≫dの波長の光に対して、透過光
は線に垂直な振動面を持つほぼ完全な直線偏光になるこ
とを利用している。偏光度は97%程度と言われてい
る。
【0055】3.コーニング社製「ポーラコア」 この偏光子は、長く延伸させた金属銀をガラス自身の中
に一方向に配列させることにより、偏光特性を持たせた
ガラスであって、従来の有機物偏光素子と異なり耐熱
性、耐湿性、耐化学薬品性、レーザに対する耐性に非常
に優れている。赤外線用が主であるが、特殊仕様として
可視光用がある。
【0056】4.積層型偏光子 この偏光子は、東北大学電気通信研究所の川上彰二郎教
授が1991年頃に発表したもので、可視光用にはRF
スパッタリング法で、6〜8nmの厚みのGe(ゲルマ
ニウム)と、1μm厚みのSiO2とを交互に60μm
の厚みになるまで積層して作製している。0.6μmの
波長で測定した性能指数αTE/αTM(TE波とTM波に
対する消衰定数の比)は400近く、0.8μmの波長
で測定した消光比は35dB、挿入損失は0.18dB
であり、可視光に対して十分なものである。
【0057】5.反射型偏光子(住友3M株式会社製) この偏光子は、薄膜を何層も重ねて作製した反射タイプ
(SとP偏光の内一方を反射して、一方を通過させる)
である。
【0058】6.特開平10−348027号公報に記
載されている偏光子 この偏光子は、本出願人が提案したものであって、入射
光を収束させるマイクロレンズアレイと、構造的に複屈
折性を付与された高複屈折膜と、波長板が1つおきに等
間隔に配列している偏光変換機能層とからなる高透過率
偏光変換偏光子であり、特に好ましい。複屈折膜の屈折
率Δnは0.2以上であって、薄膜で作製されており、
S波とP波に分離する。そして、このうちのどちらかの
偏波を1/2波長板で偏光変換するものである。マイク
ロレンズアレイにはプラスチック製とガラス製等がある
が、変形が容易なプラスチック製が選ばれる。薄い構造
で、前述した1〜5の偏光子よりも吸収や反射が少ない
ために、透過率が高く、好適である。
【0059】なお、1〜6のいずれの偏光子を偏光子1
3として用いた場合でも、その厚みは50〜150μm
の中で選択される。
【0060】次に、各部の電気的接続について図6を参
照して説明する。図6に示すように、光源駆動回路15
R,15G,15BはそれぞれR用LED、G用LE
D、B用LEDを点滅させるための回路であり、電源を
内蔵し、光源の発光電流を調整できるようになってい
る。電源スイッチング回路16は、CPU(Central Pr
ocessing Unit)等により構成される制御回路17の指
令を受けて光源駆動回路15R,15G,15Bの電源
のスイッチングを行う。このスイッチングにより、光源
5であるR用LED、G用LED、B用LEDの点滅が
行われる。
【0061】また、表示すべき画像は画像信号として画
像処理回路18に入力される。画像処理回路18は制御
回路17の制御を受けて、入力画像信号を、R用の空間
光変調素子7、G用の空間光変調素子7、B用の空間光
変調素子7に表示できる形態に画像処理し、その結果を
3色分離画像処理回路19に送る。3色分離画像処理回
路19は入力された画像情報を画像処理し、表示すべき
カラー画像のR成分画像・G成分画像・B成分画像に分
離し、R・G・B成分画像を高速で順次に切り換えて空
間光変調素子7に表示する。
【0062】つまり、制御回路17は、表示すべきカラ
ー画像(画像信号として入力される)のR成分画像・G
成分画像・B成分画像を高速で順次に切り換えて空間光
変調素子7に表示するように画像処理回路18及び3色
分離画像処理回路19を制御するとともに、空間光変調
素子7に、R成分画像が表示されるときはR用LEDの
み、G成分画像が表示されるときはG用LEDのみ、B
成分画像が表示されるときはB用LEDのみが点灯する
ように、R,G,B光源の点滅を順次、高速且つ排他的
に切り換えて周期的に繰返して点灯するように光源駆動
回路15R,15G,15Bを制御する。
【0063】このような構成により、光源5から出射し
た光は、レンズ系6を通過した後、一方の偏光子13に
おいて直線偏光になる。この直線偏光は、空間光変調素
子7を通過する際に、偏光面が各メサ部11b毎(つま
り、画素毎)に異なって回転される。次いで、他方の偏
光子13を通過しようとするが、偏光面が90度回転し
た直線偏光は、他方の偏光子13を通過できない。一般
的に各メサ部11b毎(画素毎)に回転角度は異なるた
め、他方の偏光子13を通過する光強度は各メサ部11
b毎(画素毎)に異なることから、コントラストが生
じ、画像が形成される。その後、この光はレンズ系8に
よって拡大され、スクリーン部3に投影される。そし
て、光源5である3原色(RGB)分のLEDは、順次
スイッチングによって切り替えられることになるが、こ
の切替のタイミングに合わせて、空間光変調素子7の画
像も切り替えられることにより、3色の残像は合成さ
れ、カラー画像が形成される。
【0064】なお、本実施の形態においては、スクリー
ン部3に画像を投影する光学系4は、図1に示したよう
にスクリーン部3の前方から投影するようにしたが、こ
れに限るものではなく、スクリーン部3の後方に光学系
4を配置するようにすることも可能である。この場合
は、スクリーン部3はレンチキュラーレンズおよびフレ
ネルレンズなどから構成され、後方からの光を散乱させ
ることにより画像を形成することになる。詳細には、ス
クリーン部3の後方に光学系4を配置した場合に用いる
レンチキュラーレンズとは、光を均一に散乱させるため
のもので、この場合は塩化ビニル、アクリル樹脂などの
プラスチックスから成る。また、レンチキュラーレンズ
側にブラックストライプを設けることも可能である。さ
らに、アクリル樹脂素材に拡散粒子をコーティングした
もの、拡散粒子を成形加工し両面につやけし処理を施し
たもの、塩化ビニル樹脂に拡散粒子を練り込んで成形加
工したものなども市販されている。
【0065】これによれば、光をスクリーンの後方から
投影することで外光の影響を受けにくくすることが可能
になるとともに、前面からの投影のように映像が光源に
遮られることもなくなる。
【0066】
【実施例】図1ないし図6に示した携帯型ミニプロジェ
クタ1の実施例および比較例を以下に説明する。
【0067】[実施例1]本実施例の空間光変調素子7
は、透明基板10としてGGG(Gd2Ga512:ガド
リニウム ガリウム ガーネット)基板を用いた。そし
て、この透明基板10上に厚みが3μmの市販のBi置
換鉄ガーネット(Bi1.2Dy2.8Fe3.8Al1.212
を透明磁性体層11として設け、リソグラフィー法を用
いてメサエッチングした。各メサ部11bのサイズは2
0×20μmとした。
【0068】ここで、磁気光学効果測定装置(日本分光
(株)製K250、ビーム径2mm角)で測定したとこ
ろ、ピーク(520nm)のファラデー回転角は24度
であった。Bi置換鉄ガーネットは、面に垂直方向に一
軸磁気異方性を有していた。
【0069】次いで、メサ溝11aに沿って各メサ部1
1bの端部に対し、銅線の電流用駆動線14をリソグラ
フィー法を用いて配設した。なお、電源には市販の厚み
1mmのリチウム2次電池を用いた。電流用駆動線14
に電流を流すと、約30ガウスの磁界が発生し、各メサ
部11bを磁化することができた。電流の流す方向を逆
にすると、磁化は逆向きとなった。このスイッチングは
約1μsと高速度で可能であった。
【0070】この上からスパッタ法を用いて、誘電体多
層膜12を設けた。誘電体多層膜12としてSiO2
(屈折率n=1.47)とTa25膜を用いた。各層の
厚みは550/4n(nm)とした。基板温度は300
℃、投入電力200W、ガス圧力は共に7.0Pa(A
r:O2=9:1)であった。成膜レイトはSiO2の場
合は2nm/秒、Ta25膜の場合は0.5nm/秒で
あった。各膜の膜厚分布は、最も厚いところと薄いとこ
ろの差異が、全膜厚の3%であった。誘電体多層膜12
で鉄ガーネット膜を挟んだために、ファラデー回転角
(波長は550nm)が約2倍の45度に増大した。わ
ずか2層の誘電体多層膜12を用いただけであるので、
光透過率の低下はほとんどなかった。以上のようにして
緑色に対応する磁気光学効果を用いた空間光変調素子7
を作製した。他の赤や青色画像に対応する空間光変調素
子7は、Ce置換YIG(Y3Fe512:イットリウム
鉄ガーネット)を用いて同様に作製した。
【0071】次に、偏光子13としては、市販のフィル
ム偏光子を用いた。この偏光子13の片面に、SiO2
(95nm厚み)/TiO2(110nm厚み)を2回
繰り返して成膜して反射防止膜とした。可視光域の光透
過率は、反射防止膜がない場合に比較して約3%増加し
た。このような偏光子13を透明基板10側と透明磁性
体層11側に、偏光軸を90度回転させてそれぞれ張り
合わせた。
【0072】各メサ部11bへと電流を流した場合のフ
ァラデー回転角は約45度であり、電流の方向によって
回転方向は逆になった。右回転で45度回転した場合
と、左回転で45度回転した場合にコントラストが最大
となるように偏光子13の回転軸と合わせた。
【0073】メサ部11bを選択して、電流が流れる方
向を変えてそれぞれに流した。この場合の明るいメサ部
11bと、光が通過せず暗いメサ部11bでは、コント
ラストが105あり、コントラストの十分な画像を形成
することができたものである。
【0074】上記で作製した3色分の各空間光変調素子
7を通過した各LED光の光軸をレンズ系8により一致
させて拡大し、順次スクリーン部3上に投影することに
より、高精細なカラー画像を得ることができた。
【0075】[実施例2]実施例2は、実施例1のよう
にスクリーン部3の前から投影するのではなく、スクリ
ーン部3の後ろに光学系4を配置したものである。スク
リーン部3として市販のフレネルレンチスクリーン(株
式会社オーエス製)を用い、このフレネルレンチスクリ
ーンの裏側から、所定の焦点距離に配置したLED光源
5の光を照射した。3原色を別々に、サイクリック(各
色60画面/秒)に、実施例1と同様の空間光変調素子
7を通して投影した。画像コントラストは85であり、
高精細なカラー画像を得ることができた。
【0076】[比較例1]比較例1は、多結晶体のBi
置換鉄ガーネットおよびCe置換YIGを透明磁性体層
11として用いた点以外においては、実施例1と何ら変
わるものではない。この場合、光透過率およびファラデ
ー回転角は、単結晶のBi置換鉄ガーネットおよびCe
置換YIGを透明磁性体層11として用いた実施例1に
比べて低くなった。また、記録磁界は単結晶のBi置換
鉄ガーネットおよびCe置換YIGを透明磁性体層11
として用いた実施例1に比べて大きくなり、300ガウ
ス以上が必要となり、実施例1のような単純マトリック
ス方式では記録できなかった。
【0077】[比較例2]比較例2は、誘電体多層膜1
2を設けず、かつ、透明磁性体層11の厚みを実施例1
の透明磁性体層11よりも厚くした点以外においては、
実施例1と何ら変わるものではない。なお、透明磁性体
層11の厚みを実施例1の透明磁性体層11よりも厚く
したのは、誘電体多層膜12を設けない場合にはファラ
デー回転角が不足して画像コントラストが低下するの
で、予め透明磁性体層11の厚みを実施例1の透明磁性
体層11よりも厚くしたものである。この場合には、磁
気記録に要する磁界強度が、透明磁性体層11の厚みが
厚くなったことに比例して増大し、短時間で電流用駆動
線14の断線が生じた。
【0078】[比較例3]比較例3は、バリウムフェラ
イト単結晶を透明磁性体層11として用いた点以外にお
いては、実施例1と何ら変わるものではない。この場
合、ファラデー回転角が実施例1より約1桁低く、十分
な画像コントラストを得ることができなかった。なお、
バリウムフェライト単結晶のバリウムの一部を置換した
場合、ファラデー回転角は数倍に増大したが、やはりコ
ントラストは不十分であった。
【0079】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、光源と、
投影レンズと、前記光源と前記投影レンズとの光路上に
備えられて画像信号に応じた空間変調が施される複数画
素をマトリックス状に配列させてなる空間光変調素子と
を有し、画像を拡大してスクリーンに投影する投影型カ
ラー表示装置において、前記空間光変調素子は、透明非
磁性単結晶基板上に積層された透明磁性材料を有してい
ることにより、応答速度の速い透明磁性材料を空間光変
調素子に用いる簡単な構成によって、磁気光学効果を増
大させることができ、磁性体の厚みを厚くする必要がな
くなるので、小型、高精彩、低消費電力の投影型カラー
表示装置を提供することができる。
【0080】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の投影型カラー表示装置において、前記透明非磁性単
結晶基板は、非磁性ガーネットであり、前記透明磁性材
料は、 R3-xxFe5-yy12 (0.2<x<3,0≦y
<5) (“A”は、BiまたはCe)で表されるイットリウム
および希土類鉄ガーネット単結晶であることにより、空
間光変調素子は、光透過率が高く、ファラデー回転角が
大きく、可視域波長依存性が少なく、しかも低強度の磁
界で変調可能な特性を有することになるので、小型、高
精彩、低消費電力の投影型カラー表示装置を確実に提供
することができる。
【0081】請求項3記載の発明によれば、請求項1ま
たは2記載の投影型カラー表示装置において、前記光源
は、異なる3原色をそれぞれ発光する三つの半導体発光
素子で構成されており、前記各半導体発光素子は発光色
毎に順次発光することにより、大きな光源が不要になる
とともに、その光源を駆動するための大電力を発生する
電源も不要になるので、装置の小型化を図ることができ
るとともに、カラーフィルターが不要になるので、光の
透過率を向上させることができる。
【0082】請求項4記載の発明によれば、請求項1な
いし3のいずれか一記載の投影型カラー表示装置におい
て、前記空間光変調素子が有する前記複数画素は、前記
透明磁性材料をメサエッチングすることにより形成され
ることにより、各画素を高速で駆動することができるの
で、3原色をそれぞれ発光する三つの半導体発光素子の
変調を高速で行うことができ、動画等にも十分に対応可
能な投影型カラー表示装置を提供することができる。
【0083】請求項5記載の発明によれば、請求項4記
載の投影型カラー表示装置において、前記空間光変調素
子の前記複数画素には、各画素をそれぞれ磁化させて変
調するための単純マトリックス電気配線が設けられるこ
とにより、開口率を大きくすることができるので、明る
く、コントラストが高い投影型カラー表示装置を提供す
ることができる。
【0084】請求項6記載の発明によれば、請求項1ま
たは5のいずれか一記載の投影型カラー表示装置におい
て、前記空間光変調素子は、前記透明非磁性単結晶基板
と前記透明磁性材料とを誘電体膜で挟み込んで形成され
ることにより、誘電体膜は光を閉じ込める効果を有する
ことから、ファラデー回転角を増大させて磁気光学効果
をさらに増大させることができるので、透明磁性材料を
薄くすることができ、透明磁性材料の磁化のための電流
を低下させることができる。
【0085】請求項7記載の発明によれば、請求項1ま
たは6のいずれか一記載の投影型カラー表示装置におい
て、前記スクリーンはレンチキュラーレンズとフレネル
レンズとから構成されており、前記空間光変調素子は前
記スクリーンの後面に設けられることにより、光をスク
リーンの後方から投影することで外光の影響を受けにく
くすることができるとともに、前面からの投影のように
映像が光源に遮られることもなくなる。
【0086】請求項8記載の発明によれば、請求項1ま
たは7のいずれか一記載の投影型カラー表示装置におい
て、前記スクリーンは、前記光源を設けた本体部に対
し、その下端を軸として開閉自在な構造であって、倒立
可能であることにより、非常に小型であって、可搬性の
良い投影型カラー表示装置を提供することができる。
【0087】請求項9記載の発明によれば、請求項1ま
たは8のいずれか一記載の投影型カラー表示装置におい
て、前記電気配線の電源は、ペーパー2次電池であるこ
とにより、非常に小型であって、可搬性の良い投影型カ
ラー表示装置を提供することができる。
【0088】請求項10記載の発明によれば、請求項1
または9のいずれか一記載の投影型カラー表示装置にお
いて、前記透明磁性材料の厚みは、0.5〜5.0μm
であることにより、十分な旋光角を得ることができるの
で、高い光透過率を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の携帯型ミニプロジェク
タの構成を概略的に示す外観斜視図である。
【図2】光学系の構成を概略的に示す模式図である。
【図3】偏光子に挟まれた空間光変調素子を示す断面図
である。
【図4】メサエッチングされた透明磁性体層を部分的に
示す斜視図である。
【図5】X方向の電流用駆動線をメサ部の上に配線した
状態を部分的に示す平面図である。
【図6】各部の電気的接続を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 投影型カラー表示装置 2 本体部 3 スクリーン 5 光源、半導体発光素子 7 空間光変調素子 8 投影レンズ 9 ペーパー2次電池 10 透明非磁性単結晶基板 11 透明磁性材料 11b 画素 12 誘電体膜 14 単純マトリックス電気配線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H079 AA03 AA12 BA01 BA02 CA02 DA13 DA22 EB18 GA05 HA03 HA11 JA07 KA02 KA05 KA18 5C060 EA01 GA02 GB02 GC06 HC01 HD07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、投影レンズと、前記光源と前記
    投影レンズとの光路上に備えられて画像信号に応じた空
    間変調が施される複数画素をマトリックス状に配列させ
    てなる空間光変調素子とを有し、画像を拡大してスクリ
    ーンに投影する投影型カラー表示装置において、 前記空間光変調素子は、透明非磁性単結晶基板上に積層
    された透明磁性材料を有していることを特徴とする投影
    型カラー表示装置。
  2. 【請求項2】 前記透明非磁性単結晶基板は、非磁性ガ
    ーネットであり、前記透明磁性材料は、 R3-xxFe5-yy12 (0.2<x<3,0≦y
    <5) (“A”は、BiまたはCe)で表されるイットリウム
    および希土類鉄ガーネット単結晶であることを特徴とす
    る請求項1記載の投影型カラー表示装置。
  3. 【請求項3】 前記光源は、異なる3原色をそれぞれ発
    光する三つの半導体発光素子で構成されており、前記各
    半導体発光素子は発光色毎に順次発光することを特徴と
    する請求項1または2記載の投影型カラー表示装置。
  4. 【請求項4】 前記空間光変調素子が有する前記複数画
    素は、前記透明磁性材料をメサエッチングすることによ
    り形成されることを特徴とする請求項1ないし3のいず
    れか一記載の投影型カラー表示装置。
  5. 【請求項5】 前記空間光変調素子の前記複数画素に
    は、各画素をそれぞれ磁化させて変調するための単純マ
    トリックス電気配線が設けられることを特徴とする請求
    項4記載の投影型カラー表示装置。
  6. 【請求項6】 前記空間光変調素子は、前記透明非磁性
    単結晶基板と前記透明磁性材料とを誘電体膜で挟み込ん
    で形成されることを特徴とする請求項1または5のいず
    れか一記載の投影型カラー表示装置。
  7. 【請求項7】 前記スクリーンはレンチキュラーレンズ
    とフレネルレンズとから構成されており、前記空間光変
    調素子は前記スクリーンの後面に設けられることを特徴
    とする請求項1または6のいずれか一記載の投影型カラ
    ー表示装置。
  8. 【請求項8】 前記スクリーンは、前記光源を設けた本
    体部に対し、その下端を軸として開閉自在な構造であっ
    て、倒立可能であることを特徴とする請求項1または7
    のいずれか一記載の投影型カラー表示装置。
  9. 【請求項9】 前記単純マトリックス電気配線の電源
    は、ペーパー2次電池であることを特徴とする請求項1
    または8のいずれか一記載の投影型カラー表示装置。
  10. 【請求項10】 前記透明磁性材料の厚みは、0.5〜
    5.0μmであることを特徴とする請求項1または9の
    いずれか一記載の投影型カラー表示装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010066351A (ja) * 2008-09-09 2010-03-25 Mitsubishi Electric Corp 投写型液晶表示装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010066351A (ja) * 2008-09-09 2010-03-25 Mitsubishi Electric Corp 投写型液晶表示装置

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