JP2002005422A - 燃焼溶融炉の燃焼方法および燃焼溶融炉 - Google Patents
燃焼溶融炉の燃焼方法および燃焼溶融炉Info
- Publication number
- JP2002005422A JP2002005422A JP2000185051A JP2000185051A JP2002005422A JP 2002005422 A JP2002005422 A JP 2002005422A JP 2000185051 A JP2000185051 A JP 2000185051A JP 2000185051 A JP2000185051 A JP 2000185051A JP 2002005422 A JP2002005422 A JP 2002005422A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- combustion
- air
- sub
- melting furnace
- combustion chamber
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
燃焼溶融炉の排ガス中の窒素酸化物と未燃分をバランス
良く低減する燃焼溶融炉およびその燃焼方法を提供す
る。 【解決手段】 従来の燃焼室形状および燃料、燃焼空気
等の供給口の構成を変更すること無しに、燃焼空気を燃
焼室1a内に投入する副燃焼空気供給口30を、溶融燃
焼炉1の二次燃焼域上流部に少なくとも1つ新たに設置
して副燃焼域Sを形成する。副燃焼空気供給口30は燃
焼室1aの中心軸に向けて空気を供給できるように配置
し、全燃焼空気のおよそ10%以下の流量を適当な流速
で供給することにより、燃焼ガス中の未燃分濃度を効果
的に低減する。これにより、燃焼溶融に関する基本的な
性能を損なうこと無しに、低空気比での安定した運転が
可能となり、排ガス中の窒素酸化物と未燃分をバランス
良く低減することができる。
Description
灰分や金属分を燃焼と同時に溶融スラグ化する燃焼溶融
炉において、燃焼室の二次燃焼燃領域での燃焼ガスの混
合を促進し、排ガス中の未燃分を低減できるような、燃
焼溶融炉、燃焼溶融処理装置および燃焼方法に関する。
々の燃焼炉において、その排ガス中の有害成分に対する
規制はますます厳しいものとなっている。特に、一酸化
炭素やダイオキシン等の未燃分や、窒素酸化物濃度の低
減は喫緊の課題である。
の旋回流中で燃料を燃焼させて灰分を溶融させる旋回型
燃焼溶融炉においては、燃焼用の空気を2段階もしくは
3段階に分けて供給するのが一般的である。このような
空気供給方法を採ることによって、灰分を溶融させるの
に必要な高い燃焼温度の確保が可能となると同時に、排
ガス中の窒素酸化物濃度を低減することができるとされ
ている。また、窒素酸化物濃度をより低くするために
は、燃焼空気比1.2前後で運転するのが良いとされて
いる。
は、燃焼炉内の二次燃焼域での未燃分の燃焼が充分に進
まず、結果として排ガス中の一酸化炭素濃度が増加して
しまう傾向がある。したがって、排ガス中の未燃分と窒
素酸化物をバランス良く低減するためには、二次燃焼域
での未燃分と燃焼空気の混合を促進し、低空気比運転に
おいても充分な燃焼率を確保することが必要であると考
えられている。
回型燃焼溶融炉については、特願2000−74338
号公報に開示されている。本公報における旋回型燃焼溶
融炉は、1次燃焼域において空気比1.0以下で燃焼さ
れた未燃分を多量に含んだ燃焼ガスが、炉底で反転した
後に炉中心部分を通って排ガス抜き出し口に流れる特殊
な燃焼形態において、1個の燃焼室内で二段燃焼を実現
する手段として、二次燃焼空気を炉中心軸に向けて供給
する方法が記載されている。
は、1つの燃焼室内において、一次空気を旋回流にして
空気比が1未満の還元雰囲気で一次燃焼を行い、一次燃
焼ガスに二次空気を供給して空気比が1以上の酸化雰囲
気で二次燃焼を行っており、燃焼ガスに含まれる未燃焼
分および残存する燃料粒子を二次燃焼することができ、
燃焼性を高めることができるものである。そして、一次
燃焼に必要な空気と、二次燃焼に必要な空気の両方によ
り可燃物を燃焼させるものである。
は、一次空気によってスラグ排出口の空気比が1未満、
0.8以上の還元雰囲気にすることが望ましく、燃焼ガ
ス排出口の空気比は、1.0乃至1.3の範囲に設定さ
れている。この場合、一次空気の空気比を0.8に設定
し、全燃焼空気の空気比を1.3に設定すると、二次空
気を空気比で0.5程度供給する必要がある。これは、
全空気量の約38%にあたり、このような大量の二次空
気を旋回成分を与えずに炉中心方向に向けて供給した場
合には、燃焼室内の旋回力が低下して焼却灰の溶融スラ
グ化が不完全になるおそれがある。
比を1.2程度に低下させた場合には排ガス中の未燃分
濃度が上昇してしまう傾向にあり、排ガスから有害成分
をより低減することが要求されており、旋回型の燃焼溶
融炉において燃焼排ガス中の未燃分や窒素酸化物をさら
に低減することは、燃焼溶融炉を含む燃焼装置の環境に
与える負荷を低減するために今後ますます重要となる。
させるのに必要な空気量で供給される主燃焼空気により
主燃焼を完結した後、燃焼室の中心軸に向けて副燃焼空
気を直線的に供給して副燃焼させ、しかも全体の空気量
を増加させない範囲でさらに燃焼させることにより、簡
便な装置構成と単純な運転手順によって燃焼ガス中の未
燃分を燃焼させることができ、排ガス中の未燃分と窒素
酸化物をバランス良く低減できる燃焼溶融炉およびその
燃焼方法を提供することを目的とする。
に、本発明者らは低空気比運転時に未燃分が増加する機
構について、燃焼試験を実施して解析を試みた。その結
果、旋回型燃焼溶融炉の二次燃焼域では、円筒形燃焼室
の内壁面からの中心軸に向かって徐々に酸素濃度が低
く、また未燃分濃度が高くなっていることを見いだし
た。また、一酸化炭素濃度は炉中心軸近傍で炉径の30
%より内側の部分で急激に上昇しており、炉の中心軸近
傍に未燃分が集中していることが判明した。
記知見を基にしたものであり、略円筒状の燃焼室内に上
流側から主燃焼域と副燃焼域とを順次形成した灰分もし
くは金属分を含有する可燃物を燃焼する燃焼溶融炉の燃
焼方法であって、前記主燃焼域では、前記可燃物と該可
燃物を燃焼させるに必要な十分の量の旋回流空気とを供
給して燃焼させ、該燃焼により生成した灰分を溶融させ
るとともに、前記副燃焼域では、該副燃焼域の上流部か
ら前記燃焼室の中心軸に向けて空気を供給して前記燃焼
により生成される燃焼ガス中の未燃分を燃焼させること
を特徴とする。前記副燃焼域に供給される空気は、全燃
焼空気量の10%以下の流量で供給されることが好まし
い。
形状の燃焼室を有し、該燃焼室内に旋回流を形成するよ
うに主燃焼空気を供給する主燃焼空気供給口と、灰分も
しくは金属分を含有する可燃物を供給する可燃物供給口
が設置され、前記燃焼室内に形成された旋回流中に前記
可燃物を供給して燃焼させると同時に燃焼により生じた
灰分を溶融させる主燃焼域を形成し、前記主燃焼域の下
流に前記燃焼室の中心軸に向けて副燃焼空気を供給する
副燃焼空気供給口が設置され、前記副燃焼空気により前
記主燃焼域の下流側に副燃焼域を形成して前記燃焼によ
り生成される燃焼ガス中の未燃分を燃焼させることを特
徴とする。
次燃焼域の下流部に、すなわち一次燃焼、二次燃焼等に
より可燃物を主燃焼させた後、炉の中心軸に向けてさら
に燃焼空気を供給する副燃焼空気供給口を設けて、前記
のような炉中心軸付近での酸素不足と、それに起因する
燃焼生成排ガス中の未燃分を燃焼させて高い未燃分濃度
を下降させることができる。副燃焼空気供給口を使用す
るに当たっては、そこから供給される空気の流量および
流速条件を適切に選択する必要がある。すなわち、十分
な流速をもって供給しなければ、主燃焼空気の旋回流に
よって副燃焼空気が吹き飛ばされて、炉の中心軸付近に
副燃焼空気が到達できないので、十分な流速で、炉の中
心軸に確実に副燃焼空気を供給して副燃焼させ、未燃分
の低減と、窒素酸化物の低減を達成できる。
気が供給されるべきは自明であるが、一方で過剰な供給
は燃焼ガスの温度低下を招き、却って燃焼効率が低下す
る恐れがあるため、全燃焼空気量の10%以下の流量で
供給することが好ましい。また、本発明における副燃焼
空気は旋回成分を持たないため、全燃焼空気流量にしめ
る副燃焼空気流量の割合が過剰に多くなれば、主燃焼空
気によって形成される旋回流の強度が低下し、旋回力に
基づく遠心力によって焼却灰を捕捉して溶融スラグ化す
るという、旋回型燃焼溶融炉の基本性能の低下を招く。
供給口を設置して燃焼試験を実施し、全燃焼空気流量の
10%以下の流量で、20〜50m/sの流速を持って
副燃焼空気を炉中心軸方向に供給することによって、炉
の溶融スラグ化に関わる性能を劣化させることなく、排
ガス中の一酸化炭素濃度と窒素酸化物濃度をバランス良
く低減できることを見いだした。
を組み合わせて形成することができ、燃焼室の副燃焼空
気供給口を設置する位置は、燃焼室の二次燃焼域の上流
部とするのが適当であり、複数の副燃焼空気供給口が、
燃焼室の中心軸に対して対称に配置され、全ての副燃焼
空気供給口が前記中心軸に向かって空気を吹き込むよう
に配置されていることが好適であるが、最適な設置位置
や本数は実験的に容易に求められるため、本発明の本質
的な部分ではない。
により燃焼室内の二次燃焼域を推定しておき、所望の大
型装置の二次燃焼域の上流部と考えられる領域に複数組
の副燃焼空気供給口を設置しておく。燃焼中に各々の供
給口を使って副燃焼空気を供給し、排ガス性状を改善で
き、しかも溶融スラグ化に関わる性能劣化の少ない空気
供給口と流量、流速配分を選択すれば良い。このような
方法で副燃焼空気供給口を適当に設置すれば、燃焼室の
形状、燃料の性状、燃焼室に設置された各種供給口の本
数および配置に関わりなく、本発明を適用することが可
能であり、所望の効果を得られる。
な実施態様としては、燃焼室が単一円筒形状であり上流
の主燃焼域と下流の副燃焼域から構成され、前記燃焼室
は灰分もしくは金属分を含有する可燃物を供給する可燃
物供給口、該可燃物供給口の上部に設置された第1およ
び第2の主燃焼空気供給口、該第1および第2の主燃焼
空気供給口の上部に設置され前記副燃焼域の中心軸に向
けて空気を供給する副燃焼空気供給口、前記可燃物供給
口の下部に設置された助燃バーナー、および前記可燃物
供給口よりも下部に設置された補助燃料供給口を備えて
いるとともに、前記燃焼室の上部には排ガス抜き出し
口、前記燃焼室の下部にはスラグ排出口を備えることを
特徴とする。
1および第2の主燃焼空気供給口から構成し、第1の主
燃焼空気供給口から供給される主燃焼空気により一次燃
焼域を形成し、第2の主燃焼空気供給口から供給される
主燃焼空気により二次燃焼域を形成し、一次燃焼域と二
次燃焼域により主燃焼部が構成され、さらに下流側に副
燃焼域が構成される。そして、副燃焼域の中心軸に向け
て空気を供給する副燃焼空気供給口を備え、該副燃焼空
気供給口から全燃焼空気量の10%以下の流量で副燃焼
空気を供給するので、低空気比で安定して燃焼でき、燃
焼ガスの温度を下げることなく、排ガス中の窒素酸化物
が僅かに増えるが未燃分を大幅に低減でき、排ガス中の
有害成分をバランス良く低減することができる。
前記の燃焼溶融炉と、前記燃焼室の可燃物供給口に接続
された可燃分定量供給装置と、前記排ガス抜き出し口に
接続された排ガス煙道と、該排ガス煙道に設置された主
燃焼空気を加熱するための熱交換器と、前記排ガス煙道
に設置された廃熱回収ボイラ、排ガス処理装置、および
排ガス誘引ファンを備えることを特徴とする。
理装置は、前記の燃焼溶融炉で、低空気比で安定して燃
焼でき、燃焼ガスの温度を下げることなく、排ガス中の
窒素酸化物が僅かに増えるが未燃分を大幅に低減でき、
排ガス中の有害成分をバランス良く低減することができ
ると共に、熱交換器により主燃焼空気を加熱して燃焼効
率を高めることができ、また廃熱の回収、排ガス処理を
効率的に行うことができる。
一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は本発
明における燃焼溶融炉を用いた廃棄物燃焼処理装置の概
略構成図である。図1において、燃焼溶融炉1は、可燃
物供給口2、主燃焼空気供給口3a、3b、スラグ排出
口4、助燃バーナー5、補助燃料供給口6および副燃焼
空気供給口30を設けた燃焼室1aと、スラグ排出口バ
ーナー9、スラグ排出コンベア11を設けたスラグ受け
水槽10とから主として構成される。可燃物供給口2か
ら廃棄物熱分解残さ、主燃焼空気供給口3a、3bおよ
び副燃焼空気供給口30から空気、補助燃料供給口6か
らLPG、助燃バーナー5およびスラグ排出口バーナー
9からLPGと空気が供給される。
れ、助燃バーナー5には送風機18が接続され、スラグ
排出口バーナー9には送風機19が接続され、それぞれ
に燃焼に必要な空気が供給される。また、主燃焼空気供
給口3a、3b、副燃焼空気供給口30には送風機20
が接続されており、燃焼に必要な空気が供給される。主
燃焼空気供給口3a、3bおよび副燃焼空気供給口30
に供給される空気は、排ガス煙道13中に設置された熱
交換器21により予熱される。そして、主燃焼空気供給
口3aおよび副燃焼空気供給口30への燃焼空気供給配
管には流量調整バルブ31a、31bが設置され、各々
の燃焼空気供給口への流量配分を調整する。主燃焼空気
供給口3a、3bから供給される空気により主燃焼域M
が構成され、副燃焼空気供給口30から供給される空気
により副燃焼域Sが構成される。このように燃焼室1は
主燃焼域Mと、副燃焼域Sとから構成される。
燃料供給口6、助燃バーナー5およびスラグ排出口バー
ナー9に供給される。可燃物供給口2から投入される廃
棄物熱分解残さは、貯溜ホッパと粉体定量供給装置を備
えた可燃物供給装置15により供給量を調整した後、可
燃物搬送用送風機17から供給される空気により搬送さ
れ、燃焼室1a内に投入される。
引ファン24により排ガス煙道13に導かれ、煙突25
より大気中に放出される。煙道13中には、前記熱交換
器21の他に廃熱回収ボイラ22と排ガス処理装置23
が設置されている。廃熱回収ボイラ22では高温高圧の
蒸気が生成され、図示しない蒸気タービン発電設備や蒸
気を使用した冷却装置等で利用される。排ガス処理装置
23は、消石灰と活性炭の吹き込み装置を備えたバグフ
ィルタで構成され、排ガス中の飛灰や各種有害物質を捕
集、除去する。
の内、燃焼室1a付近の詳細な構成を示す。図3は図2
のA−AからD−Dの各々の線に沿う断面図である。燃
焼室1aは円筒形で内面に耐火材が施工されており、図
3に示すとおり可燃物供給口2、2段階の主燃焼空気供
給口3a、3bが、いずれも燃焼室1a内に旋回流aを
形成するように、円筒形の中心からずらして設置されて
いる。主燃焼空気供給口3a、3bから燃焼室1a内に
吹き込まれた空気の一部は旋回しながら下降し、可燃物
供給口2から投入された廃棄物熱分解残さと合流して燃
焼する主燃焼域Mが構成される。
属分の大半は、溶融スラグ化して燃焼室壁面を流下し、
スラグ排出口4から燃焼室1a外に排出される。排出さ
れたスラグはスラグ受け水槽10に落下して冷却固化
し、固化スラグ11aとしてスラグ排出コンベア11に
よって系外に搬送される。スラグ受け水槽10の上部に
は、スラグ排出口バーナー9が設置されており、スラグ
排出口4付近の温度がスラグの排出に支障を来すほどに
低下した場合には、このバーナー9を点火して必要な温
度にまで昇温することができる。
燃焼室中心付近を反転上昇し、主燃焼空気供給口3bか
ら旋回しながら上昇する燃焼空気と混合しつつ、排ガス
抜き出し口12から燃焼室1a外に排ガス13aとして
排出される。事前の計算機実験により、本実施例におけ
る燃焼溶融炉1では、主燃焼空気供給口3bより上部の
燃焼室1a内が二次燃焼領域になると予測されたため、
副燃焼空気供給口30は主燃焼空気供給口3bよりも上
部に設置した。また副燃焼空気供給口30は、図3に示
すように炉中心軸向きに180度対向するように2本配
置し、炉中心に向けて直線流bのように副燃焼空気を供
給する。副燃焼空気が供給され、主燃焼により生成され
た燃焼ガスの未燃分が燃焼される領域が副燃焼域Sとな
る。このように副燃焼空気供給口30は、副燃焼域Sの
上流部に設置されている。
続する燃焼空気配管の内1本にはストップバルブ(図示
せず)を設けてあり、1本の副燃焼空気供給口だけから
空気を供給することもできる。また、副燃焼空気供給口
30の先端には交換可能なノズル(図示せず)が取り付
けられており、内径の異なるノズルに交換することによ
って、副燃焼空気の吹き出し流速を調整することも可能
である。副燃焼空気は、全燃焼空気量の10%以下の流
量で適切な流速で供給されるため、直線流bが旋回流a
を妨げることなく、また燃焼ガスの温度を低下させるこ
とがなく、低空気比で安定した燃焼を行うことができ
る。
用いて、副燃焼空気の流量、流速および供給口の本数を
変化させながら、燃焼室1a出口付近の燃焼ガスや煙道
13中の排ガス性状がどのように変化するかを検討し
た。ガス組成は、図2中に示す通り、燃焼室1a出口付
近と排ガス煙道13に、各々ガス分析装置33、35に
接続されたガス採取管32、34を設置して分析した。
なおガス採取管32は、ガスの採取位置を燃焼室1aの
半径方向に自由に変えられる機構を有しており、燃焼室
1a内の中心から壁面までのガス組成の分布を測定でき
る。
燃焼室1a出口付近の酸素と一酸化炭素の濃度分布を測
定した結果である。燃焼室1aの壁面近傍から燃焼室中
心に向かって酸素濃度が徐々に減少しており、これに呼
応して燃焼室1aの中心付近では高い一酸化炭素濃度が
検出されている。
素濃度分布を、副燃焼空気供給の有り無しで比較したも
のである。図5中で、線Aは副燃焼空気供給無しのケー
ス、線Bは流速40m/sで1本の供給口から全燃焼空
気量の5%の流量で副燃焼空気を供給したケース、線C
は流速60m/sで2本の供給口から全燃焼空気量の
7.5%の流量で供給したケースをそれぞれ示す。線
B、Cでは線Aに比較して燃焼室1aの中心軸付近の一
酸化炭素濃度が大きく減少しており、燃焼ガス中の未燃
分低減に対する副燃焼空気供給の効果が確認された。
排ガスの組成の関係を、副燃焼空気供給の有無で比較し
て示している。副燃焼空気を供給しないケースでは、燃
焼空気比の低下とともに窒素酸化物濃度は低下するが、
同時に一酸化炭素濃度が著しく増加してしまう。一方、
副燃焼空気を供給した場合には、副燃焼空気無しの場合
に比較して数ppm程度窒素酸化物濃度が上昇するもの
の、全燃焼空気の10%以下の流量で副燃焼空気を供給
する低空気比運転時にも一酸化炭素濃度を5ppm以下
にでき、窒素酸化物濃度をほとんど変えることなく一酸
化炭素濃度を大幅に低減できることが分かった。
焼室1a内の炉壁温度の監視を連続的に実施したが、副
燃焼空気供給時にスラグ排出量の低下や炉壁温度の大幅
な変化は全く検知されなかった。すなわち、副燃焼空気
供給に伴う主燃焼空気流量の減少は、本実施例程度の減
少幅であれば燃焼溶融炉の基本性能に及ぼす影響は非常
に小さいことが分かった。
燃焼空気供給口を燃焼室1aの円筒形断面の中心軸に軸
対称に配置した例を示したが、1本でも、あるいは多数
本でもよいことは勿論である。また、燃焼室は単一の円
筒形から構成される例を示したが、直径の異なる複数の
円筒を上下に積層して構成してもよく、旋回流を形成で
きれば楕円形状でもよい。
明における燃焼溶融炉およびその燃焼方法を用いて、灰
分および金属分を含有する燃料を処理する燃焼溶融炉を
運転することにより、燃焼溶融に関する基本的な性能を
損なうこと無しに、低空気比運転時における排ガス中の
未燃分量の増加を抑制することが可能となる。
を導入して、低空気比で安定した燃焼が可能となれば、
排ガス中の有害成分である窒素酸化物と未燃分をバラン
ス良く低減できるため、未燃分に起因して生成するダイ
オキシン類の排出量抑制や、窒素酸化物の処理装置にか
かるコストの低減を図ることができる。
成図。
面図。
A線、B−B線、C−C線に沿う断面図、(b)はD−
D線に沿う断面図。
フ。
グラフ。
フ。
a、3b…主燃焼空気供給口、4…スラグ排出口、5…
助燃バーナー、6…補助燃料供給口、9…スラグ排出口
バーナー、10…スラグ受け水槽、11…スラグ排出コ
ンベア、12…排ガス抜き出し口、13…排ガス煙道、
15…可燃物供給装置、16…補助燃料供給装置、17
…可燃物搬送用送風機、18…助燃バーナー用送風機、
19…スラグ排出口バーナー用送風機、20…燃焼空気
供給用送風機、21…熱交換器、22…廃熱回収ボイ
ラ、23…排ガス処理装置、24…排ガス誘引ファン、
25…煙突、30…副燃焼空気供給口、31a、31b
…流量調整バルブ、32、34…ガス採取管、33、3
5…ガス分析装置、M…主燃焼域、S…副燃焼域
Claims (7)
- 【請求項1】 略円筒状の燃焼室内に上流側から主燃焼
域と副燃焼域とを順次形成した灰分もしくは金属分を含
有する可燃物を燃焼する燃焼溶融炉の燃焼方法であっ
て、 前記主燃焼域では、前記可燃物と該可燃物を燃焼させる
に必要な十分の量の旋回流空気とを供給して燃焼させ、
該燃焼により生成した灰分を溶融させるとともに、 前記副燃焼域では、該副燃焼域の上流部から前記燃焼室
の中心軸に向けて空気を供給して前記燃焼により生成さ
れる燃焼ガス中の未燃分を燃焼させることを特徴とする
燃焼溶融炉の燃焼方法。 - 【請求項2】 前記副燃焼域に供給される空気は、全燃
焼空気量の10%以下の流量で供給されることを特徴と
する請求項1記載の燃焼溶融炉の燃焼方法。 - 【請求項3】 略円筒形状の燃焼室を有し、該燃焼室内
に旋回流を形成するように主燃焼空気を供給する主燃焼
空気供給口と、灰分もしくは金属分を含有する可燃物を
供給する可燃物供給口が設置され、前記燃焼室内に形成
された旋回流中に前記可燃物を供給して燃焼させると同
時に燃焼により生じた灰分を溶融させる主燃焼域を形成
し、前記主燃焼域の下流に前記燃焼室の中心軸に向けて
副燃焼空気を供給する副燃焼空気供給口が設置され、前
記副燃焼空気により前記主燃焼域の下流側に副燃焼域を
形成して前記燃焼により生成される燃焼ガス中の未燃分
を燃焼させることを特徴とする燃焼溶融炉。 - 【請求項4】 前記燃焼室は、単一の円筒もしくは複数
の円筒を組み合わせて形成されたことを特徴とする請求
項3に記載の燃焼溶融炉。 - 【請求項5】 前記副燃焼空気供給口は複数設けられ、
該複数の副燃焼空気供給口は前記副燃焼部の中心軸に対
して対称に配置され、全ての副燃焼空気供給口が前記中
心軸に向かって空気を吹き込むように配置されているこ
とを特徴とする請求項3又は4に記載の燃焼溶融炉。 - 【請求項6】 燃焼室は単一円筒形状であり上流の主燃
焼域と下流の副燃焼域から構成され、前記燃焼室は、灰
分もしくは金属分を含有する可燃物を前記主燃焼域に供
給する可燃物供給口、該可燃物供給口の上部に設置され
前記主燃焼域に旋回流を形成する第1および第2の主燃
焼空気供給口、該第1および第2の主燃焼空気供給口の
上部に設置され前記副燃焼域の中心軸に向けて空気を供
給する副燃焼空気供給口、前記可燃物供給口の下部に設
置された助燃バーナー、および前記可燃物供給口よりも
下部に設置された補助燃料供給口を備えているととも
に、前記燃焼室の上部には排ガス抜き出し口、前記燃焼
室の下部にはスラグ排出口を備えることを特徴とする燃
焼溶融炉。 - 【請求項7】 請求項6に記載の燃焼溶融炉と、前記排
ガス抜き出し口に接続された排ガス煙道と、該排ガス煙
道に設置された主燃焼空気を加熱するための熱交換器
と、前記排ガス煙道に設置された廃熱回収ボイラ、排ガ
ス処理装置、および排ガス誘引ファンを備えることを特
徴とする燃焼溶融処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000185051A JP2002005422A (ja) | 2000-06-20 | 2000-06-20 | 燃焼溶融炉の燃焼方法および燃焼溶融炉 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000185051A JP2002005422A (ja) | 2000-06-20 | 2000-06-20 | 燃焼溶融炉の燃焼方法および燃焼溶融炉 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002005422A true JP2002005422A (ja) | 2002-01-09 |
Family
ID=18685424
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000185051A Pending JP2002005422A (ja) | 2000-06-20 | 2000-06-20 | 燃焼溶融炉の燃焼方法および燃焼溶融炉 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002005422A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010249355A (ja) * | 2009-04-13 | 2010-11-04 | Mitsubishi Materials Techno Corp | 冷却装置 |
JP2017198352A (ja) * | 2016-04-25 | 2017-11-02 | 東京電力ホールディングス株式会社 | 廃棄物発電プラントの性能劣化判断方法 |
-
2000
- 2000-06-20 JP JP2000185051A patent/JP2002005422A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010249355A (ja) * | 2009-04-13 | 2010-11-04 | Mitsubishi Materials Techno Corp | 冷却装置 |
JP2017198352A (ja) * | 2016-04-25 | 2017-11-02 | 東京電力ホールディングス株式会社 | 廃棄物発電プラントの性能劣化判断方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4479655B2 (ja) | 火格子式廃棄物焼却炉及びその燃焼制御方法 | |
US4861262A (en) | Method and apparatus for waste disposal | |
USRE34298E (en) | Method for waste disposal | |
WO2003031873A1 (fr) | Chaudiere de combustion a allumage en u du type a fusion des cendres et procede de fonctionnement de la chaudiere | |
US5213492A (en) | Combustion method for simultaneous control of nitrogen oxides and products of incomplete combustion | |
CN110425520B (zh) | 一种用于半焦类难燃燃料的无焰燃烧系统 | |
US5242295A (en) | Combustion method for simultaneous control of nitrogen oxides and products of incomplete combustion | |
JP2003202106A (ja) | 廃棄物熱分解ガスの再燃焼炉とその制御方法 | |
JPH11294740A (ja) | 排ガス完全燃焼制御方法および排ガス完全燃焼制御装置 | |
JP2007127355A (ja) | ごみ焼却溶融方法及びこれに用いるごみ焼却溶融装置 | |
JP2002005422A (ja) | 燃焼溶融炉の燃焼方法および燃焼溶融炉 | |
EP0499184B1 (en) | Combustion method for simultaneous control of nitrogen oxides and products of incomplete combustion | |
JP2642568B2 (ja) | ごみ焼却炉の二次燃焼方法 | |
JP2005226970A (ja) | 火格子式廃棄物焼却炉及びその操業方法 | |
CN110657437B (zh) | 一种多重旋流废气废液燃烧器 | |
CN210069874U (zh) | 烟气加热系统 | |
JP3998302B2 (ja) | ごみ焼却炉の二次燃焼方法 | |
JP3764634B2 (ja) | 酸素バーナ式溶融炉 | |
JP2002089813A (ja) | 灰溶融炉の排ガス処理方法およびその装置 | |
JP2001141207A (ja) | 燃焼装置および燃焼方法 | |
JP2004077013A (ja) | 廃棄物焼却炉の操業方法及び廃棄物焼却炉 | |
CN219624047U (zh) | 一种焚烧炉辅助燃烧机构 | |
JP2004163009A (ja) | 廃棄物焼却システムの操業方法及び廃棄物焼却システム | |
JPH06294586A (ja) | 鉄屑溶解炉及びその予熱装置におけるダイオキシン発生防止方法とダイオキシン発生防止装置 | |
AU621059B2 (en) | A method and apparatus for waste disposal |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060228 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060328 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060529 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060801 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061128 |